JP3457780B2 - 塗料用エマルション及び塗料用エマルションの製造方法 - Google Patents
塗料用エマルション及び塗料用エマルションの製造方法Info
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Description
ン、及び塗料用エマルションの製造方法に関するもので
あり、さらに詳しくは、耐水性、耐汚染性に優れた塗膜
を形成する塗料用エマルション、及び製造安定性に優れ
た塗料用エマルションの製造方法に関するものである。
であったが、溶剤系塗料は、引火、中毒を引き起こす可
能性があり、また、環境汚染の危険性があるため、近
年、水性塗料への移行が急速に進んでいる。しかし、水
性塗料は耐水性等の塗膜性能が溶剤系塗料と比べると低
位であり、解決すべき課題が多いのが現状である。
開発は種々行われており、その一つとして、加水分解性
シリル基を有する樹脂のエマルションが知られている。
しかし、これは、加水分解性シリル基の加水分解や縮合
が乳化重合中に促進されるため、エマルション中に凝集
体が生成したり、重合中に反応系がゲル化しやすく、エ
マルションの製造安定性に劣るという問題点を有する。
えば、特開平2−67324号公報には、フリーラジカ
ル重合可能な官能性と自己縮合架橋の可能なシラン官能
性との両者を含むシランモノマーと、カチオン開始可能
な線状ポリシロキサン前駆体を必須成分とすることが開
示されており、特開平3−227312号公報には、特
定のメタクリル酸アルキルエステルと特定の官能基を有
するアクリル酸エステルを必須成分とすることが開示さ
れており、特開平3−227313号公報には、乳化重
合時にシアノ基を有する重合性単量体を使用することが
開示されているが、エマルションのハイソリッド化が困
難であったり、エマルションの組成や乳化重合条件の制
約が大きいという欠点を有している。
て、ポリシロキサン系水性塗料の開発も種々行われてき
ている。このようなシリコーン系水性塗料の原料となる
ポリシロキサン樹脂は、耐熱性、撥水性および耐候性に
優れており、塗料用樹脂として有用な特徴を持つ。しか
し、ポリシロキサン樹脂を主成分とする水性塗料の実用
化に際してはまだいくつかの課題が残されており、一般
の塗料用途に広く利用される迄には至っていないのが現
状である。
は、ポリシロキサンの側鎖に複数のアルコール性水酸基
を導入した樹脂を用いた水溶性塗料の製造方法が示され
ている。しかし、このように完全に水に溶解するタイプ
のポリシロキサンを用いた塗料は、塗膜特性を向上させ
るためにポリシロキサン樹脂を高分子量化する必要があ
り、この場合に塗料粘度が高くなり、その塗装性が低下
するという欠点を有する。さらに、この塗料より形成し
た塗膜は、親水性の官能基を大量に有するために、塗膜
の撥水性や耐水性が低いという欠点を有する。
た塗膜を形成する塗料用エマルション、及び製造安定性
に優れた塗料用エマルションの製造方法を提供すること
である。
来技術の問題点に鑑み、塗料用エマルションについて鋭
意検討した結果、本発明に至ったものである。
ジメチルシロキサンを繰り返し単位とする重合体ブロッ
ク(A)、ビニル重合性単量体を繰り返し単位とし、加
水分解性シリル基、及びヒドロキシアルキル基をそれぞ
れを1個以上含有する重合体ブロック(B)、および該
重合体ブロック(A)と該重合体ブロック(B)に共重
合したケイ素含有グラフト交叉単位(C)から構成され
るグラフトブロック共重合体(I)が乳化分散している
ことを特徴とする塗料用エマルションにある。
環状ジメチルシロキサンオリゴマーと、ビニル重合性官
能基及び/又はメルカプト基を含有する多官能アルコキ
シシランからなるグラフト交叉剤を酸性乳化剤の存在下
で乳化重合し、中和した後に、加水分解性シリル基を含
有するビニル重合性単量体、ヒドロキシアルキル基を含
有するビニル重合性単量体、及びその他のビニル重合性
単量体をラジカル重合開始剤の存在下でグラフト共重合
することを特徴とする塗料用エマルションの製造方法に
ある。
界面活性剤を存在させた水性媒体中にグラフトブロック
共重合体(I)を乳化分散させたものである。
ラフトブロック共重合体(I)は、ジメチルシロキサン
を繰り返し単位とする重合体ブロック(A)(以下、重
合体ブロック(A)という)、ビニル重合性単量体を繰
り返し単位とし、加水分解性シリル基、及びヒドロキシ
アルキル基をそれぞれを1個以上含有する重合体ブロッ
ク(B)(以下、重合体ブロック(B)という)および
ケイ素含有グラフト交叉単位(C)(以下、グラフト交
叉単位(C)という)から構成され、グラフト交叉単位
(C)が、1個以上のシロキサン結合を介して重合体ブ
ロック(A)および重合体ブロック(B)の両者に共重
合されている。
(B)との共重合は、グラフト交叉単位(C)の原料と
なるグラフト交叉剤中のビニル重合性官能基及び/又は
メルカプト基と重合体ブロック(B)の原料となるビニ
ル重合性単量体とをラジカル共重合することによって達
