JP2010240643A - 塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート面に対する含浸補強性、密着性、吸水防止性等に優れ、コンクリート面の保護強化に適した塗装方法を提供する。
【解決手段】コンクリート面に対し、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/または芳香族モノマー(a)、エポキシ基含有モノマー(b)、並びに、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、及びカルボニル基含有モノマーから選ばれる1種以上の極性モノマー(c)を含むモノマー群の重合体を樹脂成分とする合成樹脂エマルション(P)と、水溶性珪酸塩(Q)とを含み、前記合成樹脂エマルション(P)と前記水溶性珪酸塩(Q)の固形分重量比率が90:10〜10:90である被覆材を塗付する。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート面に対する新規な塗装方法に関するものである。
コンクリート打ち放し面等のコンクリート面は、特有の意匠性を有しており、建築物、土木構造物等において広く用いられている。このようなコンクリート面の意匠性は、連続的かつ微妙に変化する色相により表出されるもので、その外観は自然で素朴な印象を与えることができるものである。しかし、このようなコンクリート面では、太陽光、降雨、炭酸ガス等の影響を受けると、経時的に劣化が進行してしまう。そのため、その表面を保護強化することが必要となる。
上述のようなコンクリート面の保護強化に用いる材料として、特許文献1(特開昭62−138374号公報)には、バーサチック酸ビニルエステルとその他のビニル系単量体を乳化重合せしめて得られる合成樹脂水分散体と、リチウムシリケートよりなる組成物が記載されている。特許文献2(特公平3−2828号公報)には、珪酸アルカリとポリマー水性エマルジョンを含有する水性処理液を用いて、セメント系材料の表面を処理することが記載されている。また、特許文献3(特許第2596749号公報)には、酸価2〜30のアクリル樹脂系エマルション、水溶性珪酸塩等を含む塗料を、劣化した建築物の外表面に塗付することが記載されている。このような特許文献に記載の材料を用いることにより、コンクリート面の吸水防止性等において一定の効果を得ることができる。
しかしながら、上記特許文献の方法をコンクリート面に適用しても、その表面の含浸補強性、密着性等においては、まだ不十分な点がある。また、上記特許文献の方法では、使用する材料の安定性が十分ではないため、多液型の形態にて使用しなければならず、塗装作業が煩雑となりやすいという問題もある。
特開昭62−138374号公報 特公平3−2828号公報 特許第2596749号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたもので、コンクリート面に対する含浸補強性、密着性、吸水防止性等に優れ、コンクリート面の保護強化に適した塗装方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、コンクリート面に対し、特定の合成樹脂エマルションと水溶性珪酸塩を必須成分とする被覆材を塗付する塗装方法に想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の塗装方法に関するものである。
1.コンクリート面に対し、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/または芳香族モノマー(a)、
エポキシ基含有モノマー(b)、並びに、
ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、及びカルボニル基含有モノマーから選ばれる1種以上の極性モノマー(c)
を含むモノマー群の重合体を樹脂成分とする合成樹脂エマルション(P)と、
水溶性珪酸塩(Q)とを含み、
前記合成樹脂エマルション(P)と前記水溶性珪酸塩(Q)の固形分重量比率が90:10〜10:90である被覆材を塗付することを特徴とする塗装方法。
本発明の塗装方法では、特定の被覆材を用いることにより、含浸補強性、密着性、吸水防止性等に優れた被膜が形成でき、コンクリート面の保護強化を図ることができる。また、本発明で用いる被覆材は、1液型の形態にて使用することができるため、塗装作業の負担を軽減することも可能である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の塗装方法は、コンクリート壁面等のコンクリート面に対して適用するものである。このようなコンクリート面は、通常、セメント、水、骨材、さらに混和材料を適当な割合に調合して練り混ぜて得られるコンクリートを、型枠内または所定の場所に流し込み、硬化、脱型することにより得られるものである。本発明は、新設されたコンクリート面、あるいは経年劣化したコンクリート面のいずれにも適用することができる。
本発明では、被覆材の塗装に先立ち、必要に応じ、コンクリート面に対し予め何らかの表面処理を行っておくこともできる。表面処理としては、例えば、基材の不陸、目違い、巣穴等に対するポリマーセメントモルタルでの補修、ひび割れ部に対するエポキシ樹脂の注入あるいはポリマーセメントモルタルやコーキング材の充填、浮き部の補修・補強、洗浄液による汚れ除去等が挙げられる。このような表面処理は、コンクリート面の状況等に応じて適宜施される。
