JP2001226556A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JP2001226556A
JP2001226556A JP2000338762A JP2000338762A JP2001226556A JP 2001226556 A JP2001226556 A JP 2001226556A JP 2000338762 A JP2000338762 A JP 2000338762A JP 2000338762 A JP2000338762 A JP 2000338762A JP 2001226556 A JP2001226556 A JP 2001226556A
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flame
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component
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JP2000338762A
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Norifumi Sumimoto
典史 住本
Masahiko Noro
雅彦 野呂
Kunio Matsuzaka
邦男 松坂
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Techno Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、耐熱性、難燃性に優れ、特に実用
耐衝撃性に優れた非ハロゲン性の難燃性熱可塑性樹脂組
成物を提供すること。 【解決手段】 (A)特定の粒子径分布を有するゴム質
重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物およびシアン化
ビニル化合物を主成分とする単量体成分をグラフト重合
して得られる共重合体および必要に応じて上記単量体成
分の共重合体とからなり、特定のグラフト率、ゴム含有
量であるゴム強化熱可塑性樹脂100重量部に対して、
(B)特定構造の縮合リン酸エステルおよび/またはホ
スファゼン化合物5〜20重量部を含有する難燃性熱可
塑性樹脂組成物であり、上記樹脂組成物は、(C)滑剤
を含んでいてもよく、特定のメルトフローレートを有す
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、耐熱
性、難燃性に優れ、特に実用耐衝撃性に優れた非ハロゲ
ン系の難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、難燃性を付与したABS樹脂は、
成形加工性、機械的性質などが優れていることより、電
気・電子分野、OA機器分野に幅広く使用されている。
近年、これらの製品においては、環境保護の立場よりハ
ロゲン系難燃剤の使用を自粛する傾向があり、PC(ポ
リカーボネート)/ABSアロイ樹脂をベースにリン酸
エステル系難燃剤を組み合わせた難燃材料が上市されて
いる。しかしながら、PC/ABSアロイ樹脂にリン酸
エステル系難燃剤を組み合わせた場合には、成形加工性
が低く、耐薬品性に劣る場合がある。従来より、PCを
使用せず、ABS樹脂をベースにして非ハロゲン系難燃
剤を使用した難燃化の検討もされているが、物性面も含
めUL94規定の燃焼性評価でV−0以上を達成した実
用的な材料は見出されていない。ただし、UL94規定
の燃焼性V−2以上の達成については、ABS樹脂とリ
ン酸エステル系難燃剤との組み合わせでの可能性が検討
されている。しかし、燃焼性V−2にした場合には、耐
熱性や、特に実用耐衝撃性などの物性が見劣りするもの
であり、これまで、燃焼性V−2と優れた物性とのバラ
ンスを高度に発現した材料は見出されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、ABS樹脂をベース
にリン酸エステル系難燃剤を用いてUL94規定の燃焼
性V−2を発現し、かつ、優れた物性を有する広範囲の
用途に使用できる難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。本発明者らは、かかる現状に鑑み、
鋭意材料の開発について検討した結果、特定のゴム強化
熱可塑性樹脂と特定のリン系難燃剤を含有する難燃性熱
可塑性樹脂組成物において、上記問題点を解決できるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(A)ゴ
ム強化熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)下記リ
ン系難燃剤5〜20重量部を含有する難燃性熱可塑性樹
脂組成物に関する。 (A)粒子径が、150nm以下が15重量%以下、1
50nmを超え350nm未満が60重量%以上、35
0nm以上が40重量%以下である粒子径分布を有する
ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物、
シアン化ビニル化合物、および必要に応じて他の共重合
可能な単量体からなる単量体成分(b)をグラフト重合
して得られるグラフト共重合体(A1)、またはグラフ
ト共重合体(A1)および単量体成分(b)の共重合体
(A2)とからなり、グラフト率が20〜150%、か
つゴム含有量が8〜20重量%であるゴム強化熱可塑性
樹脂。 (B)下記一般式(I)で表される縮合リン酸エステル
および/またはホスファゼン化合物からなるリン系難燃
剤。
【0005】
【化2】
【0006】(ただし、R1 ,R2 ,R3 およびR
4 は、それぞれ相互に独立して選ばれるフェニル基また
はキシレニル基、Xは2価のレゾルシノール残基または
ビスフェノールA残基を表し、nは0.5〜1.2であ
