JP4482789B2 - 水性被覆組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水性被覆組成物に関し、さらに詳細には、無機硬化体の表面保護塗装に用いられる水性被覆組成物に関する。
近年、基材に対する新規塗装や補修塗装が、基材の表面を保護し、該基材の耐久性及び美観性を向上させることを目的として、盛んに行われている。
その際、問題となるのは、塗料の基材に対する付着性である。塗料の付着性は、基材の表面状態の影響を受けやすいことから、塗料と基材との付着性を向上させるために、基材表面をケレン処理したり、基材に前もってプライマーを塗装しておく必要がある。
例えば、補修塗装の場合、劣化した旧塗膜や無機硬化体からなる基材の表面をサンダー等で物理的に除去する、いわゆるケレン処理や、高圧水洗浄をしたり、プライマーと塗装したりする必要がある。
一方、個建住宅等の新規塗装の場合、使用する基材の種類が多岐に渡ることから、いずれの基材に対しても十分な付着性を付与するためには、各種プライマーを前もって塗装する必要がある。
また、壁材や屋根材のように、工場での加工や塗装が主流となりつつある基材には、意匠性を付与することを目的として、例えば、基材表面の一部を切削し、煉瓦積みやタイル貼り調の模様を付与することがある。この場合、切削部と非切削部の表面状態は著しく異なり、切削部及び非切削部に対して塗料を塗装するためにも、やはり前もってプライマーを塗装する必要がある。
そこで、プライマーとしては、比較的低分子量のビスフェノールA型のエポキシ樹脂の有機溶剤溶液や、その水分散物、湿気硬化型ウレタン樹脂溶液を用いて得られるものが、上塗り塗料と基材との付着性に優れていることが報告されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、該プライマーは、有機溶剤含有量が高いことから、作業性及び環境保護の観点で好ましいものではない。また、得られる塗膜の耐久性も乏しいことから、重ねて上塗り塗料を塗装することが必須である。
そこで、カルボキシル基及びアルコキシシリル基を有するビニル共重合体の乳化分散液と珪酸リチウムとを含んでなるシーラー用水性樹脂組成物や、アクリルエマルジョン樹脂及び/又は水性樹脂溶液と水溶性珪酸塩とを含んでなる無機板用プライマー組成物が、無機板の表面補強効果や、密着性に優れ、更に有機溶剤含有量を低減できることが報告されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
しかし、前記組成物は、水溶性又は水分散性のアクリル樹脂と水溶性珪酸塩との相溶性が十分でないことから、乾燥塗膜の耐水性が不十分であり、更には、水溶性又は水分散性のアクリル樹脂の層と水溶性珪酸塩の層に分離しやすく、十分な界面強度が得られないなどの問題点が有していた。
また、アミド結合を有するビニルモノマーを用いて得られる共重合体エマルジョン及び/又は水溶液と、水溶性珪酸塩とを含んでなる水性塗料組成物が、耐水性、耐候性及び多孔質基材及び上塗り塗料との密着性に優れていることが報告されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、前記水溶性塗料組成物は、その付着性の点で不十分である。また、前記水溶性塗料組成物を塗布して得られる塗膜に、重ねて上塗り塗料を塗布することが好ましく、上塗り塗料を塗布しない場合、得られる塗膜の耐水性及び耐候性は、未だ十分といえるものではない。
このように、種々の基材に良好な付着性を有し、得られる塗膜上に、場合によっては上塗り塗料を塗布せずとも、耐水性、耐候性及び付着性等に優れた塗膜を形成しうる水性被覆組成物は、市場から渇望されているにもかかわらず、未だ皆無である。
特開平07−144979号公報 特開平2−308887号公報(請求項1) 特開平7−144979号公報(請求項1) 特開平11−029746号公報(請求項1)
本発明の課題は、種々の基材に優れた付着性を有し、耐水性や耐候性等の耐久性に優れた塗膜を形成しうる水性被覆組成物を提供することである。
本発明者らは、研究を重ねた結果、重合体とリチウムシリケートを含有してなる組成物において、該重合体を構成する単量体として、1分子中に重合性不飽和基とスルフォニル基を有する重合性スルフォン酸及び/又はその塩を用いることにより、基材に対して優れた付着性を発現することを見出した。