成できる。
を構成する重合体ブロック(A)は、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジメチルジア
ルコキシシラン類や、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、
ジメチルサイクリックス(ジメチルシロキサン環状オリ
ゴマー3〜7量体混合物)等のジメチルシロキサン環状
オリゴマー類や、ジメチルジクロロシラン等を原料とし
て合成することができる。原料の価格と得られる樹脂の
熱安定性等の性能を考慮すると、重合体ブロック(A)
の原料として最も好適なのは、ジメチルシロキサン環状
オリゴマーである。
を構成する重合体ブロック(B)は、加水分解性シリル
基、及びヒドロキシアルキル基をそれぞれを1個以上含
有する点に特徴を有するものである。これらの官能基を
重合体ブロック(B)に共存させることによって、塗膜
の耐水性、耐汚染性及び耐溶剤性を向上させることがで
きるものであり、特に耐水性に優れた塗膜を形成するこ
とができる。これらの官能基は、加水分解性シリル基を
有するビニル重合性単量体、及びヒドロキシアルキル基
を有するビニル重合性単量体を用いることによって、重
合体ブロック(B)に導入することができる。
分解性シリル基としては、例えば、ハロゲノシリル基、
アシロキシシリル基、アミドシリル基、アミノシリル
基、アルケニルオキシシリル基、アミノキシシリル基、
オキシムシリル基、アルコキシシリル基、チオアルコキ
シシリル基、シラノール基等があるが、架橋反応性、取
扱いの容易さ、コスト等を考慮に入れると、アルコキシ
シリル基が好ましい。
用される、加水分解性シリル基を有するビニル重合性単
量体としては、例えば、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン等のビニルシラン類、3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン等のメタクリロキシアルキルシラン類、
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン等のアクリロキシ
アルキルシラン類等が挙げられるが、中でもビニル重合
反応性、コストなどを考慮するとメタクリロキシアルキ
ルシラン類及びアクリロキシアルキルシラン類が特に好
ましい。これらの成分は、必要に応じて単独であるいは
二種以上を併用して使用することができる。
単量体の含有量は、重合体ブロック(B)中0.5〜3
0重量%の範囲であることが好ましい。これは、加水分
解性シリル基を有するビニル重合性単量体の含有量が
0.5重量%未満では、得られる塗膜の耐水性、耐汚染
性等が低下する傾向にあり好ましくなく、30重量%を
超えると、グラフトブロック共重合体(I)の重合安定
性や得られる塗料用エマルションの保存安定性が低下す
る傾向にあり好ましくない。より好ましくは、1〜20
重量%の範囲である。含有量が1重量%以上の場合は、
得られる塗膜の耐水性、耐汚染性が極めて良好となり、
20重量%以下の場合には、グラフトブロック共重合体
(I)の重合安定性や得られる塗料用エマルションの保
存安定性が極めて良好になる。
用される、ヒドロキシアルキル基を有するビニル重合性
単量体としては、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒド
ロキシブチル、メタクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等
のメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル
酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸6−ヒドロキシヘ
キシル等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が
挙げられるが、中でもコスト、塗膜の耐水性を考慮に入
れると、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロ
キシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、ア
クリル酸4−ヒドロキシブチルが特に好ましい。これら
の成分は、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用
して使用することができる。
性単量体の含有量は、重合体ブロック(B)中3〜30
重量%の範囲であることが好ましい。これは、ヒドロキ
シアルキル基を有するビニル重合性単量体の含有量が、
3重量%未満では、得られる塗膜の耐水性が低下する傾
向にあり好ましくなく、30重量%を超えると、グラフ
トブロック共重合体(I)の重合安定性が低下する傾向
にあり好ましくない。より好ましくは、5〜20重量%
