JPH11148009A - シリコーンゴム系粒子およびその製造方法 - Google Patents

シリコーンゴム系粒子およびその製造方法

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JPH11148009A
JPH11148009A JP31317497A JP31317497A JPH11148009A JP H11148009 A JPH11148009 A JP H11148009A JP 31317497 A JP31317497 A JP 31317497A JP 31317497 A JP31317497 A JP 31317497A JP H11148009 A JPH11148009 A JP H11148009A
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JP
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silicone rubber
weight
rubber particles
emulsion
silane compound
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JP31317497A
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English (en)
Inventor
Nobuo Miyatake
信雄 宮武
Kazunori Takigawa
和徳 瀧川
Shigeki Hamaguchi
茂樹 濱口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コーティング材料の塗膜面や耐衝撃性改良熱可
塑性樹脂成形体の表面外観性を改善する。 【解決手段】オルガノシロキサン70〜100重量%、多官
能シラン化合物0〜15重量%およびビニル重合性基を有
するシラン化合物0〜15重量%(合計100重量%)からな
り、体積平均粒子径が0.04〜0.12μmでその変動係数が
50%以下のシリコーンゴム粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性改良剤、
柔軟剤、成形材料の加工助剤およびコーティング材料な
どに適した、粒子径分布が狭く、平均粒子径0.12μm以
下のシリコーンゴム粒子、その製法および粒子径分布が
狭く、平均粒子径0.12μm以下のシリコーンゴム粒子を
含むグラフト共重合体粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゴム粒子は、弾性、耐水性、
熱安定性、耐候性および潤滑性などの性質が良好である
ために、耐衝撃性改良剤、柔軟剤、成形材料の加工助剤
およびコーティング材料などに広く利用されている。シ
リコーンゴム粒子の製造方法として、米国特許3294725
号明細書には、オルガノシロキサンと乳化剤兼重合触媒
であるアルキルベンゼンスルホン酸を高圧ホモジナイザ
ー等で水中に乳化分散してえられるエマルションを、加
熱撹拌して重合することによりシリコーンゴム粒子がえ
られることが記載されている。
【0003】特開昭60-88040号公報には、重合の完結し
たシリコーンゴムラテックスの存在下にオルガノシロキ
サンを乳化重合してシリコーンゴム粒子を製造する方法
が記載されている。特開昭62-141029号公報には、水と
重合触媒からなる反応系にオルガノシロキサン、乳化剤
と水からなるエマルションを添加し、重合させることに
より0.15μm以下のシリコーンゴム粒子を製造する方法
が記載されている。
【0004】特開平5-194740号公報には、オルガノシロ
キサン、シロキサン系架橋剤、シロキサン系グラフト交
叉剤からなる混合物と乳化剤を水中に乳化分散した、エ
マルションを乳化剤兼重合触媒と水からなる反応系に、
滴下させて重合し、0.1μm以下のシリコーンゴム粒子を
える方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記米国特許3294725
号明細書記載の方法では、シリコーンゴム粒子の粒子径
が0.15μm以下のものを得ようとすると、粒子径分布を
示す変動係数(標準偏差/平均粒子径(%))の値が50%以
上になる。このためにコーティング材料や熱可塑性樹脂
の耐衝撃改良剤のゴム源等に用いた場合、塗膜面や成形
品表面の表面外観が不十分という課題がある。
【0006】特開昭60-88040号公報記載の方法も、えら
れるシリコーンゴム粒子の粒子径が0.16μm以上のもの
しかえられない。このためにコーティング材料や熱可塑
性樹脂の耐衝撃性改良剤のゴム源等に用いた場合、塗膜
面や成形品表面の表面外観が不十分という課題がある。
特開昭62-141029号公報記載の方法では、シリコーンゴ
ム粒子は0.15μm以下のものがえられるが、使用乳化剤
の量がシリコーンゴムの0.15〜6倍と多いために熱可塑
性樹脂の耐衝撃性改良剤のゴム成分として用いた場合、
着色するという課題がある。
【0007】特開平5-194740号公報記載の方法では、0.
