JP2934328B2 - ポリオルガノシロキサン系エマルジョン - Google Patents

ポリオルガノシロキサン系エマルジョン

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JP2934328B2
JP2934328B2 JP4217191A JP4217191A JP2934328B2 JP 2934328 B2 JP2934328 B2 JP 2934328B2 JP 4217191 A JP4217191 A JP 4217191A JP 4217191 A JP4217191 A JP 4217191A JP 2934328 B2 JP2934328 B2 JP 2934328B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオルガノシロキサ
ン系重合体の水性分散体の存在下に、単量体成分を重合
して得られる、耐候性、密着性、耐水性、耐熱性に優れ
たポリオルガノシロキサン系エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全および安全衛生のため、
塗料の無公害化が強く要望されており、従来の溶剤型塗
料の水系化が行われつつある。そのため、水性塗料の用
途が拡大され、それにともなって水性塗料への要求性能
が高度になっている。この要求性能のなかで、塗膜の耐
久性は大きな解決課題として常に問題提起されている。
従来の水性塗料は、耐候性において劣り、塗膜表面の劣
化にともない、光沢を失ったり変色したりし、劣化が著
しい場合には塗膜が剥離する場合がある。また、密着
性、耐水性においても劣るため、基材と塗膜の間に水が
侵入することによって膨れが生じる。例えば、外装用塗
料の場合、これらの問題は非常に重要となる。これらの
問題点を解決するために、例えば特開昭58−1805
63号公報には、アクリル系共重合体エマルジョンにシ
リコン樹脂エマルジョンを配合したものを塗料主成分と
して用いることが提案されている。しかしながら、アク
リル系共重合体エマルジョンとシリコン樹脂エマルジョ
ンとの相溶性が悪く、塗膜形成時に分離してしまい、充
分な塗膜強度が得られない。
【0003】また、特開昭62−267374号公報に
おいては、デシルトリメトキシシランなどのオルガノア
ルコキシシランの存在下に、ビニル系単量体を乳化重合
したものを塗料主成分として用いることが提案されてい
る。しかしながら、安定した分散体が得られず、充分な
耐候性、密着性、耐水性が得られない。耐候性の問題を
解決するための一つの手段として、ポリオルガノシロキ
サン系共重合体とビニル系単量体とのグラフト共重合体
を塗料主成分として用いることが考えられる。このグラ
フト共重合体の製造方法として、例えば特開昭61−1
06614号公報、特開昭62−81412号公報、特
開平1−98609号公報などが提案されている。しか
しながら、これらの共重合体を水性塗料に用いた場合、
ポリオルガノシロキサン系共重合体とビニル系単量体と
の相溶性が不充分なため充分な耐候性が得られず、例え
ば外装塗料などの厳しい外的条件下には適さない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術の課題を背景になされたもので、水性塗料に
用いた場合、塗膜に優れた耐候性、密着性、耐水性、耐
熱性を付与し、また水性塗料以外の用途に用いた場合に
も同様の優れた性質を有するエマルジョンを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、オルガノシロ
キサン(I)に、グラフト交叉剤(II) を(I)と(I
I) 成分の合計量に対し0.02〜20重量%共縮合し
て得られるポリオルガノシロキサン系重合体(III)1〜
90重量部(固形分)の水性分散体の存在下に、(a)
アルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル19.5〜99.5重量%、(b)エチ
レン系不飽和カルボン酸0.5〜15重量%、および
(c)これらと共重合可能な他の単量体0〜80%〔た
だし、(a)+(b)+(c)=100重量%〕からな
る単量体成分(IV) 99〜10重量部〔ただし、(III)
+(IV) =100重量部〕を重合することによって得ら
、エマルジョンを構成する重合体のガラス転移温度が
80℃以下であるポリオルガノシロキサン系エマルジョ
ンを提供するものである。
【0006】本発明に使用されるオルガノシロキサン
(I)は、例えば一般式R1 m SiO(4-m)/2 (式中、
1 は置換または非置換の1価の炭化水素基であり、m
は0〜3の整数を示す)で表される構造単位を有するも
のであり、直鎖状、分岐状または環状構造を有するが、
好ましくは環状構造を有するオルガノシロキサンであ
る。このオルガノシロキサン(I)の有する置換または
非置換の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基、および
それらをハロゲン原子またはシアノ基で置換した置換炭
