JP3175477B2 - 水性フッ素樹脂組成物 - Google Patents
水性フッ素樹脂組成物Info
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Description
に関し、特に耐候性、耐温水性および耐溶剤性に優れた
塗膜を形成しうる水性フッ素樹脂組成物に関する。
候性に優れ長期にわたって塗り返す必要がなく、また耐
熱姓、気体不透過性、電気絶縁性等にも優れているとと
もに、有機溶剤中にフッ素樹脂を溶解した溶液コーティ
ング材のように多量の溶剤を使用する必要がなく、環境
保護、省資源、安全性等の社会的要請に合致したのもの
として、近年開発が進められている。
は、一般的に、加工性(特に成膜性)および基体への密
着性が低いという欠点があり、これらを改善するため、
フッ素樹脂系重合体をアクリル系重合体で改質する試み
が数多くなされてきた。例えば特開昭62−32102
号公報には、フッ素樹脂系重合体粒子の存在下でエチレ
ン性不飽和単量体を乳化重合した水性分散液が、また特
開平3−7784号公報には、フッ化ビニリデン系重合
体粒子の存在下でアクリル酸エステルおよび/またはメ
タクリル酸エステルを乳化重合した水性分散液が提案さ
れている。
来のフッ素樹脂系水性分散液を用いた実験では、夏期に
自然降雨にさらされると、塗膜の白化、光沢の低下、膨
れ等が生じることが観察され、塗膜の耐温水性、耐湿性
が充分ではないことが判明した。また、従来のフッ素樹
脂系水性分散液は非架橋タイプであるため、耐溶剤性が
不十分であった。
ジン誘導体と共重合体中のカルボニル基との架橋を利用
しているアクリル系重合体の水性分散液が、特開昭54
−144432号公報、特開昭57−3850号公報お
よび特開昭57−3857号公報で提案されているが、
これらは塗膜とした場合、耐温水性、耐溶剤性は向上す
るものの、長期耐候性が不十分であった。
の課題を背景になされたもので、その目的は、耐候性等
の水性フッ素樹脂組成物の優れた性能を保持し、かつ塗
膜の耐温水性、耐溶剤性に優れた水性フッ素樹脂組成物
を提供することを目的とする。
に本発明に係る水性フッ素樹脂組成物は、乳化重合によ
って得られ、平均粒径が0.04〜1μmの均質型の複
合重合体粒子であって、含フッ素系重合体100重量部
に対しアクリル系重合体20〜500重量部を含み、前
記アクリル系重合体は、アルキル基の炭素数が1〜18
である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボニ
ル基含有ビニル単量体とを必須成分とする単量体を重合
して得られ、かつ、該カルボニル基含有ビニル単量体
は、前記アクリル系重合体100重量部に対して0.1
〜20重量部の割合で共重合された、複合重合体粒子の
水性分散体と、前記アクリル系重合体のカルボニル基1
モルに対し0.02〜1モルの割合で配合される、少な
くとも2個のヒドラジノ基を有するヒドラジン誘導体
と、を含有することを特徴とする。
よって得られるフッ化ビニリデンの単独重合体、フッ化
ビニリデンと他のフルオロオレフィンとの共重合体が好
ましく、特に好ましくはフッ化ビニリデン/ヘキサフル
オロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフ
ルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体で
ある。これらの含フッ素重合体は、単独でまたは2種以
上を混合して使用される。
アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル
酸アルキルエステル40〜99.1重量%、カルボニル
基含有ビニル単量体0.1〜20重量%、エチレン性不
飽和カルボン酸単量体0〜30重量%、およびその他の
共重合可能なビニル単量体0〜59.9重量%であるこ
とが好ましい。
複合重合体粒子の水性分散体は、水性媒体中に含フッ素
系重合体100重量部に対して、前記ビニル単量体が2
0〜500重量部重合されていることが好ましい。
クリル系重合体を含む複合重合体粒子の水性分散体は、
通常、含フッ素系重合体粒子の存在下、水性媒体中でア
クリル系重合体の単量体を乳化重合することにより製造
される。
オロオレフィン、アクリル系重合体の単量体としては、
炭素数1〜18のアクリル酸アルキルエステルおよび/
またはメタクリル酸アルキルエステル、カルボニル基含
有ビニル単量体、また必要に応じてエチレン性不飽和カ
ルボン酸、および前記単量体と共重合可能なビニル単量
体が使用される。
系重合体をコア、アクリル系重合体をシェルとするコア
・シェル型、またはその逆の物質からなるコア・シェル
型、含フッ素系重合体とアクリル系重合体が単一粒子中
で均一に相溶した均質型が挙げられるが、特に耐候性を
重視する場合は均質型であることが好ましい。
て、単一のガラス転移点を示すことにより、あるいは複
合重合体粒子をフィルム状にした場合、光学的に透明な
フィルムを形成することにより容易に区別できる。
ッ化ビニリデン系重合体が使用される。
