JP3118925B2 - 重合体粒子の水性分散体の製造方法 - Google Patents
重合体粒子の水性分散体の製造方法Info
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Description
の製造方法に関し、特に、耐候性,耐汚染性および無機
基材に対する密着性などに優れた被膜を形成することが
できる重合体粒子の水性分散体の製造方法に関する。
の悪影響を防止する環境衛生の点ならびに省資源などの
点から、従来一般的に使用されている溶液状の溶剤系フ
ッ素樹脂から分散媒体として水を用いた水分散系フッ素
樹脂への転換が盛んに検討されている。
系フッ素樹脂に比べると物性面で劣り、特に耐候性,耐
汚染性,無機基材に対する密着性の点で劣っている。
られる。
分散状態にあって粒子の形態を有することから、これを
安定化させるために分散安定材,石ケン,アルカリ等の
種々の水溶性成分が必要である。そのため、被膜形成時
に、これらの水溶性成分が塗膜表面に残留し、これが耐
候性,耐汚染性,無機基材に対する密着性等を低下させ
るものと考えられる。
は、重合体が溶液状態にあって粒子形態を持たない分子
単位レベルの成膜が可能であり、しかも水分散系フッ素
樹脂に必須な分散安定剤,石ケン,アルカリ等の水溶性
成分をまったく必要としないために、成膜性,耐候性,
耐汚染性および基材への密着性等において水分散系フッ
素樹脂より優れている。
点を緩和するために、水分散系フッ素樹脂のモノマー組
成の最適化,小粒子径化,コア/シェル構造を有する粒
子の複合化,水溶性溶剤の水媒体への添加等の技術によ
る改良が試みられているが、未だ十分に改良されていな
いのが実情である。
術の課題を背景に成されたもので、その目的とするとこ
ろは、耐候性,耐汚染性,無機基材に対する密着性など
が改善された、フッ素系重合体にポリシロキサンを複合
化した重合体粒子の水性分散体の製造方法を提供するこ
とにある。
デン系重合体もしくはこれを含むフッ素系重合体粒子の
水性分散体100重量部(固形分換算)の存在下に、一
般式R n Si(OR′) 4-n (式中、R,R′は炭素数1
〜8の有機基、nは0〜3の整数を示す)で表されるア
ルコキシシラン化合物およびR m SiO (4-m)/2 (式中、
Rは炭素数1〜8の有機基、mは0〜3の数を示す)で
表される環状シロキサンから選ばれた少なくとも1種の
オルガノシラン化合物1.0〜300重量部を縮合反応
させることを特徴とする重合体粒子の水性分散体の製造
方法に関する。
水性分散体の存在下にオルガノシラン化合物を縮合反応
させることにより、フッ素系とポリシロキサン系との重
合体粒子の水性分散体が得られる。この水性分散体を用
いることにより、耐候性,耐汚染性,無機基材に対する
密着性等の点で優れた被膜を形成することができる。
ッ化ビニリデンを用いたフッ化ビニリデン系重合体が好
ましく、フッ化ビニリデンの単独重合体、およびフッ化
ビニリデンとこれと共重合可能な単量体、例えばトリフ
ルオロクロロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、四
フッ化エチレン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロイソブ
チレン、パーフルオロアクリル酸等のフッ素含有エチレ
ン系不飽和化合物、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒ
ドロキシエチルビニルエーテル等のフッ素非含有エチレ
ン系不飽和化合物、ブタジエン、イソプレン、クロロプ
レン等のフッ素非含有ジエン化合物等との共重合体を挙
げることができる。フッ化ビニリデン系重合体中におけ
るフッ化ビニリデンの使用割合は、通常重合体の30重
量%以上である。フッ化ビニリデン系重合体のうちで
は、フッ化ビニリデン単独重合体、フッ化ビニリデン/
四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン/四フッ
化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体等が好まし
く、特にフッ化ビニリデン/四フッ化エチレン/六フッ
化プロピレン共重合体が好ましく使用され、その共重合
割合は、通常、フッ化ビニリデン30〜90重量%、四
フッ化エチレン50〜9重量%、六フッ化プロピレン2
0〜1重量%である。また、フッ化ビニリデン系重合体
の分子量は、通常1〜50万である。
て分散される限り、どのような状態で添加してもよい
が、本発明においては乳化重合によって得られるフッ素
系重合体が好ましく、この場合、水性分散体として製造
されることから、そのまま水性分散体として次の縮合反
応に使用することが好都合である。このようなフッ素系
重合体の水性分散体は、通常の乳化重合方法により、例
えば原料単量体を水性媒体中で通常使用される乳化剤、
重合開始剤、pH調整剤等の存在下に乳化重合して製造
することができる。
とする重合体粒子の粒径に応じて変わるが、通常、0.
