JPH0525377A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JPH0525377A
JPH0525377A JP23562091A JP23562091A JPH0525377A JP H0525377 A JPH0525377 A JP H0525377A JP 23562091 A JP23562091 A JP 23562091A JP 23562091 A JP23562091 A JP 23562091A JP H0525377 A JPH0525377 A JP H0525377A
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JP
Japan
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polyorganosiloxane
weight
polyester resin
parts
graft
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Application number
JP23562091A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Yamamoto
直己 山本
Akira Yanagase
昭 柳ケ瀬
Akira Nakada
章 中田
Atsunori Koshirai
厚典 小白井
Sumi Yanagii
寿美 楊井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】強度、剛性等の機械的性質を保持しつつ耐衝撃
性、特に低温下での耐衝撃性を改善したポリエステル樹
脂組成物を得る。 【構成】(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、及び(B)
ポリオルガノシロキサンゴムに、エポキシ基を含有する
ビニル系単量体を含む1種以上のビニル単量体をグラフ
ト重合してなるポリオルガノシロキサン系グラフト共重
合体を主要樹脂成分とするものを溶融混合してなるポリ
エステル樹脂組成物。 【効果】耐衝撃性に優れており、成形品外観も良好であ
り、広い用途に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強度、剛性等の機械的性
質を保持しつつ耐衝撃性、特に低温下での耐衝撃性を改
善したポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より熱可塑性ポリエステル樹脂の耐
衝撃性等の機械的性質を改善する方法として多くの提案
があるが、その中でも特公昭58−47419号公報に
記載されているポリエステル樹脂にα−オレフィン/グ
リシジルメタクリレ−ト/酢酸ビニル共重合体を配合す
る方法は比較的優れた方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭58−
47419号の方法で得られた樹脂組成物は室温付近で
の耐衝撃性は優れているものの、0℃以下の低温では衝
撃強度の向上が充分でないという問題点をも有してい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
現状に鑑み、熱可塑性ポリエステル樹脂の耐衝撃性を0
℃以下の低温も含む広い範囲で改善したポリエステル樹
脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂に実質的に架橋構造を有する特定のポリオル
ガノシロキサンゴムに少なくともエポキシ基含有ビニル
系単量体を含む1種以上のビニル系単量体をグラフト重
合させてなるポリオルガノシロキサン系グラフト共重合
体樹脂を配合することにより上記目的を達成し得ること
を見出し、本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明の要旨とするところは、
(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、及び(B)オルガノ
シロキサン99.8〜60重量%とポリオルガノシロキ
サンゴム用架橋剤0.1〜30重量%とポリオルガノシ
ロキサン用グラフト交叉剤0.1〜10重量%とを共重
合した実質的に架橋構造を有するポリオルガノシロキサ
ンゴムに、エポキシ基含有ビニル系単量体を含む1種以
上のビニル系単量体を、共重合体全体に占めるエポキシ
基含有ビニル系共重量体に由来する成分の比率が2〜3
0重量%となるようにグラフト重合してなるポリオルガ
ノシロキサン系グラフト共重合体を主要樹脂成分とする
ものを溶融混合してなるポリエステル樹脂組成物にあ
る。
【0006】本発明において用いられる熱可塑性ポリエ
ステル樹脂は(a)芳香族ジカルボン酸と二価フェノ−
ル、低級脂肪族ジオ−ル又は脂環式ジオ−ルとを縮合し