15μm以下のシリコーンゴム粒子をえることができる
が、粒子径分布を示す変動係数の値が50%以上であり、
コーティング材料や熱可塑性樹脂の耐衝撃性改良剤のゴ
ム成分等に用いた場合、塗膜面や成形品表面の表面外観
はいまだ不十分であるという課題がある。このようなこ
とから、粒子径分布が狭く、体積平均粒子径が0.15μm
以下のシリコーンゴム粒子およびその粒子を含むグラフ
ト共重合体粒子の開発が長年の課題であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
に対して鋭意検討を重ねた結果、シリコーンゴム形成成
分の乳化状態での重合に際し、第1段階でシリコーンゴ
ム形成成分の1〜50重量%を先に乳化状態で重合して体積
平均粒子径0.03〜0.10μmのシリコーンゴム粒子を含む
エマルションを調製し、第2段階で、第1段階でえられ
たシリコーンゴム粒子を含むエマルション存在下で、残
りのシリコーンゴム形成成分50〜99重量%を含むエマル
ションを追加して重合することによって体積平均粒子径
0.04〜0.12μmで変動係数50%以下のシリコーンゴム粒子
がえられること、また、該シリコーンゴム粒子存在下で
ビニル系単量体をグラフト重合することにより体積平均
粒子径0.04〜0.12μmで変動係数50%以下のシリコーンゴ
ム粒子を含むグラフト共重合体がえられることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、オルガノシロキサン70
〜100重量%、多官能シラン化合物0〜15重量%およびビ
ニル重合性基を有するシラン化合物0〜15重量%(合計1
00重量%)からなり体積平均粒子径0.04〜0.12μmでそ
の変動係数が50%以下のシリコンゴム粒子(請求項
1)、オルガノシロキサン70〜100重量%、多官能シラン
化合物0〜15重量%およびビニル重合性基を有するシラン
化合物0〜15重量%(合計100重量%)からなるシリコーン
ゴム形成成分(A)を乳化状態で重合する際に、第1段
階でシリコーンゴム形成成分(A)の1〜50重量%を先に
乳化状態で重合して体積平均粒子径0.03〜0.10μmのシ
リコーンゴム粒子(B)を含むエマルションを調製し、
第2段階で、第1段階でえられたシリコーンゴム粒子を
含むエマルション存在下で、シリコーンゴム形成成分
(A)の50〜99重量%を含むエマルションを追加して重合
することによる、体積平均粒子径0.04〜0.12μmで変動
係数50%以下のシリコーンゴム粒子(C)の製造方法(請
求項2)、オルガノシロキサン70〜100重量%、多官能シ
ラン化合物0〜15重量%およびビニル重合性基を有するシ
ラン化合物0〜15重量%(合計量は100%である)からなる
シリコーンゴム形成成分(A)を乳化状態で重合する際
に、第1段階でシリコーンゴム形成成分(A)の1〜50重
量%を先に乳化状態で重合して体積平均粒子径0.03〜0.1
0μmのシリコーンゴム粒子(B)を含むエマルションを
調製し、第2段階で、第1段階でえられたシリコーンゴ
ム粒子を含むエマルション存在下で、シリコーンゴム形
成成分(A)の50〜99重量%を含むエマルションを2段階
以上に分割して重合する請求項1記載のシリコーンゴム
粒子(C)の製造方法(請求項3)、前記シリコーンゴ
ム粒子(C)の存在下で、ビニル系単量体(D)をグラフ
ト重合して得られるシリコーンゴム系グラフト共重合体
粒子(E)(請求項4)及び、前記ビニル系単量体(D)
が、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、
ハロゲン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸エステル単量体よりなる群から選ばれた
少なくとも1種の単量体である請求項4記載のシリコー
ンゴム系グラフト共重合体粒子(請求項4)をその要旨
とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、オルガノシロキサン70
〜100重量%、多官能シラン化合物0〜15重量%およびビニ
ル重合性基を有するシラン化合物0〜15重量%(合計量は
100%である)からなるシリコーンゴム形成成分(A)を
乳化状態で重合する際に、第1段階でシリコーンゴム形
成成分(A)の1〜50重量%を先に乳化状態で重合して体
積平均粒子径0.03〜0.10μmのシリコーンゴム粒子(B)
を含むエマルションを調製し、第2段階で、第1段階で
えられたシリコーンゴム粒子を含むエマルション存在下
で、シリコーンゴム形成成分(A)の50〜99重量%を含む
エマルションを追加して重合することによって、体積平
均粒子径0.04〜0.12μmで変動係数50%以下のシリコーン
ゴム粒子(C)がえられることを特徴とする。さらに、
えられた体積平均粒子径0.04〜0.12μmで変動係数50%以
下のシリコーンゴム粒子(C)にビニル系単量体(D)を
グラフト重合することによって、該シリコーンゴム粒子
を含むグラフト共重合体(E)がえられることを特徴と
する。
【0011】本発明で用いられるシリコーンゴム形成成
分(A)は、オルガノシロキサン、多官能シラン化合
物、ビニル重合性基を有するシラン化合物からなること
が好ましい。前記オルガノシロキサンは、シリコーンゴ
ム鎖の主骨格を構成するための成分であり、その具体例
としては、たとえばヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン、トリメチルトリフェニルシクロシロキサンな
どが用いられる。
【0012】前記多官能シラン化合物は、前記オルガノ
シロキサンと共重合するこによりシリコーンゴムに架橋
構造を導入してゴム弾性を付与するための成分である。
すなわち、シリコーンゴムの架橋剤である。具体例とし
