JP3314275B2 - 耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性樹脂組成物

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JP3314275B2
JP3314275B2 JP20493292A JP20493292A JP3314275B2 JP 3314275 B2 JP3314275 B2 JP 3314275B2 JP 20493292 A JP20493292 A JP 20493292A JP 20493292 A JP20493292 A JP 20493292A JP 3314275 B2 JP3314275 B2 JP 3314275B2
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昭 柳ヶ瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐衝撃性を発現
する耐衝撃性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、ポリ
オルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレ−
トとから成る複合ゴムにビニル系単量体をグラフトさせ
たグラフト共重合体と、ポリアルキル(メタ)アクリレ
−トにビニル系単量体をグラフト重合させたグラフト共
重合体との混合物よりなる耐衝撃性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の耐衝撃性樹脂が開発され、
また耐衝撃性樹脂の性能を高めるために種々の努力が重
ねられてきた。その中で、ゴム層のTg及び弾性率の低
下に着目し、低いTgと低い弾性率とを合わせ持つポリ
オルガノシロキサンゴムが注目され、耐衝撃性樹脂のゴ
ム源に利用することが検討されてきた。このような例
は、特開昭61−138654号公報に公開されてい
る。
【0003】しかし、このポリオルガノシロキサンゴム
をゴム源とする耐衝撃性樹脂は、ポリオルガノシロキサ
ンに由来する艶消し様の悪い表面外観を有する。そこ
で、この表面外観を改良する為に、ポリオルガノシロキ
サンとポリアルキル(メタ)アクリレ−トとを複合ゴム
化させ、これにビニル系単量体をグラフト重合させた複
合ゴム系グラフト共重合体が特開昭63−6985
公報などに開示されている。また、ポリオルガノシロキ
サンとポリアルキル(メタ)アクリレ−トとを複合ゴム
化させ、ビニル系重合体と配合して成る樹脂組成物が特
開平1−282239号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これ等に開
示されている複合ゴム系グラフト共重合体を耐衝撃性樹
脂のゴム成分とした場合、特に低温下での耐衝撃性の発
現が十分でないものであった。本発明は、低温下での耐
衝撃性も良好な耐衝撃性樹脂を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、複合ゴム
系グラフト共重合体について鋭意検討した結果、耐衝撃
性グラフト共重合体をポリオルガノシロキサンとポリア
ルキル(メタ)アクリレ−トとから成る複合ゴムにビニ
ル系重合体をグラフト重合した複合ゴムグラフト共重合
体と、ポリアルキル(メタ)アクリレ−トにビニル系重
合体をグラフト重合したアクリルゴムグラフト共重合体
とを混合することにより、高い耐衝撃性を発現し、低温
下での耐衝撃性も良好な樹脂組成物が得られることを見
出し、またこの樹脂に各種熱可塑性樹脂を配合して耐衝
撃性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達
した。
【0006】即ち、本発明は、(A)ポリオルガノシロ
キサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレ−ト成分と
が分離出来ない様に相互に絡み合った構造を有した複合
ゴムにビニル系単量体をグラフト重合した複合ゴムグラ
フト共重合体5〜90重量%と、(B)ポリアルキル
(メタ)アクリレ−トにビニル系単量体をグラフト重合
したアクリルゴムグラフト共重合体95〜10重量%と
からなる樹脂組成物であって、上記複合ゴムグラフト共
重合体及び上記アクリルゴムグラフト共重合体の数平均
粒子径が0.08μmを超え0.6μm未満の範囲であ
り、且つ複合ゴムグラフト共重合体の数平均粒子径がア
クリルゴムグラフト共重合体の数平均粒子径より大きい
ことを特徴とする耐衝撃性樹脂組成物である。また本発
明は、この耐衝撃性樹脂組成物5〜90重量%と、
(C)ポリビニル置換系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹
脂、ポリアセタ−ル樹脂、ポリフェニレンエ−テル樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂から選ばれた少な
くとも一種の熱可塑性樹脂10〜95重量%とからなる
耐衝撃性樹脂組成物である。本発明について詳しく説明
する。
【0007】1.(A)複合ゴムグラフト共重合体につ
いて。本発明において用いる複合ゴムグラフト共重合体
は、ポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メ
タ)アクリレ−ト成分とが分離出来ない様に相互に絡み
合った構造を有した複合ゴムに、ビニル系単量体をグラ
フト重合した複合ゴムグラフト共重合体である。
【0008】上記のポリオルガノシロキサンは、ジアル
キルシロキサンと必要に応じてシロキサン系グラフト交
叉剤及び/又はシロキサン系架橋剤とから構成される。
ジアルキルシロキサンとしては、3員環以上の各種のオ
ルガノシロキサン系環状体が挙げられ、好ましく用いら
れるのは、3〜6員環である。例えばヘキサメチルシク
ロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチル
シクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシク
ロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロ
テトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキ
サン等が挙げられ、これらは単独で又は二種以上混合し
て用いられる。これらの使用量は、オルガノシロキサン
系混合物中の50重量%以上、好ましくは70重量%以
上である。
【0009】シロキサン系架橋剤としては、3官能性又
は4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチ
ルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポ
キシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。特
に4官能性の架橋剤が好ましく、その中でもテトラエト
キシシランが特に好ましい。架橋剤の使用量は、オルガ
ノシロキサン系混合物のうち0〜30重量%、好ましく
は0〜10重量%である。
【0010】シロキサン系グラフト交叉剤としては、β
−メタクリロイルオキシエチルジメトキシシラン、γ−
メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチ
ルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキ
シジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
ジエトキシメチルシランδ−メタクリロイルオキシブチ
ルジエトキシメチルシラン等が挙げられ、これらはポリ
オルガノシロキサン中で下式(I−1)に示す単位を形
成する。またテトラメチルテトラビニルシクロテトラシ
ロキサン等のビニルシロキサンが挙げられ、これらはポ
リオルガノシロキサン中で下式(I−2)に示す単位を
形成する。またp−ビニルフェニルメチルジメトキシシ
ラン、2−(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメト
キシシラン、3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピ
ルメチルジメトキシシラン等が挙げられ、これらはポリ
オルガノシロキサン中で下式(I−3)に示す単位を形
成する。更にγ−メルカプトプロピルジメトキシメチル
シラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラ
ン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシランな
どが挙げられ、これらはポリオルガノシロキサン中で下
式(I−4)に示す単位を形成する。
【0011】 CH2=CR2−COO−(CH2P−SiR1 n(3-n)/2 (I−1) CH2=CH−SiR1 n(3-n)/2 (I−2) CH2=CR2−R3−SiR1 n(3-n)/2 (I−3) HS−(CH2P−SiR1 n(3-n)/2 (I−4) (各式中R1はメチル基、エチル基、プロピル基又はフ
ェニル基を、R2は水素原子又はメチル基、R3はフェニ
レン基、nは0、1又は2、pは1〜6の数を示す。)
【0012】式(I−1)の単位を形成し得る(メタ)
アクリロイルオキシシロキサンはグラフト効率が高いた
め有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝
撃性発現の点で有利である。グラフト交叉剤の使用量は
オルガノシロキサン系混合物中の0〜10重量%であり
好ましくは、0.1〜5重量%である。
【0013】ジアルキルシロキサンとシロキサン系架橋
剤及び/又はシロキサン系グラフト交叉剤から成るポリ
オルガノシロキサンラテックスの作成には、重合開始剤
である酸及び水と必要に応じて乳化剤が必要である。こ
こで添加する酸としては、ドデシルベンゼンスルホン
酸、ラウリルスルホン酸、硫酸などの中から一種又は二
種が併用して用いられる。乳化剤は、アニオン系乳化
剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラ
ウリルスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テル硫酸エ
ステルナトリウムなどの中から選ばれた乳化剤が使用さ
れる。特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラ
ウリルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化
剤が好ましい。これらの酸と乳化剤の使用量は、オルガ
ノシロキサン系混合物100部に対して、0.1〜30
部の範囲で使用される。0.1部未満では分散状態が不
安定となり微小な粒子径の乳化状態を保てなくなる。ま
た30部を超えると得られたポリオルガノシロキサンの
乳化剤に起因する着色が甚だしくなり不都合である。
【0014】本発明のポリオルガノシロキサンは、高速
回転による剪断力で微粒子化するホモミキサ−や、高圧
発生機による噴出力で微粒子化するホモゲナイザ−等を
使用し、オルガノシロキサン系の混合物と水をドデシル
ベンゼンスルホン酸等の酸や必要に応じて乳化剤を添加
して乳化させ、ラテックスを加熱重合させたのち、アル
カリ性物質によりドデシルベンゼンスルホン酸等の酸を
中和し、ポリオルガノシロキサンのラテックスとして得
ることが出来る。
【0015】上記のごとくして製造したポリオルガノシ
ロキサンラテックスに、アルキル(メタ)アクリレ−ト
とグラフト交叉剤及び/又は架橋剤を重合させて複合ゴ
