JP4566577B2 - ポリシルセスキオキサングラフト重合体、その製造方法及び粘着剤 - Google Patents

ポリシルセスキオキサングラフト重合体、その製造方法及び粘着剤 Download PDF

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本発明は、末端部にハロゲン原子を有するポリシルセスキオキサン化合物に、原子移動ラジカル重合(ATRP:Atom Transfer Radical Polymerization)法(以下、「ATRP法」ということがある。)により、ビニル化合物をグラフト重合させて得られるポリシルセスキオキサングラフト重合体及びその製造方法、並びにこのポリシルセスキオキサングラフト重合体を用いる粘着剤及び粘着シートに関する。
従来、各種の部材や機器に貼着するラベルシートとして、基材シートに粘着剤を塗布して形成してなる粘着剤層を有する粘着シートが知られている。
この粘着シートは、押圧するだけで直ぐに貼り付けることができるという利便性から、印刷ラベル用、包装貼付用等として多くの産業分野で広く利用されている。例えば、自動車や電気・電子製品の生産ラインにおける生産管理においては、部品にバーコード印字された粘着シート(ラベル)を貼付することが行われている。
ところで、この自動車や電気・電子製品の生産ラインにおける生産管理等においては、部品によっては熱処理が施される工程があり、ラベルを使用する場合には、該ラベルに対して耐熱性が求められる。
このような耐熱用途のバーコードラベルとしては、従来、ポリイミドフィルムやポリエーテルイミドフィルムが用いられているが、これらのフィルムは高価であり、得られるバーコードラベルがコスト高になるという欠点がある。また、バーコードラベルの基材として、一般的に用いられているポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンフィルムは、安価であるものの、耐熱性に劣るという問題がある。
このような問題を解決すべく、特許文献1には、ポリエチレンナフタレートフィルムからなる基材の一方の側の面に印字用コート層を有し、かつ該基材の反対側の面に、温度150℃における粘着力が0.5N/25mm以上である耐熱性粘着剤層を有することを特徴とする耐熱性ラベルが提案されている。ここでは、耐熱性粘着剤層を構成する粘着剤として、ゴム系やアクリル系の粘着剤等が使用されている。
また、特許文献2には、基材シートの少なくとも一方の面に,耐熱性の水系粘着剤を含む感熱性粘着剤層を形成してなることを特徴とする粘着シートが記載されている。耐熱性の水系粘着剤として、アクリル系重合体エマルジョン又はゴム系ラテックスを主成分とし、粘着付与樹脂エマルジョンを配合した一般的な水系粘着剤が用いられている。
しかしながら、これらの文献に記載された粘着シートに用いられる粘着剤は従来公知のものであり、耐熱性等の面からは十分なものとはいいがたく、より耐熱性及び粘着力に優れる新しい粘着剤の開発が求められていた。
特開2002−275438号公報 特開2003−138229号公報
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、優れた耐熱性と凝集力とを兼ね備えた粘着剤となり得る新規ポリシルセスキオキサングラフト重合体及びその製造方法、並びにこのポリシルセスキオキサングラフト重合体を用いる粘着剤及び粘着シートを提供することを課題とする。
本発明者らは、2−(p−クロロメチルフェニル)エチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランとを、酸触媒(メタンスルホン酸)の存在下に反応させることにより、ラダー型構造を有するポリシルセスキオキサン化合物を合成した。そして、得られたポリシルセスキオキサン化合物の末端クロロメチル基を反応開始点とする、ATRP法によるメタクリル酸エステルとのグラフト重合により、ポリシルセスキオキサングラフト重合体が効率よく得られることを見出した。また、得られたポリシルセスキオキサングラフト重合体を含有する粘着剤は、優れた耐熱性及び凝集力を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、分子内に、式(1)
Figure 0004566577
(式中、Aは炭素数1〜20の飽和のアルキレン基、アリーレン基、又はアルキレン基とアリーレン基の組み合せを表し、R は炭化水素基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、Rアルコキシカルボニル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、エステル基又はアシル基を表す。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して任意の自然数を表し、k1、k2及びk3がそれぞれ2以上のとき、式:−CH−C(R)(R)−で表される基は同一であっても、相異なっていてもよい。l、m、nはそれぞれ独立して0又は任意の自然数を表す。ただし、m=n=0の場合を除く。)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサングラフト重合体が提供される。
本発明のポリシルセルキオキサングラフト重合体は、数平均分子量が5,000〜1,000,000であるものが好ましい。
本発明の第2によれば、分子内に、式(2)
Figure 0004566577