化ビニリデンの単独重合体またはフッ化ビニリデンおよ
びこれと共重合可能な単量体、例えばフッ化ビニル、テ
トラフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、
ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブチレ
ン、パーフルオロアクリル酸またはそのアルキルエステ
ル、パーフルオロメタクリル酸またはそのアルキルエス
テル、アクリル酸またはメタクリル酸のフルオロアルキ
ルエステル等のフッ素含有エチレン性不飽和化合物、プ
ロピレンシクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエ
チルビニルエーテル等のフッ素非含有エチレン性不飽和
化合物、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のフ
ッ素非含有ジエン化合物等との共重合体から選ばれる。
常フッ化ビニリデンの含有率が50重量%以上の共重合
体が使用される。本発明においては、フッ化ビニリデン
の単独重合体、2元共重合体であるフッ化ビニリデン/
テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、3元共重合体であ
るフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体等が好ましく用いられ、こ
れらのうちフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン共重合体およびフッ化ビニ
リデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体が特に好ま
しく用いられる。これらのフッ化ビニリデン系重合体
は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
ン/テトラフルオロエチレン共重合体においては、好ま
しくはフッ化ビニリデンが50〜90重量%、テトラフ
ルオロエチレンが50〜10重量%であり、フッ化ビニ
リデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体において
は、好ましくはフッ化ビニリデンが50〜90重量%、
ヘキサフルオロプロピレンが50〜10重量%であり、
フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体においては、好ましくはフッ
化ビニリデンが50〜80重量%、テトラフルオロエチ
レンが10〜40重量%、ヘキサフルオロプロピレンが
5〜40重量%である。
量は、通常1〜20万である。
合、溶液重合、沈殿重合等、種々の方法で得られるが、
本発明においては、特に乳化重合によって得られるフッ
化ビニリデン系重合体が好適に用いられる。
ル系共重合体の単量体を乳化重合する段階で、粒子とし
て水性媒体中に分散されていることが必要であるが、そ
の分散方法は特に限定されるものではない。
分散させる方法としては、例えば、(i) 共重合性単量体
の存在下または非存在下でフッ化ビニリデンを水性媒体
中で乳化重合する方法、(ii)フッ化ビニリデン系重合体
溶液を水性分散液に転相する方法、(iii) 共重合性単量
体の存在下または非存在下でフッ化ビニリデンを沈澱重
合したのち、生成重合体粒子を水性媒質中に分散させる
方法、等が挙げられる。これらの方法のうち、(i) の乳
化重合法が、フッ化ビニリデン系重合体粒子の水性分散
液がそのまま、次のアクリル系重合体の乳化重合に使用
することができる点で、好ましい。
は、重合体粒子の水性分散体の所望の平均粒径に応じて
変わるが、通常、0.03〜0.3μmの範囲にあるの
が好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.2μmで
ある。
(イ)炭素数1〜18のアルキル酸アルキルエステルお
よび/またはメタクリル酸アルキルエステル、(ロ)カ
ルボニル基含有ビニル単量体、また必要に応じて(ハ)
エチレン性不飽和カルボン酸および(ニ)前記単量体と
共重合可能なビニル単量体が挙げられる。
18であるアクリル酸アルキルエステルとしては、例え
ばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等を挙げ
ることができる。これらのうち、アルキル基の炭素数が
4〜12のアクリル酸アルキルエステルが好ましく、特
にアクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチルアクリ
ル酸2−エチルヘキシルが好ましい。これらの単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用される。
であるメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソ
アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ラウリル等を挙げることができる。これらのうち、ア
ルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸アルキルエス
テルが好ましく、特にメタクリル酸メチル、メタクリル
酸シクロヘキシルが好ましい。これらの単量体は、単独
または2種以上を混合して使用される。
エステルと前記メタクリル酸アルキルエステルとを併用
する場合は、両者の比率には特に制約はないが、前記フ
ッ化ビニリデン系重合体粒子中にカルボニル基を含むア
クリル系重合体を均一に相溶させるためには、単量体
(イ)の合計100重量部に対し、前記メタクリル酸ア
ルキルエステルを50重量%以上使用することが好まし
い。
温乾燥用のコーティング剤として使用する場合は、前記
アクリル酸アルキルエステルの使用量は単量体(イ)の
合計100重量部に対し、30〜50重量%であること
が好ましい。30重量%より少ないと低温乾燥時の成膜
性が低下し、50重量%より多いと耐候性が低下する。
しては、分子中に少なくとも1個のアルド基またはケト
基と1個の重合可能な二重結合を有する単量体が使用さ
れる。すなわち、カルボニル基含有単量体は、特に重合
可能なモノオレフィン性不飽和のアルド化合物およびケ
ト化合物であって、エステル基(−COC−)、カルボ
キシル基(−COOH)のみを有する化合物は除かれ
る。
クロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチ
ロール、好ましくは4〜7個の炭素原子を有するビニル
アルキルケトン、例えば特にビニルメチルケトン、ビニ
ルエチルケトンおよびビニルイソブチルケトン等、下記
一般式(化1)で表されるものが挙げられる。
たは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基;R3 は1
〜3個の炭素原子を有するアルキル基;R4 は1〜4個
の炭素原子を有するアルキル基を示す。具体的には、
(メタ)クリルオキシアルキルプロパナール、アセトニ
トリルアクリレート、ジアセトンアクリレート、ジアセ
トンメタクリレート、2−ヒドロキシプロピレルアクリ
レート−アセチルアセテートおよびブタンジオール−
1,4−アクリレート−アセチルアセテート等が挙げら
れる。これらの中でもジアセトンアクリルアミドアクロ
レインおよびビニルメチルケトンが好ましい。
酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロト
ン酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、イタコン
酸が好ましい。これらの単量体は、単独でまたは2種以
上を混合して使用される。
と共重合可能な他の単量体としては、アクリルアミド,
メタクリルアミド,N−メチルアクリルアミド,N−メ
チルメタクリルアミド,N−メチロールアクリルアミ
ド,N−メチロールメタクリルアミド,N−アルキルア
クリルアミド,N−アルキルメタクリルアミド,N,N
−ジアルキルアクリルアミド,N,N−ジアルキルメタ
クリルアミド等のアミド化合物、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル,アクリル酸N,N−ジアルキルアミノエチ
ル,アクリ酸グリシジル,アクリル酸フルオロアルキル
等のアクリル酸エステル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル,メタクリル酸N,N−ジアルキルアミノエチ
ル,メタクリル酸グリシジル,メタクリル酸フルオロア
ルキル,エチレングリコールジメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル、アリルグリシジルエーテル等のビニ
ルエーテル化合物、1,3−ブタジエン,イソプレン,
クロロプレン等の共役ジエン、スチレン,α−メチレン
スチレン,ハロゲン化スチレン,ジビニルベンゼン等の
芳香族ビニル化合物、ビニルトリメトキシシラン,ビニ
ルトリエトキシシラン,γ−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン等の含ケイ素エチレン性不飽和単量
体、アクリル酸またはメタクリル酸のフルオロアルキル
エステル等の含フッ素エチレン性不飽和単量体等を挙げ
ることができる。これらのうち、N−メチロ−ルアクリ
ルアミド、N−メチロ−ルメタクリルアミド、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アリルグリシジルエーテル、1,3−ブタジエ
ン、スチレン等が好ましい。これらの単量体は、単独で
または2種以上混合して使用される。
体(イ)は、好ましくは40〜99.9重量%、さらに
好ましくは50〜80重量%、単量体(ロ)は、好まし
くは0.1〜20重量%、さらに好ましくは2〜7重量
%、単量体(ハ)は、好ましくは0〜30重量%、さら
に好ましくは1〜15重量%、および単量体(ニ)は、
好ましくは0〜59.9重量%、さらに好ましくは0〜
