JP2003096259A - 水分散硬化剤組成物 - Google Patents

水分散硬化剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加水分解性シリル其含有化合物の加水分解・
縮合を促進させる新しい形態の触媒を提供すること。特
に、加水分解性シリル基を含有する水性塗料に用いた場
合、優れた粘度特性・耐候性・耐汚染性・光沢の高い外
観を付与できる触媒を提供することである。 【解決手段】 窒素官能基含有ビニル系単量体、その他
のビニル系単量体を共乳化重合して得られるエマルジョ
ンと、水への溶解度の低い有機酸性化合物を含む均一水
分散体を、加水分解性シリル基含有化合物、特に、加水
分解性シリル基含有樹脂エマルジョンよりなる水性塗料
の硬化触媒として用いることで解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加水分解性シラン
化合物の加水分解・縮合反応を促進させる新しい形態の
硬化触媒であり、特に、加水分解性シリル基を含有する
水性塗料に用いた場合、優れた粘度特性、優れた耐候性
・耐汚染性・外観を付与する硬化触媒組成物および触媒
としての利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、加水分解性シラン化合物の加
水分解・縮合触媒として、錫、チタン、アルミニウム化
合物などの金属触媒、酸/塩基を組み合わせた触媒等が
知られている。酸/塩基系では、特に、有機酸とアミン
の組み合わせが硬化物の物性の点で広く用いられてい
る。アルコキシシリル基を含有する水性塗料用の触媒と
しては、錫の乳化物を用いることにより優れた硬化性を
有することが特開平7−133396に記載されてい
る。しかし、硬化触媒として錫乳化物を用いた場合、形
成された塗膜の光沢が低いという欠点を有していた。ま
た、リン酸アルキルエステル/アミンよりなる水分散体
を触媒として使用することが特開平2001−2071
17に記載されているが、塗料の粘度が大幅に低下する
という欠点を有していた。
【0003】一方、窒素官能基を有する乳化重合体につ
いては、アミド基含有単量体・N、N−ジアルキルアミ
ノ基含有単量体・イミノ基含有単量体を用いる製造方法
が古くから提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、優れた硬化性を有し、且、優れた粘度特性
・起泡性を改善できる加水分解性シラン化合物、特に、
アルコキシシリル基含有水性塗料の硬化触媒を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、か
かる現状を鑑み、鋭意検討した結果、窒素官能基を含有
する乳化重合体と有機酸を組み合わせることにより、良
好な分散状態を保持し、水性塗料へ添加した場合でも、
粘度低下が抑制されることを見出した。また、各種基材
への良好な密着性を有する硬化物を与える硬化触媒であ
ることを見出した。
【0006】即ち、本発明は、窒素官能基含有ビニル系
単量体、その他のビニル系単量体を共乳化重合して得ら
れるエマルジョンと、有機酸性化合物を含む加水分解性
シリル基含化合物用の水分散硬化剤組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】(窒素官能基含有エマルジョン)
本発明における窒素官能基を有するエマルジョンの製造
方法は、窒素官能基を含有するビニル系単量体と共重合
可能なビニル系単量体を共乳化重合することにより得ら
れる。
【0008】本発明に適用可能な窒素官能基を含有する
ビニル系単量体としては、N−メチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルアミノエス
テル類、ビニルピリジン等のモノビニルピリジン類、ジ
メチルアミノエチルビニルエーテル等のアルキルアミノ
基を有するビニルエーテル類、N−(2−ジメチルアミ
ノエチル)アクリルアミドまたはN−(2−ジメチルア
ミノエチル)メタクリルアミド等のアルキルアミノ基を
有する不飽和アミド類等が挙げられる。他のビニル系単
量体との共重合性、エマルジョンの安定性の点からジア
ルキルアミノ基含有単量体が好ましい。更に好ましく
は、(メタ)アクリレート官能基を有するジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレートが好ましい。
【0009】窒素官能基を含有するビニル系単量体の使
用量は、それぞれの窒素官能基含有ビニル系単量体の親
水性度により使用可能部数が変化するが、0.5〜10
部が好ましく、2〜8部が更に好ましい。窒素官能基を
含有するビニル系単量体の使用量が0.5部未満の場
合、有機酸との相溶性が低下し、分離が発生する。ま
た、10部を超える場合、硬化物の親水性が高くなり、
