JP4149686B2 - 吸放湿性自然石調塗材及び吸放湿性自然石調シート - Google Patents

吸放湿性自然石調塗材及び吸放湿性自然石調シート Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主に建築構造物の内壁面等に適用する吸放湿性自然石調塗材に関するものである。
【0002】
【従来技術】
建築構造物等を自然石調に仕上げる表面化粧材として、合成樹脂エマルションに天然石粉砕物、陶磁器粉砕物、着色骨材等(以下単に「骨材」ともいう)を配合した自然石調塗材が多く用いられている。例えば、特公平2−40702号公報には、特定の着色材と、特定の光透過率を有する骨材と、結合材からなる自然石調塗材が開示されている。該発明の自然石調塗材は、特定の光透過率を有する骨材を配合することにより、天然石に近い模様と深みのある色調を有する塗膜を与えるというものである。
【0003】
一方、近年、快適な居住空間に対する関心が高まっている。これに関し、室内に塗装する塗料については、内壁面の結露防止やカビ発生防止、あるいは湿度の調整による不快感抑制、等の機能を有する吸放湿性塗材への期待が高まっている。自然石調塗材においても、このような吸放湿性機能が付与されたものが望まれている。
【0004】
塗料に吸放湿性を付与する技術としては、例えば、特公昭62−15108号公報が挙げられる。該公報では、合成樹脂エマルションの固形分100重量部に対し、珪藻土を250〜550重量部含有する塗料組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭62−15108号公報に記載されているような珪藻土を多量に含む塗料をベース塗料とし、これに骨材を混合して自然石調塗材を製造すると、ベース塗料により形成される被膜が白濁していること、あるいはベース塗料の樹脂成分が極端に少ないために骨材が樹脂によって十分に被覆されなくなること等の理由により、形成塗膜の鮮映性が失われ、全体的に白ぼけた外観となってしまう。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、形成塗膜の外観が鮮映性や深み感を有しつつ、吸放湿性が付与された自然石調塗材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討の結果、ベース塗料として、合成樹脂エマルション及び特定の合成樹脂微粒子を含有するものを用いることにより、上記課題が解決できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.(A−1)カルボキシル基含有合成樹脂エマルション、
(A−2)カルボキシル基と反応可能な官能基を有する架橋剤、
(B)平均粒子径が20μm以下、吸湿率が10%以上である吸湿性を有するカルボキシル基含有合成樹脂微粒子、
を含有するベース塗料、及び、
(C)天然石粉砕物、陶磁器粉砕物、ガラス粒、樹脂粒、金属粒、及び着色骨材から選ばれる少なくとも1種以上、
からなり、
上記ベース塗料は、その被膜の光透過率が50%以上であり、
各成分の固形分比率が(A−1)成分100重量部に対し、(A−2)成分0.05〜15重量部、(B)成分1〜100重量部、(C)成分300〜1500重量部であることを特徴とする吸放湿性自然石調塗材。
2.(C)成分の粒径は0.01〜5.0mmであることを特徴とする1.に記載の吸放湿性自然石調塗材。
3.1.または2.に記載の吸放湿性自然石調塗材がシート状に形成されており、シートの乾燥厚膜が1〜6mmであることを特徴とする吸放湿性自然石調シート。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0011】
本発明組成物の(A)成分は、合成樹脂エマルションである。(A)成分の樹脂の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル・酢酸ビニル系樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、アクリル・シリコン系樹脂、等を使用することができる。
【0012】
(A)成分のガラス転移温度は、−20〜50℃であることが望ましい。−20℃より低い場合は、形成塗膜の耐汚染性が著しく低下し、50℃より高い場合は、塗膜に割れが生じやすくなる傾向となる。
【0013】
(A)成分の製造方法はとくに限定されないが、たとえば乳化重合法として、バッチ重合、モノマー滴下重合、乳化モノマー滴下重合などの方法により製造することができる。
