JPH11199825A - 水性シーラー組成物 - Google Patents

水性シーラー組成物

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JPH11199825A
JPH11199825A JP203498A JP203498A JPH11199825A JP H11199825 A JPH11199825 A JP H11199825A JP 203498 A JP203498 A JP 203498A JP 203498 A JP203498 A JP 203498A JP H11199825 A JPH11199825 A JP H11199825A
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JP
Japan
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weight
aqueous
monomer
sealer composition
sealer
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JP203498A
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English (en)
Inventor
Ikuro Ochi
郁朗 大地
Juichi Komori
寿一 小森
Hiroki Momohara
弘樹 桃原
Daisuke Miki
大助 三木
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Chuo Rika Kogyo Corp
Original Assignee
Chuo Rika Kogyo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】下地基材に対する含浸性に優れ、引火の危険や
毒性が少なく、臭気の低い水性シーラー組成物であっ
て、しかも形成されるシーラー膜が、下地基材との密着
性に優れ、耐水性、耐湿性、耐アルカリ性等が良好で、
更に、上塗り塗膜の種類に関係なく良好な密着性を示す
水性シーラー組成物を提供する。 【解決手段】(a)グリシジル基含有不飽和単量体1〜
40重量%、(b)不飽和カルボン酸及びその塩から選
ばれた少なくとも一種の単量体0.1〜20重量%、
(c)アミド基含有不飽和単量体1〜10重量%、
(d)ヒドロキシル基及びハロゲン原子を含有する不飽
和単量体0.1〜20重量%、並びに(e)その他の重
合性不飽和単量体10〜96重量%からなる混合物を単
量体成分とする共重合体を含む水性樹脂液を有効成分と
する水性シーラー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性シーラー組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の内外装用として用いられる各種
建築資材、例えば、スレート、珪酸カルシウム板、セメ
ントモルタル板等の無機質材料には、通常、各種の上塗
り塗料が塗布されている。
【0003】しかしながら、これらの建築資材を下地と
し、この上に直接上塗り塗料を塗布すると、塗膜の剥離
や変質が生じ易く、塗料本来の性能が発揮できないこと
が多い。また、多くの下地材料にはアルカリ分が含まれ
る為に、経時的に基材からアルカリ分が溶出して、上塗
り塗膜が侵されるという問題点がある。さらに、塗装下
地が脆い場合や、下地塗膜の劣化やチョーキングが起き
ている場合には、上塗り塗料を塗布する前に、予め下地
を調整しておく必要がある。
【0004】これらの弊害を防止して下地材料の影響を
封じ込めるために、通常、上塗り塗膜を形成する前に、
下地調整のために、シーラーと称される下塗り剤が塗布
されている。
【0005】従来、このような目的で用いられるシーラ
ー、即ち、下地調整剤としては、有機溶剤系樹脂組成物
が使用されてきたが、毒性の問題や引火の危険性より、
近年水性化への転換が進められている。又、近年、弾性
を有する水系上塗り塗料が多く使用され、この皮膜との
密着性も重要になり、その点からも、水性のシーラー組
成物が要望されている。
【0006】従来から一般に用いられている水性タイプ
のシーラーとしては、水溶性のアクリル樹脂を用いたも
の等が知られている。このシーラーは、下地に対する含
浸性は良好ではあるが、形成される塗膜は、耐水性、耐
アルカリ性等の点で十分には満足のいくものではない。
【0007】又、塩素化オレフィン系の溶剤組成物を水
に乳化した塗料も知られているが、これはシーラーとし
ての性能面では優れているものの、貯蔵安定性が悪く、
しかも大量に溶剤を含有しているために危険性は依然改
良されていない。
【0008】エポキシ系の水性タイプのシーラーも近年
一部市場に現れてきたが、二液性のものは取扱い上不便
であり、一液性のものは保存安定性の点で満足のいくも
のではない。さらに、エポキシ系のシーラーは、非常に
高価であり、価格面でも満足のいくものではない。
【0009】また、従来のシーラーでは、上塗り塗料の
種類によってシーラー膜との密着性に差が生じるため
に、上塗り塗料による使い分けがなされている。例え
ば、水性のアクリル系弾性塗料を上塗り塗料とする場合
には、水溶性のアクリル樹脂をシーラーとすると十分な
密着性が得られないために、通常、塩素化オレフィン系
のシーラー組成物が用いられている。この様に、従来の
シーラー組成物には、使用できる上塗り塗料の種類が限
定されるという欠点があるために、上塗り塗料の種類に
関係なく、良好な密着性が得られる汎用性の高いシーラ
ーが望まれている。
【0010】また、既に上塗り塗膜が形成されている建
築物のモルタル面、コンクリート面、外壁、屋根等につ
いて、補修のために、再度、シーラーを塗布して、上塗