化水素基などを挙げることができる。また、前記平均組
成式中、nの値は0〜3の整数である。
【0007】オルガノシロキサン(I)の具体例として
は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチル
シクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロ
キサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメ
チルトリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合
物のほかに、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサ
ンを挙げることができる。なお、このオルガノシロキサ
ン(I)は、あらかじめ縮合された、例えばポリスチレ
ン換算の重量平均分子が500〜10,000程度のポ
リオルガノシロキサンであってもよい。また、オルガノ
シロキサン(I)が、ポリオルガノシロキサンである場
合、その分子鎖末端は、例えば水酸基、アルコキシ基、
トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチル
フェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基な
どで封鎖されていてもよい。
【0008】次に、本発明で使用されるグラフト交叉剤
(II) は、例えば次のものを挙げることができる。化
【化2】 (式中、R2 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基、nは0〜12の整数、好ましくは0を示す)で表さ
れる不飽和基と、アルコキシシリル基とをあわせ持つグ
ラフト交叉剤 R3 p SiO(3-p)/2 (式中、R3 はビニル基または
アリル基、pは0〜2の整数を示す。) 具体例;ビニルメチルジメトキシシラン、テトラビニル
テトラメチルシクロシロキサン、アリルメチルジメトキ
シシラン。 HSR4 SiR5 q (3-q)/2 (式中、R4 は炭素数
1〜18の2価または3価の飽和脂肪族炭化水素基、R
5 は炭素数1〜6の脂肪族不飽和基を含有しない1価の
炭化水素基であり、qは0〜2の整数を示す。) 具体例;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
(式中、R6 は水素原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基またはフェニル基、rは1〜6の整数、sは0〜2
の整数を示す。) 具体例;γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン これらのグラフト交叉剤(II) のうち、特に好ましくは
前記で表される不飽和基とアルコキシシリル基とをあ
わせ持つ化合物である。
【0009】このグラフト交叉剤について、さらに詳
述すると、前記一般式のR2 としては、水素原子または
炭素数1〜6のアルキル基であるが、水素原子または炭
素数1〜2のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは
水素原子またはメチル基である。これらのグラフト交
叉剤としては、具体的にはp−ビニルフェニルメチルジ
メトキシシラン、2−(m−ビニルフェニル)エチルメ
チルジメトキシシラン、1−(m−ビニルフェニル)メ
チルジメチルイソプロポキシシラン、2−(p−ビニル
フェニル)エチルメチルジメトキシシラン、3−(p−
ビニルフェノキシ)プロピルメチルジエトキシシラン、
3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピルメチルジメ
トキシシラン、1−(o−ビニルフェニル)−1,1,
2−トリメチル−2,2−ジメトキシジシラン、1−
(p−ビニルフェニル)−1,1−ジフェニル−3−エ
チル−3,3−ジエトキシジシロキサン、m−ビニルフ
ェニル−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕ジフ
ェニルシラン、〔3−(p−イソプロペニルベンゾイル
アミノ)プロピル〕フェニルジプロポキシシランなどの
ほか、これらの混合物を挙げることができる。グラフ
ト交叉剤としては、好ましくはp−ビニルフェニルメチ
ルジメトキシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エチ
ルメチルジメトキシシラン、3−(p−ビニルベンゾイ
ロキシ)プロピルメチルジメトキシシランであり、さら
に好ましくはp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラ
ンである。このグラフト交叉剤を用いたものは、グラ
フト率の高いものが得られ、従って一段と優れた本発明
の目的とするエマルジョンが得られる。
【0010】以上のグラフト交叉剤(II)の使用割合
