JP3176554B2 - 水系皮膜形成性組成物 - Google Patents

水系皮膜形成性組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系皮膜形成性組
成物に係り、特に耐候性に優れた塗膜を形成できる水系
皮膜形成性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より耐候性塗料の樹脂成分としてフ
ッ素樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルメラミン樹
脂、アクリルシリコン樹脂等が知られている。しかしな
がら、これらの内のアクリルウレタン樹脂とアクリルメ
ラミン樹脂は耐候性が充分ではなく、高耐候性で知られ
ているフッ素樹脂も毒性が懸念されるイソシアネートを
使用するという製造上の欠点がある上、高価であるとい
う欠点があった。
【0003】それに対して近年、アクリルシリコン樹脂
を主成分とするアクリルシリコン塗料が注目されてい
る。アクリルシリコン樹脂は、アクリル樹脂の主鎖とア
ルコキシシリル基の側鎖からなるものであり、湿気によ
りアルコキシシリル基が加水分解縮合してシロキサン架
橋し、耐候性を発現するものである。また、アクリルシ
リコン樹脂は、アクリル酸エステル単量体と重合性ビニ
ル基含有アルコキシシランをラジカル重合開始剤を用い
て重合させて得られる(特公昭63−443号公報)
が、それを用いた塗料の多くは、有機溶剤を使用した溶
剤型である。しかしながら塗布時、有機溶剤は地球環境
および人体に対して悪影響を与えるため、水系、粉体
系、反応性希釈剤(UV硬化)系またはハイソリッド化
の塗料を使用する方向へと移行している。これらの中で
も特に、従来の溶剤型用の設備やラインをそのまま使用
することのできる水系塗料が最も注目され、水系アクリ
ルシリコン塗料が開発された(特開昭56−57860
号公報、同59−67396号公報、同63−2956
77号公報)。
【0004】しかしながら、水系塗料にアルコキシシリ
ル基を導入した樹脂を使用すると、この樹脂は乳化時、
塗料化時および保存中に水分と反応して架橋し、増粘、
ゲル化等を生じやすいという欠点があった。この欠点は
水系塗料の安定化技術(特開平2−67324号公報、
同3−227312号公報)によって改善されたが、そ
の安定化技術によると、低反応のアルコキシシランを使
わねばならなかったり、少量のアルコキシシリル基やシ
ラノール基しか導入できないため、架橋効果が小さくな
り、耐候性が低下するという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐候
性に優れた塗膜を与えることができると共に、乳化重合
時、塗料化時および保存時の安定性が良好な水系のアク
リルシリコン塗料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(A)成分および(B)成分からなる水系皮膜形成性組
成物により達成された。 (A)成分:重合性ビニル単量体と、一般式I
【化2】 (式中R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素原子
数1〜8の置換または非置換の一価炭化水素基、R3
水素原子あるいは炭素原子数1〜20の置換または非置
換の一価炭化水素基、nは1〜12の整数、そしてaは
0、1または2である。)で表される水酸基またはアル
コキシ基含有(メタ)アクリルシランとを、ノニオン性
またはイオン性界面活性剤および重合開始剤の存在下
に、水系媒体中で乳化重合させてなる、シラノール基含
有ビニル共重合体エマルジョン。 (B)成分:シラノール基含有シリコーンワニスをノニ
オン性またはイオン性界面活性剤を用いて水中に乳化分
散させた乳化組成物。
【0007】本発明の(A)成分を構成する、共重合成
分である重合性ビニル単量体は、熱可塑性ポリマーまた
はゴム弾性ポリマーのいずれかを形成し得る単量体であ
り、分子内にシラノール基を有しなければ、それ以上特
に限定されるものではない。このような単量体として
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
−2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル
類;スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン類;エチレン、プ
ロピレン等のオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;メチルビニルエー
テル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテ
ル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン等のア
ルキルビニルケトン類;ビニルトリメチルシラン、3−
(メタ)アクリロキシプロピルトリメチルシラン、p−
トリメチルシリルスチレン、ビニルトリス(トリメチル
シロキシ)シラン、3−(メタ)アクリロキシプロピル
トリス(トリメチルシロキシ)シラン、p−トリス(ト
リメチルシロキシ)シリルスチレン等のシラノール基を
有しないケイ素含有重合性単量体、および3,3,3−
トリフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,2
−トリフロロ−1−トリフロロメチルエチル(メタ)ア
クリレート等のフッ素含有重合性単量体などが挙げられ
る。
【0008】なお、本明細書中、(メタ)アクリレート
とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、他
の場合も同様である。上述した単量体は、使用する塗膜
の目的に応じて単独で使用することもまたは2種以上を
自由に組み合わせて使用することもできる。本発明にお
いては、特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、スチレンおよび酢酸
ビニルの中から選択される少なくとも1種の単量体を使
用することが好ましい。
【0009】また、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸等の不飽和有機酸およびその酸無水物;2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有化合物;グ
リシジル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート等のエ
ポキシ基含有化合物;2−(ジエチルアミノ)エチル
(メタ)アクリレート、2−アミノエチルビニルエーテ
ル等のアミノ基含有化合物;(メタ)アクリルアミド、
アクリロニトリル等の極性基を有する重合性ビニル単量
体などを上記共重合成分に含ませてもよい。
【0010】本発明の(A)成分を構成する、他の共重
合成分である、一般式Iで表される水酸基またはアルコ
キシ基含有(メタ)アクリルシランは、一般式I中のR
1 が水素原子であるときアクリルシラン、R1 がメチル
基であるときメタクリルシランとなるが、目的に応じて
いずれかを選択することも、両者を併用することもでき
る。
【0011】また、前記一般式I中のR2 およびR3
置換または非置換の一価炭化水素基の具体例としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等
のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等
のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベン
ジル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基等のアル
ケニル基;クロロメチル基、3,3,3−トリフロロプ
ロピル基、2−シアノエチル基等の置換または非置換の
炭化水素基等が挙げられる。原料の入手、合成の容易
さ、および、共重合体の特性から考慮すると、R2 およ
びR3 がメチル基である場合が最も好ましい。
【0012】本発明において、一般式Iで表される水酸
基またはアルコキシ基含有(メタ)アクリルシランとし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまた
はメタクリロキシトリメトキシシランを使用するのが好
ましい。本発明の(A)成分において、前記重合性ビニ
ル単量体と、一般式Iで表される水酸基またはアルコキ
シ基含有(メタ)アクリルシランとの重量比は、99/
1〜50/50であることが好ましい。
【0013】本発明の(A)成分で使用するノニオン性
またはイオン性界面活性剤は、重合性ビニル単量体およ
び水酸基またはアルコキシ基含有(メタ)アクリルシラ
ンを水系媒体中へ乳化分散させるための乳化剤である。
ノニオン性またはイオン性界面活性剤としては、公知の
もののいずれを用いてもよい。
【0014】ノニオン性界面活性剤としては、ポリビニ
ルアルコール誘導体、ポリオキシエチレン高級アルコー
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ソルビタンモノアルキレート、ソルビタントリア
ルキレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキ
レート、ポリオキシエチレンソルビタントリアルキレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンテトラアルキレー
ト、グリセロールモノアルキレート等が挙げられる。こ
れらのノニオン性界面活性剤は単独で使用することも、
2種以上を併用することもできる。ノニオン性界面活性
剤としては、これらの一般的なノニオン性界面活性剤の
他に、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤も
使用することができる。ノニオン性界面活性剤は、HL
Bが1.5〜20の範囲のもの、特に7.0〜15.0
の範囲のものとするのが好ましい。
【0015】また、イオン性界面活性剤としては、アニ
オン性、カチオン性または両イオン性のものがある。ア
ニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシル硫酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキ
ルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルリン酸カリウ