耐水性が低下する。
【0010】窒素官能基を含有するビニル系単量体と共
重合可能なビニル系単量体としては、特に限定はない
が、具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレート、
i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリ
レート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリ
ルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステア
リルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
イソボニルメタクリレートなどの(メタ)アクリレート
系単量体;ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフル
オロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレ
ン、トリフルオロ(メタ)アクリレート、ペンタフルオ
ロ(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロピルメタクリレート、β−(パーフルオロオクチ
ル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有ビニ
ル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、クロロス
チレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなど
の芳香族炭化水素系ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステ
ルやアリル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのニ
トリル基含有ビニル系単量体;グリシジル(メタ)アク
リレートなどのエポキシ基含有ビニル系単量体;2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、ヒドロキシスチレン、アロニクス5
700(東亜合成化学(株)製)、placcelFA
−1、placcelFA−4、placcelFM−
1、placcelFM−4(以上、ダイセル化学
(株)製)、HE−10、HE−20、HP−10、H
P−20(以上日本触媒化学(株)製)、ブレンマーP
EPシリーズ、ブレンマーNKH−5050、ブレンマ
ーGLM(以上日本油脂(株)製)、水酸基含有ビニル
系変性ヒドロキシアルキルビニル系モノマーなどの水酸
基含有ビニル系単量体;東亜合成化学(株)製のマクロ
モノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−
6、AK−5などの化合物、ビニルメチルエーテル、プ
ロピレン、ブタジエン等が挙げられる。
【0011】更に、エマルジョンの安定性を向上させる
ことが可能な親水性を有するビニル系単量体も使用可能
である。使用可能な親水性基を有するビニル系単量体と
しては、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−スルホエ
チルメタクリレートナトリウム、2−スルホエチルメタ
クリレートアンモニウム、ポリオキシエチレン鎖を有す
るビニル系単量体及びポリプロピレン鎖を有するビニル
系単量体が挙げられる。ポリオキシエチレン鎖を有する
ビニル系単量体に限定はないが、ポリオキシエチレン鎖
を有するアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル
が好ましく、具体例としては、ブレンマーPE−90、
PE−200、PE−350、PME−100、PME
200、PME−400、AE−350(以上日本油脂
(株)製)、MA−30、MA−50、MA−100、
MA−150、RA−1120、RA−2614、RM
A−564、RMA−568、RMA−1114、MP
G130−MA(以上日本乳化剤(株)製)などが挙げ
られる。ポリオキシプロピレン鎖を有するビニル系単量
体に限定はないが、ブレンマーPP−1000、PP−
500、PP−800、AP−400(以上日本油脂
(株)製)、RS−30(三洋化成工業(株)製)など
が挙げられる。
【0012】また、触媒として添加した場合の耐水性、
耐久性を向上させる目的で、粒子に架橋を導入できるよ
うなビニル系単量体も使用可能である。具体例として
は、加水分解性シリル基を含有する単量体、不飽和結合
を2つ以上有する単量体を使用できる。
【0013】加水分解性シリル基を含有する単量体とし
ては、取扱いの容易さ、価格の点および反応副生成物が
