JP2003238755A - シランを含有する架橋性の水性フルオロポリマーを主体とする分散体 - Google Patents

シランを含有する架橋性の水性フルオロポリマーを主体とする分散体

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Lotfi Hedhli
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Ramin Amin-Sanayei
ラミン・アミンサナイェイ
Kurt Arthur Wood
カート・アーサー・ウッド
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた貯蔵安定性を有する架橋性の水性フル
オロポリマー分散体の提供を課題とする。 【解決手段】 上記課題を解決するために、少なくとも
1種のフルオロポリマーの水性分散体の存在下に少なく
とも1種の架橋性アクリル及び/又はビニル含有単量体
と少なくとも1種の加水分解に安定なシラン含有単量体
との重合体生成物を含む架橋性フルオロポリマー分散体
を提供する。さらに、本発明は、少なくとも1種の熱可
塑性フルオロポリマーの存在下に少なくとも1種の重合
体がアクリル単位、ビニル単位又はその両方及び少なく
とも1種の加水分解に安定なシラン又はシラン含有基を
含有する架橋性フルオロポリマーブレンドを提供するも
のである。また、シラン又はシラン含有基は、熱可塑性
フルオロポリマー中に存在することもできる。さらに、
架橋性フルオロポリマーを製造する方法並びにペイント
及び塗料のような架橋性フルオロポリマーを含有する製
品も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフルオロポリマーに
関し、より詳しくはシランを含有する架橋性の水性フル
オロポリマーを主体とする分散体に関するものである。
さらに、本発明は、架橋された生成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】多くの高性能の弗素含有塗料があるが、
これらの塗料は、一般的に様々な欠点がある。例えば、
多くのフルオロポリマー塗料は、フルオロポリマー及び
その他の樹脂の溶液又は溶媒を主体とする分散体から製
造される。これらの塗料の多くは、ポリ弗化ビニリデン
を基材とする大部分の塗料を含めて、最適の性能のため
に高温の焼付けを必要とする。溶媒に関わる安全性及び
その他の環境上の理由のために、水性分散体の形の水性
塗料が溶媒を主体とする塗料よりも好ましい。焼付けを
必要としない塗料が特に好ましい。なぜならば、このも
のは、より広範囲の基材に使用でき且つ様々な条件下で
適用できるからである。一般に、塗料の性能は、多くの
場合、弗素化重合体と非弗素化重合体の均質ブレンドを
有することによって又は弗素化単量体と非弗素化単量体
を共重合させることによって達成される。しかしなが
ら、コモノマーの多くの望ましい基のために、共重合
は、不可能でないにしても困難となり得る。さらに、弗
素化樹脂と非弗素化樹脂の均質ブレンドの製造は、特に
塗料の弗素含有量が50重量%を超えるような高いとき
に、重合体の不相溶性によって厳しく制限され得る。樹
脂を混合する際の均質性の欠如は、塗料性能を大きく減
少させ得る。2種の重合体の均質混合を達成するため
に、ビニル含有重合体と共に塩素含有単量体を主体とす
る分散体が試みられてきた。しかしながら、塩素の存在
は、重合体中の弗素のレベルを低下させ、このことは、
C−F結合の強さ及びC−Cl結合の弱さのために、得
られるフィルムの耐候性に悪影響を及ぼす。また、塩素
の存在は、重合体の屈折率も上昇させる(これは望まし
くない)。従って、塩素のない分散体が非常に望まし
い。
【0003】さらに、フルオロポリマーの低い表面エネ
ルギーを改善したいという要望がある。なぜならば、様
々な基材への塗膜の付着は、たいてい不十分だからであ
る。また、室温での貯蔵中に良好な安定性を有し、さら
に、架橋フィルムを塗布及び乾燥すると同時に良好な透
明度及び耐溶剤性でもって室温で生じさせるフルオロポ
リマー樹脂の水性分散体の要望がある。
【0004】水性組成物を提供するための様々なその他
の試みが報告されている。例えば、米国特許第5621
038号は、立体障害シラン基を重合体に組み込み、そ
して加水分解に安定な有機金属触媒を使用することによ
って貯蔵安定性のある硬化性水性組成物を製造すること
に関する。外部緩衝剤を使用して組成物のpHを5.5
〜8.0に維持し、シラン基の早期の加水分解−縮合を
防止することができるとのことである。しかしながら、
この特許は、フルオロポリマーに関するものではなく、
またフルオロポリマーに関する貯蔵安定性の問題に取り
組んでいない。米国特許第4526930号は、シラン
含有重合体に関するものである。しかしながら、この特
許はフルオロポリマーに関するものではなく、またフル
オロポリマーに係る貯蔵安定性の問題に取り組んでいな
い。さらに、この特許では、有機シラン部分が過酸化物
指示薬の存在下で溶融熱可塑性重合体に後重合又はグラ
フトされる。得られた重合体は、水性分散体が考慮され
ていない。日本国特許第5170909号は、フルオロ
ポリマー水性分散体の存在下に有機シラン縮合反応を行
うことによって製造された水性分散体に関するものであ
る。加水分解に不安定なシランを使用して水性分散体中
にポリシロキサン重合体をその場で生じさせることがで
きる。欧州特許第736583号は、水性フルオロポリ
マー分散体と混合した有機珪素化合物を含有する水性分
散体に関するものである。有機珪素化合物のフルオロポ
リマーへの混合は、好ましくは、フルオロポリマー分散
体を作るための重合後に行われる。さらに、この特許
は、フルオロポリマー分散体に関する貯蔵安定性のため
にシラン官能基の加水分解/縮合を防止するという要望
に対処していない。米国特許第4514537号では、
フルオロポリマー分散体に後添加されるシラン官能物質
が記載されている。また、上記特許のように、この特許
も貯蔵安定性の要望にシラン官能基の加水分解/縮合を
防止することによって対処していない。未審査のJP0
6322313号では、シラン含有フルオロポリマー分
散体が2種の分散体をブレンドすることによって製造さ
れている。一方の分散体はポリフルオロモノマー共ビニ
ルエーテルを含有し、他方の分散体は反応性の有機シラ
ン基を有するアクリル重合体を含有している。このもの
は、実質的には、シラン官能重合体をフルオロポリマー
に後添加したものである。また、この特許は、シラン官
能基の加水分解/縮合を防止することによって貯蔵安定
性を達成することに取り組んでなく又はそれを認識して
いない。上述した特許と刊行物の全ては、この特許出願
全体にわたって本願の一部分をなし且つ本明細書に含め
ている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5621038号明細書
【特許文献2】米国特許第4526930号明細書
【特許文献3】特許第5170909号公報
【特許文献4】欧州特許第736589号明細書
【特許文献5】米国特許第4514537号明細書
【特許文献6】特開昭63−22313号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、フルオロポリ
マー分散体に関する上記欠点の一つ以上を克服する必要
がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、貯蔵安
定のある水性フルオロポリマー分散体、塩素を有しない
フルオロポリマーである架橋性フルオロポリマー分散
体、優れた水性フィルム形成能力を有し、フィルム形成
後に架橋を達成し、そして加熱、触媒の使用又はpHの
変更によって促進され得る水性フルオロポリマー分散
体、安定な架橋性フルオロポリマー分散体を使用する水
性ペイント及び塗料、貯蔵安定性のある架橋性フルオロ
ポリマー分散体から誘導された溶媒分散体、粉体塗料又
は溶融加工物質、及び安定なフルオロポリマー分散体を
製造するための方法を提供することである。
【0008】これら及びその他の利点を達成するために
並びに本発明の目的に従って、本明細書で具体化され且
つ幅広く記載されるように、本発明は、(a)アクリル
単位、ビニル単位又はその両方及び少なくとも1種の加
水分解に安定なシラン又はシラン含有基を含有する少な
くとも1種の重合体と(b)少なくとも1種の熱可塑性
フルオロポリマーとを含有する架橋性フルオロポリマー
ブレンドにおいて、(a)と(b)が異なるものである
架橋性フルオロポリマーブレンドに関し、少なくとも1
種のフルオロポリマーの水性分散体の存在下に少なくと
も1種の重合性アクリル及び/又はビニル含有単量体と
少なくとも1種の加水分解に安定なシラン単量体とを重