30重量%である。
用量が前記単量体(イ)〜(ニ)の合計の0.1重量%
未満では架橋点が少なく十分な耐温水性、耐溶剤性が得
られず、20重量%を超えると耐候性、耐温水性が低下
する場合があるので好ましくない。
前記含フッ素系重合体粒子100重量部の存在下、前記
単量体(イ)〜(ニ)からなる単量体混合物20〜50
0重量部、さらに好ましくは40〜300重量部を、水
性媒体中で乳化重合することにより得られる。
物の使用量が、20重量部未満では、加工性(特に成膜
性)および基体との密着性等が低下し、また500重量
部を超えると、フッ化ビニリデン系重合体自体の有する
耐候性、耐薬品性等が損なわれる。
在下での前記単量体混合物の乳化重合は、1種のシード
重合と考えることができる。その反応挙動は必ずしも明
確ではないが、添加単量体は主として含フッ素系重合体
粒子中に吸収あるいは吸着され、該粒子を膨潤させなが
ら重合が進行していくものと考えられる。
ではなく、例えば、水性媒体中、乳化剤および重合開始
剤の存在下で、30〜100℃程度の温度で1〜30時
間程度反応を行う。また必要により連鎖移動剤、キレー
ト化剤、pH調整剤、溶媒等を添加してもよい。
剤、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤と非
イオン性界面活性剤との組み合わせ等が使用され、場合
により両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤も用いる
ことができる。
級アルコール硫酸エステルナトリウム塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク酸ジアルキルエス
テルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエー
テルジスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム塩等を挙げる
ことができる。これらのうち、ラウリル硫酸エステルナ
トリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸ナトリウム塩等が好ましい。
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル等を挙げることができる。一般的には、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
オクチルフェニルエーテル等が使用される。
ベタイン、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル
ナトリウム塩、イミダゾリンスルホン酸ナトリウム塩等
を挙げることができる。
ルキルピリジニウムクロライド、アルキルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウ
ムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウム
クロライド等を挙げることができる。
ーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキ
ルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステ
ル、パーフルオロアルキルポリオキシエチレン、パーフ
ルオロアルキルベタイン等のフッ素系界面活性剤を使用
することもできる。
は、単量体(イ)〜(ニ)と共重合可能な、いわゆる反
応性乳化剤、例えばスチレンスルホン酸ナトリウム塩、
アリルアルキルスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエ
チレンアルキルアリルフェニルエーテル硫酸アンモニウ
ム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルフェニルエー
テル等を使用することができ、特に2−(1−アリル)
−4−ノニルフェノキシポリエチレングリコール硫酸エ
ステルアンモニウム塩と2−(1−アリル)−4−ノニ
ルフェノキシポリエチレングリコールの併用が好まし
い。
合体粒子および単量体(イ)〜(ニ)の合計量100重
量部当り、通常0.05〜5重量部程度である。
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性重合開
始剤、あるいはこれらの水溶性重合開始剤と還元剤とを
組み合わせたレドックス系を使用することができる。こ
の還元剤としては、例えばピロ重亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナト
リウム、L−アスコルビン酸またはその塩、ナトリウム
ホルムアルデヒドスルホキシレート、硫酸第一鉄、グル
コース等を挙げることができる。
溶媒に溶解して使用することができる。この油溶性重合