は、(I)成分と(II)成分の合計量中、0.02〜
20重量%、好ましく0.1〜10重量%、さらに好ま
しく0.5〜5重量%であり、0.02重量%未満では
得られるポリオルガノシロキサン系重合体(III)と
単量体成分(IV)とのグラフト重合において高いグラ
フト率が得られず、その結果、塗膜としての充分な強度
が得られない。一方、グラフト交叉剤(II)の割合が
20重量%を超えると、グラフト率は増大するが、グラ
フト交叉剤(II)の増加とともに重合体が低分子量と
なり、その結果、塗膜としての充分な強度が得られな
い。
【0011】ポリオルガノシロキサン系重合体(III)
は、前記オルガノシロキサン(I)とグラフト交叉剤
(II) とを、例えばアルキルベンゼンスルホン酸などの
乳化剤の存在下にホモミキサーなどを用いて剪断混合
し、縮合させることによって製造することができる。こ
の乳化剤は、オルガノシロキサンの乳化剤として作用す
るほか、縮合開始剤となる。この乳化剤の使用量は、
(I)成分および(II) 成分の合計量に対して、通常、
0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%程度で
ある。なお、この際の水の使用量は、(I)成分および
(II) 成分合計量100重量部に対して、通常、100
〜500重量部、好ましくは200〜400重量部であ
る。また、縮合温度は、通常、5〜100℃である。な
お、このようにして得られるポリオルガノシロキサン系
重合体(III)のポリスチレン換算重量平均分子量は、好
ましく30,000〜1,000,000、さらに好ま
しく50,000〜300,000程度であり、30,
000未満では得られる塗膜の強度が不充分であり、一
方1,000,000を超えると密着性が低下する。
【0012】本発明のポリオルガノシロキサン系エマル
ジョンは、このようにして得られるポリオルガノシロキ
サン系重合体(III)の水性分散体の存在下に、(a)ア
ルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アル
キルエステル(b)エチレン系不飽和カルボン酸、およ
び(c)これらと共重合可能な他の単量体からなる単量
体成分(IV) を重合することによって得られる。
【0013】ここで、単量体成分(IV) を構成する
(a)アルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリルアクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−
プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、
(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸i−ノニ
ル、(メタ)アクリル酸デシル、ヒドロキシメチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートなどが挙げられる。これらの(a)(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルは、1種単独でも、あるいは2種
以上を併用することもできる。この(a)(メタ)アク
リル酸アルキルエステルは、得られるエマルジョンに弾
性、強度、接着力を与えるために必須の成分であり、そ
の割合は、単量体成分(IV) 中、19.5〜99.5重
量%、好ましくは30〜99重量%、さらに好ましくは
40〜98重量%であり、19.5重量%未満では弾
性、強度に劣り、一方99.5重量%を超えると重合系
の安定性が劣り、また接着力などが劣り好ましくない。
【0014】また、単量体成分(IV) を構成する(b)
エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えばイタコン
酸、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロ
トン酸などが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸
である。これらの(b)エチレン性不飽和カルボン酸
は、1種単独でも、あるいは2種以上を併用することも
できる。この(b)エチレン性不飽和カルボン酸は、得
られるエマルジョンの安定性と耐水性のバランスを高水
準に保つために必須の成分であって、その使用量は、単
量体成分(IV) 中、0.5〜15重量%、好ましくは
0.5〜10重量%であり、0.5重量%未満では得ら
れるエマルジョンの安定性が低下し、一方15重量%を
超えると耐水性に劣るものとなる。
【0015】さらに、(c)これらと共重合可能な他の
単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役
ジエン;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミドなどのエチレン性不