ては、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ランなどの4 官能、3官能のアルコキシシラン化合物を
用いることができる。
【0013】前記ビニル重合性基を有するシラン化合物
は、前記オルガノシロキサンと前記架橋剤などと共重合
し、その結果、共重合体の側鎖または末端にビニル重合
性基を導入するための成分であり、このビニル重合性基
は後述するビニル系単量体のグラフト活性点として作用
する。すなわち、シリコーンゴムのグラフト交叉剤であ
る。
【0014】前記ビニル重合性基を有するシラン化合物
の具体例としては、一般式(1):
【0015】
【化1】
【0016】(式中、R1は水素原子、メチル基、R2は炭
素数1〜6の1価の炭化水素基、Xは炭素数1〜6のアルコキ
シ基、aは0、1または2、pは1〜6の数を示す)で表わさ
れるシラン化合物、一般式(2):
【0017】
【化2】
【0018】(式中、R2は炭素数1〜6の1価の炭化水素
基、Xは炭素数1〜6のアルコキシ基、aは0、1または2の
数を示す)で表わされるシラン化合物、一般式(3):
【0019】
【化3】
【0020】(式中、R2は炭素数1〜6の1価の炭化水素
基、Xは炭素数1〜6のアルコキシ基、aは0、1または2の
数を示す)で表わされるシラン化合物、一般式(4):
【0021】
【化4】
【0022】(式中、R2は炭素数1〜6の1価の炭化水素
基、R3は炭素数1〜6の2価の炭化水素基、Xは炭素数1〜6
のアルコキシ基、aは0、1または2の数を示す)で表わさ
れるシラン化合物、一般式(5):
【0023】
【化5】
【0024】(式中、R2は炭素数1〜6の1価の炭化水素
基、R4は炭素数1〜18の2価の炭化水素基、Xは炭素数1〜
6のアルコキシ基、aは0、1または2の数を示す)で表わ
されるシラン化合物が好ましく用いられる。前記シラン
化合物の一般式(1)において、R2は炭素数1〜6の1価
の炭化水素基であるが、かかる1価の炭化水素基として
は、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基などのア
ルキル基、フェニル基などが挙げられる。また、一般式
(1)において、Xはたとえばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜6のアル
コキシ基である。
【0025】一般式(1)で表わされる前記シラン化合物
の具体例としては、たとえばβ-メタクリロイルオキシ
エチルジメトキシメチルシラン、γ-メタクリロイルオ
キシプロピルジメトキシメチルシラン、γ-メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリ
ロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ-メ
タクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-
メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラ
ン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリプロポキシ
シラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルジプロポキ
シメチルシランなどがあげられる。
【0026】前記シラン化合物の一般式(2)におい
て、R2を示す炭素数1〜6の1価の炭化水素基およびXを示
す炭素数1〜6のアルコキシ基の具体例としては、それぞ
れ一般式(1)中のR2およびXと同様のものがあげられ
る。一般式(2)で表わされる前記シラン化合物の具体例
としては、p-ビニルフェニルジメトキシメチルシラン、
p-ビニルフェニルトリメトキシシラン、p-ビニルフェニ
ルトリエトキシシラン、p-ビニルフェニルジエトキシメ
チルシランなどがあげられる。
【0027】前記シラン化合物の一般式(3)におい
て、R2を示す炭素数1〜6の1価の炭化水素基およびXを示
す炭素数1〜6のアルコキシ基の具体例としては、それぞ
れ一般式(1)中のR2およびXと同様のものがあげられ
る。一般式(3)で表わされる前記シラン化合物の具体例
としては、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチ
ルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシランなどがあげられる。
【0028】前記シラン化合物の一般式(4)におい
て、R2を示す炭素数1〜6の1価の炭化水素基およびXを示
す炭素数1〜6のアルコキシ基の具体例としては、それぞ
れ一般式(1)中のR2およびXと同様のものがあげられ
る。また、一般式(4)において、R3を示す炭素数1〜6
の2価の炭化水素基は、メチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基などがあげられる。
【0029】一般式(4)で表わされる前記シラン化合物
の具体例としては、アリルメチルジメトキシシラン、ア
リルメチルジエトキシシラン、アリルトリメトキシシラ
ン、アリルトリエトキシシランなどがあげられる。前記
シラン化合物の一般式(5)において、R2を示す炭素数
1〜6の1価の炭化水素基およびXを示す炭素数1〜6のアル
コキシ基の具体例としては、それぞれ一般式(1)中の
R2およびXと同様のものがあげられる。また、一般式
(5)において、R4を示す炭素数1〜18の2価の炭化水素
基は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレ
ン基などがあげられる。
【0030】一般式(5)で表わされる前記シラン化合