ムを得る。アルキル(メタ)アクリレ−トとしては、例
えばメチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n−プ
ロピルアクリレ−ト、n−ブチルアクリレ−ト、2−エ
チルヘキシルアクリレ−ト等のアルキルアクリレ−ト及
びヘキシルメタアクリレ−ト、2−エチルヘキシルアク
リレ−ト、n−ラウリルメタクリレ−ト等のアルキルメ
タクリレ−トが挙げられ、特にn−ブチルアクリレ−ト
の使用が好ましい。
【0016】架橋剤としては、例えばアリルメタクリレ
−ト、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、プロピレ
ングリコ−ルジメタクリレ−ト、1,3−ブチレングリ
コ−ルジメタクリレ−ト、1,4−ブチレングリコ−ル
ジメタクリレ−ト等が挙げられる。また、グラフト交叉
剤としては、例えばアリルメタクリレ−ト、トリアリル
シアヌレ−ト、トリアリルイソシアヌレ−ト等が挙げら
れる。アリルメタクリレ−トは架橋剤としても用いるこ
とができる。これらの架橋剤、グラフト交叉剤は単独又
は二種以上併用して用いられる。これら架橋剤及び/又
はグラフト交叉剤の使用量は、ポリアルキル(メタ)ア
クリレ−ト系ゴム成分中0.1〜20重量%、好ましく
は0.5〜10重量%である。
【0017】中和されたポリオルガノシロキサンゴムの
ラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレ−ト及び
架橋剤及び/又はグラフト交叉剤を添加し、通常のラジ
カル重合開始剤を作用させることによりポリオルガノシ
ロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレ−トとの複合
ゴムが得られる。このアルキル(メタ)アクリレ−トの
重合は通常のラジカル重合により行われる。ラジカル重
合法としては、過酸化物を用いる方法、アゾ系開始剤を
用いる方法、酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス
系開始剤を用いる方法等がある。この中でレドックス系
開始剤を用いる方法が好ましく、特に硫酸第一鉄・エチ
レンジアミン四酢酸ニナトリウム塩・ロンガリット・ヒ
ドロパ−オキサイドを組み合わせたスルホキシレ−ト系
開始剤が好ましい。
【0018】なお本発明の実施に際しては、このポリオ
ルガノシロキサン系ゴムが、ジアルキルオルガノシロキ
サンとしてオクタメチルテトラシクロシロキサンを用
い、シロキサン系架橋剤としてテトラエトキシシランを
用い、シロキサン系グラフト交叉剤としてγ−メタクリ
ロキシプロピルジメトキシメチルシランを用いて製造し
たゴムであり、また複合ゴム化させるポリアルキル(メ
タ)アクリレ−トゴム成分の主骨格がn−ブチルアクリ
レ−トの繰返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いら
れる。
【0019】このようにして乳化重合により調整された
複合ゴムは、ポリオルガノシロキサン成分とポリアルキ
ル(メタ)アクリレ−ト成分とが分離出来ない様に相互
に絡み合った構造を有しており、ビニル系単量体とグラ
フト共重合可能である。この複合ゴムに、ビニル系単量
体をグラフト重合させて複合ゴムグラフト共重合体を製
造する。ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合
物;メチルメタクリレ−ト、2−エチルヘキシルメタク
リレ−ト等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレ−
ト、エチルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト等のアク
リル酸エステル;アクリロニトリルメタクリロニトリル
等のシアン化ビニル化合物;グリシジルメタクリレ−ト
等のエポキシ基含有ビニル化合物;メタクリル酸などの
カルボン酸基含有ビニル化合物などの各種ビニル系単量
体が挙げられ、これらは単独で又は二種以上組み合わせ
て用いられる。
【0020】複合ゴムグラフト共重合体を得る際の上記
複合ゴムと上記ビニル系単量体の割合は、得られるグラ
フト共重合体の重量を基準にして複合ゴム10〜90重
量%好ましくは15〜60重量%であり、ビニル系単量
体は10〜90重量%、好ましくは40〜85重量%で
ある。ビニル系単量体が10重量%未満では樹脂中での
グラフト樹脂成分の分散が十分でなく、また90重量%
を超えると耐衝撃強度発現性が低下するので好ましくな
い。複合ゴム系グラフト共重合体は、上記ビニル系単量
体を複合ゴムラテックスに加え、ラジカル重合技術によ
って一段で、或いは多段で重合させて得られる。
【0021】2.(B)アクリルゴムグラフト共重合体
について。本発明で用いられる(B)アクリルゴムグラ
フト共重合体は、ポリアルキル(メタ)アクリレ−トに
ビニル系単量体をグラフト重合したポリアルキル(メ
タ)アクリレ−トグラフト共重合体である。この共重合
体は通常のグラフト共重合体の製造法で製造できる。す
なわち、アルキル(メタ)アクリレ−ト並びに架橋剤及
び/又はグラフト交叉剤を配合し、通常のラジカル重合
開始剤を作用させることによりポリアルキル(メタ)ア
クリレ−トを得、これにビニル系単量体をグラフト重合
させることにより得ることができる。
【0022】上記のアルキル(メタ)アクリレ−トとし
ては、例えばメチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−
ト、n−プロピルアクリレ−ト、n−ブチルアクリレ−
ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト等のアルキルアク
リレ−ト、及びヘキシルメタアクリレ−ト、2−エチル
ヘキシルメタアクリレ−ト、n−ラウリルメタクリレ−
ト等のアルキルメタクリレ−トが挙げられ、特にn−ブ
