JP2001288336A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP2001288336A
JP2001288336A JP2000104776A JP2000104776A JP2001288336A JP 2001288336 A JP2001288336 A JP 2001288336A JP 2000104776 A JP2000104776 A JP 2000104776A JP 2000104776 A JP2000104776 A JP 2000104776A JP 2001288336 A JP2001288336 A JP 2001288336A
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polymerization
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JP2000104776A
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Norifumi Sumimoto
典史 住本
Atsushi Watanabe
篤史 渡辺
Takateru Imai
高照 今井
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Techno Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解分散性、低応力化(低弾性率化)、破壊
靱性係数、特にヒートサイクル性に優れたエポキシ樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂100重量部に対し、平均
粒子径が50〜500nm、トルエン不溶分が75重量
%未満、ガラス転移温度が0℃以下であるゴム質重合体
の存在下に、ビニル系単量体を反応して得られ、アセト
ン可溶分の極限粘度〔η〕が0.25dl/g以下であ
る熱可塑性樹脂1〜100重量部を含有するエポキシ樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶解分散性、低応
力化(低弾性率化)、破壊靱性係数、特にヒートサイク
ル性に優れたエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エポキシ樹脂の硬化物は優れ
た物理的、化学的特性を有していることが知られてい
る。例えば、耐熱性、耐蝕性、電気特性、耐薬品性に優
れていることから、接着剤、塗料、封止材、シーリング
材、積層板など幅広い分野で使用されている。しかしな
がら、エポキシ樹脂の硬化物は、これらの優れた特性を
有している反面、脆いという弱点を持っている。この脆
さを補い、耐衝撃性が強く、可撓性を有する製品を得る
ことが、エポキシ樹脂工業界において強く要望されてい
る。この問題を解決するため、特公昭55−33732
号公報、特公昭57−30133号公報などに見られる
ように、エポキシ樹脂や硬化剤との反応が期待できるカ
ルボキシル基などの各種官能基を導入した変性アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体(変性NBR)がエポキ
シ樹脂への改質剤として利用されている。また、用途に
よっては、官能基変性したシリコーンオイルの使用も同
様に行われている。しかし、これら改質剤として使用さ
れるポリマーは、全てリニアなポリマーであるため、硬
化剤の種類や硬化条件により、エポキシ樹脂組成物中に
分散させたポリマーの粒子径やその組成物中の分布が変
化し、エポキシ樹脂中のポリマーの分散状態が異なるた
め、エポキシ樹脂の硬化物の特性が変化してしまうとい
う欠点がある。さらに、低温〜高温間の温度変化の激し
い環境下で使用できる、ヒートサイクル性に優れたエポ
キシ樹脂の硬化物を得ることは、これまで困難であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、上記問題点を解決
し、溶解分散性、低応力化(低弾性率化)、破壊靱性係
数、特にヒートサイクル性に優れたエポキシ樹脂組成物
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)エポキ
シ樹脂100重量部に対し、下記(B)熱可塑性樹脂1
〜100重量部を含有することを特徴とするエポキシ樹
脂組成物を提供するものである。 (B)熱可塑性樹脂;平均粒子径が50〜500nm、
トルエン不溶分が75重量%未満、ガラス転移温度が0
℃以下である(C)ゴム質重合体30〜80重量%の存
在下に、(D)ビニル系単量体70〜20重量%〔ただ
し、(C)+(D)=100重量%〕を反応して得ら
れ、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕(30℃、メチル
エチルケトン溶媒)が0.25dl/g以下である熱可
塑性樹脂。上記(D)ビニル系単量体の溶解度パラメー
タ(Sp値)は、8.0〜9.5(cal1/2 ・cm
-3/2)であることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)エポキ
シ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ
樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジル
アミン型エポキシ樹脂、イソシアネート系エポキシ樹
脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ
樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂などが挙げられる。上
記エポキシ樹脂の中から、使用目的により選択すること
