JP3200218B2 - グラフト共重合体及びその製法 - Google Patents
グラフト共重合体及びその製法Info
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Description
に優れた耐衝撃性樹脂に関する。
に種々の努力が重ねられてきた。例えば特開昭60-25261
3号公報においては、ゴム層のTg及び弾性率の低下に
着目し、低いTgと低い弾性率とを合わせ持つポリオル
ガノシロキサンゴムを耐衝撃性樹脂のゴム源に利用する
事が検討されている。しかし、この方法ではポリオルガ
ノシロキサンゴムに由来する艶消し様の悪い表面外観を
改良することが出来ない。またこのようなゴムを用いる
場合は粒子径が小さいと耐衝撃性が低下するため大粒子
径のものが使用されている。
表面外観を改良する為にポリオルガノシロキサンゴムと
ポリ(メタ)アクリルゴムとからなる複合ゴムにビニル
系単量体をグラフト重合させた複合ゴム系グラフト共重
合体が提案されている。
シリコ−ンゴムの芯、架橋アクリレ−トゴムの第一の
殻、ビニル重合体のグラフト成分からなる第二の殻で構
成されるグラフト重合体が提案されている。
クリレ−トゴム等の芯とポリオルガノシロキサンの殻か
らなるゴム上にエチレン性不飽和モノマ−をグラフト重
合させたグラフト重合体が提案されている。
62-280210号公報や特開昭64-6012号公報の明細書は、数
平均粒子径が 0.05μm以上のグラフト重合体に言及し
ているものの、実施例には0.15〜0.42μmの大粒径のも
のしか記載されておらず、0.10μm以下のものを製造す
るための具体的手段は全く示唆していない。また、特開
昭63-69859号公報には粒子径が0.08μmより大きい複合
ゴム系グラフト共重合体しか記載されていない。
フトゴムしか知られておらず、このような粒子径の大き
いゴムを顔料と共に樹脂に添加した場合樹脂組成物の顔
料着色性が悪く工業的価値が低かった。そのため、耐衝
撃性が良好でありしかも顔料添加時の着色性に優れた耐
衝撃性樹脂の開発が強く望まれていた。
共重合体の粒子径と顔料を添加した時の着色性の関係に
ついて鋭意検討した結果、驚くべき事に、微小な粒子径
のポリオルガノシロキサンゴムを用いて、ポリオルガノ
シロキサン成分とポリ(メタ)アクリレートゴムとの微
小な粒子径の複合ゴムを製造すれば、この複合ゴムから
得られるグラフト共重合体が優れた耐衝撃性を示すと同
時に良好な顔料着色性を示す事を見いだし本発明に到達
した。
オルガノシロキサン成分及びアルキル(メタ)アクリレ
ートゴム成分からなる複合ゴムに、一種または二種以上
のビニル系単量体がグラフト重合されてなる数平均粒子
径が 0.01〜0.07μmであり0.10μmより大きい粒子の
体積が全粒子体積の20%以下であるグラフト共重合体に
あり、また、数平均粒子径が 0.003〜0.06μmであり0.