てなるポリエステル、(b)芳香族ヒドロキシカルボン
酸からなる芳香族ポリエステル、又は、(c)上記
(a)及び(b)からなる共重合体を主な構成成分とす
るものである。
【0007】本発明で用いられる芳香族ジカルボン酸は
式、
【0008】
【化1】
【0009】で示される。〔式中、R4は置換もしくは
非置換のフェニレン基又は次式、
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Zは直接結合、−CH2−もしく
は−CO−を示す。)で示される基又はナフチレン基を
示す。〕ここで置換フェニレン基としては1〜4個の置
換基で置換されたフェニレン基を意味し、フェニレン基
の置換基としては例えば塩素、臭素、メチル基等を挙げ
ることができる。このような芳香族ジカルボン酸の具体
例としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニル−
m,m−ジカルボン酸、ジフェニル−p,p−ジカルボ
ン酸、ジフェニルメタン−m,m−ジカルボン酸、ジフ
ェニルメタン−p,p−ジカルボン酸、ベンゾフェノン
−4,4−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等を
例示でき、これらは単独で用いてもよく、2種以上混合
して用いてもよい。また、ポリエステルの物性を実用上
実質的に低下させない範囲であればアジピン酸やセバシ
ン酸等の脂肪族ジカルボン酸を少量併用することもでき
る。
【0012】また、本発明で用いる二価フェノ−ルとし
ては例えばヒドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシナ
フタレン、ビフェニルジオ−ル、1,8−ジヒドロキシ
アントラキノン等や次式、
【0013】
【化3】
【0014】(式中R5は酸素原子、硫黄原子、−CO
−,−SO2−又はハロゲンで置換されていてもよい炭
素数5以下のアルキレン基を示す。)を用いることがで
き、上記式の二価フェノ−ルの具体例としては2,2−
ビス(4−ジヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェ
ノ−ルA)、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4−ジヒド
ロキシジフェニルケトン、4,4−ジヒドロキシジフェ
ニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
2,2,2−トリクロロエタン等を挙げることができ
る。
【0015】本発明で用いる低級脂肪族ジオ−ルは炭素
数2〜6のアルキレンジオ−ルであり、この具体例とし
てエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,4
−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6
−ヘキサンジオ−ル等を例示できる。脂環式ジオ−ルと
してはシクロヘキサンジオ−ル、シクロヘキサンジメタ
ノ−ル等を例示できる。これらの二価フェノ−ル、低級
脂肪族ジオ−ル、脂環式ジオ−ルは単独の化合物を用い
てもよく上記の2種以上の化合物を混合して用いてもよ
い。
【0016】本発明に使用される芳香族ヒドロキシカル
ボン酸としては、
【0017】
【化4】
【0018】〔式中、R6はフェニレン基又は
【0019】
【化5】
【0020】(式中、Xは直接結合又は炭素数5以下の
アルキレン基を表す。)で示される基又はナフチレン基
を示す。〕で示されるヒドロキシカルボン酸を挙げるこ
とができる。このような芳香族ヒドロキシカルボン酸の
具体例としてm−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ
安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−(4
−ヒドロキシフェニル)−2−(4−カルボキシフェニ
ル)プロパン、4−ヒドロキシフェニル−4−カルボキ
シフェニルエ−テル等を示すことができ、これらを単独
で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0021】これらのポリエステルの中、ポリエチレン
テレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリ
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレ−トを本
発明におけるポリエステルとして用いた場合に低温を含
むより広い範囲での耐衝撃性を発揮できるので好ましく
用いられる。
【0022】本発明において用いられるポリオルガノシ
ロキサン系グラフト共重合体を構成するポリオルガノシ
ロキサンゴムは、オルガノシロキサンと架橋剤及びグラ
