JP2003119350A - 水性硬化性樹脂組成物 - Google Patents

水性硬化性樹脂組成物

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JP2003119350A
JP2003119350A JP2001317383A JP2001317383A JP2003119350A JP 2003119350 A JP2003119350 A JP 2003119350A JP 2001317383 A JP2001317383 A JP 2001317383A JP 2001317383 A JP2001317383 A JP 2001317383A JP 2003119350 A JP2003119350 A JP 2003119350A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性や安全性等に優れると共に、耐水性や
耐熱性、耐候性、強度、耐蝕性等において優れた基本性
能を与える水性硬化性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 水分散樹脂組成物及び硬化剤を含む水性
硬化性樹脂組成物であって、該水分散樹脂組成物は、1
分子あたりのエポキシ基が平均1.5〜2.0であり、
かつ数平均分子量が2000以上であるビスフェノール
型エポキシ樹脂と、カルボキシル基含有樹脂及び/又は
リン酸基含有樹脂との反応物を水分散してなり、該ビス
フェノール型エポキシ樹脂と、該カルボキシル基含有樹
脂及び/又はリン酸基含有樹脂との比率は、50/50
〜95/5である水性硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性硬化性樹脂組
成物に関する。更に詳しくは、自動車、建築物、(無
機、金属等)建材、金属、プラスチック、ガラス、木
工、各種(金属、無機、ガラス、合成高分子等)繊維等
の塗料、表面処理剤、コーティング剤、収束剤や処理剤
等を含むバインダー、粘接着剤、シーリング剤、フィル
ム、成型品、注型品等の用途に利用し得る水性硬化性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】硬化性樹脂組成物は、その被膜が優れた
機械的、化学的特性を有することから、様々な用途に幅
広く用いられているが、中でも水性のものは、作業性や
安全性等に優れることから、近年その使用量が増大して
いる。このような水性の硬化性樹脂組成物の中でも、エ
ポキシ樹脂を水分散したものは、硬化物の基本性能に優
れることから、作業性や安全性と基本性能とを両立する
ことができる有用なものである。
【0003】ところで、エポキシ樹脂を水分散する手法
としては、アクリル樹脂等にカルボキシル基やリン酸基
等の酸基を導入し、これとエポキシ基とを反応させるこ
とにより、エポキシ樹脂にアクリル樹脂等をグラフトす
る方法が検討されている。このような方法では、アクリ
ル樹脂等を反応性乳化剤として用いて、エポキシ樹脂を
水中に分散、安定化させることになるが、これにともな
って硬化物の耐水性等が良好となる。また、このように
水分散したエポキシ樹脂と硬化剤とを組み合わせて硬化
性樹脂組成物を形成することが検討されている。しかし
ながら、耐水性や耐熱性等において、より優れた性能を
要求される用途に適応できるようにしたり、エマルショ
ンの発泡を抑制して作業性を向上したりする工夫の余地
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、作業性や安全性等に優れる
と共に、耐水性や耐熱性、耐候性、強度、耐蝕性等にお
いて優れた基本性能を与える水性硬化性樹脂組成物を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水性の硬
化性樹脂組成物について種々検討するうち、ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂と、酸基含有樹脂であるカルボキシ
ル基含有樹脂及び/又はリン酸基含有樹脂との反応物を
水分散してなる水分散樹脂組成物と共に硬化剤を含むも
のが、基本性能や作業性、安全性等の点で硬化性樹脂組
成物に好適であることにまず着目した。そしてビスフェ
ノール型エポキシ樹脂の1分子あたりのエポキシ基が平
均1.5〜2.0であり、すなわちビスフェノール型エ
ポキシ樹脂の両末端がエポキシ基となっている割合が高
く、特定されており、そして、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂の数平均分子量や、ビスフェノール型エポキシ樹
脂と酸基含有樹脂との比率が特定されていると、カルボ
キシル基含有樹脂及び/又はリン酸基含有樹脂がビスフ
ェノール型エポキシ樹脂の末端にグラフトする割合が向
上し、この結果、グラフトしない樹脂の割合が減少し、
また、架橋密度が向上することで、耐水性、耐候性、耐
蝕性、耐(熱)強度等が向上することを見いだし、上記
課題をみごとに解決することができることに想到した。
グラフトしない非反応性酸基含有樹脂は、乳化剤として
寄与する一方で、耐水性の低下や発泡の原因等の物性、
作業性を低下させることになるが、このようなグラフト
しない樹脂の割合が減少することにより、耐水性が向上
すると共に、優れた強度や耐熱性、作業性等の基本性能
を与えることが可能となる。
【0006】また、カルボキシル基含有樹脂が水酸基を
有すると、硬化剤と反応して耐溶剤性、強度、耐水性等
がより向上すること、硬化剤の種類を特定すると、これ
に起因する作用効果が発揮されると共に、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂の1分子あたりのエポキシ基の割合を
特定することによる作用効果がより充分に発揮されるこ
とも見いだし、本発明に到達したものである。
【0007】すなわち本発明は、水分散樹脂組成物及び
硬化剤を含む水性硬化性樹脂組成物であって、上記水分
散樹脂組成物は、1分子あたりのエポキシ基が平均1.
