JP4212881B2 - 水性樹脂組成物および該組成物を主成分とする下塗り用水性塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
水性樹脂組成物および下塗り用水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、土木構造材、一般建築物、自動車、家具等に使用されるセメントコンクリート、セメントモルタルスレート等のよう業材の各種構造材を塗装する際には、構造材と塗料との密着性を高めるために、予めに構造物にシーラーを塗布、乾燥したのち、上塗り塗料を塗布する方法がとられている。又、耐凍結性等の性能を得るため、層間にウレタン系、アクリル系、塩ビ系等の溶剤型が使用されているが、環境問題、臭気、安全性の問題点より水性化が進んでいる。
エポキシ基含有樹脂を、水難溶性ポリヒドラジン化合物を配合してなる樹脂水性分散溶液が提案されているが(例えば特許文献1参照)、ポリヒドラジンが水難溶性であるため、塗膜内で均一に存在しにくいため、架橋が不十分であり、耐水性が不足する。
エチレン性不飽和カルボン酸とエポキシ基含有不飽和単量体共重合体樹脂組成物水性分散体液に分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有するヒドラジン誘導体を配合してなる水性架橋性樹脂組成物が提案されているが(例えば特許文献2参照)、カルボン酸とエポキシ基が重合中、及び粒子内で架橋反応し、粒子が硬くなり、成膜性が低下して耐水性が不足しやすい問題がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平1−234416(第2頁)
【0004】
【特許文献2】
特開平6−256709(第2頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
密着性、耐水性(二次密着性、ピーリング性)が良好な水性樹脂組成物及び下塗り用水性塗料組成物を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するため、研究を重ねた結果、分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有するエポキシ基含有不飽和単量体と、分子中に少なくとも1個以上の水酸基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有する水酸基含有不飽和単量体及びその他単量体からなる単量体混合物を共重合によって得られた共重合体樹脂及び分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジン誘導体とを含有してなる水性樹脂組成物及び該組成物を主成分とする下塗り用水性塗料組成物を使用することで、密着性、耐水性(二次密着性、ピーリング性)を向上させることが出来、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有するエポキシ基含有不飽和単量体(B)分子中に少なくとも1個以上の水酸基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有する水酸基含有不飽和単量体(C)その他単量体からなる単量体混合物を共重合によって得られた共重合体樹脂及び分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジン誘導体とを含有してなる水性樹脂組成物。(請求項1)
共重合体樹脂が(A)成分0.1〜20重量部、(B)成分0.1〜20重量部、(C)成分60〜99.8重量部からなる単量体混合物を共重合によって得られることを特徴とする請求項1記載の水性樹脂組成物。(請求項2)
エポキシ基に対するヒドラジノ基の割合が、当量比で0.1〜2.0である請求項1〜2のいずれかに記載の水性樹脂組成物。(請求項3)
共重合体樹脂が反応性乳化剤を用いて乳化重合により得られることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の水性樹脂組成物。(請求項4)
前記共重合体とは異なるアクリル系樹脂を配合することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の水性樹脂組成物。(請求項5)
請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を主成分とする下塗り用水性塗料組成物。(請求項6)
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳しく説明する。
本発明における重合方法としては懸濁重合、塊状重合、乳化重合等のいずれかの方法によって重合されたものであってよく、好ましくは、乳化重合がよく、一般に用いられる重合方法が使用できる。
(A)は分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有するエポキシ基含有不飽和単量体であり、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテル、3,4,−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(A)成分は、0.1〜20重量部、あるいは、0.5〜15重量部、特には0.7〜12重量部が好ましい。