生じない点から、アルコキシシリル基含有ビニル系モノ
マーが好ましい。アルコシキシシリル基含有ビニルモノ
マーの具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2
−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロポキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プ
ロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメ
トキシシラン等が挙げられる。加水分解性シリル基含有
ビニル系単量体は共重合された後、本発明の必須成分で
ある有機酸を添加することにより、加水分解・縮合反応
が進行し、シロキサン結合が生成する。このことによ
り、架橋構造を有する粒子となる。
【0014】また、ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、エチレングリコールジアクリレート、トリアリ
ルシアヌレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニ
ルベンゼンなどの重合性の不飽和結合を2つ以上有する
単量体を使用した場合、生成するポリマーが架橋構造を
有するものとなり、粒子内部に架橋を有する構造とな
る。
【0015】本発明のエマルジョンは、通常の方法を採
用することで得ることができるが、エマルジョンの粒子
径および安定性を考慮すると乳化重合法が好ましい。
【0016】前記乳化重合法には特に限定がなく、たと
えばバッチ重合法、モノマー滴下重合法、乳化モノマー
滴下重合法などの各種乳化重合法の中から適宜選択して
採用することができるが、本発明においては、特に製造
時のエマルジョンの安定性を確保する上で、モノマー滴
下重合法および乳化モノマー滴下重合法が好ましい。
【0017】乳化重合に際しては、通常用いられるイオ
ン性または非イオン性の界面活性剤を用いることができ
る。本発明においては、窒素官能基を含有する単量体が
必須成分となるため、可能な限り、非イオン性の界面活
性剤を用いることが望ましい。イオン性の界面活性剤を
用いることも可能である。
【0018】イオン性界面活性剤としては、たとえばポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェー
ト、ポリオキシエチレンアリルエーテルサルフェート、
オクチルフェノキシエトキシエチルスルホネート、ポリ
オキシエチレントリデシルエーテルサルフェートなどの
ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤;
ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムなどのスルホン酸塩;イミダゾリンラウレー
ト、アンモニウムハイドロオキサイドなどのアンモニウ
ム塩などが代表例として挙げられるが、これらの中で
は、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性
剤が好ましい。
【0019】また、非イオン性界面活性剤としては、た
とえばポリエチレングリコールノニルフェニルエーテ
ル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチ
レン類;L−77、L−720、L−5410、L−7
602、L−7607(以上、ユニオンカーバイド社
製)などのシリコーンを含む非イオン系の界面活性剤な
どが代表例として挙げられる。
【0020】本発明においては、界面活性剤として1分
子中に重合性二重結合を有する反応性界面活性剤を用い
ることができる。また、特に分子内にポリオキシエチレ
ン基を有する反応性界面活性剤を用いた場合には、機械
的安定性を向上させることができる。
【0021】かかる反応性界面活性剤の具体例として
は、たとえばアデカリアソープNE−10、NE−2
0、NE−30、NE−40、SE−10N(以上、旭
電化工業(株)製)、Antox−MS−60(日本乳
化剤(株)製)、アクアロンRN−20、RN−30、
RN−50、HS−10、HS−20、HS−1025
(以上、第一工業製薬(株)製)などが挙げられる。
【0022】前記界面活性剤は、単独または2種以上を
混合して用いることができ、その使用量は、重合成分全
量100部に対して10部以下、好ましくは0.5〜8
部である。
【0023】重合開始剤としては、特に限定はないが、
重合をより安定に行なうために、重合開始剤としてレド
ックス系触媒を用いることが望ましい。また、重合中の
混合液の安定性を保持し、重合を安定に行なうために
は、温度は70℃以下、好ましくは40〜65℃であ
り、pHは5〜9に調整することが好ましい。