(式中、Aは炭素数1〜20の飽和のアルキレン基、アリーレン基、又はアルキレン基とアリーレン基の組み合せを表し、R は炭化水素基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、エステル基又はアシル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。l、m、nは、それぞれ独立して0又は任意の自然数を表す。ただし、m=n=0の場合を除く。)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサン化合物と、式(3):CH=C(R)−R(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、Rアルコキシカルボニル基を表す。)で表されるビニル化合物とを、原子移動ラジカル重合法により反応させることを特徴とする、本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法が提供される。
本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法は、式(4):〔XCH(R)A〕Si(OR(式中、A、X及びRは前記と同じ意味を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるアルコキシシラン化合物、及び前記式(4)で表されるアルコキシシラン化合物1重量部に対し、0〜100倍量の式(5):RSi(OR(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるアルコキシシラン化合物を、酸触媒又は塩基触媒の存在下に縮合させることにより、分子内に、式(2)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサン化合物を得る工程と、得られたポリシルセスキオキサン化合物を重合開始剤とし、原子移動ラジカル重合法により、式(3):CH=C(R)−R(式中、R、Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるビニル化合物と反応させる工程を有するものが好ましい。
また、本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法は、前記式(2)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサン化合物を、遷移金属錯体の存在下に、前記式(3)で表されるビニル化合物と反応させるものであるのが好ましい。
本発明の第3によれば、本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体を含有することを特徴とする粘着剤が提供される。
本発明の第4によれば、基材シートと、該基材シート上に本発明の粘着剤から形成されてなる粘着剤層とを有することを特徴とする粘着シートが提供される。
本発明によれば、優れた耐熱性及び凝集力を兼ね備えた粘着剤となり得る新規ポリシルセスキオキサングラフト重合体及びその製造方法、並びにこのポリシルセスキオキサングラフト重合体を用いる粘着剤及び粘着シートが提供される。
本発明の製造方法によれば、グラフト重合により、無機骨格であるポリシロキサン骨格へ種々の有機基の導入が可能である。
以下、本発明を、1)ポリシルセスキオキサングラフト重合体、2)ポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法、3)粘着剤、及び4)粘着シートに項分けして詳細に説明する。
1)ポリシルセスキオキサングラフト重合体
本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体は、分子内に、前記式(1)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする。
前記式(1)で表される繰り返し単位において、Aは連結基を表す。
連結基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよいアルキレン基と置換基を有していてもよいアリーレン基との組み合わせ等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキレン基のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜20の飽和のアルキレン基;ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基等の炭素数2〜20の不飽和のアルキレン基;などが挙げられる。
置換基を有していてもよいアリーレン基のアリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基等が挙げられる。
前記アルキレン基の置換基としては、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基等の置換基を有していてもよいアミノ基;水酸基;メルカプト基;アミド基、N,N−ジメチルアミド基等の置換基を有していてもよいアミド基;カルボキシル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;等が挙げられる。
前記アリーレン基の置換基としては、シアノ基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;等が挙げられる。これらの置換基は、アルキレン基又はアリーレン基の任意の位置に結合していてもよく、同一若しくは相異なって複数個が結合していてもよい。
