JPH05339471A - 注型材料用組成物 - Google Patents

注型材料用組成物

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JPH05339471A
JPH05339471A JP16989092A JP16989092A JPH05339471A JP H05339471 A JPH05339471 A JP H05339471A JP 16989092 A JP16989092 A JP 16989092A JP 16989092 A JP16989092 A JP 16989092A JP H05339471 A JPH05339471 A JP H05339471A
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JP
Japan
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copolymer
component
composition
epoxy
compound
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Withdrawn
Application number
JP16989092A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Igarashi
善則 五十嵐
Kazumi Nejigaki
和美 捫垣
Tomikazu Ueno
富和 植野
Yukihiro Okubo
幸浩 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エポキシ樹脂本来の優れた特性を維持しつ
つ、耐クラック性および強靱性に優れた硬化物を得るこ
とができる注型材料用組成物を提供すること。 【構成】 本発明の注型材料用組成物は、エポキシ基を
含有する化合物〔(a)成分〕中に、架橋ゴム状共重合
体〔(b)成分〕が粒子状に分散されてなることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、注型材料用組成物に関
し、更に詳しくは、耐クラック性、強靱性、耐熱性、電
気絶縁性などに優れた注型材料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば電気・電子工業の分野における注
型材料として、エポキシ樹脂が用いられている。このエ
ポキシ樹脂は、一般に、寸法安定性、機械的強度、電気
的絶縁性、耐熱性、耐水性、耐薬品性などの多くの点で
優れている。
【0003】しかしながら、エポキシ樹脂は可撓性が低
く、注型材料として用いた場合において、樹脂製品を得
るための注型加工時(硬化時)や樹脂製品の使用時にク
ラックが発生しやすい、という問題を有している。すな
わち、硬化収縮により生じる内部応力に起因してクラッ
クが発生しやすく、また、エポキシ樹脂と金属との注型
複合製品においては、樹脂−金属間の熱膨張率の差から
生じる内部応力に起因してクラックが発生することがあ
る。
【0004】従来、エポキシ樹脂の可撓性を向上させ、
耐クラック性、強靱性を発現させるために、以下のよう
な技術が提案されている。 (1)ウレタン変性などによってエポキシ樹脂に可撓性
を付与する技術。 (2)エポキシ樹脂中に、多量のフィラーを充填して可
撓性を向上させる技術。 (3)エポキシ樹脂中に、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム(NBR)などの液状ゴムを混合する技術(例え
ば、Clayton A.May,EpoxyResi
ns,Marcel DekkerInc.(198
8))。 (4)アクリレートと、アクリル酸などのエポキシ樹脂
と反応しうる官能基含有モノマーとをエポキシ樹脂中で
共重合反応させ(in situ重合)、アクリレート
と官能基含有モノマーとの共重合体よりなるゴム粒子を
分散させる技術(特開昭58−83014号、同59−
138254号公報参照)。 (5)エポキシ化合物である連続相およびエラストマー
粒子組成物からなる強化エポキシ化合物(特開昭64−
85216号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の技術で得られる可撓性エポキシ樹脂は、ある程
度の可撓性を有するものであるが、十分な耐クラック性
を有するものではない。上記(2)の技術では、得られ
る組成物の流動性が劣るため注型加工が困難である。上
記(3)の技術では、NBRなどの液状ゴムがエポキシ
樹脂と相溶性を有することから、エポキシ樹脂の機械的