合することによって得られた重合体生成物を含有する架
橋性フルオロポリマー分散体に関し、上記フルオロポリ
マー分散体の架橋された変種に関し、本発明の架橋性又
は架橋されたフルオロポリマー分散体を含有するペイン
ト及び塗料に関し、分散体から水を除去した後に得られ
得る本発明の架橋性フルオロポリマー分散体から誘導さ
れた溶媒分散体、粉体塗料又は溶融加工物質に関し、好
ましくは低い屈折率及び/又は優れた耐紫外線性と耐薬
品性を有する本発明の水性フルオロポリマー分散体から
作られたフィルム或いは物品に関し、そして少なくとも
1種のフルオロポリマーの水性分散体の存在下に少なく
とも1種の重合性アクリル及び/又はビニル含有単量体
と少なくとも1種の加水分解に安定なシラン単量体とを
重合することによって架橋性フルオロポリマー分散体を
製造する方法に関するものである。その代わりに又はそ
れに加えて、架橋性フルオロポリマー分散体は、有機シ
ラン基をフルオロポリマーの一部分として含有する少な
くとも1種のフルオロポリマーの水性分散体の存在下
に、少なくとも1種の重合性アクリル及び/又はビニル
含有単量体を重合させることによって製造できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、分散体中に存在するシ
ラン又はシラン含有基を有する架橋性フルオロポリマー
分散体に関するものである。さらに、本発明は、本発明
の架橋性フルオロポリマー分散体から誘導された分散体
から得られた架橋フルオロポリマー並びにフィルム、ペ
イント及び塗料のような製品に関するものである。本発
明の架橋性フルオロポリマー分散体は、以下に記載する
ようないくらかの点を特徴とすることができる。
【0010】本発明の架橋性フルオロポリマー分散体
は、少なくとも1種のフルオロポリマーの水性分散体の
存在下に、少なくとも1種の重合性アクリル及び/又は
ビニル含有単量体と少なくとも1種の加水分解に安定な
シラン単量体とを重合させることによって得られた重合
体生成物を含む。
【0011】さらに、本発明は、(a)少なくとも1種
の重合性アクリル及び/又はビニル含有単量体と少なく
とも1種の加水分解に安定なシラン含有単量体の重合体
生成物とを(b)少なくとも1種のフルオロポリマーの
水性分散体の存在下に含有する架橋性フルオロポリマー
分散体に関するものである。
【0012】換言すれば、本発明は、(a)少なくとも
1種のアクリル樹脂若しくはビニル樹脂又はその両方の
樹脂であって、該樹脂が、重合される1種以上の加水分
解に安定なシラン又はシラン基を該樹脂の主鎖内に有す
るもの及び(b)少なくとも1種の熱可塑性フルオロポ
リマーを含有する架橋性フルオロポリマーブレンドにお
いて、(a)と(b)が異なるものである架橋性フルオ
ロポリマーブレンドに関するものである。
【0013】さらに換言すれば、本発明は、(a)アク
リル単位、ビニル単位又はその両方及び少なくとも1種
の加水分解に安定なシラン又はシラン含有基を含有する
少なくとも1種の重合体と(b)少なくとも1種の熱可
塑性フルオロポリマーとを含有する架橋性フルオロポリ
マーブレンドにおいて、(a)と(b)が異なるもので
ある架橋性フルオロポリマーブレンドである。
【0014】少なくとも1種のフルオロポリマーの水性
分散体は、好ましくは、1種以上の重合体のラテックス
であり、そして好ましくは、共重合体のラテックスであ
る。より詳しくは、フルオロポリマーに関して、このフ
ルオロポリマーは、単独重合体又はその他のタイプの重
合体であることができ、フルオロポリマーの混合物又は
フルオロポリマーと非フルオロポリマーの混合物である
ことができる。好ましくは、熱可塑性フルオロポリマー
が使用される。好ましくは、このフルオロポリマー又は
フルオロポリマーの混合物は、既存のその他の重合体を
含めたその他の成分とポリマーブレンドを形成できる任
意のフルオロポリマーであることができる。好ましく
は、フルオロポリマーは、ポリ弗化ビニリデン単独重合
体のようなポリ弗化ビニリデンを主体とする重合体であ
る。フルオロポリマーのその他の例には、少なくとも1
個の弗素原子を含有するポリアルキレン、例えば、ポリ
ヘキサフルオルプロピレン、ポリテトラフルオルエチレ
ン、ポリ弗化ビニル又はそれらの混合物が含まれるが、
これらに制限されない。よく好ましくは、フルオロポリ
マーは、約30重量%〜約100重量%の弗化ビニリデ
ン並びに0重量%〜約70重量%の少なくとも1個の弗
素原子を含有する少なくとも1種のポリアルキレン、例
えば、ヘキサフルオルプロピレン、テトラフルオルエチ
レン、トリフルオルエチレン(VF3)及び/又は弗化
ビニルを含有する重合体組成物である。好ましくは、単
独重合体、共重合体、三元共重合体、低重合体及びその
他のタイプの重合体を含み得るフルオロポリマーの分子
量(MW、分子中の原子の原子量の総和)は、約80,
000MW〜約700,000MWであり、より好まし
くは、約100,000MW〜約500,000MWで
ある。フルオロポリマーは、米国特許第3051677
号、同3178399号、同3475396号、同38
57827号及び同5093427号(本明細書はこれ
らの全てを引用している)に記載された技術を使用して
製造できる。
【0015】アクリル又はビニル樹脂若しくは重合体に
関して、この重合体又は樹脂は、任意の慣用のアクリル
又はビニル樹脂であることができる。アクリル樹脂の例
には、アクリル酸、メタクリル酸、これらの酸のエステ
ル又はアクリロニトリルの重合体(共重合体、三元共重
合体、低重合体などを含めて)が含まれる。アクリル樹
脂は、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステルなど(これらに制限されない)を含めて重
合性のビニル含有単量体から形成できる。また、アクリ
ル樹脂は、その他の反復単位並びに異なるアクリル酸ア
ルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アク
リル酸、メタクリル酸及びアクリロニトリルの組合せを
含有することもできる。本発明の目的のために、アクリ
ル樹脂はその他の重合単量体を含むことができ、又は2
種以上の異なるアクリル樹脂の混合物であることがで
き、又はビニル単量体及びスチレン単量体のような非ア
クリル樹脂をさらに含むことができる。また、重合性ビ
ニル単量体は、少なくとも1種の重合性官能基及び少な
くとも1種の封鎖アルコキシ基を含有するポリシロキサ
ンマクロ単量体であることもできる。
【0016】さらに、アクリル樹脂は、少なくとも1種
のイオン性(例えば、スルホネート又はホスホネート)
又はスルホン化若しくはホスホン化若しくはスルホニル
基のようなイオン化性基を随意に含有することができ
る。イオン化性基は、環状アミノ酸、スルトン、無水マ
レイン酸、メルカプタン、硫化物、ホスファランなどの
ようなイオン性基を形成することのできる基である。こ
れらの基は、イオン性又はイオン化性基を含有する1種
以上の単量体の存在下でアクリル樹脂をブレンドするよ
うな任意の手段によってアクリル樹脂の一部分となるこ
とができる。その代わりに、アクリル樹脂を形成させる
のに使用される1種以上の単量体がイオン性又はイオン
性基を含有することもできる。
【0017】アクリル樹脂について上述した成分に加え
て、アクリル樹脂は、随意として任意のタイプの官能基
を有する1種以上の追加の単量体を、これらの単量体が
アクリル樹脂の全体的な生成と相容性である限り、さら
に含有することができ又はそのさらなる存在下に生成で
きる。
【0018】先に述べたように、好ましくは、アクリル
樹脂は、いくつかの単量体(これらの単量体の少なくと
も1種は、アクリル樹脂のアクリル単位を含有する)の
重合の結果である。より好ましくは、アクリル樹脂は、
(1)アクリル酸アルキルエステルと、(2)メタクリ
ル酸アルキルエステルと、(3)(1)及び(2)とは
異なる1種以上の共重合性単量体と、(4)少なくとも
1種の官能基を有する1種以上の単量体と、(5)スル
ホン化又はホスホン化単量体のようなイオン性又はイオ
ン化性基を含有する単量体とを重合させることによって
形成される。
【0019】アクリル酸エステル(1)の例には、例え
ば、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸フルオルアルキル及びそ
れらの混合物が含まれる。
【0020】メタクリル酸エステル(2)の例には、例
えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸フ
ルオルアルキル及びそれらの混合物が含まれる。
【0021】共重合性単量体(3)の例には、例えば、
共役ジエン(例えば、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン)、芳香族アルケニル化合物(例えば、スチレン、α