本発明では、上記コンクリート面に対し、特定の合成樹脂エマルション(P)、及び水溶性珪酸塩(Q)を必須成分とする被覆材を塗付する。このうち、合成樹脂エマルション(P)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/または芳香族モノマー(a)、エポキシ基含有モノマー(b)、並びに、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、及びカルボニル基含有モノマーから選ばれる1種以上の極性モノマー(c)を含むモノマー群の重合体を樹脂成分とするものである。
このうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/または芳香族モノマー(a)(以下「(a)成分」という)は、樹脂骨格の主成分となるものである。なお、本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルを合わせて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記している。また、モノマーとは、重合性不飽和二重結合を有する化合物の総称である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
芳香族モノマーは、芳香環と重合性不飽和二重結合を有する化合物であり、その具体例としては、例えばスチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノマー群における(a)成分の重量比率は、通常60〜99重量%、好ましくは70〜97重量%である。
合成樹脂エマルション(P)では、このような(メタ)アクリル酸アルキルエステル、芳香族モノマーの両方を使用することにより、密着性等の性能を高めることができる。
エポキシ基含有モノマー(b)(以下「(b)成分」という)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジルフマレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、ε−カプロラクトン変性グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノマー群における(b)成分の重量比率は、通常1〜25重量%、好ましくは3〜20重量%である。
本発明では、極性モノマー(c)(以下「(c)成分」という)として、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、及びカルボニル基含有モノマーから選ばれる1種以上を用いる。
このうち、ニトリル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン、α−シアノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、例えば、マレイン酸アミド、(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタクリレート)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド等が挙げられる。
カルボニル基含有モノマーとしては、例えば、アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等が挙げられる。
モノマー群における(c)成分の重量比率は、通常0.1〜15重量%、好ましくは0.2〜10重量%である。(c)成分の重量比率がこのような範囲内であれば、安定性、密着性等の点において好適である。
本発明では特に、(c)成分として、少なくともニトリル基含有モノマーを含む態様が好適である。
合成樹脂エマルション(P)を構成する成分としては、本発明の効果を阻害しない範囲内で、上記(a)〜(c)成分と共重合可能なその他のモノマーを使用することもできる。このようなモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、イソクロトン酸、サリチル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アミノメチルアクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルエーテル、ビニルケトン、シリコーンマクロマー等が挙げられる。
上記その他のモノマーのうち、カルボキシル基含有モノマーについては、モノマー群における重量比率を3重量%以下(好ましくは1重量%以下)とすることが望ましい。カルボキシル基含有モノマーを含まない態様も好適である。アミノ基含有モノマーについても、モノマー群における重量比率を3重量%以下(好ましくは1重量%以下)とすることが望ましく、アミノ基含有モノマーを含まない態様も好適である。本発明では、このようなモノマーの使用を抑えることにより、(b)成分の極性が活かされ、優れた密着性を発揮することができる。
合成樹脂エマルション(P)は、上記モノマーを適宜混合したモノマー群を乳化重合することにより製造することができる。重合方法としては公知の方法を採用すればよく、通常の乳化重合の他、ソープフリー乳化重合、フィード乳化重合、シード乳化重合等を採用することもできる。重合時には、乳化剤、開始剤、分散剤、重合禁止剤、重合抑制剤、緩衝剤、連鎖移動剤等を使用することができる。
