JP2006036873A - 水性分散液及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性の優れたシーリング剤を構成する水性分散液を提供することを目的とする。
【解決手段】構成モノマーとして、スチレン系化合物(A)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)、及びアミド基含有単量体(D)を含み、これらの組成割合が、上記の(A)成分〜(D)成分の合計量を100としたとき、重量比でA/B/C/D=5〜50/25〜65/3〜30/2〜10である(メタ)アクリル系共重合体を含有し、上記(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度は、−20〜40℃であり、上記(メタ)アクリル系共重合体100重量部あたり、0.5〜5重量部の湿潤剤を含有する水性分散液を用いる。
【選択図】なし

Description

この発明は、(メタ)アクリル系共重合体を含有する水性分散液及びその製造方法に関する。
建築物の内外装用として用いられる各種建築資材、例えば、スレート、ケイ酸カルシウム板、セメントモルタル板等の無機質材料には、通常、各種の塗料が塗布される。
しかし、これらの建築資材を下地とし、この上に直接、上塗り塗料を塗布すると、塗膜の剥離や変質が生じやすい。また、上記建築資材等の多くの下地材料には、アルカリ分が含まれている場合が多く、経時的なアルカリ分の溶出により、上塗り塗料を侵すという問題を有する。
これらの弊害を防止し、下地材料の影響を封じ込めるため、上塗り塗料を形成する前に、シーリング剤と呼ばれる下地調整剤を下地材料に塗工する方法が採用される。このシーリング剤としては、従来、有機溶剤系樹脂組成物が使用されてきた。しかし、毒性、引火性、環境対応等の問題から、水性化への転換が検討されている。
また、近年、弾性を有する水系上塗り塗料が多く使用されるようになっており、この弾性を有する上塗り塗膜との密着性を良好に保つことも必要であり、このことからも、水溶性のシーリング剤は重要である。
このような水溶性のシーリング剤として、グリシジル基を有するアクリル系化合物、メタクリル酸、アクリルアミド、ハロゲンを有するアクリル系化合物、一般のアクリル系化合物等からなる共重合体を用いた例が、特許文献1に記載されている。また、ジメチルアミノ基を有するアクリル系化合物、ハロゲンを有するアクリル系化合物、一般のアクリル系化合物等からなる共重合体を用いた例が、特許文献2に記載されている。
特開平11−199825号公報 特開平11−246791号公報
しかしながら、上記特許文献1の共重合体は、ハロゲンを有するアクリル系化合物及び酸性を有するアクリル系化合物が必須成分であり、また、上記特許文献2の共重合体は、ハロゲンを有するアクリル系化合物及び塩基性を有するアクリル系化合物が必須成分である。これらの成分を有するため、これらの共重合体を用いて塗膜を形成させた場合、耐水性に劣る傾向がある。
そこで、この発明は、耐水性の優れたシーリング剤を構成する水性分散液を提供することを目的とする。
この発明は、構成モノマーとして、スチレン系化合物(A)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)、及びアミド基含有単量体(D)を含み、これらの組成割合が、上記の(A)成分〜(D)成分の合計量を100としたとき、重量比でA/B/C/D=5〜50/25〜65/3〜30/2〜10である(メタ)アクリル系共重合体を含有し、上記(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度は、−20〜40℃であり、かつ、上記(メタ)アクリル系共重合体100重量部あたり、0.5〜5重量部の湿潤剤を含有する水性分散液を用いることにより、上記課題を解決したのである。
この発明にかかる水性分散液は、特定のモノマー組成を有する(メタ)アクリル系共重合体を有するので、得られる塗膜の耐水性を向上させることができる。
また、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを用い、かつ、所定の湿潤剤を所定量用いるので、既存の溶剤系塗膜への密着も良好となる。
この発明にかかる水性分散液は、構成モノマーとして、所定のモノマーを所定割合で含有させたモノマー組成物を乳化重合して得られる(メタ)アクリル系共重合体に湿潤剤を加えた分散液である。
上記の構成モノマーとしては、スチレン系化合物(以下、「(A)成分」と称する。)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、「(B)成分」と称する。)、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(以下、「(C)成分」と称する。)、及びアミド基含有単量体(以下、「(D)成分」と称する。)を必須成分として含む。そして、必要に応じて、ニトリル基含有単量体(以下、「(E)成分」と称する。)を含んでもよい。なお、この明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