飽和カルボン酸のアルキルアミド;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル;エチレ
ン系不飽和ジカルボン酸の、酸無水物、モノアルキルエ
ステル、モノアミド類;アミノエチルアクリレート、ジ
メチルアミノエチルアクリレート、ブチルアミノエチル
アクリレートなどのエチレン系不飽和カルボン酸のアミ
ノアルキルエステル;アミノエチルアクリルアミド、ジ
メチルアミノメチルメタクリルアミド、メチルアミノプ
ロピルメタクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボ
ン酸のアミノアルキルアミド;(メタ)アクリロニトリ
ル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル
系化合物;グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽
和脂肪族グリシジルエステルなどを挙げることができる
が、好ましくは1,3−ブタジエン、スチレン、アクリ
ロニトリル、α−メチルスチレンなどである。これらの
(c)共重合可能な他の単量体は、1種単独でもあるい
は2種以上を併用することができる。(c)共重合可能
な他の単量体の使用量は、単量体成分(IV) 中、0〜8
0重量%、好ましくは20〜60重量%であり、80重
量%を超えると造膜性の低下、成膜後の変色、塗膜の収
縮などの問題があり好ましくない。
【0016】ポリオルガノシロキサン系重合体(II
I)の水性分散体存在下で単量体成分(IV)を重合す
る際の仕込み組成は、(III)成分(固形分換算)が
1〜90重量部、好ましくは3〜50重量部、さらに好
ましくは5〜30重量部であり、(IV)成分が99〜
10重量部、好ましくは97〜50重量部、さらに好ま
しくは95〜70重量部〔ただし、(III)+(I
V)=100重量部〕である。ここで、ポリオルガノシ
ロキサン系重合体(III)が1重量部未満では、充分
な耐候性、密着性、耐水性が得られず、一方90重量部
を超えると、塗膜としての充分な強度が得られず、また
成膜性も悪化する。
【0017】なお、このようにして得られるポリオルガ
ノシロキサン系エマルジョンを構成する重合体〔グラフ
ト共重合体のほか、グラフトされていない(共)重合体
を含む〕のグラフト率は、通常、5重量%以上、好まし
くは10重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上
程度である。このように、ポリオルガノシロキサン系エ
マルジョンを構成する重合体のグラフト率が高いと、グ
ラフト共重合体とグラフトしなかった(共)重合体との
間の界面接着力が増大し、成膜時に塗膜として充分な強
度が得られる。
【0018】本発明のポリオルガノシロキサン系エマル
ジョンを製造するに際しては、ポリオルガノシロキサン
系重合体(III)の水性分散体に、単量体成分(IV) を通
常のラジカル重合によってグラフト重合することによっ
て得られる。また、ラジカル重合開始剤としては、例え
ばクメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベン
ゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパ
ーオキサイドなどの有機ハイドロパーオキサイド類から
なる酸化剤と、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレー
ト処方、含糖ピロリン酸鉄処方/スルホキシレート処方
の混合処方などの還元剤との組み合わせによるレドック
ス系の開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムな
どの過硫酸塩;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル
−2,2′−アゾビスイソブチレート、2−カルバモイ
ルアザイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有
機過酸化物などを挙げることができ、好ましくは前記レ
ドックス系の開始剤である。これらのラジカル重合開始
剤の使用量は、使用される単量体成分(IV) 100重量
部に対し、通常、0.05〜5重量部、好ましくは0.
1〜2重量部程度である。
【0019】この際のラジカル重合法としては、乳化重
合によって実施することが好ましい。乳化重合に際して
は、公知の乳化剤、前記ラジカル開始剤、連鎖移動剤な
どが使用される。ここで、乳化剤としては、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハ
ク酸ジアルカリエステルスルホン酸ナトリウムなどのア
ニオン系乳化剤、あるいはポリオキシエチレンアルキル
エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル
などのノニオン系乳化剤の1種または2種以上を挙げる
ことができる。乳化剤の使用量は、単量体成分(IV) に
