JP3387633B2 - 塗料用エマルジョンの製造方法 - Google Patents
塗料用エマルジョンの製造方法Info
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Description
造方法に関し、さらに詳しくは耐候性、耐水性に優れ、
かつ、優れた外観を有する塗膜を与える水分散型ポリシ
ロキサンを含有する塗料用エマルジョンの製造方法に関
する。
よび耐候性に優れ、塗料用樹脂として有用な特徴をもつ
が、ポリシロキサン単独で構成される樹脂は、その弾性
率および強度が低すぎるために、この樹脂より強靱な塗
膜を形成することは難しく、ポリシロキサン樹脂単独に
て構成される塗料の用途は狭い範囲に限定される。その
ため、従来よりポリシロキサン樹脂とアクリル樹脂ある
いはポリエステル樹脂などを組合せて、それぞれの樹脂
の特徴を生かす工夫がなされている。
わゆるエマルジョン塗料は、溶剤系塗料に比べて引火、
中毒および大気汚染の危険性が極めて小さいことなどか
ら、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマ
ルジョンなどのさまざまのタイプのエマルジョンが開発
され、広く利用されているが、ポリシロキサン樹脂を大
量に含有するエマルジョン塗料の実用化に際しては、ま
だいくつかの解決すべき課題が残されており、一般の塗
料用途に広く利用されるには至っていないのが現状であ
る。
シロキサンの側鎖に複数のアルコール性水酸基を導入し
たものを用いた水溶性塗料の製造方法が示されている。
しかし、このように完全に水に溶解するタイプのポリシ
ロキサン樹脂を用いた塗料には、塗膜特性の向上を目的
としてポリシロキサン樹脂を高分子量化した場合、塗料
粘度が高くなり、その塗装性が低下するという欠点があ
る。さらに、この塗料より形成した塗膜は、親水性の官
能基を大量に有するために、塗膜の撥水性や耐水性が低
い傾向にある。
平2−92974号公報には、ビニル重合性官能基含有
多官能アルコキシシランとビニル重合性モノマーの共重
合によって得られた架橋ポリシロキサンよりなる芯(コ
ア)の表層に、ビニル重合性官能基を導入した上で、親
水基を有するアクリルポリマーの殻(シェル)を形成さ
せた、いわゆるコア/シェル型エマルジョンの発明が開
示されており、優れたチクソトロピー性によって、タレ
性が改良されることが示されている。しかしながら、こ
の方法で多量のポリシロキサンを導入したエマルジョン
塗料を作ろうとすると、高価なグラフト交叉剤を大量に
仕込むことが必要になり、原料コストが高くなるという
問題点を生じる。
ノールあるいはアルコキシシランを有するシリコーン重
合体と有機重合体とを非イオン性界面活性剤の存在下で
混合し、水ベース有機重合体を変性する方法が示されて
おり、耐腐食性が向上した塗料が示されている。しかし
ながら、この方法では、有機重合体とシリコーン重合体
を連結するために用いるシリコーン重合体に大量のアル
コキシシランまたはシラノール基を導入する必要があ
り、また、用いる有機重合体とシリコーン重合体の間に
生成するSi-O-C結合は化学的な安定性が劣るという欠点
がある。さらに、このような異質な重合体の混合物にお
いては、重合体混合物の流動性の改良および両重合体の
相溶性を補うため、その混合時に両重合体共通の良溶媒
を添加する必要があり、環境汚染に対する懸念が依然と
して残る。
ル重合性官能基含有多官能アルコキシシランとビニル重
合性モノマーとの乳化重合に際し、ジアルコキシジメチ
ルシランを混合して重合することにより、可撓性のある
コンクリート外壁塗料用エマルジョン樹脂が得られてい
る。しかしながら、この方法ではジアルコキシジメチル
シランを大量に用いるため、原料コストが高くなるとい
う問題点に加えて、アルコキシシランの重縮合の際に、
大量のアルコールが副生するという難点を有する。
ル重合性官能基を側鎖に有するポリシロキサンを合成し
た後で、薄膜蒸留によりオリゴマー成分を除去し、つい
でノニオン系乳化剤を用いてポリシロキサン成分を水中
に乳化分散させ、これにアクリル系単量体などをグラフ
ト重合してエマルジョンを得る発明が示されており、得
られたエマルジョンは建材用の塗料に利用できることが
示されている。しかしながら、この発明では、ラジカル
重合性官能基を側鎖に有するポリシロキサンを剪断力に