【0024】前記レドックス系触媒としては、たとえば
過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムと酸性亜硫酸
ナトリウムまたはロンガリットとの組み合わせ、過酸化
水素とアスコルビン酸との組み合わせ、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物と酸性亜
硫酸ナトリウム、ロンガリットなどとの組み合わせなど
が挙げられる。特に、有機過酸化物と還元剤との組み合
わせが好ましい。
【0025】前記重合開始剤の使用量は、重合成分全量
100部に対して0.01〜10部、好ましくは0.0
5〜5部である。かかる重合開始剤の使用量が0.01
部未満である場合には、重合が進行しにくくなることが
あり、10部を超える場合には、生成する重合体の分子
量が低下する傾向がある。
【0026】また、重合開始剤の触媒活性を安定的に付
与するために、硫酸鉄などの2価の鉄イオンを含む化合
物とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどのキレー
ト化剤を用いてもよい。かかるキレート化剤の使用量
は、重合成分全量100部に対して0.0001〜1
部、好ましくは0.001〜0.5部である。
【0027】重合体の分子量を調節するために連鎖移動
剤の添加も可能である。連鎖移動剤としては公知のも
の、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ド
デシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチ
ルジエトキシシラン等のメルカプタン系化合物、クロロ
ホルム、四塩化炭素等の有機ハロゲン化物、スルフィド
ベンゼン、イソプロピルベンゼン、塩化第二鉄等が挙げ
られる。
【0028】エマルジョン中の樹脂固形分濃度は、20
〜70重量%が好ましく、さらに好ましくは30〜60
重量%となるように調整する。かかる樹脂固形分濃度が
70重量%を超える場合には、系の濃度が著しく上昇す
るため、重合反応に伴なう発熱を除去することが困難に
なったり、重合器からの取り出しに長時間を要するよう
になる傾向がある。また、樹脂固形分濃度が20重量%
未満である場合には、重合操作の面では何ら問題は生じ
ないものの、1回の重合操作によって生じる樹脂量が少
なく、経済面で不利となる。
【0029】なお、本発明に用いられるエマルジョン
は、平均粒子径が0.02〜1.0μm程度が好まし
い。平均粒子径は、重合に用いる乳化剤量で調整するこ
とが可能である。 (使用可能な有機酸化合物)本発明における有機酸性化
合物としては、水へ難溶であるものに限定される。水溶
性の酸性化合物は、加水分解性シラン化合物の加水分解
・縮合反応の触媒としては、活性が低く、不適である。
また、乳化重合体に添加した場合、媒体である水に溶解
し、著しい粘度の上昇が生じ、ハンドリングが困難とな
る。また、窒素官能基を含有させた場合、粒子中の窒素
官能基との中和反応により、粒子を形成するポリマーの
親水性が高くなり過ぎ、水溶性ポリマーとなり、エマル
ジョンが崩壊する。
【0030】かかる有機酸性化合物としては、特に限定
はないが、アラルキル基を有する有機基と硫酸、スルフ
ォン酸、カルボン酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の酸性基
を併有する化合物が挙げられる。入手の容易さ、価格の
点から硫酸化合物、スルフォン酸化合物、カルボン酸化
合物、リン酸化合物であることが好ましい。
【0031】硫酸化合物、スルフォン酸化合物として
は、ラウリル硫酸やベンゼンスルホン酸、トルエンスル
ホン酸、キシレンスルフォン酸、ナフタレンスルフォン
酸等が挙げられる。カルボン酸化合物の例としては、カ
プロン酸、n−ヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、ス
テアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸等のアルキル基を
有するもの、ハロゲン化アルキル基を有するもの等が挙
げられる。また、加水分解性シリル基を加水分解・縮合
させる触媒活性の点からリン酸化合物が好ましい。リン
酸化合物としては、一般式(1)で示される化合物が特
に好ましく、
【0032】
【化1】 (式中のX2は、アルコキシ基、アルキル基、アラルキ
ル基、アリール基より選ばれる1価の炭化水素基、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル基、ポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル基、aは1または2の整数であ
る。) 具体例としてはジブチルホスフェート、2―エチルヘキ
