JP2692208B2 - 変性エポキシ組成物 - Google Patents

変性エポキシ組成物

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JP2692208B2
JP2692208B2 JP63315394A JP31539488A JP2692208B2 JP 2692208 B2 JP2692208 B2 JP 2692208B2 JP 63315394 A JP63315394 A JP 63315394A JP 31539488 A JP31539488 A JP 31539488A JP 2692208 B2 JP2692208 B2 JP 2692208B2
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幸治 大久保
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日本合成ゴム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、変性エポキシ組成物に関し、詳しくは接着
強度、耐衝撃性、耐熱性・電気絶縁性などに優れ、接着
剤、コーティング剤、封止剤、電気・電子部品、自動車
部品その他各種成形材料などに適した変性エポキシ組成
物に関する。
(従来の技術) 一般に、エポキシ樹脂は、硬化収縮が小さく、寸法安
定性に優れ、機械的強度が強く、絶縁物としての電気特
性が優れ、さらに耐熱性、耐水性、耐薬品性などの多く
の点で優れ、特に接着剤、コーティング剤などとして用
いた場合、金属、磁器、コンクリートなどに対する接着
力、密着力および機械的強度が強く、剪断強度、引張強
度などに優れるという特徴を有している。しかしなが
ら、エポキシ樹脂は可撓性が不十分なため、接着剤、コ
ーティング剤などとして用いる場合には、剥離強度や衝
撃強度が非常に低く、亀裂、剥離などが発生し易いとい
う問題を有する。また、エポキシ樹脂を成形材料として
用いる場合には、成形品が脆く、各種衝撃などにより破
壊され易いという問題を有する。
上記問題を解決する方法の一つとして、分子中にエポ
キシ樹脂と反応し得る官能基を有する液状のアクリロニ
トリル−ブタジエンゴムなどをエポキシ樹脂に混合する
ことが提案されている(例えば、Clayton A.May、Epoxy
Resins、Marcel Dekker Inc.(1988))。また、特開
昭58-83014、59-138254号公報には、エポキシ樹脂中で
アクリレートとアクリル酸などのエポキシ樹脂と反応し
うる官能基含有モノマーの重合を行い(in situ重
合)、ゴム状粒子をエポキシ樹脂中に分散させることが
提案されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記特開昭58-83014、59-138254号公
報に記載の方法は、分散されたゴム状粒子自体がエポキ
シ樹脂と相溶性を持つことから、ゴム状粒子の凝集、凝
固などの問題、および分散系の極度の粘度上昇の問題を
避けることができない。
本発明は、上記のような従来のゴム状粒子を分散させ
たエポキシ樹脂が有している問題を克服し、エポキシ樹
脂の種類や硬化条件に左右されることなく、エポキシ樹
脂中にゴム状粒子が安定に分散され、接着性、耐衝撃
性、耐熱性などに優れた変性エポキシ組成物を提供する
ことを目的とする。
更に、本発明はアルカリ金属、塩素イオンなどのイオ
ン性不純物を実質的に含まないゴム状粒子を分散し、耐
衝撃性に優れ、成型収縮性が小さく、金属腐食が小さ
く、更に電気絶縁性に優れ、特に半導体の封止剤として
好適な変性エポキシ組成物を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) すなわち、本発明は、 (a)エポキシ基を有する化合物ならびに必要に応じて
該エポキシ基を有する化合物の硬化剤および硬化促進剤
から選ばれる少なくとも1種(以下、これらを「(a)
成分」という)に (b)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミ
ノ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基またはリン酸
基を有する不飽和化合物(以下、「モノマーI」とい
う)および他の不飽和化合物(以下、「モノマーII」と
いう)を含むモノマーを共重合して得られる、ゲル含量
が40〜90重量%の部分架橋ゴム状ランダム共重合体(以
下、「共重合体b」という)を配合し、粒子状に分散し
たことを特徴とする変性エポキシ組成物を提出するもの
である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる(a)成分は、変性エポキシ組成
物の用途に応じて適宜選択され、種々のものを使用する
ことができる。かかる(a)成分のうちエポキシ基を有
する化合物としては、例えばエピクロルヒドリンと多価
アルコールまたは多価フェノールとの縮合生成物、エピ
クロルヒドリンとフェノールノボラック、クレゾールノ
ボラックなどのノボラックとの縮合生成物、環状脂肪族
エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合
物、グリシジルアミン系エポキシ化合物、複素環式エポ
キシ化合物、ポリオレフィンの重合体または共重合体よ
り誘導されるエポキシ化合物、グリシジルメタクリレー
トの(共)重合によって得られるエポキシ化合物、高度
不飽和脂肪酸のグリセライドより得られるエポキシ化合
物、ポリアルキレンエーテル型エポキシ化合物、含塩素