−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン)、ジビニル炭
化水素化合物(例えば、ジビニルベンゼン)及びそれら
の混合物が含まれる。
【0022】官能性単量体(4)の例には、α,β−不
飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
フマル酸、クロトン酸、イタコン酸)、ビニルエステル
化合物、アミド化合物(例えば、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチ
ロールメタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミ
ド、N−アルキルメタクリルアミド、N−ジアルキルメ
タクリルアミド、N−ジアルキルアクリルアミド)、ヒ
ドロキシル基を含有する単量体(例えば、メタクリル酸
ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アク
リル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレ
ート)、エポキシ基を含有する単量体(例えば、アクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル)、シラノー
ルを含有する単量体(例えば、γ−トリメトキシシラン
メタクリレート、γ−トリエトキシシランメタクリレー
ト)、アルデヒドを含有する単量体(例えば、アクロレ
イン)、シアン化アルケニル(例えば、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル)が含まれるが、これらに制限
されない。(4)に含まれる単量体は架橋可能であるこ
とができる。架橋可能な共重合性単量体の例には、イソ
ブチルメタクリルアミド、メタクリル酸グリシジル、ジ
エチレングリコールジメタクリレート及びトリメチルオ
キシシランメタクリレートが含まれる。
【0023】いくらかの特定の用途については、低分子
量の共重合性重合体又は低重合体が使用できる。さら
に、アクリル酸アルキルエステル(1)とメタクリル酸
アルキルエステル(2)の混合物が使用されるときに、
それらの比を好適に調節して所望の特性を達成すること
ができる。
【0024】本発明では、加水分解に安定なシラン又は
シロキサン単量体は、好ましくは、フルオロポリマーを
生成させる際に及び/又はアクリル又はビニル重合体若
しくは樹脂を生成させる際に重合される。従って、加水
分解に安定なシラン単量体は、その重合体の1種と少な
くとも重合され、しかしてフルオロポリマーの主鎖内に
又はアクリル単位、ビニル単位若しくはその両方を含有
する重合体の主鎖内に存在する。重合に使用される加水
分解に安定なシラン単量体は、好ましくは、少なくとも
1種の立体障害有機シラン単量体である。フルオロポリ
マーの生成に使用される重合の第1段階で及び/又はア
クリル及び/又はビニル含有単量体の重合の第2段階加
で或いはその両方の段階で使用できる加水分解に安定な
シラン単量体の量は、任意の好適なレベルであり、好ま
しくは、約0.1〜約15モル%のレベルである。好ま
しくは、本発明で使用される加水分解に安定なシラン単
量体は、実質的に加水分解せず、好ましくは、任意の触
媒の存在なしに25℃で少なくとも1時間にわたって水
中で全く加水分解しない。より好ましくは、本発明に使
用される加水分解に安定なシラン単量体は、さらに長時
間(例えば2、3又は4時間以上)にわたって水中で加
水分解しないであろう。さらに、同業者であれば、加水
分解に安定なシラン単量体という意味を理解する。次の
例は、様々なタイプの加水分解に安定なシラン単量体を
単に例示するものであり、特に特定しないその他の物も
同様に使用できる。重合に使用できる好適な加水分解に
安定なシラン単量体の例には、少なくとも1個のビニル
基、連鎖移動剤又は開始剤として存在するシラン基及び
既存の重合体鎖上の官能性側基と反応できる官能基を有
する有機シラン基を含有するシラン単量体が含まれる
が、これに制限されない。
【0025】シラン基を含有する単量体の例には、少な
くとも1種の弗素置換基を有する又はそれを有しないア
ルケニル若しくはアルケニルエーテル有機シランコモノ
マーが含まれるが、これに制限されない。好ましくは、
立体障害有機シランコモノマーは、フルオロポリマーブ
レンド又は分散体の早期加水分解/縮合を防止又は実質
的に防止する。換言すれば、本発明のフルオロポリマー
上の立体障害基は、それらの空間配置が別の分子との反
応を妨害し又は遅延させるようなものである。好ましく
は、立体障害有機シランコモノマーは、本発明の目的の
ために任意の量で存在することができる。好ましくは、
立体障害有機シランコモノマーは、0.1モル%〜約5
0モル%、より好ましくは約0.1モル%〜約20モル
%、最も好ましくは約0.1モル%〜約10モル%の量
で存在する。
【0026】好ましくは、立体障害有機シランコモノマ
ーは、次式(I): R2n 3Si(OR13-n (I) (式中、nは0〜2の整数である)を有し、又は次式
(II): R2[Si(R3k(−−OR12-k(O)]m3 (II) (式中、mは約2〜約10の整数であり、kは0又は1
であり、R1は少なくとも1個の弗素置換基を有する或
いはそれを有しない少なくとも1種のC3若しくはそれ
よりも高級の分岐アルキル、シクロアルキル又は複素環
式基を表し、R2は、少なくとも1種のアルケニル、ア
リル、アクリレート又はメタクリレートを含有する基を
表し、R3は少なくとも1種のn−アルキル、少なくと
も1種のC3若しくはそれよりも高級の分岐アルキル、
少なくとも1種のC3若しくはそれよりも高級のシクロ
アルキル又は複素環式(例えば、芳香族)基を表す)を
有する。
【0027】好ましくは、R1は少なくとも1種のC3
6の分岐アルキル若しくはシクロアルキル基を表し、
2は少なくとも1個の弗素置換基を有する又はそれを
有しない少なくとも1種のビニル、アリル若しくはビニ
ルエーテル含有基及び/又はR3は少なくとも1種のC1
〜C6のn−アルキル、C3〜C6の分岐アルキル、C3
6のシクロアルキル若しくはC6〜C9アリールを表
す。
【0028】上の式(I)及び(II)について、nは好
ましくは0であり、mは好ましくは2〜5の整数であ
る。分岐アルキル又はシクロアルキル基の例には、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル、ビシクロヘプチル、イソオクチル、3−メチ
ルペンチル、イソアミル、イソペンチル、2,5−ジメ
チルヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、イソプロピ
ル、イソブチル、t−ブチル、イソペンチル及び第二ペ
ンチルなどが含まれるが、これらに制限されない。n−
アルキルの例には、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘ
キシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n
−デシルなどが含まれるが、これらに制限されない。R
3基に対する置換には、炭素原子を酸素、窒素又は硫黄
のような原子で置換することが含まれるが、ただし、珪
素に隣接する炭素原子は置換されないものとする。その
他の置換には、炭素に結合した水素原子をハロゲン原
子、窒素、硫黄、酸素及びシアノ、尿素、エステル、ア
ミド、オキソなどのような有機官能基で置換することが
含まれる。
【0029】本発明に使用されるアルケニル有機シラン
コモノマーは、少なくとも1種の官能基をさらに含有す
ることができる。式(I)及び(II)に関して、この官
能基は、好ましくは、R3基の一部分として存在する。
この官能基は、本発明のフルオロポリマーの生成をさら
に可能にし、好ましくは、フルオロポリマーの所望の特
性を与え、或いはその後の変性又は架橋のためにフルオ
ロポリマーに反応部位を与える任意の基であることがで
きる。官能基の例には、ハロゲン、ヒドロキシル、窒
素、アミノ、エポキシ、カルボン酸の塩、エステル、硫
黄、酸素、シアノ、尿素、アミド、オキソなどが含まれ
るが、これらに制限されない。
【0030】先に述べたように、フルオロポリマーは、
非架橋であることができ又は架橋されることができる。
さらに、本発明のフルオロポリマーは、少なくとも1種
の酸化金属、シラン、シロキサン又はそれらの組合せを
さらに含有することができる。好ましくは、酸化金属、
シラン又はシロキサンは、フルオロポリマー中に存在す
るシランと反応する。任意の金属を含有するシラノール
官能基は、本発明のアクリル及び/又はフルオロポリマ
