JP7179551B2 - 水性コート材 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物や土木構造物等の表面を保護するクリアコート材等として使用可能な水性コート材に関するものである。
従来、建築物や土木構造物等の表面の保護のために、クリアコート材が塗付されており、最近では、環境を配慮した水性タイプのものが種々提供されている。これら水性タイプのクリアコート材として、例えば特許文献1には、水性樹脂と水分散性コロイダルシリカを主成分とする被覆組成物が記載されている。
特開2011-189273号公報
このような水性クリアコート材では、耐汚染性等において優れた性能を示すことが求められる。しかしながら、上記特許文献等に記載の被覆組成物では、耐汚染効果が経時的に低下するおそれがある。特に、組成物中のシリカ比率が高くなれば、このような不具合が生じやすくなる場合がある。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、長期にわたり優れた耐汚染性を発揮することができる水性コート材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、以下の水性コート材に想到した。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.水性樹脂、及びシリカゾルを含む水性コート材であって、
上記水性樹脂は、ピペリジン化合物が結合した水性樹脂(a)を含み、
上記シリカゾルは、平均粒子径1~200nm、pH6.0~8.5の中性シリカゾル(b)を含み、
上記水性樹脂(a)の固形分100重量部に対して、上記中性シリカゾル(b)を固形分で50~500重量部含む
ことを特徴とする水性コート材。
本発明の水性コート材によれば、長期にわたり優れた耐汚染性を発揮することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の水性コート材は、水性樹脂、及びシリカゾルを含むものである。
このうち、水性樹脂は、主にシリカゾルを固定化する役割を担う成分である。水性樹脂は、水性媒体(水を含む媒体)に樹脂が溶解ないし分散してなるものである。このような水性樹脂としては、例えば、水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂(樹脂エマルション)が使用できる。
水性樹脂における樹脂としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、バイオガム、ガラクトマンナン誘導体、アルギン酸誘導体、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。これら水性樹脂は架橋反応性を有するものであってもよい。
本発明では、水性樹脂として、ピペリジン化合物が結合した水性樹脂(a)(以下、「(a)成分)」ともいう)を含む。このような(a)成分は、例えば、上記水性樹脂にピペリジン化合物を化学的に結合させること等により得ることができる。
(a)成分では、ピペリジン化合物が水性樹脂中に化学的に結合した状態とするため、重合性ピペリジン化合物を用いることができる。このような重合性ピペリジン化合物としては、ピペリジル基と重合性不飽和二重結合を有する化合物が使用でき、例えば、4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1-メチルカルバモイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-クロトノイル-4-クロトニルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用できる。
このような重合性ピペリジン化合物は、例えば、公知の方法によって、水性樹脂の製造時(重合時)に他の単量体と共重合することにより、樹脂中に化学的に結合させることができる。ピペリジン化合物の比率は、水性樹脂の固形分中、好ましくは0.01~20重量%、より好ましくは0.1~15重量%である。このような比率であれば、本発明の効果発現の点で好適である。
(a)成分としては、ピペリジン化合物が結合した水分散性樹脂が好ましく、ピペリジン化合物が結合した水分散性アクリル樹脂(アクリル樹脂エマルション)がより好ましい。本発明では、(a)成分がこのような態様であることにより、耐水性、耐候性等が向上し、長期にわたる耐汚染効果を一段と高めることができる。
水分散性アクリル樹脂は、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成成分とする共重合体が水性媒体に分散したものである。なお、本発明では、「アクリル」と「メタクリル」を合わせて、「(メタ)アクリル」と表記する。
ピペリジン化合物が結合した水分散性アクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、重合性ピペリジン化合物、及び必要に応じその他のモノマーを含むモノマー群を乳化重合することにより得ることができる。この乳化重合においては、例えば、1段ないし多段(2段、または3段以上)の乳化重合法等を採用することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種または2種以上で使用できる。