フト交叉剤を乳化重合することによって架橋微粒子とし
て得ることができる。このポリオルガノシロキサンゴム
成分のラテックスの製造にあたっては例えば米国特許第
2891920号明細書、同第3294725号明細書
等に記載された方法を用いることができる。本発明の実
施にあたっては、オルガノシロキサンと架橋剤とグラフ
ト交叉剤の混合液とをアルキルベンゼンスルホン酸、ア
ルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、
例えばホモジナイザ−等を用いて水とせん断混合する方
法で製造することが好ましい。スルホン酸系乳化剤とし
てはアルキルベンゼンスルホン酸がオルガノシロキサン
の乳化剤として作用すると同時に重合開始剤としても作
用するので好ましく用いられる。この際、アルキルベン
ゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を
併用するとグラフト重合を行う際にポリマ−の乳化状態
を安定に維持するのに効果があるので好ましい。
【0023】ポリオルガノシロキサンゴムの調製に用い
られるオルガノシロキサンとしては、3員環以上の環状
オルガノシロキサンが用いられ、、3〜6員環のものが
好ましく用いられる。このような環状オルガノシロキサ
ンの例としてヘキサメチルシクロトリシロキサン、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペ
ンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサ
ン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テ
トラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オ
クタフェニルシクロテトラシロキサン等を挙げることが
できる。本発明で用いるポリオルガノシロキサンゴムと
しては環状オルガノシロキサンに由来する成分がジメチ
ルシロキサンの繰り返し単位を有するものが好ましい。
【0024】ポリオルガノシロキサンゴムの調製に用い
られる架橋剤としては3官能性又は4官能性のもの、即
ち、トリアルコキシアルキルあるいはアリ−ルシラン又
はテトラアルコキシシランが用いられ、このような架橋
剤の具体例としてトリメトキシメチルシラン、トリエト
キシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブ
トキシシラン等を例示できる。本発明で用いる架橋剤と
してはテトラアルコキシシランが好ましく、上記の中で
はテトラエトキシシランが特に好ましく用いられる。
【0025】ポリオルガノシロキサンゴムの調製に用い
られるグラフト交叉剤としては次式
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】(各式中R1はメチル基、エチル基、プロ
ピル基又はフェニル基を示し、R2は水素原子又はメチ
ル基を示し、nは0,1又は2を示し、pは1〜6の整
数を示す。)で表される単位を形成し得る化合物等が用
いられる。
【0031】化6で表される単位を形成し得る(メタ)
アクリロイルオキシアルキルシロキサンはグラフト効率
が高いため効率的にグラフト鎖を形成することが可能で
あり、耐衝撃性発現の点で有利である。(メタ)アクリ
ロイルオキシアルキルシロキサンの中ではメタクリロイ
ルオキシアルキルシロキサンが好ましく、この具体例と
してβ−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチル
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジ
メチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメ
トキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロ
ピルエトキシジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロ
イルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられ
る。
【0032】化7で表される単位を形成し得るビニルシ
ロキサンとしてはビニルメチルジメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン等が挙げられ、化8で表される単
位を形成し得るメルカプトシロキサンとしてはγ−メル
カプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルジエトキシエチルシラン等を挙げることができる。ま
た、化9で表される単位を形成し得るグラフト交叉剤と
してはp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン等を