または含フッ素エポキシ化合物などのエポキシ当量が60
00以下程度、好ましくは90〜6000の化合物を挙げること
ができる。
エポキシ基を有する化合物の硬化剤および/または硬
化促進剤は、変性エポキシ組成物の硬化タイプ、例えば
二液型、一液型、熱硬化型、光硬化型などのタイプに応
じて選択され、種々のものを使用することができる。か
かるエポキシ基を有する化合物の硬化剤および/または
硬化促進剤としては、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロ
ピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチ
ルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシ
ルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−
アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロ
ピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカ
ン、m−キシリレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン、
メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジフェ
ニルメタンなどの芳香族ポリアミン、ベンジルジメチル
アミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テ
トラメチルグアニジン、N,N′−ジメチルピペラジン、
トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,
0)ウンデセン、トリエタノールアミン、ピペラジン、
ピロリジン、ポリアミドアミン、フッ化ホウ素モノエチ
ルアミン錯体などの第二級または第三級アミン、無水メ
チルナジック酸、ドデセニル無水コハク酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルコ
ンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水クロレン
ド酸、エチレングリコール無水トリメリット酸エステ
ル、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸などの酸無水物、イミダゾール、2−
メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミ
ダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジ
ル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−
メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メ
チルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾ
ールトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニル
イミダゾールトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−
{2′−メチルイミダゾリル−(1′)}−エチル−S
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−{2′−ウンデシ
ルイミダゾリル−(1′)}−エチル−S−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−{2′−エチル−4′−メチ
ルイミダゾリル−(1′)}−エチル−S−トリアジ
ン、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダ
ゾールトリメリテート、1−シアノエチル−2−ウンデ
シルイミダゾールトリメリテート、1−ドデシル−2−
メチル−3−ベンゾイミダゾリウムクロライド、1,3−
ジベンジル−2−メチルイミダゾリウムクロライドなど
のイミダゾール誘導体、ジシアンジアミドまたはその誘
導体、アジピン酸ジヒドラジドなどの有機酸ジヒドラジ
ド、3−(p−クロロフェニル)−1,1−ジメチル尿
素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿
素などの尿素誘導体、ポリメルカプタン系硬化剤、フェ
ノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などのメチロー
ル基含有化合物、ポリイソシアネート、さらに紫外線硬
化触媒である芳香族ジアゾニウム塩、スルホニウム塩な
どを使用することができる。
エポキシ基を有する化合物の硬化剤を使用する場合、
その使用量は通常、これらの硬化剤が有する活性水素基
が、(a)成分の有するエポキシ基とほぼ等量となる量
である。また、エポキシ基を有する化合物の硬化促進剤
は、その種類、硬化条件などに応じ適正量が使用され
る。
次に、共重合体bについて説明する。
共重合体bを構成するモノマーIの有する官能基は、
カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、
ヒドロキシル基、イソシアネート基およびリン酸基から
選ばれるが、(a)成分と適度の反応性を有する点か
ら、カルボキシル基、酸無水物基およびエポキシ基が好
ましい。かかるモノマーIの例としては、例えば官能基