物の具体例としては、メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、メルカプトプロピルジメトキシメチルシランな
どが挙げられる。なお、前記シラン化合物がトリアルコ
キシシラン型であるものは、架橋剤兼グラフト交叉剤と
して使用できる。
【0031】前記オルガノシロキサン、前記多官能シラ
ン化合物およびビニル重合性基を有するシラン化合物の
使用量は、通常、前記オルガノシロキサン70〜100重量
%、好ましくは80〜100重量%、より好ましくは90〜100重
量%、多官能シラン化合物0〜15重量%、好ましくは0〜10
重量%、より好ましくは0〜5重量%、ビニル重合性基を有
するシラン化合物0〜15重量%、好ましくは、0〜10重量
%、より好ましくは0〜5重量%である。
【0032】前記オルガノシロキサンが70重量%未満で
は、えられるシリコーンゴムの柔軟性などの特性が発現
しにくくなる傾向がある。多官能シラン化合物やビニル
重合性基を有するシラン化合物は任意成分であるが、使
用する際、いずれも30重量%をこえると同様にシリコー
ンゴムの特性が発現しにくくなる。本発明では、前記オ
ルガノシロキサンと必要に応じて使用される多官能シラ
ン化合物やビニル重合性基を有するシラン化合物からな
るシリコーンゴム形成成分(A)を2段階以上に分けて
乳化状態で重合する。なお、各段階でのシリコーンゴム
形成成分を構成しているオルガノシロキサン、多官能シ
ラン化合物およびビニル重合性基を有するシラン化合物
の使用割合は任意でよく、最終的に上述した使用割合に
なっていればよい。
【0033】また、オルガノシロキサンのみからシリコ
ーンゴム粒子(C)を形成し、そののち、酸性状態下で
多官能シラン化合物または/およびビニル重合性基を有
するシラン化合物をそのままの状態で上述した使用割合
になるように添加することができる。ビニル重合性基を
有するシラン化合物を使用する場合は、シリコーンゴム
の合成中に生じるビニル重合性基の熱による失活を少な
くできる点で好ましい。
【0034】第1段階のシリコーンゴム形成成分の乳化
状態での重合は、シリコーンゴム形成成分(A)の1〜50
重量%と乳化剤(a)および水を混合して機械的剪断によ
り1μm以上の液滴を有するエマルションを調製し、系を
酸性にして70℃以上に加熱することにより行うことがで
きる。第1段階で使用するシリコーンゴム形成成分の量
は、シリコーンゴム形成成分(A)(第1段階と第2段
階で使用する合計量)の1〜50重量%、好ましくは2 〜40
重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
【0035】1重量%未満の場合、50重量%を越える場
合、いずれも最終的にえられるシリコーンゴム粒子の粒
子径分布が広くなる傾向がある。前記乳化剤(a)とし
ては、通常、酸性下で乳化能を失わないアニオン性乳化
剤やノニオン系乳化剤が使用される。アニオン性乳化剤
の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン
酸、アルキルスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
スルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウムなどが
あげられる。これらは、単独で使用してもよく2種以上
併用してもよい。
【0036】ノニオン系乳化剤の具体例としては、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテルなどがあげられる。これらは、
単独で使用してもよく2種以上併用してもよい。また、
アニオン系乳化剤とノニオン系乳化剤の併用も可能であ
る。これらのうち、アルキルベンゼンスルホン酸、アル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン
酸、アルキルスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナ
トリウムが酸性状態下での安定性の高さから好ましい。
さらに、アルキルベンゼンスルホン酸やアルキルスルホ
ン酸はシリコーンゴム形成成分の重合触媒としても作用
するので特に好ましい。
【0037】乳化剤(a)の使用する量は、シリコーン
ゴム形成成分(A)100重量部(第1段階および第2段階
で使用する合計量)に対して、2〜13重量部、好ましく
は2.5〜12重量部、より好ましくは3〜10重量部である。
乳化剤の使用量が、2重量部未満の場合、シリコーンゴ
ム粒子(C)の体積平均粒子径が0.12μmをこえ、しかも
粒子径分布が広くなる傾向にある。13重量部を越える
と、耐衝撃性改良剤のゴムとして用いた場合に樹脂が着
色する傾向にある。
【0038】水の使用量は、第1段階で使用するシリコ
ーンゴム形成成分の2.5〜30重量倍量である。水の使用
量が2.5倍未満であると重合中に系の粘度が高くなり十
分な撹拌ができなくなる。30重量倍量をこえるとシリコ
ーンゴム形成成分の重合転化率が低くなる傾向にある。
第1段階の乳化状態での重合時には、シリコーンゴム形
成成分、乳化剤(a)および水の混合物を機械的剪断に
よりエマルションの液滴を1μm以上にする必要がある。
エマルションの液滴が1μm未満の場合では、最終的にえ
られるシリコーンゴム粒子(C)の粒子径は0.12μmをこ
えてしまう。
【0039】エマルションの液滴を1μm以上にする方法
としては、ホモミキサーなど高速撹拌機を使用すること
が好ましく、高圧ホモジナイザーや超音波分散機などの
特殊な分散機を使用するとエマルションの液滴が1μm未
満になりやすく好ましくない。以上のようにしてえられ
たエマルションに、硫酸や塩酸などの無機酸やアルキル
スルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸などの有機酸を添加して系のpHを3以下の酸性状
態にして、70℃以上に加熱することでシリコーンゴム形
成成分は重合する。なお、前記乳化剤にアルキルスルホ
ン酸やアルキルベンゼンスルホン酸を使用した場合、改
めて酸を添加する必要はない。
【0040】かくして体積平均粒子径0.02〜0.10μmの
シリコーンゴム粒子(B)を含むエマルションがえられ
る。該エマルションのpHは3以下である。第2段階で、
第1段階でえられたシリコーンゴム粒子(B)を含むエ
マルションに、シリコーンゴム形成成分(A)の50〜99
重量%と乳化剤(b)と水からなるエマルションを追加し
てさらに重合をつづけることにより体積平均粒子径0.03
〜0.12μmで変動係数50%以下のシリコーンゴム粒子
(C)がえられる。体積平均粒子径とその変動係数は動
的光散乱法によって測定することができる。
【0041】第2段階で使用するシリコーンゴム形成成
分の量は、前述した第1段階での使用量によって決ま
る。乳化剤(b)は、第1段階と同じアニオン系乳化剤
やノニオン系乳化剤が使用できるが、酸性状態下でも乳
化能を示さないものも使用可能である。その具体例とし
ては、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ロ
ジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム、パルミチン酸カ
リウム、パルミチン酸ナトリウムなどが挙げられる。こ
れらは、単独で使用してもよく2種以上併用してもよ
い。
【0042】乳化剤(b)の使用量は、シリコーンゴム
形成成分(A)100重量部(第1段階および第2段階で使
用する合計量)に対して、0.01〜5重量部、好ましくは
0.05〜3重量部、より好ましくは0.1〜1重量部である。
乳化剤の使用量が、0.01重量部未満の場合、第2段階で
の重合速度が低下する傾向にある。5重量部をこえる場
合、第1段階で生成したシリコーンゴム粒子上以外で重
合する割合が多くなり、えられるシリコーンゴム粒子
(C)の粒子径分布が広くなる傾向にある。
【0043】水の使用量は、シリコーンゴム粒子(C)
の固形分量が10〜30重量%になるようにするのがエマル
ションの取り扱い性の点で好ましい。追加用のシリコー
ンゴム形成成分を含むエマルションの調製は、前述と同
様の方法で行われる。シリコーンゴム形成成分を含むエ
マルションの追加の仕方としては、一括で追加してもよ
いが、粒子径分布をより狭くするという点ではエマルシ
ョンを2段階以上に分割して追加するのが好ましい。さ
らには、シリコーンゴム形成成分に関して1時間当たり6
0部以下になるようにエマルションを滴下して追加する
のが特に好ましい。
【0044】第2段階の重合時の系のpHおよび重合温度
は、第1段階と同じくpH3以下、重合温度70℃以上が好
ましい。以上のようにシリコーンゴム粒子(B)存在下
でシリコーンゴム形成成分を重合することにより、体積
平均粒子径0.03〜0.12μmで変動係数50%以下のシリコー
ンゴム粒子(C)がえられる。
【0045】このようにして製造されたシリコーンゴム
粒子(C)を含むエマルションは、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液の添加により中和
する必要がある。なお、中和する前、すなわち酸性状態
下では、シリコーンゴムの骨格を形成しているSi-O-Si
結合は切断と生成の平衡状態にあり、この平衡は温度に
よって変化する。低温程、平衡は生成側によるために高
分子量または高架橋度のものが生成しやすくなる。この
ため、シリコーンゴム形成成分の重合を70℃以上で行っ
たあと室温程度に冷却して5〜100時間程度保持してから
中和することが好ましい。
【0046】前記プロセスで得られたシリコーンゴム粒
子にビニル系単量体(D)をグラフト重合させることに
よりシリコーンゴム系グラフト共重合体粒子が製造され
る。ビニル系単量体(D)は、たとえば、熱可塑性樹脂
の耐衝撃性を改良するために、シリコーンゴム粒子の熱
可塑性樹脂との相溶性を確保し、熱可塑性樹脂に均一に
分散させるために使用されるものであり、その具体例と
しては、スチレン、α-メチルスチレン、パラメチルス
チレンのような芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリ
ルやメタクリロニトリルのようなシアン化ビニル系単量
体、塩化ビニル、塩化ビニリデンのようなハロゲン化ビ
ニル系単量体、メタクリル酸、メタクリル酸メチルやメ
タクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチルのようなメ
タクリル酸およびそのエステルからなるメタクリル酸系
単量体、アクリル酸、アクリル酸メチルやアクリル酸ブ
チル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロキシエ
チルのようなアクリル酸およびそのエステルからなるア
クリル酸系単量体などがあげられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0047】ビニル系単量体(D)の量は、シリコーン
ゴム粒子(C)5〜95重量%に対して95〜5重量%が好まし
い。グラフト重合は、通常の乳化重合法を用いることで
実施できるが、シリコーンゴム粒子(C)のエマルショ
ンに前記単量体(D)とラジカル重合開始剤の混合液を
滴下して重合することが好ましい。 また、グラフト重
合は、前記単量体(D)を多段階で重合させることもで
きる。
【0048】ラジカル重合開始剤としては、通常のラジ
カル重合で重合開始剤として使用されている化合物を用