り塗膜を塗装する場合には、劣化した塗膜上にシーラー
を塗布することになるために、残存する塗膜とシーラー
との密着性が良好であることも重要である。この点から
も、シーラー組成物は、塗膜の種類に関係なく良好な密
着性を有することが要求されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
下地基材に対する含浸性に優れ、引火の危険性や毒性が
少なく、臭気の低い水性シーラー組成物であって、しか
も形成されるシーラー膜が、下地基材との密着性に優
れ、耐水性、耐湿性、耐アルカリ性等が良好で、更に、
上塗り塗膜の種類に関係なく良好な密着性を示す水性シ
ーラー組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した如
き課題に鑑みて鋭意研究を重ねてきた。その結果、グリ
シジル基含有不飽和単量体、不飽和カルボン酸及びその
塩から選ばれた少なくとも一種の単量体、アミド基含有
不飽和単量体、並びにヒドロキシル基とハロゲン原子を
含有する不飽和単量体、という特定の官能基を有する単
量体の混合物から得られる共重合体を樹脂成分として含
む水性樹脂液は、重合体中の各種の官能基が相互に作用
して、上塗り塗料の種類の関係なく各種の塗料と良好な
密着性を示し、しかも耐水性、耐湿性、耐アルカリ性等
に優れたシーラー膜を形成できることを見出し、ここに
本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、下記の水性シーラー組成
物を提供するものである。
【0014】1.(a)グリシジル基含有不飽和単量体
1〜40重量%、(b)不飽和カルボン酸及びその塩か
ら選ばれた少なくとも一種の単量体0.1〜20重量
%、(c)アミド基含有不飽和単量体1〜10重量%、
(d)ヒドロキシル基及びハロゲン原子を含有する不飽
和単量体0.1〜20重量%、並びに(e)その他の重
合性不飽和単量体10〜96重量%からなる混合物を単
量体成分とする共重合体を、樹脂成分として含む水性樹
脂液を有効成分とする水性シーラー組成物。
【0015】2.その他の不飽和単量体(e)が、アク
リル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエス
テルの少なくとも一種からなる単量体、又はアクリル酸
アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの
少なくとも一種とスチレンとを前者:後者(重量比)=
40:60〜90:10の割合で含む単量体混合物であ
る項1に記載の水性シーラー組成物。
【0016】3.水性樹脂液液が、単量体(a)〜
(e)を有機溶剤中で溶液重合して得られる共重合体を
水に溶解又は分散させたものである項1又は2に記載の
水性シーラー組成物。
【0017】4.有機溶剤が、水に対する溶解度が20
%以上の親水性溶剤である項3に記載の水性シーラー組
成物。
【0018】5.水性樹脂液液が、単量体(a)〜
(e)を乳化重合して得られた水性分散液である項1又
は2に記載の水性シーラー組成物。
【0019】6.水性樹脂液が、単量体重量に対して重
合開始剤を0.5〜10重量%と乳化剤を4〜20重量
%用いて乳化重合法によって得られたものであり、共重
合体の平均粒子径が0.1μm以下である項5に記載の
水性シーラー組成物。
【0020】7.更に、皮膜形成助剤を含有する項1〜
6のいずれかに記載の水性シーラー組成物。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のシーラー組成物の有効成
分である水性樹脂液は、(a)グリシジル基含有不飽和
単量体、(b)不飽和カルボン酸及びその塩から選ばれ
た少なくとも一種の単量体、(c)アミド基含有不飽和
単量体、(d)ヒドロキシル基及びハロゲン原子を含有
する不飽和単量体、並びに(e)その他の重合性不飽和
単量体、からなる単量体混合物を単量体成分として得ら
れる共重合体を樹脂成分とし、これを水中に溶解又は分
散させたものである。
【0022】本発明において使用する(a)〜(e)の
各単量体について以下に説明する。
【0023】(a)グリシジル基含有不飽和単量体は、
分子内にグリシジル基を有するエチレン性不飽和単量体
であればよく、その例としては、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、グリシジル(メタ)ア
リルエーテル、グリシジルビニルエーテル、3,4−エ
ポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−
エポキシシクロヘキシビニルエーテル、3,4−エポキ
シシクロヘキシル(メタ)アリルエーテル等を例示でき
る。
【0024】単量体(a)の使用量は、全単量体中1〜
40重量%程度とし、好ましくは、5〜30重量%程度
とする。使用量が1%未満では上塗り塗膜に対する密着
性が不十分となり、一方、40%を上回ると、重合中に
ゲル化したり、液の安定性が低下するので好ましくな
い。
【0025】(b)不飽和カルボン酸及びその塩の少な
くとも一種からなる単量体において、不飽和カルボン酸
としては、炭素数3〜5個のモノ又ジオレフィン性不飽
和カルボン酸を用いることが好ましく、モノカルボン酸
及び多カルボン酸のいずれでもよい。また、その塩とし
ては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を
例示できる。単量体(b)の好ましい具体例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、
クロトン酸等の不飽和カルボン酸及びこれらの塩を挙げ
ることができ、これらを1種単独又は2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0026】単量体(b)の使用量は、全単量体中0.