ーと反応できる。
【0031】本発明の水性分散体中に存在する有機シラ
ン部分は、フルオロポリマー母体中に均一に分布してい
る。なぜならば、このものは、重合体(この重合体はフ
ルオロポリマーと相溶性であり且つそれと十分に混合さ
れる)に共重合されるからである。先に述べたように、
有機シラン部分は、別法では、フルオロポリマー或いは
ビニル及び/又はアクリル樹脂の重合中に共重合される
ことによってフルオロポリマー中に存在することもで
き、このものは、同一又は異なることができ、或いはフ
ルオロポリマー中とビニル及び/又はアクリル樹脂中の
両方に存在することができる。
【0032】先に示したように、フルオロポリマーは、
好ましくは、塩素を有しないフルオロポリマーであり、
しかして本発明の架橋性フルオロポリマー分散体全体に
わたって、好ましくは、重合体生成物又は分散体中に塩
素を含有しない。
【0033】本発明の架橋性フルオロポリマー分散体を
製造する際に、好ましくは、少なくとも1種の重合性ア
クリル及び/又はビニル含有単量体と少なくとも1種の
加水分解に安定なシラン単量体は、少なくとも1種のフ
ルオロポリマーの水性分散体の存在下で共に重合され
る。先に示したように、フルオロポリマーの水性分散体
は、シラン単位を含有するフルオロ共重合体を形成させ
るように加水分解に安定なシラン単量体の存在下でフル
オロポリマーを重合させることによって形成できる。次
いで、少なくとも1種の重合性アクリル及び/又はビニ
ル含有単量体をこのフルオロポリマー水性分散体の存在
下で重合させることができる。さらに、重合性アクリル
及び/又はビニル含有単量体を、まずフルオロポリマー
の水性分散体の存在下で重合させ、次いで加水分解に安
定なシラン単量体をフルオロポリマーの水性分散体の存
在下で重合させることができる。しかして、重合に使用
されるシラン単量体が本発明の水性フルオロポリマー分
散体を製造するのに使用される重合の1つ以上に存在し
得る重合の任意の順序が生じ得る。
【0034】より詳しくは、本発明の水性フルオロポリ
マー分散体を製造する方法に関して、好ましくは、まず
フルオロポリマーの水性分散体を上記のような慣用法に
よって得、次いで播種乳化重合の重合性アクリル及び/
又はビニル含有単量体をその水性分散体に添加し、次い
で重合を実施する。上述のように、加水分解に安定なシ
ラン単量体は、播種乳化重合の第1段階、第2段階又は
その両段階のいずれかに、好ましくは約0.1〜約50
モル%のレベルで含めることができる。この多段階重合
の全ての可能な変法及び組合せを使用して上述した本発
明の水性フルオロポリマー分散体を得ることができる。
【0035】好ましくは、外部及び/又は内部緩衝剤が
シラン単量体の重合中に使用される。貯蔵中のシラン官
能基の早期加水分解/縮合を防止するためには、内部緩
衝剤が好ましい。内部緩衝剤は、弱酸又は弱塩基として
作用できる単量体を上記の重合体段階の少なくとも1つ
に組み込むことによって形成できる。この種類の好まし
い単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸な
どのようなカルボン酸並びにそれらの塩、燐酸エステル
及びホスホン酸エステル並びにそれらの塩、(メタ)ア
クリル酸ジメチルアミノエチル又はその塩のようなアミ
ン含有単量体である。別法として、官能基を好適な開始
剤又は連鎖移動剤の使用によって組み込むこともでき
る。単量体は、重合性アクリル及び/又はビニル含有単
量体の一つとして作用させ、並びに内部緩衝剤としても
作用させることによって二元的な機能を果たし得る。
【0036】より詳しくは、緩衝剤の例は、有機及び無
機の酸並びに塩基(それらの塩を含めて)であり、好ま
しくは、炭酸、ホスホン酸、硫酸、弗化水素酸、C1
6の有機、モノ若しくはポリカルボン酸又はC2〜C30
のアルキレンイミノポリカルボン酸のモノ若しくはポリ
アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアミン塩、アンモ
ニア、C1〜C30の有機塩基或いは前記の任意の混合物
である。例示すると、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、燐酸一ナトリ
ウム、燐酸二ナトリウム若しくは燐酸三ナトリウム、燐
酸一カリウム、燐酸二カリウム又は燐酸三カリウム、燐
酸アンモニウムナトリウム、硫酸一ナトリウム又は硫酸
二ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ア
ンモニウム、酢酸カルシウム、蟻酸ナトリウム、硫化一
ナトリウム又は硫化二ナトリウム、アンモニア、エチル
アミン、ジエチルアミン又はトリエチルアミン、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールア
ミン、(エチレンジニトリロ)四酢酸ナトリウム塩
(E.D.T.Aナトリウム)、ピリジン、アニリン及
び珪酸ナトリウムである。これらは、適切な緩衝剤をい
くらか例示したものにすぎない。また、水酸化アンモニ
ウムと酢酸を共に使用するような、これらの物質とその
他の緩衝剤、酸又は塩基との組合せも有効であろう。
【0037】燐酸三ナトリウム(Na3PO4)、燐酸二
ナトリウム(Na2PO4)及び水酸化アンモニウム(N
4OH)が好ましいが、重炭酸ナトリウム(NaHC
3)が特に好ましい。なぜならば、このものは、取り
扱いやすく、pH7.5のエマルションを絶えず与え、
環境上安全であり、そして安価だからである。
【0038】使用すべき緩衝剤の量は、広く変更でき
る。しかしながら、一般に、0.01%未満は実用的に
は不十分であり、総組成物の5重量%以上は不経済であ
り得る。
【0039】本発明の目的のために、内部緩衝剤は、好
ましくは、共重合された酸又は塩基を重合工程の前又は
その後のどちらかに約4〜約9、より好ましくは約6〜
約8の好ましいpH範囲にまで部分的に中和することに
よって得られる。多くの場合、アンモニア又は低分子量
の有機アミンのような揮発性中和剤の使用が酸を中和す
るのに好ましく、酢酸又は塩酸が塩基を中和するのに使
用される。
【0040】本発明の乳化重合には2つ以上の段階が含
まれ得る。1種以上のタイプの単量体がそれぞれの段階
に含まれ得る。立体障害有機シラン単量体は、重合順序
の1つ以上に存在し得る。非官能性単量体がプロセスに
含まれるときに、これらのものは、フルオロポリマー種
子の一部分又はその全てと混合され、単量体混合物の一
部分又はその全てと混合され、或いは別個に供給され
る。プロセスがいくつかの段階を包含するときに、これ
らの段階は、実現可能である全ての可能な組合せでもっ
て異なる順序で実施できる。例えば、フルオロポリマー
を最初に完全に添加し、次いでその他の単量体の重合を
実施することができる。フルオロポリマーを最初に部分
的に添加し、次いで残部のフルオロポリマー物質を連続
的に又はバッチで供給することができる。フルオロポリ
マーを反応中に連続的に又はバッチで添加することがで
きる。フルオロポリマーを種として使用する乳化重合
は、標準法、例えば、単量体混合物の総量を最初から水
性フルオロポリマー分散体に添加する回分重合法、それ
に加えて、単量体混合物の一部分を最初から供給し、反
応させ、次いで残部の重合体混合物を連続的に又はバッ
チで供給する半回分重合法、或いは単量体混合物を反応
中に水性フルオロポリマー分散体に連続的に又はバッチ
で供給する連続供給重合法に従って実施できる。さら
に、本発明の水性分散体は、加水分解に安定なシラン基
若しくはヒドロキシ基又は任意の点でフルオロポリマー
分散体と架橋できるであろうその他の基も含有し得る非
フルオロポリマー分散体のような第二の水性分散体とも
ブレンドできる。
【0041】本発明のフルオロポリマーを製造すること
について、一つの方法には次の方法が含まれる。最初
に、脱イオン水、燐酸二ナトリウム及び少なくとも1種
の弗素化界面活性剤を反応器に導入し、次いで脱酸素化
する。次に、開始剤エマルション及びアルコキシシラン
溶液又はエマルションを溶媒と共に又はそれなしで導入
して反応器中で反応を開始させることができる。好まし
くは、反応媒体は水性媒体である。いったん反応が開始
されたならば、或いは反応開始と同時に、このコモノマ
ーを随意としての緩衝剤と共に反応器に連続的に供給す
ることができる。重合体の生成を所望の固形分レベルに
到達させた後、単量体の供給を停止させることができる
が、開始剤の装入は、好ましくは、存在するいかなる残
りの単量体も消費させるために継続される。次いで、開
始剤の装入は、好ましくは、反応器の圧力が約300p
si以下に降下し、いったん反応器を冷却したときに停
止できる。未反応の単量体を抜き、フルオロポリマーを
排出口又はその他の収集手段によって集めることができ