5〜2.0であり、かつ数平均分子量が2000以上で
あるビスフェノール型エポキシ樹脂と、カルボキシル基
含有樹脂及び/又はリン酸基含有樹脂との反応物を水分
散してなり、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂と、上
記カルボキシル基含有樹脂及び/又はリン酸基含有樹脂
との比率は、50/50〜95/5である水性硬化性樹
脂組成物である。以下に本発明を詳述する。
【0008】本発明の水性硬化性樹脂組成物は、水分散
樹脂組成物及び硬化剤を含む。上記水分散樹脂組成物
は、1分子あたりのエポキシ基が平均1.5〜2.0で
あり、かつ数平均分子量が2000以上であるビスフェ
ノール型エポキシ樹脂と、カルボキシル基含有樹脂及び
/又はリン酸基含有樹脂との反応物を水分散してなるも
のである。このような水分散樹脂組成物の形態として
は、反応物が水性媒体に自己乳化もしくは強性乳化した
ような乳化分散した分散体の形態である。
【0009】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の1分
子あたりのエポキシ基が平均1.5未満であると、架橋
密度が充分に向上しないため、耐水性、耐(熱)強度等
が充分に向上せず、また、強度や耐熱性、作業性等の基
本性能を与えることができなくなる。なお、1分子あた
りのエポキシ基が平均1.5〜2.0であるとは、反応
物の製造に用いるビスフェノール型エポキシ樹脂が両末
端に有するエポキシ基の総モル数を、ビスフェノール型
エポキシ樹脂の総モル数で割った値が1.5〜2.0で
あることを意味する。好ましい形態としては、1分子あ
たりのエポキシ基が平均1.7〜2.0である。なおこ
のような水性硬化性樹脂組成物に通常用いられるエポキ
シ樹脂は、分子量約3000の場合、汎用タイプのもの
では1分子あたりのエポキシ基が平均約1.4であるの
に対し、本発明では、1.5〜2.0となる。
【0010】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビ
スフェノールA型、ビスフェノールF型及び水添ビスフ
ェノールA型より選択される1種類以上が好ましく、数
平均分子量が2000以上である。2000未満である
と、水性硬化性樹脂組成物により形成される被膜の可撓
性等の基本性能が充分でなくなるおそれがある。好まし
くは、2500〜7500である。このようなビスフェ
ノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エポトートY
D7909、エポトートYD7907、エポトートYD
7910(商品名、東都化成社製)、エピコートE10
09FM(商品名、ジャパンエポキシレジン社製)等が
好適である。なおビスフェノール型エポキシ樹脂は、単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0011】上記カルボキシル基含有樹脂としては、カ
ルボキシル基を有する重合体であれば特に限定されるも
のではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹
脂、オレフィン樹脂等が挙げられる、例えば、エチレン
性不飽和カルボン酸単量体を必須とする単量体成分を共
重合して得られる重合体等が挙げられる。また、本発明
では、カルボキシル基含有樹脂が水酸基を有することが
好ましく、これにより、硬化剤と反応し、耐溶剤性、強
度、耐水性等が向上する。また、リン酸基含有樹脂とし
ては、リン酸基を有する重合体であれば特に限定される
ものではなく、例えば、リン酸基を有する重合性単量体
を必須とする単量体成分を共重合して得られる重合体等
が挙げられる。本発明ではこのような樹脂として、カル
ボキシル基及びリン酸基含有樹脂、すなわちカルボキシ
ル基及びリン酸基を有する重合体を用いてもよい。これ
らはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0012】上記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と
しては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタアク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げら
れ、1種又は2種以上を用いることができる。上記単量
体成分におけるエチレン性不飽和カルボン酸単量体の使
用量としては例えば、単量体成分を構成する単量体の総
重量100重量%に対して5重量%以上とすることが好
ましい。5重量%未満であると、水性媒体中における反
応物の分散安定性が悪くなったり、水性硬化性樹脂組成
物の接着性が悪くなったりするおそれがある。
【0013】上記リン酸基を有する重合性単量体として
は、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッ
ドフォスフェート等の(メタ)アクリロイルオキシアル
キルアシッドフォスフェート類又はそのアルキレンオキ
シド付加物、(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシ
ッドフォスファイト類又はそのアルキレンオキシド付加
物、グリシジル(メタ)アクリレートやメチルグリシジ
ル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル系モ
ノマーとリン酸若しくは亜リン酸又はこれらの酸性エス
テル類とのエステル化合物等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】上記リン酸基を有する重合性単量体の使用
量としては、生成する反応物100重量%に対して、
0.1〜25重量%となるようにすることが好ましい。
0.1重量%未満であると、耐熱性、耐溶剤性、樹脂の
分散安定性及び焼付硬化処理を行うときに揮発性低分子
物による炉の汚染(ヒューム)、低温硬化性、硬化時間