上記(A)成分であるスチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン等があげられる。また、上記(B)成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等から選ばれる少なくとも1種があげられる。
さらに、上記(C)成分であるエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、ジグリシジルフマレート、3,4−エポキシビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、ε−カプロラクトン変性グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等から選ばれる少なくとも1種があげられる。
また、上記(D)成分であるアミド基含有単量体としては、(メタ)アクリルアミド、イタコン酸アミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソブチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、ビニルアミド等から選ばれる少なくとも1種があげられる。
さらに、上記(E)成分であるニトリル基含有単量体としては、(メタ)アクリロニトリルが例示される。
上記モノマー組成物内の上記(A)成分〜(D)成分の組成割合は、(A)成分〜(D)成分の合計量を100としたとき、重量比でA/B/C/D=5〜50/25〜65/3〜30/2〜10が必要で、10〜40/30〜60/5〜25/3〜7が好ましい。
上記(A)成分が(A)成分〜(D)成分の合計量に対して、5重量%より少ないと、耐水性が悪化する傾向がある。一方、50重量%より多いと、重合時の付着や凝集物の生成が多くなることがある。
上記(B)成分が(A)成分〜(D)成分の合計量に対して、25重量%より少ないと、弾性系上塗り塗料との密着性が劣る傾向がある。一方、65重量%より多いと、硬質系上塗り塗料との密着性が悪化することがある。
上記(C)成分が(A)成分〜(D)成分の合計量に対して、3重量%より少ないと、上塗り塗料や下地層に既存の塗料が施されている場合の下地層との密着性が低下する傾向がある。一方、30重量%より多いと、水性分散液の経時的な安定性が悪化することがある。
上記(D)成分が(A)成分〜(D)成分の合計量に対して、2重量%より少ないと、水性分散液の経時的な安定性が悪化することがある。一方、10重量%より多いと、塗膜の耐水性が劣る傾向がある。
上記構成モノマーとして、上記(E)成分を加える場合、この(E)成分の含有量は、上記(A)成分〜(D)成分の合計量に対して3〜15重量%がよく、5〜10重量%が好ましい。3重量%より少ないと、得られる塗膜により、タバコ等の煙に含まれるヤニ止め防止効果が不十分となる傾向がある。一方、15重量%より多いと、塗膜の耐水性が悪化する傾向がある。
次に、上記モノマー組成物の乳化重合方法について説明する。上記(メタ)アクリル系共重合体の水性分散液は、上記(A)成分〜(D)成分、及び必要に応じて(E)成分からなる単量体混合物を乳化剤及び重合開始剤の存在下、水性媒体中で乳化重合することにより得られる。
上記乳化剤としては、各種の公知の乳化剤を用いることができる。乳化剤の具体例としては、ステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等のカチオン系乳化剤;オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル燐酸エステル等のアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤;ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両イオン性乳化剤等を挙げることができる。
さらに、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する界面活性剤(以下、「反応性乳化剤」という)を乳化剤として用いることもできる。反応性乳化剤は、通常の乳化剤の様にエマルジョン粒子に物理的に吸着したものではなく、重合時に共重合されて重合鎖に組み込まれる。このため、反応性乳化剤を用いて得られるエマルジョンは、乳化剤の存在による耐水性の低下等の弊害がなく、しかも反応性乳化剤は皮膜中に均一に存在するため、上塗塗膜の密着性も良好となる。反応性乳化剤としては、具体的には、ビニル基、アリル基、プロペニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等のラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する基を含む界面活性剤が適当であり、反応性乳化剤の種類としては、ノニオン系、アニオン系等の各種のものがある。
