JP3114779B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JP3114779B2
JP3114779B2 JP05179462A JP17946293A JP3114779B2 JP 3114779 B2 JP3114779 B2 JP 3114779B2 JP 05179462 A JP05179462 A JP 05179462A JP 17946293 A JP17946293 A JP 17946293A JP 3114779 B2 JP3114779 B2 JP 3114779B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite rubber
parts
rubber
graft
polyorganosiloxane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP05179462A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06166793A (ja
Inventor
昭 柳ヶ瀬
伊藤  公一
直史 岩崎
直己 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP05179462A priority Critical patent/JP3114779B2/ja
Publication of JPH06166793A publication Critical patent/JPH06166793A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3114779B2 publication Critical patent/JP3114779B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性と顔料着色性
に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】これ迄、耐衝撃性樹脂の性能を高める為
に種々の努力が重ねられてきた。その中で、ゴム層のT
g及び弾性率の低下に着目し低いTgと低い弾性率とを
合わせ持つポリオルガノシロキサンゴムが注目され、耐
衝撃性樹脂のゴム源に利用する事が検討されてきた。こ
のような例は、特開昭61-138654号公報に公開されてい
る。
【0003】しかし、この方法ではポリオルガノシロキ
サンに由来する艶消し様の悪い表面外観を改良出来な
い。そこで、この表面外観を改良する為にポリオルガノ
シロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートとを複
合ゴム化させ、更にビニル系単量体をグラフト重合させ
た複合ゴム系グラフト共重合体が特開昭63-69853号公報
などに開示されている。
【0004】又、ポリオルガノシロキサンとポリアルキ
ル(メタ)アクリレートとを複合ゴム化させ、ビニル系
重合体と配合して成る樹脂組成物が特開平1-282239号公
報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
1-282239号公報に開示されている複合ゴム系グラフト共
重合体を耐衝撃性樹脂のゴム成分とした場合は、ゴム成
分の粒子径が0.08μmより大きいために、顔料を添加し
た時の熱可塑性樹脂組成物の着色性が悪く工業的価値が
低かった。そのため、耐衝撃性が良好でありしかも顔料
添加時の着色性に優れた耐衝撃性樹脂の開発が強く望ま
れていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グラフト
共重合体の粒子径と顔料を添加した時の着色性の関係に
ついて鋭意検討した結果、驚くべき事に、微小な粒子径
のポリオルガノシロキサンを用いて、ポリオルガノシロ
キサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴムと
の微小な粒子径の複合ゴムを製造すれば、この複合ゴム
から得られるグラフト複合グムと各種熱可塑性樹脂とか
らなる樹脂組成物が優れた耐衝撃性を示すと同時に良好
な顔料着色性を示す事を見いだし本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明の要旨は、ポリオルガノシロ
キサン成分及びアルキル(メタ)アクリレートゴム成分
からなる複合ゴムに、一種または二種以上のビニル系単
量体がグラフト重合されてなる数平均粒子径が 0.01〜
0.07μmであり0.10μmより大きい粒子の体積が全粒子
体積の20%以下であるグラフト複合ゴム(A)とポリア
ミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、エチレン性
不飽和単量体の重合体及び共重合体から選ばれた少なく
とも一種の熱可塑性樹脂(B)とからなる樹脂組成物に
ある。
【0008】本発明のグラフト複合ゴム(A)は、数平
均粒子径が0.01〜0.07μmの範囲であり、しかも 0.10
μmより大きな粒子の体積は全グラフト複合ゴム粒子の
体積のうち、20%以下である。数平均粒子径が0.01μm
より小さいとグラフト複合ゴム(A)と熱可塑性樹脂
(B)とから得られる成形物の耐衝撃性が悪化する。
又、数平均粒子径が0.07μmより大きいと、粒子の大き
さが可視光線の波長領域に近くなり粒子による光散乱が
大きくなるため、成形物の顔料着色性が悪化する。尚、
0.01μmより大きい粒子の体積は10%以下であることが
好ましい。
【0009】本発明のグラフト複合ゴムはポリオルガノ
シロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系
ゴム成分とが実質上分離出きない状態の複合ゴムにビニ
ル系単量体がグラフト重合された構造のものである。こ
の複合ゴムは種々の形態をとることができ、両成分がほ
ぼ均一に混合分散した形態、ポリオルガノシロキサン中
にポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分がサラ
ミ構造状に分散した形態、ポリオルガノシロキサンとポ
リアルキル(メタ)アクリレートとが層状になった形態
等をとることができ、これらの形態が適宜混在するもの
であってもよい。層状形態の例としてポリアルキル(メ
タ)アクリレートを芯としその上にポリオルガノシロキ
サンの第1の層とポリアルキル(メタ)アクリレートの
第2の層が存在する形態や、ポリオルガノシロキサンを
芯としその上にポリアルキル(メタ)アクリレ−トの第