その他のモノマーとしては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、等の水酸基含有モノマー;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、等のアミノ基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸アミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-イソブチルアクリルアミド、N-エトキシメチルアクリルアミド、等のアミド基含有モノマー;
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、等のアミノ基及びアミド基含有モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、等のエポキシ基含有モノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、等のニトリル基含有モノマー;
ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、等のカルボニル含有モノマー;
3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシシシラン、ビニルトリエトキシシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;
スチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族系モノマー;
その他、フッ素含有モノマー、紫外線吸収性基含有モノマー、ポリアルキレンオキサイド基含有モノマー、ジビニル系モノマー、トリビニル系モノマー等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
(a)成分のガラス転移温度は、好ましくは-30~70℃、より好ましくは-20~50℃である。ガラス転移温度は、Foxの計算式により求めることができる。また、(a)成分が水分散型樹脂である場合、その平均粒子径は、好ましくは30~500nm、より好ましくは50~300nmである。平均粒子径は、動的光散乱法により測定される値である。
水性樹脂の総量中に占める(a)成分の比率は、固形分換算で、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
本発明では、シリカゾルとして、平均粒子径1~200nmの中性シリカゾル(b)(以下「(b)成分」ともいう)を含む。本発明では、上記(a)成分と(b)成分を必須成分として含むことにより、長期にわたり優れた耐汚染性を発揮することができる。その作用機構は、以下に限定されるものではないが、(a)成分に含まれるピペリジン化合物由来の官能基によって、(b)成分の固着性が高まること等が寄与しているものと推測される。
(b)成分のpHは、好ましくは6.0~8.5、より好ましくは6.5~8.2、さらに好ましくは7.0~8.0である。
(b)成分は、例えば、シリケート化合物を原料とする重縮合反応等によって製造することができる。シリケート化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec-ブトキシシラン、テトラt-ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等、あるいはこれらの縮合物等が挙げられる。この他、ジメトキシジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物を併せて使用することもできる。製造時には触媒等を使用することもできる。また、製造過程あるいは製造後に、触媒等に含まれる金属をイオン交換処理等によって除去することもできる。
(b)成分の媒体としては、水及び/または水溶性溶剤が使用できる。水溶性溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類等が挙げられる。
(b)成分の平均粒子径は、1~200nmであり、好ましくは5~100nmである。この範囲内であれば、平均粒子径が異なる複数のシリカゾルを併用することもできる。シリカゾルの平均粒子径が200nmよりも大きい場合は、耐汚染性が不十分となるおそれがあり、1nmよりも小さい場合は、シリカゾル自体が不安定化するため、実用的でない。平均粒子径は、動的光散乱法によって測定される値である。
シリカゾルとしては、本発明の効果を著しく阻害しない限り、(b)成分以外のシリカゾルを含むこともできる。このようなシリカゾルとしては、例えば、pHが2~4の酸性タイプ、pHが9~11のアルカリ性タイプ等が挙げられる。本発明において、シリカゾルの総量中に占める(b)成分の比率は、固形分換算で、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。シリカゾルが(b)成分のみからなる態様も好適である。
本発明では、(a)成分の固形分100重量部に対して、(b)成分を固形分で50~500重量部(好ましくは100~400重量部、より好ましくは120~300重量部)含む。(a)成分と(b)成分がこのような混合比率であれば、長期わたり優れた耐汚染性を十分に発揮することができる。(a)成分と(b)成分の混合比率が上記範囲を逸脱する場合は、このような効果を得ることが困難となる。
本発明の水性コート材の固形分は、好ましくは0.1~20重量%、より好ましくは0.2~10重量%である。水性コート材の固形分は、使用時における固形分であり、製造、保管、運搬時には高固形分とし、使用時に適宜希釈して前記固形分となるものを含む。水性コート材の固形分濃度を十分に低く設定しておけば、例えば、下地(特に艶消し下地)の質感保持等の点で好適である。このような効果は、水性コート材塗装後の乾燥過程においてシリカゾル同士が接近し、その相互作用により二次凝集体が生成されやすくなること等によって奏されるものと推測される。