さらには、本発明の水性被覆組成物が、得られる塗膜の耐水性や耐候性等の耐久性も向上させることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、20℃での水に対する溶解度が0.3重量%以下の疎水性不飽和単量体を70重量%以上、一分子内に重合性不飽和基とアルコキシシリル基とを有する重合性アルコキシシランを0.1〜8重量%、及び、一分子内に重合性不飽和基とスルフォニル基とを有する重合性スルフォン酸及び/又はその塩を0.1〜1重量%の範囲で含んでなる単量体混合物を乳化重合して得られる重合体(A)、及び、リチウムシリケート(B)を含んでなり、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との固形分の重量割合が60〜98:40〜2の範囲であることを特徴とする水性被覆組成物に関するものであり、好ましくは、20℃での水に対する溶解度が20重量%以上で、且つ常圧における沸点が130〜240℃の親水性溶剤を、前記重合体(A)及びリチウムシリケート(B)の固形分の合計量100重量部に対し2〜20重量部含んでなる水性被覆組成物に関するものであり、好ましくは、前記重合性アルコキシシランが、一分子内にジメトキシモノアルキルシリル基、ジエトキシモノアルキルシリル基、トリメトキシシリル基及びトリエトキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基と、重合性不飽和基とを有するものである水性被覆組成物に関するものである。
また、 炭素数3〜12のアルキル基を有するスルフォン化ジアルキル琥珀酸塩、炭素数3〜12のアルケニル基を有するスルフォン化ジアルケニル琥珀酸塩及び炭素数3〜12のアルキル基及びアルケニル基を有するスルフォン化アルキルアルケニル琥珀酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を、重合体(A)及びリチウムシリケート(B)の固形分の合計量に対し、0.1〜2重量%含んでなる水性被覆組成物に関するものである。
本発明の水性被覆組成物は、各種の無機硬化体からなる劣化基材、脆弱な基材、緻密な基材等の何れの基材にも優れた付着性を有する。また、本発明によれば、耐水性等の耐久性に優れた塗膜を形成することができ、重ねて上塗り塗料を塗装しなくても十分な耐久性を有する塗膜を形成することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、重合体(A)及びリチウムシリケート(B)を含んでなる水性被覆組成物であり、これらが水に溶解又は分散したものである。
はじめに、本発明の必須成分の一つである重合体(A)について説明する。
重合体(A)は、アルコキシシリル基及びスルフォニル基(又はその塩)を有し、乳化剤の存在下、後述する単量体の混合物をラジカル重合開始剤で重合させることで得ることができる。単量体としては、疎水性不飽和単量体、一分子内に重合性不飽和基とアルコキシシリル基を有する重合性アルコキシシラン、及び、一分子内に重合性不飽和基とスルフォニル基を有する重合性スルフォン酸及び/又はその塩を使用する必要がある。
疎水性不飽和単量体は、得られる塗膜に耐水性や耐アルカリ性、耐候性等の耐久性を具備させるとともに、本発明のもう一つの必須成分であるリチウムシリケート(B)との混合安定性を向上させる観点から必要であり、そのためには、具体的には、20℃での水に対する溶解度が、0.3重量%以下の疎水性不飽和単量体を全単量体中70重量%以上使用することが必要であり、80重量%以上使用することが好ましい。
疎水性不飽和単量体としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数4以上のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ベオバ9、ベオバ10(以上オランダ国シェル社製のバーサチック酸ビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物類などが挙げられる。このうち、芳香族ビニル化合物を多く使用することは、得られる塗膜の耐アルカリ性を向上させるものの、耐候性や、リチウムシリケート(B)との相溶性が乏しくなるので、全単量体中25重量%以下の量で使用することが好ましい。
次に、一分子内に重合性不飽和基とアルコキシシリル基を有する重合性アルコキシシラン(以下、「重合性アルコキシシラン」と省略。)について説明する。
重合性アルコキシシランは、重合体(A)にアルコキシシリル基を導入させるための必須成分で、アルコキシシリル基を導入することで、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との混和安定性や、塗膜乾燥過程における両者の相溶性を向上させ、強固な耐久性を有する塗膜を得ることができる。