1の層とポリオルガノシロキサンの第2の層が存在する
形態が挙げられる。
【0010】本発明においてポリオルガノシロキサンの
原料としては、例えばジオルガノシロキサンとシロキサ
ン系グラフト交叉剤からなる混合物または更にシロキサ
ン系架橋剤を含む混合物が用いられる。この混合物を乳
化剤と水によって乳化させたラッテクスを、高速回転に
よる剪断力で微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機
による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用し
て微粒化した後、高温のドデシルベンゼンスルホン酸水
溶液中へ、一定速度で滴下して重合させ、次いでアルカ
リ性物質によりドデシルベンゼンスルホン酸を中和する
ことによってポリオルガノシロキサンを得ることができ
る。ポリオルガノシロキサンの大きさは特に限定されな
いが、数平均粒子径が 0.003〜0.06μmであり、0.10μ
より大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以下であるこ
とが好ましい。このようなサイズが小さくて粒子径分布
の幅が狭いポリオルガノシロキサンは、微粒化したラテ
ックスを50℃以上の低濃度のドデシルベンゼンスルホ
ン酸等の酸触媒水溶液中へ微小速度で滴下して重合させ
ることによって得ることができる。
【0011】オルガノシロキサン系混合物を構成するオ
ルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種のオルガ
ノシロキサン系環状体が挙げられ、3〜6員環のものが
好ましい。具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサ
ン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサ
ン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げら
れるが、これらは単独でまたは二種以上混合して用いら
れる。これらの使用量は、オルガノシロキサン系混合物
中の50重量%以上、好ましくは70重量%以上であ
る。
【0012】シロキサン系架橋剤としては、3官能性ま
たは4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメ
チルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロ
ポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。
特に4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエ
トキシシランが最も好ましい。架橋剤の使用量はオルガ
ノシロキサン系混合物中の0〜30重量%、好ましくは
0.5〜10重量%である。
【0013】シロキサン系グラフト交叉剤としては、次
式で表される単位を形成しうる化合物等が用いられる。
【0014】
【化1】
【0015】尚、上式においてR1 はメチル基、エチル
基、プロピル基またはフェニル基を、R2 は水素原子ま
たはメチル基、nは0,1または2、pは1〜6の数を
示す。
【0016】式(I−1)の単位を形成しうる(メタ)
アクリロイルオキシシロキサンはグラフト効率が高いた
め有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝
撃性発現の点で有利である。なお式(I−1)の単位を
形成しうるものとしてメタクリロイルオキシシロキサン
が特に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具
体例としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメト
キシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
メトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メ
タクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が
挙げられる。
【0017】式(I−2)の単位を形成し得るものとし
てビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テト
ラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げら
れる。 式(I−3)の単位を形成し得るものとして、
p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、2−(p
−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、3
−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピルメチルジメト
キシシラン等が挙げられる。式(I−4)の単位を形成
し得るものとして、γ−メルカプトプロピルジメトキメ
チルシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチル
シラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラ
ンなどが挙げられる。
【0018】オルガノシロキサン系混合物中に占めるグ
ラフト交叉剤の使用量は10重量%以下であり、好まし
くは、0.5〜5重量%である。
【0019】乳化剤としてはアニオン系乳化剤が好まし
く、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
スルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル
ナトリウムなどの中から選ばれた乳化剤が使用される。
特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
スルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化剤が好
ましい。
【0020】これらの乳化剤は、オルガノシロキサン系
混合物100部に対して、0.5〜30部の範囲で使用
される。0.5部未満では分散状態が不安定となり微小
な粒子径の乳化状態を保てなくなる。又、30部を超え