る。) 上記難燃性熱可塑性樹脂組成物は、(A)成分100重
量部に対し、上記(B)成分5〜20重量部、および
(C)滑剤0.5〜10重量部を含有したものでもよ
い。また、上記(C)滑剤は、エチレンビスステアリル
アミドおよび/またはメチレンビスステアリルアミドで
あることが好ましい。さらに、上記難燃性熱可塑性樹脂
組成物において、JIS K7210に規定する220
℃、98N荷重でのメルトフローレートが、30〜80
g/10分であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の(A)ゴム強化熱可塑性
樹脂は、特定の粒子径分布を有するゴム質重合体(a)
の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合
物、および必要に応じて他の共重合可能な単量体からな
る単量体成分(b)をグラフト重合して得られるグラフ
ト共重合体(A1)、またはグラフト共重合体(A1)
および単量体成分(b)の共重合体(A2)とからな
る。
【0008】上記ゴム質重合体(a)としては、ポリブ
タジエン、ポリブタジエンの水素添加物、スチレン−ブ
タジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重
合体、エチレン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合
体、エチレン−ブテン−1−(非共役ジエン)共重合
体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリルゴ
ム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体、SEBSなどの水素添加ジエン系(ブロック、ラン
ダム、およびホモ)(共)重合体、ポリウレタンゴムお
よびシリコーンゴムなどが挙げられる。上記スチレン−
ブタジエン共重合体としては、スチレン−ブタジエンラ
ンダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加
物などが挙げられる。さらに、上記スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体の水素添加物には、上記ブロック共
重合体の水素添加物のほかに、スチレンブロックとスチ
レン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物などが
含まれる。本発明のゴム質重合体は、1種単独で使用す
ることも、あるいは2種以上を混合して使用することも
できる。これらの中で、ポリブタジエン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、エチレン−プロピレン−(非共役ジ
エン)共重合体、水素添加ジエン系(共)重合体、およ
びシリコーンゴムが好ましい。本発明においては、ラテ
ックス状のゴム質重合体が好ましい。
【0009】上記ゴム質重合体(a)の粒子径分布は、
本発明の非常に重要な要件である。粒子径分布は、粒子
径150nm以下のゴム質重合体が15重量%以下、好
ましくは12重量%以下であり、粒子径150nmを超
え350nm未満のゴム質重合体が60重量%以上、好
ましくは65重量%以上、粒子径350nm以上のゴム
質重合体が40重量%以下、好ましくは35重量%以下
である。上記ゴム質重合体の粒子径分布は、成形時のゴ
ムの配向に大きな関連があり、粒子径分布がこの範囲で
あれば、実用耐衝撃強度が良好となる。ゴムの配向と
は、成形時の剪断応力により、ゴム粒子が流動方向に変
形する現象であり、配向が大きくなると実用耐衝撃強度
が低下する。粒子径150nm以下のゴム質重合体が1
5重量%を超えた場合は、ゴム粒子の応力分散効果が低
下するため実用耐衝撃強度が低下し、350nm以上の
ゴム質重合体が40重量%を超えた場合には、配向が大
きくなり、実用耐衝撃強度が低下する。なお、本発明に
おいて、実用耐衝撃強度とは、落錘衝撃強度をいう。上
記(a)成分の粒子径分布の調整は、乳化剤の種類・
量、開始剤の種類・量、重合時間、重合温度、攪拌条件
などの条件を適宜決めることにより行うことができる。
また、上記粒子径分布の他の調整方法としては、異なる
粒子径の(a)成分を少なくとも2種ブレンドする方法
でもよい。
【0010】ゴム質重合体のゲル分率は、好ましくは4
0〜98重量%、さらに好ましくは50〜95重量%、
特に好ましくは60〜90重量%である。この範囲にあ
ると、成形品表面の光沢と耐衝撃性が一段と優れる。な
お、ゴム質重合体のゲル分率(トルエン不溶分)は、ゴ
ム質重合体1gをトルエン100ml中に加え、48時
間室温で放置したのち、100メッシュ金網でろ過し、
分散したろ液からトルエンを除去、乾燥してトルエン可
溶分(g)を求め、次式により算出できる。 トルエン不溶分(%)=〔1(g)−トルエン可溶分
(g)〕×100 上記ゲル分率の調整は、分子量調整剤の種類・量、重合
時間、重合温度、最終重合転化率などを適宜決めること
により行うことができる。
【0011】上記(A)ゴム強化熱可塑性樹脂中のゴム
質重合体(a)の含有量は、8〜20重量%、好ましく
は8〜18重量%、さらに好ましくは10〜15重量%
である。(A)成分中のゴム質重合体の配合量が8重量
%未満では、耐衝撃強度が低下し、一方、20重量%を
超える場合は、流動性、剛性が低下し、燃焼性評価(難
燃性)も低下する。
【0012】(A)成分に用いられる単量体成分(b)
は、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、およ
び必要に応じて他の共重合可能な単量体からなるもので
あり、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物
を含むものである。(A)成分に用いられる芳香族ビニ
ル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルス
チレン、ビニルトルエン、メチル−α−メチルスチレ
ン、ジビニルベンゼンなどが挙げられ、特にスチレン、
α−メチルスチレンが好ましい。単量体成分中に、α−
メチルスチレンを10〜50重量%、好ましくは20〜
30重量%用いると、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成
物に耐熱性を付与することができる。
【0013】(A)成分中の芳香族ビニル化合物の使用
量は、単量体全成分中に好ましくは40〜92重量%、
さらに好ましくは50〜80重量%、特に好ましくは5
0〜75重量%である。芳香族ビニル化合物の使用量
が、単量体全成分中に40重量%未満であると、流動
性、熱安定性に劣る。一方、92重量%を超えると、剛
性、耐薬品性が低下する。
【0014】(A)成分中に用いられるシアン化ビニル
化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどが挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。
(A)成分中のシアン化ビニル化合物の使用量は、単量
体全成分中に好ましくは5〜45重量%、さらに好まし
くは5〜40重量%、特に好ましくは10〜40重量%
である。シアン化ビニル化合物の使用量が、単量体全成
分中に5重量%未満であると、剛性、耐薬品性が低下す
る。一方、45重量%を超えると、熱安定性、流動性が
低下する。
【0015】上記(A)成分には、さらに必要に応じて
共重合可能なその他の単量体成分を使用することができ
る。その他の単量体成分としては、例えば、不飽和酸無
水物、不飽和酸、不飽和ジカルボン酸のイミド化合物な
どが挙げられる。不飽和酸無水物としては、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げら
れ、無水マレイン酸が好ましい。不飽和酸としては、ア
クリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。不飽和ジカ
ルボン酸のイミド化合物としては、マレイミド、N−メ
チルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニル
マレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、
N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−シク
ロヘキシルマレイミドなどが挙げられ、N−フェニルマ
レイミドが好ましい。上記(A)成分に使用される単量
体成分は、単独であるいは2種以上混合して用いられ
る。
【0016】さらに、上記(A)成分には、必要に応じ
て、官能基含有ビニル単量体を使用することもできる。
官能基含有ビニル単量体としては、具体例として、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和化合
物;3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−
1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トラ
ンス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−
2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシスチレンなどの水酸基含有不飽和化合物;アクリ
ルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸ア
ミド;アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、メ
タクリル酸アミノエーテル、メタクリル酸アミノプロピ
ル、アミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物;
アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;ビニルオキ
サゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽和化合物などが
挙げられる。上記官能基含有ビニル単量体は、単独であ
るいは2種以上混合して用いられる。これらの官能基含
有ビニル単量体を共重合することで、他の樹脂を配合し
た場合に、上記樹脂との界面密着(相溶性)を高めるこ
とができる。上記その他の単量体成分の使用量は、単量
体全成分中に、好ましくは0〜40重量%、さらに好ま
しくは0〜30重量%である。
【0017】上記(A)ゴム強化熱可塑性樹脂中のグラ
フト共重合体(A1)のグラフト率は、20〜150
%、好ましくは30〜120%、特に好ましくは40〜
120%である。ここで、グラフト率(%)は、ゴム質
重合体にグラフトした単量体成分の割合であり、次式に
より求められる値である。 グラフト率(%)=100×(T−S)/S 〔ただし、Tはゴム強化熱可塑性樹脂1gをアセトン2
0mlに投入し、振とう機で、常温、2時間振とうし、
遠心分離機(回転数23,000rpm)で60分間遠
心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分
重量、Sはゴム強化熱可塑性樹脂1g中のゴム質重合体
の重量を表す。〕 グラフト率が20%未満では、得られる難燃性熱可塑性
樹脂組成物の耐衝撃強度が劣る。一方、150%を超え
ると、難燃性が劣る。従って、ゴム強化熱可塑性樹脂中
のグラフト共重合体(A1)のグラフト率は、20〜1
50%の範囲でのみ、難燃性および物性が良好となる。
【0018】また、本発明の(A)ゴム強化熱可塑性樹
脂中のアセトン可溶分の極限粘度〔η〕(30℃、メチ
ルエチルケトン中で測定)は、好ましくは0.2〜1.