対して、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.1
〜5重量%程度である。連鎖移動剤としては、t−ドデ
シルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−テトラ
デシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンなどの
メルカプタン類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロ
ゲン化合物が、単量体成分(IV) に対して、通常、0.
02〜1重量%使用される。乳化重合に際しては、ラジ
カル重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤などのほかに、必
要に応じて各種電解質、pH調整剤などを併用して、単
量体成分(IV) 100重量部に対して、通常、水を10
0〜500重量部と、前記ラジカル重合開始剤、乳化
剤、連鎖移動剤などを前記範囲内の量を使用し、重合温
度5〜100℃、好ましくは50〜90℃、重合時間
0.1〜10時間の条件で乳化重合される。なお、この
乳化重合の場合は、オルガノシロキサン(I)とグラフ
ト交叉剤(II)との縮合によって得られる、ポリオルガノ
シロキサン系重合体(III)を含有する水性分散体に、直
接、単量体成分(IV) およびラジカル開始剤を加えるこ
とによって実施することが好ましい。
【0020】また、前記各単量体(a)〜(c)成分の
添加方法は特に制限されるものではなく、一括添加法、
連続添加法あるいは分割添加法などの任意の方法が採用
される。さらに、得られるエマルジョンの重合転化率
は、99.5%以上であることが好ましい。さらに、本
発明のポリオルガノシロキサン系エマルジョンを得るに
際して、シード重合を採用する場合には、ポリオルガノ
シロキサン系重合体(III)をシード粒子とし、これに単
量体成分(IV) を加えて乳化重合すればよい。以上のよ
うにして得られるポリオルガノシロキサン系エマルジョ
ンのポリスチレン換算重量平均分子量は、特に限定され
ないが、皮膜の弾性・強度や接着性から好ましくは5
0,000〜2,000,000、さらに好ましくは1
00,000〜500,000であり、50,000未
満では弾性、強度が不充分であり、一方2,000,0
00を超えると接着力が低下するので好ましくない。
【0021】また、本発明のポリオルガノシロキサン系
エマルジョンは、塗膜に優れた耐熱性や表面の強度・耐
候性を付与するために、該エマルジョンを構成する重合
体〔グラフト共重合体およびグラフトしていない(共)
重合体を含む〕の示差熱分析計により測定されるガラス
転移温度の最も高い値は、80℃以下、好ましくは−6
0℃〜+60℃、さらに好ましくは−30℃〜+30℃
である。このガラス転移温度は、ポリオルガノシロキサ
ン系重合体(III)と単量体成分(IV) の仕込み組成、あ
るいは単量体成分(IV) 中の単量体の組成を調整するこ
とによって適宜、決定される。なお、本発明のポリオル
ガノシロキサン系エマルジョンの粒子径は、好ましくは
300〜6,000Å、さらに好ましくは1,000〜
6,000Åの粒子が全粒子の80重量%以上である粒
子径分布を持つことは望ましい。粒子径分布をこのよう
な範囲にあるようになすと、造膜性がよく、系の安定性
が保たれ、かつ物性のバランスが取れるという効果を奏
する。ここで、このエマルジョンの粒子径の調整は、乳
化剤の量、重合温度などを調整することにより容易に実
施することができる。
【0022】また、本発明のポリオルガノシロキサン系
エマルジョンの固形分濃度は、通常、20〜70重量
%、好ましくは30〜60重量%程度である。以上のよ
うにして得られる本発明のポリオルガノシロキサン系エ
マルジョンは、優れた耐候性、密着性、耐水性を有する
ものであり、特に水性塗料に用いた場合、一層優れた効
果が発揮される。本発明のポリオルガノシロキサン系エ
マルジョンは、クリヤー塗料、着色塗料双方に使用で
き、木材、紙、合成樹脂、ガラス、金属、コンクリー
ト、モルタル、セメント、スレート、大理石、陶磁器、
セッコウ、皮革などのあらゆる基材に塗布することがで
きる。従って、本発明のエマルジョンは、多種の用途に
使用可能であるが、水性塗料として、特に建築内装・外
装用、鋼構造物用、コンクリート構造物用、屋根用、建
材用、PCM用、自動車塗装用、缶コート用、アルミコ
ーティング用に好適である。また、水性塗料以外に、粘
着剤用、フロアーポリッシュ用、セメント混和剤用、カ
ーペットバッキング剤用、シーラント用、紙・繊維コー
ティングおよび含浸用としても使用できる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中の部および%は、特に断らな
い限り重量部および重量%である。また、実施例中、各
種の測定項目は、下記に従った。ガラス転移温度(Tg) ガラス転移温度(Tg)は、理学電気(株)製の示差走
査熱量分析計(DSC)を用い、次の条件で測定した。
サンプルの約5gをガラス板に薄く引き伸ばし、25