ると得られたポリオルガノシロキサンの乳化剤に起因す
る着色が甚だしくなり不都合である。
【0021】このようにして製造されたポリオルガノシ
ロキサンラテックスに、アルキル(メタ)アクリレート
と多官能性アルキル(メタ)アクリレートとからなるア
ルキル(メタ)アクリレート成分を重合させて複合ゴム
を得ることができる。
【0022】アルキル(メタ)アクリレ−トとしては、
例えばメチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n−
プロピルアクリレ−ト、n−ブチルアクリレ−ト、2−
エチルヘキシルアクリレ−ト等のアルキルアクリレ−ト
及びヘキシルメタアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメ
タアクリレ−ト、n−ラウリルメタクリレ−ト等のアル
キルメタクリレ−トが挙げられ、特にn−ブチルアクリ
レ−トの使用が好ましい。
【0023】多官能性アルキル(メタ)アクリレートと
しては、例えばアリルメタクリレート、エチレングリコ
−ルジメタクリレ−ト、プロピレングリコ−ルジメタク
リレ−ト、1,3-ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、
1,4-ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げら
れる。多官能性アルキル(メタ)アクリレートの使用量
は、アルキル(メタ)アクリレ−ト成分中0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0024】アルキル(メタ)アクリレ−トや多官能ア
ルキル(メタ)アクリレートは単独でまたは二種以上併
用して用いられる。
【0025】中和されたポリオルガノシロキサンゴム成
分のラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレ−ト
成分を添加し、通常のラジカル重合開始剤を作用させて
重合させる。重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開
始剤、または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス
系開始剤が用いられる。この中では、レドックス系開始
剤が好ましく、特に、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四
酢酸ニナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサ
イドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好まし
い。
【0026】重合の進行とともにポリオルガノシロキサ
ン成分とポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴムとが、
実質上分離出きないポリオルガノシロキサンゴム成分と
ポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴム成分との複合ゴ
ムのラテックスが得られる。
【0027】本発明におけるポリオルガノシロキサンと
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとから成る複合
ゴムにおいて、ポリオルガノシロキサン成分は、1〜9
0重量%程度である。1重量%未満では、ポリオルガノ
シロキサンの特性が発現出来ず耐衝撃性が低下する。
又、90重量%を超えると、ポリオルガノシロキサンに
由来する光沢の低下を生じ、顔料着色性も低下する。
【0028】なお本発明の実施に際しては、ジアルキル
オルガノシロキサンとしてオクタメチルテトラシクロシ
ロキサンを、シロキサン系架橋剤としてテトラエトキシ
シランをまたシロキサン系グラフト交叉剤としてγ−メ
タクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランを
用いることによって得られるポリオルガノシロキサンゴ
ムに対して、主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返
し単位を有するポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分を複合化させた複合ゴムを用いることが好ましい。
【0029】このようにして乳化重合により製造された
複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であ
り、又、ポリオルガノシロキサン系ゴム成分とポリアル
キル(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分とは強固に絡みあ
っているため、アセトン、トルエン等の通常の有機溶剤
では抽出分離することが出来ない。この複合ゴムをトル
エンにより90℃で12時間抽出して測定したゲル含量
は80重量%以上であることが好ましい。
【0030】この複合ゴムにグラフト重合させるビニル
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタ
クリレ−ト、2-エチルヘキシルメタクリレ−ト等のメタ
クリル酸エステル;メチルアクリレ−ト、エチルアクリ
レ−ト、ブチルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル化合物;グリシジルメタクリレ−ト等のエポキシ基
含有ビニル化合物;メタクリル酸などのカルボン酸基を
含有するビニル化合物などの各種ビニル系単量体が挙げ
られ、これらは単独でまたは二種以上組み合わせて用い
られる。
【0031】この複合ゴムのグラフト複合ゴムを得る際
の複合ゴムとビニル系単量体の割合は、得られるグラフ
ト複合の重量を基準にして複合ゴム10〜95重量%、
好ましくは20〜90重量%、及びビニル系単量体90
〜5重量%、好ましくは80〜10重量%程度である。
ビニル系単量体が5重量%未満では他の樹脂と混合した
樹脂組成物中でのグラフト複合ゴム成分の分散が十分で
なく、又、90重量%を超えると耐衝撃強度が低下する
傾向があるので好ましくない。
【0032】グラフト複合ゴム(A)は、ビニル系単量
体を複合ゴムのラテックスに加えラジカル重合技術によ
り一段であるいは多段で重合さることによって得ること
ができる。
【0033】グラフト重合が終了した後、ラッテクスを
塩化カルシウムまたは硫酸アルミニウム等の金属塩を溶
解した熱水中に投入し、塩析、凝固することによりグラ