2dl/g、さらに好ましくは0.2〜1.0dl/
g、特に好ましくは0.3〜1.0dl/gである。極
限粘度〔η〕が上記範囲内であると、耐衝撃性、耐熱
性、難燃性に優れた本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物
が得られる。なお、上記グラフト率(%)、極限粘度
〔η〕は、重合するときの、重合開始剤、連鎖移動剤、
乳化剤、溶剤などの種類や量、さらに重合時間、重合温
度などを変えることにより、容易に制御することができ
る。
【0019】本発明のグラフト共重合体(A1)は、ゴ
ム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物およびシア
ン化ビニル化合物を主成分とする単量体成分を、好まし
くは乳化重合、懸濁重合などでラジカルグラフト重合を
行い、製造することができる。この際、乳化重合には、
重合開始剤、連鎖移動剤(分子量調節剤)、乳化剤、水
などが用いられる。なお、グラフト共重合体(A1)を
製造するのに用いるゴム質重合体および単量体成分は、
ゴム質重合体全量の存在下に、単量体成分を一括添加し
て重合してもよく、分割もしくは連続添加して重合して
もよい。また、これらを組み合わせた方法で、重合して
もよい。さらに、ゴム質重合体の全量または一部を、重
合途中で添加して重合してもよい。
【0020】重合開始剤としては、クメンハイドロパー
オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどで代
表される有機ハイドロパーオキサイド類と含糖ピロリン
酸処方、スルホキシレート処方などで代表される還元剤
との組み合わせによるレドックス系、あるいは過硫酸カ
リウムなどの過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド(B
PO)、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシラウレイト、t−ブチルパーオキシモノカーボネー
トなどの過酸化物が使用される。さらに、重合開始剤
は、重合系に一括または連続的に添加することができ
る。重合開始剤の使用量は、単量体成分に対し、通常、
0.1〜1.5重量%、好ましくは0.2〜0.7重量
%である。
【0021】連鎖移動剤は、公知のものが使用できる。
具体的には、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメル
カプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキシルメ
ルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テト
ラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン
などのメルカプタン類、ターピノーレン、α−メチルス
チレンのダイマーなどが挙げられる。これら連鎖移動剤
は、単独でも2種以上を組み合わせても使用することが
できる。連鎖移動剤の使用量は、単量体成分に対して、
通常、0.05〜2.0重量%用いられる。
【0022】乳化重合の場合に使用する乳化剤は、公知
のものが使用できる。具体的には、高級アルコールの硫
酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムな
どのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナト
リウムなどの脂肪族スルホン酸塩、高級脂肪族カルボン
酸塩、リン酸系などのアニオン性界面活性剤、ポリエチ
レングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテ
ル型などのノニオン系界面活性剤が挙げられる。これら
は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混
合して用いることもできる。乳化剤の使用量は、通常、
単量体成分に対して、通常、0.3〜5.0重量%であ
る。
【0023】グラフト共重合体(A1)を乳化重合によ
り製造する場合、通常、凝固剤により凝固して得られた
粉末を水洗後、乾燥することによって精製される。この
凝固剤としては、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、
塩化マグネシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩や、硫
酸、塩酸などの酸を使用することができる。
【0024】なお、本発明の(A)ゴム強化熱可塑性樹
脂は、上記グラフト共重合体(A1)でもよく、グラフ
ト共重合体(A1)に、単量体成分(b)の共重合体
(A2)を配合したものでもよい。ここで、共重合体
(A2)の単量体成分は、上記グラフト重合に使用され
る単量体成分と同一の組成であっても、異なっていても
よいが、好ましくは芳香族ビニル化合物およびシアン化
ビニル化合物を含むものである。また、上記共重合体
(A2)は、幾つかの共重合体成分の組み合わせであっ
てもよい。上記共重合体(A2)は、例えば、懸濁重
合、バルク重合などで重合して得ることができる。上記