置換基を有していてもよいアルキレン基と置換基を有していてもよいアリーレン基との組み合わせとしては、前記置換基を有していてもよいアルキレン基の少なくとも1種と、前記置換基を有していてもよいアリーレン基の少なくとも1種とを直列に結合した基が挙げられる。
の炭化水素基の置換基としては、前記Aのアルキレン基及びアリーレン基の置換基として例示したものと同様のものが挙げられる。また置換基は、炭化水素基の任意の位置に結合していてもよく、同一若しくは相異なって複数個が結合していてもよい。
は水素原子;又はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の炭素数1〜18のアルキル基;を表す。
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基を表す。
は、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のエステル基;又は、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基;を表す。
k1、k2及びk3は、それぞれ独立して任意の自然数を表し、k1、k2及びk3がそれぞれ2以上のとき、式:−CH−C(R)(R)−で表される基は同一であっても、相異なっていてもよい。
l、m、nはそれぞれ独立して0又は任意の自然数を表す。ただし、m=n=0の場合は除かれる。
本発明に用いるポリシルセスキオキサングラフト重合体の数平均分子量は特に限定されるものではないが、通常、5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000、より好ましくは50,000〜500,000である。
本発明に用いるポリシルセスキオキサングラフト重合体の分子量分布(Mw/Mn)は特に制限されないが、通常1.0〜5.0、好ましくは1.3〜3.0の範囲である。
本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体は、熱重量分析(TGA)測定において、300℃まで加熱したときの重量損失率(WL300)が10%以下、好ましくは7%以下である。
また、本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体は、従来のアクリル系粘着剤と同等又は同等以上の凝集力を示す。すなわち、JIS Z0237に準拠して測定したプローブタックが160以上であり、保持力が100sec以上であり、粘着力が6.5N/25mm以上である。
2)ポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法
本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法は、分子内に、前記式(2)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサン化合物(以下、「ポリシルセスキオキサン化合物(2)」と略記する。)と、式(3):CH=C(R)−R(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、Rは極性基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表されるビニル化合物とを、ATRP法により反応させることを特徴とする。
本発明に用いるポリシルセスキオキサン化合物(2)において、式(2)中、R、R、A、l、m及びnは前記と同じ意味を表す。また、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表し、塩素原子、臭素原子が好ましい。
本発明に用いる前記式(3)で表されるビニル化合物(以下、「ビニル化合物(3)」と略記する。)としては、ラジカル重合性のビニル基(二重結合)を有する化合物であれば特に制限されない。例えば、前記式(3)において、Rがアルコキシカルボニル基であるアクリル系化合物、Rが置換基を有していてもよいアリール基である芳香族ビニル化合物、Rがシアノ基であるビニルニトリル化合物、Rがアシル基であるビニルケトン化合物、Rがアルコキシ基であるビニルエーテル化合物、Rがアルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基であるビニルスルホン化合物、Rがアセトキシ基であるビニルエステル化合物等が挙げられる。
アクリル系化合物としては、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に制限はない。アクリル系化合物の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクレート、ドデシル(メタ)アクリレート、メトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ[(メタ)アクロイルオキシエチル]アシッドホスフェート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N,N'−ジメチルアクリルイミド等の単官能性(メタ)アクリレート化合物;