この様な反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを基本構造として疎水基にラジカル重合性のプロペニル基を導入したノニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩を基本構造として疎水基にラジカル重合性のプロペニル基を導入したアニオン系界面活性剤、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム等を挙げることができる。反応性乳化剤の具体例としては、アニオン系のものとして、アクアロンHS−10、アクアロンHS−20、アクアロンHS−1025、アクアロンKH−10(いずれも商品名(商標)、第一工業製薬(株)製)、エレミノールJS−2(商品名(商標)、三洋化成工業(株)製)、ラテムルS−180(商品名(商標)、花王(株)製)等があげられ、また、ノニオン系のものとして、アクアロンRN−20、アクアロンRN−30、アクアロンRN−50(いずれも商品名(商標)、第一工業製薬(株)製)をあげることができる。
これらの中でもアニオン系反応性乳化剤が好ましく、アンモニウム塩型のアニオン系反応性乳化剤が特に好ましい。
上記乳化剤の使用量は、単量体混合物全量に対して1〜20重量%がよく、2〜5重量%が好ましい。1重量%より少ないと、水性分散液の経時的な安定性が劣る傾向がある。一方、20重量%より多いと、水性分散液の粘度が高くなって、取扱い性が悪化する傾向がある。
上記重合開始剤としては、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤等の有機系重合開始剤、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機系過酸化物系開始剤などを使用できる。また、上記の無機系過酸化物系開始剤を酸化剤とし、これにナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、L−アスコルビン酸、有機アミン等の還元剤を併用した酸化還元重合開始剤(レドックス開始剤)を用いても良く、1種単独で用いるか或いは2種以上を併用してもよい。これらの中でも、上記有機系重合開始剤や、上記酸化剤として過酸化水素を用いる酸化還元重合開始剤が生成塗膜の耐水性の点で、より好ましい。
上記重合開始剤の使用量は、単量体混合物全量に対して0.05〜10重量%がよく、0.1〜3重量%が好ましい。0.05重量%より少ないと、反応速度が低下し、未反応単量体が多くなる傾向がある。一方、10重量%より多いと、得られる塗膜の耐水性が悪化することがある。
また、必要に応じて、連鎖移動剤として各種のメルカプタン類、α−メチルスチレン、ハロゲン化アルキル等を用いることができる。連鎖移動剤は、重合体の機械的安定性向上、重合容器への付着防止等に有効である。連鎖移動剤の使用量は、単量体重量に対して0.01〜10重量%がよく、0.05〜3重量%が好ましい。
上記乳化重合の重合温度は、30〜90℃程度とすればよく、重合率の点からは60〜80℃程度とすることが好ましい。また、重合時間は、3〜12時間程度、好ましくは3
〜8時間程度とすればよい。重合反応時の単量体混合物の濃度は、通常、30〜70%程度、好ましくは40〜60%程度とすればよい。得られる水性樹脂液は、通常、樹脂濃度30%において、25℃における粘度が1〜1000Pa程度の範囲のものが好ましい。
得られた上記水性分散液に含まれる(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)の上限は、40℃であり、20℃が好ましい。40℃より高いと、弾性を有する塗膜に対する密着性が悪化する傾向がある。一方、ガラス転移温度(Tg)の下限は、−20℃であり、−10℃が好ましい。−20℃より低いと、塗膜の耐水性が低下すると共に、ベタつきやすくなり、上塗り塗料を塗布する前に汚れが付着して、塗膜外観を損なうことがある。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、常法にしたがって、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
上記の方法で製造された水性分散液には、溶剤系塗膜への濡れ性を向上させるために、湿潤剤が含有される。この湿潤剤の含有量の下限は、上記水性分散液に含有される上記(メタ)アクリル系共重合体100重量部あたり、0.5重量部であり、1重量部がより好ましい。0.5重量部より少ないと、下地層に既存の塗料が施されている場合の濡れ性が劣り、均一な塗工ができないことがある。一方、上記湿潤剤の含有量の上限は、5重量部であり、3重量部がより好ましい。5重量部より多いと、基材や上塗り塗料との密着性が低下する傾向がある。