乳化剤としては、乳化重合に使用可能な各種界面活性剤が使用でき、これらは重合性不飽和二重結合を有する反応性タイプ(反応性界面活性剤)であってもよい。乳化剤としては、通常、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤をそれぞれ単独でまたは組み合わせて用いればよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ステアリルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸アルカリ金属塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステルアルカリ金属塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
合成樹脂エマルション(P)としては、乳化剤として、少なくともアニオン性界面活性剤を用いたものが好適である。これにより、合成樹脂エマルション(P)の平均粒子径を比較的小さくすることができ、含浸補強性、密着性等の点で有利な効果が得られる。具体的な態様としては、アニオン性界面活性剤を単独で用いる場合、またはアニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤を併用する場合が挙げられる。本発明では、このような乳化剤を導入した場合であっても、上記(b)成分及び(c)成分の作用によって安定性が確保されるため、1液型の形態での使用が可能となる。
合成樹脂エマルション(P)の平均粒子径は、通常300nm以下、好ましくは20〜120nm、より好ましくは30〜100nmである。平均粒子径がこのような範囲内であれば、含浸補強性、密着性、吸水防止性、耐白華化性等において有利な効果を得ることができる。なお、ここに言う平均粒子径は、動的光散乱法により測定される値である。
合成樹脂エマルション(P)のガラス転移温度は、上記モノマーの種類、混合比率等を選定することで調整できる。このガラス転移温度は、最終的な要求性能等を考慮して適宜設定すればよいが、通常は−50〜80℃程度、好ましくは−40〜60℃程度である。なお、合成樹脂エマルションのガラス転移温度は、Foxの計算式により求めることができる。
本発明では、上記合成樹脂エマルション(P)における(b)成分、(c)成分の作用により、密着性を高めることができる。さらに、これら(b)成分、(c)成分は、合成樹脂エマルション(P)自体を安定化させるとともに、合成樹脂エマルション(P)と水溶性珪酸塩(Q)を混合した際の安定性向上にも寄与するものである。これにより、本発明では、被覆材を1液型の材料として使用することができ、塗装作業の効率を高めることが可能となる。
合成樹脂エマルション(P)は、(a)成分を主体とする重合体がエマルション粒子内部を構成し、エマルション粒子表層に(b)成分、(c)成分の極性基が存在する形態をとっているものと推測される。本発明では、合成樹脂エマルション(P)がこのような形態であることにより、上記効果が奏されるものと思われる。
被覆材における水溶性珪酸塩(Q)は、含浸補強性、密着性、吸水防止性等を付与するための必須成分である。水溶性珪酸塩(Q)としては、具体的に、MO・nSiO(Mはアルカリ金属を示す。nは2〜10。)で示されるものが使用できる。アルカリ金属Mとしては、Li、Na、Kから選ばれる1種以上が好適である。このような水溶性珪酸塩(Q)としては、水溶性珪酸リチウム、水溶性珪酸ナトリウム、水溶性珪酸カリウム等が挙げられる。
上記式中のnは、通常2〜10であり、好ましくは3〜8である。nがこのような範囲内であれば、含浸補強性、密着性、吸水防止性に加え、耐白華性、耐水性等においても有利な効果を得ることができる。
また、このような水溶性珪酸塩(Q)は、完全に水溶性の状態であるものが好ましい。コロイド状のものでは、十分な効果が得られ難くなるおそれがある。
合成樹脂エマルション(P)と水溶性珪酸塩(Q)の固形分重量比率は、通常90:10〜10:90、好ましくは80:20〜30:70、より好ましくは75:25〜50:50とする。
合成樹脂エマルション(P)と水溶性珪酸塩(Q)の固形分重量比率がこのような範囲内であれば、本発明の効果発現の点で好適である。上記比率よりも水溶性珪酸塩(Q)が少なすぎる場合は、含浸補強性、密着性等において十分な効果が得られ難くなる。逆に、上記比率よりも水溶性珪酸塩(Q)が多すぎる場合は、仕上り性、シール性等において不具合が生じやすくなる。
本発明における被覆材は、上記成分に加え、HLB12以上のノニオン性界面活性剤(R)(以下「(R)成分」という)を含むことが望ましい。(R)成分を含むことにより、被覆材自体の安定性が高まり、含浸補強性等においても有利な効果が得られる。
(R)成分の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられ、これらのうちHLBが12以上のものが使用できる。(R)成分のHLBは、好ましくは12〜17、より好ましくは13〜15である。
なお、HLBとは、親水性−親油性バランスの略称で、両親媒性物質の親水性と親油性の強度比を数値化して表したものである。
上記(R)成分は、合成樹脂エマルション(P)の固形分100重量部に対し、通常1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部となる重量比率で混合すればよい。このような重量比率であれば、耐水性、仕上り性等の諸物性を損うことなく、上記効果を得ることができる。
本発明における被覆材は、上記成分に加え、水への溶解度が5g/100g以下の水難溶性溶剤(S)(以下「(S)成分」という)を含むことが望ましい。(S)成分を含むことにより、各種のコンクリート面への適性等を高めることができる。(S)成分としては、水への溶解度が1g/100g未満であるものがより望ましいものである。