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2'−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、2,2'−ジ(ヒロドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、ペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2'−ジ(グリシジルオキシフェニル)プロパンの(メタ)アクリル酸付加物、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン等の2官能性(メタ)アクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(オキシエチル)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラア(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシ)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレート化合物;等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、3−クロロスチレン等が挙げられる。ビニルニトリル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。ビニルケトン化合物としては、ビニルメチルケトン、ビニルフェニルケトン等が挙げられる。ビニルエーテル化合物としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等が挙げられる。ビニルスルホン化合物としては、ビニルメチルスルホン等が挙げられる。また、ビニルエステル化合物としては酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性及び凝集力に優れるグラフト重合体が効率よく得られることから、アクリル系化合物の使用が特に好ましい。
また本発明においては、上記ビニル化合物(3)の2種以上を組み合わせて用いることもできる。この場合には、重合反応液に種類の異なるビニル化合物(3)を段階的に添加することにより、分子末端に、ビニル化合物(3)のブロック共重合体がグラフトしたグラフト重合体を得ることができる。
ビニル化合物(3)の使用量は、ポリシルセスキオキサン化合物(2)1重量部に対し、通常、1〜1000重量部、好ましくは5〜200重量部の範囲である。
本発明に用いるATRP法はリビングラジカル重合法の一つであって、成長ラジカルが共有化学種と可逆的に反応してラジカルを生成させて重合する方法である。ATRP法による重合はリビング的に進行し、一般的に分子量分布の狭い重合体が得られるという利点をもつ。本発明においては、分子末端にハロゲン原子を有するポリシルセスキオキサン化合物(2)が重合開始剤であり、ビニル化合物(3)がラジカル重合性化合物となる。
ATRP法は、一般的には、有機ハロゲン化合物を重合開始剤とし、遷移金属錯体からなるレドックス触媒の存在下、ラジカル重合性化合物をグラフト重合させる。ここで用いるレドックス触媒(レドックス共役錯体)は、中心金属の原子価が低原子価と高原子価との間を可逆的に変化する錯体である。
本発明に用いる遷移金属錯体としては特に制限されないが、好ましくは周期律表第7族、第8族、第9族、第10族、第11族元素を中心金属とする遷移金属の錯体が挙げられる。
本発明に用いる遷移金属錯体の中心金属としては、Cu、Ni、Ni、Ni2+、Pd、Pd、Pt、Pt、Pt2+、Rh、Rh2+、Rh3+、Co、Co2+、Ir、Ir、Ir2+、Ir3+、Fe2+、Ru2+、Ru3+、Ru4+、Ru5+、Os2+、Os3+、Re2+、Re3+、Re4+、Re6+、Mn2+、Mn3+からなる群から選ばれる一種以上の金属が挙げられる。これらの中でも、Cu、Ru2+、Fe2+、Ni2+が好ましく、Cuが特に好ましい。Cuの化合物の具体例としては、塩化第1銅、臭化第1銅、ヨウ化第1銅、シアン化第1銅などが挙げられる。
上記遷移金属錯体は、遷移金属の塩に有機配位子を作用させることにより調製することができる。有機配位子は、重合溶媒への可溶化及びレドックス共役錯体の可逆的な変化を可能にするため使用される。有機配位子としては、窒素原子、酸素原子、リン原子及び/又はイオウ原子を含有する有機配位子が挙げられるが、窒素原子またはリン原子を含有する有機配位子が好ましく、窒素原子を含有する有機配位子がより好ましい。
窒素原子を含有する有機配位子の具体例としては、2,2'−ビピリジル及びその誘導体;1,10−フェナントロリン及びその誘導体;テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリス(2−ジメチルアミノエチル)アミン等のポリアミン化合物;下記式(8)、(9)で表される含窒素複素環化合物;等が挙げられる。これらの中でも、式(8)で表される化合物((−)−Spartaine)の使用が特に好ましい。
Figure 0004566577
前記遷移金属の塩と有機配位子とは、別々に添加して重合系中で金属錯体を生成させてもよいし、予め前記遷移金属の塩と有機配位子とから調製した遷移金属錯体を重合系中へ添加してもよい。遷移金属が銅である場合には前者の方法が好ましく、ルテニウム、鉄、ニッケルの場合は後者の方法が好ましい。
予め調製される遷移金属錯体の具体例としては、トリストリフェニルホスフィノ二塩化ルテニウム、ビストリフェニルホスフィノ二塩化鉄、ビストリフェニルホスフィノ二塩化ニッケル、ビストリブチルホスフィノ二臭化ニッケル等が挙げられる。