シルアシッドホスフェート、ジ−2―エチルヘキシルホ
スフェート、モノイソデシルアシッドホスフェート、ジ
イソデシルホスフェート、ラウリルアシッドホスフェー
ト、ステアリルアシッドホスフェート等の酸性リン酸エ
ステル化合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリ
ン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、
ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸等のポリオ
キシエチレンアルキルリン酸化合物が挙げられる。なか
でも一般式 におけるXがアルコキシであって、かつ炭
素数が4以上であるリン酸化合物がより好ましい。具体
例としては、ジブチルホスフェート、2―エチルヘキシ
ルアシッドホスフェート、ジ−2―エチルヘキシルホス
フェート、モノイソデシルアシッドホスフェート、ジイ
ソデシルホスフェート、ラウリルアシッドホスフェー
ト、ステアリルアシッドホスフェート等の酸性リン酸エ
ステル化合物が挙げられる。なかでも炭素数が8以上の
ものがより好ましい。
【0033】これらの有機酸性化合物は、窒素官能基を
有するエマルジョンの固形分に対し、10〜100部が
好ましい。10部未満の場合、触媒として使用した場
合、窒素官能基を有するエマルジョンの樹脂部分が硬化
物へ与える物性への影響が大きくなり過ぎる。また、1
00部を超える場合、水分散体の粘度が上昇し、ハンド
リングが困難となる。有機酸性化合物の更に好ましい配
合量は、窒素官能基を有するエマルジョンの固形分に対
し、15〜75部である。また、窒素官能基を基準とし
た場合、0.05〜1当量が好ましい。
【0034】これらの有機酸性化合物は、単独で用いて
もよく2種類以上を併用してもよい。 (混合方法)本発明における窒素官能基含有エマルジョ
ンと有機酸性化合物の混合方法は、特に一般的な方法で
よい。例えば、窒素官能基を含有するエマルジョンに有
機酸性化合物を添加し、撹拌する方法が容易である。ま
た、窒素官能基を含有するエマルジョンの重合中に有機
酸性化合物を存在させておく方法も本発明を妨げるもの
ではない。
【0035】水への溶解性が低い有機酸性化合物は、エ
マルジョンに混合された場合、粒子内部に溶解または粒
子表面近傍に被覆する状態となる。エマルジョン中の窒
素官能基と有機酸性化合物が一部中和反応することで、
上記状態が保持される。 (有効な加水分解性シラン化合物)本発明の窒素官能基
含有エマルジョンと有機酸性化合物よりなる水分散体組
成物は、加水分解性シラン化合物の加水分解・触媒反応
を促進する触媒として用いられる。かかる加水分解性シ
ラン化合物としては、一般式(2)で示される様な珪素
原子に直接ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ
基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオ
アルコキシ基、アミノ基が結合した構造を有する化合物
が挙げられる。
【0036】
【化2】 (式中、R1は炭素数1〜10までのアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基より選ばれる1価の炭化水素基、
Xはハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシ
ロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキ
シ基、アミノ基より選ばれる基、aは0〜3までの整
数、Siに結合するX及びR1がそれぞれ2個以上の場
合、それらは同一の基であっても異なる基であってもよ
い。)これらの加水分解性シラン化合物の中でも、アル
コキシシラン類の触媒として、特に有用であり、かかる
アルコキシシラン類としては、アルキルアルコキシシラ
ン類、シリケート類及びその部分加水分解縮合物、アル
コキシシリル基を含有する樹脂等が挙げられる。これら
のアルコキシシラン類の単独及び2種以上を併用した組
成物に対しても有効である。
【0037】アルキルアルコキシシランとしては、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエ
トキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−
プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルメ
トキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチル
メトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等が挙げら