よって水中に分散させる方法を用いているため、当該シ
ロキサンを水中に微分散させることが難しい。例えば、
分子量の大きなポリシロキサンは、その粘度が大きく、
水に分散させるにはより強力な剪断力を発生させうる特
殊な装置が必要になり、また、架橋したポリシロキサン
の水中への分散はさらに困難となる。
持つ欠点を解消するためになされたものであり、本発明
の目的は、ポリシロキサンを含有し、かつ、外観良好な
塗膜を与える安価な水分散型エマルジョン樹脂の製造方
法を提供しようとするものである。
明者等は上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本
発明を完成したものである。すなわち、本発明の要旨と
するところは、ケイ素原子の量を基準として50モル%
以上、99モル%以下の環状ジメチルシロキサンオリゴ
マー、およびグラフト交叉剤として1モル%以上、50
モル%以下のビニル重合性官能基含有多官能アルコキシ
シランを、分子中にビニル重合性官能基とスルホン酸基
または硫酸エステル基を有する酸性乳化剤の存在下、水
中で乳化重合し、中和して得たシリコーン重合体エマル
ジョン(A)に、ビニル重合性単量体(B)をラジカル
重合開始剤の存在下でグラフト共重合することを特徴と
するエマルジョンの製造方法である。
ル重合性官能基含有多官能アルコキシシランの合計量と
水との比率は任意に選択できるが、重量比にて1:1〜
1:9の範囲が好ましい。本発明に使用する乳化剤の少
なくとも一部は、分子中にビニル重合性官能基とスルホ
ン酸基または硫酸エステル基を含有することが必要であ
る。ビニル重合性官能基を有さない乳化剤を用いて作っ
た類似のエマルジョンより作った塗膜は、その外観およ
び耐久性を損なうので、その使用量は少ないほどよい。
ビニル重合性官能基を有さない乳化剤の使用量は、エマ
ルジョン中の固形分量に対して好ましくは 0.5%以下で
あり、より好ましくは 0.2%以下である。分子中にビニ
ル重合性官能基とスルホン酸基または硫酸エステル基を
有する乳化剤としては、例えば、オクチルジプロペニル
フェノールエチレンオキシド10モル付加物硫酸エステル
が挙げられる。この乳化剤の好ましい使用量は目的とす
るエマルジョンの粒子径、固形分量、重合温度および他
の界面活性剤の併用により変化するが、シロキサンの重
合を速やかに進行させるためには、環状ジメチルシロキ
サンオリゴマーとビニル重合性官能基含有多官能アルコ
キシシラン合計量に対して 0.5重量%以上用いるのが好
ましい。シリコーン重合体の好ましい重量平均分子量
は、10,000以上であり、より好ましくは、50,000以上で
ある。
シランに含まれるビニル重合性官能基は、通常のラジカ
ル重合においてビニル重合性単量体(B) と共重合可能な
ものであればいかなるものでもよく、例えば、ビニル
基、アリル基、γ−アクリロイロキシプロピル基、γ−
メタクリロイロキシプロピル基、p-ビニルフェニル基な
どが挙げられるが、共重合性の良好なビニル重合性単量
体単位の例としては、メタクリロイロキシ基が挙げられ
る。ビニル重合性官能基含有多官能アルコキシシランと
して好ましいものの一つは、下記の一般式[1]で示さ
れる化合物である。
いが、少なくとも一度は60℃以上の熱履歴を受けさせる
ことが好ましく、さらに好ましくは75℃以上の熱履歴を
受けさせることである。得られるシロキサン重合体エマ
ルジョン(A) 中のシリコーン重合体粒子の粒子径は、原
料の水中への予備分散の度合い、乳化剤量、重合温度お
よび原料の供給方法によって制御できる。より小さい粒
子径を有するシリコーン重合体エマルジョンは、原料と
水を乳化剤の存在下でホモジナイザーなどの高シェア発
生装置により予備乳化するか、原料または予備乳化液を
水中に滴下するか、乳化剤を増量するか、重合温度を上
昇させるかのいずれかの方法、あるいは、これらの方法
を適宜組合せることにより得ることができる。シロキサ
ンの重合に要する時間は、重合条件によって変化する
が、通常は 0.5時間以上、1ケ月以下である。
ン重合体中には、実質的に未反応のアルコキシシランが
残存しない。得られたシロキサン重合体のエマルジョン
は強い酸性を示すので、シロキサンの重合終了後に中和
する必要がある。
に用いるラジカル重合開始剤は、乳化ラジカル重合に用
いられる周知の重合開始剤が利用できる。ビニル重合性