遷移金属錯体の使用量は、反応系中の濃度として、通常1×10−4〜1モル/リットル、好ましくは1×10−3〜1×10−1モル/リットルとなる量である。また、遷移金属錯体(遷移金属の塩)として1価の銅化合物を使用した場合、有機配位子の添加量は、当該銅化合物に対し、通常1〜3モル当量、好ましくは1〜2モル当量である。
本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法は、ポリシルセスキオキサン化合物(2)の溶媒溶液に、遷移金属錯体(又は遷移金属の塩及び有機配位子)、及び前記式(3)で表されるビニル化合物の所定量を添加して、全容を撹拌することにより実施することができる。この反応は窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、フェニルエチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル類;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類;等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の使用量は、ポリシルセスキオキサン化合物(2)1gあたり、通常、0.1〜1,000ml、好ましくは1〜100mlである。
反応温度は特に制約されないが、通常0℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲、好ましくは20〜100℃である。
反応時間は、通常数分から数十時間、好ましくは1時間〜20時間である。
また、2種類以上のビニル化合物(3)を重合反応液に順次添加して、ビニル化合物(3)のブロック共重合体がグラフトしたグラフト重合体を得る場合には、ビニル化合物(3)の種類に応じて、重合反応温度及び反応時間を変化させることもできる。
重合後、周知の方法に従って、残存モノマー及び/又は溶媒を留去し、適当な溶媒中で再沈殿させ、沈殿した重合体を濾過又は遠心分離して目的とする重合体を単離することができる。
また、遷移金属錯体は、重合反応液からアルミナ、シリカ又はクレーのカラム若しくはパッドに通すことにより除去することができる。また、重合反応液に金属吸着剤を分散させて処理する方法も採用し得る。必要ならば金属成分は重合体中に残っていてもよい。
再沈殿に使用する溶媒としては、水;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜8の脂肪族炭化水素類又は脂環式炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等の炭素数1〜6のアルコール類等が挙げられる。これらの中では、水、n−ヘキサン、メタノール又はこれらの混合溶媒が好適である。
以上のようにして、目的とする式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサングラフト重合体を得ることができる。
本発明の製造方法に用いるポリシルセスキオキサン化合物(2)は、次のようにして製造することができる。すなわち、式(4):〔XCH(R)A〕Si(OR(式中、A、X及びRは前記と同じ意味を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。
)で表されるアルコキシシラン化合物(以下、「アルコキシシラン化合物(4)」という。)、及びアルコキシシラン化合物(4)1重量部に対し、0〜100倍量の、式(5):RSi(OR(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるアルコキシシラン化合物(以下、「アルコキシシラン化合物(5)」という。)を、酸触媒又は塩基触媒の存在下に縮合させることにより、ポリシルセスキオキサン化合物(2)を得ることができる。
アルコキシシラン化合物(4)の具体例としては、p−クロロメチルフェニルトリメトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリエトキシシラン、p−(2−クロロエチル)フェニルトリメトキシシラン、p−(2−クロロエチル)フェニルトリエトキシシラン、p−(3−クロロプロピル)フェニルトリメトキシシラン、p−(3−クロロプロピル)フェニルトリエトキシシラン、p−ブロモメチルフェニルトリメトキシシラン、p−ブロモメチルフェニルトリエトキシシラン、p−(2−ブロモエチル)フェニルトリメトキシシラン、p−(2−ブロモエチル)フェニルトリエトキシシラン、p−(3−ブロモプロピル)フェニルトリメトキシシラン、p−(3−ブロモプロピル)フェニルトリエトキシシラン、
p−クロロメチルフェニルメチルトリメトキシシラン、p−クロロメチルフェニルメチルトリエトキシシラン、p−(2−クロロエチル)フェニルメチルトリメトキシシラン、p−(2−クロロエチル)フェニルメチルトリエトキシシラン、p−(3−クロロプロピル)フェニルメチルトリメトキシシラン、p−(3−クロロプロピル)フェニルメチルトリエトキシシラン、p−ブロモメチルフェニルメチルトリメトキシシラン、p−ブロモメチルフェニルメチルトリエトキシシラン、p−(2−ブロモエチル)フェニルメチルトリメトキシシラン、p−(2−ブロモエチル)フェニルメチルトリエトキシシラン、p−(3−ブロモプロピル)フェニルメチルトリメトキシシラン、p−(3−ブロモプロピル)フェニルメチルトリエトキシシラン、2−(p−クロロメチルフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(p−クロロメチルフェニル)エチルトリエトキシシラン、2−(p−クロロメチルフェニル)エチルトリプロポキシシラン、2−(p−クロロメチルフェニル)エチルトリブトキシシラン、2−(p−ブロモメチルフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(p−ブロモメチルフェニル)エチルトリエトキシシラン、2−(p−ブロモメチルフェニル)エチルトリプロポキシシラン、