の範囲である。含有量が5重量%以上の場合は、得られ
る塗膜の耐水性が極めて良好となり、20重量%以下の
場合は、グラフトブロック共重合体(I)の重合安定性
や塗料用エマルションの保存安定性が極めて良好とな
る。
られるその他のビニル重合性単量体としては、例えば、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸n−ラウリル、メタクリル酸n−ステアリル、メ
タクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエ
ステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t
−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
n−ラウリル、アクリル酸n−ステアリル、アクリル酸
シクロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル、スチ
レン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、メ
タクリルアミド、アクリルアミド、クロトンアミド、N
−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有ビニル単
量体、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、フマル
酸、マレイン酸、イタコン酸、ソルビン酸等のカルボキ
シル基含有ビニル単量体、アクリロニトリル等のニトリ
ル基含有ビニル単量体等が挙げられる。これらの成分
は、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使
用することができる。
ク共重合体(I)中、50〜98重量%の範囲で含有さ
れるのが好ましい。重合体ブロック(B)の含有量が5
0重量%未満の場合には、塗料用エマルションから形成
した塗膜の硬度、強度が低下する傾向にあり好ましくな
い、また、重合体ブロック(B)の含有量が98重量%
を超える場合には、塗膜の耐汚染性、柔軟性が低下する
傾向にあり好ましくない。さらに好ましくは、70〜9
5重量%の範囲である。
を構成するグラフト交叉単位(C)は、得られる塗膜の
透明性を確保するのに必要な構成単位であり、本発明の
グラフトブロック共重合体(I)におけるグラフト交叉
単位(C)の含有量は、本発明のグラフトブロック共重
合体(I)中のケイ素原子を基準にして、1〜50モル
%の範囲であることが好ましい。これは、グラフト交叉
単位(C)の含有量が1モル%未満であると、得られる
樹脂塗膜の透明性が低下する傾向にあり、50モル%を
超えると原料コストの点で不利になることに加えて、縮
合時に脱離するアルコールなどの副生物がエマルション
の安定性や取り扱い性、さらには塗膜性能が低下する傾
向にあり好ましくない。より好ましくは、1.5〜15
モル%の範囲である。含有量が1.5モル%以上の場合
には、得られる塗膜の透明性が極めて良好となり、含有
量が15モル%以下の場合には、乳化重合の際のラテッ
クス安定性が良好となる。
るグラフト交叉剤としては、分子中に1個以上の加水分
解性シリル基、及び1個以上のビニル重合性官能基又は
メルカプト基を含有する化合物を挙げることができる。
加水分解性シリル基としては、重合反応性、取扱いの容
易さ、コスト等を考慮すると、アルコキシシリル基が好
ましい。グラフト交叉剤の具体例としては、ビニルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロ
キシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシア
ルキルシラン類、3−アクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン
等のアクリロキシアルキルシラン類、3−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメ
チルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキ
シシラン等のメルカプトアルキルシラン類等が挙げられ
るが、中でもビニル重合反応性、コストなどを考慮する
とメタクリロキシアルキルシラン類及びアクリロキシア
ルキルシラン類及びメルカプトアルキルシラン類が特に
好ましい。これらの成分は、必要に応じて単独であるい
は二種以上を併用して使用することができる。
乳化分散している本発明の塗料用エマルションは、塗料
用水性樹脂組成物として使用できる。この場合、エマル
ション粒子径は製造条件の選択により任意に変更できる
が、通常の平均粒子径は0.01〜1.0μm程度であ
る。
含有率は任意に選択できるが、塗装作業性および塗膜性
能等を考慮すると30〜60重量%の含有率が好まし
い。