1〜20重量%程度とし、好ましくは5〜10重量%程
度とする。使用量が0.1重量%未満では水に溶解又は
分散させることが不可能となり、一方、20重量%を上
回ると形成されるシーラー膜の耐水性が不十分となるの
で好ましくない。
【0027】(c)アミド基含有不飽和単量体として
は、分子内にアミド基を有するエチレン性不飽和単量体
を用いることができる。アミド基含有エチレン性不飽和
単量体の例としては、アクリル酸アミド、メタクリル酸
アミド、イタコン酸アミド、N−メチロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチルア
クリルアミド、N−イソブチルアクリルアミド、N−エ
トキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド、マレイン酸アミド等を例示でき、これらを1種単独
又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0028】単量体(c)の使用量は、全単量体中1〜
10重量%程度、好ましくは1〜5重量%程度とする。
使用量が1重量%未満では上塗り塗膜の密着性を十分に
向上させることができず、一方10重量%を上回ると形
成されるシーラー膜の耐水性が不十分となるので好まし
くない。
【0029】(d)ヒドロキシル基及びハロゲン原子を
含有する不飽和単量体としては、分子内にヒドロキシル
基とハロゲン原子を有するエチレン性不飽和単量体を用
いることができる。ヒドロキシル基とハロゲン原子は、
隣接する炭素原子に結合していることが好ましい。この
様な単量体としては、例えば、下記一般式で表される化
合物を用いることができる。
【0030】
【化1】
【0031】(式中、R1は、水素原子又はメチル基、
MはCl、Br及びIから選ばれたハロゲン原子、nは
1〜3の整数を示す。) 単量体(d)の好ましい具体例としては、例えば、3−
クロル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、3−
ブロム−2−ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、3−
ヨード−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等を挙
げることができる。
【0032】単量体(d)の使用量は、全単量体中0.
1〜20重量%程度とし、好ましくは5〜10重量%程
度とする。使用量が0.1重量%未満では上塗り塗膜に
対して十分な密着性を得ることができず、一方20重量
%を上回ると耐水性が低下するので好ましくない。
【0033】(e)その他の重合性不飽和単量体として
は、上記した単量体(a)〜(d)と共重合可能な不飽
和単量体から、所望する特性に応じて適宜選択すればよ
い。
【0034】この様な単量体としては、アクリル酸又は
メタクリル酸の炭素数1〜10のアルキルエステル(ア
ルキル基としては、例えば、メチル、エチル、イソプロ
ピル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブ
チル、2−エチルヘキシル等)、ビニル芳香族化合物
(例えば、スチレン、スチレンスルフォン酸ソーダ
等)、ハロゲン化ビニル(例えば塩化ビニル、臭化ビニ
ル、塩化ビニリデンなど)、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、エチレン、ブタジエン、モノオレフィン
性不飽和スルホン酸(例えばビニルスルホン酸、メチル
アクリルアミドプロパンスルホン酸など)、ヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレ−
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート等を例示でき、これらを1
種単独又は2種以上組み合わせて使用することができ
る。これらの単量体の内で、特に、アクリル酸アルキル
エステル及びメタクリル酸アルキルエステルの少なくと
も一種からなる単量体、又はアクリル酸アルキルエステ
ル及びメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも一種
とスチレンとを前者:後者(重量比)=40:60〜9
0:10の割合で含む単量体混合物を用いて、(メタ)
アクリル系共重合体又はスチレン(メタ)アクリル系共
重合体とする場合には、低コストで性能の優れたシーラ
ーが得られる点で有利である。
【0035】重合性不飽和単量体(e)の使用量は、全
単量体中10〜96重量%程度とすればよい。
【0036】上記した(a)〜(e)の各単量体の混合
物を単量体成分として得られる共重合体は、上記各単量
体成分に由来するグリシジル基、アミド基、ハロゲン原
子、ヒドロキシル基等の官能基を有するものとなる。こ
れらの官能基の内で、グリシジル基とアミド基は、主と
して上塗り塗膜との密着性の向上に寄与し、更に、基材
との密着性を向上させる働きもするものと考えられる。
また、建築物などの補修工事に用いる場合には、グリシ
ジル基とアミド基は、被処理物に残存する塗膜との密着
性を向上させる働きもするものと考えられる。また、単
量体(d)中のヒドロキシ基とハロゲン原子は、基材等
に含まれるアルカリ分と反応して、グリシジル基に変換
され、密着性や耐久性をより向上させる働きをするもの
と考えられる。
【0037】上記した単量体(a)〜(e)を単量体成
分とする共重合体を含む水性樹脂液は、例えば、該単量