2−(m−クロロメチルフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(m−クロロメチルフェニル)エチルトリエトキシシラン、2−(m−クロロメチルフェニル)エチルトリプロポキシシラン、2−(m−クロロメチルフェニル)エチルトリブトキシシラン、2−(m−ブロモメチルフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(m−ブロモメチルフェニル)エチルトリエトキシシラン、2−(m−ブロモメチルフェニル)エチルトリプロポキシシラン、3−(p−クロロメチルフェニル)プロピルトリメトキシシラン、3−(p−クロロメチルフェニル)プロピルトリエトキシシラン、3−(p−クロロメチルフェニル)プロピルトリプロポキシシラン、3−(p−クロロメチルフェニル)プロピルトリブトキシシラン、3−(p−ブロモメチルフェニル)プロピルトリメトキシシラン、3−(p−ブロモメチルフェニル)プロピルトリエトキシシラン、3−(m−ブロモメチルフェニル)プロピルトリプロポキシシラン、3−(m−クロロメチルフェニル)プロピルトリメトキシシラン、3−(m−クロロメチルフェニル)プロピルトリエトキシシラン、3−(m−クロロメチルフェニル)プロピルトリプロポキシシラン、3−(m−クロロメチルフェニル)プロピルトリブトキシシラン、3−(m−ブロモメチルフェニル)プロピルトリメトキシシラン、3−(m−ブロモメチルフェニル)プロピルトリエトキシシラン、3−(m−ブロモメチルフェニル)プロピルトリプロポキシシラン、
4−(p−クロロメチルフェニル)ブチルトリメトキシシラン、4−(p−クロロメチルフェニル)ブチルトリエトキシシラン、4−(p−クロロメチルフェニル)ブチルトリプロポキシシラン、4−(p−クロロメチルフェニル)ブチルトリブトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)ブチルトリメトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)ブチルトリエトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)ブチルトリプロポキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)フェニルトリメトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)フェニルトリエトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)フェニルトリメトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)フェニルトリエトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)フェニルメチルトリメトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)フェニルメチルトリエトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)フェニルトリメトキシシラン、4−(p−ブロモメチルフェニル)フェニルメチルトリエトキシシラン、2−〔4’−(p−ブロモメチルフェニル)フェニル〕エチルトリメトキシシラン、2−〔4’−(p−ブロモメチルフェニル)フェニル〕エチルトリエトキシシラン、2−〔4’−(p−ブロモメチルフェニル)フェニル〕エチルトリメトキシシラン、2−〔4’−(p−ブロモメチルフェニル)フェニル〕エチルトリエトキシシラン、及びこれらの2種以上からなる組み合わせが挙げられる。
アルコキシシラン化合物(5)の具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、4−クロロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、2−メトキシフェニルトリエトキシシラン等の(置換)フェニルトリアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン類;シアノメチルトリメトキシシラン、シアノメチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、4−シアノブチルトリメトキシシラン、4−シアノブチルトリエトキシシラン等のシアノアルキルトリアルコキシシラン類;アセトキシメチルトリメトキシシラン、アセトキシメチルトリエトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリエトキシシラン等のアセトキシ基を有するシラン類;及びこれら2種以上の組合せ等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物(4)とアルコキシシラン化合物(5)との混合割合は任意に設定することができるが、通常、重量比で、アルコキシシラン化合物(4):アルコキシシラン化合物(5)=100:0〜1:99の範囲である。