10μmより大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以下で
あるポリオルガノシロキサンの存在下で、アルキル(メ
タ)アクリレートと多官能性アルキル(メタ)アクリレ
ートとから成るアルキル(メタ)アクリレート成分を重
合させて得られる複合ゴムに、一種または二種以上のビ
ニル系単量体をグラフト重合させる前記グラフト共重合
体の製法にある。
数平均粒子径が0.01〜0.07μmの範囲であり、しかも
0.10μmより大きな粒子の体積は全グラフト複合ゴム粒
子の体積のうち20%以下である。数平均粒子径が0.01μ
mより小さいと複合ゴム系グラフト共重合体の成形物の
耐衝撃性が悪化する。又、数平均粒子径が0.07μmより
大きいと、粒子による可視光線の光散乱が大きくなるた
め、複合ゴム系グラフト共重合体の成形物の顔料着色性
が悪化する。尚、0.10μmより大きい粒子の体積は10%
以下であることが好ましい。
シロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系
ゴム成分とが実質上分離出きない状態の複合ゴムにビニ
ル系単量体がグラフト重合された構造のものである。こ
の複合ゴムは種々の形態をとることができ、両成分がほ
ぼ均一に混合分散した形態、ポリオルガノシロキサン中
にポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分がサラ
ミ構造状に分散した形態、ポリオルガノシロキサンとポ
リアルキル(メタ)アクリレートとが層状になった形態
等をとることができ、これらの形態が適宜混在するもの
であってもよい。層状形態の例としてポリアルキル(メ
タ)アクリレートを芯としその上にポリオルガノシロキ
サンの第1の層とポリアルキル(メタ)アクリレートの
第2の層が存在する形態や、ポリオルガノシロキサンを
芯としその上にポリアルキル(メタ)アクリレ−トの第
1の層とポリオルガノシロキサンの第2の層が存在する
形態が挙げられる。
原料としては、例えばジオルガノシロキサンとシロキサ
ン系グラフト交叉剤からなる混合物または更にシロキサ
ン系架橋剤を含む混合物が用いられる。この混合物を乳
化剤と水によって乳化させたラッテクスを、高速回転に
よる剪断力で微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機
による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用し
て微粒化した後、高温のドデシルベンゼンスルホン酸水
溶液中へ、一定速度で滴下して重合させ、次いでアルカ
リ性物質によりドデシルベンゼンスルホン酸を中和する
ことによってポリオルガノシロキサンを得ることができ
る。
定されないが、数平均粒子径が 0.003〜0.06μmであ
り、0.10μより大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以
下であることが好ましい。
幅が狭いポリオルガノシロキサンは、微粒化したラテッ
クスを50℃以上の低濃度のドデシルベンゼンスルホン
酸等の酸触媒水溶液中へ微小速度で滴下して重合させる
ことによって得ることができる。
ルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種のオルガ
ノシロキサン系環状体が挙げられ、3〜6員環のものが
好ましい。具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサ
ン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサ
ン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げら
れるが、これらは単独でまたは二種以上混合して用いら
れる。これらの使用量は、オルガノシロキサン系混合物
中の50重量%以上、好ましくは70重量%以上であ
る。
たは4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメ
チルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロ
ポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。
特に4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエ
トキシシランが最も好ましい。架橋剤の使用量はオルガ
ノシロキサン系混合物中の中0〜30重量%、好ましく
は0.5〜10重量%である。
式で表される単位を形成しうる化合物等が用いられる。
基、プロピル基またはフェニル基を、R2 は水素原子ま
たはメチル基、nは0、1または2、pは1〜6の数を
示す。
アクリロイルオキシシロキサンはグラフト効率が高いた
め有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝
撃性発現の点で有利である。
としてメタクリロイルオキシシロキサンが特に好まし
い。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例として
は、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチル
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジ
メチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメ
トキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロ
ピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイ
ルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられ
る。
てビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テト
ラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げら
れる。式(I−3)の単位を形成し得るものとしてp-ビ
ニルフェニルジメトキメチルシランが挙げられる。ま
た、式(I−4)の単位を形成し得るものとして、γ−