開始剤としては、例えば2,2´−アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2´−アゾビス−(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1´−アゾビス
シクロヘキサン−1−カルボニトリル、2,2´−アゾ
ビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビスイソカプ
ロニトリル、2,2´−アゾビス(フェニルイソブチロ
ニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチル
パーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、クメンハイ
ドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、t−
ブチルハイドロパーオキシド、3,5,5−トリメチル
ヘキサノールパーオキシド、t−ブチルパーオキシ(2
−エチルヘキサノエート)等を挙げることができる。好
ましい油溶性重合開始剤は、2,2´−アゾビスイソブ
チロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイド
ロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、t−ブ
チルハイドロパーオキシド、3,5,5−トリメチルヘ
キサノールパーオキシド、t−ブチルパーオキシ(2−
エチルヘキサノーエート)等である。
量部当り、通常0.1〜3重量部程度である。
水素類(例えば四塩化炭素、クロロホルム、ブロモホル
ム等)、メルカプタン類(例えばn−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカ
プタン、n−ヘキサデシルメルカプタン等)、キサント
ゲン類(例えばジメチルキサントゲンジスルフィド、ジ
エチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサ
ントゲンジスルフィド等)、テンペン類(例えばジペン
テン、ターピノーレン等)、チウラムスルフィド類(例
えばテトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチ
ルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスル
フィド、ジペンタメチルチウラムジスルフィド等)を挙
げることができる。
量部当り、0〜10重量部程度である。
ン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸等を、また前記
pH調整剤としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等を挙げること
ができる。
は、全単量体100重量部当り、それぞれ、0〜0.1
重量部および0〜3重量部程度である。
トン、アセトン、トリクロロトリフルオロエタン、メチ
ルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシド、トルエ
ン、ジブチルフタレート、メチルピロリドン、酢酸エチ
ル等を挙げることができる。溶媒の使用量は、作業性、
防災安全性、環境安全性および製造安全性を損なわない
範囲内の少量であることが好ましく、全単量体100重
量部当り、0〜20重量部程度である。
中で単量体(イ)〜(ニ)を乳化重合する際には、該重
合体粒子および該単量体は種々の方法で添加することが
できる。それらの添加方法としては、重合体粒子の水
性分散液に単量体の全量を一括して添加する方法、重
合体粒子の水性分散液に単量体の一部を仕込んで反応さ
せたのち、残りの単量体を連続または分割して仕込む方
法、重合体粒子の水性分散液に単量体の全量を連続ま
たは分割して添加する方法、単量体の重合下で、重合
体粒子を連続または分割して添加する方法等を挙げるこ
とができるが、特に重合体粒子の水性分散液に単量体
の全量を一括して添加する方法、またはにおいて、重
合体粒子の水性分散液に仕込む初めの単量体の一部の量
が全体量の50重量%以上である方法が好ましい。
(イ)〜(ニ)を水性媒体中で乳化重合することによっ
て得られる複合重合体粒子の水性分散体の平均粒径は、
通常0.06〜3μm程度である。好ましい平均粒径は
0.05〜0.5μmであり、さらに好ましくは、0.
05〜0.3μmである。前記平均粒径が0.04μm
未満では、水性分散液の粘度が上昇して高固形分の水性
分散液が得られ難く、また使用条件により大きな機械的
剪断力が作用する場合では、凝固物が発生しやすくな
る。一方が1μmを超えると、水性分散液の貯蔵安定性
がやや低下する。この水性分散体の平均粒径は、フッ化
ビニリデン系重合体粒子の大きさを適宜選択することに
よって、調節することができる。
合体粒子の水性分散体と、ヒドラジン誘導体とを含む。
ドラジノ基を有し、アクリル系重合体中に含有されるカ
ルボニル基1モルに対し0.02〜1モル、好ましくは
0.2〜0.6モルの量で配合される。