ションを好適に製造することができる製造方法について
以下に説明するが、この方法に特に限定されるものでは
ない。
ションは、環状ジメチルシロキサンオリゴマー、及びビ
ニル重合性官能基及び/又はメルカプト基を含有する多
官能アルコキシシランからなるグラフト交叉剤を酸性乳
化剤の存在下で乳化重合し、中和した後に、加水分解性
シリル基を含有するビニル重合性単量体、ヒドロキシア
ルキル基を有するビニル重合性単量体、及びその他のビ
ニル重合性単量体をラジカル重合開始剤の存在下でグラ
フト共重合することによって好適に製造することができ
る。
グラフト交叉剤の合計量と、水との比率は任意に選択で
きるが、重量比にて1:1〜1:9の範囲が好ましい。
リゴマーを開環できるものであればよく特に限定されな
いが、重合に適した酸性乳化剤の例としてはドデシルベ
ンゼンスルホン酸が挙げられる。酸性乳化剤の好ましい
使用量は、目的とするエマルションの粒子径、固形分
量、重合温度および他の界面活性剤の併用により変化す
るが、シロキサンの重合を速やかに進行させるためには
環状ジメチルシロキサンオリゴマーとグラフト交叉剤の
合計量に対して0.5重量%以上用いるのが好ましい。
フト交叉剤の乳化重合温度は、特に限定されないが、反
応率を上げ、より速やかに重合を進行させるためには、
少なくとも一度は60℃以上の熱履歴を受けることが好
ましく、さらに好ましくは75℃以上である。
粒子径は、原料の予備分散の度合い、乳化剤量、重合温
度および原料の供給方法によって制御できる。より小さ
い粒子径を有するエマルションは、原料と水を乳化剤の
存在下でホモジナイザーなどの高シェア発生装置により
予備乳化するか、原料または予備乳化液を水中に滴下す
るか、乳化剤を増量するか、重合温度を上昇させるかの
いずれかの方法あるいはこれらの方法を適宜組み合わせ
ることにより得ることができる。
は強い酸性であるので、シロキサンの重合終了後に中和
する必要がある。中和に使用される塩基性化合物は、特
に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、アンモニア、トリエチルアミン等が挙げられ
る。これら塩基性化合物を直接、又は水溶液でエマルシ
ョンに添加し中和を行う。
成分が含まれている場合には、重合終了後に中和するこ
とにより、エマルションの保存安定性を高めることもで
きる。
するビニル重合性単量体、及びその他のビニル重合性単
量体のグラフト共重合に用いるラジカル重合開始剤は、
公知のものが利用できる。具体的には、アゾビスイソブ
チロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化
物、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパー
オキサイド等の有機過酸化物、過硫酸カリウム又は過硫
酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウム又はロンガリッ
トの組み合わせ、t−ブチルヒドロパーオキサイドやク
メンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物と硫酸水素
ナトリウム又はロンガリットの組み合わせ等に代表され
るレドックス系触媒等が挙げられる。
ニル重合性単量体の全量に対して0.01〜10重量%
の範囲であるが、重合の進行や反応の制御を考慮に入れ
ると、0.1〜5重量%の範囲が好ましい。また、重合
開始剤の活性付与のために硫酸鉄などの2価の鉄イオン
を含む化合物とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム等
のキレート化剤を用いることができる。
制限されず、一括仕込み、滴下、あるいは一部をあらか
じめ仕込んだ後に残りを滴下する等のいずれの方法でも
よい。滴下する場合には、そのまま滴下しても、乳化剤
の存在下で予備乳化してから滴下しても良い。また、ビ
ニル重合性単量体のグラフト共重合時又はグラフト共重
合終了時に乳化剤を追加添加しても良い。重合温度は特
に限定されないが、通常40〜90℃の範囲である。
は公知のものが使用でき、具体例としては、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナト
リウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性乳化
剤、ポリオキシエチレン基を含むアニオン性乳化剤、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル等のノニオン性乳化剤、分子
中にビニル重合性二重結合を有する反応性乳化剤等が挙
げられる。
成性を改善するために必要に応じて助溶剤を添加するこ
とができる。具体例としては、メタノール、エタノー