等が劣るおそれがある。25重量%を超えると、水性硬
化性樹脂組成物により形成される被膜の可とう性が減少
し、また、耐水性等が劣るおそれがある。より好ましく
は、0.5〜10重量%である。
【0015】上記単量体成分は、エチレン性不飽和カル
ボン酸単量体やリン酸基含有重合性単量体と共重合可能
な他の不飽和単量体1種又は2種以上を含んでもよく、
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)
アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステア
リル、(メタ)アクリル酸2−エチル−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステ
ル類;スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレ
ン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン
系単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロ
キシ(メタ)アクリレート(商品名:プラクセルFシリ
ーズ、ダイセル化学工業社製)等の水酸基含有単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)ア
クリル系単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエ
ポキシ基含有単量体;アクリロニトリル;4−(メタ)
アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,
2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の紫外線安定性
重合性不飽和単量体類;2−〔2′−ヒドロキシ−5′
−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−2H
−ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−5′
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル〕−2
H−ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−
5′−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニル〕
−2H−ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収性重合性不
飽和単量体類;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルト
リメトキシシラン等の珪素含有重合性不飽和単量体類;
パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフ
ッ素含有重合性不飽和単量体類等が挙げられる。
【0016】また、屋外で使用し耐候性を必要とする用
途では、上記エチレン性不飽和カルボン酸単量体に加
え、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−(メ
タ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,
2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、2−〔2′
−ヒドロキシ−5′−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2′
−ヒドロキシ−5′−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、パーフ
ロロオクチルエチル(メタ)アクリレートを単独若しく
は2種類以上使用することが好ましい。
【0017】これらの単量体の中でも、本発明ではカル
ボキシル基含有樹脂が水酸基を有することが好ましいこ
とから、水酸基含有単量体を用いることが好ましい。特
に、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート等の長
鎖水酸基含有単量体を使用することが、硬化剤との反応
性が高いことより好ましい。水酸基含有単量体の使用量
としては、例えば、単量体成分の全固形分100重量%
に対して、0.1〜25重量%となるようにすることが
好ましい。より好ましくは、1.0〜15重量%であ
る。
【0018】上記単量体成分を重合する方法としては特
に限定されず、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、
ベンゾイルパーオキサイド等の通常のラジカル重合開始
剤を用いて重合することによりカルボキシル基含有樹脂
及び/又はリン酸基含有樹脂を得ることができる。この
際に、乳化剤の1種又は2種以上を含有させて重合して
もよい。
【0019】上記乳化剤としては、反応性乳化剤を用い
ることが好ましく、例えば、下記一般式(1)、下記一
般式(2)及び下記一般式(3)で表される化合物等が
挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】上記一般式(1)、(2)及び(3)中、
1及びR2は、炭素数8〜30のアルキル基を表す。M
1は、Na、NH4又はKを表す。R3は、炭素数8〜1
2のアルキル基を表す。Xは、H又はSO32を表す。
2は、Na、NH4又はKを表す。nは、50〜120
である。このような反応性乳化剤としては、一般式
(1)又は一般式(2)で表されるスルフォコハク酸エ
ステル系のものとして、例えば、花王社製のラムテルS
−120、S−180、S−180A(いずれも商品
名)、三洋化成社製のエレミノールJS−2等が挙げら