れる。
【0038】シリケート類及びその部分加水分解縮合物
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−
i−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラ
ン、及びまたはその部分加水分解縮合物が挙げられる。
【0039】アルコキシシリル基を含有する樹脂として
は、ポリアルキレンオキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、
ポリエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹
脂等の有機高分子鎖の側鎖及びまたは末端にアルコキシ
シリル基を有する樹脂が挙げられる。
【0040】ポリアルキレンオキシ樹脂としては、ポリ
プロピレンオキシ鎖の末端に加水分解性シリル基を含有
するシリコン変性ポリマー(MSポリマー:鐘淵化学社
製)、ポリオレフィン樹脂としては、ポリイソブチレン
鎖の末端に加水分解性シリル基を含有する樹脂(エピオ
ン:鐘淵化学社製)が一例として挙げられる。これらの
樹脂は、シーリング材・接着剤等の用途に使用される。
本発明の窒素官能基含有エマルジョンと有機酸性化合物
よりなる水分散体組成物を硬化触媒として使用した場
合、組成物中に水が含まれているため、加水分解反応が
促進され、硬化速度が上昇する。特に、疎水性の高いポ
リイソブチレン樹脂を主鎖に有するエピオンに用いた場
合、硬化物の内部の硬化速度が上昇し、理想的な硬化物
を与える。
【0041】ポリアクリル樹脂としては、(メタ)アク
リル酸のアルキルエステル、スチレン等のモノマーと加
水分解性シリル基含有ビニル系単量体を共重合した様な
アクリル樹脂側鎖にアルコキシシリル基を有する様な樹
脂が挙げらる。これらの樹脂の形態としては、有機溶剤
中で重合された重合体、水系溶媒で重合された水分散樹
脂の何れへも有効である。
【0042】有機溶剤中で重合された側鎖にアルコキシ
シリル基を有するアクリル樹脂は塗料用のバインダー
(ゼムラック:鐘淵化学社製)として、広く使用されて
いる。本発明の窒素官能基含有エマルジョンと有機酸性
化合物よりなる水分散体組成物を硬化触媒として使用し
た場合、この場合も少量の水が存在するため、加水分解
反応が促進される。特に、強制乾燥用に用いる場合、触
媒として添加されてから加熱されるまでの間に加水分解
反応のみが促進され、加熱過程で十分な縮合反応が進行
する。このようにして得られた塗膜は、良好な硬化物特
性を示す。
【0043】本発明の窒素官能基含有エマルジョンと有
機酸性化合物よりなる水分散体組成物が硬化触媒として
は、アルコキシシリル基を側鎖に有するアクリル樹脂の
水分散樹脂で特に有用である。アルコキシシリル基を含
有するエマルジョンは、一般的に乳化重合で製造され、
水性塗料のバインダーとして使用できる記載がある。こ
のアルコキシシリル基は触媒の添加で加水分解・縮合反
応が進行し、架橋塗膜を与える。この触媒としては、以
前より有機錫化合物の水分散体、有機酸とアミンの水溶
液が提案されている。ジブチル錫ジラウレート、ノニオ
ン系乳化剤、水を高速撹拌することにより作製した錫乳
化物をアルコキシシリル基含有エマルジョンより作製し
た水性塗料の触媒として用いた場合、十分な硬化反応が
進行することが確認できている。しかし、塗膜光沢値は
低いという欠点があった。また、有機酸とアミンの水溶
液としては、ジ−2−エチルヘキシルホスフォネートと
アンモニア水より作製した水分散体が使用されている。
この水分散体を上記水性塗料の硬化触媒として用いた場
合、塗料の粘度が大幅に低下するという欠点を有してい
た。この塗料の粘度低下は、水性塗料を製造する際に使
用されるウレタン会合系増粘剤の増粘効果を消失させる
ことが原因である。本発明の窒素官能基含有エマルジョ
ンと有機酸性化合物よりなる水分散体組成物を上記水性
塗料の硬化触媒として使用した場合、高い光沢、十分な
硬化性、塗料粘度の保持、また、乳化剤の使用量が少な
いことから起泡しにくいという利点がある。
【0044】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 (窒素官能基を含有するエマルジョンの製造)撹拌機、
還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた
反応容器に、脱イオン水33重量部、Newcol−7
07SF(日本乳化剤(株)製:3%希釈)2.5重量
部、酢酸アンモニウム0.15重量部、ロンガリット
0.05重量部、t−ブチルハイドロパーオキサイド
0.04重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ50℃
に昇温した。表1に示す組成の混合物のうち5重量部を