【0014】
重合に用いる乳化剤は特に限定されず、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤から選ばれる1種、または2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、反応性基をもった乳化剤を使用した場合は、耐水性、耐湿性の向上を図ることができ、好ましい。
【0015】
(A)成分の平均粒径は150nm以下であることが望ましい。これにより、形成塗膜の鮮映性や深み感を一層高めることができる。
【0016】
本発明における合成樹脂エマルションとしては、樹脂中に反応性官能基を組み入れたものを使用することもできる。このような反応性官能基含有合成樹脂エマルション(以下「(A−1)成分」という)を使用する場合は、該反応性官能基と反応可能な官能基を有する架橋剤(以下「(A−2)成分」という)との併用により、形成塗膜の耐水性、耐湿性、強度、密着性、さらには吸放湿性を向上させることができる。このような官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、等があげられる。
【0017】
特に、(A−1)成分の反応性官能基としてはカルボキシル基が望ましく、これに対する(A−2)成分としては、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物等が好適に用いられる。
【0018】
(A−1)成分のカルボキシル基は、カルボキシル基含有単量体を共重合することにより得られる。カルボキシル基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸等、及びこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩等があげられる。これらは単独で、または2種以上を混合して使用することができる。カルボキシル基含有単量体の含有量は、単量体総重量に対し、通常、0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
【0019】
(A−1)成分と(A−2)成分の配合比率は、(A−1)成分の固形分100重量部に対し、(A−2)成分が0.05〜15重量部、さらには0.1〜5重量部であることが望ましい。このような配合比率であることにより、形成塗膜の耐水性、耐湿性、強度、密着性、吸放湿性を十分に向上させることができる。
【0020】
本発明の(B)成分は、吸湿性を有する合成樹脂微粒子である。このような(B)成分を用いることにより、形成塗膜の外観が鮮映性を有しつつ、吸放湿性が付与された自然石調塗材を得ることができる。
【0021】
本発明の(B)成分は、吸湿性を有するものであるが、温度20℃・湿度65%における吸湿率が10%以上、好ましくは20%以上である反応性官能基含有合成樹脂微粒子を好適に用いることができる。
なお、温度20℃・湿度65%における吸湿率とは、試料を120℃にて1時間乾燥した後、温度20℃・湿度65%の恒温恒湿器にて24時間吸湿させたときの重量変化より求められる値である。即ち、
吸湿率(%)={(吸湿後の重量−乾燥後の重量)/乾燥後の重量}×100
【0022】
(B)成分は吸放湿性を有するものであるが、(A)成分において、(A−1)成分及び(A−2)成分を用いる場合は、(B)成分の官能基としてカルボキシル基を含有することが望ましい。これにより、(B)成分は(A−2)成分と反応性を有することとなり、耐水性、耐湿性向上に寄与でき、さらには一段と高い吸放湿性を付与することもできるようになる。
【0023】
(B)成分にカルボキシル基を導入する方法としては、特に限定されないが、例えば、カルボキシル基を有する単量体の単独重合あるいは共重合可能な他の単量体との共重合による方法、(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有単量体を共重合した重合体に加水分解処理を施す方法、アルケン、ハロゲン化アルキル、アルコール、アルデヒド等の酸化による方法、等があげられる。(B)成分のカルボキシル基含有量は、1m
mol/g以上であることが望ましい。
【0024】
(B)成分を構成する上記以外の単量体としては、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類:エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル等があげられる。