メルカプトプロピルジメトキメチルシラン、γ−メルカ
プトプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メルカプト
プロピルジエトキシメチルシランなどが挙げられる。
ラフト交叉剤の使用量は10重量%以下であり、好まし
くは、0.5〜 5重量%である。
しく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ルスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステ
ルナトリウムなどの中から選ばれた乳化剤が使用され
る。特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウ
リルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化剤
が好ましい。
混合物100重量部に対して、0.05〜5重量部程度
の範囲で使用される。使用量が少ないと分散状態が不安
定となり微小な粒子径の乳化状態を保てなくなる。又、
使用量が多いとポリオルガノシロキサンの乳化剤に起因
する着色が甚だしくなり不都合である。
及び水を混合する方法は、高速攪拌による混合・ホモジ
ナイザーなどの高圧乳化装置による混合などがあるが、
ホモジナイザーを使用した方法は、ポリオルガノシロキ
サンラテックスの粒子径の分散が小さくなるので好まし
い方法である。。
温度50℃以上の酸水溶液に対して、滴下終了時のオル
ガノシロキサン系混合物/(酸+乳化剤)の重量比が1
00/2〜12程度となるように毎分5重量部以下程度
の速度で滴下させて重合すると小粒子径で粒子径分布が
狭いポリオルガノシロキサンを得ることができる。
肪族スルホン酸・脂肪族置換ベンゼンスルホン酸・脂肪
族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類、及び
硫酸・塩酸・硝酸などの鉱酸類が挙げられる。これらの
酸触媒は一種で又はニ種を組み合わせて用いられる。ま
た、これらの中では、オガノシロキサンラテックスの安
定化作用にも優れている点で脂肪族置換ベンゼンスルホ
ン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特
に好ましい。又、n−ドデシルベンゼンスルホン酸と硫
酸などの鉱酸とを併用すると、ポリオルガノシロキサン
ラテックスの乳化剤成分に起因する着色を低下させるこ
とができる。
ンの粒子径を決定する重要な因子であり、50℃以上の
温度で酸触媒の解離程度を高め、シロキサン成分からの
シラノ−ルの発生を向上させることが好ましい。
ると、原料ラテックス中に存在するオルガノシロキサン
系混合物が酸触媒と接触してシラノールを形成して水中
に溶解し、このシラノ−ルが酸触媒または酸触媒と乳化
剤のミセルに到達してミセル中での縮合反応が進行す
る。オルガノシロキサン系混合物がシラノ−ルを形成し
水中に溶解する速度より早く原料ラテックスを滴下する
と、滴下されているラテックスの液滴中でもシラノ−ル
の縮合反応が進行するので、最終的に得られるラテック
ス中のポリオルガノシロキサン粒子は粒子径分布が不均
一なものとなる。オルガノシロキサン系混合物が酸触媒
水溶液と接触して発生するシラノールは、水中に存在す
る酸触媒のミセルに到達し、酸触媒による脱水作用によ
って縮合反応しポリオルガノシロキサンを生成する。酸
触媒のミセルは、非常に小さなサイズであり、微小で標
準偏差が小さく単分散性に優れた粒子を生成するには好
都合である。原料ラテックスと酸水溶液の混合液の加熱
時間は、通常は滴下終了後1時間以上程度であればよ
い。オルガノシロキサンから発生したシラノ−ルはこの
加熱によってほぼ完全に反応するが、この段階で、ラテ
ックスを苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニア水溶液など
のアルカリ性物質で中和し、縮合反応を停止させる。な
お、30℃以下の温度で長時間保持するとシラノール間
の架橋反応が進行し架橋密度が向上するので、ポリオル
ガノシロキサンの架橋密度を上げる為に、50℃以上の
高温で反応させた後30℃以下の温度で5時間から10
0時間程度保持してもよい。
ロキサンラテックスに、アルキル(メタ)アクリレート
と多官能性アルキル(メタ)アクリレートとからなるア
ルキル(メタ)アクリレート成分を含浸させ次いで重合
させることによって複合ゴムを得ることができる。
例えばメチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n−
プロピルアクリレ−ト、n−ブチルアクリレ−ト、2−
エチルヘキシルアクリレ−ト等のアルキルアクリレ−ト
及びヘキシルメタアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメ
タアクリレ−ト、n−ラウリルメタクリレ−ト等のアル
キルメタクリレ−トが挙げられ、特にn−ブチルアクリ
レ−トの使用が好ましい。
しては、例えばアリルメタクリレート、エチレングリコ
−ルジメタクリレ−ト、プロピレングリコ−ルジメタク
リレ−ト、1,3-ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、
1,4-ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げら
れる。多官能性アルキル(メタ)アクリレートの使用量
は、アルキル(メタ)アクリレ−ト成分中0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
ルキル(メタ)アクリレートは単独でまたは二種以上併
用して用いられる。
ラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレ−ト成分
を添加し、通常のラジカル重合開始剤を作用させて重合
させる。重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始
剤、または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系
開始剤が用いるられる。この中では、レドックス系開始
剤が好ましく、特に、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四