れる。また、一般式(3)で表されるアルキルフェノー
ルエーテル系のものとして、例えば、第一工業製薬社製
のアクアロンHS−10、RN−20(いずれも商品
名)等が挙げられる。
【0022】上記カルボキシル基含有樹脂及びリン酸基
含有樹脂の重量平均分子量としては、例えば、1000
〜100000が好ましい。1000未満であると、乳
化分散性が低下するおそれがあり、100000を超え
ると、エポキシ樹脂との反応時にゲル化を生じ易くなる
おそれがある。
【0023】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂とカル
ボキシル基含有樹脂及び/又はリン酸基含有樹脂との反
応物としては、例えば、カルボキシル基含有樹脂との反
応物であれば、別々に重合もしくはビスフェノール型エ
ポキシ樹脂存在下でカルボキシル基含有樹脂を重合する
等にして得られたカルボキシル基含有樹脂とビスフェノ
ール型エポキシ樹脂とを親水性有機溶剤中で塩基性化合
物の存在下でエステル化反応することにより得ることが
できる。塩基性化合物としては、例えば、ジメチルエタ
ノールアミン等の第3級アミン等が挙げられる。また、
リン酸基含有樹脂との反応物であれば、リン酸基含有樹
脂とビスフェノール型エポキシ樹脂とを混合するか、エ
ステル化反応することにより得ることができる。これら
の中でも、エステル化反応することにより得られた反応
物は、分散性が向上し、耐溶剤性、耐熱性等に優れたも
のとなる。エステル化時には加熱等をすることも可能で
あり、加熱することが好ましい。
【0024】上記反応物はまた、ビスフェノール型エポ
キシ樹脂と、1価のエチレン性不飽和カルボン酸単量体
及び/又はリン酸基を有する1価のエチレン性不飽和単
量体とを反応させた二重結合を有する重合体組成物の存
在下で、上記エチレン性不飽和カルボン酸単量体やリン
酸基を有する1価のエチレン性不飽和単量体と、共重合
可能な他の不飽和単量体とを含む単量体成分をラジカル
重合開始剤を用いて重合することによっても得ることが
できる。
【0025】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂と、上
記カルボキシル基含有樹脂及び/又はリン酸基含有樹脂
との比率は、50/50〜95/5である。すなわちこ
のような比率でビスフェノール型エポキシ樹脂と、上記
カルボキシル基含有樹脂及び/又はリン酸基含有樹脂と
を、(1)混合するか、(2)エステル化反応して反応
物を製造することになる。なお、上記比率は、固形分重
量比である。好ましくは、70/30〜90/10であ
る。
【0026】本発明における水分散樹脂組成物は、上記
反応物が水性媒体中に分散されてなり、すなわち乳化分
散されてなるものであるが、水分散樹脂組成物の調製に
おいては、必要に応じて、最終組成物のpHが4〜11
となる量の塩基性化合物、好ましくはアンモニアやアミ
ンを加えて反応物を中和して、水性媒体中に分散しても
よい。アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類;
ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアル
カノールアミン類;モルホリン;エチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン等の多価アミン等が挙げられる。好
ましくは、アンモニア、トリエチルアミンである。
【0027】上記水分散樹脂組成物における分散体(反
応物)の平均粒子径としては、30nm〜1μmである
ことが好ましい。30nm未満であると、バインダー粘
度が高く作業性等の低下やバインダーの安定性が低下
し、1μmを超えると、硬化剤との反応性が低下し、強
度や耐水性等の基本性能が低下するおそれがある。特に
好ましくは、50nm〜300nmである。
【0028】上記水性媒体とは、水又は水と親水性有機
溶剤との混合物を意味する。親水性有機溶剤としては水
と混合可能なものであれば特に限定されず、例えば、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、ter
t−ブタノール、イソブタノール等のアルキルアルコー
ル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、
エチルカルビトール等のエーテルアルコール類;メチル
セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等
のエーテルエステル類;ジオキサン、ジメチルホルムア
ミド、ダイアセトンアルコール類、エチレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコー
ル、アセトン、メチルエチルケトンが挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】本発明における硬化剤としては、上述した
反応物と反応することができるものであれば特に限定さ
れず、例えば、オキサゾリン基含有樹脂、ブロックイソ
シアネート基含有樹脂、アミノ樹脂、フェノール系化合
物、酸無水物等が挙げられ、1種又は2種以上を用いる
ことができる。これらの硬化剤は、水分散体、水溶性の
どちらの形態でも使用可能であるが、反応性が高いこと
より水溶性の方が好ましい。これらの中でも、オキサゾ
リン基含有樹脂、ブロックイソシアネート基含有樹脂及
びアミノ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種
であることが好ましい。また、これらの硬化剤の使用量
としては、硬化剤の種類、所望する物性や用途等に応じ
て適宜設定すればよい。
【0030】上記オキサゾリン系樹脂としては、下記一
般式(4);
【0031】
【化2】
【0032】(式中、R4 、R5 、R6 及びR7 は、同
一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アラルキル基、フェニル基又は置換フェニル基を