チルアクリレ−トの使用が好ましい。
【0023】上記の架橋剤としては、例えばアリルメタ
クリレ−ト、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、プ
ロピレングリコ−ルジメタクリレ−ト、1,3−ブチレ
ングリコ−ルジメタクリレ−ト、1,4−ブチレングリ
コ−ルジメタクリレ−ト等が挙げられる。また、上記の
グラフト交叉剤としては、例えばアリルメタクリレ−
ト、トリアリルシアヌレ−ト、トリアリルイソシアヌレ
−ト等が挙げられる。アリルメタクリレ−トは架橋剤と
しても用いることができる。これらの架橋剤及び/又は
グラフト交叉剤は単独又は二種以上併用して用いられ
る。架橋剤及び/又はグラフト交叉剤の使用量は、ポリ
アルキル(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分中0.1〜2
0重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0024】上記の如くして製造したポリアルキル(メ
タ)アクリレ−トゴムにグラフト重合させるビニル系単
量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリ
レ−ト、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト等のメタク
リル酸エステル;メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ
−ト、ブチルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニ
ル化合物;グリシジルメタクリレ−ト等のエポキシ基含
有ビニル化合物;メタクリル酸などのカルボン酸基含有
ビニル化合物などの各種ビニル系単量体が挙げられ、こ
れらは単独で又は二種以上組み合わせて用いられる。
【0025】3.(A)複合ゴムグラフト共重合体と
(B)アクリルゴムグラフト共重合体の配合について。
上記の如くしてグラフト重合を終了した(A)複合ゴム
グラフト共重合体ラテックスと(B)アクリルゴムグラ
フト共重合体ラッテクスとを混合し、このラテックス混
合物を、塩化カルシウム又は硫酸アルミニウム等の金属
塩を溶解した熱水中に投入し、塩析・凝固することによ
り、(A)複合ゴムグラフト共重合体と(B)アクリル
ゴムグラフト共重合体の混合物を分離・回収することが
できる。この(A)複合ゴムグラフト共重合体とアクリ
ルゴムグラフト共重合体は、それらの数平均粒子径が
0.08μmを超え0.6μm未満の範囲になるように
する。また、アクリルゴムグラフト共重合体の数平均粒
子径は、(A)複合ゴムグラフト共重合体の数平均粒子
径より小さくなければならない。
【0026】耐衝撃性を最大限に発揮するには、材料の
体積の変化を伴わない塑性変形によりエネルギ−を吸収
する変形と、クレ−ズなどの形で材料のみかけの体積の
変化を伴うクレ−ズ変形によりエネルギ−を吸収する変
形とを材料内部で有効に形成させる必要がある。比較的
小粒径のグラフトゴム粒子の存在によって、前者の塑性
変形によるエネルギ−の吸収が行われ、また比較的大き
なグラフトゴム粒子によって、後者のクレ−ズ変形によ
るエネルギ−の吸収が行われる。本発明の(A)複合ゴ
ムグラフト共重合体と(B)アクリルゴムグラフト共重
合体は、この観点から選ばれたものであって、後者の数
平均粒子径を前者の数平均粒子径より小さくすることに
よって、耐衝撃性に優れた樹脂組成物が得られる。
【0027】また、(A)複合ゴムグラフト共重合体及
び(B)アクリルゴムグラフト共重合体の数平均粒子径
がそれぞれ0.6μmより大きくなると、耐衝撃性樹脂
とした場合、顔料や染料の分散性が悪くなり実用に耐え
なくなる。またこれらのグラフト共重合体の数平均粒子
径がそれぞれ0.08μmより小さくなると、耐衝撃性
樹脂の表面の硬度が低下し好ましくない。なお、粒子径
の測定は、押出・成形によりゴムグラフト共重合体をポ
リメチルメタクリレ−トなどの樹脂中に分散させ、ルテ
ニウム酸などにより染色したのちミクロト−ムにより超
薄切片を作成し、電子顕微鏡により写真撮影し、各粒子
の長径と短径の平均から粒子の平均径を求め、250〜
300個の粒子の平均より数平均粒子径を求める方法で
行う。
【0028】本発明では、(A)複合ゴムグラフト共重
合体と(B)アクリルゴムグラフト共重合体との配合比
率は、幅広い範囲で耐衝撃性向上の効果が認められる
が、特に、(A)複合ゴムグラフト共重合体と(B)ア
クリルゴムグラフト共重合体との配合比率が5:95か
ら90:10の範囲で混合する場合が好ましい。本発明
の(A)複合ゴムグラフト共重合体と(B)アクリルゴ
ムグラフト共重合体とからなる耐衝撃性樹脂組成物は、
通常の公知の混練機械によって押出し成形することが出
来る。このような機械としては押出機、射出成形機、ブ
ロ−成形機、インフレ−ション成形機等が挙げられる。
更にこの耐衝撃性樹脂組成物には、必要に応じて染顔
料、安定剤、補強剤、ガラス繊維、充填剤、難燃剤等を
配合し得る。
【0029】4.(C)熱可塑性樹脂について。本発明
の請求項2の発明で用いられる(C)成分の熱可塑性樹
脂は、ポリビニル置換系樹脂塩化ビニル系樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、
ポリアセタ−ル樹脂、ポリフェニレンエ−テル樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド樹脂から選ばれた少なくとも
一種の熱可塑性樹脂である。
【0030】上記のポリビニル置換系樹脂としては、芳
香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物及び(メ
タ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれた少なく