ル系重合体中に含有されるカルボニル基1モルに対し、
0.02モルより少なくても、1モルを越えても本発明
の水性フッ素樹脂組成物から形成される塗膜の耐温水
性、耐溶剤性が不十分となる。
ジノ基を有するヒドラジン誘導体としては、例えばシュ
ウ酸ジヒドラジド,マロン酸ジヒドラジド,こはく酸ジ
ヒドラジド,グルタル酸ジヒドラジド,アジピン酸ジヒ
ドラジド,イソフタル酸ジヒドラジド,セバシン酸ジヒ
ドラジド,マレイン酸ジヒドラジド,フマル酸ジヒドラ
ジドおよびイタコン酸ジヒドラジド等の2〜10個、特
に4〜6個の炭素原子を含有するジカルボン酸ジヒドラ
ジド、またエチレン−1,2−ジヒドラジン,プロピレ
ン−1,3−ジヒドラジンおよびブチレン−1,4−ジ
ヒドラジン等の2〜4個の炭素原子を有する脂肪族の水
溶性ジヒドラジンが挙げられ、これらの中でもアジピン
酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン
酸ジヒドラジドが好ましい。
性分散体の水が乾燥により飛散する際、共重合物のカル
ボニル基と誘導体中のヒドラジノ基が反応して網目構造
の被膜を形成する作用を有する。この架橋反応には、通
常触媒を用いないが、場合によっては、硫酸亜鉛、硫酸
マンガン、硫酸コバルト等の水溶性金属塩等の触媒を使
用することができる。
に応じて、各種有機添加材を、該水性分散体の固形分換
算で100重量部に対して、40重量部以下配合するこ
とができる。
系消泡剤、エチレングリコール、プロピレングリコール
等の凍結防止剤、染料、有機顔料、分散剤、エタノール
アミン等のpH調整剤、ヒドロキシエチレルセルロー
ル、ポリエーテルウレタン、アクリル酸共重合体等の増
粘剤、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の濡れ性
改善剤、有機充填剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、老化
防止剤、紫外線吸収剤、水溶性溶剤、成膜助剤等を挙げ
ることができる。
は、必要により、酸化チタン、酸化鉄等の顔料、炭酸カ
ルシウム、アエロジル等の充填剤などの無機化合物を添
加することもできる。
種基材に対する保護コーティング材として有用である。
その際には、基材に塗布後、通常室温〜200℃程度の
温度で乾燥させる。
らに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に制約されるものではない。なお、実
施例において割合を示す「部」および「%」はそれぞれ
重量部および重量%を意味する。
したのち、フッ化ビニリデン系重合体粒子として、フッ
化ビニリデン系重合体A(フッ化ビニリデン/テトラフ
ルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体:
重量比65/25/10、平均粒径0.15μm)10
0部、表1に示す単量体(イ)〜(ニ)、乳化剤として
2−(1−アリル)−4−ノニルフェノキシポリエチレ
ングリコール硫酸エステルアンモニウム塩0.4部およ
び2−(1−アリル)−4−ノニルフェノキシポリエチ
レングリコール1.0部を、前記セパラブルフラスコ内
に入れて80℃に昇温させた。その後、重合開始剤とし
て2%過硫酸カリウム水溶液1.5部を添加し、85〜
95℃で3時間重合した後冷却して反応を停止させ、ア
ンモニアを用いてpH8に調整した。さらにアジピン酸
ジヒドラジド5部を添加して約1時間攪拌し、水性フッ
素樹脂組成物を得た。
脂組成物の粒子断面の構造を示す透過型電子顕微鏡写真
である。フッ化ビニリデン系重合体とアクリル系重合体
が単一粒子中で均一に相溶しているのが解る。
以外は、実施例1と同様にして水性フッ素樹脂組成物を
得た。
架橋剤としてセバシン酸ジヒドラジドを使用した以外は
実施例1と同様にして水性フッ素樹脂組成物を得た。
りにアクロレインを使用した以外は実施例1と同様にし
て水性フッ素樹脂組成物を得た。
以外は、実施例1と同様にして水性フッ素樹脂組成物を
得た。
ン系重合体Aの代わりに、フッ化ビニリデン系重合体B
(フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合
体:重量比68/32、平均粒径0.20μm)を使用
した以外は実施例1と同様にして水性フッ素樹脂組成物
を得た。
ン系重合体Aの代わりに、フッ化ビニリデン系重合体C
(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン
共重合体:重量比62/38、平均粒径0.20μm)
を使用した以外は実施例1と同様にして水性フッ素樹脂
組成物を得た。
以外は実施例1と同様にして水性フッ素樹脂組成物を得
た。
ン誘導体を使用しなかったこと以外は実施例1と同様に
して水性フッ素樹脂組成物を得た。
酸ジヒドラジドの量を30部とした以外は実施例1と同
様にして水性フッ素樹脂組成物を得た。
子の代わりに、スチレン、メチルメタクリレートおよび
ブチルアクリレートからなるアクリル系重合体粒子(平