体混合物を有機溶剤中で溶液重合して得られた共重合体
を水に溶解又は分散させる方法、該単量体混合物を乳化
重合する方法などによって得ることができる。
【0038】以下に、まず、単量体混合物を有機溶剤中
で溶液重合して共重合体を製造し、得られた共重合体を
水に溶解又は分散させて水性樹脂液とする方法について
説明する。
【0039】溶液重合は、従来公知の方法に従って行え
ば良く、上記した単量体(a)〜(e)を有機溶剤中で
溶液重合することによって共重合体が得られる。
【0040】溶液重合において使用できる有機溶剤は、
水に対する溶解度が20%以上の親水性溶剤であること
が好ましく、具体例としては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、プロピレングリコ−ルモノプロピルエ
ーテルなどを挙げることができる。これらの溶剤は、一
種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0041】溶液重合は、公知の方法に従って行えばよ
く、通常は、上記単量体を溶解した有機溶剤に、重合開
始剤と連鎖移動剤を適宜添加して重合反応を行えばよ
い。重合開始剤、連鎖移動剤等の添加方法については、
特に限定はなく、重合開始時期に一括添加する方法、単
量体混合物に重合開始剤を溶解して滴下する方法、重合
開始剤を逐次添加する方法等から適宜選択でき、また、
これらの添加方法を2種以上複合化しても良い。
【0042】溶液重合に使用する重合開始剤としては、
公知の開始剤を用いることができ、例えば、アゾビスイ
ソブチルニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系
重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化
物系重合開始剤、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの無機系過酸化物
系開始剤等を使用できる。これら開始剤は、1種単独又
は2種以上を適宜併用することができる。重合開始剤の
使用量は、単量体重量に対して0.1〜10重量%程度
が適当である。
【0043】連鎖移動剤についても特に限定はなく、公
知の連鎖移動剤を用いることができ、その例として、メ
ルカブタン類、α−メチルスチレン、ハロゲン化アルキ
ル等を挙げることができる。連鎖移動剤の使用量は、単
量体重量に対して、0.03〜5重量%程度が適当であ
る。
【0044】溶液重合の重合温度は、50〜90℃程度
が適当であり、重合率の点からは70〜90℃程度が好
ましい。重合時間は、3〜12時間程度とすればよい。
重合反応時の単量体濃度は、通常、30〜70%程度、
好ましくは40〜60重量%程度とすればよい。
【0045】この様にして得られる重合体は、重量平均
分子量が1000〜100000程度のものが好まし
い。この様な範囲の分子量とすることによって、基材へ
の浸透性が良好となってシーラー膜と基材との密着性が
良好になり、基材の補強性にも優れたものとなる。
【0046】この様にして得られた共重合体を、水に溶
解又は分散させることによって、水性樹脂液とすること
ができる。具体的には、単量体(b)として不飽和カル
ボン酸の塩を用いた場合には、溶液重合によって得られ
た共重合体溶液に直接水を加えて混合すればよく、ま
た、単量体(b)として不飽和カルボン酸を用いた場合
には、該共重合体溶液にアルカリ化合物を添加してカル
ボキシル基を中和し、これに水を加えて混合して、共重
合体を水に溶解又は分散させればよい。アルカリ化合物
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機
水溶性アルカリ化合物、炭酸水素ナトリウム、ピロリン
酸等の水に溶解してアルカリ性を呈する無機塩、アンモ
ニア水、有機アミン等を用いることができる。アルカリ
化合物の量は、共重合体中のカルボキシル基を完全に中
和できる量であっても良いし、部分的に中和する量であ
っても良い。通常、中和率50〜100%程度とするこ
とが好ましい。
【0047】水の使用量は、有機溶剤量より多くするこ
とが必要であり、通常、有機溶剤量の2倍容量程度以上
とすることが好ましい。
【0048】この様な方法で得られた水性樹脂液中に含
まれる溶剤は、必要に応じて、蒸留等の方法で除去する
ことができる。
【0049】次に、乳化重合法によって水性樹脂液を製
造する方法について説明する。
【0050】乳化重合反応は、公知の条件に従って、乳
化剤の存在下に重合開始剤を用いて水媒体中で行えば良
い。乳化重合反応における各成分の添加方法について
は、特に限定はなく、一度に単量体を水媒体中に仕込む
方法、単量体と乳化剤を連続的に水媒体中に滴下するモ
ノマー滴下法、単量体と乳化剤に水を加えてエマルジョ
ン化させ、これを連続的に水媒体中に滴下するプレエマ
ルジョン滴下法等の方法を適宜採用できる。また、開始
剤の添加方法についても特に限定はなく、重合開始時期
に一括添加する方法、単量体混合物に重合開始剤を溶解
させて滴下する方法、逐次添加する方法等から適宜採用
できる。更に、これらの方法を2種以上複合化しても良
い。
【0051】乳化剤としては、各種の公知の乳化剤を用
いることができる。乳化剤の具体例としては、ステアリ
ルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライ
ド等のカチオン系乳化剤;オレイン酸カリウム、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル燐酸エステル等のアニオン
系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエ
チレンオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤;ラウリル
ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両イ
オン性乳化剤等を挙げることができる。
【0052】更に、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結
合を有する界面活性剤(以下、「反応性乳化剤」とい
う)を乳化剤として用いることもできる。反応性乳化剤
は、通常の乳化剤の様にエマルジョン粒子に物理的に吸
着したものではなく、重合時に共重合されて重合鎖に組
み込まれる。このため、反応性乳化剤を用いて得られる
エマルジョンは、乳化剤の存在による耐水性の低下等の
弊害がなく、しかも反応性乳化剤は皮膜中に均一に存在
するため、上塗塗膜の密着性も良好となる。反応性乳化
剤としては、具体的には、ビニル基、アリル基、プロペ
ニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等のラジカ
ル重合性の炭素−炭素二重結合を有する基を含む界面活
性剤が適当であり、界面活性剤の種類としては、ノニオ
ン系、アニオン系等の各種のものがある。この様な反応
性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテルを基本構造として疎水基にラジカル
重合性のプロペニル基を導入したノニオン系界面活性
剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫
酸エステル塩を基本構造として疎水基にラジカル重合性
のプロペニル基を導入したアニオン系界面活性剤、アル
キルアリルスルホコハク酸ナトリウム等を挙げることが
できる。反応性乳化剤の具体例としては、アクアロンH
S−10、アクアロンHS−20、アクアロンHS−1
025、アクアロンRN−20、アクアロンRN−3
0、アクアロンRN−50(いずれも商標、第一工業製
薬(株)製)、エレミノールJS−2(商標、三洋化成
工業(株)製)、ラテムルS−180(商標、花王
(株)製)等を挙げることができる。
【0053】乳化剤の使用量は、単量体重量に対して1
〜20重量%程度、好ましくは2〜5重量%程度とすれ
ばよい。
【0054】重合開始剤としてはアゾビスイソブチルニ
トリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤、ベ
ンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t
−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤、過
酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫
酸ナトリウム等の無機系過酸化物系開始剤などを使用で
きる。又、ロンガリット、Lアスコルビン酸、有機アミ
ン等の還元剤を併用したレドックス開始剤を用いても良
い。これらの開始剤は、1種単独で用いるか或いは2種
以上を併用することができる。
【0055】重合開始剤の使用量は、単量体重量に対し
て0.05〜10重量%程度、好ましくは0.1〜3重
量%程度とすればよい。
【0056】又、必要に応じて、連鎖移動剤として各種
のメルカプタン類、α−メチルスチレン、ハロゲン化ア
ルキル等を用いることができる。連鎖移動剤は、重合体
の機械的安定性向上、重合容器への付着防止等に有効で
ある。連鎖移動剤の使用量は、単量体重量に対して0.
01〜10重量%程度、好ましくは0.05〜3重量%
程度とすればよい。
【0057】重合温度は、30〜90℃程度とすればよ
く、重合率の点からは60〜80℃程度とすることが好
ましい。重合時間は、3〜12時間程度、好ましくは3
〜8時間程度とすればよい。重合反応時の単量体濃度
は、通常、30〜70%程度、好ましくは40〜60%
程度とすればよい。得られる水性樹脂液は、通常、樹脂
濃度30%において、25℃における粘度が1〜100
0cP程度の範囲のものが好ましい。
【0058】乳化重合法では、単量体重量に対して重合
開始剤量を0.5重量%程度以上、即ち、0.5〜10
重量%程度とし、乳化剤量を4重量%程度以上、即ち、
4〜20重量%程度とする場合には、平均粒子径が0.
1μm程度以下の小粒径の乳化重合物を得ることができ
る。得られる小粒径の乳化重合物は、基材への浸透性が
良好であり、シーラー膜と基材との密着性や、基材の補
強性に優れたものとなる。
【0059】乳化重合法によって得られた水性樹脂液
は、共重合体中のカルボキシル基を中和することによっ
て、重合物の機械的安定性を向上させることができる。
中和に用いるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の無機水溶性アルカリ化合物、炭
酸水素ナトリウム、ピロリン酸等の水に溶解してアルカ
リ性を呈する無機塩、アンモニア水、有機アミン等を挙
げることができる。アルカリ化合物の量は、共重合体中
のカルボキシル基を完全に中和できる量であっても良い
し、部分的に中和する量であっても良く、通常、中和率
50〜100%程度とすることが好ましい。この範囲の