とも一種のビニル系単量体70〜100重量%とこれら
と共重合可能な他のビニル系単量体0〜30重量%を重
合して得られる単独重合体又は共重合体である。この芳
香族アルケニル化合物の具体例としてはスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、シアン
化ビニル化合物の具体例としてはアクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸エ
ステルの具体例としてはメチルアクリレ−ト、エチルア
クリレ−ト、ブチルアクリレ−ト、メチルメタクリレ−
ト、2−エチルヘキシルメタクリ−ト等が挙げられる。
これらは単独で又は二種以上組み合わせて用いられる。
共重合可能な他のビニル系単量体は所望により用いられ
るものであり、その使用量はビニル系重合体中30重量
%までである。共重合可能な他のビニル系単量体の具体
例としてはエチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0031】塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合
体及び塩化ビニルと共重合し得るビニル系単量体を多く
とも50重量%以下含んだ塩化ビニル系共重合体であ
る。この塩化ビニル系樹脂の重合度は、通常400〜2
500の範囲である。
【0032】ポリエステル樹脂は、ヒドロキシカルボン
酸の重縮合物又はジカルボン酸と飽和ジオ−ルとからの
合成によって得られる線状の飽和ポリエステルである。
ポリエステル樹脂の構成成分のうちジカルボン酸によっ
て構成される部分は、例えばテレフタル酸、イソフタル
酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられる。飽和ジ
オ−ルによって構成される部分は、エタンジオ−ル、プ
ロパンジオ−ル、ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、
ヘキサンジオ−ルなどの中から選ばれる。このようなポ
リエステル系樹脂には、ポリエチレンテレフタレ−ト、
ポリトリメチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフ
タレ−ト、ポリヘキサメチレンテレフタレ−ト及びこれ
らの共重合体などが含まれる。
【0033】ポリアミド樹脂は、エチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカ
メチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジ
アミンやp−キシレンジアミンなどの芳香族ジアミン
と、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの
脂肪族や芳香族のジカルボン酸とから導かれるポリアミ
ド樹脂:ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムなど
のラクタム類から開環重合により得られるポリアミド樹
脂である。ここで用いられるポリアミド樹脂の重合度
は、特に限定されるものではないが、98重量%硫酸1
00mlにポリマ−1gを溶解させた時の相対粘度が
2.0〜5.5の範囲内にあるポリアミド樹脂が好まし
い。
【0034】ポリカ−ボネ−ト樹脂は、ビスフェノ−ル
類とホスゲンあるいはジアリルカ−ボネ−トとを反応さ
せて得られるものである。ビスフェノ−ル類としては、
ビス(ヒドロキシアリ−ル)アルカンが好ましく、例え
ば2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
モフェニル)プロパンなどが挙げられる。これらビスフ
ェノ−ル類は、単独で又は混合して使用される。ここで
用いられるポリカ−ボ−ト樹脂の重合度については特に
限定されないが、極限粘度(塩化メチレン、20℃)が
0.3〜1.2程度のものが好ましい。
【0035】ポリアセタ−ル樹脂は、オキシメチレン単
位(−CH2O−)の繰返しよりなる重合体であり、ホ
ルムアルデヒド、トリオキサンを単独重合させることに
よって得られる。ポリアセタ−ル共重合体とは、オキシ
メチレン単位より成る連鎖中に、オキシアルキレン単位
がランダムに挿入された構造を有する重合体である。ポ
リアセタ−ル共重合体中のオキシアルキレン単位の挿入
率は、オキシメチレン単位100モルに対して0.05
〜50モル、より好ましくは0.1〜20モルである。
オキシアルキレン単位の例としては、オキシエチレン単
位、オキシプロピレン単位、オキシトリメチレン単位、
オキシテトラメチレン単位、オキシブチレン単位、オキ
シフェニルエチレン単位等がある。これらのオキシエチ
レン単位の中でも、ポリアセタ−ル組成物の性能を高め
るのに好適な成分は、オキシメチレン単位及びオキシテ
トラメチレン単位の組み合わせである。
【0036】ポリフェニレンエ−テル樹脂は、下記の式
【0037】
【化1】
【0038】式中Q1〜Q4は水素及び炭化水素からなる
群からそれぞれ独立に選択され、mは30以上の数を示
す。)で表される単独重合体又は共重合体である。かか
るポリフェニレンエ−テル樹脂の具体例としては、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ−テル、
ポリ(2,6−ジエチル−1,4フェニレン)エ−テ
ル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)
エ−テル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フ
ェニレン)エ−テル、ポリ(2−メチル−6−プロピル
−1,4−フェニレン)エ−テル、ポリ(2−エチル−
6−プロピル−1,4−フェニレン)エ−テル、(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ−テルと(2,