滴下して30分間初期重合を行った。表1の残り95重
量部にアクアロンHS0515(第一工業製薬(株)
製:有効成分15%)10.25重量部、アクアロンR
N−30(第一工業製薬(株)製:20%希釈)3.5
重量部および脱イオン水42.5重量部を加え乳化した
モノマーを、3時間かけて等速追加した。同時にロンガ
リット0.4重量部、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド0.3重量部をモノマー追加時に分割投入した。この
後、1時間後重合を行い、樹脂固形分が50重量%のエ
マルジョンを得た。
【0045】
【表1】 (窒素基含有エマルジョンと有機酸化合物の複合化)表
1のモノマー種を用いて製造したエマルジョンに脱イオ
ン水を一括投入し、更に、有機酸化合物を一括投入し、
1時間室温で撹拌した。表2に用いたエマルジョン、有
機酸化合物を示す。窒素官能基を含有するエマルジョン
(A−1、A−2)を用いた場合、均一なエマルジョン
(B−1〜B−3)が得られた。これに対し、窒素官能
基を含有しないエマルジョン(A−3)を用いた場合、
有機酸化合物(DP−8R:ジ−2−エチルヘキシルホ
スフェート)は表層に分離し、均一なエマルジョンは得
られなかった(B−4)。
【0046】
【表2】 (燐酸エステル/アミン触媒の調整:B−5)28%ア
ンモニア水3重量部を脱イオン水77重量部で希釈し、
撹拌しながら、DP−8Rを20重量部、30分かけて
連続追加した。この操作によりDP−8R/アンモニア
水分散体を得た。 (錫触媒の調整:B−6)ジブチルスズジラウレート
(DTL)10重量部、TD−10014(日本乳化剤
(株)製の界面活性剤)4重量部、TD−1006(日
本乳化剤(株)製の界面活性剤)6重量部、プロピレン
グリコール10重量部を配合、攪拌し、徐々に脱イオン水
70重量部を添加することでDTL乳化物を得た。 (アルコキシシリル基含有水性樹脂の合成例)撹拌機、
還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた
反応容器に、脱イオン水33重量部、Newcol−7
07SF(日本乳化剤(株)製:3%希釈)2.5重量
部、酢酸アンモニウム0.15重量部、ロンガリット
0.05重量部、t−ブチルハイドロパーオキサイド
0.04重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ50℃
に昇温した。メチルメタクリレート15重量部、ブチル
アクリレート13重量部、ブチルメタクリレート53重
量部、イソブチルメタクリレート11重量部、γ−メタ
クリロキシプロピルトリエトキシシラン5重量部、MA
100 3重量部の混合物のうち5重量部を滴下して3
0分間初期重合を行った。上記モノマー混合物の残り9
5重量部にアクアロンBC0515(第一工業製薬
(株)製:有効成分15%)10.25重量部、アクア
ロンRN2025(第一工業製薬(株)製:20%希
釈)3.5重量部および脱イオン水42.5重量部を加
え乳化したモノマーを、3時間かけて等速追加した。同
時にロンガリット0.4重量部、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド0.3重量部をモノマー追加時に分割投入
した。この後、1時間後重合を行い、樹脂固形分が50
重量%のエマルジョンを得た(C−1)。 (シリケート含有アルコキシシリル基含有樹脂の調整)
テトラエトキシシラン100重量部にイソプロピルアル
コール300重量部混合し、70℃に昇温し1N塩酸水
溶液を0.1重量部添加し3時間攪拌した。その後、温
度を室温へ下げ水酸化ナトリウムでpH7付近へ中和
し、さらに溶剤を減圧除去して、イソプロピルアルコー
ルでエステル交換されたシリケート化合物を得た。上記
シリケートにポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウ
ム5重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル3重量部とを混合し、攪拌しながら、ゆっくりと脱イ
オン水を62重量部を加えて、乳化物を作成した。
【0047】アルコキシシリル基含有水性樹脂(C−
1)に上記シリケートの乳化物を(C−1)の樹脂固形
分に対し、シリケート固形分が15重量%となる添加量
を混合し、シリケートを含有するアルコキシシリル基含
有水性樹脂を作製した(C−2)。 (白エナメル塗料の作製方法)調整した水性樹脂C−
1、C−2を表3に示す顔料ペーストを用い、表4の塗
料化の配合方法に従い塗料化した。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】 (物性評価) ○塗料粘度 BM型粘度計を用い、23℃の恒温で測定した。No.