重合性アルコキシシランとしては、例えば、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトシシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピリトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリイソプロポキシビニルシラン等の重合性トリアルコキシシラン類やジメトキシメチルビニルシランのようなジアルコキシシラン類やメトキシジメチルビニルシランのようなモノアルコキシシラン類が挙げられる。これらのうち、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との相溶性をより一層向上させる為に、例えば、ジメトキシモノアルキルシリル基、ジエトキシモノアルキルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基を有する重合性アルコキシシランを主用するのが好ましく、更に乳化重合体粒子中の架橋密度を過度に高めないためには、ビニルシランを多用するのが好ましい。
前記重合性アルコキシシランは、一種もしくは二種以上の混合物として、全単量体中0.1〜8重量%の範囲で使用することができる。使用量が0.1重量%未満の場合、どうしても重合体(A)とリチウムシリケート(B)との混和安定性や、強固な耐久性を有する塗膜を形成できるという効果が得られにくく、逆に8重量%を超える量を使用するとその効果が飽和するばかりか、重合体(A)の重合中でアルコキシシリル基同士の縮合に基づく粒子内架橋が進行し、得られる重合体(A)の造膜性が低下するので好ましくない。
次に、一分子内に重合性不飽和基とスルフォニル基を有する重合性スルフォン酸(以下、「重合性スルフォン酸」と省略。)とその塩について説明する。
重合性スルフォン酸は、重合体(A)にスルフォニル基を導入するための必須成分で、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との混和安定性を向上させることができるだけでなく、得られる塗膜の耐水性を向上させることができる。
重合性スルフォン酸としては、例えば、ビニルスルフォン酸、スチレンスルフォン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等、及びこれらのリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、各種アミン塩類等概ね分子量300以下の化合物や、それらの塩が挙げられる。これらを乳化重合させることにより、重合体(A)に容易にスルフォニル基及び/又はその塩類を導入することができる。少量のスルフォニル基を導入することで、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との混和安定性を向上させることが可能になるばかりか、得られる塗膜の耐水性を大幅に向上させることができる。これは重合性スルフォン酸の有するスルフォニル基が、重合体(A)中の重合性アルコキシシランと、リチウムシリケート(B)の有するシラノール基との縮合架橋を促進させるためと推定される。
重合体(A)とリチウムシリケート(B)との混和安定性は、ラジカル重合開始剤に過硫酸塩類、或いはアクアロンHS−10、HS−20、KH−10(以上第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープSE−10(旭電化社製)等の分子量300を超えるスルフォニル基と重合性不飽和基を同一分子内に有するマクロモノマー、所謂、反応性アニオン乳化剤と称させるものを多量に使用することで類似の効果を得ることができるが、これらを多用することは、得られる塗膜の耐水性を損なうので好ましくない。
前記した重合性スルフォン酸及び/又はその塩は、重合体(A)に用いられる単量体中0.1〜1重量%の範囲で使用する必要がある。使用量が0.1重量%未満では、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との混和安定性及び得られる塗膜の耐水性に対する効果が十分でなく、逆に1重量%を超える量を使用すると、水性被覆組成物の安定性が低下するのみならず、得られる塗膜の耐水性が低下し易くなるので好ましくない。
その他の共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの短鎖アルキル基含有(メタ)アクリレート類の他、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの含窒素単量体類、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体類、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸類、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸類及びそのハーフエステル類、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレートなどの2反応性単量体類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、α−オレフィン類、ハロゲン化オレフィン類などが挙げられる。