表す。)で表されるオキサゾリン基を有する重合体であ
れば特に限定されず、例えば、付加重合性オキサゾリン
を必須とし、必要に応じてその他の不飽和単量体を含む
単量体成分を、従来公知の重合法により水性媒体中で溶
液重合することにより得ることができる。
【0033】上記付加重合性オキサゾリンとしては、例
えば、下記一般式(5);
【0034】
【化3】
【0035】(式中、R4 、R5 、R6 及びR7 は、上
記と同様である。R8 は、付加重合性不飽和結合をもつ
非環状有機基を表す。)で表される化合物等が挙げられ
る。このような化合物として、具体的には、2−ビニル
−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オ
キサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリ
ン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等が挙げら
れ、1種又は2種以上を用いることができる。これらの
中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業
的にも入手し易く好適である。
【0036】上記付加重合性オキサゾリンの使用量とし
ては特に限定されず、例えば、オキサゾリン系樹脂の製
造に用いる全単量体成分100重量%に対して、5重量
%以上であることが好ましい。5重量%未満であると、
硬化の程度が不充分となり、耐久性、耐水性等が損なわ
れるおそれがある。また、その他の不飽和単量体として
は、付加重合性オキサゾリンと共重合可能であり、かつ
オキサゾリン基と反応しない単量体であれば特に限定さ
れず、例えば、上述した単量体等を1種又は2種以上用
いることができる。
【0037】このようなオキサゾリン系樹脂としては、
水溶性タイプでは、エポクロスWS−500、WS−7
00、エマルションタイプでは、エポクロスK−201
0、K−2020、K−2030(日本触媒社製)が挙
げられる。特に、主剤との反応性の高い水溶性タイプが
好ましい。
【0038】上記オキサゾリン系樹脂の使用量として
は、反応物が有するカルボキシル基と、オキサゾリン系
樹脂が有するオキサゾリン基とのモル比(カルボキシル
基のモル数/オキサゾリン基のモル数)が、100/2
0〜100/100となるようにすることが好ましい。
カルボキシル基に対するオキサゾリン基のモル比が10
0/20未満であると、未反応のカルボキシル基が残る
おそれがあり、100/100を超えると、余剰のオキ
サゾリン基が生じて親水基が増えるおそれがあり、また
経済的にも好ましくない。なお、硬化剤として他の硬化
剤を併用する場合においても、上記のモル比とすること
が好ましい。
【0039】上記反応物とオキサゾリン系樹脂との反応
においては、カルボキシル基が中和されている場合、オ
キサゾリン基とカルボン酸塩とが反応しにくいことか
ら、中和に用いるアミンの種類(揮発性)を変えること
で、反応性をコントロールすることもできる。
【0040】上記ブロックイソシアネート基含有樹脂と
しては、イソシアネートのイソシアネート基をブロック
剤でマスクしたポリイソシアネート樹脂であれば特に限
定されるものではない。イソシアネートとしては、HD
I系(ヘキサメチレンジイソシアネート等)、TDI系
(トリレンジイソシアネート等)、XDI系(キシリレ
ンジイソシアネート等)、MDI系(ジフェニルメタン
ジイソシアネート等)等が挙げられ、ブロック剤として
は、オキシムやラクタム等が挙げられる。
【0041】上記ブロックイソシアネート基含有樹脂の
使用量としては、反応物が有する水酸基と、ブロックイ
ソシアネート基含有樹脂が有する再生イソシアネート基
とのモル比(水酸基のモル数/再生イソシアネート基の
モル数)が、100/10〜100/100になるよう
にすることが好ましい。水酸基に対する再生イソシアネ
ート基のモル比が100/10未満であると、未反応の
水酸基が残るため耐熱性向上が不充分となるおそれがあ
る。100/100を超えると、ブロックイソシアネー
ト基含有樹脂の骨格成分であるポリイソシアネートが水
性硬化性樹脂組成物中に相対的に多くなり、エポキシ鎖
が相対的に減少することから、上述した反応物と硬化剤
とから形成される硬化性樹脂の主鎖自体の耐熱性が低下
するおそれがある。なお、硬化剤として他の硬化剤を併
用する場合においても、上記のモル比とすることが好ま
しいが、併用する場合は、水分散樹脂組成物の樹脂に対
して、5重量%〜30重量%使用することが好ましい。
また、ビスフェノール型エポキシ樹脂の水酸基の反応性
が低いため、好ましくは、100/10〜100/50
である。
【0042】上記アミノ樹脂としては、例えば、アルキ
ルエーテル化メラミン樹脂等のメラミン樹脂、アルキル
エーテル化ベンゾグアナミン樹脂等のベンゾグアナミン
樹脂、アルキルエーテル化尿素樹脂等の尿素樹脂等が挙
げられる。これらの中でも、メラミン樹脂が好ましい。
アミノ樹脂の使用量としては、例えば、水性硬化性樹脂
組成物(固形分)とアミノ樹脂(固形分)との重量比
が、95/5〜60/40になるようにすることが好ま
しい。水性硬化性樹脂組成物が95を超えると、強度が
低下するおそれがあり、60未満であると、耐水性及び
耐蝕性が低下するおそれがある。より好ましくは、85
/15〜65/35である。
【0043】本発明の水性硬化性樹脂組成物には、上述
した必須成分以外に、必要に応じて、シラン系、チタン
系等のカップリング剤、硬化促進剤等を適量添加するこ
とができる。
【0044】本発明の水性硬化性樹脂組成物にはまた、
本発明の作用効果を奏する限り、必要に応じて、アクリ
ルエマルション、ウレタンエマルション、シリコン樹脂
エマルション、フッ素樹脂エマルション等のバインダ
ー、溶剤、可塑剤、無機又は有機の充填剤、着色顔料、
染料、増粘剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、防腐防カビ