単量体の仕込み方法はとくに制限されないが、シロキサ
ン重合体中のグラフト活性点との共重合をより効率的に
進めるうえでは、重合開始前にあらかじめシロキサン重
合体のエマルジョンとビニル重合性単量体の少なくとも
一部をよく混合し、シロキサン重合体粒子中にビニル重
合性単量体を含浸させておくことが好ましい。より好ま
しくは、ビニル重合性単量体の全量を重合前にシロキサ
ン重合体粒子に含浸させる、いわゆるシード重合を行う
ことにより、生成する重合体とシロキサン重合体とのか
らみあいが最も良好となる。
シランの使用量は、ケイ素原子を基準にして1モル%以
上、50モル%以下であることが必要で、ビニル重合性官
能基含有多官能アルコキシシランの使用量が1モル%未
満として得たエマルジョン塗料より得られる塗膜は、そ
の透明性が不良となり、一方、当該アルコキシシランの
使用量が50モル%を越える割合として得たエマルジョン
塗料は、原料コストの点で不利になることに加えて、シ
リコーン重合体の縮合時に脱離するアルコールなどの副
生物がエマルジョンの安定性を低下させやすく、その取
り扱い性が悪くなり、さらにこのエマルジョン塗料より
形成した塗膜の性能も損なわれるので好ましくない。
能アルコキシシランの使用量は1.5モル%以上、40
モル%以下であり、さらに好ましくは3モル%以上、2
0モル%以下である。3モル%以上のビニル重合性官能
基含有多官能アルコキシシランを用いて作ったエマルジ
ョン塗料より得られる塗膜は、その透明性は極めて良好
となり、一方、当該多官能アルコキシシランの使用量を
20モル%以下とすると、シロキサン重合体の乳化重合
の際のラテックス安定性が極めて良好となる。ビニル重
合性官能基含有多官能アルコキシシランから生じるシロ
キサン結合の数は1〜3個であるが、3個のシロキサン
結合を形成しうるトリアルコキシシランなどのいわゆる
3官能シランをグラフト交叉剤として用いると、その使
用量に応じて得られるシロキサン重合体が架橋されてし
まい、ビニル重合性単量体(B)との相溶性が低下し、
該シロキサン重合体を用いて作ったエマルジョン塗料よ
り形成した塗膜は、塗膜の透明性あるいは耐久性を低下
させるので、好ましくは、ビニル重合性官能基含有多官
能アルコキシシランにおけるこの3官能シランの含有量
は上記の基準で10モル%以下、さらに好ましくは0モ
ル%である。2官能ないし1官能シラン化合物に導入さ
れる不活性なケイ素原子上の置換基は、とくに限定され
ないが、一般的には、メチル基に代表されるアルキル
基、フェニル基あるいはこれらの誘導体であり、その合
計量は2官能シランの場合は1個となり、1官能シラン
の場合は2個となる。
自己架橋性官能基側鎖を含有することができる。自己架
橋性官能基側鎖をビニル重合性単量体のビニル重合性単
量体(B) 中の含有量を2モル%以上として作ったエマル
ジョン塗料より得られる塗膜は、その耐久性は著しく向
上する傾向にある。ここで自己架橋性官能基とは、樹脂
がエマルジョン中に分散し、室温で保管されている間は
化学的に安定であって、エマルジョンの塗装時の乾燥、
加熱あるいはその他の外的要因の印加によって側鎖官能
基同士の間で架橋反応を生じるような官能基を指す。自
己架橋性官能基を側鎖に有するビニル重合性単量体の例
としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、N-アルコキシメチルアクリルアミドなどが挙
げられ、中でもN-ブトキシメチルアクリルアミドは官能
基の保存安定性および加熱架橋硬化時の反応性バランス
の点で扱いやすい特性を有する。
酸基またはカルボキシル基から選ばれた少なくとも1種
の官能基側鎖を含有させることができる。水酸基または
カルボキシル基から選ばれた少なくとも1種の官能基側
鎖を持つビニル重合性単量体を合計で2モル%以上含有
させることによって、水酸基またはカルボキシル基は、
上述の自己架橋性側鎖と反応することができ、またこの
ような極性官能基を導入したエマルジョン塗料より形成
した塗膜は、基材への密着性を向上させる効果を有す
る。しかし、これらの極性基含有ビニル重合性単量体の
ビニル重合性単量体(B) 中の含量が20モル%を越える
と、形成した塗膜の耐水性などの耐久性が低下し、また
シロキサン重合体(A) とビニル重合性単量体(B) との乳