次に、前記した重合体(A)の製造方法について説明する。
重合体(A)は、前記した各種単量体を乳化重合法で重合させることで得ることができ、かかる乳化重合法は、公知慣用の乳化剤とラジカル重合開始剤を添加した水中に、前記した各種単量体を一括又は分割滴下し、好ましくは0〜100℃で重合させる方法が挙げられる。
乳化剤としては、アニオン乳化剤のみ、或いはアニオン乳化剤とノニオン乳化剤を併用することが好ましい。概ねHLB18以上の親水性の高いノニオン乳化剤を多用する場合は、得られる重合体(A)と、リチウムシリケート(B)との相溶性を損なう可能性があることから、HLB18以上のノニオン乳化剤を用いる場合は必要最小限の量にとどめることが好ましい。
また、後述する炭素数3〜12のアルキル基を有するスルフォン化ジアルキル琥珀酸塩、炭素数3〜12のアルケニル基を有するスルフォン化ジアルケニル琥珀酸塩及び炭素数3〜12のアルキル基及びアルケニル基を有するスルフォン化アルキルアルケニル琥珀酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を、乳化剤として使用することもできる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、アゾビスイソブチロニトリル及びその塩酸塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系開始剤、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量としては、前記した各種単量体の合計100重量部あたり、ラジカル重合開始剤0.01〜10重量部用いることが好ましい。
また、前記した乳化重合法において、ラジカル重合開始剤に還元剤を併用することもできる。かかる還元剤としては、例えば、ナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸等が挙げられる。還元剤の使用量は、前記した各種単量体の合計100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。この際、鉄イオンや銅イオン等の多価金属塩イオンを生成する化合物を促進剤として併用することも可能である。また、メルカプタン類、アルコール系有機溶剤、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤等を分子量調整剤として併用することも可能である。
かくして得られる重合体(A)は、造膜性と得られる塗膜の耐久性の兼ね合いより0〜40℃の範囲のガラス転移温度を有することが好ましい。
次に、本発明に使用するリチウムシリケート(B)について説明する。
本発明に使用するリチウムシリケート(B)は、構造式:LiO・nSiO・aq.(nは正数、aq.は水溶性及び/又は水分散性を示す)で示されるものの水溶液及び/又は水分散液であり、例えば、ポルトランドセメントや石膏、珪酸カルシウム等を硬化成分とする無機硬化体との親和性が高く、水の蒸散とともにガラス質の強固な固化物となる。
その固化物は、リチウムシリケート(B)の有するシラノール基の非可逆的縮合が進んだものでリチアガラスと称される、水を加えても可逆的に水に溶解又は分散しうるものに戻ることのない、耐水性の良好な固化物となることが知られている。リチウムシリケートは(B)は、本発明の水性被覆組成物の塗装時に基材に対する浸透性とアンカー効果を付与し、塗膜形成時には、前述したアルコキシシリル基とスルフォニル基を含有する重合体(A)と共に強固で耐水性良好な硬化膜を形成しうるものであり、本発明において必須成分である。
前記構造を有するリチウムシリケート(B)は、無機硬化体からなる基材への浸透性の観点から、酸化リチウム(LiO)に対する無水珪酸分(SiO)のモル比(構造式中のn)が小さく、分子量が低いものほど良好であるが、固化物の耐水性や物理強度を向上させるためには、構造式中のnが大きいものを用いることが好ましい。以上のことから、構造式中のnは、2〜10の範囲であることが好ましく、かかる範囲のものを使用することで、基材に対する付着性及び耐水性に優れた水性被覆組成物を得ることができる。また構造式中のnが大きくなるにつれて、塗膜外観は透明水溶性のものから、蛍光色を帯びたコロイド分散体になる。
リチウムシリケート(B)は、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との固形分の合計量の内、2〜40重量%の範囲内で使用することが必要である。40重量%を超えると、どうしても得られる塗膜の耐水性が劣るようになり、2重量%未満では、基材に対する付着性が不足する。リチウムシリケート(B)は、基材の表面状況により、浸透性や付着性と、得られる塗膜の耐水性、耐アルカリ性等の耐久性の兼ね合いから決定されるものであり5〜35重量部の範囲で使用されるのが好ましい。
