JP2007091915A - 水性被覆剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境汚染の懸念がなく、速乾性に優れ、かつ貯蔵安定性も優れる水性被覆剤を提供すること。
【解決手段】 揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)、例えば、揮発性塩基で中和されていてもよいカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a2)を含有するエチレン性不飽和単量体類(a)を、乳化剤の存在下、水性媒体中でラジカル開始剤を用いて乳化重合し、揮発性塩基で中和されていないカルボキシル基がある場合には、更に揮発性塩基で中和してなる乳化共重合体と、分子量300以下のポリアミン(B)、例えばエチレンジアミンと、揮発性塩基(C)、例えばアンモニアと、水酸化カルシウム(D)と、顔料(E)を含有する水性被覆剤。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、速乾性を有し、且つ貯蔵安定性も良好な水性被覆剤に関するものである。
近年、地球環境保護、労働衛生上の観点より各種被覆剤において溶剤系から水系への移行が進められている。しかしながら水性被覆剤の場合、溶剤として水を使用していることから、乾燥性が極端に遅く、水性化が進まない一つの原因となっている。また、建築塗料、即ち建築物の保護及び意匠性付与等の目的のために塗装される被覆剤においては以前から水性被覆剤が用いられているが、やはり乾燥が極端に遅いため、工期短縮ができない、塗装後、雨が降った時塗膜が流出してしまう等の問題がある。かかる理由により、速乾型水性被覆剤が強く望まれており、種々の検討が進められている。
従来の速乾型水性被覆剤では、陰イオン性を有するフィルム形成性ラテックスポリマー、アミン官能基含有モノマーから形成された水溶性または水分散性のポリマー、揮発性塩基の組み合わせに加えて、水溶性または水分散性の多価金属を金属のイオン、塩、錯体又は酸化物の形で含有させることで、更に乾燥性を向上する手法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、提案されている多価金属が主に亜鉛であり、亜鉛の持つ毒性により環境汚染の懸念がある。
特開平06−145590号公報
本発明が解決しようとする課題は、速乾性が優れ、環境汚染の懸念がない速乾型水性被覆剤を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)、分子量300以下のポリアミン(B)、揮発性塩基(C)、水酸化カルシウム(D)及び顔料(E)を含有する水性被覆剤は、多価金属を環境汚染の懸念がない水酸価カルシウムの形で使用しているにもかかわらず、酸化亜鉛等を使用した場合と同等の速乾性を示し、かつ貯蔵安定性により優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)、分子量300以下のポリアミン(B)、揮発性塩基(C)、水酸化カルシウム(D)及び顔料(E)を含有することを特徴とする水性被覆剤を提供するものである。
本発明によれば、環境汚染の懸念がなく、速乾性に優れ、かつ貯蔵安定性にも優れた水性被覆剤を提供することができる。
以下、本発明の詳細について述べる。
本発明で用いる揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)としては、揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有し、かつ、水性媒体中において乳化された共重合体(共重合体の水性分散体)であれば製造方法等に限定はなく、各種の製造方法で製造された乳化共重合体がいずれも使用できる。
前記乳化共重合体(A)としては、例えば、揮発性塩基で中和されていてもよいカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a2)を含有するエチレン性不飽和単量体類(a)を、乳化剤の存在下、水性媒体中でラジカル開始剤を用いて乳化重合し、揮発性塩基で中和されていないカルボキシル基がある場合には、更に揮発性塩基で中和してなる乳化共重合体等が好ましい乳化共重合体として挙げられ、なかでも、耐水性に優れる水性被覆剤が得られることから、前記エチレン性不飽和単量体(a1)としてカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を用い、乳化剤の存在下、水性媒体中でラジカル開始剤を用いて乳化重合してカルボキシル基含有乳化共重合体を得た後、得られた共重合体中のカルボキシル基を過剰の揮発性塩基で中和してなる乳化共重合体がより好ましい。この場合、乳化重合して得られるカルボキシル基含有乳化共重合体の酸価としては、2〜20mgKOH/gであることが耐水性や速乾性に優れる水性被覆剤が得られることから好ましい。なお、前記揮発性塩基としては、後記する揮発性塩基(C)と同様の塩基がいずれも使用できるが、揮発性塩基(C)と同一の塩基である必要はない。好ましい揮発性塩基としては、アンモニア(水)が挙げられる。
前記揮発性塩基で中和されていてもよいカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a1)としては、特に制約はなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、2−メタクリロイルプロピオン酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、及び、これらカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の揮発性塩基による中和物が挙げられる。これらは複数種を併用して用いることも可能である。また、これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸からなる群から選ばれる1種以上のエチレン性不飽和単量体を用いることが好ましい。