(B)分子中に少なくとも1個以上の水酸基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有する水酸基含有不飽和単量体であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、N―メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、4−ヒドロキシスチレンビニルトルエン、東亜合成化学工業(株)製のアロニクス5700、4−ヒドロキシスチレン、日本触媒化学工業(株)製のHE―10、HE−20、HP―1およびHP―20(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマ−)、日本油脂(株)製のブレンマ−PPシリ−ズ(ポリプロピレングリコ−ルメタクリレ−ト)ブレンマ−PEシリ−ズ(ポリエチレングリコ−ルモノメタクリレ−ト)ブレンマ−PEPシリ−ズ(ポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ルメタクリレ−ト)ブレンマ−AP−400(ポリプロピレングリコ−ルモノアクリレ−ト)、ブレンマ−AE−350(ポリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト)およびブレンマ−GLM(グリセロ−ルモノメタクリレ−ト)、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類、水酸基含有化合物とε―カプロラクトンとの反応により得られるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合体化合物Placcel FA―1、 Placcel FA―4、 Placcel FM―1、 Placcel FM―4(以上ダイセル化学工業(株)製)、TONE M−201(UCC社製)、ポリカ−ボネ−ト含有ビニル系化合物(具体例としては、HEAC―1(ダイセル化学工業(株)製)などの水酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーを共重合モノマーとした1分子中に2以上の水酸基を有するアクリルポリオール等が挙げられる。中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。水酸基を導入することにより、密着性が向上する。(B)成分は、0.1〜20重量部、あるいは、0.5〜15重量部、特には0.7〜12重量部が好ましい。
(C)重合可能な二重結合を有するその他単量体としては、公知のラジカル重合可能な単量体を用いることができる。例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、i−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の単官能アクリレート及びそれらのメタアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の2官能アクリレート及びそれらのメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレート及びそれらのメタアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体、スチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、クロルスチレン等の芳香族ビニル単量体等が挙げられる。これらから選択される1種以上を用いることができる。(C)成分は、60〜99.8重量部、あるいは、70〜99重量部、特には76〜98.6重量部が好ましい。 なお、カルボキシ基含有単量体を用いると耐水性(二次密着性、ピーリング性)の低下傾向が認められるので使用しないか、使用する場合1.5重量部以下の使用が好ましい。(A)、(B)、(C)成分は併せて100重量部である。
【0008】
本発明の好ましい重合法である乳化重合に用いる乳化剤としては、乳化重合に用いることが出来る一般の乳化剤を用いることが可能であるが、反応性乳化剤を用いると耐水性が向上するので好ましい。 反応性乳化剤としては、1分子中に重合性二重結合を有するものがあげられ、具体例としては、RMA−506、MA−30、MA−50、MA−100、MA150、MAG−130MA、(以上、日本乳化剤(株)製)、アクアロンRN−20、RN−30、RN−50、アクアロンHS−10、HS−20、HS−1025(以上、第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40、SE−10N(以上、旭電化工業(株)製)等が例示される。乳化重合に際しては、これらの1種又は2種以上を混合してもよい。又、必要に応じて反応性のない乳化剤を併用することも可能である。反応性のない乳化剤としては、通常の乳化重合に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、イオン性、非イオン性の界面活性剤、などがあげられる。アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウムのような脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムのような高級アルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソオクチルベンゼンスルホン酸塩等のアルキルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合ナフタレンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等がある。カチオン性界面活性剤としては、イミダゾリンラウレート、アンモニウムハイドロオキサイド、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウム、クロライド等が代表例としてあげられる。前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が代表例としてあげられる。
【0009】
これらの乳化剤は、単独または2種類以上組み合わせ使用することができる。反応性乳化剤の使用量は、単量体の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部が、更には、0.15〜8重量部が好ましい。10重量部を超える量で重合して得られるエマルジョンは塗膜の耐水性が悪くなる傾向があり好ましくない。又、0.1重量部未満では重合安定性が悪く、得られるエマルジョンが不安定になり凝集体を生じる傾向がある。このようなことから、乳化剤量としては、前記した範囲内で目的に応じた使用量にすることが好ましい。
【0010】