本発明では、前記したリチウムシリケート(B)の他に、本発明の目的を達成する範囲内において、一般式MO・nSiO・aq.(Mは周期律表1A族のアルカリ金属、nは正数、aq.は水溶性又は/及び水分散性を示す)を併用することができ、一般式中のアルカリ金属Mとしては、例えば、ナトリウム、カリウムが挙げられるが、一部アンモニアをさらに併用しているものも使用可能である。
本発明の水性被覆組成物には、重合体(A)とリチウムシリケート(B)の他に、20℃に於ける水に対する溶解度が20重量%以上で、且つ常圧における沸点が130℃〜240℃の範囲にある親水性溶剤を使用することができ、かかる親水性溶剤の使用量は、重合体(A)とリチウムシリケート(B)のそれぞれの固形分の合計100重量部に対し、2〜20重量部の範囲で用いることが好ましい。かかる範囲内で使用することで、本発明の水性被覆組成物の基材付着性を向上させることができ、得られる塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐候性もまた著しく向上させることができる。理由については推論の域を出ないが、これら親水性溶剤を添加すると、水性被覆組成物の全体の表面張力が低下し、基材に対する浸透性が向上するばかりか、重合体(A)の粒子表面を膨潤させ、重合体(A)の造膜性を向上させるばかりでなく、粒子表面近傍に存在する前述のアルコキシシリル基やスルフォニル基と、水相中に存在するリチウムシリケート(B)との接触が良好となり、重合体(A)及びリチウムシリケート(B)の相溶性をいっそう向上させることができるものと思われる。
親水性溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、3−メトキシ−3−メチルブタノール等が挙げられ、これら一種もしくは二種以上の混合物として使用できる。
親水性溶剤であっても、分子内にエステル結合を有するものは、リチウムシリケート(B)に由来する配合物で鹸化される可能性があることから、多量に使用することは好ましくない。
親水性溶剤の使用量は、環境対策の視点からは少ないほど好ましいが、効果との兼ね合いより、必要に応じて重合体(A)及びリチウムシリケート(B)の合計の固形分に対して2〜20重量%の範囲で使用することが好ましく、2〜10重量%の範囲がより好ましい。
親水性溶剤の沸点は、本発明の水性被覆組成物を基材に塗装し、乾燥させる際に、水の蒸散より遅れて親水性溶剤が揮散しうる沸点を有するものが好ましいが、乾燥後、長期に亘り親水性溶剤が塗膜中に残存することも好ましくなく、これらの兼ね合いより、常圧での沸点が130〜240℃の範囲にあることが望ましい。勿論、乾燥工程が、例えば、加熱強制乾燥の場合には常乾の場合より高沸点のものを多用すべきであり、このように乾燥条件に応じた親水性溶剤の選択が好ましい。なお、本発明でいう常圧とは、標準大気圧を意味する。
本発明の水性被覆組成物には、炭素数3〜12のアルキル基を有するスルフォン化ジアルキル琥珀酸塩、炭素数3〜12のアルケニル基を有するスルフォン化ジアルケニル琥珀酸塩及び炭素数3〜12のアルキル基及びアルケニル基を有するスルフォン化アルキルアルケニル琥珀酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、琥珀酸塩と省略する。)を併用することができ、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との相溶性や、放置安定性を向上させるばかりか、水性被覆組成物の表面張力を下げ、基材への付着性を向上させるので推奨されるべきものである。
琥珀酸塩は、乳化重合用乳化剤や水系配合物の湿潤剤として市販されており、例えば、エレミノールJS−2、カラボンDA−72(以上三洋化成社製)、エアロゾルOT−75(米国サイアナミド社製)、ネオコールYSK(第一工業製薬社製)などが挙げられる。
琥珀酸塩は、前記重合体(A)を乳化重合法で製造する際に、乳化剤として使用しても良く、また、重合体(A)や、リチウムシリケート(B)を用いて水性被覆組成物を製造する際に、適時使用することができる。
琥珀酸塩の使用量は、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との固形分合計量に対し、0.1〜2重量%の範囲であることが好ましい。かかる範囲の琥珀酸塩を使用することで、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との相溶性や、安定性、基材への付着性及び塗膜の耐水性などに優れた水性被覆組成物を得ることができる。
本発明の水性被覆組成物は、重合体(A)及びリチウムシリケート(B)を含有する限りにおいて、その製造方法にこだわるものではなく、例えば、重合体(A)の水分散液又は水溶液中にリチウムシリケート(B)を撹拌しながら添加することで得ることができ、また、リチウムシリケート(B)に重合体(A)の水分散液又は水溶液を滴下、撹拌することでも得ることができる。