05〜3μmの範囲にあるのが好ましい。
粒子をそのまま用いてもよいが、前記フッ素系重合体粒
子をシード粒子として、これに主として(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体を吸収もしくは吸着させて重合を行
う、いわゆるシード重合によって得られるフッ素/アク
リル系重合体粒子(以下、「フッ素/アクリル系重合体
粒子」という)を好適に用いることができる。このシー
ド重合において(メタ)アクリル酸エステルを主とする
単量体成分は以下の(a)〜(c)成分からなることが
好ましい。 (a)アルキル基の炭素数が1〜5の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル単量体 この(a)成分の使用量は、全単量体に対して10〜9
9.9重量%、好ましくは30〜60重量%である。 (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 この(b)成分の使用量は、全単量体に対して0.1〜
60重量%、好ましくは10〜40重量%である。 (c)これらの単量体(a),(b)と共重合可能な他
の単量体 この(c)成分の使用割合は、0〜89.9重量%、好
ましくは0〜40重量%、特に好ましくは0〜30重量
%である。
を用いることにより、フッ素系重合体を単独で用いた場
合に比べ、被膜の耐候性,耐汚染性,無機基材に対する
密着性等がより一層改善される。
数が1〜5のアクリル酸アルキルエステルとしては、例
えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミルを挙げる
ことができる。これらのうち、アルキル基の炭素数が1
〜3のアクリル酸アルキルエステル、特にアルキル基の
炭素数が1または2のアクリル酸アルキルエステルが好
ましく使用される。
酸アルキルエステルとしては、例えばメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸アミル、メタクリル酸イソアミル等を挙げること
ができる。これらのうち、アルキル基の炭素数が1〜3
のメタクリル酸アルキルエステル、特にアルキル基の炭
素数が1または2のメタクリル酸アルキルエステルが好
ましく使用される。
ン酸単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などを挙げるこ
とができ、特にアクリル酸が好ましく使用される。
ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−ア
ルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリル
アミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド等のアミ
ド化合物;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸N−ジアルキルアミノエチル、アクリル酸グリシジ
ル、アクリル酸フルオロアルキル等のアクリル酸エステ
ル;メタクリル酸ジアルキルアミノエチル、メタクリル
酸フルオロアルキル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸グリシジル、エチレングリコールジメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル;アリルグリシ
ジルエーテル等のビニルエーテル化合物;1,3−ブタ
ジエン、イソプレン等の共役ジエン;スチレン、α−メ
チルスチレン、ハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル化
合物;ジビニルベンゼン等のジビニル化合物;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル等を
挙げることができる。これらのうち、N−メチロールア
クリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、アリルグリシジルエーテル、1,3−ブタ
ジエン、スチレン、アクリロニトリル等が好ましく使用
される。
(イ)100重量部(固形分換算)の存在下に、上記の
(a)、(b)、(c)成分からなる単量体を10〜9
00重量部、好ましくは40〜400重量部、さらに好
ましくは100〜300重量部の比率で重合すること
で、該単量体がフッ素系重合体粒子に吸収あるいは吸着
された状態、好ましくは吸収された状態で重合されて、
フッ素系重合体を含有する粒子の水性分散体(ロ)が得
られる。
素系重合体を含有する粒子の水性分散体(ロ)の存在下
に、オルガノシラン化合物を縮合させることにより、製
造される。
(OR′)4-n で表わされるアルコキシシラン化合物ま
たはRmSiO(4−m)/2で表わされる環状シロキ
サンなどが挙げられる。
例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基等のアルキル基、その他のγ−クロロプロピル
基、ビニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、γ
−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロ
ピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,
4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−アミノプロ
