JP3114779B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
に種々の努力が重ねられてきた。その中で、ゴム層のT
g及び弾性率の低下に着目し低いTgと低い弾性率とを
合わせ持つポリオルガノシロキサンゴムが注目され、耐
衝撃性樹脂のゴム源に利用する事が検討されてきた。こ
のような例は、特開昭61-138654号公報に公開されてい
る。
サンに由来する艶消し様の悪い表面外観を改良出来な
い。そこで、この表面外観を改良する為にポリオルガノ
シロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートとを複
合ゴム化させ、更にビニル系単量体をグラフト重合させ
た複合ゴム系グラフト共重合体が特開昭63-69853号公報
などに開示されている。
ル(メタ)アクリレートとを複合ゴム化させ、ビニル系
重合体と配合して成る樹脂組成物が特開平1-282239号公
報に開示されている。
1-282239号公報に開示されている複合ゴム系グラフト共
重合体を耐衝撃性樹脂のゴム成分とした場合は、ゴム成
分の粒子径が0.08μmより大きいために、顔料を添加し
た時の熱可塑性樹脂組成物の着色性が悪く工業的価値が
低かった。そのため、耐衝撃性が良好でありしかも顔料
添加時の着色性に優れた耐衝撃性樹脂の開発が強く望ま
れていた。
共重合体の粒子径と顔料を添加した時の着色性の関係に
ついて鋭意検討した結果、驚くべき事に、微小な粒子径
のポリオルガノシロキサンを用いて、ポリオルガノシロ
キサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴムと
の微小な粒子径の複合ゴムを製造すれば、この複合ゴム
から得られるグラフト複合グムと各種熱可塑性樹脂とか
らなる樹脂組成物が優れた耐衝撃性を示すと同時に良好
な顔料着色性を示す事を見いだし本発明に到達した。
キサン成分及びアルキル(メタ)アクリレートゴム成分
からなる複合ゴムに、一種または二種以上のビニル系単
量体がグラフト重合されてなる数平均粒子径が 0.01〜
0.07μmであり0.10μmより大きい粒子の体積が全粒子
体積の20%以下であるグラフト複合ゴム(A)とポリア
ミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、エチレン性
不飽和単量体の重合体及び共重合体から選ばれた少なく
とも一種の熱可塑性樹脂(B)とからなる樹脂組成物に
ある。
均粒子径が0.01〜0.07μmの範囲であり、しかも 0.10
μmより大きな粒子の体積は全グラフト複合ゴム粒子の
体積のうち、20%以下である。数平均粒子径が0.01μm
より小さいとグラフト複合ゴム(A)と熱可塑性樹脂
(B)とから得られる成形物の耐衝撃性が悪化する。
又、数平均粒子径が0.07μmより大きいと、粒子の大き
さが可視光線の波長領域に近くなり粒子による光散乱が
大きくなるため、成形物の顔料着色性が悪化する。尚、
0.01μmより大きい粒子の体積は10%以下であることが
好ましい。
シロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系
ゴム成分とが実質上分離出きない状態の複合ゴムにビニ
ル系単量体がグラフト重合された構造のものである。こ
の複合ゴムは種々の形態をとることができ、両成分がほ
ぼ均一に混合分散した形態、ポリオルガノシロキサン中
にポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分がサラ
ミ構造状に分散した形態、ポリオルガノシロキサンとポ
リアルキル(メタ)アクリレートとが層状になった形態
等をとることができ、これらの形態が適宜混在するもの
であってもよい。層状形態の例としてポリアルキル(メ
タ)アクリレートを芯としその上にポリオルガノシロキ
サンの第1の層とポリアルキル(メタ)アクリレートの
第2の層が存在する形態や、ポリオルガノシロキサンを
芯としその上にポリアルキル(メタ)アクリレ−トの第
1の層とポリオルガノシロキサンの第2の層が存在する
形態が挙げられる。
原料としては、例えばジオルガノシロキサンとシロキサ
ン系グラフト交叉剤からなる混合物または更にシロキサ
ン系架橋剤を含む混合物が用いられる。この混合物を乳
化剤と水によって乳化させたラッテクスを、高速回転に
よる剪断力で微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機
による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用し
て微粒化した後、高温のドデシルベンゼンスルホン酸水
溶液中へ、一定速度で滴下して重合させ、次いでアルカ
リ性物質によりドデシルベンゼンスルホン酸を中和する
ことによってポリオルガノシロキサンを得ることができ
る。ポリオルガノシロキサンの大きさは特に限定されな
いが、数平均粒子径が 0.003〜0.06μmであり、0.10μ
より大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以下であるこ
とが好ましい。このようなサイズが小さくて粒子径分布
の幅が狭いポリオルガノシロキサンは、微粒化したラテ
ックスを50℃以上の低濃度のドデシルベンゼンスルホ
ン酸等の酸触媒水溶液中へ微小速度で滴下して重合させ
ることによって得ることができる。
ルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種のオルガ
ノシロキサン系環状体が挙げられ、3〜6員環のものが
好ましい。具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサ
ン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサ
ン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げら
れるが、これらは単独でまたは二種以上混合して用いら
れる。これらの使用量は、オルガノシロキサン系混合物
中の50重量%以上、好ましくは70重量%以上であ
る。
たは4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメ
チルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロ
ポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。
特に4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエ
トキシシランが最も好ましい。架橋剤の使用量はオルガ
ノシロキサン系混合物中の0〜30重量%、好ましくは
0.5〜10重量%である。
式で表される単位を形成しうる化合物等が用いられる。
基、プロピル基またはフェニル基を、R2 は水素原子ま
たはメチル基、nは0,1または2、pは1〜6の数を
示す。
アクリロイルオキシシロキサンはグラフト効率が高いた
め有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝
撃性発現の点で有利である。なお式(I−1)の単位を
形成しうるものとしてメタクリロイルオキシシロキサン
が特に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具
体例としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメト
キシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
メトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メ
タクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が
挙げられる。
てビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テト
ラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げら
れる。 式(I−3)の単位を形成し得るものとして、
p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、2−(p
−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、3
−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピルメチルジメト
キシシラン等が挙げられる。式(I−4)の単位を形成
し得るものとして、γ−メルカプトプロピルジメトキメ
チルシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチル
シラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラ
ンなどが挙げられる。
ラフト交叉剤の使用量は10重量%以下であり、好まし
くは、0.5〜5重量%である。
く、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
スルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル
ナトリウムなどの中から選ばれた乳化剤が使用される。
特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
スルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化剤が好
ましい。
混合物100部に対して、0.5〜30部の範囲で使用
される。0.5部未満では分散状態が不安定となり微小
な粒子径の乳化状態を保てなくなる。又、30部を超え
ると得られたポリオルガノシロキサンの乳化剤に起因す
る着色が甚だしくなり不都合である。
ロキサンラテックスに、アルキル(メタ)アクリレート
と多官能性アルキル(メタ)アクリレートとからなるア
ルキル(メタ)アクリレート成分を重合させて複合ゴム
を得ることができる。
例えばメチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n−
プロピルアクリレ−ト、n−ブチルアクリレ−ト、2−
エチルヘキシルアクリレ−ト等のアルキルアクリレ−ト
及びヘキシルメタアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメ
タアクリレ−ト、n−ラウリルメタクリレ−ト等のアル
キルメタクリレ−トが挙げられ、特にn−ブチルアクリ
レ−トの使用が好ましい。
しては、例えばアリルメタクリレート、エチレングリコ
−ルジメタクリレ−ト、プロピレングリコ−ルジメタク