ができる。本発明の(B)成分の添加による改質効果
は、これら全てのエポキシ樹脂に対して認められる。
【0006】次に、本発明の(B)熱可塑性樹脂は、
(C)ゴム質重合体の存在下に、(D)ビニル系単量体
を反応して得られ、(A)成分に対する改質効果を示す
ものである。 (C)ゴム質重合体には、ジエン系(共)重合体、非ジ
エン系(共)重合体が含まれる。ジエン系(共)重合体
としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、スチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−イソ
プレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル系共重
合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンラジアルテレブロック共重合体、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などが挙
げられる。非ジエン系(共)重合体としては、アクリル
酸ブチル−アクリル酸メチル共重合体などの(メタ)ア
クリル酸エステル系共重合体、ポリウレタンゴム、およ
びシリコーン系ゴムなどが挙げられる。これらのゴム質
重合体は、1種単独で使用することも、あるいは2種以
上を混合して用いることもできる。
【0007】これらのなかで、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン系共重合体、ブタジエン−アクリロニト
リル系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体、およびシリコーン系ゴムが好ましく、さらに好まし
くは、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン系共重合
体である。なお、(C)ゴム質重合体にシリコーンゴム
を用いる場合は、シリコーンゴム中にグラフト交叉剤
(例えば、ビニル基を含んだもの、γ−メタクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシランなど)を0.01〜1
0重量%使用すると、エポキシ樹脂への分散性に優れる
エポキシ樹脂組成物が得られる。
【0008】なお、上記ゴム質重合体〔ジエン系(共)
重合体および非ジエン系(共)重合体〕の重合時、また
は(D)成分の反応時に、ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基、マレ
イミド基、エステル基、アミド基、アミノ基、エーテル
基、などを有するビニル系単量体を共重合させてもよ
い。さらに、アリルメタクリレートなどの多官能(メ
タ)アクリレートやジビニルベンゼンなどの架橋性単量
体を用いることもできる。
【0009】(C)ゴム質重合体の平均粒子径は、50
〜500nm、好ましくは50〜400nm、さらに好
ましくは50〜350nmである。平均粒子径が50n
m未満であると、(A)成分との混合時に粘度が高くな
るため、工業的取り扱いが困難となる。さらに、硬化剤
との混合も困難であることから、均一なエポキシ樹脂組
成物の硬化物が得られず、機械的特性、ヒートサイクル
性が低下する。一方、500nmを超える場合は、
(A)成分との混合時に粒子の凝集が発生し、分散不良
となるため、機械的特性、ヒートサイクル性に劣る。本
発明の平均粒子径の測定方法は、後述の各種測定項目の
項で説明する。(C)ゴム質重合体としては、1種単独
で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いる
こともできる。
【0010】(C)ゴム質重合体のトルエン不溶分は、
75重量%未満、好ましくは70重量%未満、さらに好
ましくは50重量%未満である。75重量%以上である
と、(A)エポキシ樹脂による(C)ゴム質重合体成分
の膨潤が少なくなるため、弾性率の低下が充分でなく、
ヒートサイクル性も充分でない。トルエン不溶分の測定
方法は、後述の各種測定項目の項で説明する。(C)ゴ
ム質重合体のガラス転移温度は、0℃以下、好ましくは
−10℃以下、さらに好ましくは−15℃以下である。
ガラス転移温度が0℃を超えると、エポキシ樹脂組成物
の粘度が高くなるため、工業的取り扱いが困難となる。
さらに、硬化剤との混合も困難であることから、均一な
エポキシ樹脂組成物の硬化物が得られない。また、硬化
物のエネルギー吸収力が低下するため、破壊靱性係数、
ヒートサイクル性が低下する。
【0011】(C)ゴム質重合体の製造方法は、乳化重
合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合などで重合を行う方
法が挙げられる。これらの中で、平均粒子径や、トルエ
ン不溶分の制御を考慮した場合、乳化重合が好ましい
が、これに限定されるものではない。
【0012】(B)成分中の(C)ゴム質重合体の含有
量は、30〜80重量%、好ましくは35〜75重量
%、さらに好ましくは40〜75重量%である。(C)
成分の含有量が30重量%未満では、エポキシ樹脂組成
物の粘度が高くなるため、工業的取り扱いが困難とな
る。さらに、エポキシ樹脂組成物の硬化物にクラックが
入った場合、ゴム質重合体によるエネルギーの吸収力が
低下するため、曲げ強度、破壊靱性係数が低下する。一
方、80重量%を超える場合は、相対的に(D)成分量
が少ないため、エポキシ樹脂との相溶化相が薄く(少な
く)なり、エポキシ樹脂組成物中の(B)成分の溶解分
散性が劣り、曲げ強度、破壊靱性係数が低下する。
【0013】本発明の(D)ビニル系単量体としては、
例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、オクチルスチ