本発明の水性被覆組成物には、本発明の目的を達成する範囲内で、公知慣用の塗料添加剤、例えば、増膜助剤、増粘剤、凍結防止剤、レベリング剤、ワックス、撥水剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、染料、艶消し剤、顔料分散剤、顔料などを配合することができる。このうち、顔料は、過剰に配合すると基材に対する付着性、塗膜そのものの耐久性が損なわれ易いので注意を要する。従って、本発明の水性被覆組成物は、クリアーやカラークリアーの塗料として使用することが好ましい。また、充填剤として、水ガラスやコロイダルシリカを、得られる塗膜の耐久性を低下させない範囲で併用することもできる。
かくして得られる水性被覆組成物は、セメントコンクリート構造物、セメントモルタル仕上げ面、壁材、間仕切り材、セメント瓦の如き屋根材等の無機硬化体からなる基材の新規塗装による保護、劣化基材や劣化旧塗膜上に塗装する補修・保護に好適である。本発明の水性被覆組成物は、上記各種基材に対するワンコート仕上げに用いることができ、必ずしも上塗り塗料を重ねて塗装しなくても十分な耐久性を有するものであるが、必要に応じて本発明の水性被覆組成物をシーラーとして使用し、基材の美観向上のため、重ねて各種上塗り塗料を再塗装してもよい。
ここで、前記した基材としては、例えば、建築構造物のセメントコンクリートやモルタル部位、セメント系部材、珪酸カルシウム板、軽量コンクリート板、木質セメント板、石膏ボード、漆喰面など所謂無機硬化体からなるものが挙げられる。
上塗り塗料は特に限定されるものではなく、一般的に用いられているもの、例えば組成面で区別するとアクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料等、溶剤組成で区別すると水系、所謂エマルジョン系塗料、溶剤系塗料等、また1液、2液にこだわることなく、用いることができる。但し環境保全の観点より水系塗料を使用することが好ましい。
以下、本発明を具体的に説明するが、特断のない限り、「部」は重量基準である。
(本発明で使用する重合体の調製例1)
攪拌機、窒素導入管、温度計、乾留冷却器を備えた3リットル反応器に窒素を導入しつつ、脱気したイオン交換水800部、ネオペレックスF−25(花王社製の固形分25重量%のアニオン乳化剤)40部、レオノールTD−200(ライオン社製固形分100重量%のノニオン乳化剤)15部を仕込み、攪拌を開始し、80℃まで昇温した。過硫酸ナトリウム1部を仕込み、反応温度を78〜82℃に保ちつつ、別途調整した脱気したイオン交換水250部、ニューコール707SF(日本乳化剤社製の固形分30重量%のアニオン乳化剤)33部、シクロヘキシルメタクレレート(以後CHMAと略す。)250部、n−ブチルメタクリレート(以後n−BMAと略す。)200部、n−ブチルアクリレート(以後n−BAと略す。)400部、メチルメタクリレート(以後MMAと略す。)120部、メタクリル酸(以後MAAと略す。)10部、トリメトキシビニルシラン(以後TMeoVSiと略す。)15部、IPS(JSR社製のイソプレンスルフォン酸ナトリウムの25重量%水溶液)20部とを攪拌乳化せしめた単量体乳化プレミックスを3時間かけて滴下せしめた。同温度に保持しつつ過硫酸カリウム1部を加え更に同温度で4時間保持し室温まで冷却した。25重量%アンモニア水を用いてpHを6.5に調整し、イオン交換水を加え固形分を45重量%に調整した。得られた重合体の水分散液(A−1)は固形分45重量%、pH6.5、最低造膜温度5℃であった。
(本発明で使用する重合体の調製例2)
上記と同様の反応装置に窒素導入下、イオン交換水800部、ネオペレックスF−25(前出のアニオン乳化剤、固形分25重量%)40部、ノイゲンET−102(第一工業製薬社製の固形分100重量%のノニオン乳化剤)10部を仕込み、攪拌を開始し、80℃まで昇温した。過硫酸ナトリウム1.5部を仕込み、反応温度を78〜82℃に保ちつつ、別途調整した脱気したイオン交換水250部に、ニューコール707SF(日本乳化剤社製の固形分30重量%のアニオン乳化剤)33部、エマルゲンA−500(花王社製の固形分100重量%のノニオン乳化剤)10部とを溶解し、そこにCHMA250部、n−BMA50部、n−BA450部、MMA100部、スチレン(以後Stと略す。)100部、MAA17部、トリエトキシビニルシラン(以後TEtoVSiと略す。)25部、スピノマーNaSS(東ソー社製のスチレンスルフォン酸ナトリウムの固形分80重量%品)5部と、SVS(米国UCC社製のビニルスルフォン酸ナトリウムの25重量%溶液)16部を攪拌乳化せしめた単量体乳化プレミックスを3時間かけて滴下せしめた。同温度に保持しつつ過硫酸カリウム1部を加え更に同温度で4時間保持し室温まで冷却した。25重量%アンモニア水を用いてpHを6.5に調整し、イオン交換水を加え固形分を45重量%に調整した。得られた重合体の水分散液(A−2)は固形分45重量%、pH6.5、最低造膜温度15℃であった。