共重合体(A2)の極限粘度〔η〕(30℃、メチルエ
チルケトン中で測定)は、好ましくは0.2〜1.0d
l/g、さらに好ましくは0.3〜1.0dl/g、特
に好ましくは0.3〜0.8dl/gである。極限粘度
〔η〕が上記範囲内であると、耐衝撃性、耐熱性、難燃
性に優れた本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物が得られ
る。なお、極限粘度〔η〕は、上記グラフト共重合体と
同様に制御することができる。
【0025】代表的な(A)ゴム強化熱可塑性樹脂とし
ては、下記のような組成が挙げられるが、本発明の権利
範囲は、その請求範囲を超えないかぎり、下記の例示に
何ら限定されるものではない。 アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂/アク
リロニトリル−スチレン樹脂 アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン樹
脂/アクリロニトリル−スチレン樹脂
【0026】次に、本発明の(B)リン系難燃剤は、上
記一般式(I)で表される縮合リン酸エステルおよび/
またはホスファゼン化合物である。ここで、一般式
(I)で表される縮合リン酸エステルは、1種類の化合
物として、または2種類以上の異なる縮合リン酸エステ
ルの混合物としてのいずれの形態でも使用することがで
きる。上記R1 〜R4 中のフェニル基は、その芳香族環
の水素原子がアルキル基などにより置換されていてもよ
い。また、上記Xは、ジヒドロキシ化合物であるレゾル
シノールまたはビスフェノールAから誘導される基であ
る。本発明の縮合リン酸エステルは、それ自体公知であ
る。本発明において、上記縮合リン酸エステルが混合物
の場合は、nの値は、縮合リン酸エステルの混合物中の
平均値(平均重合度)を表し、平均重合度nは0.5〜
1.2、好ましくは0.7〜1.2、さらに好ましくは
0.9〜1.1である。平均重合度nが0.5未満の場
合には、耐熱性が低下し、成形品のシルバー不良など外
観不良を発生しやすい。一方、平均重合度nが1.2を
超える縮合リン酸エステルは、製造が困難であるため高
価格であり経済的に利用し難い。
【0027】一方、本発明に用いられるホスファゼン化
合物とは、例えば、"Studies in Inorganic Chemistry
6 Phosphorus (Third Edition)" (ELSEVIER)に記載のあ
る、下記一般式(II)で表される直鎖状ホスファゼンお
よび/または下記一般式(III)で表される環状ホスファ
ゼンが挙げられる。
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】〔ただし、上記式(II)および(III)にお
いて、nは0〜15、好ましくは1〜10の整数、Rは
アルキル基、アリル基、アルコキシ基、アリロキシ基、
アミノ基、ヒドロキシ基から選ばれる任意の官能基を示
す。上記アルコキシ基、アリロキシ基はアルキル基、ア
リル基、アミノ基、ヒドロキシ基などで修飾されていて
も良い。また、アミノ基はアルキル基、アリル基などで
修飾されていても良い。〕 本発明で用いられるホスファゼン化合物の具体例として
は、例えばプロポキシホスファゼン、フェノキシホスフ
ァゼン、メチルフェノキシホスファゼン、アミノホスフ
ァゼン、フルオロアルキルホスファゼンなどが挙げられ
る。特に、その合成方法および入手容易性などからみ
て、フェノキシホスファゼンが好ましい。これらは1種
または2種以上の混合物であっても良いし、環状と直鎖
状の混合物であっても良い。また、本発明に用いられる
ホスファゼン化合物は、同一分子内のRがすべて同種の
官能基であっても良いし、2種類以上の異なった官能基
であっても良い。このような混合置換ホスファゼンの具
体例としては、分子内の一部をフェノキシ基で置換し、
その後にプロポキシ基で置換したホスファゼン、すなわ
ち、フェノキシプロポキシホスファゼンなどがあげられ
る。市販のホスファゼンは一般にクロロホスファゼンを
アルコールやフェノールなどで置換することにより合成
される。
【0031】本発明の(B)成分は、上記一般式(I)
で表される縮合リン酸エステルまたはホスファゼン化合
物を1種単独で使用することも、あるいは上記縮合リン
酸エステルおよびホスファゼン化合物を併用することも
できる。本発明の(B)成分の配合量は、(A)ゴム強
化熱可塑性樹脂100重量部に対し、5〜20重量部、
好ましくは5〜18重量部、さらに好ましくは5〜15
重量部である。5重量部未満では難燃性が不充分であ
り、一方、20重量部を超えると、耐熱性が低下する。
【0032】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、
(C)滑剤を含有してもよい。(C)滑剤は、エチレン
ビスステアリルアミドおよび/またはメチレンビスステ
アリルアミドであることが好ましい。上記エチレンビス
ステアリルアミドおよび/またはメチレンビスステアリ
ルアミドの配合量は、(A)ゴム強化熱可塑性樹脂10
0重量部に対し、通常、0.5〜10重量部、好ましく
は0.5〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量