レン、α−メチルスチレン、メチル−α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、α−エチル
スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ビニルピ
リジン、ジメチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレ
ン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、
トリクロロスチレンなどの塩素化スチレン、モノブロモ
スチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなど
の臭素化スチレン、フルオロスチレン、ビニルナフタレ
ン、スチレンスルホン酸ナトリウムなどの芳香族ビニル
単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの
シアン化ビニル単量体;メチルアクリレート、エチルア
クリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、エチ
ルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなど
のアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメ
タクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレ
ート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
トなどのメタクリル酸エステル単量体などが挙げられ
る。これらのビニル系単量体(D)は、1種単独で使用
することも、あるいは2種以上を混合して用いることも
できる。なかでも好ましくはスチレン、アクリロニトリ
ル、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチル
メタクリレートである。
【0014】上記(D)ビニル系単量体の溶解度パラメ
ータ(Sp値)は、8.0〜9.5(cal1/2 ・cm
-3/2)であることが好ましい。ここで言う溶解度パラメ
ーターとは、化合物の極性を表す尺度として一般的に用
いられており、本発明では、“POLYMER HAN
DBOOK THIRD EDITION”,A WI
LEY−INTERSCIENCE PUBLICAT
ION JOHN WILEY & SONS、に記載
の値を適用する。
【0015】上記溶解度パラメータ(Sp値)範囲に該
当するビニル系単量体としては、ブチルメタクリレート
〔Sp値:8.25(cal1/2 ・cm-3/2)〕、エチ
ルメタクリレート〔Sp値:8.3(cal1/2 ・cm
-3/2)〕、エチルアクリレート〔Sp値:8.6(ca
1/2 ・cm-3/2)〕、ブチルアクリレート〔Sp値:
8.8(cal1/2 ・cm-3/2)〕、メチルメタクリレ
ート〔Sp値:8.8(cal1/2 ・cm-3/2)〕、メ
チルアクリレート〔Sp値:8.9(cal1/ 2 ・cm
-3/2)〕、スチレン〔Sp値:9.3(cal1/2 ・c
-3/2)〕などが挙げられる。この中で、好ましくは、
ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、スチレンである。上記溶解度パラメータ
(Sp値)範囲に該当するビニル系単量体を使用した場
合、(B)成分の(A)エポキシ樹脂への溶解分散性が
さらに良好になる。そのため、(B)熱可塑性樹脂を添
加する最大の目的であるエポキシ樹脂の脆さをさらに改
良することが可能となる。
【0016】本発明の(B)成分中の(D)ビニル系単
量体の含有量は、70〜20重量%、好ましくは65〜
25重量%、さらに好ましくは60〜25重量%であ
る。(D)成分の含有量が20重量%未満の場合は、エ
ポキシ樹脂との相溶化相が薄く(少なく)なるため、
(B)成分のエポキシ組成物中の溶解分散性が劣り、曲
げ強度、破棄靱性係数が低下する。一方、70重量%を
超えると、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなるため、
工業的取り扱いが困難となる。さらに、エポキシ樹脂組
成物の硬化物にクラックが入った場合、ゴム質重合体に
よるエネルギーの吸収力が低下するため、曲げ強度、破
壊靱性係数が低下する。
【0017】本発明の(B)熱可塑性樹脂は、(C)ゴ
ム質重合体30〜80重量%の存在下に、(D)ビニル
系単量体70〜20重量%〔ただし、(C)+(D)=
100重量%〕を反応して得られるものである。上記
(B)成分は、(C)成分の存在下に、(D)成分を乳
化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などでラジカル
重合を行い、製造することができる。(C)成分が多い
方がクラックによるエネルギーを吸収することが可能で
あり、破壊靱性係数が向上する。(C)成分を多く含有
するポリマーの製造には、乳化重合が好ましい。乳化重
合の際には、重合開始剤、連鎖移動剤(分子量調節
剤)、乳化剤、水などが用いられる。なお、(B)熱可
塑性樹脂を製造するのに用いる(C)ゴム質重合体およ
び(D)ビニル系単量体は、(C)成分全量の存在下
に、(D)成分を一括添加して重合してもよく、分割も
しくは連続添加して重合してもよい。また、これらを組
み合わせた添加方法で、重合してもよい。さらに、
(C)成分の全量または一部を、重合途中で添加して重
合してもよい。
【0018】重合開始剤としては、一般的なものが使用
できる。具体的には、クメンハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラ
メンタンハイドロパーオキサイドなどで代表される有機