3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エ−テルと
の共重合体、(2,6−ジエチル−1,4−フェニレ
ン)エ−テルと(2,3,6−トリメチル−1,4−フ
ェニレン)エ−テルとの共重合体、(2,6−ジメチル
−1、4−フェニレン)エ−テルと(2,3,6−トリ
エチル−1,4−フェニレン)エ−テルとの共重合体等
が挙げられる。特にポリ(2,6−ジメチル−1,4−
フェニレン)エ−テル、及び、(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エ−テルと(2,3,6−トリメ
チル−1,4−フェニレン)エ−テルとの共重合体が好
ましく、さらに好ましくはポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エ−テルである。これらポリフェ
ニレンエ−テル樹脂はあらゆる配向比率でポリスチレン
樹脂に対して相溶性を有する。
【0039】本発明において用いられるポリフェニレン
エ−テル樹脂の重合度は特に制限されるものではない
が、25℃クロロホルム溶媒下においての還元粘度が
0.3〜0.7dl/gのものが好ましく用いられる。
0.3dl/g未満の還元粘度のものでは熱安定性が悪
くなる傾向があり、また0.7dl/gを越える還元粘
度のものでは成形性が損なわれる傾向がある。これらの
ポリフェニレンエ−テル樹脂は単独で又は2種以上混合
して用いられる。
【0040】また、ポリフェニレンサルファイド樹脂
は、下記の繰返し単位:
【0041】
【化2】
【0042】を有する重合体で、重合度が100〜40
0のものが好ましい。このポリフェニレンサルファイド
樹脂は、p−ジクロロベンゼンと硫化ナトリウムを出発
原料として重合できる。
【0043】上記の(C)成分の熱可塑性樹脂は、
(A)複合ゴムグラフト共重合体と(B)アクリルゴム
グラフト共重合体とからなる耐衝撃性樹脂組成物5〜9
0重量%に対して、10〜95重量%の割合で配合す
る。10重量%未満では、添加される熱可塑性樹脂の量
が少ないため、満足な成形性が得られない。また、
(C)成分の量が95重量%を越えると、添加される複
ゴム系グラフト共重合体の量が少ないために耐衝撃性が
向上せず使用に堪えない。
【0044】この(A)複合ゴムグラフト共重合体と
(B)アクリルゴムグラフト共重合体とからなる耐衝撃
性樹脂組成物及び(C)熱可塑性樹脂からなる樹脂組成
物は、耐衝撃性に優れており、通常の公知の混練機械に
よって押出成形することができる。このような機械とし
ては押出機、射出成形機、ブロ−成形機、インフレ−シ
ョン成形機等が挙げられる。更に、この樹脂組成物に
は、必要に応じて染顔料、安定剤、補強剤、ガラス繊
維、充填剤、難燃剤等を配合し得る。
【0045】本発明の好ましい実施態様は次ぎのとおり
である。 1.複合ゴムが、ジアルキルシロキサンと所望によりグ
ラフト交叉剤及び/又は架橋剤とを用い乳化重合により
得られたポリオルガノシロキサン成分と、アルキル(メ
タ)アクリレ−トとグラフト交叉剤及び/又は架橋剤を
重合させて得られたポリアルキル(メタ)アクリレ−ト
成分とからなる請求項1又は請求項2記載の耐衝撃性樹
脂組成物。 2.ポリオルガノシロキサン成分の主骨格がジメチルシ
ロキサンの繰返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)ア
クリレ−ト成分の主骨格がn−ブチルアクリレ−トの繰
返し単位を有する請求項1又は請求項2記載の耐衝撃性
樹脂組成物。
【0046】
【実施例】以下参考例、実施例により本発明を説明す
る。なお、参考例、実施例中「部」及び「%」は、特に
断らない限り「重量部」「重量%」を意味する。なお、
アイゾット衝撃強度の測定は、ASTM D−256の
方法に準拠した。
【0047】参考例1 テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイロキシプ
ロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン97.5部を混合しシロキサ
ン混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.67部、ドデシルベンセンスルホ
ン酸0.67部を溶解した蒸留水300部を添加し、ホ
モミキサ−にて10,000rpmで2分間撹拌した後
ホモゲナイザ−を300Kg/cm2の圧力で2回通
し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得
た。冷却コンデンサ−を備えたセパラブルフラスコに、
このラテックスを入れラテックスを85℃に加熱し、3
時間この温度を維持した後冷却した。
【0048】得られたラテックスを室温で12時間保持
した後、苛性ソ−ダ水溶液で中和しポリジメチルシロキ
サンラテックス−1を得た。このラテックスを170℃
で30分間乾燥した後の固形分は、21.8wt%であ
った。また、得られたラテックスをイソプロパノ−ル中
に滴下し凝固・乾燥したポリジメチルシロキサンについ
て、23℃、48時間でのトルエン溶媒下での膨潤度・
ゲル含量を測定したところ、それぞれ19.8%及び8
6.3%であった。更に、得られたラテックスの数平均
粒子径を求めたところ0.21μmであった。
【0049】この様にして得たポリオルガノシロキサン
ラテックス−1の11.5部を、セパラブルフラスコに
採取し、蒸留水200部を添加混合したのち、ブチルア
クリレ−ト22.05部、アリルメタクリレ−ト0.4
5部、キュメンヒドロパ−オキサイド0.08部を混合
してポリオルガノシロキサンラテックス中に添加した。
このセパラブルフラスコに窒素気流を通じることにより
窒素置換を行い、60℃まで昇温した。液温が60℃と