がカルボキシル基の場合は、(メタ)アクリル酸、イタ
コン酸、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチル、マ
レイン酸β−(メタ)アクリロキシエチル、フタル酸β
−(メタ)アクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸
β−(メタ)アクリロキシエチルなどの不飽和酸を、官
能基が酸無水物基の場合は、無水マレイン酸、無水コハ
ク酸などの不飽和酸無水物を、官能基がエポキシ基の場
合はグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリル
グリシジルエーテルなどを、官能基がアミノ基の場合は
ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレートなどを、官能基がヒドロキ
シル基の場合はヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどを、
官能基がイソシアネート基の場合はビニルイソシアネー
ト、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、p−
スチリルイソシアネートなどを、官能基がリン酸基の場
合は(メタ)アクリロキシエチルホスフェートなどを挙
げることができる。
また、共重合体b中に導入される官能基は、高分子反
応により目的の官能基に変換されてもよい。例えばN−
ビニルフタルイミド、N−ビニルウレタンなどのユニッ
トを含む共重合体の加水分解やニトロスチレンなどのユ
ニットを含む共重合体のニトロ基の還元によって一級ア
ミノ基を導入することができる。
なお、これらの官能基を有する不飽和化合物の共重合
体b中における共重合量は、好ましくは1〜20重量%で
あり、特に好ましくは3〜15重量%である。
次にモノマーIIの例としては以下のものを例示するこ
とができる。
共役ジエン:ブタジエン、ジメチルブタジエン、イソ
プレン、クロロプレンおよびこれらの誘導体。
(メタ)アクリル酸エステル:(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル、グリコールのジグリシジルエーテルなどと(メ
タ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートなどとの反応によって得られるエポキシ(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシアルキス(メタ)アクリレート
とポリイソシアナートとの反応によって得られるウレタ
ン(メタ)アクリレート。
前記以外の不飽和炭化水素:エチレン、プロピレン、
1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテンな
どのオレフィン、スチレン、メチルスチレンなどの芳香
族ビニル。
ここで、共重合体b中のモノマーIIの共重合量は、通
常、60〜98.5重量%、好ましくは75〜96.5重量%であ
る。
共重合体(b)は、モノマーIとモノマーIIをランダ
ムに共重合して得られるが、通常、モノマーIとモノマ
ーIIに加えて架橋性モノマーを共重合する。
かかる架橋性モノマーの例としては、ジビニルベンゼ
ン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレートなどの分子内に重合性二重結合を複数
個有する化合物を挙げることができる。
ここで共重合体b中の架橋性モノマーの共重合量は、
通常、0.1〜20重量%で、好ましくは0.5〜10重量%であ
る。
このような架橋性モノマーを共重合することにより、
共重合体bのゲル含量を40〜95重量%とする。
なお、ここでいうゲル含量とは、重合体約1gをメチル
エチルケトンまたはトルエン100ml中に入れ室温で24時
間静置後、不溶分の重量を測定したものである。
このゲル含量が40重量%未満では、共重合体bの
(a)成分への分散性が不十分となる。
ここで、モノマーI、モノマーIIおよび架橋性モノマ
ーの組合せとしては、例えば下記(i)〜(iv)が挙げ
られる。
(i)モノマーI1〜20重量%、アクリロニトリルおよび
/またはスチレン13〜50重量%、ブタジエンおよび/ま
たはイソプレン40〜80重量%、および多官能性ビニル化
合物0.2〜10重量%。
(ii)モノマーI1〜20重量%、アルキル(メタ)アクリ
レートおよび/またはアルコキシ(メタ)アクリレート
10〜99重量%、好ましくは40〜99重量%および上記単量
体と共重合可能な他の単量体0〜80重量%、ならびに多
官能性ビニル化合物0.2〜10重量%。
(iii)モノマーI1〜20重量%、アクリロニトリルおよ
び/またはスチレン5〜50重量%、好ましくは15〜50重
量%、ブタジエンおよび/またはイソプレン2〜60重量
%、好ましくは20〜60重量%、アルキル(メタ)アクリ
レートおよび/またはアルコキシ(メタ)アクリレート
5〜65重量%、および多官能性ビニル化合物0.2〜10重
量%。
(iv)モノマーI1〜20重量%、ブタジエンおよび/また
はイソプレン70〜98.8重量%、および多官能性ビニル化
合物0.2〜10重量%。
また、本発明における共重合体bのムーニー粘度ML
1+4(100℃)は、通常、20〜120である。
さらにまた、本発明における共重合体bは、ガラス転
移温度(Tg)が、通常、0℃以下、好ましくは−20℃以
下である。
本発明において、共重合体bは、例えば乳化重合より
製造することができる。
ここで、乳化重合法とは、例えば前記モノマーI、モ