挙げることができる。化6〜化9の各式中nが0で表さ
れる単位を形成し得る化合物は架橋剤としても作用す
る。
【0033】ポリオルガノシロキサンゴム中、環状オル
ガノシロキサンに由来する成分は60重量%以上99.
8重量%以下、好ましくは70重量%以上99.8重量
%以下であり、架橋剤に由来する成分の量は0.1〜3
0重量%であり、グラフト交叉剤に由来する成分の量は
0.1〜10重量%である。架橋剤の使用量が0.1重
量%より少ないと実質的な架橋構造の形成が困難になり
得られる共重合体からの組成物の耐衝撃性が低下し、ま
た、30重量%を越える量用いても有効な架橋構造の量
は増加しない。グラフト交叉剤の使用量が0.1重量%
より少ないと後のグラフト重合時に有効なグラフト鎖が
形成されず、ポリオルガノシロキサンゴム粒子の組成物
中での分散が不良となり、また10重量%を越える量用
いるとグラフト重合時にグラフト交叉剤間の反応が起こ
り、いずれの場合も耐衝撃性が低下し本発明の目的を損
なう恐れがある。
【0034】こうして得られたポリオルガノシロキサン
ゴムはビニル系単量体とグラフト共重合可能である。本
発明で用いるポリオルガノシロキサン系グラフト共重合
体はこのポリオルガノシロキサンゴムにエポキシ基含有
ビニル系単量体を含む1種以上のビニル系単量体をグラ
フト重合してなるものであり、エポキシ基含有ビニル系
単量体に由来する成分がグラフト共重合体中に2〜30
重量%含まれるようになっていればエポキシ基含有ビニ
ル系単量体以外の他のビニル系単量体を共にグラフト重
合させても良い。
【0035】エポキシ基含有ビニル系単量体としては、
グリシジルメタクリレ−ト、グリシジルアクリレ−ト、
ビニルグリシジルエ−テル、アリルグリシジルエ−テ
ル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トのグリシ
ジルエ−テル、ポリアルキレングリコ−ル(メタ)アク
リレ−トのグリシジルエ−テル、グリシジルイタコネ−
トなどを例示することができ、これらの中でもグリシジ
ルメタクリレ−トの使用がより好ましい。これらは2種
以上併用してもよい。
【0036】エポキシ基含有ビニル系単量体と共重合可
能なビニル系単量体としては、メチルメタクリレ−ト、
2−エチルヘキシルメタクリレ−ト等のメタクリル酸エ
ステル;メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、ブ
チルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル;スチレン、
ハロゲン置換スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン等の芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等を
例示でき、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用
いられる。
【0037】グラフト共重合体におけるグラフトされた
ビニル系単量体に由来する成分の割合はグラフト共重合
体の重量を100重量%としたときに5〜50重量%で
あることが好ましく、10〜30重量%であることがよ
り好ましい。また、本発明で用いるポリオルガノシロキ
サン系グラフト共重合体としては、そのラテックスの平
均粒子径が0.08〜0.6μmの範囲にあることが好
ましく、平均粒子径が0.08μmより小さくなると十
分な衝撃強度を得るのが困難になり易く、0.6μmよ
り大きくなると得られる共重合体からの組成物を成形し
た際の表面外観が悪化する恐れがある。このような平均
粒子径を有するポリオルガノシロキサン系グラフト共重
合体は上述のポリオルガノシロキサンゴムラテックス存
在下で、エポキシ基含有ビニル系単量体を含む1種以上
の単量体を一段又は多段で乳化グラフト重合することに
より得ることができる。なお、エポキシ基含有ビニル系
単量体を含む1種以上の単量体としてエポキシ基含有ビ
ニル系単量体以外の単量体も用い、多段でグラフト重合
する場合は、最終段でエポキシ基含有ビニル系単量体を
添加するのが好ましい。
【0038】なお、グラフト重合においてはグラフト共
重合体の枝にあたる成分(ここではエポキシ基含有ビニ
ル系単量体を含む1種以上の単量体に由来する成分)が
幹成分(ここではポリオルガノシロキサンゴム)にグラ
フトせずに枝成分だけで重合して得られる所謂フリ−ポ
リマ−も副生し、グラフト共重合体とフリ−ポリマ−の
混合物として得られるが、本発明においてはこの両者を
合わせてグラフト共重合体という。
【0039】本発明で用いられるポリエステル樹脂とポ
リオルガノシロキサン系グラフト共重合体との配合割合
は得られる組成物の衝撃強度の点からポリエステル樹脂
100重量部に対してポリオルガノシロキサン系グラフ
ト共重合体が1〜70重量部であることが好ましく、5