ム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫
酸ナトリウム等が挙げられる。
【0016】カチオン性界面活性剤としては、セチルト
リメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ステアリルアミン塩酸塩、ココナッ
トアミン塩酸塩、ココナットアミンアセテート、ステア
リルアミンアセテート、アルキルベンゼンジメチルアン
モニウムクロライド等が挙げられる。
【0017】両イオン性界面活性剤としては、N−アシ
ルアミドプロピル−N,N′−ジメチルアンモニオベタ
イン類、N−アシルアミドプロピル−N,N′−ジメチ
ル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオベタイン
類等が挙げられる。これらの中で特にノニオン性界面活
性剤が好ましい。
【0018】この界面活性剤の使用量は、重合性ビニル
単量体および水酸基またはアルコキシ基含有(メタ)ア
クリルシランの合計量に対して0.1〜10重量%であ
ることが好ましく、特に0.5〜5重量%であることが
好ましい。
【0019】本発明の組成物の(A)成分に使用する重
合開始剤は、開裂してラジカルを発生するものであれば
特に限定されない。その具体例として、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素水、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスアミジノ
プロパン塩酸塩等の水溶性タイプ;ベンゾイルパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジブチルパー
オキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオ
キシオクトエート、アゾビスイソブチロニトリル等の油
溶性タイプ等が挙げられる。重合開始剤としては、さら
に、必要に応じて酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリッ
ト、アスコルビン酸等の還元剤を併用したレドックス系
も使用することができる。
【0020】これらの重合開始剤または還元剤はいずれ
も、単独で使用しても2種以上併用してもよい。本発明
においては、t−ブチルハイドロパーオキサイドまたは
過酸化水素水と、還元剤とを併用したレドックス系を使
用することが好ましい。重合開始剤の使用量は、重合性
ビニル単量体および水酸基またはアルコキシ基含有(メ
タ)アクリルシランの合計量に対して、0.05〜10
重量%の範囲であることが好ましく、特に0.1〜1重
量%の範囲であることが好ましい。
【0021】本発明の(A)成分である、シラノール基
含有ビニル共重合体エマルジョンは、公知の乳化重合方
法を用いて製造することができる。乳化重合方法として
は、例えば、単量体を全量仕込んで重合する一括仕込み
重合法、単量体の一部を重合した後、残りの単量体を追
加するシード重合法、単量体組成がコア部とシェル部で
異なるコア−シェル重合法、単量体組成が連続的に異な
るパワー重合法等が挙げられる。
【0022】乳化重合時に用いる水系媒体としては、イ
オン交換水などの水を単独で用いてもよいが、水と、ア
セトン、メタノール、テトラヒドロフラン等の水溶性有
機溶剤を併用してもよい。また、乳化重合の際、分子量
調整の目的で、ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を
使用することも可能である。本発明において好ましいシ
ラノール基含有ビニル共重合体の分子量は、10,00
0〜1,000,000の範囲である。
【0023】本発明の(B)成分を構成するシラノール
基含有シリコーンワニスは、シラノール基含有シリコー
ン樹脂を含み、このシリコーン樹脂は、R4 SiO3/2
単位およびR5 2SiO2/2 単位から本質的になる。R4
SiO3/2 単位/R5 2SiO2/2 単位の比は特に限定さ
れるものではないが、100/0〜50/50の範囲が
好ましい。R4 およびR5 は、炭素原子数1〜20の一
価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等の
アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール
基;ビニル基、アリル基等の不飽和炭化水素基等を挙げ
ることができる。中でもR4 およびR5 が、メチル基ま
たはフェニル基であるのが好ましく、特に、(A)成分
のビニル共重合体との相溶性の観点から、フェニル基
が、R4 およびR5 の中に20〜80mol%含有され
ているのが好ましい。
【0024】また、上記シリコーン樹脂は公知の方法に
より、相当するシラン化合物を共加水分解することによ
り容易に製造することができる。このようにして得られ
たシリコーン樹脂は、一般に、水酸基と少量のアルコキ
シ基を含有するが、Si−OH基の量は、樹脂全体の
1.0〜10重量%であることが好ましい。これは、加
熱することによりSi−OH基が縮合反応を起こし皮膜
が形成されるのであるが、この形成される皮膜の硬度を
向上させるためである。
【0025】上記シリコーン樹脂は通常固体であり、シ
リコーンワニスは、シリコーン樹脂を有機溶剤に溶解す