リレ−ト、1,3-ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、
1,4-ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げら
れる。多官能性アルキル(メタ)アクリレートの使用量
は、アルキル(メタ)アクリレ−ト成分中0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
ルキル(メタ)アクリレートは単独でまたは二種以上併
用して用いられる。
分のラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレ−ト
成分を添加し、通常のラジカル重合開始剤を作用させて
重合させる。重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開
始剤、または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス
系開始剤が用いられる。この中では、レドックス系開始
剤が好ましく、特に、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四
酢酸ニナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサ
イドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好まし
い。
ン成分とポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴムとが、
実質上分離出きないポリオルガノシロキサンゴム成分と
ポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴム成分との複合ゴ
ムのラテックスが得られる。
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとから成る複合
ゴムにおいて、ポリオルガノシロキサン成分は、1〜9
0重量%程度である。1重量%未満では、ポリオルガノ
シロキサンの特性が発現出来ず耐衝撃性が低下する。
又、90重量%を超えると、ポリオルガノシロキサンに
由来する光沢の低下を生じ、顔料着色性も低下する。
オルガノシロキサンとしてオクタメチルテトラシクロシ
ロキサンを、シロキサン系架橋剤としてテトラエトキシ
シランをまたシロキサン系グラフト交叉剤としてγ−メ
タクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランを
用いることによって得られるポリオルガノシロキサンゴ
ムに対して、主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返
し単位を有するポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分を複合化させた複合ゴムを用いることが好ましい。
複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であ
り、又、ポリオルガノシロキサン系ゴム成分とポリアル
キル(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分とは強固に絡みあ
っているため、アセトン、トルエン等の通常の有機溶剤
では抽出分離することが出来ない。この複合ゴムをトル
エンにより90℃で12時間抽出して測定したゲル含量
は80重量%以上であることが好ましい。
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタ
クリレ−ト、2-エチルヘキシルメタクリレ−ト等のメタ
クリル酸エステル;メチルアクリレ−ト、エチルアクリ
レ−ト、ブチルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル化合物;グリシジルメタクリレ−ト等のエポキシ基
含有ビニル化合物;メタクリル酸などのカルボン酸基を
含有するビニル化合物などの各種ビニル系単量体が挙げ
られ、これらは単独でまたは二種以上組み合わせて用い
られる。
の複合ゴムとビニル系単量体の割合は、得られるグラフ
ト複合の重量を基準にして複合ゴム10〜95重量%、
好ましくは20〜90重量%、及びビニル系単量体90
〜5重量%、好ましくは80〜10重量%程度である。
ビニル系単量体が5重量%未満では他の樹脂と混合した
樹脂組成物中でのグラフト複合ゴム成分の分散が十分で
なく、又、90重量%を超えると耐衝撃強度が低下する
傾向があるので好ましくない。
体を複合ゴムのラテックスに加えラジカル重合技術によ
り一段であるいは多段で重合さることによって得ること
ができる。
塩化カルシウムまたは硫酸アルミニウム等の金属塩を溶
解した熱水中に投入し、塩析、凝固することによりグラ
フト複合ゴムを分離し、回収することができる。
は、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂エ
チレン性不飽和単量体の重合体及び共重合体から選ばれ
た少なくとも一種の熱可塑性樹脂である。ポリアミド樹
脂としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンやp−キシレ
ンジアミンなどの芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベ
リン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸などの脂肪族や芳香族のジカ
ルボン酸とから導かれるポリアミド樹脂:ε−カプロラ
クタム、ω−ドデカラクタムなどのラクタム類から開環
重合により得られるポリアミド樹脂が挙げられる。その
重合度は、特に限定されるものではないが、98重量%
硫酸100mlにポリマー1gを溶解させた時の相対粘
度が2.0〜5.5の範囲内にあるものが好ましい。
の一般式(II)の繰り返し単位を有する重合体で、重
合度が100〜400のものが好ましい。このポリフェ
ニレンサルファイド樹脂は、p−ジクロロベンゼンと硫
化ナトリウムを出発原料として重合できる。
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれら
の共重合体が挙げられる。共重合成分としてはアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸及びそのエステル、無水
マレイン酸等が挙げられる。これらの共重合成分はポリ
エチレンあるいはポリプロピレンに対し、10重量%以下
の割合で使用されるのが好ましい。エチレン性不飽和単
量体の(共)重合体の重合度は、300〜6,000であること
が好ましい。
ゴム(A)と、熱可塑性樹脂(B)との組成は特に限定
されないが、全樹脂組成物の重量を基準にして、成分
(A)が1〜50重量%で成分(B)が99〜50重量
%であるように構成されるのが好ましい。成分(A)が
1重量%未満では樹脂組成物の耐衝撃性能改善効果が不
十分であり、また50重量%を超えると樹脂組成物の機
械的強度が低下する。本発明の樹脂組成物は、成分
(A)と成分(B)とを通常の公知の混練機械によって
混練し押し出し成形することによって得ることが出来
る。このような機械としてはミキシングロール、カレン
ダーロール、バンバリーミキサー、押出機、射出成形
機、ブロ−成形機、インフレ−ション成形機等が挙げら
れる。本発明の樹脂組成物には、必要に応じて染料、顔
料、安定剤、補強剤、ガラス繊維、充填剤、難燃剤等を
配合することができる。
例と実施例において、『部』及び『%』は特に断らない
限り『重量部』及び『重量%』を意味する。
ノシロキサンの粒子径は動的光散乱法により測定した。
この測定は、ラテックス中での粒子がブラウン運動をし
ていることを利用する方法である。ラテックス中の粒子
にレーザー光を照射すると粒子径に応じた揺らぎを示す
のでこの揺らぎを解析する事により粒子径を算出出来
る。大塚電子(株)のDLS−700型を用い、数平均
粒子径と粒子径分布を求めた。
潤度とゲル含量の測定には、ラテックスをイソプロパノ
ール中に滴下し凝固・乾燥することによって得られたポ
リオルガノシロキサンを用い以下の方法で行った。即ち
膨潤度は、ポリオルガノシロキサンを23℃のトルエン
中に48時間浸漬した時にポリオルガノシロキサンが吸
蔵するトルエンの重量を、浸漬前のポリオルガノシロキ
サンの重量で除した値として求めた。ゲル含量は、ポリ
オルガノシロキサンをトルエン中で23℃、48時間抽
出処理することによって求めた。
ASTM D 258 (1/4”ノッチ付き)により測定した。
表面硬度は、ASTM D 785(ロックウェル硬度)により
測定した。光沢は、ASTM D 523-62 (60°鏡面光沢
度)により測定した。顔料着色性は、JIS Z 8729
(L* a* b* 表色系による物体色の表示方法)により
測定した。
μm以上の粒子の体積分率は、超薄切片試料を透過型電
子顕微鏡観察することによって求めた。この超薄切片試
料は、ポリメチルメタクリレート90部とグラフト複合
ゴム10部とを押出機中で溶融混合してペレット化し、
このペレットをプレス成形した試験片からミクロトーム
を用いて切りだした。
テックスSiL-1の製造: テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキロ
キシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオク
タメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、
シロキサン混合物100部を得た。これにドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水
300部を添加し、ホモミキサ−にて10,000rpm で2分
間攪拌した後ホモジナイザーに300kg/cm2の圧力で2
回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックス
を得た。一方、冷却コンデンサーを備えたセパラブルフ
ラスコにドデシルベンゼンスルホン酸10部と蒸留水9
0部とを注入し、10重量%のドデシルベンゼンスルホ
ン酸水溶液を調製した。
備混合オルガノシロキサンラテックスを2時間に亘って
滴下し、滴下終了後3時間温度を維持し、冷却した。次
いでこの反応物を室温で12時間保持した後、苛性ソ−
ダ水溶液で中和して重合を完結し、ポリオルガノシロキ
サンゴムラテックスSiL-1を得た。
0℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、18.
2重量%であった。このラテックスの膨潤度は15.
6、ゲル含量は87.6%であり、数平均粒子径は0.