フト複合ゴムを分離し、回収することができる。
【0034】(B)成分として用いられる熱可塑性樹脂
は、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂エ
チレン性不飽和単量体の重合体及び共重合体から選ばれ
た少なくとも一種の熱可塑性樹脂である。ポリアミド樹
脂としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンやp−キシレ
ンジアミンなどの芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベ
リン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸などの脂肪族や芳香族のジカ
ルボン酸とから導かれるポリアミド樹脂:ε−カプロラ
クタム、ω−ドデカラクタムなどのラクタム類から開環
重合により得られるポリアミド樹脂が挙げられる。その
重合度は、特に限定されるものではないが、98重量%
硫酸100mlにポリマー1gを溶解させた時の相対粘
度が2.0〜5.5の範囲内にあるものが好ましい。
【0035】ポリフェニレンサルファイド樹脂は、下記
の一般式(II)の繰り返し単位を有する重合体で、重
合度が100〜400のものが好ましい。このポリフェ
ニレンサルファイド樹脂は、p−ジクロロベンゼンと硫
化ナトリウムを出発原料として重合できる。
【化2】
【0036】エチレン性不飽和単量体の(共)重合体と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれら
の共重合体が挙げられる。共重合成分としてはアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸及びそのエステル、無水
マレイン酸等が挙げられる。これらの共重合成分はポリ
エチレンあるいはポリプロピレンに対し、10重量%以下
の割合で使用されるのが好ましい。エチレン性不飽和単
量体の(共)重合体の重合度は、300〜6,000であること
が好ましい。
【0037】本発明の樹脂組成物においてグラフト複合
ゴム(A)と、熱可塑性樹脂(B)との組成は特に限定
されないが、全樹脂組成物の重量を基準にして、成分
(A)が1〜50重量%で成分(B)が99〜50重量
%であるように構成されるのが好ましい。成分(A)が
1重量%未満では樹脂組成物の耐衝撃性能改善効果が不
十分であり、また50重量%を超えると樹脂組成物の機
械的強度が低下する。本発明の樹脂組成物は、成分
(A)と成分(B)とを通常の公知の混練機械によって
混練し押し出し成形することによって得ることが出来
る。このような機械としてはミキシングロール、カレン
ダーロール、バンバリーミキサー、押出機、射出成形
機、ブロ−成形機、インフレ−ション成形機等が挙げら
れる。本発明の樹脂組成物には、必要に応じて染料、顔
料、安定剤、補強剤、ガラス繊維、充填剤、難燃剤等を
配合することができる。
【0038】以下実施例により本発明を説明する。参考
例と実施例において、『部』及び『%』は特に断らない
限り『重量部』及び『重量%』を意味する。
【0039】参考例においてラテックス中のポリオルガ
ノシロキサンの粒子径は動的光散乱法により測定した。
この測定は、ラテックス中での粒子がブラウン運動をし
ていることを利用する方法である。ラテックス中の粒子
にレーザー光を照射すると粒子径に応じた揺らぎを示す
のでこの揺らぎを解析する事により粒子径を算出出来
る。大塚電子(株)のDLS−700型を用い、数平均
粒子径と粒子径分布を求めた。
【0040】また、架橋型ポリオルガノシロキサンの膨
潤度とゲル含量の測定には、ラテックスをイソプロパノ
ール中に滴下し凝固・乾燥することによって得られたポ
リオルガノシロキサンを用い以下の方法で行った。即ち
膨潤度は、ポリオルガノシロキサンを23℃のトルエン
中に48時間浸漬した時にポリオルガノシロキサンが吸
蔵するトルエンの重量を、浸漬前のポリオルガノシロキ
サンの重量で除した値として求めた。ゲル含量は、ポリ
オルガノシロキサンをトルエン中で23℃、48時間抽
出処理することによって求めた。
【0041】実施例において、アイゾット衝撃強度は、
ASTM D 258 (1/4”ノッチ付き)により測定した。
表面硬度は、ASTM D 785(ロックウェル硬度)により
測定した。光沢は、ASTM D 523-62 (60°鏡面光沢
度)により測定した。顔料着色性は、JIS Z 8729
(L*** 表色系による物体色の表示方法)により
測定した。
【0042】グラフト複合ゴムの数平均粒子径と 0.10
μm以上の粒子の体積分率は、超薄切片試料を透過型電
子顕微鏡観察することによって求めた。この超薄切片試
料は、ポリメチルメタクリレート90部とグラフト複合
ゴム10部とを押出機中で溶融混合してペレット化し、
このペレットをプレス成形した試験片からミクロトーム
を用いて切りだした。
【0043】参考例1 ポリオルガノシロキサンゴムラ
テックスSiL-1の製造: テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキロ
キシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオク
タメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、
シロキサン混合物100部を得た。これにドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水
300部を添加し、ホモミキサ−にて10,000rpm で2分
間攪拌した後ホモジナイザーに300kg/cm2の圧力で2
回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックス
を得た。一方、冷却コンデンサーを備えたセパラブルフ
ラスコにドデシルベンゼンスルホン酸10部と蒸留水9
0部とを注入し、10重量%のドデシルベンゼンスルホ
ン酸水溶液を調製した。
【0044】この水溶液を85℃に加熱した状態で、予
備混合オルガノシロキサンラテックスを2時間に亘って
滴下し、滴下終了後3時間温度を維持し、冷却した。次
いでこの反応物を室温で12時間保持した後、苛性ソ−
ダ水溶液で中和して重合を完結し、ポリオルガノシロキ
サンゴムラテックスSiL-1を得た。
【0045】このようにして得られたラテックスを17
0℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、18.