〜50重量部であることがより好ましい。ポリオルガノ
シロキサン系グラフト共重合体が1重量部未満ではポリ
エステル樹脂の耐衝撃性の改善効果が乏しく、70重量
部を越えると組成物からの成形物の強度、剛性、耐熱性
が損なわれる傾向にある。本発明の組成物としては樹脂
成分が上述のものである限りは、組成物の耐熱性、機械
的強度等をより向上させるためにこれに更に充填剤を含
有させることができる。このような充填剤としては繊維
状、粒子状、粉体状等種々の形状のものを用いることが
できる。
【0040】充填剤としては例えばガラス繊維、炭素繊
維、チタン酸カリウム、アスベスト、炭化珪素、セラミ
ック繊維、金属繊維、窒化珪素、アラミド繊維、硫酸バ
リウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、三酸化アンチモン、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モ
リブデン、マイカ、タルク、カオリン、パイロフィライ
ト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、ウオラス
トナイト、その他のクレ−、フェライト、黒鉛、石膏、
ガラスビ−ズ、ガラスバル−ン、石英等を挙げることが
できる。充填剤を用いる場合には樹脂成分100重量部
に対して充填剤を10〜300重量部とすることが好ま
しい。10重量部未満では耐熱性、機械的強度等の向上
効果が小さく、300重量部を超えると組成物の溶融流
動性が悪くなり成形品の外観が損なわれる恐れがある。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて可塑剤、難燃
剤、滑剤、顔料等を配合し得る。
【0041】本発明の組成物は少なくともポリエステル
樹脂とポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体とを
溶融混合して得られるものであればどのような手段で調
製してもよいが、ポリオルガノシロキサン系グラフト共
重合体ラテックスを塩化カルシウム、硫酸マグネシウム
等の金属塩水溶液中に投入して塩析・凝固して分離回
収、乾燥して得たポリオルガノシロキサン系グラフト共
重合体乾燥粉とポリエステル樹脂と必要に応じて充填剤
とを押出機内で溶融混練、ペレット化するのが好まし
い。こうして得られるペレットは幅広い温度で成形可能
であり通常の射出成形機を用いて成形することができ
る。
【0042】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。各記載中「部」は「重量部」を示す。なお各実施
例、比較例での諸物性の測定は絶乾条件において下記の
方法により測定した。 平均粒子径:準弾性光散乱法(MALVERN SYS
TEM 4600、測定温度25℃、散乱角90°)に
よりラテックスを水で希釈したものを試料液として測定
した。 アイゾット衝撃強度:ASTM D 256の方法(1
/8”、ノッチ付き)で測定した。 熱変形温度:ASTM D 648の方法(高荷重1
8.6Kg/cm2)で測定した。 表面外観:目視により、パ−ル光沢が無いものを○、有
るものを×とした。
【0043】参考例1 テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメ
チルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロ
キサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸それぞ
れ1部を溶解した蒸留水200部に上記混合シロキサン
100部を加え、ホモミキサ−を用いて10,000r
pmで予備撹拌した後、ホモジナイザ−を用い300K
g/cm2の圧力で乳化させ、オルガノシロキサンラテ
ックスを得た。このラテックスをコンデンサ−及び撹拌
翼を備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混合しなが
ら80℃で5時間加熱した後20℃で48時間放置し、
その後、水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスのp
Hを7.0に中和することにより重合を完結させ、ポリ
オルガノシロキサンラテックス(ポリオルガノシロキサ
ンラテックス−1という)を得た。得られたポリオルガ
ノシロキサンゴムへの転化率は89.7%であった。
【0044】このポリオルガノシロキサンラテックス−
1を300部採取し、撹拌翼を備えたセパラブルフラス
コの中に入れ、窒素置換した後これを50℃に昇温し、
グリシジルメタクリレ−ト10部とtert−ブチルヒ
ドロパ−オキサイド0.024部の混合液を加えた。次
いでこれに硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.
