JP3339942B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JP3339942B2 JP31805893A JP31805893A JP3339942B2 JP 3339942 B2 JP3339942 B2 JP 3339942B2 JP 31805893 A JP31805893 A JP 31805893A JP 31805893 A JP31805893 A JP 31805893A JP 3339942 B2 JP3339942 B2 JP 3339942B2
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和也 中山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性樹脂組成物に関
する。さらに詳しくは、耐候性、耐久性などが要求され
る建築物内外装、自動車、家電用品などに、すぐれた塗
膜性能を付与しうる硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料や接着剤としては、公害防止
および省資源の観点から、有機溶剤が用いられたものか
ら水性のものへの転換が試みられている。
【0003】しかしながら、従来の水性のものには、一
般に水分散性樹脂が用いられており、該水分散性樹脂
は、架橋性の官能基を有せず、その結果として乳化重合
の際に界面活性剤が用いられたばあいには、その影響を
強く受けるため、有機溶剤が用いられたものと対比して
形成された塗膜の耐候性、耐水性、耐汚染性などの塗膜
物性がいちじるしくわるいという欠点があった。
【0004】この欠点を改良するために種々の試みが提
案されており、その1つに架橋性の官能基であるアルコ
キシシリル基を有する重合体のエマルジョンの塗料への
応用が提案されている(特開平3-227312号公報)。
【0005】しかしながら、前記エマルジョンにおいて
も、さらに耐候性の向上が望まれており、紫外線吸収剤
や光安定剤などの使用が考えられるが、固体の紫外線吸
収剤や光安定剤をエマルジョンへ添加する際には、これ
らを均一に分散させることが困難であるといった問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定
のシリル基を含有する重合体のエマルジョン、ならびに
紫外線吸収剤および/または光安定剤を溶解または懸濁
させた成膜助剤成分を含有した硬化性樹脂組成物を用い
たばあいには、耐候性がいちじるしく向上した塗膜を形
成することができることを見出し、本発明を完成するに
いたった。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式(I):
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の
炭化水素基、X1 はハロゲン原子、アルコキシ基、ヒド
ロキシル基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ
基、チオアルコキシ基またはアミノ基、aは0〜2の整
数を示す(ただし、R1 またはX1 がそれぞれ2以上で
あるばあいには、これらは同一または相異なる))で表
わされるシリル基を含有する重合体のエマルジョン
(A)ならびに紫外線吸収剤および/または光安定剤を
溶解または懸濁させた成膜助剤成分(B)を含有してな
る硬化性樹脂組成物に関する。
【0010】
【作用および実施例】本発明に用いられるエマルジョン
(A)をうるための前記一般式(I)で表わされるシリ
ル基を含有する重合体(以下、重合体(A)という)に
は、とくに限定がなく、たとえば一般式(I)で表わさ
れるシリル基を含有した、エポキシ樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素
樹脂などがあげられるが、これらのなかでは、えられる
硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜が耐候性およ
び耐薬品性にすぐれ、また樹脂設計の幅が広く、低価格
であるという点から、アクリル系樹脂が好ましい。
【0011】前記重合体のエマルジョン(A)を調製す
る方法には、とくに限定がなく、たとえば前記一般式
(I)で表わされるシリル基を含有するビニル系単量体
(以下、モノマー(A−1)という)およびこれと共重
合可能な他のビニル系単量体(以下、モノマー(A−
2)という)を重合する方法が、容易に前記重合体のエ
マルジョン(A)をうることができるという点から好ま
しい。
【0012】なお、前記一般式(I)において、R1
示すアリール基としては、たとえば炭素数が6〜10のも
のが好ましく、またアラルキル基としては、たとえば炭
素数が7〜10のものが好ましい。
【0013】前記モノマー(A−1)の具体例として
は、たとえば
【0014】
【化3】
【0015】などの一般式(II):
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R1 およびaは前記と同じ、R2
は水素原子またはメチル基、X2 はハロゲン原子を示
す)で表わされる化合物:
【0018】
【化5】
【0019】などの一般式(III):
【0020】
【化6】
【0021】(式中、R1 、R2 、X2 およびaは前記
と同じ、nは1〜12の整数を示す)で表わされる化合
物;
【0022】
【化7】
【0023】などの一般式(IV):
【0024】
【化8】
【0025】(式中、R1 、R2 およびaは前記と同
じ、R3 は炭素数1〜16のアルキル基を示す)で表わさ
れる化合物;
【0026】
【化9】
【0027】などの一般式(V):
【0028】