2重量%であった。このラテックスの膨潤度は15.
6、ゲル含量は87.6%であり、数平均粒子径は0.
03μm、0.10μmより大きな粒子径の体積分率は6.8%
であった。
【0046】参考例2 グラフト複合ゴムGf−1の製
造: 参考例1で得たラテックスSiL-1を54.9部採取し、
撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水17
0部を加えた後、ブチルアクリレート58.8部、アリ
ルメタクリレート1.2部、ターシャリーブチルヒドロ
パーオキサイド0.12部の混合液を仕込み、30分間
撹拌しポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させた。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることにより
窒素置換を行い、60℃まで昇温した。液温が60℃と
なった時点で硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット
0.24部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し
ラジカル重合を開始させた。ブチルアクリレート混合液
の重合により液温は82℃迄上昇した。1時間この状態
を維持しブチルアクリレートの重合を完了して複合ゴム
ラテックスを得た。液温が75℃に低下した後、この複
合ゴムラテックスに、tert- ブチルヒドロパ−オキサイ
ド0.12部とメチルメタクリレート30部との混合液を15分
間にわたって滴下し、その後70℃で4時間保持し、複合
ゴムへのグラフト重合を完了した。
【0047】得られたグラフト複合ゴムのラテックスを
塩化カルシウム1.5重量%の水(25℃)200部中
に徐々に滴下して凝析した後、90℃まで昇温して固化
した。次いでこの凝固物を液から分離し、洗浄した後、
75℃で16時間乾燥してグラフト複合ゴムGf−1の
乾粉を96.8部得た。このグラフト複合ゴムの数平均
粒子径は0.05μmであり、0.10μmより大きな粒子の体
積分率は5.6%であった。
【0048】参考例3〜5 グラフト複合ゴムGf−
2、Gf−3、及び、グラフトシリコンゴムGs−4
(比較例用)の製造: ラテックスSiL-1とブチルアクリレート(BA)およびアリ
ルメタクリレート(AMA)の仕込組成比を表1に示す値と
した以外は参考例2と同様にしてグラフト複合ゴムGf
−2、Gf−3、及び、グラフトシリコンゴムGs−4
を得た。
【0049】参考例6 グラフト複合ゴムGf−5の製
造: 参考例1で得られたラテックスSiL-1を39.2部採取
し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水
182部を加えた後、ブチルアクリレート42.0部、
アリルメタクリレート0.86部、ターシャリーブチル
ヒドロパーオキサイド0.2部の混合液を仕込み、30
分間撹拌しポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させ
た。このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることに
より窒素置換を行い60℃まで昇温した。液温が60℃
となった時点で硫酸第一鉄0.001部、エチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット
0.24部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加し
ラジカル重合を開始させた。ブチルアクリレート混合液
の重合により液温は82℃迄上昇した。1時間この状態
を維持しブチルアクリレートの重合を完了して複合ゴム
ラテックスを得た。液温が75℃に低下した後、この複
合ゴムラテックスに、tert- ブチルヒドロパ−オキサイ
ド0.12部とメチルメタクリレート50部との混合液を25
分間にわたって滴下し、その後70℃で4時間保持し、複
合ゴムへのグラフト重合を完了した。
【0050】得られたグラフト複合ゴムのラテックスを
参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥してグラ
フト複合ゴムGf−5の乾粉96.3部を得た。このグ
ラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.05μmであり、0.10
μmより大きな粒子の体積分率は6.1%であった。
【0051】参考例7 グラフト複合ゴムGf−6の製
造: 参考例1で得られたラテックスSiL-1を70.6部採取
し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水
121部を加えた後、ブチルアクリレート75.6部、
アリルメタクリレート1.54部、ターシャリーブチル
ヒドロパーオキサイド0.2部の混合液を仕込み、30
分間撹拌しポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させ
た。このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることに
より窒素置換を行い、60℃まで昇温した。液温が60
℃となった時点で硫酸第一鉄0.001部、エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリッ
ト0.24部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加
しラジカル重合を開始させた。ブチルアクリレート混合
液の重合により液温は84℃迄上昇した。1時間この状
態を維持しブチルアクリレートの重合を完了して複合ゴ
ムラテックスを得た。液温が75℃に低下した後、この
複合ゴムラテックスに、tert- ブチルヒドロパ−オキサ
イド0.12部とメチルメタクリレート10部との混合液を
25分間にわたって滴下し、その後70℃で4時間保持し、
複合ゴムへのグラフト重合を完了した。
【0052】得られたグラフト複合ゴムのラテックスを
参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥してグラ
フト複合ゴムGf−6の乾粉95.5部を得た。このグ
ラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.03μmであり、0.10
μmより大きな粒子の体積分率は2.1%であった。
【0053】参考例8 ポリオルガノシロキサンゴムラ
テックスSiL-2の製造: γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシ
ラン2.0部及びオクタメチルシクロテトラシロキサン
98.0部を混合し、シロキサン混合物100部を得た
(シロキサン系架橋剤非使用系)。これにドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水
300部を添加し、参考例1と同様にホモミキサー、ホ
モジナイザーで処理し、安定な予備混合オルガノシロキ
サンラテックスを得た。以下参考例1と同様に高温のド
デシルベンゼンスルホン酸水溶液に予備混合ラテックス
を滴下し重合した。本参考例では予備混合ラテックスの
滴下終了後3時間高温を維持したのち、室温迄冷却し直
ちに苛性ソーダ水溶液で中和し、ポリオルガノシロキサ
ンラテックスSiL-2を得た。
【0054】このようにして得られたラテックスの固形
分は18.0重量%であり、このポリオルガノシロキサンゴ
ムの数平均粒子径は、0.03μm,0.1μmより大きな粒
子径の体積分率は7.1%であった。
【0055】参考例9 グラフト複合ゴムGf−7の製
造: 参考例8で得たラテックスSiL-2を用いた以外は参考例
2と同様にしてグラフト複合ゴムGf−7(99.1
部)を得た。このグラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.
05μmであり、0.10μmより大きな粒子の体積分率は
6.3%であった。
【0056】参考例10 ポリオルガノシロキサンゴム
ラテックスSiL-3の製造(比較例用): テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメ
チルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロ
キサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホ
ン酸4部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
部を溶解した蒸留水200部に上記混合シロキサン10
0部を加え、ホモミキサ−による予備分散及びホモジナ
イザ−による乳化・分散を行い、80℃で5時間加熱した
後冷却し、20℃で48時間放置し、次いで水酸化ナトリウ
ム水溶液でPHを7.0 に中和し重合を完結してポリオル
ガノシロキサンラテックスSiL-3を得た。このポリオル
ガノシロキサンゴムの重合率は89.6%であり、平均粒子
径は0.05μm、0.1μmより大きな粒子径の体積分率は6
7.3%であった。
【0057】参考例11 グラフト複合ゴムGf−8の
製造(比較例用): 参考例10で得たラテックスSiL-3を用いた以外は参考
例2と同様にしてグラフト複合ゴムGf−8(97.1
部)を得た。このグラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.
07μmであり、0.10μmより大きな粒子の体積分率は2
7.2%であった。
【0058】参考例12 グラフト複合ゴムGf−9の
製造(比較例用): ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸をそれぞれ0.67部に変えた以外
は参考例9と同様にしてポリオルガノシロキサンゴムラ
テックスSiL-4を得た。得られたポリオルガノシロキサ
ンゴムの重合率は89.7%であり、数平均粒子径は0.16μ
mであった。
【0059】このラテックスSiL-4を33.4部採取
し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水
191.6部を加え、窒素置換をしてから60℃に昇温
し、ブチルアクリレート58.8部、アリルメタクリレ
ート1.2部、およびタ−シャリーブチルヒドロパーオ
キサイド0.3部の混合液を仕込み30分間撹拌し、こ
の混合液をポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させ
た。次いで硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.