具体的に(S)成分としては、例えば、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート等が挙げられる。
上記(S)成分の混合比率は、合成樹脂エマルション(P)の固形分100重量部に対し、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは2〜30重量部である。このような比率であれば、安定性等の物性を損わずに、各種コンクリート面への適性を高めることができる。
被覆材には、上記成分以外に、着色顔料、体質顔料、骨材、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、消泡剤、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、pH調整剤、繊維類、つや消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、吸着剤、触媒、架橋剤、水等を混合することができる。被覆材は、前述の成分に加え、必要に応じこれら成分を常法により均一に混合することで製造できる。このようにして得られる被覆材は、1液型の形態にて使用することができる。
本発明では、着色顔料、体質顔料等を適宜混合して被覆材を着色することにより、基材表面の不具合、汚染等を緩和し、美観性を高めることも可能である。この場合の色は、例えばコンクリート近似の色等に設定すればよい。
被覆材の塗装方法としては、刷毛塗り、スプレー塗装、ローラー塗装等種々の方法を採用することができる。所要量は、通常0.05〜0.5kg/m、好ましくは0.1〜0.4kg/m程度である。このような所要量の範囲内で、複数回に分けて塗装することも可能である。
塗装及びその後の乾燥は、通常、常温(0〜40℃)で行えばよい。
本発明では、上記被覆材の乾燥後、各種上塗材を塗装することもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
各被覆材における合成樹脂エマルションとしては、表1に示すモノマー組成により乳化重合して得られた固形分40重量%の合成樹脂エマルション(樹脂1〜7)を使用した。表1におけるモノマーは以下の通りである。
・ST:スチレン
・MMA:メチルメタクリレート
・2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
・GMA:グリシジルメタクリレート
・AN:アクリロニトリル
・AAm:アクリルアミド
・DAAm:ジアセトンアクリルアミド
・MAA:メタクリル酸
Figure 2010240643
<被覆材の製造>
表2、3に示す配合に従い、常法により各原料を均一に混合して被覆材を製造した。合成樹脂エマルション以外の原料としては、以下に示すものを使用した。なお、被覆材11は、製造後に不安定化してしまった。
・水溶性珪酸塩:珪酸リチウム水溶液(LiOとSiOのモル比1:3.5、固形分24重量%)
・界面活性剤1:ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、HLB14.0)
・界面活性剤2:ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、HLB11.7)
・溶剤1:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(水への溶解度<1g/100g)
・溶剤2:プロピレングリコールn−ブチルエーテル(水への溶解度6g/100g)
Figure 2010240643
Figure 2010240643
<試験方法>
(1)安定性
各被覆材を容器内に密閉し、20℃下にて168時間放置したときの外観変化を目視にて確認した。評価基準は、異常が認められなかったものを「A」、著しく凝集物発生が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)とした。
(2)密着性
基材としてコンクリート板を用い、この基材に対し、各被覆材を所要量0.2kg/mで刷毛塗りし、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)にて72時間乾燥することにより、試験体を作製した。
得られた試験体を50℃温水に24時間浸漬した後、被膜を爪で剥がすピーリングテストを行った。評価は、被膜が剥れ難いものを「A」、剥れやすいものを「E」とする5段階(優:A>B>C>D>E:劣)で行った。
<試験結果>
使用した被覆材、及びその試験結果を表4に示す。実施例1〜14では良好な結果を得ることができた。
Figure 2010240643

Claims (1)

  1. コンクリート面に対し、
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/または芳香族モノマー(a)、
    エポキシ基含有モノマー(b)、並びに、
    ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、及びカルボニル基含有モノマーから選ばれる1種以上の極性モノマー(c)
    を含むモノマー群の重合体を樹脂成分とする合成樹脂エマルション(P)と、
    水溶性珪酸塩(Q)とを含み、
    前記合成樹脂エマルション(P)と前記水溶性珪酸塩(Q)の固形分重量比率が90:10〜10:90である被覆材を塗付することを特徴とする塗装方法。
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