ノマーIIおよび必要に応じて架橋モノマーを、重合開始
剤として過酸化物触媒、レドックス系触媒などのラジカ
ル重合開始剤を用い、乳化剤としてアニオン系、カチオ
ン系、ノニオン系および両性の界面活性剤のいずれかを
またはその混合系を用い、メルカプタン、ハロゲン化炭
化水素などの分子量調整剤の存在下において、0〜50℃
で乳化重合を行い、所定の重合転化率に達した後、N,N
−ジエチルヒドロキシルアミンなどの反応停止剤を添加
して重合反応を停止させ、次いで重合系の未反応モノマ
ーを水蒸気蒸留などで除去することによって共重合体b
のラテックスを得る方法である。
ここで、重合開始剤である過酸化物触媒としては、ベ
ンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、P
−メンテンハイドロパーオキサイド、ラウリルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、コハク酸パーオキサイドなどの有機過酸化
物、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
などの無機過酸化物を、レドックス系触媒としては、上
記の過酸化物に還元状態にある金属、例えば1価の銅や
2価の鉄またはアミン化合物を組み合せたものを挙げる
ことができる。
また、乳化剤のうち、アニオン系界面活性剤として
は、例えば石鹸、ロート油、乳化油、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、オレ
イン酸塩、アルキルベンセンスルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルコール
エトキシサルフェート、第2級アルカンスルホネート、
α−オレフィンスルホン酸、タモールなどを、カチオン
系界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアン
モニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アル
キルピリジニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモ
ニウム塩などをノニオン系界面活性剤としては、ポリオ
キエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、
アルキルスフィニルアルコール、脂肪酸モノグリセリド
などを、両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、
アルキルジエチルトリアミノ酢酸などを挙げることがで
きる。
これらの乳化剤のなかでも、ノニオン系界面活性剤を
用いると、ラテックス状態の共重合体bを凝固させる際
に金属を含む凝固剤を使用する必要がなくなるため、得
られる共重合体b中の金属イオン含量を極めて少なくな
ることが可能である。なお、ノニオン系界面活性剤を用
いる場合は、未反応モノマーを回収するための水蒸気蒸
留を行う温度以上の高曇点を有するノニオン系界面活性
剤を予め選択することが好ましい。低曇点を有するノニ
オン系界面活性剤を用いると水蒸気蒸留の際にラテック
スが凝固する恐れがある。
また、共重合体bの製造において、このようなノニオ
ン系界面活性剤を乳化重合時および/または凝固時に用
いる方法としては、例えば下記(イ)、(ロ)または
(ハ)の方法を採用することができる。
(イ)乳化剤としてノニオン系界面活性剤を用いてノニ
オン系界面活性剤の曇点以下の温度で重合を行った後、
得られたラテックスを曇点以上に加熱し、または乳化剤
として用いたノニオン系界面活性剤よりも低曇点のノニ
オン系界面活性剤もしくは電解質アルコール、脂肪酸な
どを添加した後、加熱して凝固する方法。
(ロ)乳化剤としてアニオン系および/またはカチオン
系界面活性剤並びにノニオン系界面活性剤を用いて乳化
重合を行った後、電解質あるいは乳化剤として用いたノ
ニオン系界面活性剤よりも低曇点のノニオン系界面活性
剤を添加し、次いで加熱して凝固する方法。
(ハ)乳化剤としてアニオン系および/またはカチオン
系界面活性剤を用いて乳化重合を行った後、ノニオン系
界面活性剤および電解質を添加し、次いで加熱する方
法。
なお、ここで低曇点を有するノニオン系界面活性剤と
は、曇点が通常、80℃以下、好ましくは70℃以下のノニ
オン活性剤であり、例えばポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブ
ロックポリマーなどが挙げられる。これらの低曇点を有
するノニオン系界面活性剤のHLB値が12以下であること
が好ましい。
上記において低曇点を有するノニオン系界面活性剤の
使用量は、通常、共重合体b100重量部に対して0.1〜20
重量部、好ましくは1〜15重量部である。
また、本発明における共重合体bは、懸濁重合、溶液
重合などにより製造することもできる。
上記のようにして得られた共重合体bを(a)成分に
配合し、粒子状に分散する方法としては、例えば、共重
合体bのラテックス、分散液または溶液を(a)成分と
剪断力下で強制攪拌し、分離した水および/または溶媒
を除去し乾燥する方法、(a)成分を水系で乳化または
懸濁し、これと共重合体bのラテックス、分散液または
溶液とを混合した後、凝固させ、水および/または溶媒
を除去し乾燥する方法などが挙げられる。
なお、共重合体bのラテックス、分散液または溶液か
ら共重合体bを凝固または脱溶媒により事前に分離した
場合は、再度、強制攪拌下にメチルエチルケトン、トル
エン、クロロホルムなどの有機溶媒に分散させ、これを
(a)成分と混合した後、溶媒を除去し乾燥すればよ