(本発明で使用する重合体の調製例3)
前記した本発明で使用する重合体の調製例1と同様の反応装置を用い、用いる単量体混合物の組成を、n−BMA200部、2−エチルヘキシルアクリレート(以後2−EHAと略す。)140部、n−BA190部、St410部、MAA25部、TEtoVSi28部、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(以後A−174と略す。)2部、スピノマーNaSS(前出の80重量%のスチレンスルフォン酸ナトリウム)6.3部に換えた以外、同様の操作を繰り返した。得られた重合体の水分散液(A−3)は固形分45重量%、pH6.5、最低造膜温度20℃であった。
(比較用の重合体の調製例1)
前記した本発明で使用する重合体の調製例1と同様の反応装置を用い、用いる単量体混合物の組成を、CHMA250部、n−BMA200部、n−BA400部、MMA125部、MAA10部、TMeoVSi15部とした以外、同様の操作を繰り返した。得られた重合体の水分散液(A’−1)は固形分45重量%、pH6.5、最低造膜温度5℃であった。
(比較用の重合体の調製例2)
前記した本発明で使用する重合体の調製例1と同様の反応装置を用い、用いる単量体混合物の組成を、CHMA250部、n−BMA200部、n−BA400部、MMA135部、MAA10部、IPS(前出のイソプレンスルフォン酸ナトリウムの25重量%水溶液)20部以外、同様の操作を繰り返した。得られた重合体の水分散液(A’−2)は固形分45重量%、pH6.5、最低造膜温度5℃であった。
(比較用の重合体の調製例3)
前記した本発明に係わる重合体の調整例1と同様の反応装置、重合手法を用い、用いる単量体混合物の組成を、CHMA250部、n−BMA200部、n−BA400部、MMA140部、MAA10部とした以外、同様の操作を繰り返した。得られた重合体の水分散液(A’−3)は固形分45重量%、pH6.5、最低造膜温度5℃であった。
(比較用の重合体の調製例4)
前記した本発明で使用する重合体の調製例2と同様の反応装置、重合手法を用い、用いる単量体混合物の組成を2−EHA275部、n−BA190部、MMA490部、MAA12部、TEtoVSi25部、スピノマーNaSS(東ソー社製のスチレンスルフォン酸ナトリウムの固形分80重量%品)5部と、SVS(米国UCC社製のビニルスルフォン酸ナトリウムの25重量%溶液)16部とした以外同様の操作を繰り返した。得られた重合体の水分散液(A’−4)は固形分45重量%、pH6.5、最低造膜温度10℃であった。
(比較用の重合体の調製例5)
前記した本発明で使用する重合体の調製例2と同様の反応装置、重合手法を用い、用いる単量体混合物の組成を2−EHA190部、n−BA200部、MMA365部、MAA12部、n−BMA200部、TEtoVSi25部、スピノマーNaSS(東ソー社製のスチレンスルフォン酸ナトリウムの固形分80重量%品)5部と、SVS(米国UCC社製のビニルスルフォン酸ナトリウムの25重量%溶液)16部とした以外同様の操作を繰り返した。得られた重合体の水分散液(A’−5)は固形分45重量%、pH6.5、最低造膜温度10℃であった。
(比較用の重合体の調製例6)
前記した本発明で使用する重合体の調製例2と同様の反応装置、重合手法を用い、用いる単量体混合物の組成をSt107部、n−BA427部、MMA260部、MAA10部、n−BMA175部、TMeoVSi15部、アクリルアミド(AM)6部とした以外同様の操作を繰り返した。得られた重合体の水分散液(A’−6)は固形分45重量%、pH6.5、最低造膜温度10℃であった。
かくして得られた本発明で使用する重合体の水分散液A−1、A−2、A−3、及び本発明外の比較用の重合体の水分散液A’−1、A’−2、A’−3、A’−4、A’−5、A’−6の組成等を纏めて表1に記載する。
Figure 0004482789


*表1中の値は、各種単量体の合計量を100重量部としたときの値で、有効成分換算重量部である。
(水性被覆組成物の調製例)
表2,表3に上段から記載されている順番に、水に前記した重合体の水分散液、リチウムシリケート、その他の珪酸塩、親水性溶剤、琥珀酸塩などを攪拌しながら添加し、水性被覆組成物を調製した。
Figure 0004482789
*1 S−701 :大日本インキ化学工業(株)製水溶性アクリル樹脂(固形分41.5重量%)
*2 リチウムシリケート45 :日産化学(株)製リチウムシリケート(SiO/LiO=4.5 /固形分22重量%)
*3 リチウムシリケート35 :日産化学(株)製リチウムシリケート(SiO/LiO=4.5 /固形分23重量%)
*4 珪酸ソーダ4号 :日本化学工業(株)製珪酸ソーダ(固形分31重量%)