なった時点で硫酸第一鉄0.003部、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム塩0.009部、ロンガリット
0.4部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加しラ
ジカル重合を開始せしめた。ブチルアクリレ−ト混合液
の重合により液温は68℃まで上昇した。1時間この状
態を維持し、ブチルアクリレ−トの重合を完結させポリ
オルガノシロキサンとブチルアクリレ−トとの複合ゴム
を得た。
【0050】液温が60℃に低下したのちアクリロニト
リル11.25部、スチレン26.25部、キュメンヒ
ドロパ−オキサイド0.1部の混合液を2時間にわたっ
て滴下し重合した。滴下終了後60℃の温度を1時間保
持したのち、再びアクリロニトリル11.25部、スチ
レン26.25部、n−オクチルメルカプタン0.03
部、キュメンヒドロパ−オキサイド0.1部の混合液を
2時間にわたって滴下し重合した。60℃の温度を2時
間保持したのち、冷却し、ポリジメチルシロキサンとポ
リブチルアクリレ−トとからなる複合ゴムにアクリロニ
トリル−スチレン共重合体をグラフト重合させた複合ゴ
ム系グラフト共重合体ラテックスF−1を得た。複合ゴ
ム系グラフト共重合体の粒子の状態を、透過型電子顕微
鏡により測定した。本参考例の複合ゴム系グラフト共重
合体の数平均粒子径は、0.21μmであった。
【0051】参考例2〜4 参考例1において作成したポリジメチルシロキサンラテ
ックス−1を使用し、ポリオルガノシロキサンとポリブ
チルアクリレ−トとの量比のみが異なる複合ゴム系グラ
フト共重合体を作成した。仕込み量比を表1に示す。複
合ゴムを作成したのちアクリロニトリル−スチレン共重
合体を参考例1と同様の条件でグラフト重合し複合ゴム
系グラフト共重合体F−2〜F−4を作成した。これら
のグラフト共重合体について、透過型電子顕微鏡による
観察を実施し数平均粒子径を測定した。結果を表1に示
す。
【0052】
【表1】
【0053】参考例5 セパラブルフラスコに蒸留水209部を採取しドデシル
ベンセンスルホン酸ナトリウム0.5部を溶解させ、窒
素気流を通じ窒素置換を行った後、60℃まで昇温し、
液温が60℃となった時点で硫酸第一鉄0.003部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.009部、
ロンガリット0.4部を蒸留水10部に溶解させた水溶
液を添加した後、ブチルアクリレ−ト24.8部、アリ
ルメタクリレ−ト0.2部、キュメンヒドロパ−オキサ
イド0.1部を混合して乳化剤水溶液中に1時間にわた
って滴下しラジカル重合を開始せしめた。ブチルアクリ
レ−ト混合液の重合により液温は65℃まで上昇した。
1時間この状態を維持し、ブチルアクリレ−トの重合を
完結させた後、アクリロニトリル11.25部、スチレ
ン26.25部、キュメンヒドロパ−オキサイド0.1
部の混合液を2時間にわたって滴下し重合した。滴下終
了後60℃の温度を1時間保持したのち、再びアクリロ
ニトリル11.25部、スチレン26.25部、n−オ
クチルメルカプタン0.03部、キュメンヒドロパ−オ
キサイド0.1部の混合液を2時間にわたって滴下し重
合した。60℃の温度を2時間保持したのち、冷却しポ
リブチルアクリレ−トグラフト共重合体F−5を得た。
【0054】参考例6 参考例1で得たポリオルガノシロキサンラテックス−1
を45.9部セパラブルフラスコに採取し、蒸留水20
0部を添加混合したのち、ブチルアクリレ−ト73.5
部、アリルメタクリレ−ト1.5部、キュメンヒドロパ
−オキサイド0.3部を混合してポリオルガノシロキサ
ンラテックス中に添加した。このセパラブルフラスコに
窒素気流を通じることにより窒素置換を行い、60℃ま
で昇温した。液温が60℃となった時点で硫酸第一鉄
0.003部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩
0.009部、ロンガリット0.4部を蒸留水10部に
溶解させた水溶液を添加しラジカル重合を開始せしめ
た。ブチルアクリレ−ト混合液の重合により液温は68
℃まで上昇した。1時間この状態を維持し、ブチルアク
リレ−トの重合を完結させポリオルガノシロキサンとブ
チルアクリレ−トとの複合ゴムを得た。
【0055】液温が60℃に低下したのちメチルメタク
リレ−ト15部、キュメンヒドロパ−オキサイド0.1
部の混合液を2時間にわたって滴下し重合した。滴下終
了後60℃の温度を1時間保持したのち冷却し、ポリジ
メチルシロキサンとポリブチルアクリレ−トとから成る
複合ゴムにメチルメタクリレ−ト共重合体をグラフト重
合させた複合ゴム系グラフト共重合体ラテックスF−6
を得た。複合ゴム系グラフト共重合体の粒子の状態を、
透過型電子顕微鏡により測定した。本参考例の複合ゴム
系グラフト共重合体の数平均粒子径は、0.22μmで
あった。
【0056】参考例7〜8 参考例1において作成したポリジメチルシロキサンラテ
ックス−1を使用し、ポリオルガノシロキサンとポリブ
チルアクリレ−トとの量比のみが異なる複合ゴム系グラ
フト共重合体を作成した。仕込み量比を表2に示す。複
合ゴムを作成したのちメチルメタクリレ−ト共重合体を
参考例6と同様の条件でグラフト重合し複合ゴム系グラ
フト共重合体F−7〜F−8を作成した。これらのグラ
フト共重合体について、透過型電子顕微鏡による観察を
実施し数平均粒子径を測定した。結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】参考例9 セパラブルフラスコに蒸留水209部を採取しドデシル
ベンセンスルホン酸ナトリウム0.5部を溶解させ、窒
素気流を通じ窒素置換を行った後、60℃まで昇温し、
液温が60℃となった時点で硫酸第一鉄0.003部・
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.009部、
ロンガリット0.4部を蒸留水10部に溶解させた水溶