い。また、(a)成分が室温で固体である場合には、通
常の熱ロール、インターミキサー、押し出し機などを用
いて重合体粒子を分散させることもできる。
上記方法のうち、変性エポキシ組成物の粘度低滅およ
び貯蔵安定性をさらに向上させるためには、ノニオン系
界面活性剤によって乳化された(a)成分のエマルジョ
ンと、モノマーI、IIをノニオン系界面活性剤を用いて
乳化重合して得られる共重合体bのラテックスとを混合
し、得られた混合エマルジョンを凝固剤を使用せずに該
ノニオン系界面活性剤の曇点以上の温度に加熱すること
によって水相から変性エポキシ組成物を分離するという
方法が好ましい。ここで、用いられるノニオン系界面活
性剤としては、前記と同様のものを挙げることができ、
(a)成分に対する使用量は(a)成分100重量部に対
して、通常0.1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部で
ある。
上記混合エマルジョンから目的の変性エポキシ組成物
を凝固物として回収するには、例えばノニオン系界面活
性剤を乳化剤としたラテックスから共重合体bを凝固物
として回収する場合と同様に、例えば曇点以上に加熱
し、または該混合エマルジョンの界面活性剤の曇点より
もさらに低曇点のノニオン系界面活性剤、もしくは電解
質、アルコール、脂肪酸などを添加した後、加熱して凝
固することにより水相と分離する方法が採用される。分
離された凝固物は、減圧乾燥などによって容易に脱水さ
れ、目的の変性エポキシ組成物を得ることができる。
ここで、本発明における共重合体bの(a)成分への
分散時の粒径は、通常、200〜5000Å、好ましくは300〜
5000Å、特に好ましくは500〜2000Åである。この粒径
が200Å未満であると、得られる組成物の硬化物の耐衝
撃性が低下しやすく、一方5000Åを超えると、得られる
組成物の硬化物の強靭性が低下しやすいという問題が生
じやすい。
本発明において、(a)成分に対する共重合体bの配
合量は、(a)成分100重量部に対して、通常、1〜100
重量部、好ましくは1〜50重量部、特に好ましくは2〜
30重量部である。共重合体bの配合量が1重量部未満で
は、耐衝撃性、成形収縮性などの効果が発揮されにく
く、100重量部を超えると(a)成分の特性である体積
抵抗率が損なわれやすい。
本発明の変性エポキシ組成物において、分散している
共重合体b中の官能基がカルボキシル基である場合は、
通常、硬化剤などによる硬化に先立ち該分散粒子表面の
カルボキシ基をエポキシ化合物と予め反応させておく予
備反応を行うことが好ましい。この予備反応は無触媒ま
たはトリフェニルホスフィン、ホスホニウムハライド、
トリエタノールアミン、アセチルアセトナートのクロム
錯体、ジイソプロピルサリチル酸クロム、テトラエチル
アンモニウムクロライド、トリイソアミルアミン、トリ
ブチルアミン、トリスジメチルアミノメチルフェノール
などの媒触存在下、室温〜200℃程度の加熱による数時
間程度の反応によって行うことができる。
本発明による変性エポキシ組成物には、必要に応じて
添加剤、例えばシリカ、クレー、石コウ、炭酸カルシウ
ム、石英粉、カオリン、マイカ、ケイ酸ナトリウム、タ
ルク、ケイ酸カルシウム、チタン化合物、アンチモン化
合物などの充填剤、顔料および老化防止剤を配合するこ
とが可能である。
(実施例) 以下、本発明の実施例について述べるが、本発明がこ
れらに限定されるものではない。なお、例中の記載にお
いて「部」は重量部を表す。
実施例1〜6、比較例1〜4 (1)共重合体の製造 下記に示す処方によりオートクレーブ中で20℃にて重
合を行った。
モノマー(注) 100部 水 250部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.1〜1.8部 第三級ドデシルメルカプタン 0.45部 過硫酸カリウム 0.27部 シアノエチル化ジエタノールアミン 0.15部 水酸化カリウム 0.10部 (注)ここでのモノマーとは、重合後に表1に示す組成
となるようなモノマーI,モノマーIIおよび架橋性モノマ
ーの総量を表わす。
次いで、重合転化率が70%に達した後、モノマー総量
の100部当り0.2部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加し
重合を停止させた。続いて、水蒸気蒸留により、未反応
モノマーを除去し、共重合体No.1〜7のラテックスを得
た。
得られた共重合体のラテックスの一部はそのまま
(a)成分との混合に供し、残りは、共重合体100部当
り老化防止剤としてアルキル化フェノール1部を添加
し、塩化カルシウム水溶液で凝固し、得られた共重合体
凝固物を水洗し50℃で真空乾燥した。
なお、表1中のゲル含量は、上記の凝固、乾燥により
得られた共重合体凝固物1gをメチルエチメケトン100ml
中に入れ室温で24時間静置後不溶分の重量を測定したも
のである。
(2)変性エポキシ組成物の製造 (1)で得られたラテックスまたは共重合体凝固物を
次のA法およびB法により(a)成分に分散させた。
A法:(1)で得られたラテックスを表2に示す割合で
油化シェルエポキシ(株)製のエポキシ化合物エピコー
ト828に投入し、特殊機化工業(株)製の剪断攪拌混合
機「ホモディスパー」にて5分間混合した。静置後、分
離した水を除去し、凝固層を真空乾燥し変性エポキシ組
成物を得た。
B法:(1)で得られた表2に示す量の共重合体凝固物
を攪拌下にメチルエチルケトンに粗分散させ4重量%の
分散液とした。これに表2に示す量のエピコート828を
加え、ホモディスパーにて5分間混合した後、真空乾燥
により溶媒を除去し、変性エポキシ組成物を得た。