剤、防錆剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、シリカ系の
無機微粒子、有機無機複合微粒子、アルコキシシラン化
合物含有分散体等を適宜添加してもよい。
【0045】本発明の水性硬化性樹脂組成物における固
形分濃度としては特に限定されず、例えば、水性硬化性
樹脂組成物100重量%に対して、固形分が5〜60重
量%となるようにすることが好ましい。より好ましく
は、10〜50重量%である。
【0046】本発明の水性硬化性樹脂組成物を製造する
方法としては特に限定されず、例えば、水分散樹脂組成
物及び硬化剤、並びに、必要に応じて添加されるその他
の成分を適宜添加、混合することにより行うことができ
る。
【0047】本発明の水性硬化性樹脂組成物を基材に塗
布する場合には、例えば、ロールコーター、スプレー、
浸漬、刷毛塗り等の方法により行うことができる。硬化
条件としては特に限定されず、例えば、室温で硬化を行
うことができるが、必要に応じて80〜250℃で1〜
120分間程度加熱してもよい。より好ましくは、12
0〜240℃である。
【0048】本発明の水性硬化性樹脂組成物は、耐水性
が向上すると共に、優れた強度や耐熱性、作業性、耐候
性、耐蝕性等の基本性能を与えることができるものであ
る。本発明の水性硬化性樹脂組成物の用途としては特に
限定されず、例えば、自動車、建築物、(無機、金属
等)建材、金属、プラスチック、ガラス、木工、各種
(金属、無機、ガラス、合成高分子等)繊維等の塗料、
表面処理剤、コーティング剤、収束剤や処理剤等を含む
バインダー、粘接着剤、シーリング剤、フィルム、成型
品、注型品等に好適に適用することができる。
【0049】
【実施例】以下に実施例を揚げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。なお、特に断りのない限り、「部」は、
「重量部」を意味するものとする。
【0050】実施例1 攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計及び窒素吹き
込み管を備えたフラスコに、ブチルセロソルブ33部を
仕込み、窒素置換を行い、105℃に昇温後、モノ(2
−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェー
ト(ライトエステルP−1M、共栄社化学社製)10
部、メチルメタクリレート20部、ブチルアクリレート
20部、スチレン20部、メタクリル酸20部、ヒドロ
キシエチルメタクリレート10部及び2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)2部の混合液を2時
間かけて滴下した。その後105℃で2時間保持を行
い、リン酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂を得
た。次いで、予め調整していたビスフェノールA型エポ
キシ樹脂のブチルセロソルブ溶液(エポトートYD−7
909、数平均分子量4000、エポキシ当量210
0、1分子当たりの平均エポキシ1.9、東都化成社
製、75重量%ブチルセロソルブ溶液)266部を加
え、120℃で、グラフト反応を行い、冷却を行った
後、トリエチルアミン12部を添加し、強攪拌下に脱イ
オン水を589部を30分で滴下し、不揮発分29.8
%、pH8.3、平均粒子径70nm、酸価43mmg
KOH/全固形分の水分散樹脂組成物(A−1)を得
た。
【0051】上記水分散樹脂組成物(A−1)50g、
水溶性オキサゾリン樹脂(エポクロスWS−500、オ
キサゾリン当量220、不揮発分40%、pH8.0、
日本触媒社製)5gを混合し、水性硬化性樹脂組成物
(B−1)を得た。この樹脂組成物(B−1)を強攪拌
し発泡性を確認したところ、僅かな発泡が認められた
が、直ぐに泡が消え、良好な消泡性であるバインダーで
あることが確認できた。燐酸亜鉛処理鋼板に、この樹脂
組成物をドライで20ミクロンになるようにバーコーダ
ーで塗装を行い、170℃で30分、硬化を行い、評価
を行った。結果を表1に示す。
【0052】実施例2 実施例1で合成した水分散性樹脂組成物(A−1)50
gとメチル化メラミン樹脂10gと、水溶性オキサゾリ
ン樹脂(エポクロスWS−500、日本触媒社製)5g
を混合し、水性硬化性樹脂組成物(B−2)を得た。更
に、実施例1と同様に塗装鋼板を作製し、評価を行っ
た。
【0053】実施例3 実施例1で合成した水分散性樹脂組成物(A−1)50
gと水分散ブロックイソシアネート樹脂(タケネートW
B−720、武田薬品工業社製)10gを混合し、水性
硬化性樹脂組成物(B−3)を得た。更に、実施例1と
同様に塗装鋼板を作製し、評価を行った。
【0054】実施例4 実施例1で合成した水分散性樹脂組成物(A−1)50
gと水分散ブロックイソシアネート樹脂(タケネートW
B−720、武田薬品工業社製)10gと、水溶性オキ
サゾリン樹脂(エポクロスWS−500、日本触媒社
製)5gを混合し、水性硬化性樹脂組成物(B−4)を
得た。更に、実施例1と同様に塗装鋼板を作製し、評価
を行った。
【0055】実施例5 攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計及び窒素吹き
込み管を備えたフラスコに、ブチルセロソルブ100
部、エポキシ樹脂(エポトートYD−7909)200
部を仕込み、窒素置換を行い、105℃に昇温後、エポ
キシ樹脂を完全に溶解後、メチルメタクリレート30
部、ブチルアクリレート30部、メタクリル酸30部、
ヒドロキシエチルメタクリレート10部及びベンゾイル
パーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂社製)5部の
混合液を2時間かけて滴下した。その後105℃で2時
間保持を行い、ジメチルエタノールアミン20部を添加
し、105℃で2時間グラフト反応を行い、強攪拌下に
脱イオン水580部を30分で滴下し、不揮発分29.