℃で7日間乾燥させ、ポリマーフィルムを得た。 得られた乾燥フィルムのTgを測定した。単位は、℃
である。 条件;昇温速度 20℃/分 雰囲気 チッ素ガス サンプル量 20mgグラフト率 グラフト重合生成物の一定量(X)をアセトン中に投入
し、振とう機で2時間振とうし、遊離の重合体を溶解さ
せる。次いで、遠心分離機を用いて回転数23,000
rpmで30分間遠心分離し、不溶分を得る。次に、真
空乾燥機を用いて120℃で1時間乾燥させ、不溶分重
量(Y)を得、次式によりグラフト率を算出するもので
ある。 グラフト率(%)={(Y)−〔(X)×(グラフト重
合生成物中の(III)成分分率〕}×100/{(X)×
〔グラフト重合生成物中の(III)成分の成分分率〕}粒子径 大塚電子(株)製、LPA3100 Laser Pa
rticle Analyzer によって粒子径分布
を測定し、粒子径が300〜8,000Åにある粒子の
全粒子中の%を求めた。
【0024】耐候性試験 サンシャインウエザーメーター〔スガ試験機(株)製、
Dew CycleWEL−SUN−DC型〕(63
℃)を用い、300時間暴露後、光沢保持率、黄変度を
測定した。ここで、光沢は、JIS K5400に基づ
き、60°鏡面光沢度を測定した。光沢保持率の単位
は、%である。また、黄変度は、SMカラーコンピュー
ター〔スガ試験機(株)製、SM−5−1S−3B型〕
を用いて測定した。黄変度の単位は、ΔYI である。密着性 JIS K5400の碁盤目試験により測定し、下記に
示す定められた評価点数によって判定を行った。 評価点数=10;切り傷の1本ごとが、細くて両側が滑
らかで、切り傷の交点と正方形の一目一目に剥がれがな
い。 評価点=8;切り傷の交点に僅かな剥がれがあって、正
方形の一目一目に剥がれがなく、欠損部の面積は全正方
形の5%以内。 評価点=6;切り傷の両側と交点とに剥がれがあって、
欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%。 評価点=4;切り傷による剥がれの幅が広く、欠損部の
面積は全正方形面積の15〜35%。 評価点=2;切り傷による剥がれの幅は4点よりも広
く、欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。 評価点=0;剥がれの面積は、全正方形面積の65%以
上。耐水性試験 蒸留水(20℃)に24時間浸漬した後の塗膜の状態に
よって判定した。(塗料膜厚=500μm) ◎・・・優秀 ○・・・良好 △・・・普通 ×・・・悪い耐熱性試験 ギヤオーブン中で120℃で24時間の熱処理を行い、
その後の熱変色を肉眼で観察した。(塗料膜厚=500
μm) ○・・・熱変色なし。 △・・・熱変色が若干ある。 ×・・・熱変色がおおいにある。
【0025】参考例1(ポリオルガノシロキサン系重合
体ラテックスの製造) p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン1.5部お
よびオクタメチルシクロテトラシロキサン98.5部を
混合し、これをドデシルベンゼンスルホン酸2.0部を
溶解した蒸溜水300部中に入れ、ホモミキサーにより
3分間撹拌して乳化分散させた。この混合液を、コンデ
ンサー、チッ素導入口および撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに移し、撹拌混合しながら90℃で6時間加熱
し、5℃で24時間冷却することによって縮合を完結さ
せた。得られたポリオルガノシロキサン系重合体ラテッ
クスを、炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和した。
【0026】実施例1〜2、比較例1〜6 コンデンサー、チッ素導入口および撹拌機を備えたセパ
ラブルフラスコに、イオン交換水70部と、前記ポリオ
ルガノシロキサン系重合体ラテックスと、重合開始剤
0.3部を仕込み、気相部を15分間チッ素ガスで置換
し、80℃に昇温した。別容器で、イオン交換水30部
と、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサル
フェートアンモニウム塩1.0部と、アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.5部と、表1〜2に示す各ビ
ニル系単量体とを混合攪拌し、プレ乳化物を作り、4時
間かけて前記フラスコ中に滴下した。滴下中は、チッ素
ガスを導入しながら、80℃で反応を行った。滴下終了
後、さらに85℃で2時間攪拌して反応を終了させた。
その後、25℃まで冷却し、アンモニア水でpH7に調
整した。なお、ポリオルガノシロキサン系重合体ラテッ
クスと、各ビニル系単量体の仕込み量は、表1〜3のと
おりである。 実施例3 実施例1と同様のセパラブルフラスコに、イオン交換水
70部と、参考例1で得られたポリオルガノシロキサン
系重合体ラテックスと、表1に示す各ビニル系単量体と
を仕込み、気相部を15分間チッ素ガスで置換したの
ち、1時間攪拌した。80℃に昇温後、重合開始剤0.