ることによって得られる。この時使用される有機溶剤と
しては、例えば直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素
類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;低分子シロキサン類等が挙げられる。シリコーンワ
ニス中のシリコーン樹脂の含有率は30〜80重量%で
あるのが好ましい。
【0026】本発明の(B)成分の乳化組成物は、上記
シリコーンワニスをノニオンまたはイオン性界面活性剤
を用いて水中に乳化分散させることによって得られる。
この際、乳化組成物中のシリコーンワニスの量は5〜8
0重量%の範囲であるのが好ましい。これは、5重量%
より少ないと良好な塗膜を与えることができず、80重
量%より多いと乳化分散が困難になる上、乳化組成物の
粘度が上がりすぎて作業性が損なわれるためである。ま
た、ノニオン性またはイオン性界面活性剤としては、公
知のもののいずれを用いてもよい。
【0027】ノニオン性界面活性剤としては、ポリビニ
ルアルコール誘導体、ポリオキシエチレン高級アルコー
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ソルビタンモノアルキレート、ソルビタントリア
ルキレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキ
レート、ポリオキシエチレンソルビタントリアルキレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンテトラアルキレー
ト、グリセロールモノアルキレート等が挙げられる。こ
れらのノニオン性界面活性剤は単独で使用することも、
2種以上を併用することもできる。ノニオン性界面活性
剤としては、これらの一般的なノニオン性界面活性剤の
他に、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤も
使用することができる。ノニオン性界面活性剤は、HL
Bが1.5〜20の範囲のもの、特に7.0〜15.0
の範囲のものとするのが好ましい。
【0028】また、イオン性界面活性剤としては、アニ
オン性、カチオン性または両イオン性のものがある。ア
ニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシル硫酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキ
ルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルリン酸カリウ
ム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫
酸ナトリウム等が挙げられる。
【0029】カチオン性界面活性剤としては、セチルト
リメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ステアリルアミン塩酸塩、ココナッ
トアミン塩酸塩、ココナットアミンアセテート、ステア
リルアミンアセテート、アルキルベンゼンジメチルアン
モニウムクロライド等が挙げられる。
【0030】両イオン性界面活性剤としては、N−アシ
ルアミドプロピル−N,N′−ジメチルアンモニオベタ
イン類、N−アシルアミドプロピル−N,N′−ジメチ
ル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオベタイン
類等が挙げられる。これらの中で特にノニオン性界面活
性剤が好ましい。
【0031】この界面活性剤の使用量は、(B)成分の
乳化組成物全量に対して0.1〜30重量%の範囲であ
ることが好ましい。これは、0.1重量%より少ないと
乳化分散が困難になる上、保存安定性が不良となり、3
0重量%より多いと乳化組成物の粘度が上がりすぎて作
業性が損なわれる上に良好な塗膜を与えることができな
いからである。特に好ましくは0.5〜10重量%の範
囲である。
【0032】本発明の水系皮膜形成性組成物は、(A)
成分と(B)成分を均一に混合することにより得られ
る。混合は使用直前に行ってもよいし予め行ってもよ
い。(A)成分と(B)成分の混合比、すなわち(A)
成分/(B)成分は、99/1〜50/50の範囲にあ
ることが好ましい。これは、(B)成分比が1より少な
いと皮膜に充分な硬度を付与することができないし、逆
に(B)成分比が50より多いと皮膜が硬くなり過ぎ、
ひび割れ等が発生するためである。
【0033】本発明の水系皮膜形成性組成物には、必要
に応じて、シラノール基の縮合触媒、皮膜形成助剤、着
色剤、顔料、分散剤等の添加剤を適宜含有させることが
できる。シラノール基の縮合触媒の具体例としては、例
えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオク
トエート、ジブチルスズビス(ベンジルマレエート)、
ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレー
ト等のスズ化合物や、テトラプロポキシチタン、テトラ
ブトキシチタン等のチタン化合物、また、フッ化カリウ
ム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化アンモ