本発明において用いられる湿潤剤は、既存の塗膜や塗装される基材の表面が、固−気界面から固−液界面へ置換され、水性分散液で覆われるのを促進させるための添加剤である。このような湿潤剤としては、界面活性剤の中でも、濡れ性や浸透性が高いとされる、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩、脂肪酸アルカノールアミド等が用いられるが、中でも、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩、脂肪酸アルカノールアミド、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル等からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく用いられる。
この発明にかかる水性分散液は、シーリング剤として使用されるが、このとき、水性分散液中の(メタ)アクリル系重合体の含有量は、10〜30重量%程度とすることが好ましい。
また、この発明にかかる水性分散液には、必要に応じ、本発明の目的、効果に悪影響を及ぼさない範囲で、公知の添加剤、例えば顔料、充填剤、分散剤、防腐剤、防かび剤、可塑剤等を配合してもよい。
この発明にかかる水性分散液は、常法に従って、例えば、モルタル面、コンクリート面、外壁、屋根等の屋外の補修用のシーリング剤として好適に使用できる。更に、強制乾燥して用いることも可能であり、例えば、外壁材、スレート瓦等を製造する際にシーリング剤として用いることもできる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。まず、評価方法及び使用した原材料について説明する。
(原材料)
[(A)成分]
・スチレン…三菱化学(株)製(以下、「SM」と略する。)
[(B)成分]
・アクリル酸2−エチルヘキシル…三菱化学(株)製(以下、「2EHA」と略する。)
[(C)成分]
・メタクリル酸グリシジル…三菱ガス化学(株)製(以下、「GMA」と略する。)
[(D)成分]
・アクリルアミド…ダイヤニトリックス(株)製(以下、「AAM」と略する。)
[(E)成分]
・アクリロニトリル…ダイヤニトリックス(株)製(以下、「AN」と略する。)
[乳化剤]
・アニオン性反応性乳化剤…第一工業製薬(株)製:KH−10(商品名)(以下、「KH10」と略する。)
[重合開始剤]
・酸化剤…化薬アクゾ(株)製:カヤブチルH−70(商品名(商標))(以下、「H70」と略する。)
・還元剤…ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)(三菱ガス化学(株)製:スーパーライトC(商品名(商標))(以下、「スーパーライトC」と略する。))
[湿潤剤]
・脂肪族アルカノールアミド混合物…サンノプコ(株)製:SNディスパーサント−2040(商品名(商標))(以下、「湿潤剤1」と略する。)
・ジオクチルスルホコハク酸エステルナトリウム塩…三井サイテック(株)製:エアロゾルOT−75(商品名(商標))(以下、「湿潤剤2」と略する。)
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル…花王(株)製:エマルゲン1135S−70(商品名(商標))(以下、「湿潤剤3」と略する。)
(評価方法)
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
示差走査熱量分析(DSC)(セイコー電子工業(株)製 示差走査熱量計DSC−220C型)法によって、温度範囲−100〜+100℃、昇温温度10℃/分の条件にて、測定した。
[不揮発分の測定]
乳化重合液を、JIS K 6833に記載の規定に従って測定した。
[粘度]
乳化重合で得られた水性分散液を、JIS K 6833に記載の規定に準じて、B型粘度計((株)トキメック製、ブルックフィールド粘度計)を用いて、25℃、12rpmにて測定した(単位:mPa・s)。
[pHの測定]
乳化重合で得られた水性分散液を、JIS K 6833に記載の規定に従って測定した。
[エマルジョンの安定性]
水性分散液を50℃、1ヶ月間静置した後の凝集・沈降物の有無を目視で判定した。
○:凝集・沈降物なし
×:凝集・沈降物が見られる
[ロ過性]
水性分散液を100メッシュの濾布を用いてロ過した際のロ過性を評価した。
○:正常にロ過できた
×:ロ過が著しく遅いか、又はロ過できなかった
[付着性]
乳化重合後の重合容器内壁、撹拌翼への重合体の付着状況により評価した。
○:付着なし
×:付着が多く見られる
[耐水性試験]
得られた乳化重合液94.0重量部に、テキサノールCS−12(チッソ(株)製、商品名(商標))0.4重量部、エチレングリコール0.4重量部、アデカネートB940(旭電化工業(株)製 商品名(商標))0.05重量部、アデカノールUH420(旭電化工業(株)製 商品名(商標))0.15重量部、上記湿潤剤を所定量、及び水3.6重量部を混合して、シーリング剤用分散液を調製した。このシーリング剤用分散液の粘度は、200mPa、不揮発分29%、pH7.0であった。なお、湿潤剤の種類及び量によって、上記物性値の変化は見られなかった。
溶剤系アクリル塗料を塗布して50℃乾燥機中で7日間放置した塗装スレート板に、得られたシーリング剤用分散液を刷毛塗りで、150g/m2(wet量)塗布した。そして、23℃、50%RH条件下で、6時間放置した。