26部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加しラジ
カル重合を開始させ、その後内温は82℃で1時間保持
し重合を完了し複合ゴムラテックスを得た。液温が75
℃に低下した後、この複合ゴムラテックスに、tert- ブ
チルヒドロパ−オキサイド0.12部とメチルメタクリレー
ト30部との混合液を25分間にわたって滴下し、その後
70℃で4時間保持し、複合ゴムへのグラフト重合を完了
した。
【0060】得られたグラフト複合ゴムのラテックスを
参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥してグラ
フト複合ゴムGf−9の乾粉95.4部を得た。このグ
ラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.25μmであり、0.10
μmより大きな粒子の体積分率は93.4%であった。
【0061】参考例13 グラフトアクリルゴムGa−
10の製造(比較例用): 撹拌機を備えたセパラブルフラスコに、蒸留水215
部、ドデシルベンゼンスホン酸ナトリウム1.0部を入
れた後、ブチルアクリレート68.6部、アリルメタク
リレート1.4部、ターシャリーブチルヒドロパーオキ
サイド0.2部の混合液を仕込み、このセパラブルフラ
スコに窒素気流を通じることにより窒素置換を行い、6
0℃まで昇温した。液温が60℃となった時点で硫酸第
一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム塩0.003部、ロンガリット0.24部を蒸留水1
0部に溶解させた水溶液を添加しラジカル重合を開始さ
せた。ブチルアクリレート混合液の重合により液温は8
4℃迄上昇した。1時間この状態を維持しブチルアクリ
レートの重合を完了してアクリルゴムラテックスを得
た。液温が75℃に低下した後、このラテックスに、te
rt- ブチルヒドロパ−オキサイド0.12部とメチルメ
タクリレート30部との混合液を25分間にわたって滴
下し、その後70℃で4時間保持し、アクリルゴムへの
グラフト重合を完了した。
【0062】得られたグラフトアクリルゴムのラテック
スを参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥して
グラフトアクリルゴムGa−10の乾粉96.5部を得
た。このグラフトゴムの数平均粒子径は0.31μmであ
り、0.10μmより大きな粒子の体積分率は92.6%で
あった。
【0063】実施例1〜8、及び、比較例1〜4 (B)成分の熱可塑性樹脂して次のものを用いた。 ポリアミド樹脂:三菱化成(株)製ノバミッド1012
C ポリフェニレンサルファイド樹脂:トープレン(株)製
トープレンT−4 エチレン性不飽和単量体の共重合体(変性ポリオレフィ
ン):三菱油化(株)製MODIC P-10B 参考例2〜7、9、11〜13で得られたグラフトゴム
GF−1〜GF−9、Gs−4、Ga−10と上記の
(B)成分とを表2に示す割合で混合し、更にカーボン
ブラック(三菱化成(株)製MCF88)0.5 部を混合
した。これを30m/m φ二軸押出機(ウェルナー&ファウ
ドラー社製ZSK−30型)に供給し、シリンダー温度
220〜300 ℃で溶融混練しペレット状に賦形した。得ら
れたペレットを乾燥したのち射出成形機(住友重機
(株)製プロマット165/75型)に供給し、シリンダー温
度220〜300 ℃、金型温度60℃で射出成形を行い各種評
価試験片を得た。この試験片を用いて評価した結果を表
2に示した。
【0064】尚、表中の測色のL* 値が10程度であれ
ば顔料着色性が良好と判断され、10〜15程度が実用
的な着色性能を有する範囲である。L* 値がこれ以上で
あると着色性は悪くなり、18以上では実用に耐えない
ものとなる。
【0065】実施例1の結果から明らかな様に参考例2
で製造したグラフト複合ゴムはポリアミド樹脂と混合す
る事により高い衝撃強度を示し、また、カーボンブラッ
クで着色した場合に良好な顔料着色性を示した。また、
グラフト複合ゴム中のポリオルガノシロキサンゴムとポ
リブチルアクリレートゴムとの割合を、実施例2〜3
(Gf−2、Gf−3)に示す様に幅広い範囲にわたっ
て変更しても、良好な性能を示すことを確認した。しか
し、比較例1のグラフトシリコンゴムGs−4、及び、
比較例4のグラフトアクリルゴムGa−10の場合は、
耐衝撃発現性、顔料発色性ともに不良であった。
【0066】実施例4〜5の結果より、複合ゴムにグラ
フト重合させるビニル系単量体の量を変化させても良好
な耐衝撃性と機械的強度を示す事が分かった。実施例6
の結果より、シロキサン系の架橋剤を使用しないグラフ
ト複合ゴムとポリアミド樹脂と混合した樹脂組成物も良
好な耐衝撃性、顔料着色性を示すことが分かった。
【0067】しかし、粒子径が0.08μmより大きいグラ
フト複合ゴムGf−9の場合(比較例3)や、0.1 μm
より大きい粒子の体積が20%を超えるグラフト複合ゴム
Gf−8(比較例2)の場合、耐衝撃性は比較的良好で
あるが顔料着色性に劣る事が分った。
【0068】実施例7〜8で示される様に、ポリフェニ
レンスルフィドまたは変性ポリオレフィンとの樹脂組成
物は、良好な耐衝撃性と着色性を示した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、樹脂本来の優れ
た特性を維持しつつ極めて高い耐衝撃性と優れた顔料着
色性を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08F 291/02 C08F 291/02 (56)参考文献 特開 平5−25228(JP,A) 特開 平5−214205(JP,A) 特開 平2−199109(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/00 C08L 23/00 C08L 51/08 C08L 77/00 C08L 81/02 C08F 291/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオルガノシロキサン成分及びアルキ
    ル(メタ)アクリレートゴム成分からなる複合ゴムに、