化ラジカル重合時のラテックス安定性を低下させる傾向
があり、好ましくない。
基を含有しない成分の例としては、アルキルメタクリレ
ート、アルキルアクリレート、シクロアルキルメタクリ
レート、シクロアルキルアクリレートおよびスチレンが
挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種をビニル
重合性単量体(B) 中に60重量%以上含有することが好ま
しい。
られるビニル重合体のガラス転移温度は、有機溶剤等の
造膜助剤の添加によって変化するが、−30℃〜30℃の範
囲であることが好ましい。これは、ビニル重合体のガラ
ス転移温度が−30℃未満であると、得られる塗膜の強度
が低下する傾向にあり、30℃を越えると、本発明の塗料
用エマルジョンの造膜性が低下する傾向にあるためであ
る。
合性単量体の共重合量は、 0.4倍以上、20倍以下である
ことが好ましい。ビニル重合性単量体の重合量が 0.4倍
未満として得たエマルジョン塗料より得られる塗膜は、
その柔軟性は良好となるが、塗膜の強度および表面硬度
が低下する傾向にある。ビニル重合性単量体の重合量が
20倍を越える割合としたエマルジョン塗料は、シリコー
ン重合体含量が少なくなり、シリコーン重合体の特徴で
ある撥水性および柔軟性を備えた塗膜が得られにくくな
る傾向がある。より好ましくは、1倍以上、15倍以下の
範囲である。
ままで、あるいは水で希釈してプラスチック、金属板、
あるいは表面処理された基材上に、吹きつけあるいはそ
の他の方法で塗装した後、乾燥、硬化して塗膜とするこ
とができる。本発明の方法によって得られるエマルジョ
ンの保存安定性は良好である。
ン中に含まれる重合体粒子の粒子径は任意に変更できる
が、通常の平均粒子径は0.01μm〜1μm程度である。
本発明の方法によって得られたエマルジョンにおいて
は、粒子径とこのエマルジョンより形成した塗膜の透明
性との相関は小さい。
%以下の含有率で任意に選択できるが、濃縮を行えばさ
らに高濃度とすることも可能である。通常のスプレー塗
装に供するエマルジョンとする場合には、その塗工性お
よび得られる塗膜の性能を考慮し、樹脂含有率15〜45%
のエマルジョンとするのが好ましい。
要に応じて顔料、安定剤、補助硬化剤あるいは硬化助剤
を加えることもでき、さらに他のエマルジョン樹脂、水
溶性樹脂あるいは粘性制御剤と混合して用いてもよい。
本発明の方法で得られたエマルジョンを使用して作成さ
れた塗膜は平滑で良好な光沢を有し、改良された耐久性
を有する。
説明する。なお、実施例中の「部」はすべて重量部であ
る。
ロキサンオリゴマー3〜7量体混合物)90部、グラフ
ト交叉剤としてγ−メタクリロキシプロピルジメトキシ
メチルシラン(ビニル重合性官能基含有多官能アルコキ
シシラン)10部、水300部、およびオクチルジプロ
ペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加物硫酸
エステルナトリウム塩0.5部を、ホモミキサーで予備
混合した後に、ホモジナイザーにより200Kg/cm
2の圧力で剪断し、強制乳化してシリコーン原料エマル
ジョンを得た。次いで、水100部、およびオクチルジ
プロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加物
硫酸エステル10部を、撹拌機、コンデンサー、加熱ジ
ャケットおよび滴下ポンプを備えたフラスコに仕込み、
フラスコ内の温度を80〜88℃に保ちながら3時間か
けて上記のシリコーン原料エマルジョンを滴下した。滴
下終了後、さらに1時間加熱、撹拌を続けた後、得られ
たエマルジョンを室温まで冷却し、水酸化ナトリウムに
より中和してシリコーン重合体エマルジョン(A)を得
た。
(A) を攪拌機、コンデンサー、加熱ジャケットおよび不
活性ガス導入孔を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気
下でビニル重合性単量体成分(B) として、メタクリル酸
メチル(MMA )80部、メタクリル酸n-ブチル(BA)90
部、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)10部、メタ
クリル酸(MAA )10部、N-ブトキシメチルアクリルアミ
ド(N-BMAAm )10部、および開始剤としてクメンハイド