部、特に好ましくは1〜3重量部である。この範囲内で
あると、流動性、V−2難燃性が、一段と優れる。一
方、10重量部を超えると、難燃性が低下するので好ま
しくない。
【0033】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、上
記(A)〜(B)成分、または(A)〜(C)成分を含
有するものであり、JIS K7210に規定する22
0℃、98N荷重でのメルトフローレートが、好ましく
は30〜80g/10分である。本発明の難燃性熱可塑
性樹脂組成物のメルトフローレートは、(A)成分のグ
ラフト率、シアン化ビニル化合物含有率、ゴム含有率に
より変化し、さらに、(B)成分、(C)成分の配合量
によっても変化する。本発明の組成物のメルトフローレ
ートの調整は、通常、芳香族ビニル化合物およびシアン
化ビニル化合物を含む単量体成分を別に重合して得られ
る、組成比、分子量を変えた共重合体を配合することで
行われる。本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物の上記条
件下のメルトフローレートは、好ましくは30〜80g
/10分、さらに好ましくは30〜70g/10分、特
に好ましくは30〜60g/10分である。メルトフロ
ーレートが30g/10分未満または80g/10分を
超えると、難燃性が低下する。
【0034】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物には、
必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維、ワラストナイ
ト、タルク、マイカ、カオリン、ガラスビーズ、ガラス
フレーク、ミルドファイバー、酸化亜鉛ウィスカー、チ
タン酸カリウムウィスカーなどの充填材を、1種単独で
または2種以上併用することができる。これらの充填材
を配合することで、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物
に剛性を付与することができる。また、タルクなどを配
合することで、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物に艶
消し性を付与することができる。上記ガラス繊維、炭素
繊維の好ましい形状としては、繊維径が6〜20μm、
繊維長が30μm以上である。また、本発明の難燃性熱
可塑性樹脂組成物には、アンチモン化合物などの難燃助
剤、公知のカップリング剤、抗菌剤、防カビ剤、酸化防
止剤、耐候(耐光)剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料な
ど)、帯電防止剤、シリコーンオイルなどの添加物を、
要求される性能を損なわない範囲で配合することができ
る。
【0035】さらに、本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成
物には、要求される性能に応じて、他の(共)重合体を
配合することができる。ここで、他の重合体としては、
ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、
ポリフッ化ビニリデン、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリアミドエラストマー、ポリアミドイミドエラス
トマー、ポリエステルエラストマー、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ノボラック樹脂などが挙げられる。
【0036】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、各
種押し出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロー
ル、フィーダールーダーなどを用い、各成分を混練りす
ることにより得られる。好ましい製造方法は、押し出し
機、バンバリーミキサーを用いる方法である。また、各
成分を混練りするに際しては、各成分を一括して混練り
してもよく、数回に分けて添加混練りしてもよい。混練
りは、押し出し機で多段添加式で混練りしてもよく、ま
たバンバリーミキサー、ニーダーなどで混練りし、その
後、押し出し機でペレット化することもできる。
【0037】このようにして得られる本発明の難燃性熱
可塑性樹脂組成物は、射出成形、シート押し出し、真空
成形、異形成形、発泡成形、インジェクションプレス、
プレス成形、ブロー成形などによって、各種成形品に成
形することができる。なお、上記射出成形において、ピ
ンポイントゲートを好適に使用することができる。
【0038】上記成形法によって得られる各種成形品
は、耐衝撃性、耐熱性、難燃性に優れており、OA・家
電分野、電気・電子・通信分野、コンピュータ分野、雑
貨分野、サニタリー分野、車両分野などで使用すること
ができ、特にピンポイントゲートを使用して射出成形さ
れた成形品は、電子部品内蔵の機器のハウジングに好適
に使用することができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に何等制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らない限り重量基準である。ま