03μm、0.10μmより大きな粒子径の体積分率は6.8%
であった。
造: 参考例1で得たラテックスSiL-1を54.9部採取し、
撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水17
0部を加えた後、ブチルアクリレート58.8部、アリ
ルメタクリレート1.2部、ターシャリーブチルヒドロ
パーオキサイド0.12部の混合液を仕込み、30分間
撹拌しポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させた。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることにより
窒素置換を行い、60℃まで昇温した。液温が60℃と
なった時点で硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット
0.24部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し
ラジカル重合を開始させた。ブチルアクリレート混合液
の重合により液温は82℃迄上昇した。1時間この状態
を維持しブチルアクリレートの重合を完了して複合ゴム
ラテックスを得た。液温が75℃に低下した後、この複
合ゴムラテックスに、tert- ブチルヒドロパ−オキサイ
ド0.12部とメチルメタクリレート30部との混合液を15分
間にわたって滴下し、その後70℃で4時間保持し、複合
ゴムへのグラフト重合を完了した。
塩化カルシウム1.5重量%の水(25℃)200部中
に徐々に滴下して凝析した後、90℃まで昇温して固化
した。次いでこの凝固物を液から分離し、洗浄した後、
75℃で16時間乾燥してグラフト複合ゴムGf−1の
乾粉を96.8部得た。このグラフト複合ゴムの数平均
粒子径は0.05μmであり、0.10μmより大きな粒子の体
積分率は5.6%であった。
2、Gf−3、及び、グラフトシリコンゴムGs−4
(比較例用)の製造: ラテックスSiL-1とブチルアクリレート(BA)およびアリ
ルメタクリレート(AMA)の仕込組成比を表1に示す値と
した以外は参考例2と同様にしてグラフト複合ゴムGf
−2、Gf−3、及び、グラフトシリコンゴムGs−4
を得た。
造: 参考例1で得られたラテックスSiL-1を39.2部採取
し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水
182部を加えた後、ブチルアクリレート42.0部、
アリルメタクリレート0.86部、ターシャリーブチル
ヒドロパーオキサイド0.2部の混合液を仕込み、30
分間撹拌しポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させ
た。このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることに
より窒素置換を行い60℃まで昇温した。液温が60℃
となった時点で硫酸第一鉄0.001部、エチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット
0.24部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し
ラジカル重合を開始させた。ブチルアクリレート混合液
の重合により液温は82℃迄上昇した。1時間この状態
を維持しブチルアクリレートの重合を完了して複合ゴム
ラテックスを得た。液温が75℃に低下した後、この複
合ゴムラテックスに、tert- ブチルヒドロパ−オキサイ
ド0.12部とメチルメタクリレート50部との混合液を25
分間にわたって滴下し、その後70℃で4時間保持し、複
合ゴムへのグラフト重合を完了した。
参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥してグラ
フト複合ゴムGf−5の乾粉96.3部を得た。このグ
ラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.05μmであり、0.10
μmより大きな粒子の体積分率は6.1%であった。
造: 参考例1で得られたラテックスSiL-1を70.6部採取
し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水
121部を加えた後、ブチルアクリレート75.6部、
アリルメタクリレート1.54部、ターシャリーブチル
ヒドロパーオキサイド0.2部の混合液を仕込み、30
分間撹拌しポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させ
た。このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることに
より窒素置換を行い、60℃まで昇温した。液温が60
℃となった時点で硫酸第一鉄0.001部、エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリッ
ト0.24部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加
しラジカル重合を開始させた。ブチルアクリレート混合
液の重合により液温は84℃迄上昇した。1時間この状
態を維持しブチルアクリレートの重合を完了して複合ゴ
ムラテックスを得た。液温が75℃に低下した後、この
複合ゴムラテックスに、tert- ブチルヒドロパ−オキサ
イド0.12部とメチルメタクリレート10部との混合液を
25分間にわたって滴下し、その後70℃で4時間保持し、
複合ゴムへのグラフト重合を完了した。
参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥してグラ
フト複合ゴムGf−6の乾粉95.5部を得た。このグ
ラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.03μmであり、0.10
μmより大きな粒子の体積分率は2.1%であった。
テックスSiL-2の製造: γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシ
ラン2.0部及びオクタメチルシクロテトラシロキサン
98.0部を混合し、シロキサン混合物100部を得た
(シロキサン系架橋剤非使用系)。これにドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水
300部を添加し、参考例1と同様にホモミキサー、ホ
モジナイザーで処理し、安定な予備混合オルガノシロキ
サンラテックスを得た。以下参考例1と同様に高温のド
デシルベンゼンスルホン酸水溶液に予備混合ラテックス
を滴下し重合した。本参考例では予備混合ラテックスの
滴下終了後3時間高温を維持したのち、室温迄冷却し直
ちに苛性ソーダ水溶液で中和し、ポリオルガノシロキサ
ンラテックスSiL-2を得た。
分は18.0重量%であり、このポリオルガノシロキサンゴ
ムの数平均粒子径は、0.03μm,0.1μmより大きな粒
子径の体積分率は7.1%であった。
造: 参考例8で得たラテックスSiL-2を用いた以外は参考例
2と同様にしてグラフト複合ゴムGf−7(99.1
部)を得た。このグラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.