【0025】
(B)成分は、吸放湿性向上の点から、架橋構造を有することが望ましい。このような架橋構造は、重合段階における架橋性単量体の導入、重合後における架橋性化合物の導入等の方法により形成することができる。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド等、また、架橋性化合物としては、ヒドラジン系化合物等を好適に用いることができる。
【0026】
(B)成分の平均粒子径は、配合量、屈折率との関連もあり一概に言えない面もあるが、好ましくは20μm以下、さらには0.05〜5μmであることが望ましい。20μmを超えると形成塗膜の鮮映性が低下し、全体的に白ぼけた外観となりやすくなる。
【0027】
(B)成分の配合量は、(A)成分の固形分100重量部に対し1〜100重量部、好ましくは10〜60重量部である。1重量部未満の場合は、吸放湿性能が不十分となり、100重量部を超える場合は、耐水性、耐湿性に悪影響を及ぼす他、鮮映性も低下する。
【0028】
本発明におけるベース塗料は、上記(A)成分及び(B)成分を必須成分として含むものであるが、さらにその被膜の光透過率が10%以上、さらには30%以上、さらに好ましくは50%以上であることが望ましい。ベース塗料の形成被膜がこのような光透過性を有することにより、自然石調塗膜において十分な鮮映性や深み感を確保することができる。光透過率が10%より低い場合は、自然石調塗膜の鮮映性や深み感が失われ、全体的に白ぼけた外観となってしまう。
【0029】
なお、本発明における光透過率は、分光光度計により測定され、波長660nmの光が、乾燥膜厚40μmで形成される被膜を通過する際の、被膜通過前の強度に対する被膜通過後の強度の比により表される値である。即ち、
光透過率(%)={透過光強度/入射光強度}×100
【0030】
ベース塗料においては通常塗料に配合する各種の添加剤、例えば、体質顔料、着色顔料、増粘剤、造膜助剤、可塑剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、乾燥調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を、本発明の効果を阻害しない範囲内で適宜配合することもできる。
【0031】
本発明における(C)成分は、天然石粉砕物、陶磁器粉砕物、ガラス粒、樹脂粒、金属粒、及び着色骨材から選ばれる少なくとも1種以上(以下単に「骨材」ともいう)である。このような骨材を含有させることにより、自然石調の意匠性を表出することが可能となる。
【0032】
(C)成分としては、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、珪石、珪砂等の粉砕物、陶磁器・セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、金属粒等やそれらの表面を着色コーティングしたもの等を使用することができる。
【0033】
(C)成分の粒径は0.01〜5.0mmであることが望ましい。粒径が0.01mm以下では自然石調の多彩感が低下し、5.0mm以上では塗装時の作業性が低下する傾向となる。
【0034】
(C)成分の配合量は、(A)成分の固形分100重量部に対し、300〜1500重量部である。300重量部より少ない場合は、自然石調の質感が得られず、また形成塗膜の隠ぺい性が確保できなくなる。1500重量部より多い場合は、形成塗膜に色の鮮映性や深み感を出すことができず、また耐汚染性、耐水性等が低下し、実用的でない。
【0035】
本発明の自然石調塗材は、コンクリート、モルタル、石膏ボード、壁紙等の各種基材の表面仕上げに使用することができ、主に建築構築物の内壁面等に使用するものである。この際、本発明の自然石調塗材は、基材に直接塗装することもできるし、何らかの表面処理(下地処理等)を施した上に塗装することも可能である。塗装方法としては、コテ塗り、スプレー塗装、ローラー塗装等種々の方法により塗装することができる。さらには、建材表面に工場等においてプレコートすることも可能である。
【0036】
また、本発明自然石調塗材は、シート状に形成することもできる。この場合、本発明自然石調塗材を公知の方法によりシート状にすることができるが、シートの折り曲げまたは引き裂きに対する強度等を考慮すると、基材の上に本発明自然石調塗材を積層し、シート状にすることが好ましい。