中和率では、通常、水性樹脂液のpHは5程度以上とな
る。
【0060】本発明のシーラー組成物は、上記した水性
樹脂液を必須成分とするものである。水性樹脂液中の樹
脂分は、10〜30%程度とすることが好ましい。
【0061】また、本発明のシーラー組成物には、更
に、必要に応じて、公知の添加剤、例えば顔料、充填
剤、湿潤剤、分散剤、防腐剤、防かび剤、可塑剤などを
通常のシーラー組成物と同程度の範囲で配合してもよ
い。
【0062】また、該水性樹脂液中の共重合体のTgが
高く、常温で造膜し難い場合には、必要に応じて、皮膜
形成助剤等を添加することができる。皮膜形成助剤とし
ては、公知のものを使用でき、例えば、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチル等の芳香族二塩基酸のジアルキ
ルエステル;コハク酸ジブチル、コハク酸ジオクチル等
の脂肪族ジアルキルエステル;エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のセロソ
ルブ系化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロ
ピレングリコールエーテル系化合物;ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル等のカルビトール系化合物;トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル等のトリグリコールエーテル系
化合物;ソルフィット((株)クラレ製の商品名)等の
グリコールエーテル;上記グリコールエーテルのアセテ
ート、ソルフィットAC((株)クラレ製の商品名)等
を使用できる。皮膜形成助剤の使用量は、水性樹脂液中
の樹脂量に対して1〜10重量%程度とすればよい。
【0063】本発明のシーラー組成物は、常温硬化性を
有するものであり、常法に従って、例えば、モルタル
面、コンクリート面、外壁、屋根等の屋外の補修用の下
地調整剤として好適に使用できる。更に、強制乾燥して
用いることも可能であり、例えば、外壁材、スレート瓦
等を製造する際に下地調整剤として用いることもでき
る。
【0064】
【発明の効果】本発明の水性シーラーは、以下の様な優
れた特性を有するものである。
【0065】(1)本発明シーラー組成物の有効成分で
ある水性樹脂液は、共重合体中に含まれる官能基の相互
作用により、耐久性、上塗り密着性が非常に良好であ
る。
【0066】(2)水性樹脂液の保存安定性が良好であ
る。
【0067】(3)使用する上塗り塗料の種類に限定さ
れることなく、良好な上塗り密着性を得ることができ、
汎用性が高いシーラーである。
【0068】(4)補修用として用いた場合にも、補修
部分に残存する塗膜との密着性が良好である。特に、溶
剤を完全に留去しない場合には、良好な密着性を有する
ものとなる。これは、水性シーラー中に含まれる溶剤が
残存する塗膜を一部侵し、塗膜とシーラー膜が一体化す
ることによるものと思われる。
【0069】(5)乳化重合で得た樹脂液は無溶剤であ
り、また、溶液重合で得た共重合体溶液を水相に転相す
る方法で樹脂液を得る場合にも、溶剤含有量が非常に少
ない水性樹脂液を得ることができ、溶剤を留去すれば無
溶剤化することも可能である。このため、従来の溶剤系
シーラーの欠点であった火災の危険等の間題を解消でき
る。
【0070】(6)エポキシ系シーラーと比べると毒性
が低い。
【0071】(7)凍結性が低く、しかも自己硬化性を
有するために、寒冷地でも造膜性と凍結防止性を有す
る。このため、従来の水性シーラーでは、困難とされた
寒冷地での使用が可能である。
【0072】(8)溶液重合で得た共重合体溶液を水相
に転相する方法では、比較的分子量が低い共重合体を得
ることができる。このため、得られる水性樹脂液は、基
材となるモルタル、コンクリート、スレート等の無機基
材への浸透性が良好であり、基材の補強性やシーラー膜
の基材への密着性が従来の溶剤系のシーラーと同程度に
優れている。
【0073】(9)乳化重合する方法において、乳化剤
及び重合開始剤の使用量を多くすることによって、小粒
径の共重合体を得ることが可能となり、得られた水性樹
脂液は、基材への浸透性が良好であり、基材の補強性や
シーラー膜の基材への密着性が良好となる。また、乳化
剤として、反応性乳化剤を用いる場合には、上塗り密着
性が非常に良好になる。
【0074】以上の様に、本発明のシーラーは、従来の
溶剤系シーラーや水系シーラーが抱えていた問題点を一
挙に解決したものであり、建築物の内外装材料用のシー
ラーとして優れた特性を有するものである。特に、常温
硬化性を有することから、建築物の現場での補修時に用
いるシーラーとして、極めて高い有用性を有するもので
ある。
【0075】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。尚、実施例中「部」とあるのは、「重量部」を意味
する。
【0076】(実施例1)撹拌器、還流冷却器、滴下ロ
ート及び温度計を備えた四ツ口フラスコにイソプロピル
アルコール100部を仕込んだ後、窒素ガスを吹き込み
ながら撹拌下に80℃まで昇温した。その後、メタクリ
ル酸15部、グリシジルメタクリレート10部、メチル
メタクリレート35部、ブチルアクリレート35部、ア
クリルアミド1部、及び3−クロル−2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート(商標:トポレンM、新中村化学