均粒径0.20μm、重量平均分子量10万以上)を使
用した以外は実施例1と同様にして水性フッ素樹脂組成
物を得た。
1〜4でそれぞれ得た水性フッ素樹脂組成物100部
(固形部換算)に、 充填剤 酸化チタン 50部 分散剤 ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部 (商品名SN−DIS−PERSANT5044、サンノプコ製) 凍結防止剤 エチレングリコール 1部 防腐剤 (商品名SN−215、サンノプコ製) 0.05部 消泡剤 (商品名FOAMASTER−AP、サンノプコ製) 0.5部 トリエチレングリコールジメチルエーテル (商品名DMTG、日本乳化剤製) をそれぞれ添加し、固形部が60重量%となるように水
で調整したのち、増粘剤としてヒドロキシエチルセルロ
ースを用いて粘度を4000cpsに調整した。これら
の各成分の混合はディスパー攪拌機を使用して行い、充
分混合した後、減圧脱泡機に移して脱泡し、塗料を調整
した。
およびアルカリ性洗浄剤で脱脂した鉄板(JIS−31
41、SPCC板、0.8×70×1500mm)にエ
アレスプレーガンを用いて、乾燥後の塗膜厚さが200
μmまたは500μm(耐温水性試験のみ)となるよう
に塗布したのち、80℃で15分間乾燥した。
行い、各特性を評価した。
率(浸漬後の光沢/浸漬前の光沢、%)を求め、さらに
塗膜の膨れの程度を目視にて観察し、下記の基準で評価
した。
外観を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
耐候性試験を行い、1000時間後の光沢保持率(試験
後の光沢/試験前の光沢、%)を求めた。
ら形成された塗膜は、耐温水性、耐溶剤性共に優れ、か
つ耐候性も高いレベルに維持されていることが解る。
る単量体(ロ)を含有しない場合で、得られた水性フッ
素樹脂組成物は、非架橋タイプとなり、形成する塗膜の
耐温水性および耐溶剤性が著しく劣ることがわかる。
い例で、得られた水性フッ素樹脂組成物は、非架橋タイ
プとなり、形成される塗膜の耐温水性および耐溶剤性が
著しく劣ることが解る。
が、本発明の範囲を越える例で、得られた水性フッ素樹
脂組成物から形成される塗膜の耐温水性および耐溶剤性
が不十分であり、耐候性にも劣ることが解る。
子の代わりにアクリル系共重合体を用いた例で、得られ
た重合体組成物から形成される塗膜の耐候性が著しく劣
ることが解る。
水性フッ素樹脂組成物の持つ優れた特性である耐候性を
保持しつつ、かつ得られる塗膜の耐温水性および耐溶剤
性に優れた水性フッ素樹脂組成物を提供することができ
る。
セメント、タイル、金属、プラスチック、木等の広範囲
の基材に対する保護コーティング材として極めて有用で
あるとともに、例えばアスベスト、ガラス、フェルトお
よび紙等の多孔質物質への含浸加工材、パッキング材、
ラミネートフィルム材、繊維・織物の処理剤等としても
好適に使用することができる。
面の構造を示す透過型電子顕微鏡写真である。
Claims (4)
- 【請求項1】 乳化重合によって得られ、平均粒径が
0.04〜1μmの均質型の複合重合体粒子であって、
含フッ素系重合体100重量部に対しアクリル系重合体
20〜500重量部を含み、前記アクリル系重合体は、
アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル
酸アルキルエステルとカルボニル基含有ビニル単量体と
を必須成分とする単量体を重合して得られ、かつ、該カ
ルボニル基含有ビニル単量体は、前記アクリル系重合体
100重量部に対して0.1〜20重量部の割合で共重
合された、複合重合体粒子の水性分散体と、 前記アクリル系重合体のカルボニル基1モルに対し0.
02〜1モルの割合で配合される、少なくとも2個のヒ
ドラジノ基を有するヒドラジン誘導体と、 を含有する、水性フッ素樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記アクリル系重合体の単量体成分としては、アルキル
基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル40〜99.1重量%、カルボニル基含有ビ
ニル単量体0.1〜20重量%、エチレン性不飽和カル
ボン酸単量体0〜30重量%、およびその他の共重合可
能なビニル単量体0〜59.9重量%である、水性フッ
素樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2において、 前記複合重合体粒子の水性分散体は、含フッ素系重合体
粒子の存在下、水性媒体中でアクリル系重合体の単量体
を乳化重合することにより製造される、水性フッ素樹脂
組成物。 - 【請求項4】 請求項3において、 前記含フッ素系重合体粒子の平均粒径は、0.03〜
0.3μmの範囲にある、水性フッ素樹脂組成物。
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-
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