(3)変性エポキシ組成物の硬化物に関する特性試験 (2)のA法またはB法によって得た変性エポキシ組
成物にさらに、表2に示す配合にしたがい、硬化剤およ
び充填剤と混合した。
(3-1)接着性試験 (3)で得られた変性エポキシ組成物を接着剤として
用い、以下の接着性に関する特性試験を行った。なお、
この試験において用いた被接着材は、厚さ1.6mmの冷間
圧延鋼板を#240サンドペーパーで研磨し、トリクロル
エチレンで洗浄脱脂したものであり、また接着剤の硬化
は、140℃で1時間にわたる加熱により行った。
引張剪断強度 JISK6850の方法に準ずる。なお、この試験における引
張強度は5mm/分である。
T型剥離強度 JISK5854の方法に準ずる。なお、この試験における引
張速度は50mm/分である。
なお、およびの強度の測定は23℃で行った。
但し、の引張剪断強度については80℃でも測定した。
結果を表2に示す。
(3-2)衝撃試験 (3)で得られた変性エポキシ組成物を接着剤として
用いタテ100mm×ヨコ25mm×厚さ3.2mmの冷間圧延鋼板を
#240サンドペーパーで研磨し、トリクロルエチレンで
洗浄脱脂したものを被接着材として25mm×25mmの接着面
積で(3-1)と同様に接着し硬化した。得られた接着試
験片はデュポン式衝撃試験機を用い、23℃にて500g重り
を30cmの高さから落下させ接着部が破壊に到るまでの回
数を測定した。
結果を表2に示す。
(3-3)共重合体の粒径の測定 実施例1と同様変性エポキシ組成物100部とトリエチ
レンテトラミン10部を混合し、(i)室温にて7日間、
(ii)140℃にて1時間の2条件で硬化を行った。硬化
物をミクロトームを用い超薄切片を作成し、オスミウム
で染色後、透過型電子顕微鏡にて共重合体の分散状態を
観察した。
また、(iii)共重合体No.1のラテックスの粒径を日
科機(株)製コールターサブミクロ粒子アナライザー
(モデルN−4)にて観察した。その結果、(i)室温
×7日間の硬化物、(ii)140℃×1時間の硬化物、(i
ii)共重合体No.1のラテックスの粒径ともすべて700Å
で一致しており、(i)および(ii)は共重合体粒子間
の距離にもばらつきがなく良好な分散状態を示してい
た。
実施例7 (1)共重合体の製造 下記に示す組成の共重合体となるようにモノマーを使
用し、下記処法により、オートクレープ中で50℃で乳化
重合を行った。
(*1)花王石鹸(株)製エマルゲン920曇点82℃ 次いで、重合転化率90%に達した後、0.2部のヒドロ
キシルアミン硫酸塩を添加し、重合を停止した。続いて
減圧下で約70℃にて水蒸気蒸留により未反応モノマーを
回収した後、老化防止剤としてアルキル化フェノールを
2部添加し、次いで耐圧管にこのラテックスを入れ、11
0℃に加温しラテックスを凝固させた。さらに、生成し
た共重合体凝固物を水洗後、50℃、減圧下で乾燥した。
これを共重合体No.8とする。
(2)変性エポキシ組成物の製造 (1)で得られた共重合体No.8を次の処方および方法
により(a)成分に分散させた。
(部) エポキシ化合物(*) 100 共重合体No.8 20 シリカ粉末 100 ジエチレントリアミン 15 (*)エピコート152(油化シェルエポキシ社製)フェ
ノールノボラック系エポキシ化合物(エポキシ当量172
〜179) エポキシ化合物および共重合体No.8を80℃の電熱ロー
ルで混練し、均一となった段階でシリカ粉末を加え更に
混練を続け、最後にジエチルテトラミンを添加し、変性
エポキシ組成物を得た。
(3)変性エポキシ組成物の硬化物に関する特性試験 (3-1)衝撃試験 (2)で得られた変性エポキシ組成物を粉砕し、160
℃で30分プレス成形して成形板を得た。
曲げ試験、衝撃試験用のサンプルは得られた成形板
(4mm厚)をフライス盤で加工して調製した。
(3-2)金属腐食性試験 (2)で得られた変性エポキシ組成物を(3-1)と同
様にしてプレス成型し、成形板を得た。
次に厚さ2mmの鋼板(JISH3100)を30mm×30mmに切
り、100メッシュの研磨紙で十分みがいた後脱脂した。
上記成形板の上に、上記鋼板を載せ300mlの標本ビン
の中に入れた。80℃のギアーオーブンの中にこの標本ビ
ンを入れ24時間放置した後、鋼板を取り出して腐蝕度合
を目視でチェックした。結果を表4に示す。
(3-3)共重合体の粒径の測定 (2)で得られた変性エポキシ組成物を(3-1)と同
様にしてプレス成形し、得られた成形板をミクロトーム
を用いて超薄切片とした後、オスミウムで染色し、透過
型電子顕微鏡を用いて測定した。結果を表4を示す。
(3-4)成形性評価 (2)で得られた変性エポキシ組成物を粉砕し、0.5
オンス射出成形機を用いて、160℃で2mm×50mm×100mm
の試験片を成形し、金型の汚れおよび試験片の表面状態
(成形品肌)を観察した。結果を表4に示す。
実施例8〜14、比較例5〜11 (1)共重合体の製造 モノマーを、ブタジエン、アクリロニトリル、ブチル
アクリレート、エチルアクリレート、メトキシエチルア
クリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グ
リシジルメタクリレート、エチレングリコールジメタク
リレートおよび/またはスチレンを重合後に表3に示す
組成となるように選択し、さらに表3に示す量の第3級
ドデシルメルカプタン、水220部、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル6部、ドデシルベンゼンスルホン酸ア
ンモニウム0.5部、4−イソプロピリデン−1−メチル
シクロヘキセン−1 2部および過硫酸アンモニウム0.