強度を保持しつつ可撓性を付与するためには、当該液状
ゴムの混合量が少量に限られてしまい、耐クラック性、
強靱性を十分に向上させることはできず、注型加工時に
クラックを生じやすい。上記(4)の技術では、分散さ
れたゴム粒子がエポキシ樹脂と相溶性を有することか
ら、当該ゴム状粒子の凝集・凝固が生じやすく、組成物
の粘度上昇が大きい。また、硬化後における耐クラック
性も十分なものではない。上記(5)の強化エポキシ化
合物においても、その耐クラック性および強靱性は十分
なものではない。
【0006】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、その目的は、エポキシ樹脂本来の
優れた特性を維持しつつ、耐クラック性および強靱性に
優れた硬化物を得ることができる注型材料用組成物を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の注型材料用組成
物は、エポキシ基を含有する化合物〔(a)成分〕中
に、架橋ゴム状共重合体〔(b)成分〕が粒子状に分散
されてなることを特徴とする。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いられる(a)成分としては、分子中にエポキ
シ基を含有する化合物であれば特に制限されるものでは
ない。斯かる(a)成分の具体例としては、例えば特開
平2−117948号公報において、「エポキシ基を有
する化合物」として記載されている化合物のほか、ビス
フェノール骨格含有ポリオール型エポキシ化合物、ポリ
ウレタン骨格含有エポキシ化合物などを挙げることがで
きる。
【0009】本発明の注型材料用組成物は、(a)成分
中に分散されてなる(b)成分が、架橋されたゴム状共
重合体である点に特徴を有するものである。以下、
(b)成分について説明する。
【0010】(b)成分である架橋ゴム状共重合体(以
下「共重合体(b)」という)は、常温においてゴム状
弾性を有するものであり、そのガラス転移温度(Tg)
は、通常25℃以下とされ、好ましくは0℃以下、更に
好ましくは−20℃以下とされる。
【0011】なお、共重合体(b)の架橋の程度は、ゲ
ル含量で示すことができる。ここで、「ゲル含量」と
は、メチルエチルケトン100ml中に重合体約1gを
浸漬し、室温で24時間静置した後における不溶分の重
量割合をいう。共重合体(b)のゲル含量としては、2
0重量%以上であることが好ましく、更に好ましくは4
0重量%以上、特に好ましくは40〜99重量%であ
る。ゲル含量が過少であると、共重合体(b)の(a)
成分への分散性が不十分となり、また、注型材料用組成
物において、耐クラック性および強靱性に優れた硬化物
を得ることが困難となる。
【0012】共重合体(b)は、架橋性モノマー(以下
「架橋性モノマーb1 」という)と、これと共重合可能
な他の不飽和化合物(以下「共重合性モノマーb2 」と
いう)との共重合反応によって得ることができる。
【0013】共重合体反応に供される架橋性モノマーb
1 は、重合性二重結合を分子構造中に2個以上有する化
合物であり、その具体例としては、ジビニルベンゼン、
ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレートなどを挙げることができる。架橋性モノマーb
1 を用いることにより、得られる共重合体(b)におい
て、ゲル含量の増加、すなわち、架橋性の向上を図るこ
とができる。共重合体(b)中における架橋性モノマー
1 の割合としては、通常0.1〜20重量%とされ、
好ましくは0.5〜15重量%とされる。
【0014】共重合体反応に供される共重合性モノマー
2 としては、上記架橋性モノマーb1 と共重合可能で
ある化合物であれば特に限定されず、その具体例として
は、共役ジエン類、例えばブタジエン、ジメチルブタジ
エン、イソプレン、クロロプレンおよびこれらの誘導体
など、(メタ)アクリル酸誘導体、例えば(メタ)アク
リロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、エポキ
シ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
トなど、オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、
1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテンな
ど、芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、メチルスチ
レンなどを挙げることができる。共重合体(b)中にお
ける共重合性モノマーb2 の割合としては、通常60〜