【0037】
そのような基材としては特に限定されないが、例えば、壁紙、織布、不織布、セラミックペーパー、合成紙、ガラスクロス、メッシュ、等が挙げられる。その形状としては、特に限定されず、汎用のものを使用することができる。
【0038】
積層方法としては、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、コテ塗り、流し込み等の公知の方法で積層することができ、必要であれば基材の上に予め下地処理を施しておいてもよい。
【0039】
また、シート表面に意匠性を付与することもできる。この様な意匠性を付与する際には、例えば、予め各種凸凹模様等の意匠性を付与した型枠を作製し、この型枠に本発明塗料組成物を流し込み、組成物の硬化後に脱型する方法等が用いられる。この様な方法により、本発明塗料組成物から得られる意匠性とあいまって、さらに深み感のある意匠性を得ることができる。本発明シートの乾燥膜厚としては特に限定されないが、密着性等を考慮すると1〜6mmが好ましい。
【0040】
この様にして得られたシートは建築物壁面、床面等に接着層や粘着層を介して貼着することができる。接着層としては、特に限定されず、汎用のものを使用することができる。例えば、粘着テープ等、及び、感圧性樹脂、感熱性樹脂、感光性樹脂等の接着剤または粘着剤、が挙げられる。
【0041】
この様に、予めシート状に形成しておくことにより、現場施工において、例えばスプレー塗装による材料の飛散等の問題がなく、作業性に優れ且つ予め工場で塗膜を形成することから、塗膜管理が容易であり、より安定した塗膜性能を提供することができる。
【0042】
また、本発明の効果を損なわない程度にシート表面に保護層を積層したり、撥水剤を含浸させることもできる。特に耐久性が要求される部位に施工する際に、保護の目的でクリヤー塗料を塗布するのが好ましい。保護層としては、例えば、アクリル樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、フッ素樹脂系、等が挙げられ、水系または溶剤系いずれであってもよい。さらに、艶消しタイプでも艶有りタイプでもいずれであっても良い。また、本発明の効果を損なわない程度に着色することも可能である。
クリヤー塗料による塗装は、公知の塗装によればよく、例えば吹き付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等の各種の塗装方法により実施することができる。
【0043】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0044】
(試験方法)
(1)塗膜外観
作製した試験体の外観を目視にて確認した。評価は、◎:十分に鮮映性・深み感有り、○:鮮映性・深み感有り、×:鮮映性不十分・白ぼけた外観、とした。
【0045】
(2)吸放湿性
作製した試験体の重量WD0を測定した後、これを温度20℃・湿度90%下で24時間放置後、重量WW1を測定し、続いて、温度20℃・湿度40%下で24時間放置し、重量WD1を測定した。同様の操作をもう1回繰り返し、湿潤状態での重量WW2と乾燥状態での重量WD2とを測定した。
次に、図1に示すように横軸に時間、縦軸に重量をとり、吸放湿曲線を作成し、下式により吸放湿特性値を算出して、その平均値を求めた。
吸湿量W(g)=WW1−WD0
放湿量W(g)=WW1−WD1
吸湿量W(g)=WW2−WD1
放湿量W(g)=WW2−WD2
吸放湿特性値(g/m)=(W+W+W+W)/{4×(試験体面積)}
【0046】
[実施例1]
表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて自然石調塗材を作製した。次に、300mm×300mm×6mmのスレート板に、ミラクシーラーES(変性エポキシ樹脂系下塗材;エスケー化研株式会社製)を塗付量0.15kg/mにて塗付し、温度20℃・湿度65%下(以下、「標準状態」という)にて3時間乾燥させた後、作製した自然石調塗材を乾燥膜厚2.0mmにて塗付し、標準状態にて14日間乾燥させて、試験体を作製した。
【0047】
【表1】
Figure 0004149686
【0048】
【表2】
Figure 0004149686
【0049】
試験結果を表3に示した。その結果、塗膜が鮮映性・深み感を有し、さらに吸放湿性能も優れていた。また、合成樹脂微粒子の粒子径が小さく、十分な鮮映性・深み感を有しており、架橋剤の併用により、高い吸放湿性能を示した。