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素水、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジブチルパーオキサンド、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、クミルパーオキシネオデカノエート、クメンハイドロパーオキサイド等が例示される。
更に必要に応じて、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、L−アスコルビン酸、糖類、アミン類などの還元剤と、銅イオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン等遷移金属イオン、または、それら遷移金属イオンとエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムナトリウム塩等のキレート化剤とのキレート化合物を併用したレドックス開始剤も使用することができる。
【0011】
前記重合開始剤の使用量は、重合単量体100重量部に対して0.01〜10重量部あるいは、0.015〜8重量部が好ましく、0.01重量部未満では重合が進行が遅くなる傾向があり、また10重量部を超える場合、分子量低下や、塗膜形成時も耐水性等の低下する傾向があり好ましくない。
本発明における乳化重合温度や時間は適宜調整すれば良く、例えば重合温度は、30℃〜95℃、反応時間は、2〜20時間が実用上好ましい。
【0012】
本発明の水性樹脂組成物には、架橋剤として分子中に2個以上のヒドラジノ基を含有するヒドラジン誘導体を配合する。添加方法としては、水溶性のものはそのまま、あるいは水で希釈して添加することが可能であるが、油溶性のものは必要に応じて界面活性剤で乳化して添加することが好ましい。水溶性のものは添加が容易であり、耐水性が良好となるので好ましい。水溶性と油溶性のものを併用してもよい。
【0013】
ヒドラジン誘導体としては、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、などの脂肪族ジヒドラジドなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくはアジピン酸ヒドラジドがよい。
【0014】
分子中に2個以上のヒドラジノ基を含有するヒドラジン誘導体はヒドラジノ基がエポキシ基1当量に対して0.1〜2.0当量になるような比率、あるいは0.3〜1.5当量になる比率、更には0.4〜1.0当量になるような比率で含有することが好ましい。ヒドラジノ基が0.1当量未満では樹脂間の架橋が不充分なため、耐水性が低下し、2.0当量を超えると耐水性向上効果が得られないばかりでなく、塗膜がもろくなりやすく逆に耐水性(二次密着性、ピーリング性)を低下させる傾向がある。
【0015】
本発明の下塗り用塗料組成物は、いわゆるトップコート(上塗り)用途以外に用いるものであり、基材に直接塗布する場合、プライマーあるいは、その他塗膜の上に塗布し、更にトップコートを塗布する場合の塗料として用いるものである。基材あるいはプライマー、その他の塗膜、トップコートとの密着性、耐水性が良好となる効果を有する。
【0016】
本発明の水性樹脂組成物は通常のエマルジョン塗料組成物と同様に必要に応じて、酸化チタン等の顔料、炭カル等の充填材、或いは消泡剤、水溶性高分子、防腐剤、pH調整剤、成膜助剤、可塑剤、難燃剤等を添加することもできる。
本発明においては、皮膜の耐水性レベル向上、或いは、粘性の調整等を目的に他の樹脂水性液を添加してもよい。具体的にはアクリル系エマルジョン、アクリルスチレン系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、塩化ビニリデン系エマルジョン、エチレン酢ビ系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、或いは、ポリウレタン系エマルジョン、アルキッド樹脂系エマルジョン、ビスフェノール型エポキシエマルジョン等が挙げられる。配合する場合は必要に応じて配合する樹脂を選択すればよいが、バランス良く塗膜物性向上させるにはアクリル系樹脂(アクリル系エマルジョン、アクリルスチレン系エマルジョン)を配合することが好ましい。
【0017】
【実施例】
(合成例1)エマルジョン−1
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを付けたセパラブルフラスコに、純水122.2重量部、ロンガリット0.4重量部、硫酸第1鉄0.013重量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.013重量部、アクアロンHS−10を0.22重量部、アクアロンRN−20を0.22重量部を加え、攪拌しながら、窒素気流中で60℃に調節する。別の容器にメチルメタクリレート37重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート53重量部、グリシジルメタクリレート5重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5重量部、乳化剤として、アクアロンHS−10を2.03重量部、アクアロンRN−20を2.03重量部、クメンハイドロパーオキサイドを0.8重量部の混合物を作成した。セパラブルフラスコ内を3時間にわたり内温を60℃に維持し、上記混合物を滴下ロートからセパラブルフラスコ内に一定速度で連続追加した。追加終了後2時間60℃を維持し反応を終え、固形分45重量%のエマルジョン−1を得た。
(合成例2〜8)エマルジョン−2〜8
合成例1に示した装置と同様の重合装置に表1に記載した原料を使用し、合成例1と同様に重合を行い、エマルジョン−2〜8を得た。
【0018】
【表1】
(実施例1)
合成例1で得られたエマルジョン−1を使用し、100重量部に対して、純水129.4重量部、アジピン酸ヒドラジド(ADH)1.1重量部を添加して、固形分20%に調整し、配合物1を得た。この配合物1を使用し、試験片1〜5を作成し、基材密着性、水性塗料を使用した一次密着性、二次密着性、ピーリング性について評価した。結果は表2に示す。基材密着性、水性塗料を使用した一次密着性、二次密着性、ピーリング性共に良好であった。
(実施例2〜6)