【化10】
【0029】(式中、R1 、R2 、R3 、aおよびnは
前記と同じ)で表わされる化合物;
【0030】
【化11】
【0031】などの一般式(VI):
【0032】
【化12】
【0033】(式中、R1 、R2 、R3 、aおよびnは
前記と同じ)で表わされる化合物;
【0034】
【化13】
【0035】などの一般式(VII):
【0036】
【化14】
【0037】(式中、R1 、R2 、R3 、aおよびnは
前記と同じ)で表わされる化合物;
【0038】
【化15】
【0039】などの一般式(VIII):
【0040】
【化16】
【0041】(式中、R1 、R2 、R3 およびaは前記
と同じ)で表わされる化合物;
【0042】
【化17】
【0043】などの一般式(IX):
【0044】
【化18】
【0045】(式中、R1 、R2 、R3 、aおよびnは
前記と同じ)で表わされる化合物;
【0046】
【化19】
【0047】などの一般式(X):
【0048】
【化20】
【0049】(式中、R1 、R2 、R3 、aおよびnは
前記と同じ、R4 は−CH2 O−または−CH2 OCO
−を示す)で表わされる化合物;
【0050】
【化21】
【0051】などの一般式(XI):
【0052】
【化22】
【0053】(式中、R1 、R2 、R3 、aおよびnは
前記と同じ、pは1〜12の整数を示す)で表わされる化
合物などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。これらのなかでは、取扱
いの容易さ、価格の点および反応副生成物が生じない点
から、アルコキシシリル基含有ビニル系単量体が好まし
い。
【0054】前記モノマー(A−2)には、とくに限定
がなく、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アク
リレート系単量体;トリフルオロエチル(メタ)アクリ
レート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリ
レート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)
アクリレート、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリ
フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロ
ピレンなどのフッ素含有ビニル系単量体;スチレン、α
−メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒドロキシス
チレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル
単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマ
ル酸、シトラコン酸などのα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸など
の重合可能な炭素−炭素二重結合を有する酸、またはこ
れらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など
の塩;無水マレイン酸などの酸無水物またはこれらと炭
素数1〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルコールとの
ハーフエステル;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの
アミノ基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アク
リルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、アク
リロイルモルホリン、またはこれらの塩酸、酢酸塩;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートな
どのビニルエステルやアリル化合物;(メタ)アクリロ
ニトリルなどのニトリル基含有ビニル系単量体;グリシ
ジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニル
系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシスチレン、アロニ
クスM-5700(東亜合成化学工業(株)製)、PlaccelFA-
1 、PlaccelFA-3 、PlaccelFA-4 、PlaccelFM-1 、Plac
celFM-4 (以上、ダイセル化学工業(株)製)、HE−
10、HE−20、HP−10、HP−20(以上、
(株)日本触媒製)、ブレンマーPPシリーズ、ブレン
マーPEPシリーズ、ブレンマーAP-400、ブレンマー
NKH-5050 、ブレンマーGLM(以上、日本油脂
(株)製)、水酸基含有ビニル系変性ヒドロキシアルキ
ルビニル系モノマーなどの水酸基含有ビニル系単量体;
ブレンマーPE−90、PE−200 、PE−350 などのブ
レンマーPEシリーズ、ブレンマーPME−100 、PM
E−200 、PME−400 などのブレンマーPMEシリー
ズ、ブレンマーAE−350 などのブレンマーAEシリー
ズ(以上、日本油脂(株)製)、MA−30、MA−50、
MA−100 、MA−150 、RA−1120、RA−2614、R
MA−564 、RMA−568 、RMA−1114、MPG130
−MA(以上、日本乳化剤(株)製)などのポリオキシ
エチレン鎖を有する親水性ビニル系単量体;(メタ)ア
クリル酸のヒドロキシアルキルエステル類などのα,β