4ローターを用い、6、60rpmの速度で測定を実施
した。白エナメル塗料の粘度低下は、触媒前後の粘度低
下率(6rpm)を算出し、 60%以上:○ 40〜60%:△ 40%未満:× とした。 ○硬化性 樹脂に硬化触媒を添加し、ポリエチレンフィルム上で乾
燥させ、得られた固形物をアセトンに24時間浸漬し、
70℃で6時間乾燥させ、浸漬前後の重量変化率を計算
した。 ○光沢 作製した白エナメル塗料に本発明の触媒を添加し、60
ミルのアプリケーターで塗装し、14日間室温で養生し
た。養生後、入射角20°および60°の光沢値を光沢
計Multi-Gloss268(ミノルタ(株)製)で測定した。
光沢値は、3回測定した値の平均値を算出した。 ○起泡性 作製した白エナメル塗料に本発明の触媒を添加し、起泡
状態を目視で観察した。
【0050】 5分で消泡する:○ 5〜10分で小奉する:△ 10分以上経っても泡の状態が変化しない:× ○耐汚染性 折り曲げ曝露板(アルミ板)にエポキシ系中塗り塗料を
塗装し、1日室温で養生後、各塗料をスプレー塗装し
た。この試験板の45度面および垂直面の雨筋および非
筋部の汚れを確認した。汚染性は、曝露初期のL*a*b
*表色系で表される明度を色彩色差計(ミノルタ(株)
製:CR300)で測定し、大阪府摂津市で北面向き屋
外曝露を3カ月実施した。曝露前後の明度差の絶対値
(ΔL値)を汚染性の尺度とした。
【0051】 ◎:ΔL値が2以下 ○:ΔL値が2〜5 △:ΔL値が5〜8 ×:ΔL値が8以上 表5、表6にアルコキシシリル基含有樹脂に触媒を添加
した場合の物性評価結果を示す。
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】 (実施例1〜4)アルコキシシリル基含有樹脂として、
水性アクリルシリコンエマルジョンを用い、窒素基含有
エマルジョンと有機酸化合物の複合化物を触媒として用
いた場合、触媒添加した場合でも適度な塗料粘度を保持
し、起泡性は少なかった。また、十分な硬化性、光沢の
高い外観を有する塗膜が得られた。シリケート化合物を
含有する塗料は、良好な耐汚染性を示した。
【0054】(実施例5、6)両末端アルコキシシリル
基含有ポリプロピレンオキサイド樹脂としてMSポリマ
ー(鐘淵化学社製)、溶剤型アルコキシシリル基含有ア
クリルポリマーとしてゼムラック(鐘淵化学社製)を用
いた場合、良好な硬化性を示した。特に、水分の供給が
同時にできるため、初期硬化性能の向上が観察された。
【0055】(比較例1)硬化触媒として、DP−8R
/アンモニア水溶液を用いた場合、水性塗料の粘度低下
が激しく、また、起泡性が高い塗料混合物となった。
【0056】(比較例2)錫乳化物を硬化触媒として用
いた場合、粘度低下は発生しなかったが、光沢の低い塗
膜となった。
【0057】(比較例3、4)両末端アルコキシシリル
基含有ポリプロピレンオキサイド樹脂としてMSポリマ
ー(鐘淵化学社製)、溶剤型アルコキシシリル基含有ア
クリルポリマーとしてゼムラック(鐘淵化学社製)を用
い、DTLを硬化触媒として用いた場合、実施例5、6
と比較して、初期硬化性が低かった。
【0058】
【発明の効果】本発明の窒素基含有エマルジョンと有機
酸の複合化物をアルコキシシリル基含有樹脂の硬化触媒
として用いた場合、優れた硬化性を示す。特に、アルコ
キシシリル基含有アクリルエマルジョン塗料の硬化触媒
として用いた場合、良好な外観・耐汚染性、優れた粘度
特性、起泡抑制の効果がある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素官能基含有ビニル系単量体、その他の
    ビニル系単量体を共乳化重合して得られるエマルジョン
    と、有機酸性化合物を含む加水分解性シリル基含有化合
    物用の水分散硬化剤組成物。
  2. 【請求項2】有機酸性化合物が水への溶解度が5%以下
    であることを特徴とする請求項1記載の水分散硬化剤組
    成物。
  3. 【請求項3】前記有機酸性化合物がリン酸アルキルエス
    テルであることを特徴とする請求項1記載の水分散硬化
    剤組成物。
  4. 【請求項4】加水分解性シリル基含有化合物が加水分解
    性シリル基含有樹脂である請求項1記載の水分散硬化剤
    組成物。
  5. 【請求項5】加水分解性シリル基含有樹脂、加水分解性
    シリル基含有化合物を主成分とするコーティング材料の
    硬化触媒である請求項1記載の水分散硬化剤組成物。
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