98.5重量%とされ、好ましくは70〜97.5重量
%とされる。
【0015】なお、共重合体(b)には、(a)成分と
反応しうる官能基が導入されていてもよい。共重合体
(b)に官能基を導入するためには、上記架橋性モノマ
ーb1および上記共重合性モノマーb2 と共に、官能基
を含有するモノマー(以下「官能基含有モノマーb3
という)を用い、これらのモノマー混合物を共重合反応
させればよい。共重合体(b)に官能基を導入するため
に、必要に応じて用いられる官能基含有モノマーb3
しては、例えば、特開平2−117948号公報におい
て、「モノマーI」として記載されているカルボキシル
基含有化合物、酸無水物基含有化合物、エポキシ基含有
化合物、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、ヒ
ドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合
物、リン酸基含有化合物などを挙げることができる。官
能基含有モノマーb3 の有する官能基のうち、カルボキ
シル基、酸無水物基およびエポキシ基は、それぞれ、
(a)成分と適度の反応性を有することから好ましい。
共重合体(b)中における官能基含有モノマーb3 の割
合としては、0.1〜20重量であることが好ましく、
更に好ましくは0.5〜15重量%とされる。
【0016】本発明に用いる共重合体(b)は、例えば
乳化重合法により製造することができる。乳化重合法
は、乳化剤としてアニオン系、カチオン系、ノニオン系
および両性の界面活性剤のいずれかまたはそれらの混合
系を用い、分子量調節剤の存在下において、ラジカル重
合開始剤によって、架橋性モノマーb1 と共重合性モノ
マーb2 との重合反応、あるいは、これらと官能基含有
モノマーb3 との重合反応を開始し、0〜70℃で重合
反応を継続し、所定の重合転化率に達したところで、反
応停止剤を添加して重合反応を停止させ、系内の未反応
モノマーを水蒸気蒸留などで除去することによって共重
合体(b)のラテックスを得る方法である。ここで、界
面活性剤やラジカル重合開始剤の具体例、乳化重合法の
詳細などについては、特開平2−117948号公報に
記載されている。また、共重合体(b)は、懸濁重合
法、溶液重合法などによって得られたものであってもよ
い。
【0017】(a)成分中へ分散される共重合体(b)
の形状としては、特に限定されるものではなく、例え
ば、シード粒子と、このシード粒子を被覆する共重合体
とにより構成されていてもよい。ここで、シード粒子と
しては、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下の重合体
であればよい。また、シード粒子を被覆する共重合体と
しては、上記架橋性モノマーb1 を少なくとも含み、か
つ、ガラス転移温度(Tg)が25℃以下の共重合体を
与えるモノマー混合物の共重合(シード重合)により得
られる共重合体であればよい。斯かる共重合体を形成す
るためのモノマーとしては、上記架橋性モノマーb1
共重合性モノマーb2 および官能基含有モノマーb3
りなる群から適宜選択することができ、これらは単独で
あるいは2種以上混合して用いることができる。これら
のうち、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、
(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、
アルコキシ(メタ)アクリレート、多官能ビニル化合物
などが好ましい。
【0018】シード粒子の分散体(以下「シードラテッ
クス」という)としては、例えば、ガラス転移温度(T
g)が25℃以下の重合体を溶剤に溶かし、これをホモ
ミキサーなどの攪拌機を用いて乳化剤により水中に分散
させて得られるラテックス、乳化重合によって得られる
ラテックスを用いることができる。これらのうち、乳化
重合により得られるシードラテックスは、当該シードラ
テックスの重合工程から次の共重合工程に移行すること
が容易で工程の簡素化を図ることができ、また、最終的
に得られる共重合体粒子の粒径コントロールが容易であ
ることから好ましい。好ましいシード重合法としては、
乳化重合を、複数の段階に分けて連続的に行う方法、す
なわち、第1段目として、ガラス転移温度(Tg)が2
5℃以下の重合体からなるシードラテックスを乳化重合
により合成し、第2段目として、第1段目で得られたシ
ードラテックスの系中に、架橋性モノマーb1 を少なく
とも含むモノマー混合物および必要な添加剤等を添加
し、乳化重合を連続的に行う方法を挙げることができ
る。なお、第1段目および/または第2段目において、