ハイドロパーオキサイド類と含糖ピロリン酸処方、スル
ホキシレート処方などで代表される還元剤との組み合わ
せによるレドックス系、あるいは過硫酸カリウムなどの
過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、
ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシラウレイト、t−ブ
チルパーオキシモノカーボネートなどの過酸化物が使用
される。好ましくは、油溶性開始剤であり、クメンハイ
ドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロ
パーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド
などで代表される有機ハイドロパーオキサイド類と含糖
ピロリン酸処方、スルホキシレート処方などで代表され
る還元剤との組み合わせによるレドックス系がよい。上
記重合開始剤は、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。また、上記油
溶性開始剤と水溶性開始剤とを組み合わせてもよい。組
み合わせる場合の水溶性開始剤の添加比率は、全添加量
の好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは25重
量%以下である。さらに、重合開始剤は、重合系に一括
または連続的に添加することができる。重合開始剤の使
用量は、(D)ビニル系単量体に対し、通常、0.1〜
1.5重量%、好ましくは0.2〜0.7重量%であ
る。
【0019】連鎖移動剤は、公知のものが使用できる。
具体的には、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメル
カプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキシルメ
ルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テト
ラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン
などのメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィ
ド、四塩化炭素、臭化エチレン、ペンタフェニルエタン
などの炭化水素類、テルペン類、またはアクロレイン、
メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシ
ルチオグリコール、α−メチルスチレンのダイマーなど
が挙げられる。これら連鎖移動剤は、単独でも2種以上
を組み合わせても使用することができる。連鎖移動剤の
添加方法としては、一括添加、分割添加、または連続添
加、あるいはこれらを組み合わせた方法が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、(D)ビニル系単量体に対し、
通常、0〜2.0重量%程度である。
【0020】乳化重合の場合に使用する乳化剤は、アニ
オン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、および両性
界面活性剤など公知のものが使用できる。このうち、ア
ニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコール
の硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸
ナトリウムなどの脂肪族スルホン酸塩、高級脂肪族カル
ボン酸塩、リン酸塩などが挙げられる。ノニオン性界面
活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアル
キルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニ
ルエーテル型などが用いられる。さらに両性界面活性剤
としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エス
テル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩を、カチオン
部分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩などを持つ
ものなどが挙げられる。これらの乳化剤は、1種単独で
使用することも、あるいは2種以上を混合して用いるこ
ともできる。乳化剤の添加方法としては、一括添加、分
割添加、または連続添加、あるいはこれらを組み合わせ
た方法が挙げられる。乳化剤の使用量は、通常、(D)
ビニル系単量体に対して、通常、0〜5.0重量%程度
である。
【0021】本発明の(B)熱可塑性樹脂は、重合温度
10〜95℃、好ましくは30〜95℃の条件下で乳化
重合することが望ましい。また、重合終了後、酸化防止
剤を添加する場合もある。
【0022】本発明の(B)熱可塑性樹脂は、乳化重合
により製造する場合、通常、凝固剤により凝固して得ら
れた粉末を水洗後、乾燥し、粉体とすることによって精
製される。この凝固剤としては、硫酸、酢酸、塩酸など
の酸や、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムなどの無
機塩を使用することができる。好ましくは、硫酸、硫酸
マグネシウム、塩化カルシウムである。また、凝固せず
に、スプレードライヤーによる噴霧乾燥を行ってもよ
い。さらに噴霧凝固方法であるアトマイザー凝固を行っ
てもよい。
【0023】本発明の(B)熱可塑性樹脂のグラフト率
は、好ましくは5〜200%、さらに好ましくは10〜
150%であり、この範囲内であると、本発明の目的と
する効果が一段と優れる。グラフト率の測定方法として