また、他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a2)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等の炭素数1〜30のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等の炭素数1〜30のメタクリル酸エステル類;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合物;塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン化合物;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;ブタジエン等のジエン類;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド等のエチレン性不飽和酸のアミド類;
グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有エチレン性不飽和単量体;2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルエチルアクリレート等の水酸基含有エチレン性不飽和単量体;ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有エチレン性不飽和単量体;N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどの不飽和カルボン酸の置換アミド;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の不飽和結合含有シラン化合物;ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリルアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の1分子中に複数個不飽和基を持ったエチレン性不飽和単量体等を挙げることができる。
上記の具体例に制限されるものではなく、ラジカル重合に使用可能なエチレン性不飽和単量体は如何なるものも用いることができる。また、エチレン性不飽和単量体は複数種を併用して用いることができる。
これらの中でも、他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a2)としてアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類からなる群から選ばれる1種以上のエチレン性不飽和単量体を必須成分として用いることが好ましい。
前記エチレン性不飽和単量体(a1)の使用量は、特に制限はないが、貯蔵安定性と速乾性のより優れた水性被覆剤が得られることから、エチレン性不飽和単量体類(a)100重量部当たり0.1〜10重量部であることが好ましく、なかでも0.5〜4重量部であることがより好ましい。
前記エチレン性不飽和単量体類(a)を乳化重合させるには、一般的には乳化剤を用いられることが多いが、ここで使用する乳化剤に特に制約はなく、乳化重合に使用できるものであれば如何なるものでも用いることができる。
乳化剤の一例を挙げるとすると、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキレンジスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩類、ジアルキルサクシネートスルホン酸塩類、モノアルキルサクシネートスルホン酸塩類、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩類、等のスルホン酸または硫酸エステル骨格を含有するアニオン乳化剤;
脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム等の脂肪酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ポリカルボン酸系界面活性剤、アルキル化コハク酸またはその塩等のカルボキシル基またはその塩を骨格中に有するアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸基またはその塩を骨格中に有するアニオン系乳化剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンアルケート、ソルビタンアルケート、ポリオキシエチレンソルビタンアルケート、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン乳化剤等を挙げることができる。
これらの他にも乳化重合で使用できるものであれば如何なるものでも用いることができ、複数種を併用することも可能である。
また、ビニルスルホン酸塩類、(メタ)アクリロイロキシポリオキシエチレン硫酸エステル塩類、(メタ)アクリロイロキシポリオキシエチレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ナトリウムアリルアルキルスルホサクシネート、(メタ)アクリロイロキシポリオキシプロピレンスルホン酸塩類等のアニオン系反応性乳化剤、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメタクリロイルエーテル等のノニオン系反応性乳化剤などの反応性乳化剤も用いることができ、これらの乳化剤を複数種用いることも可能である。