本発明の水性コート材には、本発明の効果を著しく阻害しない限り、上記以外の成分を適宜混合することができる。このような成分としては、例えば、着色剤(例えば、退色性色素、着色顔料等)、増粘剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、触媒、架橋剤等が挙げられる。
上記成分のうち、退色性色素を含む場合は、塗装時の塗り残し防止、塗付け量管理等の点で好適である。退色性色素としては、光等の作用によって経時的に退色する各種色素が使用でき、例えば、食用青色1号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用緑色3号等の食用染料等が挙げられる。本発明では、(a)成分、(b)成分、及び退色性色素を含む場合、初期着色性(退色前の着色性)が向上する。そのため、少量の退色性色素で十分な初期着色性を得ることができる。経時的な退色性の点でも好適である。
本発明の水性コート材は、以上の成分を常法により均一に混合して製造すればよい。水性コート材のpHは、安定性、耐汚染性発現等の点から、好ましくは5.0~8.5、より好ましくは6.5~8.2、さらに好ましくは7.0~8.0である。
本発明の水性コート材は、例えば、建築物、土木構造物等の表面を保護する水性クリアコート材として使用することができる。適用可能な基材としては、例えば、石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、スレート板、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、ALC板、サイディング板、自然石、人工石、押出成形板、金属、木材、ガラス、陶磁器、焼成タイル、磁器タイル、プラスチック板等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー、パテ等)が施されたものでもよく、既に塗膜が形成されたものや、壁紙、化粧シート材等が貼り付けられたもの等であってもよい。
このような基材の上に、本発明の水性コート材を塗装する際には、例えば、スプレー塗り、刷毛塗り、ローラー塗り、ウエス拭き等の塗装手段を適宜採用することができる。水性コート材の塗付け量は、好ましくは0.005~0.5kg/m、好ましくは0.01~0.3kg/m程度である。この範囲であれば、複数回重ね塗りしてもよい。水性コート材塗装後の乾燥は、好ましくは常温(0~40℃)で行えばよく、必要に応じ加熱下で行うことも可能である。乾燥後の被膜は、親水性を示し、長期にわたり優れた耐汚染性を発揮することができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(水性コート材1)
アクリル樹脂エマルション1{メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び重合性ピペリジン化合物を含むモノマー群の乳化重合により得られた水分散性樹脂、重合性ピペリジン化合物:4-メタクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(樹脂成分中0.5重量%)、ガラス転移温度35℃、平均粒子径100nm、pH8.2、固形分45重量%}と、
シリカゾル1{中性シリカゾル(pH7.6、固形分20重量%、平均粒子径27nm)}とを、
固形分重量比率100:120となるように混合し、これに造膜助剤、増粘剤、消泡剤、退色性色素、及び水を加えて固形分2重量%、pH7.7、退色性色素濃度10mg/Lの水性コート材1を作製した。
(水性コート材2)
アクリル樹脂エマルション1(同上)と、シリカゾル1(同上)とを、
固形分重量比率100:200となるように混合し、これに造膜助剤、増粘剤、消泡剤、退色性色素、及び水を加えて固形分2重量%、pH7.7、退色性色素濃度10mg/Lの水性コート材2を作製した。
(水性コート材3)
アクリル樹脂エマルション1(同上)と、シリカゾル1(同上)とを、
固形分重量比率100:280となるように混合し、これに造膜助剤、増粘剤、消泡剤、退色性色素、及び水を加えて固形分2重量%、pH7.6、退色性色素濃度10mg/Lの水性コート材3を作製した。
(水性コート材4)
アクリル樹脂エマルション2{メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び重合性ピペリジン化合物を含むモノマー群の乳化重合により得られた水分散性樹脂、重合性ピペリジン化合物:4-メタクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン(樹脂成分中0.5重量%)、ガラス転移温度35℃、平均粒子径100nm、pH8.3、固形分45重量%}と、
シリカゾル1(同上)とを、
固形分重量比率100:200となるように混合し、これに造膜助剤、増粘剤、消泡剤、退色性色素、及び水を加えて固形分2重量%、pH7.7、退色性色素濃度10mg/Lの水性コート材4を作製した。
(水性コート材5)
アクリル樹脂エマルション3{メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び重合性ピペリジン化合物を含むモノマー群の乳化重合により得られた水分散性樹脂、重合性ピペリジン化合物:4-メタクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(樹脂成分中2.0重量%)、ガラス転移温度35℃、平均粒子径100nm、pH8.1、固形分45重量%}と、