液を添加した後、ブチルアクリレ−ト83.3部、アリ
ルメタクリレ−ト1.7部、キュメンヒドロパ−オキサ
イド0.34部を混合して乳化剤水溶液中に1時間にわ
たって滴下しラジカル重合を開始せしめた。ブチルアク
リレ−ト混合液の重合により液温は72℃まで上昇し
た。1時間この状態を維持し、ブチルアクリレ−トの重
合を完結させた後、メチルメタクリレ−ト15部、キュ
メンヒドロパ−オキサイド0.06部の混合液を1時間
にわたって滴下し重合した。滴下終了後60℃の温度を
1時間保持したのち冷却し、ポリブチルアクリレ−トグ
ラフト共重合体F−9を得た。数平均粒子径は0.11
μmであった。
【0059】実施例1〜8及び比較例1〜2 参考例1〜5で得られたラテックスを表3に示す割合で
混合し、塩化カルシウム5部を溶解した200部の蒸留
水中に、50℃で滴下したのち90℃まで昇温し凝固し
た。得られた凝固ポリマ−を分離し乾燥し、(A)複合
ゴムグラフト共重合体と(B)アクリルゴムグラフト共
重合体とからなる耐衝撃性樹脂組成物を得た。この樹脂
組成物を25mmφ押出機により200℃で賦形しペレ
ットとした。このペレットを射出成形機(東芝機械製
IS30型)によりアイゾット衝撃強度測定試験片及び
ロックウエル強度測定試験片を作成し、アイゾット衝撃
強度(Kg・cm/cm)及びロックウエル強度を測定
した。測定結果を表3に示す。(A)複合ゴムグラフト
共重合体と(B)アクリルゴムグラフト共重合体とを混
合して用いた場合、耐衝撃性が向上することが分かる。
【0060】
【表3】
【0061】実施例9〜18及び比較例3〜7 参考例6〜9で得られたラテックスを使用し、表4に示
すポリマ−重量が得られる様にラテックスを秤量し、塩
化カルシウム5部を溶解した200部の蒸留水中に50
℃で滴下したのち90℃まで昇温し凝固したのち、分
離、乾燥し、(A)複合ゴムグラフト共重合体と(B)
アクリルゴムグラフト共重合体とからなる耐衝撃性樹脂
組成物を得た。
【0062】このようにして得られた耐衝撃性樹脂組成
物と(C)熱可塑性樹脂とを表4に示す割合で混合し、
内径30m/mの二軸押出機で温度220〜300℃の
範囲で溶融混練しペレットを作成した。このペレットを
乾燥したのち射出成形機〔住友重機(株)製プロマット
165/85)にて、成形温度220〜300℃の成形
温度でアイゾット衝撃強度測定試験片を成形し、アイゾ
ット衝撃強度試験(1/4’ノッチ付き、Kg・cm/
cm)を実施した。結果を表4に示す。
【0063】なお、実施例の(C)成分の熱可塑性樹脂
としては、次のものを用いた。 ポリビニル系樹脂:アクリロニトリル含量が27重量%
でクロロホルム中25℃で測定したηsp/Cが0.59
dl/gのアクリロニトリル−スチレン共重合体。 塩化ビニル樹脂:東亜合成化学(株)製、アロンTS7
00及び錫系熱安定剤 ポリエステル樹脂:三菱レイヨン(株)製、タフペット
PBT N−1000 ポリアミド樹脂:三菱化成(株)製、ノバミッド 10
12C ポリカ−ボネ−ト樹脂:三菱化成(株)製、ノバレック
ス 7025A ポリアセタ−ル樹脂:ポリプラスチック(株)製、ジュ
ラコン M90 ポリフェニレンエ−テル樹脂:クロロホルム中25℃で
測定したηsp/Cが0.56dl/gのポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレン)エ−テル50重量%と
200℃でのメルトインデックスが30g/10分であ
るポリスチレン50重量%とを混合した樹脂。 ポリフェニレンサルファイド樹脂:ト−プレン(株)
製、ト−プレンT−4
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃
性、特に、低温下での耐衝撃性に優れ、各種成形品の成
形材料として極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 公一 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−190746(JP,A) 特開 平3−20348(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/00 - 51/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリオルガノシロキサン成分とポリ
    アルキル(メタ)アクリレ−ト成分とが分離出来ない様
    に相互に絡み合った構造を有した複合ゴムにビニル系単
    量体をグラフト重合した複合ゴムグラフト共重合体5〜
    90重量%と、(B)ポリアルキル(メタ)アクリレ−
    トにビニル系単量体をグラフト重合したアクリルゴムグ
    ラフト共重合体95〜10重量%とからなる樹脂組成物
    であって、上記複合ゴムグラフト共重合体及び上記アク
    リルゴムグラフト共重合体の数平均粒子径が0.08μ
    mを超え0.6μm未満の範囲であり、且つ複合ゴムグ
    ラフト共重合体の数平均粒子径がアクリルゴムグラフト
    共重合体の数平均粒子径より大きいことを特徴とする耐
    衝撃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の耐衝撃性樹脂組成物5〜9
    0重量%と、(C)ポリビニル置換系樹脂、塩化ビニル
    系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカ−
    ボネ−ト樹脂、ポリアセタ−ル樹脂、ポリフェニレンエ
    −テル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂から選ば
    れた少なくとも一種の熱可塑性樹脂10〜95重量%と
    からなる耐衝撃性樹脂組成物。
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