酢酸ニナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサ
イドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好まし
い。
ン成分とポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分
とが実質上分離出きない状態の複合ゴムのラテックスが
得られる。
ポリアルキル(メタ)アクリレートとから成る複合ゴム
において、ポリオルガノシロキサン成分は、0.1〜9
0重量%程度である。0.1重量%未満では、ポリオル
ガノシロキサンの特性が発現出来ず耐衝撃性が低下す
る。又、90重量%を超えると、ポリオルガノシロキサ
ンに由来する光沢の低下を生じ、顔料着色性も低下す
る。
オルガノシランとしてオクタメチルテトラシクロシロキ
サンを、シロキサン系架橋剤としてテトラエトキシシラ
ンを、またシロキサン系グラフト交叉剤としてγ−メタ
クリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランを用
いることによって得られるポリオルガノシロキサン系ゴ
ムに対して、主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返
し単位を有するポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分を複合化させた複合ゴムを用いることが好ましい。
複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であ
り、又、ポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル
(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分とは強固に絡みあって
いるため、アセトン、トルエン等の通常の有機溶剤では
抽出分離することが出来ない。この複合ゴムをトルエン
により90℃で12時間抽出して測定したゲル含量は8
0重量%以上であることが好ましい。
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタ
クリレ−ト、2-エチルヘキシルメタクリレ−ト等のメタ
クリル酸エステル;メチルアクリレ−ト、エチルアクリ
レ−ト、ブチルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル化合物;グリシジルメタクリレ−ト等のエポキシ基
含有ビニル化合物;メタクリル酸などのカルボン酸基を
含有するビニル化合物などの各種ビニル系単量体が挙げ
られ、これらは単独でまたは二種以上組み合わせて用い
られる。
フト複合ゴム」という)を得る際の複合ゴムとビニル系
単量体の割合は、得られるグラフト共重合体の重量を基
準にして複合ゴム10〜95重量%、好ましくは20〜
90重量%、及びビニル系単量体5〜90重量%、好ま
しくは10〜80重量%程度である。ビニル系単量体が
5重量%未満では他の樹脂と混合した樹脂組成物中での
グラフト複合ゴム成分の分散が十分でなく、又、90重
量%を超えると耐衝撃強度が低下するので好ましくな
い。
合ゴムのラテックスに加え、ラジカル重合技術により一
段であるいは多段で重合さることによって得ることがで
きる。
塩化カルシウムまたは硫酸アルミニウム等の金属塩を溶
解した熱水中に投入し、塩析、凝固することによりグラ
フト複合ゴムを分離し、回収することができる。
機械によって押し出し成形することが出来る。このよう
な機械としては押出機、射出成形機、ブロ−成形機、イ
ンフレ−ション成形機等が挙げられる。更に本発明のグ
ラフト複合ゴムには、必要に応じて染料、顔料、安定
剤、補強剤、充填剤、難燃剤等を配合することができ
る。
例と実施例において、『部』及び『%』は特に断らない
限り『重量部』及び『重量%』を意味する。
ノシロキサンの粒子径は動的光散乱法により測定した。
この測定は、ラテックス中での粒子がブラウン運動をし
ていることを利用する方法である。ラテックス中の粒子
にレーザー光を照射すると粒子径に応じた揺らぎを示す
のでこの揺らぎを解析する事により粒子径を算出出来
る。大塚電子(株)のDLS−700型を用い、数平均
粒子径と粒子径分布を求めた。
潤度とゲル含量の測定には、ラテックスをイソプロパノ
ール中に滴下し凝固・乾燥することによって得られたポ
リオルガノシロキサンを用い以下の方法で行った。
23℃のトルエン中に48時間浸漬した時にポリオルガ
ノシロキサンが吸蔵するトルエンの重量を、浸漬前のポ
リオルガノシロキサンの重量で除した値として求めた。
ゲル含量は、ポリオルガノシロキサンをトルエン中で2
3℃、48時間抽出処理することによって求めた。
定は、ASTM D 258 の方法によった。
* b* 表色系による物体色の表示方法)により測定し
た。
μm以上の粒子の体積分率は、超薄切片試料を透過型電
子顕微鏡観察することによって求めた。この超薄切片試
料は、ポリメチルメタクリレート90部とグラフト複合
ゴム10部とを押出機中で溶融混合してペレット化し、
このペレットをプレス成形した試験片からミクロトーム
を用いて切りだした。
プロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメ
チルシクロテトラシロキサン97.5部を混合して、シ
ロキサン系混合物100部を得た。これにドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.67部を溶解した蒸留水
300部を添加し、ホモミキサ−にて10,000rpm で2分
間攪拌した後、ホモジナイザーに300kg/cm2の圧力で
2回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテック
スを得た。
ルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸10部と蒸留
水90部とを注入し、10重量%のドデシルベンゼンス
ルホン酸水溶液を調製した。
備混合オルガノシロキサンラテックスを2時間に亘って
滴下し、滴下終了後3時間温度を維持し、冷却した。次
いでこの反応物を室温で12時間保持した後、苛性ソ−
ダ水溶液で中和した。
0℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、18.