は、(B)成分1gを20mlのアセトン中に投入し、
振とう機で、常温(室温)、4時間振とう後、遠心分離
機を用いて23,000rpmで30分間、遠心分離
し、不溶分と可溶分を分離して重量を測定し、(B)成
分中のこれらの含有率(重量%)から下記式(I)に従
って、算出した値である。 グラフト率(%)=〔不溶分含有率−(C)成分含有率〕/〔(C)成分含有 率〕 ・・・・・(I) 上記グラフト率(%)は、重合開始剤、連鎖移動剤、乳
化剤、溶剤などの種類や量、さらに、重合時間、重合温
度などを変えることにより、容易に制御することができ
る。また、(D)ビニル系単量体の添加方法によっても
グラフト率を変えることが可能である。この添加方法と
しては、例えば、一括添加、分割添加、連続添加、ある
いはこれらを組み合わせた方法が挙げられる。
【0024】本発明の(B)熱可塑性樹脂において、
(C)ゴム質重合体と反応している(D)ビニル系単量
体の(共)重合体成分の分子量は、マトリックス成分
〔(B)成分中の(C)成分と反応していない(共)重
合体成分〕の分子量を同じと仮定することができる。そ
して、上記分子量は、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕
(30℃、メチルエチルケトン溶媒中で測定)で表すこ
とができる。本発明の(B)熱可塑性樹脂の極限粘度
〔η〕(30℃、メチルエチルケトン溶媒中で測定)
は、0.25dl/g以下、好ましくは0.20dl/
g以下、さらに好ましくは0.15dl/g以下であ
る。極限粘度〔η〕が0.25dl/gを超えると、
(B)成分のエポキシ樹脂への溶解分散性が劣り、エポ
キシ樹脂組成物の粘度が高くなるため、工業的取り扱い
が困難となる。さらに、組成物の硬化物の破壊靱性係数
が低下する。上記極限粘度〔η〕も、グラフト率と同様
に、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、溶剤などの種類
や量、さらに、重合時間、重合温度などを変えることに
より、容易に制御することができる。また、(D)ビニ
ル系単量体の添加方法によっても極限粘度〔η〕を変え
ることが可能である。この添加方法としては、例えば、
一括添加、分割添加、連続添加、あるいはこれらを組み
合わせた方法が挙げられる。
【0025】本発明の(B)成分は、上記(B)熱可塑
性樹脂単独でもよいし、2種類以上の(B)熱可塑性樹
脂のブレンドであってもよい。また、必要に応じて、
(B)熱可塑性樹脂に(共)重合体を配合してもよい。
ここで、(共)重合体は、(D)ビニル系単量体と同一
の組成であっても、異なっていてもよい。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)エ
ポキシ樹脂100重量部に対し、(B)熱可塑性樹脂1
〜100重量部、好ましくは1〜50重量部を含有す
る。(A)成分と(B)成分の配合量は、用途に応じて
最適な値が存在する。(B)成分の使用量が1重量部未
満の場合は、(B)成分添加による(A)エポキシ樹脂
の改良効果が発現せず、破壊靱性係数、ヒートサイクル
性は向上しない。一方、100重量部を超える場合は、
(B)成分の溶解分散性に劣ることから、諸物性の値は
低下する。
【0027】本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を得
るには、硬化剤と硬化促進剤が必要である。硬化剤とし
ては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、m−フェ
ニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、
N,N′−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザジシク
ロ(2,2,2)オクタン、ピリジン、ピコリン、ベン
ジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、DBU〔1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0−ウンデセン−7)〕、ジメチルシクロヘキシルアミ
ン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルヘキシルアミ
ン、ジメチルアミノメチルフェノール、ジメチルアミノ
p−クレゾール、テトラエチレンペンタミン、N−アミ
ノエチルピペラジン、トリスジメチルアミノメチルフェ
ノール、ジシアンジアミド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、2−n−ヘプタデシルイミダゾール、メ
ラミン、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロ
メリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無
水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無
水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、無水クロレンディック酸、BF3 (トリフ
ッ化ホウ素)−モノエチルアミンなどが挙げられる。こ
れらは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上
を混合して用いることもできる。上記硬化剤は、その用
途に応じて選択されるものである。
【0028】硬化剤の使用量は、目的に応じて異なり、
エポキシ樹脂100重量部に対して、1〜200重量
部、好ましくは1〜180重量部の範囲で使用される。
また、硬化促進剤も必要に応じて使用される。硬化促進
剤の使用量はエポキシ樹脂100重量部に対して、0.
1〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部であ
る。硬化促進剤としては第3級アミンが一般的である。
その他には、2−エチル−4−メチルイミダゾール、D
BU、第4級ホスホニウム塩、アミンイミド類、トリフ
ェニルホスフィンなどが挙げられる。本発明のエポキシ
樹脂組成物には、必要に応じて、公知の酸化防止剤、安
定剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、軟化剤、無機または
有機の各種充填剤、補強剤、架橋剤、帯電防止剤、着色
剤、カップリング剤、粘度調整剤、耐候剤、滑剤、シリ
コーンオイルなどの添加剤を配合することができる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化方法と
しては、下記に示す方法などが挙げられ、用途に応じて
適宜選択が可能である。 (A)成分に直接(B)成分を添加し、溶解分散させ
たのち、硬化剤、硬化促進剤、他の添加剤を添加し、所
定の温度をかけて硬化させる方法。 (B)成分を有機溶剤〔キシレン、トルエン、ブタノ
ール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
セルソルブ系(メチル、エチルまたはブチルのモノある
いはジエーテル)など〕に溶解分散させたのち、(A)
成分に添加し、溶剤を留去し、硬化剤、硬化促進剤、そ
の他の添加剤を添加し、所定の温度で加熱し硬化させる
方法。 上記の方法で、溶剤を留去せず、そのまま硬化させ
る方法。
【0030】上記(A)成分、(B)成分、および硬化
剤その他の混合方法は、通常の加工機、例えば、ディス
パー、ニーダー、プラネタリーミキサー、パドリミキサ
ー、インターミキサー、ホモミキサー、バンバリーミキ
サー、各種押し出し機などを用いて行うことができる。
上記のように混合された本発明のエポキシ樹脂組成物
は、圧縮成形、積層成形、トランスファー成形、注型成
形、プレス成形などの成形方法によって、成形すること
ができる。本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化温度は、
常温〜200℃まで幅広く、使用する硬化剤の種類によ
って大きく異なる。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物は、その優れ
た性質を利用して、例えば、金属に対する下塗り塗料、
粉体塗料、土木・建築用途の構造用接着剤、シーリング
剤、電気・電子材料用接着剤、プリント配線用接着剤、
積層板接着剤、電子材料用封止材などの幅広い分野に使
用することが可能である。特にヒートサイクル性に優れ
ることから、低温〜高温間の温度変化の激しい環境下で
使用する用途に好適である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記
の実施例に何ら制約されるものではない。なお、実施例
などにおける、部および%は特に断らないかぎり重量基
準である。また、参考例、実施例および比較例中の各種
の測定項目は、下記に従った。
【0033】平均粒子径 大塚電子(株)製、LPA−3100を使用し、70回
積算でキュムラント法を用い、粒子径を測定した。
【0034】トルエン不溶分 凝固乾燥した(C)ゴム質重合体〔(a)g〕を100
mlのトルエンに浸漬させ、常温(室温)で48時間放
置後、100メッシュ金網を用いてろ過し、ろ液の一部
〔(c)ml〕を正確に採取して蒸発乾固させ、得られ
た残存固形分〔トルエン不溶分:(b)g〕を秤量し、
下記式(II)によって得た値である。 トルエン不溶分(重量%)={〔a−b×(100/c)〕/a}×100 ・・・・・(II)極限粘度〔η 〕 (B)熱可塑性樹脂1gアセトン20ml中に投入し、
振とう機で、常温(室温)、4時間振とう後、遠心分離
機を用いてこの溶液を23,000rpmで30分間、
遠心分離し、アセトン不溶分と可溶分とを分離した。こ
の可溶分をメチルエチルケトンに完全に溶解させ、濃度
の異なる5種類のサンプルを調製し、ウベローデ型粘度
計を用いて30℃で各濃度サンプルの還元粘度を測定し
た結果から、極限粘度〔η〕を求めた。単位はdl/g
である。
【0035】エポキシ樹脂組成物粘度 (A)成分に(B)成分を溶解分散させ改質したエポキ
シ樹脂組成物の粘度は、TOKIMECINIC(株)
製のBH型粘度計を用いて測定した。測定温度は、25
℃で行った。溶解分散性 (A)成分に(B)成分を溶解分散させたエポキシ樹脂