    一種または二種以上のビニル系単量体がグラフト重合さ
    れてなる数平均粒子径が 0.01〜0.07μmであり0.10μ
    mより大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以下である
    グラフト複合ゴム(A)とポリアミド樹脂、ポリフェニ
    レンスルフィド樹脂、エチレン性不飽和単量体の重合体
    及び共重合体から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹
    脂(B)とからなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 グラフト複合ゴム(A)が 1〜50重量
    %、熱可塑性樹脂(B)が99〜50重量%である請求項1
    記載の樹脂組成物。
JP05179462A 1992-09-30 1993-07-20 熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3114779B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05179462A JP3114779B2 (ja) 1992-09-30 1993-07-20 熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26132492 1992-09-30
JP4-261324 1992-09-30
JP05179462A JP3114779B2 (ja) 1992-09-30 1993-07-20 熱可塑性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06166793A JPH06166793A (ja) 1994-06-14
JP3114779B2 true JP3114779B2 (ja) 2000-12-04

Family

ID=26499313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05179462A Expired - Lifetime JP3114779B2 (ja) 1992-09-30 1993-07-20 熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3114779B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3387633B2 (ja) * 1994-06-16 2003-03-17 三菱レイヨン株式会社 塗料用エマルジョンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06166793A (ja) 1994-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3124418B2 (ja) ポリエステル系樹脂組成物
JP3137786B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3200218B2 (ja) グラフト共重合体及びその製法
JP3168078B2 (ja) 耐衝撃性樹脂組成物
JP3114779B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH04239010A (ja) グラフト共重合体
JP3142686B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH10316724A (ja) シリコーン変性アクリルゴム粒子、シリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JP2912746B2 (ja) 着色性に優れた熱可塑性樹脂組成物
JPH04100812A (ja) 複合ゴム系グラフト共重合体粒子
JP3177067B2 (ja) ポリカーボネート系樹脂組成物
JP3218195B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3163180B2 (ja) 耐衝撃性樹脂組成物
JPH0733836A (ja) グラフト共重合体の製法および熱可塑性樹脂組成物
JP2926378B2 (ja) グラフト共重合体および樹脂組成物
JPH0616901A (ja) ポリアセタ−ル系樹脂組成物
JP3519504B2 (ja) 複合ゴム系グラフト共重合体、その粉体の製造方法およびその熱可塑性樹脂組成物
JP3314275B2 (ja) 耐衝撃性樹脂組成物
TWI830186B (zh) 樹脂組成物及成形體
JPH0598115A (ja) 樹脂組成物
JP3450450B2 (ja) グラフト共重合体およびその熱可塑性樹脂組成物
JP3547874B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3405811B2 (ja) 複合ゴム系グラフト共重合体およびそれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物
US20230416441A1 (en) Polyorganosiloxane-containing polymer, composition, and molded article
JPH093146A (ja) 粉体特性に優れたエポキシ基含有グラフト共重合体粉体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070929

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080929

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080929

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 12

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term