次いで、上塗り塗料として、水系単層弾性塗料(エスケー化研(株)製:ニュートップレスクリーン)、又は水系シリコンアクリル塗料(エスケー化研(株)製:セラミシリコン)を、250g/m2(wet量)塗布した。その後、50℃で1日間放置し、試験片を作成した。得られた試験片を用いて、下記の各試験を行った。
(溶剤系塗膜への濡れ性)
上記試験片を製造する過程において、シーリング剤用分散液を刷毛塗りで、塗ったときの状態を下記の基準で評価した。
○…均一に塗布できた
△…塗布直後は均一だが、すぐに、分散液のハジキが発生した
×…均一塗布が困難であった
(水浸漬試験)
上記試験片を、50℃温水に10時間浸漬し、引き上げたときの外観を観察し、下記の基準で評価した。
○…膨れなし
×…膨れ有り
(碁盤目試験)
上記試験片を用いて、JIS K 5600−5−6の方法に従って5×5のマス目となるように切り込みを入れ、下記の基準で評価した。
○…剥離したマス目の数が5以下であった
△…剥離したマス目の数が5以上10未満であった
×…剥離したマス目の数が10より多かった。
(ピーリング試験)
カッターナイフを用いて、2mmの幅に切れ目を入れ、指で剥離を試みた。
○:剥離しない
△:剥離するが、抵抗がある
×:抵抗なく剥離する
(乳化重合)
温度計、温度調節器、撹拌装置、滴下ロート、窒素ガス導入管及び還流冷却管を備えた反応容器に、表1に示す乳化剤及び水を仕込み、80℃に昇温しながら窒素ガスを導入した。
次いで、表1に示す単量体、乳化剤及び水を混合して、乳化機で1000〜1500rpmの攪拌速度で混合して予備乳化液を作製した。
そして、反応温度を80℃に保持した状態で、100rpmで撹拌しながら、表1に示す酸化剤及び還元剤を添加し、次いで、上記予備乳化液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃に保持しながら熟成を行った。そして、2時間経過後、重合反応終了と判断して冷却し、不揮発分33重量%の乳化重合液を得た。得られた乳化重合液の物性を表1に示す。
Figure 2006036873
(実施例1〜3、比較例1〜6)
得られた乳化重合液を用いて、上記耐水性試験に記載の方法にしたがって、シーリング剤用分散液を調製した。このとき使用した湿潤剤の種類及び量は、表2に示す通りである。
得られたシーリング剤用分散液を用いて、表3に示す評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2006036873
Figure 2006036873

Claims (7)

  1. 構成モノマーとして、スチレン系化合物(A)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)、及びアミド基含有単量体(D)を含み、これらの組成割合が、上記の(A)成分〜(D)成分の合計量を100としたとき、重量比でA/B/C/D=5〜50/25〜65/3〜30/2〜10である(メタ)アクリル系共重合体を含有し、
    上記(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度は、−20〜40℃であり、
    上記(メタ)アクリル系共重合体100重量部あたり、0.5〜5重量部の湿潤剤を含有する水性分散液。
  2. 上記エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)が、メタクリル酸グリシジルである請求項1に記載の水性分散液。
  3. 上記アミド基含有単量体(D)が、アクリルアミド又はメタクリルアミドである請求項1又は2に記載の水性分散液。
  4. 上記(メタ)アクリル系共重合体は、構成モノマーとして、ニトリル基含有単量体(E)を、上記(A)成分〜(D)成分の合計量に対して3〜15重量%含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の水性分散液。
  5. 上記湿潤剤が、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩、脂肪酸アルカノールアミド、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1乃至4のいずれかに記載の水性分散液。
  6. スチレン系化合物(A)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(B)、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル(C)、及びアミド基含有単量体(D)を含む単量体混合物を有機系の重合開始剤、又は酸化剤として過酸化水素を用いる酸化還元重合開始剤を用いて乳化重合を行う(メタ)アクリル系共重合体を含有する水性分散液の製造方法。
  7. 乳化剤として、アニオン系反応性乳化剤を用いる請求項6に記載の(メタ)アクリル系共重合体を含有する水性分散液の製造方法。
JP2004216917A 2004-07-26 2004-07-26 水性分散液及びその製造方法 Active JP4610960B2 (ja)

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