ニウム等のフッ素塩化合物、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物等が挙げ
られる。シラノール基の縮合触媒の添加量は、水を除い
た組成物(有効成分)の0.01〜5重量%とすること
が好ましく、特に0.1〜1重量%とすることが好まし
い。
【0034】皮膜形成助剤の具体例としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテルなどのセロソルブ系;プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテルなどのプロピレングリコールエーテル系;ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテルなどのカルビトール系;ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピ
レングリコールモノメチルエーテルなどのトリグリコー
ルエーテル系;ソルフィット(商品名、(株)クラレ
製)等のグリコールエーテル、上記グリコールエーテル
のアセテート、ソルフィットAC(商品名、(株)クラ
レ製)等が挙げられる。
【0035】皮膜形成助剤の添加量は、有効成分の1〜
50重量%とすることが好ましく、特に10〜20重量
%とすることが好ましい。着色剤の具体例としては、例
えば、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
顔料の具体例としては、例えば、タルク、マイカ、クレ
ー、ベンガラ等が挙げられる。
【0036】本発明の水系皮膜形成性組成物は、物体の
表面に塗布し、乾燥させることにより使用される。その
際、水系皮膜形成性組成物が架橋して塗膜を形成する。
本発明の水系皮膜形成性組成物の架橋は、室温乾燥下で
も、シラノール基同士が徐々に脱水縮合し、シロキサン
結合を形成して進行するが、加熱乾燥することによって
短時間で高密度の架橋を行わせることもできる。例え
ば、乾燥後の膜厚が30μmになるように本発明の組成
物を物体の表面に塗布した場合、塗布後直ちにまたはし
ばらくの間室温で乾燥した後100〜150℃で5〜3
0分間加熱することによって完全に架橋硬化する。
【0037】本発明の水系皮膜形成性組成物が適用され
る物体は、特に限定されず、金属製のものでも木材製の
ものでもよい。例えば、機械、車両、船舶、家具、楽
器、建物、玩具等が挙げられる。本発明の組成物は耐候
性に優れているので、車両、船舶、建物等に適用するの
が特に適している。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例を用
いて説明する。
【0039】
【実施例】以下、本発明を例によってさらに詳述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、特に断らない限り、以下に記載する「部」お
よび「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を意
味する。
【0040】製造例1〜3 (シラノール基含有ビニル共重合体エマルジョン
((A)成分)の製造)撹拌機、コンデンサー、温度計
および窒素ガス導入口を備えた2リットルの重合容器
に、イオン交換水250部および10%の炭酸ナトリウ
ム水溶液2.8部を仕込んだ。別に、表1に示された配
分で原材料を混合し、ホモミキサーを用いて乳化した。
得られた乳化混合物の26部をシードモノマーとして前
記重合容器に加えて混合した後、窒素交換して60℃に
昇温した。次いで、混合物にt−ブチルハイドロパーオ
キサイド(純分69%)0.3部、ロンガリット0.6
部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの1%水溶液
0.135部および硫酸鉄(II)の1%水溶液0.0
45部を添加してシード重合を行った。
【0041】次いで、この混合物を80℃に昇温して、
これに、前記乳化液の残量888部を80℃に保持しな
がら3時間かけて滴下すると同時に、t−ブチルハイド
ロパーオキサイド(純分69%)1.5部とイオン交換
水30部の混合液およびロンガリット0.4部とイオン
交換水70部の混合液をそれぞれ3時間かけて滴下し、
さらに、80℃で2時間反応させて重合を終了させた。
得られたエマルジョンの固形分濃度およびpHを、それ
ぞれ表1に示した。
【0042】製造例4〜6 (シラノール基含有ビニル共重合体エマルジョン
((A)成分)の製造)組成を表1の通りに変更した
上、重合終了後のエマルジョンを25%のアンモニア水
で中和した他は、製造例1と全く同様にしてビニル共重
合体エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの固形
分濃度およびpHを、ぞれぞれ表1に示した。なお、使
用したドデシルメルカプタンは連鎖移動剤である。
【0043】製造例7〜10 (シラノール基含有シリコーンワニスの乳化組成物
((B)成分)の製造)表2に示すシリコーンワニスを
同表に示すような組成で水中に乳化分散させた。乳化方
法は次の通りである:500mlポリエチレン容器にシ
リコーンワニスと界面活性剤を秤量し、ホモミキサーで
高速撹拌することによって混合した。これにイオン交換
水を徐々に低速撹拌しながら滴下し、転相、増粘したと