モノマーの添加をさらに複数回に分けて行うことも可能
である。
【0019】共重合体(b)は、(a)成分中に配合さ
れ、粒子状に分散される。共重合体(b)の分散方法と
しては、例えば、 共重合体(b)のラテックス、分散液または溶液
(以下「共重合体(b)の分散系」という)と、(a)
成分とを剪断力下で強制攪拌し、分離した水および/ま
たは溶媒を除去し乾燥する方法、 (a)成分を水系で乳化または懸濁させ、これと、
共重合体(b)の分散系とを混合し、次いで、凝固剤な
どによって凝固させ、水および/または溶媒を除去し乾
燥する方法、 共重合体(b)の凝固物と、(a)成分とを混合
し、次いで、水および/または溶媒を除去し乾燥する方
法、 共重合体(b)の分散系を凝固または脱溶媒するこ
とにより共重合体(b)を分離し、これを乾燥後、再
度、強制攪拌して有機溶媒に分散させ、この系と、
(a)成分とを混合し、次いで、溶媒を除去し乾燥する
方法、 共重合体(b)の凝固物を、必要に応じて粉砕し、
次いで、通常の熱ロール、インターミキサー、ニーダ
ー、押出機、高速剪断攪拌機などにより分散させる方法
などを挙げることができる。
【0020】本発明において、(a)成分100重量部
に対する共重合体(b)の分散含有量としては、通常1
〜100重量部、好ましくは1〜50重量部、更に好ま
しくは2〜30重量部である。共重合体(b)の分散含
有量が1重量部未満では、耐クラック性や強靱性などの
効果が発現されにくく、100重量部を超える場合に
は、(a)成分の特性である体積抵抗率が損なわれやす
い。なお、(a)成分中に分散される共重合体(b)
は、組成、形状、粒径が異なる2種以上の共重合体より
なるものであってもよい。
【0021】本発明の注型材料用組成物において、
(a)成分中に分散された共重合体(b)の粒径として
は、通常200〜5000Åとされ、好ましくは500
〜4000Åとされる。この粒径が200Å未満である
場合には、組成物の粘度が高くなり取扱が困難になる傾
向がある。一方、この粒径が5000Åを超えると、得
られる組成物の硬化後における強靱性が低下する傾向が
ある。
【0022】以上のようにして得られた注型材料用組成
物には、必要に応じて添加剤が添加されていてもよい。
斯かる添加剤としては、例えばシリカ、クレー、石膏、
炭酸カルシウム、石英粉、カオリン、マイカ、ケイ酸ナ
トリウム、タルク、ケイ酸カルシウム、チタン化合物、
アンチモン化合物などの充填剤、顔料、有機シラン化合
物、有機チタネート化合物などのカップリング剤、キシ
レン樹脂、難燃化剤、希釈剤、安定剤および老化防止剤
などを挙げることができる。
【0023】本発明の注型材料用組成物は、硬化剤およ
び/または硬化促進剤と混合されて硬化処理されること
により、優れた耐クラック性および強靱性を有する硬化
物となる。斯かる硬化剤および/または硬化促進剤は、
注型材料用組成物の硬化タイプ、例えば二液型、一液
型、熱硬化型、光硬化型などのタイプに応じて、種々の
ものを選択することができ、具体的には、特開平2−1
17948号公報において、「硬化剤および/または硬
化促進剤」として記載されている化合物を挙げることが
できる。硬化剤の使用量としては、通常、当該硬化剤の
有する活性水素基と(a)成分の有するエポキシ基とが
ほぼ当量になる量とされる。また、硬化促進剤は、その
種類や硬化条件などに応じて適正な使用量が選択され
る。
【0024】なお、官能基含有モノマーb3 の併用など
により、共重合体(b)にカルボキシル基が導入されて
いる場合には、得られる注型材料用組成物において、硬
化剤による硬化処理に先立って、共重合体(b)である
分散粒子表面のカルボキシル基を(a)成分中のエポキ
シ基と予め反応させる予備反応を行うことが好ましい。
この予備反応は、無触媒下において、またはトリフェニ
ルホスフィン、ホスホニウムハライド、トリエタノール
アミン、アセチルアセトナートのクロム錯体、ジイソプ
ロピルサリチル酸クロム、テトラエチルアンモニウムク
ロライド、トリイソアミルアミン、トリブチルアミン、
トリスジメチルアミノメチルフェノールなどの触媒の存
在下において、室温〜200℃程度で数時間加熱するこ
とによって行われる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、以下において、「部」は「重量部」を表す。
【0026】<共重合体(b)の製造例> 共重合体〜 下記表1に示す処方に従って、温度10℃に設定された
オートクレーブ中で乳化重合を行った。なお、この製造
例において、メタクリル酸およびジビニルベンゼンは、
重合転化率が50%に達した後に添加した。重合転化率
が90%に達した後、ジエチルヒドロキシルアミン0.