(株)製)4部からなる単量体混合物に、重合開始剤と
してのアゾビスイソブチロニトリルビス(AlBN)1
部を添加した後、この混合物を上記イソプロピルアルコ
ール中に3時間かけて滴下した。
【0077】その後85℃まで昇温し、更にAlBN1
部を加えて7時間反応を続けた。得られた共重合体溶液
は、粘度1000cP(25℃)の透明な粘稠液であ
り、共重合体の重量平均分子量は10000であった。
【0078】この共重合体溶液を冷却後、20%アンモ
ニア水15部及びイオン交換水250部を添加し、撹拌
して、共重合体を水に溶解させて、溶剤を含有する水溶
性シーラー組成物を得た。
【0079】(実施例2)実施例1で用いた単量体混合
物に代えて、アクリル酸19部、グリシジルメタクリレ
ート10部、スチレン40部、ブチルメタクリレート3
0部、3−クロル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート(トポレンM)10部及びメタクリルアミド1部か
らなる単量体混合物を用いる以外は、実施例1と同様に
して、共重合体溶液を調製した。得られた共重合体溶液
中の共重合体の重量平均分子量は20000であった。
【0080】この共重合体溶液を冷却後、25%アンモ
ニア水15部及びイオン交換水250部を添加し撹拌し
て、共重合体を水に分散させて、溶剤を含有する水分散
シーラー組成物を得た。
【0081】(比較例1)実施例1で用いた単量体混合
物に代えて、アクリル酸30部、グリシジルメタクリレ
−ト10部、メチルメタクリレート35部及びブチルア
クリレート35部からなる単量体混合物を用いる以外
は、実施例1と同様にして、共重合体溶液を調製した。
得られた共重合体溶液中の共重合体の重量平均分子量は
10000であった。
【0082】この共重合体溶液を冷却後、25%アンモ
ニア水30部及びイオン交換水250部を添加し撹拌し
て、共重合体を水に溶解させて、溶剤を含有する水分散
シーラー組成物を得た。
【0083】(比較例2)実施例1で用いた単量体混合
物に代えて、アクリル酸5部、グリシジルメタクリーレ
ート15部、メチルメタクリレート40部及びブチルア
クリレート40部からなる単量体混合物を用いる以外
は、実施例1と同様にして、共重合体溶液を調製した。
得られた共重合体溶液中の共重合体の重量平均分子量は
15000であった。
【0084】この共重合体溶液を冷却後、実施例1と同
様にして、アンモニア及びイオン交換水を添加して撹拌
したが、共重合体が沈殿し、安定な水性樹脂液を得るこ
とができなかった。
【0085】(比較例3)実施例1で用いた重合性単量
体に代えて、メタクリル酸10部、メチルメタクリレー
ト45部及びブチルアクリレート45部からなる単量体
混合物を用いる以外は、実施例1と同様にして、共重合
体溶液を調製した。得られた共重合体溶液中の共重合体
の重量平均分子量は13000であった。
【0086】この共重合体溶液を冷却後、25%アンモ
ニア水10部及びイオン交換水250部を添加し撹拌し
て、共重合体を水に溶解させて、溶剤を含有する水分散
シーラー組成物を得た。
【0087】(実施例3)撹拌器、還流冷却器、滴下ロ
ート、温度計を備えた四ツ口フラスコに、イオン交換水
200部と反応性乳化剤としてのアルキルアリルスルホ
コハク酸ナトリウム(エレミノールJS−2、三洋化成
(株)製)10部を仕込んだ後、窒素ガスを吹き込みな
がら撹拌下に75℃まで昇温した。その後、アクリル酸
5部、グリシジルメタクリレート10部、メチルメタク
リレ−ト40部、ブチルアクリレート35部、アクリル
アミド5部、3−クロル−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート(トポレンM)5部からなる重合性単量体混
合物に、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム(AP
S)0.5部を添加した後、この混合物を上記フラスコ
中に3時間かけて滴下した。その後80℃まで昇温して
更に2時間反応を続けた。冷却後20%アンモニア水5
部を添加して、固形分33.3%、粘度500cP(2
5℃)、pH8.0、平均粒子径0.05μmの水性樹
脂液からなるシーラー組成物を得た。
【0088】(実施例4)実施例3で用いた単量体混合
物に代えて、メタクリル酸1部、グリシジルメタクリレ
ート10部、メチルメタクリレート40部、ブチルメタ
クリレート40部、3−クロル−2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート(トポレンM)8部及びアクリルアミ
ド1部からなる単量体混合物を用い、反応性乳化剤に代
えて、汎用のアニオン性乳化剤であるアルキルフェニル
エーテルサルフェート(エレミノールES−70、三洋
化成(株)製)を4部用い、重合開始剤(APS)の使
用量を0.3部として、実施例3と同様の方法で乳化重
合を行った。得られた樹脂液を冷却後、25%アンモニ
ア水を1部を添加して、固形分33.2%、粘度200
cP(25℃)、pH8.0、平均粒子径0.15μm
の水性樹脂液からなるシーラー組成物を得た。
【0089】(比較例4)実施例3で用いた単量体混合
物に代えて、アクリル酸10部、グリシジルメタクリレ
ート10部、メチルメタクリレート40部及びブチルア
クリレート40部からなる単量体混合物を用いて、実施
例3と同様の方法で乳化重合を行った。得られた樹脂液
を冷却後、25%アンモニア水を10部を添加して、固
形分33.3%、粘度100cP(25℃)、pH8.