ピル基等が挙げられる。また、式中、nは0〜3の整
数、mは0〜3の数を示すものである。
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルト
リエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、
i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキ
シシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルエチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン等を挙げることができる。好ましくは、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。
ェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテ
トラシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテト
ラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシク
ロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキ
サン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチ
ルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサ
シロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキ
サンなどの環状化合物のほかに、直鎖状あるいは分岐状
のオルガノシロキサンを挙げることができる。
独または2種以上を併用することができ、他の例えばチ
タン,アルミニウム等の金属アルコキシドと併用するこ
ともできる。また、これらのオルガノシラン化合物は必
要に応じて有機溶媒に溶解させて使用することもでき
る。
ド」という)の水性分散体に対するオルガノシラン化合
物は、重合体シード100重量部(固形分換算)に対し
て1〜300重量部、好ましくは5〜150重量部、さ
らに好ましくは10〜100重量部である。
単独もしくは水に良く混合するケトン類,低級アルコー
ル類,エステル類等を含むことができる。これらの有機
溶剤は、水に対して1〜100重量%の割合で使用する
ことが可能であるが、重合体シードの分散状態を良好に
保つためには70重量%以下、好ましくは50重量%以
下の割合で使用されることが望ましい。
ノシラン化合物を吸収させることは、重合体シードが分
散された水系分散体中にオルガノシラン化合物を添加
し、系を良く撹拌することにより容易に達成される。
を効率よく吸収させるために、必要に応じて、水に対す
る溶解度が10-3重量%以下の溶媒を予め重合体シード
に吸収させておくことも可能である。また、系をpH4
〜10、好ましくはpH5〜9、さらに好ましくはpH
6〜8に調整し、温度は90℃以下、好ましくは70℃
以下、さらに好ましくは50℃以下、特に好ましくは3
0℃以下の条件下で、オルガノシラン化合物を添加,吸
収させることが望ましい。
温度および水素イオン濃度を調整することにより容易に
制御され、オルガノシラン化合物の重合度をコントロー
ルできる。
温度30℃以上、好ましくは50℃以上、さらに好まし
くは80℃以上で行うことができ、例えば乳化剤の存在
下において行うことができる。この乳化剤は界面活性剤
の役目を果たすと同時にオルガノシラン化合物の縮合反
応の触媒として機能するものであり、かかる乳化剤とし
ては脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましい。
合体シードに吸収された状態で縮合反応しても、あるい
は重合体シードに吸収されずに例えば吸着した状態で縮
合反応してもよいが、より相溶性に優れた複合粒子を得
るためにはオルガノシラン化合物の一部または全部が重
合体シードに吸収されて縮合反応することが好ましい。
その際、重合体シードに吸収されて縮合反応するオルガ
ノシラン化合物は、使用される全オルガノシラン化合物
の好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量
%以上、特に好ましくは30重量%以上である。
説明する。なお、「部」および「%」はいずれも重量基
準である。
にして、表1の実施例1に示すフッ化ビニリデン系重合
体(フッ化ビニリデン/四フッ化エチレン/六フッ化プ
ロピレン共重合体、平均粒径0.25μm、商品名カイ
ナー:KYNAR9031/アトケム社製)100部お
よび過硫酸ナトリウム0.3部を入れて攪拌し、75℃
まで昇温させた。
酸メチル50部、アクリル酸エチル25部、アクリル酸
ブチル15部、スチレン5部、アクリル酸5部および水
50部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(乳化
剤)1.0部を乳化混合したものを、上記セパラブルフ
ラスコに3時間かけて連続的に添加した。この添加終了
後、さらに85℃〜95℃で2時間熟成した後、冷却し
て反応を終了させ、フッ化ビンリデン系重合体を得た。
8.0に調整し、表1の実施例1に示すアルコキシシラ
ン化合物30部を添加し、約30分間にわたって強く攪
拌した。その後、反応容器を70℃に昇温し、3時間反
応させて重合体粒子の水性分散体を得た。この分散体に
おいては凝固物の発生は観察されず、また、長時間放置