−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエ
ステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成
物などのリン酸エステル基含有ビニル化合物またはウレ
タン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレート
などのビニル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビ
ニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタ
コン酸ジアミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミ
ド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのア
ミド基含有ビニル系化合物;東亜合成化学工業(株)製
のマクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−
6、AB−6、AK−5などの化合物、2−ヒドロキシ
エチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロ
ヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレ
ン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダ
ゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニル系単量
体;旭電化工業(株)製のLA87、LA82、LA2
2などの重合型光安定剤、重合型紫外線吸収剤などがあ
げられる。
【0055】前記モノマー(A−2)の種類は、えられ
る硬化性樹脂組成物の目的とする物性に応じて選択すれ
ばよい。たとえば、えられる樹脂組成物を用いて形成さ
れた塗膜に撥水性を与え、耐水性および耐久性を向上さ
せるためには、フッ素含有ビニル系単量体やシロキサン
含有ビニル系単量体を用いることが好ましく、えられる
エマルジョン(A)の安定性を向上させるためには、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、水
酸基含有ビニル系単量体、ポリプロピレングリコールメ
タクリレートなどの親水性単量体を用いることが好まし
い。また酸性ビニル系単量体を用いたばあいには、エマ
ルジョン(A)の機械的安定性が向上する。さらにn−
ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t
−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
トなどの炭素数4以上のアルキル基またはシクロアルキ
ル基を有するメタクリレートを用いたばあいには、シリ
ル基の安定性が向上する。なお該アルキル基またはシク
ロアルキル基を有するメタクリレートは重合成分全量10
0 部(重量部、以下同様)に対して60〜98.9部用いられ
ることが好ましい。
【0056】また、前記モノマー(A−2)のなかでポ
リオキシエチレン鎖を有する親水性単量体を用いたばあ
いには、前記モノマー(A−1)中のシリル基の安定性
が低下することなく、エマルジョン(A)の機械的安定
性やえられる硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜
の耐水性、光沢などが向上するので好ましい。なお、か
かるポリオキシエレチン鎖を有する親水性単量体を用い
るばあいの配合量は、重合成分全量100 部に対して0.1
〜10部となるように調整することが好ましい。かかる配
合量が0.1 部未満であるばあいには、エマルジョン
(A)の機械的安定性や、えられる硬化性樹脂組成物を
用いて形成された塗膜の耐水性および光沢が低下するよ
うになる傾向があり、また10部をこえるばあいには、塗
膜が軟化し、汚れが付着しやすくなる傾向がある。
【0057】なお、本発明においては、前記モノマー
(A−2)として、たとえばポリエチレングリコールジ
メタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
トリアリルシアヌレートなどの重合性の不飽和二重結合
を2以上有する単量体を用いることによって、生成する
ポリマーが架橋構造を有するようにすることもできる。
【0058】モノマー(A−1)およびモノマー(A−
2)の配合量は、重合成分全量100部に対してモノマー
(A−1)の配合量が1〜40部、なかんづく2〜25部、
すなわちモノマー(A−2)の配合量が60〜99部、なか
んづく75〜98部となるように調整することが好ましい。
モノマー(A−1)の配合量が1部未満であるばあいに
は、えられる樹脂組成物を用いて形成された塗膜の耐水
性および耐候性が劣る傾向があり、また40部をこえるば
あいには、エマルジョン(A)の安定性が低下する傾向
がある。
【0059】なお、本発明においては、水中でのアルコ
キシシリル基が安定しており、低価格であり、えられる
樹脂組成物を用いて塗膜を形成する際の副生成物が塗膜
に悪影響を与えないという点から、前記モノマー(A−
1)としてアルコキシシリル基含有ビニル系単量体およ
びモノマー(A−2)としてポリオキシエチレン鎖を有
する親水性ビニル系単量体を用いてえられた重合体
(A)が好ましく、なかでもアルコキシシリル基含有ビ
ニル系単量体1〜30重量%、なかんづく2〜25重量%、
ポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル系単量体0.