ル、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオールモノイソブチレート、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル
等が挙げられる。
加水分解性シリル基の硬化を促進するために硬化触媒を
配合しても良い。硬化触媒の具体例としては、イソプロ
ピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルト
リ(ジオクチルピロフォスフェート)チタネート等の有
機チタネート化合物、アセトアルコキシアルミニウムジ
イソプロピレート等の有機アルミニウム化合物、ジオク
チル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレー
ト等のカルボン酸型錫化合物、ジブチル錫オキシド、ジ
オクチル錫オキシド等のジアルキル錫オキシド、モノメ
チル酸性リン酸エステル、ジメチル酸性リン酸エステ
ル、ジエチル酸性リン酸エステル等の酸性リン酸エステ
ル、アジピン酸、マレイン酸、クエン酸等のカルボン酸
及びその無水物、3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン等のアミノシラン、トリエチルアミン等のアミン及び
その塩等が挙げられる。これらの硬化触媒は、必要に応
じて単独であるいは二種以上を併用して使用することが
できる。硬化触媒の添加量は、通常、本発明のグラフト
ブロック共重合体(I)に対して0.001〜20重量
%の範囲である。油性の触媒はエマルションの安定性を
損なう恐れがあるため、水溶性触媒又は水分散した触媒
を用いるのが好ましい。
応じて顔料や紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上
剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤等の各種添加
剤等を含んでもよく、さらに他のエマルション樹脂、水
溶性樹脂、粘性制御剤、メラミン類等の硬化剤と混合し
て用いてもよい。
装、ロール塗装、スプレー塗装等の方法で塗布すること
ができ、常温で放置又は50〜200℃に加熱すること
により硬化させることができる。
明する。なお、実施例中の「部」は「重量部」、「%」
は「重量%」を示す。
評価は以下に示す方法を用いて行った。
度を測定) (2)耐水性 50℃の温水に5日間浸漬後、塗膜外観を目視判定 ○:変化なし ×:光沢の低下や著しい白化あり (3)耐汚染性 カーボンブラックと水を20/80の重量比でよく混合
したカーボンペーストを塗膜に塗りつけ、40℃で15
分間加熱した後、流水で洗浄し、カーボンの付着状態を
目視判定した。
状ジメチルシロキサンオリゴマー3〜7量体混合物)8
5部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン(以下KBM−503)(グラフト交叉剤)15
部、水300部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム(以下DBSNa)(界面活性剤)0.7部から
なる組成物をホモミキサーで予備混合した後に、ホモジ
ナイザーによる350kg/cm2 の圧力で剪断し、強
制乳化してシリコーン原料エマルションを得た。
ンスルホン酸(DBSA)(酸性乳化剤)5部を撹拌
機、コンデンサー、温度制御装置および滴下ポンプを備
えたフラスコに仕込み、フラスコ内の温度を85℃に保
ちながら3時間かけて上記のシリコーン原料エマルショ
ンを滴下した。滴下終了後、さらに1時間加熱、撹拌を
続けた後、得られたエマルションを室温まで冷却し、ド
デシルベンゼンスルホン酸を水酸化ナトリウムにより中
和してシリコーンエマルション(以下SEm−1)を得
た。得られたエマルションの固形分は18%であった。
503量を8部とした以外は製造例1と同様にして、固
形分18%のシリコーンエマルション(以下SEm−
2)を得た。
酸カリウム0.6部を撹拌機、コンデンサー、温度制御
装置、滴下ポンプおよび窒素導入管を備えたフラスコに
仕込み、70℃に昇温した後に、窒素雰囲気下で撹拌し
ながら、KBM−503を2部、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル(以下HEMA)10部、メタクリル酸メ
チル(以下MMA)30部、メタクリル酸n−ブチル
(以下BMA)30部、アクリル酸2−エチルヘキシル
(以下EHA)26部およびメタクリル酸(以下MA
A)2部の混合物を4時間かけて滴下重合した。滴下終
了後、70℃で1時間保持し、さらに80℃に昇温して
1時間保持した。反応液を室温まで冷却し、アンモニア
水により中和してグラフトブロック共重合体エマルショ
ンを得た。重合は安定に進行し、凝集物の生成も見られ
なかった。得られたエマルションの固形分は44%であ
った。得られたエマルションに樹脂固形分100部に対
してブチルセロソルブ(以下BC)が20部となるよう
にこれを添加し、良く混合した後、これをバーコーター