したところ、分散粒子の分離もなく、安定した分散状態
を維持し得ることが確認された。
た成分を用いて重合を行ない、実施例2〜10および比
較例1〜4にかかる重合体粒子の水性分散体を得た。こ
れらの水性分散体は、いずれも実施例1と同様に、凝固
物がなく、かつ分散安定性に優れていた。
較例で得られた重合体粒子の水性分散体100部(固形
分換算)に、 充填剤として酸化チタン(商品名、タイペークR930、石原産業(株)製) 50部、 分散剤としてポリカルボン酸ナトリウム塩(商品名、SN−DISPERSA NT5044、サンノプコ社製) 2部、 凍結防止剤としてエチレングリコール 1部、 防腐剤(商品名、SN−215、サンノプコ社製) 0.05部、 消泡剤(商品名、FOAMASTER−AP、サンノプコ社製)0.5部、 および 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 2部、 を添加し、固形分が60%になるように水で調整した
後、増粘剤としてヒドロキシエチルセルロース(商品
名、A−5000、フジケミカル社製)を用い、塗料粘
度が4000cpsになるように調整した。混合はディ
スパー攪拌機を用い、充分混合した後、減圧脱泡機に移
し、脱泡した。
洗浄剤で脱脂した鉄板(JIS−G3141、SPCC
板、0.8×70×150mm)にエアレススプレーガ
ンにて乾燥後の塗膜が200μmになるように塗布し
た。塗布した鉄板は150℃で15分間乾燥した。
ついて試験を行った。その結果を表1,表2および表3
に示す。 耐候性 フェードメータ(スガ試験機(株)製)中に1000時
間入れた後の光沢の初期値に対する光沢の保持率(%)
を求め、下記基準により耐候性を評価した。
た後、粘着テープ(ニチバン(株)製)による剥離試験
を実施した。密着性は下記基準により評価した。
ースト状の混合物を塗膜表面に均一に塗布し、24時間
放置した。その後、この塗膜を水洗いし、目視で汚れの
落ち具合を観察し、以下の3段階で評価した。
よって判定した。
接触角を測定した。 耐久性 2mの高さからビニールパイプを通してナット(M−
6)を塗膜上に60度の角度で落下させ、鉄板が露出し
たときのナットの重量を求め、下記基準により耐久性を
評価した。
にアプリケーターで塗布し、2週間にわたって常温乾燥
を行い、塗膜を得た。判定は目視によって次の3段階で
行った。
水性塗料の例であり、本発明の目的とする良好な特性が
得られている。
用していない例であり、耐候性,耐汚染性が劣る。
用量が本発明の範囲を超えた例であり、特に密着性、成
膜性が劣り、また添加量に見合った性能が得られない。
子のかわりにアクリルエステル共重合体ラテックス「A
B316(A)」(日本合成ゴム(株)製)100部を
用いた以外は実施例1と同様にして得られた重合体粒子
の水性分散体を用いた例である。この比較例において
は、耐候性をはじめ多くの特性が全体的に劣る結果とな
った。
用していない例であり、特性の全般にわたって劣ってい
る。
ガノシラン化合物を添加した後、オルガノシラン化合物
の縮合反応を進行させることにより、フッ素系樹脂が有
する特徴とポリシロキサンが有する特徴とを兼ね備えた
水性分散体の製造が可能となり、従来にない水性分散体
が容易に製造できる。
分散体は、耐候性、密着性、耐汚染性、撥水性、耐水性
等の点で優れた被膜を形成することから、各種塗料のほ
か、電着塗装、繊維処理材、紙加工材、床塗布材等に好
適に利用することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 フッ化ビニリデン系重合体もしくはこれ
を含むフッ素系重合体粒子の水性分散体100重量部
(固形分換算)の存在下に、一般式R n Si(OR′)
4-n (式中、R,R′は炭素数1〜8の有機基、nは0
〜3の整数を示す)で表されるアルコキシシラン化合物
およびR m SiO (4-m)/2 (式中、Rは炭素数1〜8の有
機基、mは0〜3の数を示す)で表される環状シロキサ
ンから選ばれた少なくとも1種のオルガノシラン化合物
1.0〜300重量部を縮合反応させることを特徴とす
る重合体粒子の水性分散体の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記フッ素系重合体粒子の水性分散体は、フッ化ビニリ
デン系重合体粒子の水性分散体100重量部(固形分換
算)の存在下に、 (a)アルキル基の炭素数が1〜5のアクリル酸アルキルエステルおよび/ま たはアルキル基の炭素数が1〜5のメタクル酸アルキルエステル単量体 10〜99.9重量%、 (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.1〜60重量%、 (c)これらの単量体(a),(b)と共重合可能で、かつ、これらの単量体 (a),(b)以外の 単量体 0〜89.9重量% からなる単量体10〜900重量部を水性媒体中で乳化
重合することにより得られたものであることを特徴とす
る重合体粒子の水性分散体の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、 前記オルガノシラン化合物は、pH4〜10の条件下で
前記フッ素系重合体粒子に吸収されることを特徴とする
重合体粒子の水性分散体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記オルガノシラン化合物は、90℃以下の条件下で前
記フッ素系重合体粒子に吸収されることを特徴とする重
合体粒子の水性分散体の製造方法。
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