る。次いで、重合体を標準的な分離技術、例えば、ただ
し制限されないが、塩/酸凝固、凍結融解、剪断凝固又
は噴霧乾燥を使用して分離することができる。
【0042】より詳しくは、反応器の温度について、い
かなる反応器温度もその温度が本発明のフルオロポリマ
ーの重合及び増大を可能にするのに十分である限り使用
できる。好適な温度の例には、約30℃〜約120℃、
より好ましくは約60℃〜約100℃が含まれるが、こ
れに制限されない。
【0043】重合中に使用される圧力について、いかな
る圧力もその圧力が本発明のフルオロポリマーの重合及
び増大を可能にするのに十分である限り使用できる。好
ましくは、この圧力は、約40〜50atmである。コ
モノマーを反応器に連続的に供給することが好ましい
が、そのコモノマーを混合物として若しくは分離供給ラ
インによって又は任意の順序で連続的に導入することも
できる。
【0044】反応器は、好ましくは、撹拌及び熱管理手
段を装備した加圧重合反応器である。重合の温度は、使
用される開始剤の特性によって変動し得るが、典型的に
は約30℃〜120℃であり、最も好都合には約60℃
〜約105℃である。温度はこの範囲に制限されない
が、高温又は低温の開始剤が使用されるならば、それよ
り高くてもよく又はそれより低くてもよい。重合の圧力
は、典型的には約20〜約80barであるが、その装
置がより高い圧力での操作を可能にするならば、それよ
りも高くてよい。圧力は、最も好都合には約30〜約6
0barである。
【0045】重合に使用できる界面活性剤は、水溶性の
ハロゲン化界面活性剤、特に、ペル弗素化又は部分的に
弗素化されたアルキルカルボン酸、ペル弗素化又は部分
的に弗素化されたモノアルキル燐酸、ペル弗素化又は部
分的に弗素化されたアルキルエーテル若しくはポリエー
テルカルボン酸、ペル弗素化又は部分的に弗素化された
アルキルスルホン酸及びペル弗素化又は部分的に弗素化
されたアルキル硫酸のアンモニウム、置換アンモニウ
ム、第四アンモニウム又はアルカリ金属塩のような弗素
化界面活性剤である。いくらかの特定の例は、次式: X(CF2nCOOM [式中、Xは水素又は弗素であり、Mはアルカリ金属、
アンモニウム、置換アンモニウム(例えば、1〜4個の
炭素原子のアルキルアミン)又は第四アンモニウムイオ
ンであり、nは6〜20の整数である]の米国特許第2
559752号(所望ならばこれを参照されたい)に記
載された酸の塩、次式: X(CF2nCH2OSO3M (式中、X及びMは上記のようなものである)のポリフ
ルオルアルカノールの硫酸エステル及び次式: CF3(CF2n(CX2mSO3M (式中、X及びMは上記のようなものであり、nは3〜
7の整数であり、mは0〜2の整数である)の酸の塩
(例えば、ペルフルオルオクチルスルホン酸カリウム)
であるが、これらに制限されない。界面活性剤の装入量
は、使用される総単量体重量を基にして約0.05重量
%〜約5重量%であり、最も好ましくは、界面活性剤装
入量は、約0.1重量%〜約2.0重量%である。
【0046】反応器が脱イオン水及び界面活性剤で装填
された後に、反応器を窒素でパージし又は排気して酸素
を除去することができる。反応器を所定の温度にまでも
たらすことができ、連鎖移動剤を随意に添加することが
できる。次いで、反応器は、フルオロポリマーの混合物
で加圧される。
【0047】反応は、無機過酸化物、酸化剤と還元剤の
「レドックス」混合物及び有機過酸化物を含めて弗素化
単量体の重合のために知られている任意の好適な開始剤
の添加によって開始され且つ維持されることができる。
典型的な無機過酸化物の例は、過硫酸のアンモニウム又
はアルカリ金属塩であり、このものは、65℃〜105
℃の温度範囲で有用な活性を有する。「レドックス」系
はさらに低い温度で操作することができ、その例には、
過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒ
ドロペルオキシド又は過硫酸塩のような酸化体と還元金
属塩、鉄(II)塩が特定の例であり、随意にホルムアル
デヒドナトリウムスルホキシラート又はアスコルビン酸
のような活性剤と混合されるような還元体との混合物が
含まれる。重合のために使用できる有機過酸化物を挙げ
ると、過酸化ジアルキル、ペルオキシエステル及びペル
オキシジカーボネートの種類である。過酸化ジアルキル
の代表例は過酸化ジ−t−ブチルであり、ペルオキシエ
ステルの代表例はt−ブチルペルオキシピバレート及び
t−アミルペルオキシピバレートであり、ペルオキシジ
カーボネートの代表例はジ(n−プロピル)ペルオキシ
ジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネ
ート、ジ(第二ブチル)ペルオキシジカーボネート及び
ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネートで
ある。ジイソプロピルペルオキシジカーボネートを弗化
ビニリデン重合及びその他の弗素化単量体との共重合の
ために使用することは、米国特許第3475396号に
教示されており、弗化ビニリデン/ヘキサフルオルプロ
ピレン共重合体を製造する際にこのものを使用すること
は、米国特許第4360652号にさらに例示されてい
る。ジ(n−プロピル)ペルオキシジカーボネートを弗
化ビニリデン重合に使用することは、特開昭58−65
711号公報に記載されている。重合のために要求され
る開始剤の量は、その活性及び重合のために使用される
温度に関連する。使用される開始剤の総量は任意の量で
あることができ、例えば、使用される総単量体重量を基
にして約0.05重量%〜約2.5重量%又はそれ以上
であることができる。典型的には、十分な開始剤を最初
に添加して反応を開始させ、次いで追加の開始剤を随意
に添加して重合を都合のよい速度で維持することができ
る。開始剤は、選択される開始剤によって、純粋な形
で、溶液状で、懸濁液状で又はエマルションで添加でき
る。特定の例として、ペルオキシジカーボネートが水性
エマルジョンの形で添加される。
【0048】また、一般的にカリウム、ナトリウム又は
アンモニウム塩の形の過硫酸、過硼酸、過炭酸などのよ
うな水溶性の無機ペル化合物も乳化重合用の開始剤とし
て使用できる。
【0049】開始剤の重合温度及び分解定数に応じて、
分解促進剤、一般的には還元剤を低い温度が適用される
ような場合の重合のためにさらに使用しなければならな
いかもしれない。好適な分解促進剤は、例えば、亜硫酸
ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム又はロンガリットC
(ホルムアミジンスルフィン酸ナトリウム)のような硫
黄化合物であり、また、アスコルビン酸、鉄(II)又は
コバルト(II)塩のような金属塩、有機金属化合物など
のような有機還元剤である。
【0050】共重合のための反応温度は、−15℃〜+
120℃の範囲にあり、好ましくは20℃〜115℃の
範囲にあり、より好ましくは30℃〜110℃の範囲に
ある。
【0051】要すれば、メタノール、イソプロパノー
ル、イソペンタン、酢酸エチル、マロン酸ジエチル及び
四塩化炭素のような連鎖移動剤を使用して形成される重
合体の分子量を調節することができる。
【0052】本発明に従う方法のための好ましい圧力範
囲は、5〜65barであることができる。
【0053】上に示されるように、本発明による共重合
体は、バッチで製造できるが、これらのものは、好まし
くは、半連続的に又は連続的に製造される。一般に、重
合を完了させる時間は、存在するコモノマーの量、開始
剤の量及び反応器の条件に基づく。好ましくは、重合を
完了させる時間は、所望の固形物含有量が達成されると
きである。
【0054】好ましくは、本発明の集めたフルオロポリ
マーは粉末に成形でき、いかなる未反応コモノマーも、
例えば、メタノール又はその他の好適な溶媒で洗浄する
ことによってさらに除去できる。
【0055】播種重合は、アクリルなどの単量体の慣用
の乳化重合のために慣用されているのと同一の条件下で
実施できる。界面活性剤、重合開始剤、連鎖移動剤、p
H調整剤並びに随意成分として溶媒及びキレート化剤を
播種ラテックスと混合し、分子酸素を除去するためにパ
ージした後に、反応を、好ましくは、不活性雰囲気下に
大気圧で約20℃〜約90℃、好ましくは約40℃〜約
80℃の温度で0.5〜6時間実施する。
【0056】フルオロポリマーを種として使用する反応
自体は、このタイプの反応のための斯界に周知の標準的
な技術、例えば、単量体混合物の総量をその反応開始時
にフルオロポリマー分散体に添加する回分重合、単量体
混合物の一部をその反応開始時に添加し、次いでその残
余を反応過程中に連続的に又はバッチで供給する半回分
重合及び単量体混合物を反応過程全体にわたって連続的