ころで滴下を中断し、撹拌速度を3000rpm以上に
上げて約15分間高速撹拌した。次いで、これに残りの
イオン交換水を加えて希釈することによって、目的の白
色乳化組成物を得た。
【0044】実施例1〜8 製造例1〜6で製造したビニル共重合体エマルジョン
と、製造例7〜10で製造したシリコーンワニスの乳化
組成物とを撹拌機を用いて混合した。次いで、表3に示
した配合の着色剤、縮合触媒、皮膜形成助剤を添加し、
混合し、さらにイオン交換水で希釈して水系皮膜形成性
組成物を得た。得られた組成物は室温(約25℃)およ
び50℃で静置しても、3か月以上分離やゲル化等の発
生が認められない安定性に優れたものであった。得られ
たそれぞれの水系皮膜形成性組成物を#36のバーコー
ターを用いてアルミニウム基材に塗工し、室温で1時間
乾燥造膜させ、150℃の乾燥機中で30分間硬化させ
た。得られた皮膜の厚みはいずれも約30μmであっ
た。
【0045】得られた各皮膜サンプルについて、下記の
評価を行った。結果は、表4に示した通りであった。 ・皮膜外観:目視。 ・密着性:10(1mm)×10(1mm)ゴバン目セ
ロテープ剥離。 ・鉛筆硬度:三菱鉛筆株式会社製ユニ鉛筆使用。 ・初期光沢:60°光沢率。 ・光沢保持率(促進耐候性):サンシャインウェザオメ
ータ2,000時間後の光沢/初期光沢。 ・耐酸性:10%硫酸水溶液約0.5mlの液滴を塗膜
上につくり、50℃で10分間加熱し、水洗した後の塗
膜の変化(フクレ、ツヤびけ等)を観察。 ・水の接触角(はっ水性):イオン交換水5μlの液滴
を塗膜上につくり、コンタクトアングルメーターにより
測定。 表4に示した結果から、本発明の水系皮膜形成性組成物
から得られた皮膜では、良好な塗膜特性が得られる上、
耐候性も良好であることが実証された。
【0046】比較例1〜3 実施例1〜8と同様にして水系皮膜形成性組成物を製造
し、得られた皮膜サンプルについて評価を行った。但
し、表3に示す通り、比較例1では、シリコーンワニス
の乳化組成物((B)成分)を配合せず、また、比較例
2では、ビニル共重合体エマルジョン((A)成分)を
配合せず、また、比較例3では、(B)成分比を50よ
り多くした。結果は、表4に示した通りであった。表4
に示すように、比較例1では、皮膜硬化が充分ではな
く、耐候性にも劣っている。また、比較例2および3で
は、皮膜にクラックが発生し、初期光沢や耐候性に劣る
ことが確認された。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではない。上記実施例は例示であり、本発明の特許
請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構
成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるも
のであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、乳
化重合時、塗料化時および保存中に安定であると共に、
シラノール基含有シリコーンワニスの乳化組成物の使用
により、その架橋反応によって耐候性に優れた高強度の
皮膜を与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古山 義人 東京都千代田区大手町2丁目6番1号 信越化学工業株式会社 本社内 (56)参考文献 特開 平1−115966(JP,A) 特公 昭63−443(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)成分:重合性ビニル単量体と、一
    般式I 【化1】 (式中R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素原子
    数1〜8の置換または非置換の一価炭化水素基、R3
    水素原子あるいは炭素原子数1〜20の置換または非置
    換の一価炭化水素基、nは1〜12の整数、そしてaは
    0、1または2である。)で表される水酸基またはアル
    コキシ基含有(メタ)アクリルシランとを、ノニオン性
    またはイオン性界面活性剤および重合開始剤の存在下
    に、水系媒体中で乳化重合させてなる、シラノール基含
    有ビニル共重合体エマルジョン、および (B)成分:シラノール基含有シリコーンワニスをノニ
    オン性またはイオン性界面活性剤を用いて水中に乳化分
    散させた乳化組成物からなることを特徴とする、水系皮
    膜形成性組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、シラノール基の縮合触媒を含有
    する、請求項1記載の水系皮膜形成性組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、被覆形成助剤を含有する、請求
    項1または2記載の水系皮膜形成性組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分/(B)成分が99/1〜5
    0/50である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    水系皮膜形成性組成物。
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