使用エマルジョンを表1に示すように変更し、そのほかは実施例1と同様にして、配合物2〜6を作成し、実施例1と同様にして試験片1〜5を作成し、評価実施した。結果は表2に示す。基材密着性、水性塗料を使用した一次密着性、二次密着性、ピーリング性共に良好であった。
(比較例1)
合成例6で得られたエマルジョン−6を使用した以外は実施例2と同様に配合物7を作成し、試験片1〜5を作成し、評価を行った。結果は表2に示す。水酸基が含まれないため、密着性の低下が認められた。
(比較例2)
合成例7で得られたエマルジョン−7を使用し、配合物8を作成した。実施例1と同様に試験片を作成し、評価を行った。結果は表2に示す。エポキシ基が含まれないために密着性が低下し、ヒドラジン誘導体が配合されていないため耐水性(耐水密着性、ピーリング性)が低下している。
(比較例3)
合成例2で得られたエマルジョン−2を使用し、配合物9を作成した。実施例1と同様に試験片を作成し、評価を行った。結果は表2に示す。ヒドラジン誘導体が配合されていないために、耐水性(二次密着性、ピーリング性)が低下している。
(比較例4)
合成例8で得られたエマルジョン−8を使用し、配合物10を作成した。実施例1と同様に試験片を作成し、評価を行った。結果は表2に示す。水酸基含有単量体に代えてカルボキシル基含有単量体を用いた場合、密着性の低下が認められる。
本発明はエポキシ基と水酸基を共に含むことにより上塗り塗料に対して幅広く密着性が向上し、又、ヒドラジン架橋を導入することにより耐水性(二次密着性、ピーリング性)を向上させることができた。
【0019】
【表2】
(試験片1の作成)
実施例で配合した配合物を使用し、フレキルブル板に塗布量100g/m2を刷毛塗りした。常温で24時間乾燥を行い、試験片1とした。
(試験片2の作成)
試験片1の上に塗布量1.2Kg/m2で水性反応硬化形アクリル塗料(エスケー化研(株)製 水性コンポアクリル)を塗布し、常温で7日乾燥し試験片2とした。
(試験片3の作成)
試験片1の上に塗布量1.2Kg/m2で水性アクリルシリコン塗料(エスケー化研(株)製 水性コンポシリコン)を塗布し、常温で7日乾燥し試験片3とした。
(試験片4の作成)
試験片1の上に塗布量1.2Kg/m2で水性反応硬化形ポリウレタン塗料(エスケー化研(株)製 水性コンポウレタン)を塗布し、常温で7日乾燥し試験片4とした。
(試験片5の作成)
試験片1の上に塗布量2.2Kg/m2で水性弾性塗料(エスケー化研(株)製ニュートップレスクリーン)を塗布し、常温で7日乾燥し試験片5とした。
(密着性試験)(A)基材密着性、
試験片1を用い、JIS K 5400に準拠して、塗膜の5mm幅にXカットを行い、セロハンテープ(ニチバンセロハンテープ)をXカット部に貼り付け、テープを剥がし、基材と塗膜のはがれ状態を目視で評価した。◎:剥離なし、○:一部剥離、△:Xカット部の大部分に剥離がある、×:テープをはったところが剥離の4段階で評価を行った。
(B)一次密着性
試験片2〜5を用い、JIS K 5400に準拠して、塗膜の5mm幅にXカットを行い、セロハンテープ(ニチバンセロハンテープ)をXカット部に貼り付け、テープを剥がし、塗膜のはがれ状態を目視で評価した。◎:剥離なし、○:一部剥離、△:Xカット部の大部分に剥離がある、×:テープをはったところが剥離の4段階で評価を行った。
(C)二次密着性
試験片2〜5を使用し、養生期間中に溶剤系塗料を使用してサイドシール、バックシールを行った。40℃温水に完全浸積させ、24時間放置後、温水より取り出し、塗膜表面の水分を拭き取った。一次密着性試験と同様に評価し、二次密着性評価とした。
(D)ピーリング試験
試験片2〜5を使用し、サイドシール、バックシールは行わずに、40℃温水に24時間完全浸積を行い、塗膜の上より指のツメで引っかき、塗膜状態を目視で評価した。◎:ハガレなし。○:一部ハガレが認められるが、強く抵抗あり。△:ハガレ認められるが、抵抗あり。×:抵抗なしにハガレが認められるの4段階で評価を行った。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有するエポキシ基含有不飽和単量体と分子中に少なくとも1個以上の水酸基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有する水酸基含有不飽和単量体及びその他単量体からなる単量体混合物を共重合によって得られた共重合体樹脂及び分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジン誘導体とを含有してなる水性樹脂組成物及び、それからなる下塗り用水性塗料を使用することでエポキシ基と水酸基を共に含み、及びヒドラジン架橋を導入することにより、密着性を向上させ、又耐水性を向上させることにある。
Claims (6)
- (A)分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有するエポキシ基含有不飽和単量体、(B)分子中に少なくとも1個以上の水酸基を含有し、少なくとも1個の重合可能な二重結合を有する水酸基含有不飽和単量体、(C)重合可能な二重結合を有するその他単量体からなる単量体混合物を共重合によって得られた共重合体樹脂及び分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジン誘導体とを含有してなる水性樹脂組成物。
- 共重合体樹脂が(A)成分0.1〜20重量部、(B)成分0.1〜20重量部、(C)成分60〜99.8重量部からなる単量体混合物を共重合によって得られることを特徴とする請求項1記載の水性樹脂組成物。
- エポキシ基に対するヒドラジノ基の割合が、当量比で0.1〜2.0である請求項1〜2のいずれかに記載の水性樹脂組成物。
- 共重合体樹脂が反応性乳化剤を用いて乳化重合により得られることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の水性樹脂組成物。
- 前記共重合体とは異なるアクリル系樹脂を配合することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の水性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を主成分とする下塗り用水性塗料組成物。
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