シリカゾル1(同上)とを、
固形分重量比率100:200となるように混合し、これに造膜助剤、増粘剤、消泡剤、退色性色素、及び水を加えて固形分2重量%、pH7.7、退色性色素濃度10mg/Lの水性コート材5を作製した。
(水性コート材6)
アクリル樹脂エマルション1(同上)と、
シリカゾル2{中性シリカゾル(pH7.8、固形分12重量%、平均粒子径12nm)}とを、
固形分重量比率100:200となるように混合し、これに造膜助剤、増粘剤、消泡剤、退色性色素、及び水を加えて固形分2重量%、pH7.8、退色性色素濃度10mg/Lの水性コート材6を作製した。
(水性コート材7)
アクリル樹脂エマルション4{メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、及び3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含むモノマー群の乳化重合により得られた水分散性樹脂、ガラス転移温度35℃、平均粒子径100nm、pH8.2、固形分45重量%}と、
シリカゾル1(同上)とを、
固形分重量比率100:200となるように混合し、これに造膜助剤、増粘剤、消泡剤、退色性色素、及び水を加えて固形分2重量%、pH7.7、退色性色素濃度10mg/Lの水性コート材7を作製した。
(水性コート材8)
アクリル樹脂エマルション4(同上)と、
シリカゾル1(同上)とを、
固形分重量比率100:40となるように混合し、これに造膜助剤、増粘剤、消泡剤、退色性色素、及び水を加えて固形分2重量%、pH7.7、退色性色素濃度10mg/Lの水性コート材8を作製した。
(水性コート材9)
アクリル樹脂エマルション4(同上)と、
シリカゾル3{塩基性コロイダルシリカ(pH9.5、固形分20重量%、平均粒子径20nm)}とを、
固形分重量比率100:200となるように混合し、これに造膜助剤、増粘剤、消泡剤、退色性色素、及び水を加えて固形分2重量%、pH8.1、退色性色素濃度10mg/Lの水性コート材9を作製した。
(実施例1)
予めシーラー処理を行ったスレート板に、白色艶消しコート材(アクリル樹脂エマルション、酸化チタン、重質炭酸カルシウム、寒水石等の混合物)を鏝塗りし、標準状態(温度23℃・相対湿度50%)で48時間乾燥させることにより、白色の艶消し塗膜を形成させた。この艶消し塗膜の表面に、水性コート材1を塗付け量50g/mで2回スプレー塗装し、標準状態下、暗所にて24時間、次いで直射日光が当たらない屋内にて72時間、さらに72時間乾燥・養生することにより、試験体を作製した。
得られた試験体について、以下の試験を行った。試験結果は表1に示す。
・初期着色性
試験体作製段階において、水性コート材の塗装後、暗所にて24時間乾燥・養生させた時点での色調を確認した。評価は、艶消し塗膜に対する色差(△E)を測定し、△Eが3.0超のものを「A」、△Eが2.5超3.0以下のものを「B」、△Eが2.0超2.5以下のものを「C」、△Eが2.0以下のものを「D」として行った。
・退色性
試験体作製段階において、直射日光が当たらない屋内にて72時間乾燥・養生させた時点での色調を確認した。評価は、艶消し塗膜に対する色差(△E)を測定し、△Eが0.5以下のものを「A」、△Eが0.5超1.0以下のものを「B」、△Eが1.0超1.5以下のものを「C」、△Eが1.5超のものを「D」として行った。
・仕上り性
得られた試験体について、その仕上り状態(艶の状態や全体的な質感)を艶消し塗膜の表面状態と比較した。評価は、艶消し塗膜との差異が認められなかったものを「A」、艶消し塗膜との差異が認められたものを「D」とする4段階(優:A>B>C>D:劣)にて行った。
・耐汚染性1
得られた試験体に、汚染物質分散液を滴下し、50℃の恒温室中に2時間放置した。その後流水中にて洗浄し、汚染物質の痕跡の程度を目視により評価した。評価は、痕跡なしのものを「A」、明らかに痕跡が残ったものを「D」とする4段階評価(優:A>B>C>D:劣)にて行った。
・耐汚染性2
得られた試験体を水中に7日間浸漬した後、上記「耐汚染性1」と同様の方法で試験を行った。
・耐汚染性3
得られた試験体を南向き45度の角度で4か月屋外曝露し、曝露前後の明度変化(△L)を測定した。評価は、△Lが1.0以下のものを「A」、△Lが1.0超1.5以下のものを「B」、△Lが1.5超2.0以下のものを「C」、△Lが2.0超のものを「D」として行った。
(実施例2~6、比較例1~3)
水性コート材1に替えて、それぞれ水性コート材2~9を用いた以外は、実施例1と同様の方法で各試験体を作製して試験を行った。試験結果は表1に示す。
(参考例1)
水性コート材を塗装する前の艶消し塗膜について、耐汚染性試験1~3を行った。試験結果は表1に示す。
Figure 0007179551000001


Claims (1)

  1. 水性樹脂、及びシリカゾルを含む水性コート材であって、
    上記水性樹脂は、ピペリジン化合物が結合した水性樹脂(a)を含み、
    上記シリカゾルは、平均粒子径1~200nm、pH6.0~8.5の中性シリカゾル(b)を含み、
    上記水性樹脂(a)の固形分100重量部に対して、上記中性シリカゾル(b)を固形分で50~500重量部含む
    ことを特徴とする水性コート材。
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