に供給する連続重合のいずれかに従って実施できる。
【0057】また、乳化重合を1回以上の段階で実施す
ることも可能である。多段階が使用されるならば、それ
ぞれの段階に単一段階方法のために上記したものと同一
の単量体、界面活性剤、重合開始剤、連鎖移動剤、pH
調整剤、随意の溶媒及び随意のキレート化剤を含めるこ
とができ、それらの成分のうちの1種以上は、従来技術
からの既知の原理に基づいて、反応中に形成されるラテ
ックスの最終粒子の所望の形態に依存する状態によって
変更できる。最終ラテックス粒子は、最内フルオロポリ
マー相に加えて、均質粒子、コアシェル、不完全なコア
シェル、逆転コアシェル、半月、イチゴ、相互貫入網状
構造などのような様々な形状の1種、2種又はそれ以上
の相から構成されることができる。これらの形状及び形
態は、それらを製造するための技術もそうであるよう
に、斯界に周知である。いかなる粒子の形状及び/又は
形態も臨界的な限定として本発明によって意図されるも
のではないが、好ましい形態は均質粒子である。
【0058】乳化剤として、陰イオン乳化剤、非イオン
乳化剤又はそれらの混合物が使用できる。場合によって
は、両性又は陽イオン界面活性剤が使用できる。陰イオ
ン界面活性剤として、例えば、高級アルコールの硫酸エ
ステルのナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、スルホ琥珀酸ジアルキルのナトリウム塩及び
アルキルジフェニルエーテルスルホン酸のナトリウム塩
を使用することができる。これらのうち、好ましいもの
は、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(又はア
ルキルフェニル)エーテルスルホン酸塩などである。非
イオン乳化剤として、例えば、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルアリール
エーテルを使用することができる。好ましいものは、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルフェニルエーテルなどである。両性乳
化剤としては、ラウリルベタインなどが好適である。陽
イオン界面活性剤として、例えば、塩化アルキルピリジ
ニウム、塩化アルキルアンモニウムなどを使用すること
ができる。また、単量体と共重合できる乳化剤、例え
ば、スチレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリール
スルホン酸ナトリウムなども使用できる。
【0059】使用される界面活性剤又は乳化剤の量は、
一般に、例えば、弗化ビニリデン重合体粒子と単量体混
合物の総量の100重量部当たり約0.05〜約5重量
部である。
【0060】重合開始剤として、エチレン重合を開始さ
せるための任意の知られた水溶性及び油溶性遊離基源が
使用できる。
【0061】水溶性開始剤として、例えば、水溶性のペ
ルスルホン酸塩及び過酸化水素を使用できる。場合によ
っては、重合開始剤は、還元剤との組合せで使用でき
る。好適な還元剤には、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、L−
アスコルビン酸及びその塩並びにホルムアルデヒドナト
リウムスルホキシラートが含まれる。油溶性開始剤(随
意に単量体混合物又は溶媒に溶解される)には、有機過
酸化物及びアゾ開始剤が含まれる。これらの化合物の典
型的な例は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−シクロヘ
キサン−1−カルボニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸
化ジブチル、クメンヒドロペルオキシド、イソプロピル
ベンゼンヒドロペルオキシド、p−メタンヒドロペルオ
キシド、t−ブチルペルオキシ−(2−エチルヘキサノ
エート)、過酸化琥珀酸及び過酸化ジアシル全般、ペル
オキシジカーボネート及びペルオキシモノカーボネート
全般並びに低残留単量体含有量を保証する際に使用され
るt−アミルペルオキシエステルを含めてペルオキシエ
ステル全般である。また、t−アミルヒドロペルオキシ
ドも有用である。また、開始剤の混合物も使用できる。
好ましい開始剤は、クメンヒドロペルオキシド、イソプ
ロピルベンゼンヒドロペルオキシド、過硫酸アンモニウ
ム、p−メタンヒドロペルオキシド、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、t−ブチル
ヒドロペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノ
ールペルオキシド及びt−ブチルペルオキシ−(2−エ
チルヘキサノエート)である。使用される重合開始剤の
量は、単量体混合物の約0.1〜約3重量部であること
ができる。
【0062】既知の連鎖移動剤の使用が意図される。そ
のような物質には、例えば、四塩化炭素、クロロホル
ム、ブロモホルムなどのようなハロゲン化炭化水素、n
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
n−オクチルメルカプタンなどのようなメルカプタン、
ジメチルキサントゲン、二硫化ジイソプロピルキサント
ゲンなどのようなキサントゲン及びジペンテン、テルピ
ノレンなどのようなテルペンが含まれる。連鎖移動剤の
量は、好ましくは、単量体混合物の約0〜約10重量部
である。
【0063】キレート化剤には、例えば、グリシン、ア
ラニン及びエチレンジアミン四酢酸が含まれ、pH調整
剤には、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭
酸水素ナトリウムが含まれる。使用されるキレート化剤
及びpH調整剤の量は、それぞれ、単量体混合物の約0
〜約0.1重量部及び約0〜約3重量部である。
【0064】少量の溶媒を反応中に添加して播種重合体
の増大を助けることができる。典型的には、例えば、こ
れらの溶媒には、操作性、火災危険に対する安全性、環
境上の安全性及び製造の安全性を損なわないような少量
でメチルエチルケトン、アセトン、トリクロルフルオル
エタン、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシ
ド、トルエン、フタル酸ジブチル、メチルピロリドン、
酢酸エチルなどが含まれ得る。使用される溶媒の量は、
単量体混合物の100重量部当たり約0〜約20重量部
である。
【0065】最終フルオロポリマーの粒度は、合成反応
によって得られるラテックス及びその粒子から製造され
る塗料の特性に影響を与え得る。粒度は、約50又はそ
れ以下〜400nm又はそれ以上の範囲であることがで
き、50〜200nmが好ましい。
【0066】所望ならば、界面活性剤及び/又はpH調
整剤の追加量を最終ラテックスに添加してその貯蔵安定
性及び/又は反応性を改善させることができる。
【0067】最終フルオロポリマーのTg(ガラス転移
温度)は、相容性のある樹脂系のために一般的に使用さ
れる法則に従って適切なTgを有する播種フルオロポリ
マー粒子及びアクリル相のために既知のTgを与える単
量体を適切に選択することによって設定できる。「乳化
重合及び乳化重合体(Emulsion Polymerization andEmu
lsion polymers)」, 第9章及び18章, P.ローベル
及びM.エラサー(著者), J.ウィリー, 1997年
版を参照されたい。本明細書はこれを引用している。
【0068】本発明のフルオロポリマーは、焼付ペイン
ト又は乾燥ペイント、カチオン型電気処理塗料、繊維処
理剤、紙処理剤、床被覆剤、絨毯裏塗り剤、耐水及び耐
油処理剤、非付着処理剤並びに保護用表面塗料を処方す
るために使用できる。
【0069】本発明の方法によって形成されたフルオロ
ポリマー分散体は、「そのまま」で使用でき、又は水性
エマルション型ペイントとして、顔料、分散剤、増粘
剤、消泡剤、凍結防止剤及び皮膜形成剤のような典型的
なペイント添加剤を添加することによって処方されるこ
とができる。当業者であれば、これらの添加剤の比率を
調節してそれらから作られるペイント及びフィルムの所
望の特性を最適化することが容易にできるであろう。
【0070】実施例及び先行技術との対比(これらに
は、珪素含有成分をフルオロポリマーと混合することが
含まれる)で示されるように、本発明の有機シラン部分
は、フルオロポリマー母体中に均一に分布している。な
ぜならば、このものは、フルオロポリマーと相溶性があ
り且つそれと十分に混合される重合体に共重合されるか
らである。さらに、シランの架橋速度は、好ましくは、
封鎖シランを使用して早期架橋を回避すること(上述の
ように内部緩衝剤と共に使用されるときに特に有効であ