8%、pH8.3のカルボキシル基含有エポキシエマル
ション(A−2)を得た。実施例1のA−1の代わりに
カルボキシル基含有エポキシエマルション(A−2)を
使用した以外は実施例1と同様に、水性硬化性樹脂組成
物(B−5)を得た。更に、実施例1と同様に塗装鋼板
を作製し、評価を行った。
【0056】実施例6 攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計及び窒素吹き
込み管を備えたフラスコに、ブチルセロソルブ33部を
仕込み、窒素置換を行い、105℃に昇温後、モノ(2
−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェー
ト(ライトエステルP−1M、共栄社化学社製)10
部、アクリル酸50部、プラクセルFM−1(ダイセル
化学工業社製)40部及び2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)2部の混合液を2時間かけて滴
下した。その後105℃で2時間保持を行い、リン酸基
及びカルボキシル基含有アクリル樹脂を得た。次いで、
予め調整していたエポキシ樹脂のブチルセロソルブ溶液
(エポトートYD−7909、数平均分子量4400、
エポキシ当量2100、1分子当たりの平均エポキシ
1.9、東都化成社製、75重量%ブチルセロソルブ溶
液)533部を加え、120℃で、グラフト反応を行
い、冷却を行った後、トリエチルアミン30部を添加
し、強攪拌下に脱イオン水970部を30分で滴下し、
不揮発分29.8%、pH8.3、平均粒子径180n
mの水分散樹脂組成物(A−3)を得た。
【0057】上記水分散樹脂組成物(A−3)50g、
水溶性オキサゾリン樹脂(エポクロスWS−500、オ
キサゾリン当量220、不揮発分40%、pH8.0、
日本触媒社製)10gを混合し、水性硬化性樹脂組成物
(B−6)を得た。このバインダー液を強攪拌し、発泡
性を確認したところ、僅かな発泡が認められたが、直ぐ
に泡が消え、良好な消泡性であるバインダーであること
が確認できた。更に、実施例1と同様に塗装鋼板を作製
し、評価を行った。
【0058】実施例7 攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計及び窒素吹き
込み管を備えたフラスコに、ブチルセロソルブ100
部、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(酸価100
/固形分、数平均分子量2000)100部、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(エポトートYD−7909、
数平均分子量4000、エポキシ当量2100、1分子
当たりの平均エポキシ1.9、東都化成社製)200
部、トリエチルアミン20部を加え、120℃で、グラ
フト反応を行い、強攪拌下に脱イオン水580部を30
分で滴下し、不揮発分29.8%、pH8.3、平均粒
子径70nm、酸価43mmgKOH/全固形分の水分
散樹脂組成物(A−4)を得た。上記水分散樹脂組成物
(A−4)50g、水溶性オキサゾリン樹脂(エポクロ
スWS−500、オキサゾリン当量220、不揮発分4
0%、pH8.0、日本触媒社製)5g及びジアミノシ
ランカップリング剤0.2gを混合し、水性硬化性樹脂
組成物(B−7)を得た。このバインダー液を強攪拌
し、発泡性を確認したところ、僅かな発泡が認められた
が、直ぐに泡が消え、良好な消泡性であるバインダーで
あることが確認できた。燐酸亜鉛処理鋼板に、この樹脂
組成物をドライで20ミクロンになるようにバーコーダ
ーで塗装を行い、170℃で30分、硬化を行い、評価
を行った。
【0059】比較例1 実施例1のエポキシ樹脂に、1分子当たりの平均エポキ
シ基1.4と低いエポトートYD−019(エポキシ当
量2500、東都化成社製)を使用した以外は実施例1
と同様にして水分散樹脂組成物(a−1)、水性硬化性
樹脂組成物(b−1)を作製し、この水性硬化性樹脂組
成物(b−1)を強攪拌し発泡性を確認したところ、非
常に多くの発泡が認められ、1時間放置後も泡が大量に
残っており、消泡性の悪いバインダーであることが確認
された。更に燐酸亜鉛処理鋼板に、この樹脂組成物をド
ライで20ミクロンになるようにバーコーダーで塗装を
行い、170℃で30分、硬化を行い、評価を行った。
【0060】実施例8 攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、温度計及び窒素吹き
込み管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル33部を仕込み、窒素置換を行い、10
5℃に昇温後、メタクリレート19部、シクロヘキシル
メタクリレート30部、メタクリル酸30部、モノ(2
−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェー
ト(ライトエステルP−1M、共栄社化学社製)1部、