た、実施例中の各種評価は、次のようにして測定したも
のである。
【0040】ゴム質重合体の粒子径および粒子径分布 ラテックス中の分散粒子の粒子径をレーザードップラー
/周波数解析で測定した。測定機器は、日機装株式会
社、マイクロトラックUPA150粒度分析計MODEL N
o. 9340を使用した。なお、ゴム強化熱可塑性樹脂
中の分散ゴム質重合体粒子の粒径は、ラテックス中のゴ
ム質重合体粒子の粒径を示すことが確認された。
【0041】ゲル分率(トルエン不溶分) 本文中に記載グラフト率 本文中に記載極限粘度〔η 〕 共重合体(A2)をメチルエチルケトンに溶解させ、濃
度の異なるものを5点作った。ウベローデ粘度管を用
い、30℃で各濃度の還元粘度を測定した結果から、極
限粘度〔η〕を求めた。単位はdl/gである。
【0042】流動性(メルトフローレート) JIS K7210に準じて測定した。測定温度は22
0℃、荷重は98N、単位はg/10分である。耐衝撃性(アイゾット衝撃強度 ) (株)日本製鋼所製の射出成形機J100E−C5を用
い、JIS K7110の2号型試験片を成形し、アイ
ゾット衝撃強度を測定した。単位は、J/mである。
【0043】熱変形温度(HDT) 幅6.4mm×長さ128mm×厚み12.8mmの試
験片を使用し、JISK7207に準拠して、曲げ応力
18.5kgf/cm2 で測定した。燃焼性評価(難燃性) UL94規格に定められた方法により、長さ5″×幅1
/2″×厚み1/12″の試験片について垂直燃焼試験
を行った。評価結果としては、「V−2」は垂直試験結
果でV−2合格を、「B」は燃焼(burning)で
V−2不適合を表す。落錘衝撃強度 (株)島津製作所製の高速衝撃試験機サーボパルサEH
F−2H−20Lを用い、50×80×2.4mm厚み
の試験片の破壊エネルギーを測定した。測定条件は、試
験片受け台径30φ、打撃棒先端12.7R、打撃速度
3.1m/sであった。単位は、kgf・cmである。
【0044】参考例1(ゴム質重合体の調製) ゴム質重合体(イ)〜(ハ)として表1に示すポリブタ
ジエンラテックスを使用した。
【0045】
【表1】
【0046】参考例2〔(A)成分の調製〕 表2に示す配合割合で、ゴム質重合体(イ)〜(ハ)、
単量体成分としてスチレンおよびアクリロニトリルを用
いて乳化重合を行い、グラフト率を変えたグラフト共重
合体(A1−1〜2)および(A′1−1〜6)を得
た。また、表2に示す配合割合で、スチレンおよびアク
リロニトリル単量体成分だけで溶液重合し、共重合体
(A2−1〜4)を得た。得られたグラフト共重合体お
よび共重合体の物性を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】参考例3(リン系難燃剤の調製) (B)成分として下記に示す縮合リン酸エステル(B−
1〜5)およびホスファゼン化合物(B−6)を使用し
た。 (B−1):上記一般式(I)のR1 〜R4 がフェニル
基、XがビスフェノールA残基、nが1.1の縮合リン
酸エステル。 (B−2):上記一般式(I)のR1 〜R4 が2,6−
キシレニル基、Xがレゾルシノール残基、nが1.0の
縮合リン酸エステル。 (B−3):上記一般式(I)のR1 〜R4 がフェニル
基、XがビスフェノールA残基、nが0.6の縮合リン
酸エステル。 (B−4):トリフェニルフォスフェート〔上記一般式
(I)のR1 〜R4 がフェニル基、nが0のリン酸エス
テル〕、大八化学工業(株)製。 (B−5):上記一般式(I)のR1 〜R4 がフェニル
基、XがビスフェノールA残基、nが0.3の縮合リン
酸エステル。 (B−6):下記化学式(IV)で示されるフェノキシホ
スファゼン(ただし、n=1の化合物とn=2の化合物
の混合物)
【0049】
【化5】
【0050】参考例4〔(C)成分の調製〕 (C)成分として花王(株)製のエチレンビスステアリ
ルアミドを使用した。
【0051】実施例1〜8、比較例1〜12 上記各成分を、表3〜5に示す配合割合でヘンシェルミ
キサーにより3分間混合した後、ナカタニ機械(株)製
のNVC型50mmベント付き押し出し機でシリンダー
設定温度180〜220℃で溶融押し出しし、ペレット
を得た。得られたペレットを充分に乾燥し、(株)日本
製鋼所製の射出成形機J100E−C5を用い、シリン
ダー温度200℃、金型温度50℃で射出成形し、各種
評価用試験片を得た。この試験片を用い、上記評価法で
評価した。評価結果を表3〜5に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】実施例1〜8より明らかなように、本発明
の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、いずれも耐衝撃強度、
耐熱性、難燃性に優れている。一方、比較例1は、
(A)成分中のゴム含有量を本発明の範囲外に少なくし
た例であり、耐衝撃強度が劣る。比較例2は、(A)成
分中のゴム含有量を本発明の範囲外に多くした例であ
り、難燃性が劣る。比較例3は、(B)成分の配合量を
本発明の範囲外に少なくした例であり、難燃性が劣る。
比較例4は、(B)成分の配合量を本発明の範囲外に多
くした例であり、耐熱性が劣る。比較例5は、(A)成