る)によって制御される。従って、シランの架橋は、適
用プロセスの所望の点(例えば、フィルム形成前、フィ
ルム形成中及び/又はフィルム形成後)まで起こらな
い。
【0071】一般に、架橋された塗膜は、非架橋塗膜と
比較して耐溶媒性、機械的性質及び耐久性に関して優れ
た特性を示す。特に有機シラン基は、早期架橋を防止す
る本発明の方法によって達成される付着性、撥水性、耐
候性及び耐久性を改善させる傾向がある。ラテックスに
よって若しくはラテックスから分離された固体重合体を
使用することによって達成され得るペイント及び塗料用
途又は粉体塗料の他に、本発明の重合体は、多層スピン
ケーシング、低いグレアのようなユニークな特性を有す
る光学皮膜、粉体塗料、射出成形物、押出物、コーキン
グ材及び接着剤を含めて(ただし、これらに制限されな
い)その他の用途にも使用できる。
【0072】さらに、約7のpHで貯蔵性を有する触媒
のない処方物によって、セメント状基材又はその他の基
礎基材上に被覆される処方物を得ることができる。この
ような用途では、基材はそのpHを加水分解点にまで上
昇させ、そして架橋が開始されよう。本発明の重合体の
この用途は、コンクリート、瓦、繊維セメント、スタッ
コ、屋外用コンクリート構造物などのような用途の安定
なワンパック塗料(着色した又は透明な)を製造する際
に有用であろう。さらに、本発明は、基材に適切な酸又
は塩基を使用することによって、或いは基材の一部分と
しての酸性又は塩基性の特性をすでに有する基材を使用
することによって架橋を開始させることができる。例え
ば、シラン官能物質を木材のような酸性基材に直接適用
できる。酸又はアルカリによる開始のいずれかについ
て、酸又は塩基の希薄溶液(例えば、ブロッキング中和
剤が放出されるときにのみ活性になる酢酸又は潜在性の
酸のような一過性の酸)を塗膜上に噴霧することができ
る(これは、融合させる方法であり、そのためいくらか
の多孔度をなお維持する)。酸による開始が木材のよう
な基材について好ましいであろう。
【0073】多段階方法を与えるときに、最終ラテック
ス粒子は、均質粒子、コアシェル、不完全なコアシェ
ル、逆転コアシェル、半月、ラズベリー、相互貫入網状
構造などのような様々な形状の1種、2種又はそれ以上
の相からなることができる。
【0074】本発明は、次の実施例(このものは本発明
を単に例示することを意図するものである)によってさ
らに明らかになるであろう。
【0075】
【実施例】例1 原料:フルオロポリマー種子ラテックス(アトフィナケ
ミカルズ社)、単量体(アルドリッチ社、Osiスペシ
ャリティーズ社、Gelest社)、開始剤(アルドリ
ッチ社、デュポン社)、連鎖移動剤(アルドリッチ社、
Evens Chemetics社)、界面活性剤(ア
ルドリッチ社、Osiスペシャリティーズ社)及び緩衝
剤(アルドリッチ社)をさらに精製することなく使用し
た。
【0076】予備装填、パージ:Vazo52(2,
2’−アゾビス−(2,4−ジメチルペンタンニトリ
ル))0.3g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、Sil
wetL−7607(ポリアルキレンオキシド変性ポリ
メチルシロキサン)0.4g及び種子ラテックス(VF
2/HFP、28重量%固形物)400gを、冷却器、
高純度アルゴン及び単量体注入口並びに機械攪拌器を装
備した500mlの四つ口反応がまに予備装入した。混
合物のpHを、希釈したNH4OHを少量添加すること
によって中性に調整した。
【0077】反応期間:反応器を65℃にまで加熱し、
単量体混合物[(メタクリル酸メチル(MMA)34
g、アクリル酸エチル(EA)12g及びメタクリロイ
ルプロピルトリス(メトキシ)シラン(MAPTMS)
2g]及び連鎖移動剤(イソオクチルメルカプトプロピ
オネート(IOMP))0.3gを、シリンジポンプを
使用することによって供給した。随意に、単量体の混合
物の一部分を反応期間の前に予備装入物に添加すること
ができる。その供給が終了したときに、残留単量体を、
反応温度及び120分間の撹拌を維持することによって
重合させた。次いで、その媒体を室温に冷却し、ガス抜
きし、そして最終ラテックスをチーズクロスによって濾
過した。最終固形物含有量は35重量%であり、凝塊物
のないラテックスであった。
【0078】実験番号4〜6では、緩衝剤を使用してp
Hを5以上にもたらした。実験番号4では、MAPTM
Sを後で添加した。実験番号5では、レドックス開始剤
を使用し、温度を50℃以下に保持した。
【0079】全ての表において、単量体及び種粒子の量
は、特に指示がない限り重量部で与えるものとする。以
下の表1は、様々なフルオロポリマー種子及びアクリル
組成の非封鎖有機シラン単量体を含有するフルオロポリ
マーラテックスの代表的な合成データを与えている。
【表1】
【0080】いかなる反応条件でも、ラテックス粒子
は、MAPTMSのような非封鎖アルコキシシラン官能
基を有する単量体が共重合されたときに、合成中に又は
24時間未満の後に室温で架橋した。結果として、ラテ
ックス粉末は、THF、NMP及びTEPのような活性
溶剤に溶解できなかった。
【0081】例2 出発物質以外は例1と同一又は類似の条件を使用して、
本発明の具体例を製造した。物質及び結果は、様々なフ
ルオロポリマー種子及びアクリル組成の立体障害オルガ
ノシラン単量体を含有するラテックスの代表的な合成デ
ータを与える以下の表2に表す。
【表2】
【0082】MAPTISのような封鎖有機シラン単量
体(例7〜14)が重合体の主鎖に組み込まれたとき
に、いかなる架橋も合成中及び2〜3週間までの室温で
の貯蔵中に認められなかった。ラテックスは、その期間
内にアセトンに溶解し(遠心分離/ろ過)、加熱による
フィルム形成中に架橋することができる。未反応のアル
コキシシラン官能基が存在するために、ガラス付着性
は、その期間内では非常に低いシラン含有量(<1.3
重量%)であっても優れていた(熱湯試験及びクロスハ
ッチング法)。室温で1ヶ月貯蔵した後に、pHドリフ
ト(酸性)が観察され、ラテックスはアセトンに溶解し
なくなった。
【0083】これらの組成物は、粉体塗料などのために
使用でき、合成後のラテックスから回収される乾燥粉体
は、好ましくは、非常に長期間にわたってその架橋性を
保持する。塗料は慣用の技術によって得ることができ
る。
【0084】表1に示されるように、より低レベルのシ
ラン単量体が共重合されたとき(項目1、4及び5)、
カルボン酸官能基が重合体の主鎖に組み込まれたとき
(項目3、6)、より少ない反応性のジアルコキシシラ
ン単量体が共重合されたとき(項目6)、外部緩衝剤が
中性のpHを維持するために導入されたとき(項目4〜
6)、遅延した添加戦略が使用されたとき(項目4)又
はレドックス開始剤系のより低い重合温度が使用された
とき(項目5)にいかなる有意の改善も認められなかっ
た。従って、MAPTMS(メタクリロイルプロピルト
リス(メトキシ)シラン)、MAPTES(メタクリロ
イルプロピルトリス(エトキシ)シラン)及びMAPD
ES(メタクリロイルプロピルメチルビス(エトキシ)
シラン)並びにその他の因子のような非封鎖有機シラン
単量体の使用は、合成中に又は室温での短期の貯蔵後に
起こる早期架橋に至った。
【0085】例3 次いで、生成物のいくらかを接着試験に付し、対照物
(この対象物はシラン単量体を含有しないものであっ
た)と比較した。以下の表3は、処方物なしにガラス上
に流延させた焼付ラテックスフィルム(12時間、11
0〜120℃)の接着試験(98℃の熱湯)の結果を報
告している。
【表3】
【0086】次いで、試料を塗料として試験した。以下
の表4は、カルボン酸官能基のないシランラテックスの
塗膜評価の結果を報告している。ラテックスを様々なフ
ルオロポリマー種子ラテックスから製造した(焼付:2
時間/150℃)。
【表4】
【0087】例4 例1と同一又は類似の条件を使用して、追加の具体例を
製造した。その結果は、様々なフルオロポリマー種子及
びB−44型アクリル組成の立体障害有機シラン及びメ
タクリル酸単量体を含有するラテックスの代表的な合成
データを与える表5に表す。
【表5】
【0088】MAPTISのような封鎖有機シラン単量
体及び内部緩衝剤として作用するメタクリル酸(MA
A)が重合体の主鎖に組み込まれたときに、いかなる架
橋も合成中及び室温での3ヶ月までの貯蔵中に認められ
なかった。結果として、いかなるpHドリフトも認めら
れず、ラテックスはアセトンに溶解したままであり、3
ヶ月を経たラテックスのガラス接着性は新しいラテック
スと同一であった。これらの組成物は、ワンパック水性
架橋性ラテックスのためにより好ましい。
【0089】以下の表6は、触媒を全く添加せずに処方
された表5からの試料19を使用して、架橋レベルに及
ぼす硬化の影響を示している。「鉛筆硬度」の尺度は、