1 〜10重量%、なかんづく0.5 〜10重量%および残部他
のビニル系単量体からなる重合成分を共重合してなる乳
化共重合体が、アルコキシシリル基の安定性、エマルジ
ョン(A)の機械的安定性ならびにえられる樹脂組成物
を用いて形成された塗膜の耐水性および光沢がすぐれる
という点からとくに好ましい。
【0060】前記モノマー(A−1)とモノマー(A−
2)とを通常の方法で重合することによって重合体
(A)をうることができるが、かかる重合法としては、
エマルジョン(A)の粒子径および安定性を考慮すると
乳化重合法が好ましい。
【0061】前記乳化重合法には、とくに限定がなく、
たとえばバッチ重合法、モノマー滴下重合法、乳化モノ
マー滴下重合法などの各種乳化重合法のなかから適宜選
択して採用することができるが、本発明においては、と
くに製造時の乳化物の安定性を確保するうえで、モノマ
ー滴下重合法および乳化モノマー滴下重合法が好まし
い。また、異なる組成物のモノマーまたは乳化モノマー
液を多段階重合することにより、多層構造を有する粒子
をうることもできる。なお、えられる重合体の安定性を
さらに向上させようとするばあいには、乳化剤として界
面活性剤を用いることが好ましい。
【0062】前記界面活性剤としては、通常の乳化重合
に用いられるものであればとくに限定はなく、イオン性
または非イオン性の界面活性剤があげられる。
【0063】前記イオン性界面活性剤としては、たとえ
ばNewcol-560SN、Newcol-560SF(以上、日本乳化剤
(株)製)、エマールNC−35、レベールWZ(以上、
花王(株)製)などのポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルサルフェート、Newcol-707SN、Newcol-707S
F、Newcol-723SF、Newcol-740SF(以上、日本乳化剤
(株)製)などのポリオキシエチレンアリルエーテルサ
ルフェート、Newcol-861SE(日本乳化剤(株)製)など
のオクチルフェノキシエトキシエチルスルホネート、Ne
wcol-1305SN (日本乳化剤(株)製)などのポリオキシ
エチレントリデシルエーテルサルフェートなどのポリオ
キシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤;ラウリ
ルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムなどのスルホン酸塩;イミダリンラウレート、アンモ
ニウムハイドロオキサイドなどのアンモニウム塩などが
代表例としてあげられるが、これらのなかでは、前記モ
ノマー(A−1)中のシリル基が安定化された状態で重
合反応が進行するという点から、ポリオキシエチレン鎖
を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。
【0064】また前記非イオン性界面活性剤としては、
たとえばポリエチレングリコールノニルフェニルエーテ
ル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチ
レン類;L−77、L−720、L−5410、L−7
602、L−7607(以上、ユニオンカーバイド社
製)などのシリコーンを含む非イオン系の界面活性剤な
どが代表例としてあげられる。
【0065】また、本発明においては、乳化剤として1
分子中に重合性二重結合を有する反応性界面活性剤を用
いることができ、とくに分子内にポリオキシエチレン基
を有する反応性界面活性剤を用いたばあいには、えられ
る硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜の耐水性が
向上する。
【0066】かかる反応性界面活性剤の具体例として
は、たとえばアデカリアソープNE−10、NE−2
0、NE−30、NE−40、SE−10N(以上、旭
電化工業(株)製)、Antox−MS−60(日本乳
化剤(株)製)、アクアロンRN−20、RN−30、
RN−50、HS−10、HS−20、HS−1025
(以上、第一工業製薬(株)製)などがあげられる。
【0067】前記界面活性剤は、単独でまたは2種以上
を混合して用いることができ、その使用量は、重合成分
全量100 部に対して10部以下、なかんづく0.5 〜8部で
あることが好ましい。かかる界面活性剤の使用量が10部
をこえるばあいには、えられる樹脂組成物を用いて形成
された塗膜の耐水性が低下する傾向がある。
【0068】なお、重合成分として前記アルコキシシリ
ル基含有ビニル系単量体およびポリオキシエチレン鎖を
有する親水性ビニル系単量体を用いて乳化重合体をうる
ばあいには、乳化剤として前記ポリオキシエチレン鎖を
有するアニオン性界面活性剤を重合成分全量100 部に対
して0.2 〜10部、なかんづく0.5 〜8部用いることが、
アルコキシシリル基に対する安定性の点から好ましい。
【0069】また、塗膜の耐水性をさらに向上させるた
めには、かかる界面活性剤を用いるかわりに、前記一般