いることができる。具体例としては、クメンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、過硫酸カリウム、t−ブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化
物、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス
-2,4-ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが
挙げられる。このうち、反応性の高さから有機過酸化物
が特に好ましい。
【0049】前記有機過酸化物を用いる場合、硫酸第一
鉄/グルコース/ピロリン酸ナトリウム、硫酸第一鉄/
デキストロース/ピロリン酸ナトリウム、または硫酸第
一鉄/ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート/
エチレンジエアミン酢酸塩など混合物を還元剤として併
用することができる。還元剤の併用は、重合温度を低く
できることから特に好ましい。
【0050】これらのラジカル重合開始剤の使用量は、
用いられるビニル系単量体100重量部に対して、通常、
0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部であり、さ
らに好ましくは0.1〜2重量部である。ラジカル重合開始
剤の量が0.01重量部未満であると重合速度が低く、生産
効率が悪くなる。また、10重量部を越えるとグラフト率
が低下する傾向にある。
【0051】グラフト重合の工程では、シリコーンゴム
にビニル重合性基が存在する場合はビニル系単量体
(D)がラジカル重合開始剤によって重合する際に、シ
リコーンゴムのビニル重合性基と共重合することによ
り、グラフトが形成される。シリコーンゴムにビニル重
合性基が存在しない場合、ケイ素原子に結合したメチル
基などの有機基からラジカル開始剤などによって水素が
引く抜かれることにより、生成したラジカルがビニル系
単量体の重合を開始することによりグラフトが形成され
る。
【0052】グラフト重合後のグラフト共重合体粒子を
含む水分散液からポリマー粉末を回収するには、通常の
方法、たとえば水分散液に塩化カルシウム、塩化マグネ
シウム、硫酸マグネシウムなどの金属塩、塩酸、硫酸、
リン酸、酢酸のような無機酸および有機酸を添加するこ
とにより水分散液を凝固後、脱水乾燥する方法が用いら
れる。また、スプレー乾燥法も使用できる。
【0053】
【実施例】本発明を実施例に基づき具体的に説明する
が、本発明はこれらのみに限定されない。なお、実施
例、比較例におけるシリコーンゴム粒子およびグラフト
共重合体粒子のエマルションからの回収は、エマルショ
ンに塩化カルシウム2部を加えて凝固したのち、脱水後5
0℃で120時間乾燥してえた。シリコーンゴム粒子につい
ては、さらに室温で真空乾燥を10時間乾燥してえた。
【0054】また、以下の実施例および比較例における
測定および評価はつぎのように行った。 [重合転化率]シリコーンゴム形成成分について:シリ
コーンゴム粒子を含むエマルションを120℃の熱風乾燥
器で1時間乾燥してシリコーンゴム固形成分量を求め
て、(シリコーンゴム固形成分量)/(仕込み成分量)
で算出し百分率で表示した。
【0055】スチレン・アクリロニトリルについて:グ
ラフト共重合体粒子を含むエマルションを同様にして乾
燥して、グラフト共重合体固形成分量を求めて、[(グ
ラフト共重合体固形成分量)−(シリコーンゴム固形成
分量)]/(スチレン・アクリロニトリル仕込み量)で
算出し百分率で表示した。 [平均粒子径]エマルション中のシリコーンゴム粒子ま
たはグラフト共重合体粒子の粒子径を動的光散乱法によ
り測定した。パシフィック・サイエンティフィック社
(PACIFIC SCIENTIFIC)製のNICOMP MODEL370粒子径ア
ナライザーを用いて、各粒子の体積平均粒子径(nm)お
よび変動係数(標準偏差/体積平均粒子径)(%)を求
めた。
【0056】[トルエン不溶分量]エマルションから乾
燥させてえられたシリコーンゴム粒子を室温にてトルエ
ンに24時間浸漬し、12000rpmにて60分間遠心分離してシ
リコーンゴム粒子中のトルエン不溶分量(重量%)を測
定した。 [グラフト率]グラフト共重合体粒子の一定重量(Gw)
をトルエンに24時間浸漬し、12000rpmにて60分間遠心分
離してトルエン不溶分の重量(iGw)を測定した。オル
ガノシロキサンの仕込み量とその転化率およびグラフト
重合の単量体仕込み量とその転化率から算出されるシリ
コーンゴム成分のグラフト共重合体中の重量分率をSと
するとグラフト率は以下の計算式で算出される。
【0057】 グラフト率(%)=100 ×(iGw−Gw×S)/(Gw×S) 実施例1と比較例1 次の成分からなる水溶液をホモミキサーにより10000rpm
で5分間攪拌してエマルションを調整した。 純水 200 部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1.5部 オクタメチルシクロテトラシロキサン 20部 このエマルションを攪拌機、還流冷却器、窒素吹込口、
単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに一括して
仕込んだ。系を撹拌しながら、90℃に約40分かけて昇温
後、ドデシルベンゼンスルホン酸を2.0部添加し、90℃
で3時間反応させ、シリコーンゴム粒子(B-1)を含むエ
マルションを調製した。このときの重合転化率は84%で
あった。また、エマルション中のシリコーンゴム粒子の
体積平均粒子径は0.04μmであった。エマルションのpH
は2.0であった。
【0058】別途、次の成分からなる混合物をホモミキ
サーにより1000rpmで5分間攪拌してシリコーンゴム形