乳化剤の種類については上記構造に制約されるものではなく、適宜選択して用いることができ、一般的に市販されているものを用いることができる。また、複数種併用することも可能である。
また、環境保護上の観点から、アルキルフェノール骨格を持たない乳化剤を使用した方が好ましい。
また、前記乳化共重合体(A)としては、乳化剤として塩基性化合物で中和されたカルボキシル基を含有する重合体を溶解もしくは分散させた水性媒体中で、前記エチレン性不飽和単量体類(a)を乳化重合する方法(ソープフリー重合)で重合された共重合体を使用することもでき、勿論、この方法に限定されるものではなく、如何なる方法で得られたものであっても良い。
前記乳化共重合体(A)の合成で用いるラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、アゾビスイソブチロニトリル及びその塩酸塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。
また、これらラジカル開始剤と併用可能な還元剤としてはナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸及びその塩等が挙げられる。また、メルカプタン類、アルコール系有機溶剤、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤等を分子量調整剤として併用することも可能である。
前記乳化共重合体(A)の合成で用いるラジカル重合開始剤と水性媒体の使用量としては、例えば、エチレン性不飽和単量体類(a)100重量部当たり、ラジカル重合開始剤が0.01〜10.0重量部、好ましくは0.02〜1.0重量部で、水性媒体が50〜1000重量部、好ましくは60〜150重量部であり、重合温度は0〜100℃、好ましくは40〜90℃である。
なお、前記ラジカル重合開始剤としては、過硫酸塩類を用いる場合には、ラジカル重合開始剤に起因する親水性基の導入による速乾性の低下を防止できることから、エチレン性不飽和単量体類(a)100重量部当たり、0.01〜0.3重量部とすることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.2重量部である。
また、前記乳化共重合体(A)の合成では、前記ラジカル重合開始剤と前記還元剤を併用するレドックス重合にても行うことができ、この際の還元剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体類(a)100重量部当たり、0.01〜10.0重量部、好ましくは0.02〜1.0重量部である。この際、鉄イオンや銅イオン等の多価金属塩イオンを生成する化合物を促進剤として併用することも可能である。
本発明で使用するポリアミン(B)としては、分子量が300以下で2個以上のアミノ基を含有する化合物であれば特にその構造が制限されるものではなく、いずれのポリアミンでも用いることができる。2個以上のアミノ基を含有する重合体を使用した場合には、その原因は定かではないが、得られる水性被覆剤の貯蔵安定性が不十分となる傾向があるが、重合体ではない分子量300以下のポリアミンを使用すると貯蔵安定性が向上し、本発明が目的とする速乾型水性被覆剤組成物を得ることができる。なお、分子量300以下のモノアミンでは貯蔵安定性の向上効果はほとんど認められない。
前記ポリアミン(B)としては、特に親水性基としてアミノ基のみを含む化合物、即ちアルコール性水酸基等の親水性基を含まないものが好ましい。また、分子量が150以下であることも好ましく、分子量が150以下で、親水性基を含まないものが最も好ましい。前記ポリアミン(B)の使用量は、貯蔵安定性と速乾性がより良好で、そのバランスにも優れる水性被覆剤が得られることから、前記乳化共重合体(A)100重量部当たり、0.01〜10.0重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3.0重量部である。
前記ポリアミン(B)の具体例としては、エチレンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン類等を挙げることができる。勿論、これらに制限されるものではなく、上述した条件を満たしているものであれば如何なるものも用いることができる。
本発明の水性被覆剤では、前記乳化共重合体(A)が有するカルボキシル基が揮発性塩基で中和されていること、及び、揮発性塩基(C)を含有することが必須である。理由は定かでは無いが、水性被覆剤中に揮発性塩基(C)を含有させることにより、水性被覆剤の貯蔵安定性を良好なものとすることができる。本発明で用いられる揮発性塩基(C)は、例えば、アンモニア、モルホリン;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、トルイジンなどの1級アミン;トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジブチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、等の2級または3級の低級アルキルアミン等が挙げられ、なかでもアンモニア(アンモニア水として用いても良い。)が好ましい。