分中のゴム質重合体のグラフト率を本発明の範囲外に低
くした例であり、耐衝撃強度が劣る。比較例6は、
(A)成分中のゴム質重合体のグラフト率を本発明の範
囲外に大きくした例であり、難燃性が劣る。
【0056】比較例7,8は、(A)成分中のゴム質重
合体の粒子径分布が本発明の範囲外であり、ゴム質重合
体の粒子径150nm以下の配合量が多く、150nm
を超え350nm未満が少ない例であり、落錘衝撃強度
(実用的な耐衝撃性)が劣る。比較例9,10は、
(A)成分中のゴム質重合体の粒子径分布が本発明の範
囲外であり、ゴム質重合体の粒子径150nmを超え3
50nm未満が少なく、350nm以上の配合量が多い
例であり、落錘衝撃強度が劣る。比較例11,12は、
(B)成分の縮合リン酸エステルの平均重合度nが本発
明の範囲外で小さい例(n=0または0.4)であり、
耐熱性が劣る。
【0057】
【発明の効果】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、
非ハロゲン系であり、耐衝撃性、耐熱性、難燃性に優
れ、特に実用耐衝撃性に優れている。そして、その成形
品は、OA・家電分野、電気・電子・通信分野、コンピ
ュータ分野、雑貨分野、サニタリー分野、車両分野など
で使用することができ、特にピンポイントゲートを使用
して射出成形された成形品は、電子部品内蔵の機器のハ
ウジングに好適に使用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 松坂 邦男 東京都中央区京橋一丁目18番1号 テクノ ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BN061 BN141 BN211 EP027 EW046 FD136 FD177

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)ゴム強化熱可塑性樹脂100
    重量部に対し、(B)下記リン系難燃剤5〜20重量部
    を含有する難燃性熱可塑性樹脂組成物。 (A)粒子径が、150nm以下が15重量%以下、1
    50nmを超え350nm未満が60重量%以上、35
    0nm以上が40重量%以下である粒子径分布を有する
    ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物、
    シアン化ビニル化合物、および必要に応じて他の共重合
    可能な単量体からなる単量体成分(b)をグラフト重合
    して得られるグラフト共重合体(A1)、またはグラフ
    ト共重合体(A1)および単量体成分(b)の共重合体
    (A2)とからなり、グラフト率が20〜150%、か
    つゴム含有量が8〜20重量%であるゴム強化熱可塑性
    樹脂。 (B)下記一般式(I)で表される縮合リン酸エステル
    および/またはホスファゼン化合物からなるリン系難燃
    剤。 【化1】 (ただし、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、それぞれ相
    互に独立して選ばれるフェニル基またはキシレニル基、
    Xは2価のレゾルシノール残基またはビスフェノールA
    残基を表し、nは0.5〜1.2である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(A)成分100重量部
    に対し、請求項1記載の(B)成分5〜20重量部、お
    よび(C)滑剤0.5〜10重量部を含有する難燃性熱
    可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)滑剤が、エチレンビスステアリル
    アミドおよび/またはメチレンビスステアリルアミドで
    ある請求項2記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 JIS K7210に規定する220
    ℃、98N荷重でのメルトフローレートが、30〜80
    g/10分である、請求項1〜3いずれか1項記載の難
    燃性熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100448164B1 (ko) * 2001-12-07 2004-09-10 제일모직주식회사 난연성 열가소성 수지조성물
KR100511754B1 (ko) * 2002-10-14 2005-08-31 제일모직주식회사 난연성 열가소성 수지 조성물
KR100572738B1 (ko) * 2002-12-14 2006-04-25 제일모직주식회사 난연성 스티렌계 수지 조성물
JP2016030807A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 東洋スチレン株式会社 スチレン系難燃樹脂組成物およびそれからなる成形体
CN114621532A (zh) * 2022-03-25 2022-06-14 浙江大晋新材料科技有限公司 一种混炼合成的ps/abs合金材料、制备方法以及应用

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