0、平均粒子径0.09μmの水性樹脂液からなるシー
ラー組成物を得た。
【0090】(比較例5)実施例4で用いた単量体混合
物に代えて、アクリル酸5部、グリシジルメタクリレー
ト15部、メチルメタクリレート40部及びブチルアク
リレート40部からなる単量体混合物を用い、実施例4
と同様の方法で乳化重合を行った。得られた樹脂液を冷
却後、25%アンモニア水を10部を添加して、固形分
33.3%、粘度200cP(25℃)、pH8.0、
平均粒子径0.12μmの水性樹脂液からなるシーラー
組成物を得た。
【0091】(比較例6)実施例4で用いた単量体混合
物に代えて、メタクリル酸10部、メチルメタクリレー
ト45部及びブチルアクリレ−ト45部からなる単量体
混合物を用い、実施例4と同様の方法で乳化重合を行っ
た。得られた樹脂液を冷却後、25%アンモニア水を1
0部を添加して、固形分33.2%、粘度1000cP
(25℃)、pH8.0、平均粒子径0.20μmの水
性樹脂液からなるシーラー組成物を得た。
【0092】試験例1 実施例1〜4及び比較例1〜6で得た水性シーラー組成
物を用いて、下記の方法で基材及び上塗り塗膜に対する
密着性試験を行った。結果を下記表1及び2に示す。
【0093】試験方法 *基材密着性(常態) モルタル面、スレート面、珪酸カルシウム板面、及びコ
ンクリート面の各々を基材とし、シーラー組成物を固形
分20%に調整して、各基材面に塗布量100g/m2
(wet)となるように塗装し、常温で2時間放置し
た。その後、シーラー膜に4mm間隔で碁盤目状に25
個の升目をカッターで入れ、粘着テープ(ニチバン製、
セロテープ)を圧着した後、一気に引き剥がして残存す
る升目の個数を求めた。評価基準は、次の通りである。
【0094】 ◎ 24〜25/25 ○ 21〜23/25 △ 16〜20/25 × 11〜15/25 ×× 10/25以下 *基材密着性(耐水) 基材密着性(常態)試験と同様の方法でシーラー膜を形
成した基材を水に1ケ月浸漬し、引き上げて20℃で1
ケ月放置した後、基材密着性(常態)試験と同様の方法
でシーラー膜の密着性を評価した。
【0095】*上塗り密着性(常態) シーラー組成物を固形分20%に調整し、モルタル(7
cm×7cm×2cm)を基材として、塗布量100g
/m2(wet)となるように塗装し、室温養生(20
℃)を2時間行い、次いで、表1に示す各上塗り塗料
を、塗布量300g/m2(wet)となるように塗装
し、20℃にて2週間放置した。
【0096】その後、エポキシ樹脂系接着剤を用いて、
上塗り塗膜に鋼製アタッチメント(接着面積40×40
mm)を接着し、引張試験機により、基材又は塗膜が破
壊されるまで、基材面に垂直方向に変位速度3mm/分
でアタッチメントを引っ張り、破壊された箇所を下記の
基準で評価した。
【0097】 ◎ 基材側のみの素材破壊 ○ 基材側の素材破壊又は基材側の界面破壊 △ シーラー又は上塗りが凝集破壊 × シーラーと上塗り界面で破壊 *上塗り密着性(耐水) 上塗り密着性(常態)試験と同様の方法で上塗り塗膜を
形成した基材を水に1ケ月浸漬し、引き上げて20℃で
1ケ月放置した後、上塗り密着性(常態)試験と同様の
方法で引張試験を行って評価した。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)グリシジル基含有不飽和単量体1〜
    40重量%、(b)不飽和カルボン酸及びその塩から選
    ばれた少なくとも一種の単量体0.1〜20重量%、
    (c)アミド基含有不飽和単量体1〜10重量%、
    (d)ヒドロキシル基及びハロゲン原子を含有する不飽
    和単量体0.1〜20重量%、並びに(e)その他の重
    合性不飽和単量体10〜96重量%からなる混合物を単
    量体成分とする共重合体を、樹脂成分として含む水性樹
    脂液を有効成分とする水性シーラー組成物。
  2. 【請求項2】その他の不飽和単量体(e)が、アクリル
    酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル
    の少なくとも一種からなる単量体、又はアクリル酸アル
    キルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの少な
    くとも一種とスチレンとを前者:後者(重量比)=4
    0:60〜90:10の割合で含む単量体混合物である
    請求項1に記載の水性シーラー組成物。
  3. 【請求項3】水性樹脂液液が、単量体(a)〜(e)を
    有機溶剤中で溶液重合して得られる共重合体を水に溶解
    又は分散させたものである請求項1又は2に記載の水性
    シーラー組成物。
  4. 【請求項4】有機溶剤が、水に対する溶解度が20%以
    上の親水性溶剤である請求項3に記載の水性シーラー組
    成物。
  5. 【請求項5】水性樹脂液液が、単量体(a)〜(e)を
    乳化重合して得られた水性分散液である請求項1又は2
    に記載の水性シーラー組成物。
  6. 【請求項6】水性樹脂液が、単量体重量に対して重合開
    始剤を0.5〜10重量%と乳化剤を4〜20重量%用
    いて乳化重合法によって得られたものであり、共重合体
    の平均粒子径が0.1μm以下である請求項5に記載の
    水性シーラー組成物。
  7. 【請求項7】更に、皮膜形成助剤を含有する請求項1〜
    6のいずれかに記載の水性シーラー組成物。
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