2部と、ジメチルカルバミン酸ナトリウム0.5部とを
反応系に添加して重合反応を停止させ、次いで、水蒸気
蒸留によって未反応モノマーを除去することにより、共
重合体〜の各ラテックスを得た。
【0027】
【表1】
【0028】共重合体〜 下記表2に示す処方に従って、温度60℃に設定された
オートクレーブ中で乳化重合を行った。なお、この製造
例において、メタクリル酸、アクリロニトリルおよびジ
ビニルベンゼンは、重合転化率が50%に達した後に添
加した。重合転化率が95%に達した後、ジエチルヒド
ロキシルアミン0.2部を反応系に添加して重合反応を
停止させ、次いで、水蒸気蒸留によって未反応モノマー
を除去することにより、共重合体〜の各ラテックス
を得た。
【0029】
【表2】
【0030】共重合体(比較用) 下記表3に示す処方に従って、温度10℃に設定された
オートクレーブ中で乳化重合を行った。なお、この製造
例において、メタクリル酸は、重合転化率が50%に達
した後に添加した。重合転化率が90%に達した後、ジ
エチルヒドロキシルアミン0.2部と、ジメチルカルバ
ミン酸ナトリウム0.5部とを反応系に添加して重合反
応を停止させ、次いで、水蒸気蒸留によって未反応モノ
マーを除去することにより、共重合体のラテックスを
得た。
【0031】
【表3】
【0032】<ゲル含量の測定>以上のようにして得ら
れた共重合体〜のそれぞれについて、以下のように
してゲル含量を測定した。各共重合体のラテックスに、
その固形分(共重合体(b))100部に対してアルキ
ル化フェノール(老化防止剤)1部を添加し、塩化カル
シウム水溶液(凝固剤)を添加することにより共重合体
(b)を凝固させ、この凝固物を水洗した後、水分含有
率(残存揮発分)が約40重量%になるまで遠心脱水処
理を行い、更に、90℃で2時間乾燥した。次いで、こ
の凝固物1gを、メチルエチルケトン100ml中に浸
漬し、室温で24時間静置し、不溶分の重量割合を測定
した。結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】<実施例1> 〔工程〕上記の製造例で得られた共重合体のラテッ
クスに、その固形分100部に対してアルキル化フェノ
ール(老化防止剤)1部を添加し、塩化カルシウム水溶
液(凝固剤)を添加することにより共重合体を凝固さ
せ、この凝固物を水洗した後、水分含有率が約40重量
%になるまで遠心脱水処理を行った。 〔工程〕前記工程で得られた共重合体の凝固物5
部を、エポキシ化合物「エピコート828」(油化シェ
ルエポキシ社製)95部に添加して配合し、この配合系
を、剪断攪拌混合機「ホモミキサー」〔特殊機化工業
(株)製〕内に投入し、室温で30分間混合することに
より、エポキシ化合物〔(a)成分〕中に共重合体が
粒子状に分散されてなる注型材料用組成物を製造した。
なお、この注型材料用組成物において、共重合体(b)
の凝集・凝固は全く認められず、以下の実施例で得られ
た注型材料用組成物においても同様であった。
【0035】<実施例2>共重合体の凝固物10部
を、エポキシ化合物「エピコート828」90部に添加
して配合したこと以外は実施例1と同様にして、エポキ
シ化合物〔(a)成分〕中に共重合体が粒子状に分散
されてなる注型材料用組成物を製造した。
【0036】<実施例3>共重合体の凝固物15部
を、エポキシ化合物「エピコート828」85部に添加
して配合したこと以外は実施例1と同様にして、エポキ
シ化合物〔(a)成分〕中に共重合体が粒子状に分散
されてなる注型材料用組成物を製造した。
【0037】<実施例4>共重合体の凝固物25部
を、エポキシ化合物「エピコート828」75部に添加
して配合したこと以外は実施例1と同様にして、エポキ
シ化合物〔(a)成分〕中に共重合体が粒子状に分散
されてなる注型材料用組成物を製造した。