3部を加え、2時間攪拌を続け、反応を行ったのち、さ
らに85℃で2時間攪拌して反応を終了させた。反応中
は、チッ素ガスを導入しながら行った。25℃まで冷却
し、アンモニア水でpH7に調整した。なお、ポリオル
ガノシロキサン系重合体ラテックスと、各ビニル系単量
体の仕込み量は、表1のとおりである。 実施例4 実施例1と同様のセパラブルフラスコに、イオン交換水
70部と、重合開始剤0.3部を仕込み、気相部を15
分間チッ素ガスで置換したのち、80℃に昇温させた。
別容器で、イオン交換水30部と、参考例1で得られた
ポリオルガノシロキサン系重合体ラテックスと、表1に
示す各ビニル系単量体とを混合攪拌し、プレ乳化物を作
り、4時間かけて前記フラスコ中に滴下した。滴下中
は、チッ素ガスを導入しながら、80℃で反応を行っ
た。滴下終了後、さらに85℃で2時間攪拌して反応を
終了させた。その後、25℃まで冷却し、アンモニア水
でpH7に調整した。なお、ポリオルガノシロキサン系
重合体ラテックスと、各ビニル系単量体の仕込み量は、
表1のとおりである。 実施例5 実施例1と同様のセパラブルフラスコに、イオン交換水
70部と、参考例1で得られたポリオルガノシロキサン
系重合体ラテックスと、表1に示すビニル系単量体
(A)と、重合開始剤0.3部を仕込み、気相部を15
分間チッ素ガスで置換したのち、80℃に昇温させた。
別容器で、イオン交換水30部と、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩
1.0部と、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.5部と、表1に示すビニル系単量体(B)とを混合
攪拌し、プレ乳化物を作り、4時間かけて前記フラスコ
中に滴下した。滴下中は、チッ素ガスを導入しながら、
80℃で反応を行った。滴下終了後、さらに85℃で2
時間攪拌して反応を終了させた。その後、25℃まで冷
却し、アンモニア水でpH7に調整した。なお、ポリオ
ルガノシロキサン系重合体ラテックスと、各ビニル系単
量体(A)〜(B)の仕込み量は、表1のとおりであ
る。
【0027】比較例7 実施例1と同様のセパラブルフラスコに、イオン交換水
70部と、重合開始剤0.3部を仕込み、気相部を15
分間チッ素ガスで置換したのち、80℃に昇温させた。
別容器で、イオン交換水30部と、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩
1.0部と、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.5部と、表2に示す各ビニル系単量体とを混合攪拌
し、プレ乳化物を作り、4時間かけて前記フラスコ中に
滴下した。滴下中は、チッ素ガスを導入しながら、80
℃で反応を行った。滴下終了後、さらに85℃で2時間
攪拌して反応を終了させた。その後、25℃まで冷却
し、アンモニア水でpH7に調整した。この共重合体ラ
テックスと参考例1で得られたポリオルガノシロキサン
系重合体ラテックスを混合した。各ビニル系単量体の仕
込み量、およびポリオルガノシロキサン系重合体ラテッ
クスの混合量は表3に示すとおりである。 比較例8 ポリオルガノシロキサン系重合体ラテックスとして、p
−ビニルフェニルメチルジメトキシシランを加えない以
外は、参考例1と同様にして得たものを用い、またビニ
ル系単量体を表3の仕込み組成にする以外は、実施例1
と同様にして重合した。結果を表3に示す。 比較例9〜10 ポリオルガノシロキサン系重合体ラテックスの量を変更
する以外は、実施例1と同様にして重合した。結果を表
3に示す。
【0028】試験例 実施例1〜5、比較例1〜10で得られたエマルジョン
を用いて、下記配合処方に従って水性塗料を得た。結果
を併せて表1〜3に示す。 水性塗料配合処方 (部) 酸化チタン〔石原産業(株)製、タイペークR−630) 27 分散剤(Rohm & Haas社製、オロタン731SD) 5 増粘剤〔フジケミカル(株)製、A−5000〕 2 可塑剤(イーストマン・ケミカル社製、テキサノール) 3 イオン交換水 3 ポリオルガノシロキサン系重合体エマルジョン(固形分濃度49.3%)60 (以下余白)
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】なお、表1〜3における*1〜*7は、次
のような化合物である。 *1)nBA=アクリル酸n−ブチル *2)2EHA=アクリル酸2−エチルヘキシル *3)MMA=メタクリル酸メチル *4)ST=スチレン *5)AN=アクリロニトリル *6)AA=アクリル酸 *7)IA=イタコン酸
【0033】表1から明らかなように、実施例1〜5
は、本発明の範囲のエマルジョンを用いた水性塗料の例
であり、本発明の目的とする水性塗料が得られている。
これに対し、表2〜3から明らかなように、比較例1
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量が本
発明の範囲未満の例であり、密着性、耐候性に劣る。
比較例2は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使