05μmであり、0.10μmより大きな粒子の体積分率は
6.3%であった。
ラテックスSiL-3の製造(比較例用): テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメ
チルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロ
キサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホ
ン酸4部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
部を溶解した蒸留水200部に上記混合シロキサン10
0部を加え、ホモミキサ−による予備分散及びホモジナ
イザ−による乳化・分散を行い、80℃で5時間加熱した
後冷却し、20℃で48時間放置し、次いで水酸化ナトリウ
ム水溶液でPHを7.0 に中和し重合を完結してポリオル
ガノシロキサンラテックスSiL-3を得た。このポリオル
ガノシロキサンゴムの重合率は89.6%であり、平均粒子
径は0.05μm、0.1μmより大きな粒子径の体積分率は6
7.3%であった。
製造(比較例用): 参考例10で得たラテックスSiL-3を用いた以外は参考
例2と同様にしてグラフト複合ゴムGf−8(97.1
部)を得た。このグラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.
07μmであり、0.10μmより大きな粒子の体積分率は2
7.2%であった。
製造(比較例用): ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸をそれぞれ0.67部に変えた以外
は参考例9と同様にしてポリオルガノシロキサンゴムラ
テックスSiL-4を得た。得られたポリオルガノシロキサ
ンゴムの重合率は89.7%であり、数平均粒子径は0.16μ
mであった。
し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水
191.6部を加え、窒素置換をしてから60℃に昇温
し、ブチルアクリレート58.8部、アリルメタクリレ
ート1.2部、およびタ−シャリーブチルヒドロパーオ
キサイド0.3部の混合液を仕込み30分間撹拌し、こ
の混合液をポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させ
た。次いで硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.
26部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加しラジ
カル重合を開始させ、その後内温は82℃で1時間保持
し重合を完了し複合ゴムラテックスを得た。液温が75
℃に低下した後、この複合ゴムラテックスに、tert- ブ
チルヒドロパ−オキサイド0.12部とメチルメタクリレー
ト30部との混合液を25分間にわたって滴下し、その後
70℃で4時間保持し、複合ゴムへのグラフト重合を完了
した。
参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥してグラ
フト複合ゴムGf−9の乾粉95.4部を得た。このグ
ラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.25μmであり、0.10
μmより大きな粒子の体積分率は93.4%であった。
10の製造(比較例用): 撹拌機を備えたセパラブルフラスコに、蒸留水215
部、ドデシルベンゼンスホン酸ナトリウム1.0部を入
れた後、ブチルアクリレート68.6部、アリルメタク
リレート1.4部、ターシャリーブチルヒドロパーオキ
サイド0.2部の混合液を仕込み、このセパラブルフラ
スコに窒素気流を通じることにより窒素置換を行い、6
0℃まで昇温した。液温が60℃となった時点で硫酸第
一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム塩0.003部、ロンガリット0.24部を蒸留水1
0部に溶解させた水溶液を添加しラジカル重合を開始さ
せた。ブチルアクリレート混合液の重合により液温は8
4℃迄上昇した。1時間この状態を維持しブチルアクリ
レートの重合を完了してアクリルゴムラテックスを得
た。液温が75℃に低下した後、このラテックスに、te
rt- ブチルヒドロパ−オキサイド0.12部とメチルメ
タクリレート30部との混合液を25分間にわたって滴
下し、その後70℃で4時間保持し、アクリルゴムへの
グラフト重合を完了した。
スを参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥して
グラフトアクリルゴムGa−10の乾粉96.5部を得
た。このグラフトゴムの数平均粒子径は0.31μmであ
り、0.10μmより大きな粒子の体積分率は92.6%で
あった。
C ポリフェニレンサルファイド樹脂:トープレン(株)製
トープレンT−4 エチレン性不飽和単量体の共重合体(変性ポリオレフィ
ン):三菱油化(株)製MODIC P-10B 参考例2〜7、9、11〜13で得られたグラフトゴム