【0038】<実施例5>共重合体のラテックス15
部(固形分換算)を、エポキシ化合物「エピコート82
8」85部に添加して配合し、この配合系を、剪断攪拌
混合機「ホモディパー」〔特殊機化工業(株)製〕内に
投入し、20分間混合することにより、エポキシ化合物
〔(a)成分〕中に共重合体が粒子状に分散されてな
る注型材料用組成物を製造した。
【0039】<実施例6>共重合体に代えて共重合体
を用いたこと以外は実施例5と同様にして、エポキシ
化合物〔(a)成分〕中に共重合体が粒子状に分散さ
れてなる注型材料用組成物を製造した。
【0040】<実施例7>共重合体に代えて共重合体
を用いたこと以外は実施例5と同様にして、エポキシ
化合物〔(a)成分〕中に共重合体が粒子状に分散さ
れてなる注型材料用組成物を製造した。
【0041】<実施例8>共重合体のラテックス10
部(固形分換算)を、エポキシ化合物「エピコート82
8」90部に添加して配合したこと以外は実施例5と同
様にして、エポキシ化合物〔(a)成分〕中に共重合体
が粒子状に分散されてなる注型材料用組成物を製造し
た。
【0042】<比較例1>共重合体(b)の分散を行わ
ないエポキシ化合物「エピコート828」を用意した。
【0043】<比較例2>共重合体に代えて共重合体
を用いたこと以外は実施例2と同様にして、エポキシ
化合物〔(a)成分〕中に、共重合体(架橋されてい
ないゴム状共重合体)が分散されてなる注型材料用組成
物を製造した。
【0044】<比較例3>両末端カルボキシル基含有N
BRよりなる液状ゴム「Hycar CTBN1300
×13」(B.F.グッドリッチ社製)10部を、エポ
キシ化合物「エピコート828」90部に添加して配合
したこと以外は実施例5と同様にして、エポキシ化合物
〔(a)成分〕中に液状ゴムが分散されてなる注型材料
用組成物を製造した。
【0045】上記実施例1〜8、比較例2〜3で得られ
た注型材料用組成物およびエポキシ樹脂(比較例1)の
各々と、硬化剤である酸無水物(メチルテトラヒドロ無
水フタル酸およびイミダゾール促進剤)とを、表5に示
す配合処方に従って混合し、更に、この混合物を脱泡
し、次いで、この混合物を金型へ流し込み、恒温槽内に
おいて、90℃で2時間および120℃で1時間加熱す
る硬化処理を行って硬化物を得た。なお、実施例1〜8
および比較例2で得られた注型材料用組成物において
は、上記の硬化処理に先立って、各組成物100部に対
してトリフェニルホスフィン0.1部を添加し、90℃
で4時間加熱して予備反応を行い、次いで、真空乾燥に
よって水分を除去した。また、比較例3で得られた注型
材料用組成物においては、硬化処理に先立って、当該組
成物100部に対してトリフェニルホスフィン0.1部
を添加し、150℃で1時間加熱して予備反応を行い、
次いで、脱泡を行った。
【0046】<試験例>以上のようにして得られた注型
材料用組成物の硬化物について、下記の項目について試
験を行った。 (1)引張強さ:各硬化物から1号型試験片を作製し、
JIS K7113に準拠して測定した。 (2)引張弾性率:上記(1)と同様にして測定した。 (3)曲げ強さ:80mm×10mm×4mmの試験片
を作製し、JIS K7203に準拠して測定した。 (4)曲げ弾性率:上記(3)と同様にして測定した。 (5)熱変形温度:127mm×12.7mm×3.2
mmの試験片を作製し、JIS K6911に準拠して
測定した。 (6)破壊靱性:70mm×110mm×8mmの成型
物からCT試験片を作製し、その中央部にカミソリの刃
で鋭利なクラックを入れて試験片とし、ASTME39
9−83に準拠して測定した。なお、引張速度は毎分2
mmとした。 (7)耐クラック性:直径60mm、厚さ9mmの座金
入りの試験片を作製し、JIS C2105に準拠して
冷熱サイクル試験を行い、クラックが発生するまでのサ