2重量%であった。又、このラテックスの膨潤度は1
5.6、ゲル含量は87.6%であり、数平均粒子径は
0.03μm、0.10μm以上の粒子の体積分率は
6.8%であった。
−2〜L−5の製造 参考例1において、ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液
の濃度を変更した以外は、参考例1と同様にしてラテッ
クスを製造し、得られたラテックスの性能を表1に示し
た。
メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン
0.5部及びオクタメチルシクロテトラシロキサン9
9.5部とし、冷却した反応物を、室温で12時間保持
することなく直ちに苛性ソ−ダ水溶液で中和すること以
外は、参考例1と同様にして非架橋型シリコ−ンラテッ
クスを得た。このラテックスの固形分は、17.9%で
あった。また、数平均粒子径は0.04μm、0.10
μm以上の粒子の体積分率は7.3%であった。
プロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメ
チルシクロテトラシロキサン97.5部を混合してシロ
キサン系混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスル
ホン酸4部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
2部を溶解した蒸留水200部にこのシロキサン系混合
物100部を加え、ホモミキサ−による予備分散及びホ
モジナイザ−による乳化・分散を行なった。この予備混
合オルガノシロキサンラテックスを80℃で5時間の加
熱した後、冷却し、次いで20℃で48時間放置した
後、水酸化ナトリウム水溶液でPHを7.0 に中和し
て重合を完結し、ポリオルガノシロキサンラテックスを
得た。
6%であり,ポリオルガノシロキサンゴムの平均粒子径
は0.05μm、0.10μm以上の粒子の体積分率は
67.3%であった。
6.6部をセパラブルフラスコに採取し、蒸留水200
部を添加混合したのち、ブチルアクリレート26.5
部、アリルメタクリレート0.15部、キュメンヒドロ
パーオキサイド0.08部の混合物を添加した。
ることによりフラスコ内雰囲気の窒素置換を行い、60
℃まで昇温した。液温が60℃となった時点で硫酸第一
鉄0.003部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
塩0.009部、ロンガリット0.4部を蒸留水10部
に溶解させた水溶液を添加しラジカル重合を開始せしめ
た。アクリレ−ト成分の重合により液温は72℃迄上昇
した。1時間この状態を維持し、アクリレート成分の重
合を完結させポリオルガノシロキサンとブチルアクリレ
ートとの複合ゴムのラテックスを得た。
のち、アクリロニトリル10部、スチレン23.3部、
キュメンヒドロパーオキサイド0.1部の混合液を2時
間にわたって滴下し重合した。滴下終了後、温度60℃
の状態を1時間保持したのち、再びアクリロニトリル1
0部、スチレン23.3部、n−オクチルメルカプタン
0.03部、キュメンヒドロパーオキサイド0.1部の
混合液を2時間にわたって滴下し重合した。滴下終了
後、温度60℃の状態を2時間保持したのち冷却し、ポ
リジメチルシロキサンとポリブチルアクリレートとから
成る複合ゴムにアクリロニトリル・スチレン共重合体を
グラフト重合させたグラフト複合ゴムのラテックスを得
た。
割合で溶解した水溶液500部を60℃に加熱し攪拌し
た。この中へ複合ゴム系グラフト共重合体のラテックス
340部を徐々に滴下し凝固した。分離し、水洗したの
ち乾燥し、グラフト複合ゴムを得た。
ブラック(キャボット社製V−9)を0.5部添加して
混合し、この混合物を240℃に加熱した押出機に供給
し、混練してペレットを得た。得られたペレットをシリ
ンダー温度230℃、金型温度60℃に設定した射出成
形機により試験片に成形した。この試験片によりアイゾ
ット衝撃強度及び顔料着色性を測定した。
m/cmであり、ロックウエル硬度(Rスケール)は78.
6であった。またL* は13.4、a* は1.5、b*
は−0.2であった。ゴムが多量に含まれているにもか
かわらず、良好な着色性を示した。
透過型電子顕微鏡により測定した。数平均粒子径は0.