組成物の状態を以下の基準で目視判断した。 ◎:完全に溶解分散している。 ○:一部不溶解部(ブツ)あり。 ×:半分以上不溶解部(ブツ)あり。
【0036】エポキシ樹脂組成物の硬化物の物性評価 曲げ強度:JIS K6911に準じて測定した。 曲げ弾性率:JIS K6911に準じて測定した。 エネルギー:JIS K6911に準じて測定した(引
張り試験の結果から算出した)。 破壊靱性係数:JIS K6911に準じて測定した。 ヒートサイクル性:JIS C2105に準じて測定し
た(表4〜6の評価結果は、ヒートサイクル試験を1サ
ンプルに付き5個(n=5)、サイクル回数21回行
い、5個中クラックが発生したサイクル数/個数を示し
た)。1サイクル目で、全てクラックが発生した場合
は、1/5となる。
【0037】参考例1(C)ゴム質重合体の調製 容量100リットルの攪拌機付き反応器に、1,3−ブ
タジエン70部、アクリロニトリル30部、水60部、
ロジン酸カリウム2.4部、リン酸カリウム0.5部、
水酸化カリウム0.1部、連鎖移動剤としてt−ドデシ
ルメルカプタンを0.3部、過硫酸カリウム0.3部を
加えて、60〜70℃で30時間バッチ重合した。重合
転化率は、95%であった。この重合系に、重合停止剤
として、N,N−ジエチルヒドロキシアミンを0.2部
を添加し、反応を停止させた。その後、減圧で1,3−
ブタジエンを除去し、ゴム質重合体としてアクリロニト
リル−ブタジエン系ラテックスを得た(固形分56.5
%)。得られたアクリロニトリル−ブタジエン系ラテッ
クスのトルエン不溶分は65%、平均粒子径は85nm
であった。同様に、単量体成分の種類・配合処方、連鎖
移動剤の使用量、重合温度、重合時間などを変えて、そ
の他のゴム質重合体を得た。(C)ゴム質重合体の平均
粒子径およびトルエン不溶分を下記表2〜3に示す。
【0038】参考例2(D)ビニル系単量体の調製 (D)ビニル系単量体として使用したものの溶解度パラ
メータを、表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】参考例3(B)熱可塑性樹脂(B−1)〜(B−13)の調製 滴下ビン、コンデンサ、窒素導入口および攪拌機を備え
たセパラブルフラスコに、参考例1で得られた(C)ゴ
ム質重合体を固形分換算で65部、乳化剤としてロジン
酸カリウム0.1部、および水100部を混合し、65
℃まで昇温し、65℃になった時点で、ピロリン酸ナト
リウム0.2部、ブドウ糖0.25部、硫酸第1鉄0.
01部を添加し、引き続いて、クメンハイドロパーオキ
サイド0.2部、メチルメタクリレート28部、スチレ
ン7部、水20部、ロジン酸カリウム1部を5時間かけ
て滴下した。滴下終了後、クメンハイドロパーオキサイ
ド0.1部、ピロリン酸ナトリウム0.1部、ブドウ糖
0.13部、硫酸第1鉄0.005部を添加し、さらに
1時間重合反応を行った。重合転化率は97.5%であ
った。得られた重合体を硫酸で凝固させ、水酸化ナトリ
ウムで中和し、この凝固物を良く水洗したのち、乾燥さ
せ、粉末状の熱可塑性樹脂(B−1)を得た。同様に、
表2〜3に示すように、(C)成分、(D)ビニル系単
量体成分の種類、配合比率、連鎖移動剤の使用量、重合
温度、重合時間などを変えて、熱可塑性樹脂(B−2)
〜(B−13)を得た。得られた(B)熱可塑性樹脂の
極限粘度〔η〕を表2〜3に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】参考例4(A)エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤の調製 (A)エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤として、下記
の薬品を使用した。 エポキシ樹脂;エピコート828〔油化シェルエポキシ
(株)製〕、粘度12〜15Pa・s、エポキシ当量1
84〜194 硬化剤;アデカハードナーH3326〔旭電化(株)
製〕 硬化促進剤;アンカミンK−54〔エイ・シー・アイ・
ジャパン(株)製〕
【0044】実施例1〜6、比較例1〜8 表4〜6に示す配合処方で、(A)エポキシ樹脂をホモ
ミキサーで回転数500rpmで攪拌し、(B)熱可塑
性樹脂を徐々に添加した。その後、回転数6,000r
pmまで上げてから2時間攪拌した。減圧にて脱泡後、
室温にて硬化剤と硬化促進剤を添加し攪拌した。これを
型に流し込み、90℃/2時間、120℃/1時間加熱