式(I)で表わされるシリル基を導入した水溶性樹脂を
用いてもよい。
【0070】前記モノマー(A−1)とモノマー(A−
2)との重合をより安定に行なうために、重合開始剤と
してレドックス系触媒を用いることができる。また、重
合中の混合液の安定性を保持し、重合を安定に行なうた
めには、温度は70℃以下、なかんづく40〜65℃であるこ
とが好ましく、シリル基の安定化のために、pHは5〜
8、なかんづく5〜7となるように調整することが好ま
しい。
【0071】前記レドックス系触媒としては、たとえば
過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムと酸性亜硫酸
ナトリウムまたはロンガリットとの組み合わせ、過酸化
水素とアスコルビン酸との組み合わせ、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物と酸性亜
硫酸ナトリウム、ロンガリットなどとの組み合わせなど
があげられる。とくに、有機過酸化物と還元剤との組み
合わせが安定に重合を行ないうるという点から好まし
い。
【0072】前記重合開始剤の使用量は、重合成分全量
100 部に対して0.01〜10部、なかんづく0.05〜5部であ
ることが好ましい。かかる重合開始剤の使用量が0.01部
未満であるばあいには、重合が進行しにくくなることが
あり、10部をこえるばあいには、生成する重合体の分子
量が低下し、えられる樹脂組成物を用いて形成された塗
膜の耐久性が低下する傾向がある。
【0073】また、重合開始剤の触媒活性を安定的に付
与するために硫酸鉄などの2価の鉄イオンを含む化合物
とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどのキレート
化剤を用いてもよい。かかるキレート化剤の使用量は、
重合成分全量100 部に対して0.0001〜1部、なかんづく
0.001 〜0.5 部であることが好ましい。
【0074】かくしてえられる重合体のエマルジョン
(A)にたとえば所望量の脱イオン水などを添加するこ
とにより、エマルジョン(A)中の樹脂固形分濃度が、
20〜70重量%、なかんづく30〜60重量%となるように調
整することが好ましい。かかる樹脂固形分濃度が70重量
%をこえるばあいには、系の濃度がいちじるしく上昇す
るため、重合反応に伴なう発熱を除去することが困難に
なったり、重合器からの取り出しに長時間を要するよう
になる傾向がある。また、樹脂固形分濃度が20重量%未
満であるばあいには、重合操作の面では何ら問題は生じ
ないものの、1回の重合操作によって生じる樹脂量が少
なく、経済面で不利となるうえ、塗膜形成の際に膜厚が
薄くなってしまい、性能劣化をおこしたり、塗装作業性
の点で不利となる傾向がある。
【0075】なお、本発明に用いられるエマルジョン
(A)は、平均粒子径が0.02〜1.0 μm程度といった超
微粒子から構成されているので、すぐれた被膜形成能を
有するものである。
【0076】成膜助剤成分(B)に用いられる成膜助剤
にはとくに限定がなく、たとえば一般式:HO−(CH
2 CH2 O)m −R5 (式中、R5 は水素原子または炭
素数1〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、m
は1〜5の整数を示す)で表される(ポリ)エチレング
リコールまたは(ポリ)エチレングリコールモノアルキ
ルエーテル、一般式:R7 CO−O−(CH2 CH
2 O)q −R6 (式中、R6 は水素原子または炭素数1
〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、qは1〜
5の整数、R7 は炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状
のアルキル基を示す)で表わされる(ポリ)エチレング
リコールエステルまたは(ポリ)エチレングリコールエ
ーテルエステル、一般式:HO−(C3 6 O)r −R
8 (式中、R8 は水素原子または炭素数1〜10の直鎖状
もしくは分岐鎖状のアルキル基、rは1〜5の整数を示
す)で表される(ポリ)プロピレングリコールまたは
(ポリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、
一般式:R10CO−O−(C3 6 O)s −R9 (式
中、R9 は水素原子または炭素数1〜10の直鎖状もしく
は分岐鎖状のアルキル基、sは1〜5の整数、R10は炭
素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示
す)で表される(ポリ)プロピレングリコールエステル
または(ポリ)プロピレングリコールエーテルエステル
などを好ましく用いることができる。前記成膜助剤の具
体例としてはたとえばメチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチル
エーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノイソブチルエーテルなどのエーテ
ル類;エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
アセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノ
ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコール
モノイソブチルエーテルアセテートなどのエーテルエス
テル類などがあげられ、またプロピレングリコールフェ
ニルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、2,
2,4-トリメチルペンタンジオール-1,3- モノイソブチレ
ートなどを用いることもできるが、とくに2,2,4-トリメ
チルペンタンジオール-1,3- モノイソブチレートがエマ
ルジョン(A)に対する安定性にすぐれる点から好まし
い。
【0077】これら成膜助剤は単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。また成膜助剤成分(B)
には成膜助剤以外の溶剤を含有させることもできる。か
かる溶剤を含有させるばあいには、該溶剤の量は、成膜
助剤の量をこえない範囲で調整すればよい。該溶剤の種
類にはとくに限定がなく、たとえばメチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアル
コール類;キシレン、トルエンなどの芳香族溶剤;酢酸
ブチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチ
ルエチルケトンなどのケトン類などがあげられる。
【0078】本発明に用いられる紫外線吸収剤および光
安定剤は固体状であればとくに限定がない。前記紫外線
吸収剤の具体例としては、たとえば2−[2−ヒドロキ
シ−3,5−ジ(2,2−ジメチルベンジル)−フェニ
ル]2Hベンゾトリアゾール(日本チバガイギー(株)
製TINUVIN900(登録商標)、2−(3,5−ジ−t−ア
ミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
(日本チバガイギー(株)製TINUVIN328(登録商標)な
どがあげられ、また前記光安定剤の具体例としては、た
とえば2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル(日本チバガ
イギー(株)製TINUVIN144(登録商標)、8−アセチル
−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,
3,8−トリアザスピロ(4,5)デカン−2,4−ジ
オン(日本チバガイギー(株)製TINUVIN440(登録商
標)などがあげられる。
【0079】なお、前記紫外線吸収剤および光安定剤の
平均粒子径は、とくに限定がないが、かかる紫外線吸収
剤および/または光安定剤を懸濁させるばあいには、通
常0.2 〜10μm程度、なかんづく0.5 〜5μm程度であ
ることが好ましい。また、成膜助剤成分(B)中の紫外
線吸収剤および/または光安定剤の含有量はとくに限定
がないが、取り扱い易さなどの点から通常0.5 〜50重量
%であることが好ましい。
【0080】前記成膜助剤で溶解あるいは懸濁させた紫
外線吸収剤および/または光安定剤は、たとえばホモジ
ナイザーなどで成膜助剤中に紫外線吸収剤、光安定剤そ
れぞれ単独でまたは両者を溶解または均一に懸濁させる
ことによってえられる。これら成膜助剤成分(B)を前
記エマルジョン(A)に混合することによって本発明の
硬化性樹脂組成物をうることができる。なお、エマルジ
ョン(A)と成膜助剤成分(B)とはあらかじめ混合し
ておいてもよく、また使用時に混合してもよい。
【0081】前記エマルジョン(A)と成膜助剤成分
(B)の配合割合は、成膜助剤成分(B)の添加にとも
なう成膜助剤の量がエマルジョン(A)の樹脂固形分に
対して1重量%以上、好ましくは2重量%以上となり、
かつ紫外線吸収剤および/または光安定剤の量がエマル
ジョン(A)の樹脂固形分100 部に対して0.05〜10部な
かんづく0.1 〜5部となるように調整することが好まし
い。前記成膜助剤の量がエマルジョン(A)の樹脂固形
分に対して1重量%未満であるばあいには成膜性が劣
り、またかかる紫外線吸収剤および/または光安定剤の
配合量が0.05部未満であるばあいには、えられる樹脂組
成物の耐候性の向上が不充分となる傾向があり、また10
部をこえるばあいには塗膜への着色が見られる傾向があ
る。
【0082】本発明の硬化性樹脂組成物の架橋による硬
化を促進させようとするばあいには、必要に応じて被塗
布物への塗布時などに硬化剤を配合することができる。
【0083】前記硬化剤としては、たとえばジブチルス
ズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチ
ルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、ジ
ブチルスズジアセテート、ジブチルスズジメトキサイ
ド、トリブチルスズサルファイト、ジブチルスズチオグ
リコレート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物、ア
ルミニウムイソプロピレート、アルミニウムトリス(エ
チルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチ
ルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウ
ムジイソプロピレートなどの有機アルミニウム化合物な
どの有機金属化合物;パラトルエンスルホン酸などの酸
性化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩
基性化合物;酸性リン酸エステルとアミンとの混合物あ
るいは反応物などがあげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができるが、これらのなか
では硬化活性が高いという点から有機スズ化合物および
有機アルミニウム化合物が好ましい。
【0084】なお、硬化剤として有機金属化合物を用い
るばあいには、あらかじめたとえばアルキルエーテル型
の界面活性剤を用いて乳化したものを、被塗布物への塗
布時に樹脂組成物に添加すると、樹脂組成物が硬化性お
よび保存安定性にすぐれるので好ましい。
【0085】前記硬化剤の配合量は、エマルジョン
(A)の樹脂固形分100 部に対して0.01〜10部、なかん
づく0.1 〜5部であることが好ましい。かかる配合量が
0.01部未満であるばあいには、硬化剤を用いたことによ
る硬化活性の発現効果が不充分となる傾向があり、また
10部をこえるばあいには、えられる樹脂組成物を用いて
形成された塗膜の耐水性が低下する傾向がある。
【0086】また、本発明においては、通常塗料に用い
られている、たとえば二酸化チタン、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、カオリンなどの白色顔料、カーボンブラ
ック、ベンガラ、シアニンブルーなどの有色系顔料など
の顔料、コロイダルシリカ、可塑剤、溶剤、分散剤、増
粘剤、消泡剤、防腐剤、造膜助剤などの添加剤、エチル
シリケート、メチルシリケートあるいはそれらの部分加
水分解縮合物などを、必要に応じて前記硬化性樹脂組成
物に配合することができる。
【0087】また、市販されている水系の塗料を、本発
明の硬化性樹脂組成物に配合することができる。かかる
水系の塗料としては、たとえばアクリル系塗料、アクリ
ルメラミン系塗料などの熱硬化性アクリル塗料、アルキ
ッド塗料、エポキシ系塗料、フッ素樹脂塗料などがあげ
られ、これらを配合したばあいには、樹脂組成物を用い
て形成された塗膜の耐候性、耐酸性、耐溶剤性などを向
上させることができる。また増粘剤などの添加剤を配合
することによって、本発明の硬化性樹脂組成物は接着
剤、粘着剤などの用途に用いることも可能である。
【0088】また、本発明においては、架橋剤として、
たとえばメラミン樹脂、イソシアネート化合物などを硬
化性樹脂組成物に添加し、速硬化性などを付与すること
もできる。
【0089】本発明の硬化性樹脂組成物を、たとえば浸
漬、吹付け、刷毛などを用いた塗布などの通常の方法に
よって被塗布物に塗布し、常温でそのまま、または60〜
200℃程度で焼付けて硬化させ、塗膜をうることができ
る。
【0090】本発明の硬化性樹脂組成物は、たとえば建
築内外装用、メタリックベースあるいはメタリックベー
ス上のクリアーなどの自動車用、アルミニウム、ステン
レスなどの金属直塗用、ガラス直塗用、天然大理石、御
影石などの石材直塗用、スレート、コンクリート、瓦な
どの窯業系基材直塗用の塗料をはじめ、表面処理剤とし
て好適に使用しうるものである。
【0091】つぎに本発明の硬化性樹脂組成物を実施例
に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。
【0092】製造例1〜3(エマルジョン(A)の製
造) 撹拌器、還流冷却器、チッ素ガス導入管および滴下ロー
トを備えた反応容器に、脱イオン水40部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.9 部(製造例1)またはポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート
(Newcol-560SN:日本乳化剤(株)製)0.9部(製造例2お
よび3)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
1部、ロンガリット0.35部、酢酸アンモニウム0.5 部、
t−ブチルハイドロパーオキサイド0.2 部および表1に
示す組成の混合物158 部中の20部を添加して初期仕込み
を行なった。こののち、チッ素ガスを導入しつつ50℃に