*5 スノーテックスC :日産化学(株)製コロイダルシリカ(固形分20重量%)
*6 ネオコールYSK :第一工業製薬(株)製スルフォン化ジアルキル琥珀酸塩(固形分70重量%)
Figure 0004482789
水性被覆組成物の基材付着性の結果を表4に示す。
Figure 0004482789
基材A:スレート瓦を10年間暴露したもの
基材B:窯業系壁材を10年間暴露したもの
基材C:珪酸カルシウム板(比重0.92)
基材D:ALC板(比重0.67)
基材E:歩道用平板
試験方法:水性被覆組成物(不揮発分=10重量%に水で希釈したもの)を基材に塗布量が150〜180g/mとなるように刷毛塗りし、23℃で3日間乾燥した。乾燥後塗膜表面に2mm間隔で25個のゴバンメをカッターナイフで入れ、セロテープ剥離試験を行った(常態付着性)。また、さらに水に24時間浸漬した後、8時間室温で放置後、同様にセロテープ剥離試験を行った(耐水付着性)。
◎ :25個すべてが基材表面に残っている状態
○ :20〜24個、基材表面に残っている状態
△ :10〜19個、基材表面に残っている状態
X :1〜9個、基材表面に残っている状態
XX :完全に剥離してしまっている状態
表5〜7に耐久性試験結果を示す。
Figure 0004482789
Figure 0004482789
Figure 0004482789
*7 上塗りA :市販外装用エマルジョン塗料(恒和化学工業(株)製ダイヤビフレッシュアクリル)
*8 上塗りB :重合体(A)−3 100重量部にテキサノール4重量部を加え、よく攪拌した後にディスパーズカラーHG−633(大日本インキ化学工業(株)製着色顔料)3重量部配合したもの。
試験方法 :水性被覆組成物(不揮発分=10重量%に水で希釈したもの)を基材に塗布量が150〜180g/mとなるように刷毛塗りし、23℃で3日間乾燥した。表5においては、その後各種試験を行った。表6,7においては水性被覆組成物乾燥後、水で適宜希釈した上塗り塗料(表中に○印がある上塗り塗料)を刷毛で300g/mとなるよう塗布した。その後室温で7日間乾燥させた後、各種試験を行った。
耐水性 :水に24時間浸漬し、取り出した直後の塗膜状態を目視で判定した。
○ :フクレ、ハガレが観察されない。
△ :塗膜のフクレが観察される。
X :塗膜のハガレが観察される。
耐アルカリ性 :2重量%水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬し、取り出した直後の塗膜状態を目視で観察した。
○ :フクレ、ハガレが観察されない。
△ :塗膜のフクレが観察される。
X :塗膜のハガレが観察される。
促進耐候性 :JIS−K−5400に準拠した方法でサンシャインウエザオメーターで500時間照射後の塗膜状態を目視で判定した。
○ :ふくれ、ハガレ、ワレ、つや引けなどが観察されない。
△ :ふくれまたはつやびけが観察される。
X :はがれ、極端なつやビケなどが観察される。


Claims (4)

  1. 20℃での水に対する溶解度が0.3重量%以下の疎水性不飽和単量体を70重量%以上、一分子内に重合性不飽和基とアルコキシシリル基とを有する重合性アルコキシシランを0.1〜8重量%、及び、一分子内に重合性不飽和基とスルフォニル基とを有する重合性スルフォン酸及び/又はその塩を0.1〜1重量%の範囲で含んでなる単量体混合物を乳化重合して得られる重合体(A)、及び、リチウムシリケート(B)を含んでなり、重合体(A)とリチウムシリケート(B)との固形分の重量割合が60〜98:40〜2の範囲であることを特徴とする水性被覆組成物。
  2. 20℃での水に対する溶解度が20重量%以上で、且つ常圧における沸点が130〜240℃の親水性溶剤を、前記重合体(A)及びリチウムシリケート(B)の固形分の合計量100重量部に対し2〜20重量部含んでなる請求項1記載の水性被覆組成物。
  3. 前記重合性アルコキシシランが、一分子内にジメトキシモノアルキルシリル基、ジエトキシモノアルキルシリル基、トリメトキシシリル基及びトリエトキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基と、重合性不飽和基とを有する請求項1又は2に記載の水性被覆組成物。
  4. 炭素数3〜12のアルキル基を有するスルフォン化ジアルキル琥珀酸塩、炭素数3〜12のアルケニル基を有するスルフォン化ジアルケニル琥珀酸塩、及び、炭素数3〜12のアルキル基及びアルケニル基を有するスルフォン化アルキルアルケニル琥珀酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を、前記重合体(A)及びリチウムシリケート(B)の固形分の合計量に対し、0.1〜2重量%含んでなる請求項1〜3いずれかに記載の水性被覆組成物。


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