【0050】
【表3】
Figure 0004149686
【0051】
[実施例2〜3、比較例1]表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて自然石調塗材を作製し、実施例1と同様試験体を作製した。その結果、塗膜が鮮映性・深み感を有し、さらに吸放湿性能も優れていた。特に実施例2〜3は、合成樹脂微粒子の粒子径が小さく、十分な鮮映性・深み感を有していた。また、実施例2は、架橋剤の併用により、高い吸放湿性能を示した。
【0052】
[比較例]表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて自然石調塗材を作製し、実施例1と同様試験体を作製した。ベース塗料に粒径の大きな吸放湿性剤を多く含む系であり、形成塗膜の鮮映性不十分で、白ぼけた外観となった。
【0053】
[比較例]表1に示す原料を用い、表2に示す配合にて自然石調塗材を作製し、実施例1と同様試験体を作製した。ベース塗料に珪藻土を多く含む系であり、形成塗膜の鮮映性不十分で、白ぼけた外観となった。また、吸放湿性能も不十分であった。
【0054】
〔実施例〕実施例1で作製した塗材を、凸凹を有するシリコンゴム製型枠に流し込み、20℃で24時間養生させた後、メッシュを貼りつけ、さらに塗材を流し込み、20℃で14日間養生させて脱型し、シートを作製した。この時のシートの乾燥膜厚は5.0mmであった。このシートをエポキシ樹脂系接着剤を用いて300mm×300mm×6mmのスレート板に貼着し、試験体を作製した。その結果、塗膜が鮮映性・深み感を有し、さらに吸放湿性能も優れていた。また、合成樹脂微粒子の粒子径が小さく、十分な鮮映性・深み感を有しており、架橋剤の併用により、高い吸放湿性能を示した。また、接着剤を介して貼着するのみという簡便な工程で施工することができ、作業性に優れていた。
【0055】
〔実施例〕実施例2で作製した塗材を、凸凹を有するシリコンゴム製型枠に流し込み、20℃で24時間養生させた後、メッシュを貼りつけ、さらに塗材を流し込み、20℃で14日間養生させて脱型し、シートを作製した。この時のシートの乾燥膜厚は5.0mmであった。このシートをエポキシ樹脂系接着剤を用いて300mm×300mm×6mmのスレート板に貼着し、試験体を作製した。その結果、塗膜が鮮映性・深み感を有し、さらに吸放湿性能も優れていた。また、合成樹脂微粒子の粒子径が小さく、十分な鮮映性・深み感を有しており、架橋剤の併用により、高い吸放湿性能を示した。また、接着剤を介して貼着するのみという簡便な工程で施工することができ、作業性に優れていた。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、形成塗膜の外観が鮮映性や深み感を有しつつ、吸放湿性が付与された自然石調塗材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸放湿性試験における吸放湿曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1:吸放湿曲線
2:WD0
3:WW1
4:WD1
5:WW2
6:WD2

Claims (3)

  1. (A−1)カルボキシル基含有合成樹脂エマルション、
    (A−2)カルボキシル基と反応可能な官能基を有する架橋剤、
    (B)平均粒子径が20μm以下、吸湿率が10%以上である吸湿性を有するカルボキシル基含有合成樹脂微粒子、
    を含有するベース塗料、及び、
    (C)天然石粉砕物、陶磁器粉砕物、ガラス粒、樹脂粒、金属粒、及び着色骨材から選ばれる少なくとも1種以上、
    からなり、
    上記ベース塗料は、その被膜の光透過率が50%以上であり、
    各成分の固形分比率が(A−1)成分100重量部に対し、(A−2)成分0.05〜15重量部、(B)成分1〜100重量部、(C)成分300〜1500重量部であることを特徴とする吸放湿性自然石調塗材。
  2. (C)成分の粒径は0.01〜5.0mmであることを特徴とする請求項 1 に記載の吸放湿性自然石調塗材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の吸放湿性自然石調塗材がシート状に形成されており、シートの乾燥膜厚が1〜6mmであることを特徴とする吸放湿性自然石調シート。
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