イクル数を測定した。 (8)体積固有抵抗:直径90mm、厚さ1mmの試験
片を作製し、絶縁抵抗試験機「4392A」(横河・ヒ
ューレット・パッカード(株)製)により測定した。 (9)絶縁破壊強度:上記(8)と同様の試験片を作製
し、絶縁油耐電圧試験機「PTO−5150MA」
((株)アサオ電子製)により測定した。 (10)誘電率:直径50mm、厚さ1mmの試験片を作
製し、プレシジョンLCRメーター「4284A」(横
河・ヒューレット・パッカード(株)製)により測定し
た。なお、電極は38mm径のものを用いた。 (11)誘電正接:上記(10)と同様の試験片を作製し、
プレシジョンLCRメーター「4284A」(横河・ヒ
ューレット・パッカード(株)製)により測定した。
以上の試験結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】表5に示す結果から明らかなように、本発
明の注型材料用組成物による硬化物は、エポキシ樹脂本
来の優れた機械的強度、耐熱性、電気的絶縁性を満足
し、しかも、耐クラック性に優れ、高い破壊靱性を有す
るものである。
【0049】
【発明の効果】本発明の注型材料用組成物は、エポキシ
樹脂本来の優れた特性を維持しつつ、耐クラック性およ
び強靱性に優れた硬化物を得ることができる。従って、
各種の注型材料、特に、金属との複合製品を得るための
注型材料として好適に用いることができる。また、本発
明の注型材料用組成物を硬化して得られる硬化物は、電
気的絶縁性などの電気的特性にも優れており、計器用変
圧器、磁気遮断器、真空遮断器、碍子、ブッシング類、
モールド変圧器など、電気・電子工業の分野における注
型材料として特に好適に用いることができる。
フロントページの続き (72)発明者 大久保 幸浩 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基を含有する化合物〔(a)成
    分〕中に、架橋ゴム状共重合体〔(b)成分〕が粒子状
    に分散されてなることを特徴とする注型材料用組成物。
JP16989092A 1992-06-05 1992-06-05 注型材料用組成物 Withdrawn JPH05339471A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6063839A (en) * 1995-05-09 2000-05-16 Toray Industries, Inc. Prepreg of reinforcing fibers, epoxy resins, crosslinked rubber particles and curing agent
WO2008023692A1 (fr) * 2006-08-23 2008-02-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Formule de résine pour moulage, matériau isolant l'utilisant et structure isolante
WO2020138263A1 (ja) 2018-12-27 2020-07-02 株式会社カネカ 樹脂組成物およびその利用
WO2022071406A1 (ja) 2020-09-30 2022-04-07 株式会社カネカ ラテックスおよび樹脂組成物、並びにそれらの製造方法

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WO2020138263A1 (ja) 2018-12-27 2020-07-02 株式会社カネカ 樹脂組成物およびその利用
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