ロパーオキサイド(CHP )1部を加えて10分攪拌した。
次いで温度を65℃まで上げ、EDTA、ロンガリット、酸化
第一鉄の水溶液を添加してラジカル重合を開始した。重
合は3時間で完結し、反応液を室温まで冷却してシリコ
ーン・アクリル複合ポリマーエマルジョンを得た。得ら
れたエマルジョンの粘度および塗工性は1週間以上変化
なく、安定したものであった。
を有し、バーコーターにより試験鋼板上に塗布、室温乾
燥したところ、平滑、透明な塗膜が得られた。さらにこ
の塗膜を 150℃で25分間加熱したところ、平滑、透明で
強靱な塗膜が得られ、光沢計で測定した塗膜の60°グロ
ス値は90であった。得られた塗膜をさらに室温、大気中
にて2週間保存したところ、塗膜外観にまったく変化は
認められなかった。また、この加熱硬化塗膜を80℃の温
水に1週間浸漬した後に測定した60°グロス値も90であ
り、塗膜の耐水性は良好であることが示された。
AAm を0部とした以外は実施例1と同様にしてエマルジ
ョン塗料を作り、この塗料より形成した塗膜の初期光沢
は良好で、大気中2週間の放置によって塗膜外観に変化
は認められなかった。耐水試験後の60°グロス値は78で
あった。
ナトリウム 0.5部、乳化剤兼シリコーン重合触媒として
ドデシルベンゼンスルホン酸10部を用いるほかは実施例
1と同様にしてエマルジョンを作り、このエマルジョン
を試験鋼板上に塗装、乾燥した後、 150℃、25分の熱処
理して得た塗膜の初期外観は良好であったが、この塗膜
を大気中で2週間保管すると塗膜表面に乳化剤のブリー
ドアウトによる曇りが発生した。
ナトリウム 0.5部、乳化剤兼シリコーン重合触媒として
ドデシルベンゼンスルホン酸10部を用いるほかは実施例
2と同様にしてエマルジョンを作り、このエマルジョン
を試験鋼板上に塗装、乾燥した後、 150℃、25分の熱処
理して得た塗膜の表面には乳化剤のブリードアウトが認
められ、これを拭き取った後、塗膜を大気中で2週間保
管すると再度塗膜表面に乳化剤のブリードアウトによる
曇りが発生した。
く減らした以外は実施例1と同様にしてエマルジョンを
作り、このエマルジョンより形成した塗膜の透明性は不
良となった。実施例1、2および比較例1〜3の条件お
よび結果をまとめて表1に記す。
ンはポリシロキサンを含有する水性塗料用樹脂として用
いることができ、外観および耐久性良好な塗膜を与え、
かつ、良好な保存安定性を有するので、さまざまな塗料
用途に利用できる。また、本発明の製造方法は水性塗料
用ポリシロキサン含有エマルジョンを安定かつ安価に製
造できる方法として極めて有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ケイ素原子の量を基準として50モル%
以上、99モル%以下の環状ジメチルシロキサンオリゴ
マー、およびグラフト交叉剤として1モル%以上、50
モル%以下のビニル重合性官能基含有多官能アルコキシ
シランを、分子中にビニル重合性官能基とスルホン酸基
または硫酸エステル基を有する酸性乳化剤の存在下で乳
化重合し、中和したシリコーン重合体エマルジョン
(A)に、ビニル重合性単量体(B)をラジカル重合開
始剤を用いてグラフト共重合することを特徴とするエマ
ルジョンの製造方法。 - 【請求項2】 ビニル重合性単量体(B)をシリコーン
重合体エマルジョン(A)中のシロキサン重合体の粒子
中に含浸させた状態でグラフト共重合することを特徴と
する請求項1記載のエマルジョンの製造方法。 - 【請求項3】 シリコーン重合体エマルジョン(A)中
のシリコーン重合体の重量に対し、0.4倍以上、20
倍以下のビニル重合性単量体(B)を用いることを特徴
とする請求項1または請求項2記載のエマルジョンの製
造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP15645594A JP3387633B2 (ja) | 1994-06-16 | 1994-06-16 | 塗料用エマルジョンの製造方法 |
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JPH083253A JPH083253A (ja) | 1996-01-09 |
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