3部及び蒸留水10部の混合液を加えラジカル重合さ
せ、内温70℃で4時間保持してグラフト重合体ラテッ
クスを得た。グリシジルメタクリレ−トの重合率は9
8.8%、グラフト共重合体ラテックスの平均粒子径は
0.20μmであった。得られたラテックスを塩化カル
シウム水溶液で凝固後、瀘別乾燥し、ポリオルガノシロ
キサン系グラフト共重合体(S−1という)を乾粉とし
て得た。
【0045】参考例2〜4 S−1の製造過程で得たポリオルガノシロキサンラテッ
クス−1を各々283部採取して撹拌翼を備えたセパラ
ブルフラスコの中に入れ、蒸留水90部を加え窒素置換
した後、これを60℃に昇温し、硫酸第一鉄0.002
部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006
部、ロンガリット0.3部及び蒸留水10部の混合液を
加え、グリシジルメタクリレ−ト7.5部と表1に示す
単量体とクメンヒドロペルオキシド0.04部との混合
液を20分かけて滴下し、滴下終了後2時間内温を60
℃に保持してポリオルガノシロキサンゴムへのグラフト
重合を行い、参考例1と同様の操作で凝固、乾燥を行い
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−2〜S
−4を得た。これらの共重合体の平均粒子径を表1に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】参考例5 S−1の製造過程で得たポリオルガノシロキサンラテッ
クス−1を283部採取し、撹拌翼を備えたセパラブル
フラスコの中に入れ、蒸留水100部を加え窒素置換し
た後、これを60℃に昇温し、硫酸第一鉄0.002
部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006
部、ロンガリット0.3部及び蒸留水10部の混合液を
加え、メチルメタクリレ−ト10部とクメンヒドロペル
オキシド0.03部の混合液を20分かけて滴下し、滴
下終了後1時間内温を60℃に保持し、ついでグリシジ
ルメタクリレ−ト5部とクメンヒドロペルオキシド0.
015部の混合液を10分かけて滴下し、滴下終了後2
時間内温を60℃に保持してグラフト重合を完了した。
ついで参考例1と同様の操作で凝固、乾燥を行いポリオ
ルガノシロキサン系グラフト共重合体S−5を得た。グ
ラフト共重合体ラテックスの平均粒子径は0.22μm
であった。
【0048】参考例6 シロキサン混合物をγ−メタクリロイルオキシプロピル
ジメトキシメチルシラン2部、オクタメチルシクロテト
ラシロキサン98部の混合物100部とする以外は実施
例1と同様にしてポリオルガノシロキサンラテックス
(ポリオルガノシロキサンラテックス−2という)を
得、これに参考例1と同様にしてグラフト重合を行いポ
リオルガノシロキサン系グラフト共重合体(S−6とい
う)を得た。ポリオルガノシロキサンゴムへの転化率は
89.2%、グリシジルメタクリレ−トの重合率は9
7.2%、グラフト共重合体ラテックスの平均粒子径は
0.19μmであった。
【0049】参考例7 S−1の製造過程で得たポリオルガノシロキサンラテッ
クス−1を300部採取し、グリシジルメタクリレ−ト
10部をメチルメタクリレ−ト10部に代える以外は参
考例1と同様にしてグラフト共重合体ラテックスを得
た。メチルメタクリレ−トの重合率は98.8%、グラ
フト共重合体ラテックスの平均粒径は0.20μmであ
った。得られたラテックスを塩化カルシウム水溶液で凝
固後、瀘別乾燥し、ポリオルガノシロキサン系グラフト
共重合体(S−7という)を乾粉として得た。
【0050】参考例8 ジメチルテレフタレ−ト194部、1,4−シクロヘキ
サンジメタノ−ル288部およびNaHTi(OC
49614.4%のn−ブタノ−ル溶液10部をステ
ンレス製の反応器に仕込み、撹拌しながら190〜20
0℃に加熱した。メタノ−ルが留出しきってから温度を
約270℃まで上昇させ、1mmHgに減圧した。更に
1.5時間かけて300〜310℃に昇温した後、窒素
ガスを注入して反応器内を常圧に戻し、ポリシクロヘキ
サンジメチレンテレフタレ−ト(PCT)を得た。得ら
れた重合体の融点は290〜300℃、固有粘度は0.