前記揮発性塩基(C)使用量は、特に制限は無いが、貯蔵安定性が良好で、揮発性塩基の臭気が強くなく、労働衛生上問題のない水性被覆剤が得られることから、最終的に水性被覆剤のPHが8.5〜11.5、好ましくは9.5〜11.0の範囲に入るように揮発性塩基(C)を用いて調整することが好ましい。更に好ましくは、前記乳化共重合体(A)のpHを予め揮発性塩基でPHが6.5〜9.0になるよう調整し、得られた乳化共重合体(A)とアミノ基を含有する化合物(B)、水酸化カルシウム(D)及び顔料(E)を混合して水性被覆剤を作製する際に、揮発性塩基(C)を添加して、水性被覆剤のPHが8.5〜11.5の範囲に入るよう調整することが好ましい。
更に本発明の水性被覆剤では、水酸化カルシウム(D)を含有させることが必須である。水酸化カルシウム(D)は食品添加物として認められ、土壌改良剤等にも使用され、安全性が確立された化合物であり、環境への影響も最小限にとどめられる。水酸化カルシウム(D)を添加することで理由は定かではないが、貯蔵安定性を損なうことなく乾燥性を向上させることができる。水酸化カルシウム(D)の使用量は、乾燥性向上の効果が高く、水中で安定に存在することができることから、水性被覆剤中に存在する水分100重量部当たり0.01〜0.185重量部が好ましく、0.05〜0.15重量部がより好ましい。なお、0.185gを越えると水酸化カルシウム(D)は水性被覆剤中で飽和状態となり、水中で安定に存在することができない。
本発明の水性被覆剤は顔料(E)を含有するが、その使用量としては使用用途にあわせ、幅広い範囲で含有させることが可能であり、具体的には、乳化共重合体(A)100重量部当たり、顔料は0.5〜2,000重量部の範囲で用いることが好ましい。
ここで言う顔料(E)としては、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ケイ砂、ベンガラ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー等一般的に用いられている顔料類、充填剤、また着色顔料を意味するものである。
また、本発明の水性被覆剤は、必要に応じて、骨材、造膜助剤、凍結防止剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、防腐剤、防バイ剤、pH調整剤、防錆剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤等を配合することも可能である。また、乾燥性をより向上させる為、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール等を添加することも可能であるが、VOC削減の観点から添加する場合は必要最小限にとどめる必要がある。
本発明の水性被覆剤は、例えば、揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)、分子量300以下のポリアミン(B)、揮発性塩基(C)及び水酸化カルシウム(D)を予め混合したバインダー成分に、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの顔料(E)、必要に応じて分散剤、湿潤剤、増粘剤、造膜助剤、防腐剤、消泡剤、凍結防止剤等を添加し、混合して分散させる方法で製造することができる。この時、分散は一般的に水性被覆剤が作製される公知の方法で行えば良い。
また、本発明の水性被覆剤は、予め炭酸カルシウム、酸化チタンなどの顔料(E)を分散剤等を用いて水中に微分散させてミルベースを作製し、このものに揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)、分子量300以下のポリアミン(B)、揮発性塩基(C)及び水酸化カルシウム(D)を予め混合したバインダー成分を加えてレットダウンし、必要に応じて増粘剤、防腐剤、造膜助剤等の添加剤を加えることにより作製する、いわゆるミルベース方式でも製造することができる。
なお、本発明の水性被覆剤は、もちろん上記の方法に限定されるものではなく、公知の如何なる手段でも製造することができる。
本発明の水性被覆剤は、無機系基材、有機系基材、金属基材など各種基材に適用可能な被覆剤であり、また塗装方法も特に限定されるものではなく、各種の塗装方法を用いることが可能である。
特に、本発明の水性被覆剤は、複層弾性塗料の中塗り、トップコート、単層弾性塗料、屋根用防水塗料、床用塗料、その他各種内外装建築塗料用として、また、路面標示用塗料、各種繊維用途、建材用接着剤、各種粘着剤等、幅広い用途に適用することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに制限されるものではない。なお、以下の「部」及び「%」はいずれも重量基準である。
製造例1〔揮発性塩基で中和されたカルボキシル基含有乳化共重合体(A)の製造)
ブチルアクリレート(以下、BAと略す。)160部、メチルメタクリレート(以下、MMAと略す。)236部、アクリル酸(以下、AAと略す。)4部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下、MPMSと略す。)0.8部及びラウリルメルカプタン(以下、LSHと略す。)を、ニューコール707SF〔日本乳化剤(株)製アニオン乳化剤;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩;有効成分30%〕4部とエマール10〔花王(株)製アニオン乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウム〕4部をイオン交換水80部に溶解した乳化剤水溶液中に分散させ、モノマーエマルジョンを得た。また、過硫酸カリウム0.8部をイオン交換水20部中に溶解し、開始剤水溶液を得た。