用量が本発明の範囲を超え、かつエチレン性不飽和カル
ボン酸の使用量が本発明の範囲未満の例であり、密着
性、耐水性、耐熱性に劣る。比較例3は、エチレン系不
飽和カルボン酸の使用量が本発明の範囲未満の例であ
り、耐水性、耐熱性に劣る。比較例4は、エチレン系不
飽和カルボン酸の使用量が本発明の範囲を超える例であ
り、耐水性に劣る。比較例5は、示差熱分析法により測
定される重合体のガラス転移温度の最も高い値が本発明
の範囲を超える例であり、耐熱性に劣る。比較例6は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびエチレン系
不飽和カルボン酸を用いていない例であり、密着性、耐
水性に劣る。比較例7は、表3に示したビニル系単量体
を共重合した共重合体ラテックスとポリオルガノシロキ
サン系重合体ラテックスを混合した例であり、耐候性、
密着性に劣る。比較例8は、グラフト交叉剤を共縮合し
ていないポリオルガノシロキサン系重合体ラテックスを
用いた例であり、耐候性、密着性に劣る。比較例9は、
ポリオルガノシロキサン系重合体ラテックスの量が本発
明の範囲未満の例であり、光沢保持率、耐水性、耐熱性
に劣る。比較例10は、ポリオルガノシロキサン系重合
体ラテックスの量が本発明の範囲を超える例であり、耐
水性に劣る。
【0034】
【発明の効果】本発明のポリオルガノシロキサン系エマ
ルジョンは、ポリオルガノシロキサン系重合体の水性分
散体の存在下に、ビニル系単量体を重合し、かつ示差熱
分析法により測定される重合体のガラス転移温度の最も
高い値が80℃以下になるように調整することによって
得られる。本発明のポリオルガノシロキサン系エマルジ
ョンは、特に水性塗料に用いた場合、優れた性能を発揮
する。本発明のポリオルガノシロキサン系エマルジョン
は、クリヤー塗料、着色塗料双方の適しており、例えば
コンクリート、モルタル、スレートなどの無機基材へ塗
装した場合、その優れた耐候性により塗膜表面の劣化を
防ぎ、また優れた密着性、耐水性により浸水による塗膜
の膨れを防ぐことができる。本発明のポリオルガノシロ
キサン系エマルジョンは、多種の用途に使用が可能であ
り、水性塗料としては、建築内装・外装用塗料、鋼構造
物用塗料、コンクリート構造物用塗料、家庭用塗料、屋
根用塗料、床用塗料、プラスチック用塗料、皮革用塗
料、金属用塗料、紙用塗料などに好適である。また、本
発明のポリオルガノシロキサン系エマルジョンは、水性
塗料以外に、粘着剤用、フロアーポリッシュ用、セメン
ト混和剤用、カーペットバッキング剤用、シーラント
用、紙・繊維コーティングおよび含浸用としても使用で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 4/06 C09D 4/06 5/02 5/02 151/08 151/08 (72)発明者 平春 晃男 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 松本 誠 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝 シリコーン株式会社内 (72)発明者 善林 三千夫 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝 シリコーン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 51/08 C08F 2/44 C08F 283/12 C08F 290/06 C09D 4/06 C09D 5/02 C09D 151/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノシロキサン(I)に、グラフト
    交叉剤(II) を(I)と(II) 成分の合計量に対し0.
    02〜20重量%共縮合して得られるポリオルガノシロ
    キサン系重合体(III)1〜90重量部(固形分)の水性
    分散体の存在下に、(a)アルキル基の炭素数が1〜1
    0の(メタ)アクリル酸アルキルエステル19.5〜9
    9.5重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸0.
    5〜15重量%、および(c)これらと共重合可能な他
    の単量体0〜80%〔ただし、(a)+(b)+(c)
    =100重量%〕からなる単量体成分(IV) 99〜10
    重量部〔ただし、(III)+(IV) =100重量部〕を重
    合することによって得られ、エマルジョンを構成する重
    合体のガラス転移温度が80℃以下であるポリオルガノ
    シロキサン系エマルジョン。
  2. 【請求項2】 グラフト交叉剤(II) が化1 【化1】 (式中、R2 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
    基、nは0〜12の整数を示す)で表される不飽和基と
    アルコキシシリル基とを合わせ持つ化合物である請求項
    1記載のポリオルガノシロキサン系エマルジョン。
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