4−ヒドロキシブチルメタクリレート10部、4−(メ
タ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタ
メチルピペリジン10部及び2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル(AIBN)6部の混合液を2時間かけて
滴下した。その後105℃で2時間保持を行い、カルボ
キシル基含有アクリル樹脂を得た。ついで、予め調整し
ていたエポキシ樹脂のブチルセロソルブ溶液(エポトー
トYD−7907、数平均分子量3150、エポキシ当
量1650、1分子当たりの平均エポキシ1.9、東都
化成社製、75重量%ブチルセロソルブ溶液)133部
を加え、ジメチルエタノールアミン13部を添加し、1
05℃、30分間グラフト反応を行い、強攪拌下に脱イ
オン水388部を30分で滴下し、不揮発分29.8
%、pH8.5、平均粒子径120nmのカルボキシル
基含有エポキシエマルション(A−5)を得た。
【0061】実施例1記載のカルボキシル基含有エポキ
シエマルション(A−1)をA−5に置き換えた以外は
実施例1と同様に、水性硬化性樹脂組成物(B−8)を
得た。燐酸亜鉛処理鋼板に、この樹脂組成物をドライで
20ミクロンになるようにバーコーダーで塗装を行い、
170℃で30分、硬化を行い、評価を行った。結果を
表2に示す。
【0062】実施例9 実施例1で作製した水性硬化性樹脂組成物(A−1)1
00gにウレタンエマルション(スーパーフレックス1
50、不揮発分30%、pH8.8、平均粒子径約70
nm、第一工業製薬社製)100g、ジアミノシランカ
ップリング剤0.2gを加え、よく混合後、水性硬化性
樹脂組成物(B−9)を得た。燐酸亜鉛処理鋼板に、こ
の樹脂組成物をドライで5ミクロンになるようにバーコ
ーダーで塗装を行い、200℃で5分、硬化を行い、評
価を行った。
【0063】比較例2 比較例1で作製した水性硬化性樹脂組成物100gにウ
レタンエマルション(スーパーフレックス150、不揮
発分30%、pH8.8、平均粒子径約70nm、第一
工業製薬社製)100gを加え水性硬化性樹脂組成物
(b−2)、よく混合後、燐酸亜鉛処理鋼板に、ドライ
で5ミクロンになるようにバーコーダーで塗装を行い、
200℃で5分、硬化を行い、評価を行った。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明の水性硬化性樹脂組成物は、耐水
性が向上すると共に、優れた強度や耐熱性、作業性、耐
候性、耐蝕性等の基本性能を与えることができるもので
あり、自動車、建築物、(無機、金属等)建材、金属、
プラスチック、ガラス、木工、各種(金属、無機、ガラ
ス、合成高分子等)繊維等の塗料、表面処理剤、コーテ
ィング剤、収束剤や処理剤等を含むバインダー、粘接着
剤、シーリング剤、フィルム、成型品、注型品等の用途
に好適に適用することができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H017 AA04 AB01 AB07 AB09 AB13 AB17 AC01 AC03 AC11 AC17 AE03 AE05 4J002 BJ00X CC13X CC16X CC18X CC19X CD20W CK00X CL00X CM00X DE026 FD14X GH00 GJ01 GJ02 GK02 GL00 GN00 4J031 AA12 AA14 AA20 AA47 AA49 AA56 AA57 AA59 AB01 AB04 AD01 AF12 AF13 AF15 AF17 AF19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分散樹脂組成物及び硬化剤を含む水性
    硬化性樹脂組成物であって、該水分散樹脂組成物は、1
    分子あたりのエポキシ基が平均1.5〜2.0であり、
    かつ数平均分子量が2000以上であるビスフェノール
    型エポキシ樹脂と、カルボキシル基含有樹脂及び/又は
    リン酸基含有樹脂との反応物を水分散してなり、該ビス
    フェノール型エポキシ樹脂と、該カルボキシル基含有樹
    脂及び/又はリン酸基含有樹脂との比率は、50/50
    〜95/5であることを特徴とする水性硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記カルボキシル基含有樹脂は、水酸基
    を有することを特徴とする請求項1記載の水性硬化性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記硬化剤は、オキサゾリン基含有樹
    脂、ブロックイソシアネート基含有樹脂及びアミノ樹脂
    からなる群より選択される少なくとも一種であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の水性硬化性樹脂組成
    物。
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