40番で電着中塗り水研板上に塗布し、室温で30分間
乾燥した後、70℃で1時間加熱して試験塗膜を作製し
た。試験塗膜の評価結果を表2に示した。
以外は実施例1と同様な方法でグラフトブロック共重合
体エマルションを得た。重合はいずれも安定に進行し
た。さらに、BCを表2に記載の組成になるように添加
混合したものを用いて作製した試験塗膜の評価結果を表
2に示した。
硫酸カリウム0.6部を撹拌機、コンデンサー、温度制
御装置、滴下ポンプおよび窒素導入管を備えたフラスコ
に仕込み、70℃に昇温した後に、窒素雰囲気下で撹拌
しながら、KBM−503を2部、HEMA10部、M
MA30部、BMA30部、EHA26部およびMAA
2部の混合物を4時間かけて滴下したところ、滴下終了
直前に反応液が増粘し凝固した。シリコーンエマルショ
ンを含まない系では、重合は安定に進行しなかった。
外は比較例1と同様な方法で滴下重合を行った。滴下重
合後は、実施例1〜5と同様な操作を行いポリマーエマ
ルションを得た。実施例1〜5と同様に試験塗膜を作製
し評価した結果を表2に示した。
ピルメチルジメトキシシラン
性、耐汚染性に優れた塗膜を与え、水性塗料用樹脂とし
て様々な塗料用途に用いることができるものであり、工
業上非常に有益なものである。また、本発明の塗料用エ
マルションの製造方法は、製造安定性に優れたものであ
り、工業上非常に有益なものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 ジメチルシロキサンを繰り返し単位とす
る重合体ブロック(A)、ビニル重合性単量体を繰り返
し単位とし、加水分解性シリル基及びヒドロキシアルキ
ル基をそれぞれ1個以上含有する重合体ブロック
(B)、および該重合体ブロック(A)と該重合体ブロ
ック(B)に共重合したケイ素含有グラフト交叉単位
(C)から構成されるグラフトブロック共重合体(I)
が乳化分散していることを特徴とする、塗料用エマルシ
ョン。 - 【請求項2】 環状ジメチルシロキサンオリゴマーと、
ビニル重合性官能基及び/又はメルカプト基を含有する
多官能アルコキシシランからなるグラフト交叉剤を酸性
乳化剤の存在下で乳化重合し、中和した後に、加水分解
性シリル基を含有するビニル重合性単量体、ヒドロキシ
アルキル基を含有するビニル重合性単量体、及びその他
のビニル重合性単量体をラジカル重合開始剤の存在下で
グラフト共重合することを特徴とする、塗料用エマルシ
ョンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30008795A JP3457780B2 (ja) | 1995-11-17 | 1995-11-17 | 塗料用エマルション及び塗料用エマルションの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30008795A JP3457780B2 (ja) | 1995-11-17 | 1995-11-17 | 塗料用エマルション及び塗料用エマルションの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09137126A JPH09137126A (ja) | 1997-05-27 |
JP3457780B2 true JP3457780B2 (ja) | 2003-10-20 |
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ID=17880557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30008795A Expired - Lifetime JP3457780B2 (ja) | 1995-11-17 | 1995-11-17 | 塗料用エマルション及び塗料用エマルションの製造方法 |
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---|---|---|---|---|
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JP5090703B2 (ja) * | 2006-10-11 | 2012-12-05 | エスケー化研株式会社 | 水性塗材 |
JP6387781B2 (ja) * | 2013-11-01 | 2018-09-12 | 日信化学工業株式会社 | 化粧料及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-11-17 JP JP30008795A patent/JP3457780B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH09137126A (ja) | 1997-05-27 |
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