成成分含有エマルションを調整した。 純水 70 部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5 部 オクタメチルシクロテトラシロキサン 80 部 γ-メタクリロイルオキシプロピル ジメトキシメチルシラン 2 部 テトラエトキシシラン 3 部 シリコーンゴム粒子(B-1)を含むエマルションを撹拌
しながら、その系に調製したエマルションを5時間かけ
て滴下した。滴下終了後1時間撹拌を続けた後、25℃に
冷却して20時間放置後、水酸化ナトリウムでpHを8.9に
して重合を終了した。重合転化率は87%であった。エマ
ルションの固形分含量は25%であった。得られたシリコ
ーンゴム粒子(C-1)のトルエン不溶分量、体積平均粒
子径および変動係数については表1に示す。
【0059】えられたシリコーンゴム粒子(C-1)を含
む次の成分を攪拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体
追加口、温度計を備えた5口フラスコに仕込んだ。 純水 240 部 シリコーンゴム粒子(C-1)(固形分) 60 部 SFS 0.2部 EDTA 0.01部 硫酸第一鉄 0.0025 部 系を撹拌しながら窒素気流下で60℃まで昇温した。60℃
到達後、次の混合物を4時間で連続的に滴下し、滴下終
了後、60℃で1時間撹拌を続けて重合を終了し、グラフ
ト共重合体粒子(E-1)を含むエマルションをえた。
【0060】 スチレン 30部 アクリルニトリル 10部 クメンハイドロパーオキサイド 0.1部 重合転化率は97%であった。エマルションの固形分濃度
は29%であった。グラフト共重合体粒子(E-1)の体積平
均粒子径、変動係数およびグラフト率は表1に示す。比
較例1として、実施例1における第1段階で、オクタメ
チルシクロテトラシロキサン20部の重合をせずに酸性水
溶液のみを調製し、第2段階で用いるオクタメチルシク
ロテトラシロキサンを100 部として滴下重合した以外は
実施例1と同処方で重合を行った。シリコーンゴム形成
成分の重合転化率は87%であった。エマルションの固形
分含量は25%であった。得られたシリコーンゴム粒子
(C'-1)のトルエン不溶分量、体積平均粒子径および変
動係数については表1に示す。得られたシリコーンゴム
粒子(C'-1)へのグラフト重合を実施例1と同様に行
い、グラフト共重合体(E'-1)をえた。グラフト重合の
転化率は98%であった。エマルションの固形分濃度は29%
であった。グラフト共重合体粒子(E'-1)の体積平均粒
子径、変動係数およびグラフト率は表1に示す。
【0061】比較例2として、実施例1における第2段
階で用いる水、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、シリコーンゴム形成成分を第1段階で用いる水、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、シリコーンゴム
形成成分に含めて実施例1の第1段階と同様に重合を行
った。ただし、90℃での撹拌は8時間行った後、25℃で2
0時間放置したのちに水酸化ナトリウムでpH8.9にして重
合を終了した。シリコーンゴム形成成分の重合転化率は
85%であった。エマルションの固形分含量は25%であっ
た。得られたシリコーンゴム粒子(C'-2)のトルエン不
溶分量、体積平均粒子径および変動係数については表1
に示す。
【0062】得られたシリコーンゴム粒子(C'-2)への
グラフト重合を実施例1と同様に行いグラフト共重合体
粒子(E'-2)をえた。グラフト重合の転化率は98%であ
った。エマルションの固形分濃度は29%であった。グラ
フト共重合体粒子(E'-2)の体積平均粒子径、変動係数
およびグラフト率は表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1から、本発明の方法でえられたシリコ
ーンゴム粒子は、0.12μm以下の体積平均粒子径を有
し、しかも変動係数が従来の方法に比べて小さく、粒子
径分布が狭いことがわかる。また、シリコーンゴム粒子
へのグラフト重合後の粒子径分布が狭いことがわかる。
また、グラフト共重合体粒子のグラフト率も、粒子径分
布の狭いシリコーンゴム粒子を用いた方が高い傾向にあ
ることがわかる。 実施例2〜3 実施例2として、実施例1における第2段階で用いるシ
リコーンゴム形成成分からテトラエトキシシランを除い
た以外は実施例1と同様に重合してシリコーンゴム粒子
(C-2)を得た。結果を表2に示す。
【0065】実施例3として、実施例1における第2段
階で用いるシリコーンゴム形成成分からγ-メタクリロ
イルオキシプロピルジメトキシメチルシランを除いた以
外は実施例1と同様に重合してシリコーンゴム粒子(C-
3)を得た。結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】表2から、用いるシリコーンゴム形成成分
の構成を変えても、0.12μm以下の体積平均粒子径を有
し、しかも変動係数が50%以下のシリコーンゴム粒子が
得られることがわかる。 実施例4〜5および比較例3 実施例4として、実施例1における第2段階のシリコー
ンゴム形成成分含有エマルションを滴下する代わりに、
5分割して1時間ごとに一括追加した以外は実施例1と
同処方で重合を行い、シリコーンゴム粒子(C-4)を得
た。結果を表3に示す。
【0068】実施例5として、実施例1における第2段
階のシリコーンゴム形成成分含有エマルションを滴下す
る代わりに、一括追加した以外は実施例1と同処方で重
合を行い、シリコーンゴム粒子(C-5)を得た。結果を
表3に示す。比較例3として、実施例1における第1段
階で、オクタメチルシクロテトラシロキサン20部の重合
をせずに酸性水溶液のみを調製し、第2段階で用いるオ