78であった。
【0051】実施例1〜9、比較例1〜7 ポリエステル樹脂として、ポリブチレンテレフタレ−ト
〔商品名、タフペットN−1000、三菱レイヨン
(株)製〕(以下PBTという)、ポリエチレンテレフ
タレ−ト〔商品名ダイヤナイトPA−210、三菱レイ
ヨン(株)製〕(以下PETという)または参考例8で
得たPCTを用い、これらと各参考例で得たポリオルガ
ノシロキサン系グラフト共重合体S−1〜S−6とを表
2に示す割合で配合し、二軸押出機(東芝機械製、TE
M−35B)を用いてペレット化した。このペレットを
乾燥後、射出成形機(住友重機製、プロマット射出成形
機)を用い試験片を成形し、耐衝撃性の評価を実施し
た。押出機および射出成形機のシリンダ−温度はPBT
の場合が240℃、PETの場合が280℃、PCTの
場合が310℃とし、金型温度はPBTの場合が80
℃、PET、PBTの場合が120℃した。結果を表2
に示す。
【0052】一方、比較のため各ポリエステル樹脂のみ
を用いた場合(比較例1〜3)本発明で用いる、ポリオ
ルガノシロキサン系グラフト共重合体の代わりに参考例
1のS−1の製造過程で得られたポリオルガノシロキサ
ンラテックスを凝固、乾燥して得たゴム(以下S−10
という)を用いた場合(比較例4)、架橋構造を有さな
いポリオルガノシロキサンにエポキシ基含有ビニル系単
量体をグラフトした共重合体を用いた場合(比較例
5)、エポキシ基含有ビニル系単量体を含むビニル系単
量体の代わりにメチルメタクリレ−トをグラフトした共
重合体を用いた場合(比較例6)及び、従来より使用さ
れている耐衝撃性改質剤ボンドファ−ストE(住友化学
(株)製、α−オレフィンとグリシジルメタクリレ−ト
との共重合体)を用いた場合(比較例7)も同様に試験
片を成形し、耐衝撃性の評価を実施した。その結果を併
せて表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】表2において、PBTはポリブチレンテレ
フタレ−ト、PETはポリエチレンテレフタレ−ト、P
CTはポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト、
BF−Eはボンドファ−スト−Eの略称である。
【0055】実施例10〜17、比較例8〜12 表3に示す種類及び配合割合のポリエステル樹脂、ポリ
オルガノシロキサン系グラフト共重合体S−1及び充填
剤とを配合して、実施例1と同様にしてペレット化、射
出成形して評価用試験片を得、耐衝撃性を評価した。結
果を表3に示す。比較のため各種ポリエステル樹脂にガ
ラス繊維(GF)を配合したもの(比較例8〜10)、
ポリブチレンテレフタレ−トにS−10とGFを配合し
たもの(比較例11)、ポリブチレンテレフタレ−トに
ボンドファ−スト−EとGFを配合したもの(比較例1
2)についても同様にして評価した。結果を表3に併せ
て示す。
【0056】
【表3】
【0057】表3において、PBTはポリブチレンテレ
フタレ−ト、PETはポリエチレンテレフタレ−ト、P
CTはポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト、
BF−Eはボンドファ−スト−E、GFはガラス繊維、
CFは炭素繊維の略称である。
【0058】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物は、耐
衝撃性に優れており、成形品外観も良好で、より広い用
途に使用できる熱可塑性樹脂となりうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小白井 厚典 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 楊井 寿美 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、及び、
    (B)オルガノシロキサン99.8〜60重量%とポリ
    オルガノシロキサンゴム用架橋剤0.1〜30重量%と
    ポリオルガノシロキサン用グラフト交叉剤0.1〜10
    重量%とを共重合した実質的に架橋構造を有するポリオ
    ルガノシロキサンゴムに、エポキシ基含有ビニル系単量
    体を含む1種以上のビニル系単量体を、共重合体全体に
    占めるエポキシ基含有ビニル系共重量体に由来する成分
    の比率が2〜30重量%となるようにグラフト重合して
    なるポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体、を主
    要樹脂成分とするものを溶融混合してなるポリエステル
    樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004092267A1 (ja) * 2003-04-14 2004-10-28 Kaneka Corporation ポリエステル樹脂組成物
JP2015108133A (ja) * 2013-10-24 2015-06-11 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
WO2020054705A1 (ja) 2018-09-11 2020-03-19 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 金属膜付樹脂成形品及びその製造方法
WO2023190135A1 (ja) * 2022-03-29 2023-10-05 株式会社カネカ 低応力化剤および樹脂組成物

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