3部を用い、オートクレーブ中で50℃で乳化重合した。
次いで、重合転化率50%に達したときに必要に応じて
更にメタクリル酸および/またはジビニルベンゼンを表
3の組成となるように添加し、重合反応を縦続させ、全
体の重合転化率が90%に達したあと、0.2部のヒドロキ
シルアミン硫酸塩を添加し重合を停止させた。続いて、
70℃にて水蒸気蒸留を行い未反応モノマーを回収した
後、老化防止剤としてアルキル化フェノールを1重量%
添加し、次いで硫酸アンモニウム10部を10重量%水溶液
として添加した後、耐圧管に入れ90℃に加温して凝固さ
せた。さらに、生成した共重合体凝固物を水洗後50℃で
減圧下で乾燥し共重合体No.9〜21とした。
(2)変性エポキシ組成物の製造 共重合体No.9〜21を用いた以外は実施例8と同様の方
法で変性エポキシ組成物を得た。
(3)変性エポキシ組成物の硬化物に関する特性試験 (2)で得られた変性エポキシ組成物について実施例
7(3)と同様にして各試験を行った。結果を表4に示
す。
実施例15〜21 共重合体の組成が表5に示すような割合となるような
処法に変更した以外は、実施例1(1)と同様にして共
重合体No.22〜27のラテックスを得た。なお、表5に示
すゲル含量は、メチルエチルケトンの代わりにトルエン
を使用した以外は実施例1(1)と同様にして測定し
た。これらのラテックスを用いて、実施例1(2)と同
様にして変性エポキシ組成物を製造し、実施例1(3)
と同様にして(但し(3-2)衝撃試験において、500g重
りの代わりに100g重りを用いた)硬化物の特性を評価し
た。結果を表6に示す。
実施例22 (1)エポキシ化合物のエマルジョンの製造 油化シェルエポキシ(株)製ビスフェノールA型エポ
キシ化合物「エピコート828」(エポキシ当量:184〜19
4)100部、花王石鹸(株)製ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル「エマルゲン920」(曇点:82℃)6
部、水50部を特殊機化工業(株)製の剪断攪拌混合機
「ホモディスパー」にて10分間攪拌混合し、エポキシ化
合物のエマルジョンを得た。
(2)共重合体ラテックスの製造 下記に示す組成の共重合体となるようにモノマーを使
用し、下記処法により、オートクレープ中で20℃で乳化
重合を行った。
次いで、重合転化率90%に達した後、ヒドロキシアミ
ン硫酸塩0.2部を添加し、重合を停止した。続いて減圧
下で約70℃にて水蒸気蒸留により未反応モノマーを回収
した後、老化防止剤としてアルキル化フェノール2部を
添加し、メチルエチルケトンを用いて測定したゲル含量
が85%の共重合体ラテックス共重合体No.28を得た。
(3)変性エポキシ組成物の製造 (1)で得られたエポキシ化合物のエマルジョンと
(2)で得られた共重合体ラテックスとを混合し、共重
合体/エポキシ化合物の比が10/90(重量)となるよう
な混合エマルジョンを調製した。次に、この混合エマル
ジョン中の共重合体とエポキシ化合物との合計100部に
対して電解質として硫酸アンモニウム10部および1重量
%硫酸10部を加え、攪拌混合した。この混合物を90℃で
5時間静置すると、共重合体とエポキシ化合物の混合物
が分離沈降した。次に、この沈降物100部をフラスコに
採取し、触媒としてのトリフォニルホスフィン0.05部を
加え、90℃にて3時間攪拌し予備反応を行って共重合体
中のカルボキシル基とエポキシ化合物中のエポキシ基と
をあらかじめ反応させた。その後、90℃にて減圧脱水
し、変性エポキシ組成物を得た。
(4)変性エポキシ組成物に関する試験 (3)で得られた変性エポキシ組成物の粘度を東京計
器(株)製B型回転粘度形にて測定した。
また、貯蔵安定性試験として、(3)で得られた変性
エポキシ組成物をサンプルびんに採取し、これを80℃の
恒温槽中に1ケ月保管した後、外観や流動性を観察し
た。
(5)変性エポキシ組成物の硬化物に関する特性試験 (3)で得られた変性エポキシ組成物を用い、次の配
合により一液型接着剤を調製した。
変性エポキシ組成物 100部 ジシアンジアミド 7部 ベンジルジメチルアミン 1部 炭酸カルシウム 50部 (5-1)接着性試験 得られた一液型接着剤を用いて以下の接着性試験を行
った。被着体は冷間圧延鋼板を#240サンドペーパーで
研磨し、トリクロルエチレンで洗浄脱脂したものであ
り、また接着剤の硬化は、140℃で1時間にわたる加熱
により行った。
得られた接着試験片の引張剪断強度およびT型剥離強
度を、実施例1(3)と同様にして測定した。
(5-2)衝撃試験 実施例1(3)において、500g重りを30cmの高さから
落下させた以外は実施例1(3)と同様にして衝撃試験
を行った。
以上、共重合体の組成、各種試験結果を表7に示す。
実施例23 共重合体がラテックスを製造する際、共重合体の組成
の下記組成となるモノマーを使用し、トルエンを用いて