GF−1〜GF−9、Gs−4、Ga−10と上記の
(B)成分とを表2に示す割合で混合し、更にカーボン
ブラック(三菱化成(株)製MCF88)0.5 部を混合
した。これを30m/m φ二軸押出機(ウェルナー&ファウ
ドラー社製ZSK−30型)に供給し、シリンダー温度
220〜300 ℃で溶融混練しペレット状に賦形した。得ら
れたペレットを乾燥したのち射出成形機(住友重機
(株)製プロマット165/75型)に供給し、シリンダー温
度220〜300 ℃、金型温度60℃で射出成形を行い各種評
価試験片を得た。この試験片を用いて評価した結果を表
2に示した。
ば顔料着色性が良好と判断され、10〜15程度が実用
的な着色性能を有する範囲である。L* 値がこれ以上で
あると着色性は悪くなり、18以上では実用に耐えない
ものとなる。
で製造したグラフト複合ゴムはポリアミド樹脂と混合す
る事により高い衝撃強度を示し、また、カーボンブラッ
クで着色した場合に良好な顔料着色性を示した。また、
グラフト複合ゴム中のポリオルガノシロキサンゴムとポ
リブチルアクリレートゴムとの割合を、実施例2〜3
(Gf−2、Gf−3)に示す様に幅広い範囲にわたっ
て変更しても、良好な性能を示すことを確認した。しか
し、比較例1のグラフトシリコンゴムGs−4、及び、
比較例4のグラフトアクリルゴムGa−10の場合は、
耐衝撃発現性、顔料発色性ともに不良であった。
フト重合させるビニル系単量体の量を変化させても良好
な耐衝撃性と機械的強度を示す事が分かった。実施例6
の結果より、シロキサン系の架橋剤を使用しないグラフ
ト複合ゴムとポリアミド樹脂と混合した樹脂組成物も良
好な耐衝撃性、顔料着色性を示すことが分かった。
フト複合ゴムGf−9の場合(比較例3)や、0.1 μm
より大きい粒子の体積が20%を超えるグラフト複合ゴム
Gf−8(比較例2)の場合、耐衝撃性は比較的良好で
あるが顔料着色性に劣る事が分った。
レンスルフィドまたは変性ポリオレフィンとの樹脂組成
物は、良好な耐衝撃性と着色性を示した。
た特性を維持しつつ極めて高い耐衝撃性と優れた顔料着
色性を有する。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリオルガノシロキサン成分及びアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム成分からなる複合ゴムに、
一種または二種以上のビニル系単量体がグラフト重合さ
れてなる数平均粒子径が 0.01〜0.07μmであり0.10μ
mより大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以下である
グラフト複合ゴム(A)とポリアミド樹脂、ポリフェニ
レンスルフィド樹脂、エチレン性不飽和単量体の重合体
及び共重合体から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹
脂(B)とからなる樹脂組成物。 - 【請求項2】 グラフト複合ゴム(A)が 1〜50重量
%、熱可塑性樹脂(B)が99〜50重量%である請求項1
記載の樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05179462A JP3114779B2 (ja) | 1992-09-30 | 1993-07-20 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26132492 | 1992-09-30 | ||
JP4-261324 | 1992-09-30 | ||
JP05179462A JP3114779B2 (ja) | 1992-09-30 | 1993-07-20 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06166793A JPH06166793A (ja) | 1994-06-14 |
JP3114779B2 true JP3114779B2 (ja) | 2000-12-04 |
Family
ID=26499313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05179462A Expired - Lifetime JP3114779B2 (ja) | 1992-09-30 | 1993-07-20 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3114779B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3387633B2 (ja) * | 1994-06-16 | 2003-03-17 | 三菱レイヨン株式会社 | 塗料用エマルジョンの製造方法 |
-
1993
- 1993-07-20 JP JP05179462A patent/JP3114779B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06166793A (ja) | 1994-06-14 |
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