昇温し、1時間加温後、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド0.5 部および前記混合物158 部中の残りの138 部の
混合物を滴下ロートにより3時間かけて等速滴下した。
こののち、1時間後重合を行ない、脱イオン水を添加し
て樹脂固形分濃度が40重量%のエマルジョン(A)−1
(製造例1)、(A)−2(製造例2)および(A)−
3(製造例3)をえた。
【0093】
【表1】
【0094】製造例4〜7(紫外線吸収剤および/また
は光安定剤を溶解または懸濁させた成膜助剤成分(B)
の製造) 表2に示す組成でガラス容器に成膜助剤を入れ、紫外線
吸収剤または光安定剤を加えたのち、ディスパーで1000
rpm ×3分間攪拌し、成膜助剤成分(B)−1〜(B)
−4を製造した。なお、表2中のCS−12は、2,2,4-ト
リメチルペンタンジオール-1,3- モノイソブチレートの
商品名(チッソ(株)製)である。
【0095】
【表2】
【0096】実施例1〜8および比較例1〜5 製造例1〜3でえられたエマルジョン(A)に製造例4
〜7でえられた紫外線吸収剤または光安定剤を含有した
成膜助剤成分(B)および硬化剤としてジブチルスズジ
ラウレートを表3に示す割合で配合し硬化性樹脂組成物
をえた。
【0097】えられた硬化性樹脂組成物の耐候性を以下
の方法にしたがって評価した。その結果を表3に示す。
なお、比較例4においては、TINUVIN328とCS-12 とを別
個に直接エマルジョンに添加した。
【0098】(耐候性)スレート板上に乾燥膜厚が30μ
mとなるように硬化性樹脂組成物を塗布し、常温で2週
間乾燥したのち、サンシャインウェザオメーター(スガ
試験機株式会社製)および光沢計(60°鏡面反射光)を
用いて2000時間促進耐光性試験後の60°光沢保持率
(%)を算出した。
【0099】
【表3】
【0100】表3に示された結果から、実施例1〜8で
えられた硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜は、
紫外線吸収剤および/または光安定剤が含有されていな
い硬化性樹脂組成物(比較例1〜3)や紫外線吸収剤ま
たは光安定剤は含有されているが、それらが成膜助剤中
に溶解または懸濁されていない硬化性樹脂組成物(比較
例4、5)を用いたばあいよりも耐候性がはるかにすぐ
れていることがわかる。
【0101】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、耐候性に
すぐれた塗膜を形成することができる。
【0102】したがって、本発明の硬化性樹脂組成物
は、たとえば建築物内外装、自動車、家電製品などの塗
装に好適に使用しうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−25421(JP,A) 特開 平3−192166(JP,A) 特開 昭58−180563(JP,A) 特開 昭56−70061(JP,A) 特開 平7−157625(JP,A) 特開 平7−26154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C09D 5/00 - 201/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基
    およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、X
    1 はハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ア
    シロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコ
    キシ基またはアミノ基、aは0〜2の整数を示す(ただ
    し、R1 またはX1 がそれぞれ2以上であるばあいに
    は、これらは同一または相異なる))で表わされるシリ
    ル基を含有する重合体のエマルジョン(A)ならびに紫
    外線吸収剤および/または光安定剤を溶解または懸濁さ
    せた成膜助剤成分(B)を含有してなる硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表わされるシリル基を含
    有する重合体がアルコキシシリル基含有ビニル系単量体
    1〜30重量%、ポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビ
    ニル系単量体0.1 〜10重量%および残部他のビニル系単
    量体からなる重合成分をポリオキシエチレン鎖を有する
    アニオン性界面活性剤を用いて共重合してなる乳化共重
    合体である請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
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