攪拌機、温度計、コンデンサーを取り付けた1リットル反応容器に、イオン交換水272部を投入し、窒素ガスを挿入しつつ攪拌しながら80℃に昇温した。昇温後、反応容器中にモノマーエマルジョンと開始剤水溶液を、それぞれ滴下投入した。滴下時間はモノマーエマルジョンが3時間、開始剤水溶液が3時間30分とし、滴下反応中、反応容器内を80℃に保持しつつ攪拌を継続した。開始剤水溶液の滴下終了後、30分間攪拌しながら80℃に保持した後に過硫酸カリウム0.2部を反応容器内に投入し、更に2時間攪拌しながら反応容器内を80℃に保持した。その後冷却し、14%アンモニア水でpHを7.0に調整し、調整水を投入して不揮発分濃度を調整した後に取り出し、揮発性塩基で中和されたカルボキシル基含有乳化共重合体(A1)を得た。得られた乳化共重合体(A1)は、不揮発分50.0%、粘度230mPa・sであった。
製造例2(同上)
下記第1表に記載した原料を用いた以外は製造例1と同様にして、揮発性塩基で中和されたカルボキシル基含有乳化共重合体(A2)を得た。
Figure 2007091915
第1表の脚注
*1)ECL−45:花王(株)製カルボキシル基含有乳化剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム(有効成分24%)
実施例1〜3及び比較例1〜4
製造例1又は2で得た乳化共重合体(A1)又は(A2)と、50%エチレンジアミン水溶液と、1.5%水酸化カルシウム懸濁液又は水性亜鉛華AZ−SW〔大崎工業(株)製酸化亜鉛水性分散体、酸化亜鉛含有率50%〕を、攪拌機を取り付けたビーカー中に、第2表に示す配合組成で投入し、10分間攪拌した後、28%アンモニア水で系内のPHを10.0に調整して、乳化共重合体(A1)又は(A2)を含む水性組成物(1)〜(7)を得た。
次いで、得られた水性組成物(1)〜(7)のいずれかと下記第3表に記載した各原料を、第3表に示す配合組成で、オートホモミキサー〔特殊機化(株)製モデルSL〕に投入し、2,000rpm、2分間の条件で混合分散させて、実施例1〜3の水性被覆剤(1)〜(3)及び比較例1〜4の水性被覆剤(4)〜(7)を得た。
Figure 2007091915
Figure 2007091915
第3表の脚注
*2)SNディスパーサント5029:サンノプコ(株)製分散剤
*3)SNデフォーマー325:サンノプコ(株)製消泡剤
*4)3.2%セロサイズQP−4400H:DOW Chemical社製増粘剤
*5)酸化チタンR−63:石原産業(株)製酸化チタン
*6)炭カルNS#100:日東粉化工業(株)製炭酸カルシウム
*7)テキサノール:イーストマンケミカル社製造膜助剤
実施例1〜3の水性被覆剤(1)〜(3)及び比較例1〜4の水性被覆剤(4)〜(7)をそれぞれ用いて、以下に示す方法で指触乾燥性、タイヤ付着性及び貯蔵安定性について評価を行なった。その結果を第4表に示す。
指触乾燥性:水性被覆剤をガラス板に10ミルアプリケーターで塗布し、経時で指で塗膜をおさえ、指触乾燥性を確認。指に水性被覆剤が付着しなくなった時間(単位;分)を求めた。
タイヤ付着性:ガラス板に10ミルアプリケーターで塗布し、10分後にJIS−K−5665のタイヤ付着性試験用ローラーを転がし、状態を目視確認し、下記の評価基準で評価した。
評価基準
◎ :塗膜に状態変化がない。
○ :少し塗膜に跡がつくが、タイヤには水性被覆剤が付着していない状態。
△:少し水性被覆剤がタイヤに付着した状態。
× :タイヤに水性被覆剤が大量に付着した状態。
貯蔵安定性:水性被覆剤を室温で1週間放置したときの水性被覆剤の状態を目視確認し、下記の評価基準で評価した。
評価基準
◎ :かき混ぜた時、堅い固まりがなく、一様となる。
○ :かき混ぜた時、堅い固まりがなく、一様ではあるが、若干増粘傾向がみられる。
△ :かき混ぜたとき、固まりがあるか、または著しく増粘している状態。
× :水性被覆剤が固化。
Figure 2007091915


Claims (6)

  1. 揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)、分子量300以下のポリアミン(B)、揮発性塩基(C)、水酸化カルシウム(D)及び顔料(E)を含有することを特徴とする水性被覆剤。
  2. 揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)がアンモニアで中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体であり、揮発性塩基(C)がアンモニアである請求項1に記載の水性被覆剤。
  3. 分子量300以下のポリアミン(B)が水酸基を有しない化合物である請求項1に記載の水性被覆剤。
  4. pHが8.5〜11.5である請求項1に記載の水性被覆剤。
  5. 分子量300以下のポリアミン(B)の含有量が揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)100重量部当たり0.01〜10重量部で、かつ、水酸化カルシウム(D)の含有量が、水100重量部当たり0.01〜0.185重量部である請求項4に記載の水性被覆剤。
  6. 揮発性塩基で中和されたカルボキシル基を有する乳化共重合体(A)が、揮発性塩基で中和されていてもよいカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(a2)を含有するエチレン性不飽和単量体類(a)を、乳化剤の存在下、水性媒体中でラジカル開始剤を用いて乳化重合し、揮発性塩基で中和されていないカルボキシル基がある場合には、更に揮発性塩基で中和してなる乳化共重合体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性被覆剤。

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