硬化させ、エポキシ樹脂組成物の硬化物を得た。表4〜
6に、エポキシ樹脂組成物の物性を示す。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】表4に示すように、本発明のエポキシ樹脂
組成物は、いずれも(B)熱可塑性樹脂の(A)エポキ
シ樹脂への溶解分散性、エポキシ樹脂組成物〔(A)+
(B)〕の粘度、硬化物の機械的特性、特にヒートサイ
クル性に優れていた。一方、表5〜6から明らかなよう
に、比較例1では、(A)成分100部に対して(B)
成分の量が100部を超えているため、エポキシ樹脂組
成物〔(A)+(B)〕の粘度が高く、さらに(B)成
分の(A)成分への溶解分散性が劣る結果となり、評価
のための測定可能な硬化物を得ることができなかった。
比較例2では、(A)成分100部に対して(B)成分
の量が1部未満であるため、(B)成分添加による改質
効果は発現しなかった。比較例3では、(C)成分の平
均粒子径が50nm未満であるため、エポキシ樹脂組成
物〔(A)+(B)〕の粘度が高くなり、諸物性も低下
した。比較例4では、(C)成分の平均粒子径が500
nmを超えることから、(B)成分の(A)成分への溶
解分散性が劣り、諸物性も低下した。
【0049】比較例5では、(B)成分の極限粘度
〔η〕が0.25dl/gを超えることから、エポキシ
樹脂組成物〔(A)+(B)〕の粘度が高くなり、諸物
性が低下した。比較例6では、(B)成分中の(C)成
分の量が30部未満であることから、エポキシ樹脂組成
物〔(A)+(B)〕の粘度が高くなり、さらに衝撃に
弱いことから、諸物性が低下した。比較例7では、
(B)成分中の(C)成分の量が80部を超えることか
ら、(B)成分の(A)成分への溶解分散性が劣り、そ
れにより、諸物性も低下した。比較例8では、(C)成
分のトルエン不溶分が75%を超えていることから、ヒ
ートサイクル性が低下した。比較例9では、(C)成分
のガラス転移温度が0℃を超えることから、諸物性が低
下した。
【0050】
【発明の効果】本発明の(A)エポキシ樹脂および
(B)熱可塑性樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成物
は、熱可塑性樹脂のエポキシ樹脂への分散溶解性、粘度
(低粘度)に優れ、その硬化物は機械的物性、ヒートサ
イクル性などに優れていることから、その性質を使用し
て、例えば、金属に対する下塗り塗料、粉体塗料、土木
・建築用途などの構造用接着剤、シーリング剤、電気・
電子材料用接着剤、プリント配線用接着剤、積層板用接
着剤、電子材料用封止材などの幅広い分野に使用するこ
とが可能である。特にヒートサイクル性に優れているこ
とから、低温〜高温間の温度変化の激しい環境下で使用
する用途に好適である。
フロントページの続き (72)発明者 今井 高照 東京都中央区京橋一丁目18番1号 テクノ ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BN142 CD011 CD021 CD051 CD061 CD081 CD131 CD141 CD181 CD201 FA082 FD140 FD150 GH01 GJ01 GJ02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂100重量部に対
    し、下記(B)熱可塑性樹脂1〜100重量部を含有す
    ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 (B)熱可塑性樹脂;平均粒子径が50〜500nm、
    トルエン不溶分が75重量%未満、ガラス転移温度が0
    ℃以下である(C)ゴム質重合体30〜80重量%の存
    在下に、(D)ビニル系単量体70〜20重量%〔ただ
    し、(C)+(D)=100重量%〕を反応して得ら
    れ、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕(30℃、メチル
    エチルケトン溶媒)が0.25dl/g以下である熱可
    塑性樹脂。
  2. 【請求項2】 上記(D)ビニル系単量体の溶解度パラ
    メータ(Sp値)が8.0〜9.5(cal1/2 ・cm
    -3/2)である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
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