04μmであり0.10μmより大きな粒子の体積分率
は3.6%であった。
2の製造 参考例2〜7にて得られたポリオルガノシロキサンラテ
ックスについて、実施例1と同様の複合ゴム化反応及び
グラフト重合を実施した。得られたグラフト複合ゴムに
ついて、実施例1と同様の条件でカーボンブラックを添
加し、押出・成形を行い、試験片を得た。
数平均粒子径を表2に示した。実施例2〜5のものはア
イゾット衝撃値、L*値とも良好な値を示した。グラフ
ト複合ゴムの数平均粒子径が0.12μmと大きい比較
例1の場合は、L* の値が19.3と大きく着色性は不
良であった。グラフト複合ゴムの粒子径分布の幅が広く
0.10μmより大きい粒子の体積が23.6%の比較
例2の場合は、アイゾット衝撃値は14.9と低く、L
* 値は18.2と大きく着色性は不良であった。
〜S−9の製造 実施例1において、セパラブルフラスコに注入するポリ
オルガノシロキサンラテックス、ブチルアクリレート及
びアリルメタクリレートの量を表3に示す割合とし、そ
れ以外の条件は実施例1と同様にして、複合ゴム化反応
及びグラフト重合を実施した。得られたグラフト複合ゴ
ムに対して、実施例1と同様の条件でカーボンブラック
を添加し、押出・成形を行い、試験片を得た。アイゾッ
ト衝撃値、L*、a*、b* 値及び数平均粒子径を表3に
示した。
−10〜S−13の製造 実施例1と同様にして得られた複合ゴム33.3部に対
して、表4に示す量のビニル系単量体とキュメンヒドロ
パーオキサイド0.1部の混合物を実施例1と同様にし
てラジカル重合させ、グラフト複合ゴムを得た。複合ゴ
ムにグラフト重合させるビニル系単量体の種類をスチレ
ン、メチルメタクリレートなどに変えても、耐衝撃性と
顔料着色性はともに良好であった。又、グラフト成分で
あるアクリロニトリル・スチレン共重合体の量を変化さ
せても、耐衝撃性と顔料着色性はともに良好であった。
が優れており、粒子径が小さいにも拘らず優れた耐衝撃
性を発現する。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリオルガノシロキサン成分及びアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム成分からなる複合ゴムに、
一種または二種以上のビニル系単量体がグラフト重合さ
れてなる数平均粒子径が 0.01〜0.07μmであり0.10μ
mより大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以下である
グラフト共重合体。 - 【請求項2】 0.10μmより大きい粒子の体積が全粒子
体積の10%以下である請求項1記載のグラフト共重合
体。 - 【請求項3】 数平均粒子径が 0.01〜0.06μmであり
0.10μmより大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以下
である請求項1記載のグラフト共重合体。 - 【請求項4】 数平均粒子径が 0.003〜0.06 μmであ
り0.10μmより大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以
下であるポリオルガノシロキサン成分の存在下で、アル
キル(メタ)アクリレートと多官能性アルキル(メタ)
アクリレートとから成るアルキル(メタ)アクリレート
成分を重合させて得られる複合ゴムに、一種または二種
以上のビニル系単量体をグラフト重合させる請求項1〜
請求項3記載のグラフト共重合体の製法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP01645093A JP3200218B2 (ja) | 1992-02-06 | 1993-02-03 | グラフト共重合体及びその製法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-21333 | 1992-02-06 | ||
JP2133392 | 1992-02-06 | ||
JP01645093A JP3200218B2 (ja) | 1992-02-06 | 1993-02-03 | グラフト共重合体及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279434A JPH05279434A (ja) | 1993-10-26 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP01645093A Expired - Lifetime JP3200218B2 (ja) | 1992-02-06 | 1993-02-03 | グラフト共重合体及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP3506824B2 (ja) * | 1995-12-01 | 2004-03-15 | 三菱レイヨン株式会社 | グラフト共重合体およびそれを含有した熱可塑性樹脂組成物 |
KR100656971B1 (ko) * | 2005-09-05 | 2006-12-14 | 제일모직주식회사 | 착색성과 저온 내충격성이 우수한 고굴절률 충격보강제 및제조방법 |
MX2015010432A (es) | 2013-02-15 | 2016-03-11 | Umg Abs Ltd | Copolimero de injerto, composicion de resina termoplastica, y articulo moldeado de dicha composicion de resina. |
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-
1993
- 1993-02-03 JP JP01645093A patent/JP3200218B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH05279434A (ja) | 1993-10-26 |
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