クタメチルシクロテトラシロキサンを100 部として6分
割して1時間ごとに一括追加した以外は実施例1と同処
方で重合を行い、シリコーンゴム粒子(C'-3)を得た。
結果を表3に示す。
【0069】比較例4として、実施例1における第1段
階で用いるオクタメチルシクロテトラシロキサンを60部
にして、第2段階で用いるオクタメチルシクロテトラシ
ロキサンを40部として4分割して1時間ごとに一括追加
した以外は実施例1と同処方で重合を行い、シリコーン
ゴム粒子(C'-4)を得た。結果を表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】表3から、第1段階で調製されたシリコー
ンゴム粒子存在下でシリコーンゴム形成成分を重合する
と、シリコーンゴム粒子不在下でシリコーンゴム形成成
分を重合した場合または第1段階で使用するシリコーン
ゴム形成成分の50%をこえて用いて調製されたシリコ
ーンゴム粒子存在下でシリコーンゴム形成成分を重合し
た場合よりも体積平均粒子径が小さく、変動係数も50%
以下と粒子径分布が狭くなることがわかる。 実施例6〜7 実施例6として、実施例1における純水を350部、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部の代わりに、
テトラデシルスルホン酸ナトリウムに3.5部用いた以外
は実施例1と同処方で重合した。結果を表4に示す。
【0072】実施例7として、実施例1における純水を
350部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部の
代わりに、テトラデシルスルホン酸ナトリウムに7.5部
用いた以外は実施例1と同処方で重合した。結果を表4
に示す。
【0073】
【表4】
【0074】表4から、乳化剤の量を変更することによ
りシリコーンゴム粒子(C)の粒子径を変更できること
がわかる。 実施例8〜10 表5に示すようにシリコーンゴム形成成分を用いる以外
は、実施例1と同処方でシリコーンゴム粒子の調製およ
びグラフト共重合体粒子の調製を行った。
【0075】
【表5】
【0076】結果を表6に示す。
【0077】
【表6】
【0078】表6から、シリコーンゴム形成成分を構成
する成分の最終仕込み割合が同じであれば、第1段階と
第2段階で構成成分の割合が異なっても、生成するシリ
コーンゴム粒子およびグラフト共重合体粒子はほぼ同等
のものがえられることがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、シリコーンゴム形成成
分の乳化状態での重合に際し、第1段階でシリコーンゴ
ム形成成分の1〜50重量%を先に乳化状態で重合して体積
平均粒子径0.03〜0.10μmのシリコーンゴム粒子を含む
エマルションを調製し、第2段階で、第1段階でえられ
たシリコーンゴム粒子を含むエマルション存在下で、残
りのシリコーンゴム形成成分50〜99重量%を含むエマル
ションを追加して重合することによって、従来に比べて
粒子径分布の狭い、体積平均粒子径0.04〜0.12μmをえ
ることができ、また、該シリコーンゴム粒子存在下でビ
ニル系単量体をグラフト重合することにより、従来に比
べて粒子径分布の狭い、体積平均粒子径0.04〜0.12μm
のシリコーンゴム粒子を含むグラフト共重合体粒子をえ
ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オルガノシロキサン70〜100重量%、多官
    能シラン化合物0〜15重量%およびビニル重合性基を有
    するシラン化合物0〜15重量%(合計100重量%)からな
    り体積平均粒子径0.04〜0.12μmでその変動係数が50%
    以下のシリコーンゴム粒子。
  2. 【請求項2】オルガノシロキサン70〜100重量%、多官能
    シラン化合物0〜15重量%およびビニル重合性基を有する
    シラン化合物0〜15重量%(合計100重量%)からなるシリ
    コーンゴム形成成分(A)を乳化状態で重合する際に、
    第1段階でシリコーンゴム形成成分(A)の1〜50重量%
    を先に乳化状態で重合して体積平均粒子径0.03〜0.10μ
    mのシリコーンゴム粒子(B)を含むエマルションを調製
    し、第2段階で、第1段階でえられたシリコーンゴム粒
    子を含むエマルション存在下で、シリコーンゴム形成成
    分(A)の50〜99重量%を含むエマルションを追加して重
    合することによる、体積平均粒子径0.04〜0.12μmで変
    動係数50%以下のシリコーンゴム粒子(C)の製造方法。
  3. 【請求項3】第2段階で、第1段階でえられたシリコー
    ンゴム粒子を含むエマルション存在下で、シリコーンゴ
    ム形成成分(A)の50〜99重量%を含むエマルションを追
    加して重合する際に、2段階以上に分割して重合する請
    求項2記載のシリコーンゴム粒子(C)の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載のシリコーンゴム粒子(C)
    の存在下で、ビニル系単量体(D)をグラフト重合して
    得られるシリコーンゴム系グラフト共重合体粒子
    (E)。
  5. 【請求項5】前記ビニル系単量体(D)が、芳香族ビニ
    ル系単量体、シアン化ビニル系単量体、ハロゲン化ビニ
    ル系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
    エステル単量体よりなる群から選ばれた少なくとも1種
    の単量体である請求項4記載のシリコーンゴム系グラフ
    ト共重合体粒子。
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