1<柔らかい<6、6<中間<10、10<硬い<14
である。
【表6】
【0090】以下の表7は、塗布性に及ぼす処方物の影
響を示している。全てのこれらの処方物のために使用し
たシラン含有ラテックスは試料22であった。試料23
は試料16で作られた。試料24は試料15で作られ
た。塗料の処方物は、上で特定されるような原料ラテッ
クスから作られた。次の処方成分をプロペラ羽根型ミキ
サーを使用して添加した(それぞれの添加剤は固形物含
有量及びラテックスの粘度に従って調節された): 界面活性剤:固形物を基にして2重量%のTriton
X−405(オクチルフェノキシポリエトキシエタノー
ル);pHを調整するためのアンモニア(7重量%水溶
液);融合助剤:10〜15重量%のDPM(ジプロピ
レングリコールメチルエーテル);テキサノール(2,
2,4−トリメチルペンタンジオールモノブチレー
ト);増粘剤:固形物を基にして0.1〜3重量%のア
クリソールRM−825(ロームハース社製:ポリウレ
タン樹脂、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及
び水)及び湿潤剤:固形物を基にして0.1〜2重量%
のBYK346(ポリエーテル変性ジメチルポリシロキ
サン)。フィルムを、いくらかの欠陥があったかどうか
を決定するために黒色のlenta紙上に流延させた。
次いで、処方物を引落しアプリケーターで異なる基材に
塗布した。これらの基材は、ガラス又は未処理アルミニ
ウム若しくはクロメート処理アルミニウムパネルであっ
た。架橋又は触媒系については、引落しを架橋剤の添加
後3時間以内に行った。パネルを周囲温度で硬化させ
(又は必要に応じて加熱によってさらに硬化させた)、
特性を少なくとも2週間経過後に測定した。使用した触
媒は、アトフィナケミカルズ社製のFascat(商
標)4224(有機錫メルカプチド)及びアンガスケミ
カル社製のAMP−95(2−アミノ−2−メチル−1
−プロパノール)であった。表中、D=「溶解した」で
ある。
【表7】
【0091】表7から分かるように、本発明の組成物か
ら作られた塗膜は、より高い耐溶媒性(不溶解性)を有
していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロトフィ・エドリ アメリカ合衆国ペンシルベニア州アードモ ー、ランフェアー・ロード53 (72)発明者 ラミン・アミンサナイェイ アメリカ合衆国ペンシルベニア州キングオ ブプラシャ、ペン・サークル931・ビー203 (72)発明者 カート・アーサー・ウッド アメリカ合衆国ペンシルベニア州アビント ン、キース・ロード1871 Fターム(参考) 4J002 BD12W BD13W BD14W BD17W BG04X BG05X BN09 GH00 GH01 HA06 4J011 AA05 BA04 BB01 BB02 PA64 PA66 PC02 PC06 4J026 AA26 AB44 BA27 BA28 BA29 DA04 DA11 DB04 DB11 FA04 GA01 GA02 GA08

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも1種の重合性アクリル
    及び/又はビニル含有単量体の重合体生成物を(b)少
    なくとも1種のフルオロポリマーの水性分散体の存在下
    で含む架橋性フルオロポリマー分散体において、少なく
    とも1種の加水分解に安定なシラン含有基が(a)、
    (b)又はその両方に存在する架橋性フルオロポリマー
    分散体。
  2. 【請求項2】 (a)少なくとも1種のアクリル樹脂若
    しくはビニル樹脂又はその両方及び(b)少なくとも1
    種の熱可塑性フルオロポリマーを含む架橋性フルオロポ
    リマーブレンドにおいて、(a)と(b)が異なるもの
    であり、少なくとも1種の加水分解に安定なシラン又は
    シラン基が(a)、(b)又はその両方の主鎖内に重合
    されている架橋性フルオロポリマーブレンド。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも1種の熱可塑性フルオロ
    ポリマーが前記架橋性フルオロポリマーブレンド全体に
    わたって均一に分布している請求項2に記載のポリマー
    ブレンド。
  4. 【請求項4】 (a)アクリル単位、ビニル単位又はそ
    の両方及び少なくとも1種の加水分解に安定なシラン又
    はシラン含有基を含む少なくとも1種の重合体と(b)
    少なくとも1種の熱可塑性フルオロポリマーとを含む架
    橋性フルオロポリマーブレンドにおいて、(a)と
    (b)が異なるものである架橋性フルオロポリマーブレ
    ンド。
  5. 【請求項5】 少なくとも1種のフルオロポリマーの水
    性分散体の存在下に少なくとも1種の重合性アクリル及
    び/又はビニル含有単量体と少なくとも1種の加水分解
    に安定なシラン単量体とを重合させることによって得ら
    れた重合体生成物を含む架橋性フルオロポリマー分散
    体。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも1種の熱可塑性フルオロ
    ポリマーが共重合体である請求項2に記載のポリマーブ
    レンド。
  7. 【請求項7】 前記フルオロポリマーがポリ弗化ビニリ
    デンからなる請求項2に記載のポリマーブレンド。
  8. 【請求項8】 前記アクリル樹脂又はビニル樹脂が弗素
    化された請求項2に記載のポリマーブレンド。
  9. 【請求項9】 前記アクリル樹脂又はビニル樹脂が共重
    合体である請求項2に記載のポリマーブレンド。
  10. 【請求項10】 前記フルオロポリマーが単独重合体で
    ある請求項2に記載のポリマーブレンド。
  11. 【請求項11】 前記フルオロポリマーがフルオロポリ
    マーと非フルオロポリマーの混合物である請求項2に記
    載のポリマーブレンド。
  12. 【請求項12】 前記重合体生成物が官能性単量体を含
    む請求項2に記載のポリマーブレンド。
  13. 【請求項13】 前記加水分解に安定なシラン単量体が
    立体障害有機シラン単量体である請求項2に記載のポリ
    マーブレンド。
  14. 【請求項14】 前記加水分解に安定なシラン単量体
    が、少なくとも1個のビニル基、連鎖移動剤若しくは開
    始剤として存在するシラン基、既存の重合体鎖上の官能
    側基と反応できる官能基を有する有機シラン基又はそれ
    らの組合せを含有するシラン単量体である請求項13に
    記載のポリマーブレンド。
  15. 【請求項15】 (a)アクリル単位、ビニル単位又は
    その両方及び随意としての少なくとも1種の加水分解に
    安定なシラン又はシラン含有基を含む少なくとも1種の
    重合体と(b)有機シラン部分を有する少なくとも1種
    の熱可塑性フルオロポリマーとを含む架橋性フルオロポ
    リマーブレンドにおいて、(a)と(b)が異なるもの
    である架橋性フルオロポリマーブレンド。
  16. 【請求項16】 少なくとも1種のフルオロポリマーの
    水性分散体の存在下に、少なくとも1種の重合性アクリ
    ル及び/又はビニル含有単量体と少なくとも1種の加水
    分解に安定なシラン単量体とを重合させることを含む、
    架橋性フルオロポリマー分散体の製造方法。
  17. 【請求項17】 加水分解に安定なシラン単量体の存在
    下に少なくとも1種のフルオロモノマーを重合させてシ
    ラン単位を含有するフルオロポリマーを形成させ、該フ
    ルオロポリマー分散体の存在下に少なくとも1種のアク
    リル及び/又はビニル含有単量体を重合させることを含
    む、架橋性フルオロポリマー分散体の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の架橋性フルオロポリ
    マー分散体を含むペイント。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の架橋性フルオロポリ
    マー分散体を含む塗料処方物。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の架橋性フルオロポリ
    マー分散体を架橋することによって得られた架橋フルオ
    ロポリマー。
  21. 【請求項21】 少なくとも1種の内部緩衝剤をさらに
    含む請求項1に記載の架橋性フルオロポリマー分散体。
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