測定したゲル含量92%の共重合体ラテックス共重合体N
o.29を得た以外は、実施例1と同様にして一液型接着剤
を調製し、各種試験を行った。結果を表7に示す。
ブタジエン 88部 メタクリル酸 6部 エチレングリコールメタクリレート 6部 実施例24〜29 (1)共重合体の製造 下記に示す処方によりオートクレープ中で20℃にて重
合を行った。
モノマー(注) 100部 水 200部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 3.5部 第三級ドデシルメルカプタン 0.25部 リン酸カリウム 0.3部 パラメンタンハイドロパーオキサイド 0.02部 硫酸第一鉄 0.005部 (注)ここでのモノマー組成は、表8に示す。
次いで、重合転化率が90%に達した後、モノマー総量
の100部当り0.2部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加し
重合を停止させた。続いて、水蒸気蒸留により、未反応
モノマーを除去し、共重合体No.31〜35のラテックスを
得た。
得られた共重合体のラテックスの一部は、実施例1
(1)と同様にして凝固し、真空乾燥した。
なお、表8中のゲル含量は、実施例1〜7(1)と同
様にして測定した。
(2)変性エポキシ組成物の製造 (1)で得られた共重合体凝固物を用い、それぞれ下
記の処方で混合し、密閉型ミキサーで、80℃で混練し、
変性エポキシ組成物を得た。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量22
0) 100重量部 ノボラック型フェノール樹脂 50 〃 2−メチルイミダゾール 5重量部 〃 共重合体凝固物 10重量部 〃 (3)変性エポキシ組成物の硬化物に関する特性試験
(2)で得た変性エポキシ組成物に、さらに硬化剤とし
て、2−メチルイミダゾールをクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂100部に対して5部混合した。
これらを密閉型ミキサーを用い約80℃で混練りし、16
0℃でプレス成形を行ない、得られた成形板をスライス
盤にて加工することにより、物性評価用サンプルを作製
した。
得られた物性評価用サンプルを用いて下記の各物性を
測定した。結果を表9に示す。
(3-1)曲げ強度 JIS K7203に準ずる。
(3-2)アイゾット衝撃強度 JIS K7110に準ずる。
(3-3)耐熱性 物性評価用サンプルを150℃の恒温槽中に70時間放置
した後、(3-2)と同様にしてアイゾット衝撃強度を測
定した。
(3-4)体積固有抵抗 横川社製電気抵抗試験機を用いて25℃、湿度50%にて
測定した。
(発明の効果) 本発明の変性エポキシ組成物の硬化物は、機械的強
度、耐熱性などのエポキシ樹脂の優れた特徴を損なうこ
となく、これに剥離強度、耐衝撃性などの強靭性を与え
ることができる。特に、エポキシ基を有する化合物に非
相溶性の固体重合体粒子を再現性よく分散させ得る点
で、エポキシの変性に新たな道を開くものであり、半導
体の封止材、電子部品の被覆剤、接着剤、電着塗装剤、
ライニング剤、シーリング剤、その他各種成形材料とし
て有効に使用される。
また、本発明の変性エポキシ組成物の硬化物は電気絶
縁性などの電気特性にも優れるため電気・電子部品材料
としても有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 幸治 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 佐藤 穂積 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 岩永 伸一郎 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−52563(JP,A) 特表 昭62−501299(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エポキシ基を有する化合物ならびに
    必要に応じて該エポキシ基を有する化合物の硬化剤およ
    び硬化促進剤から選ばれる少なくとも1種に (b)カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミ
    ノ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基またはリン酸
    基を有する不飽和化合物および他の不飽和化合物を含む
    モノマーを共重合して得られる、ゲル含量が40〜90重量
    %の部分架橋ゴム状ランダム共重合体を配合し、粒子状
    に分散したことを特徴とする変性エポキシ組成物。
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