ポリシルセスキオキサン化合物(2)を得る反応に用いる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;水;等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
用いる酸触媒としては、塩酸、硫酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸1水和物、スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、蟻酸等の有機酸が挙げられる。
また塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等の金属アルコキシド;メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン等の1級アミン;ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の3級アミン;ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)などの含窒素複素環化合物;等が挙げられる。
酸触媒又は塩基触媒の使用量は、アルコキシシラン化合物(4)に対して、通常、0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%の範囲である。
反応温度は、通常0℃から用いられる溶媒の沸点までの温度範囲、好ましくは40℃〜130℃の範囲である。反応温度があまりに低いと縮合反応の進行が不十分となる場合がある一方で、反応温度が高くなりすぎるとゲル化抑制が困難となる。反応は、通常数分から数時間で完結する。
アルコキシシラン化合物(4)及びアルコキシシラン化合物(5)から得られる共重縮合物の繰り返し単位は、下記式(a)〜(c)のいずれかで表される。
Figure 0004566577
(式中、A、R、R及びXは前記と同じ意味を表す。)
本発明に用いるポリシルセスキオキサン化合物(2)は、分子内に、少なくとも(b)又は(c)の繰り返し単位を有していれば特に制限されない。本発明に用いるポリシルセスキオキサン化合物(2)が、上記に示す(a)及び(b)、(a)及び(c)、(b)及び(c)、又は(a),(b)及び(c)の繰り返し単位を有する共重合体の場合、この共重合体は、ランダム共重合体、部分ブロック共重合体、完全ブロック共重合体等、どのような共重縮合物であってもよい。
また、本発明においては、前記(c)で表される繰り返し単位は、上下180°回転した形で結合していてもよい。例えば、前記(c)で表される繰り返し単位は、下記(d)に示す繰り返し単位等であってもよい。
Figure 0004566577
以上のようにして、線状にのびたラダー構造と称される繰り返し単位構造を有するポリシルセスキオキサン化合物(2)を得ることができる。ラダー構造を有しているか否かは、例えば、反応生成物の赤外線吸収スペクトルやX線回折測定を行うことによって確認することができる。
得られるポリシルセスキオキサン化合物(2)の数平均分子量は、通常500〜30,000、好ましくは1,000〜20,000の範囲である。数平均分子量は、例えば、SEC(サイズ・エクスクルージョン・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により求めることができる。
また、ポリシルセスキオキサン化合物(2)の分子量分布(Mw/Mn)は、特に制限されないが、通常1.0〜3.0.好ましくは1.1〜2.0の範囲である。
3)粘着剤
本発明の粘着剤は、本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体を含有することを特徴とする。
本発明の粘着剤は、本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体の1種又は2種以上を適当な溶剤に溶解することにより製造することができる。
用いる溶剤としては、本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体を溶解するものであれば特に制限されない。例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶剤の使用量は任意であるが、本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体100重量部に対して、通常、1〜10,000重量部、好ましくは10〜1,000重量部である。
本発明の粘着剤は、主成分として本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体を含み、さらに所望により、その他の粘着剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤等を添加することができる。
本発明の粘着剤は、主成分として本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体を含むものであるため、耐熱性に優れ、かつ、優れた凝集力(保持力、プローブタック)を有している。
4)粘着シート
本発明の粘着シートは、基材シートと、該基材シート上に本発明の粘着剤から形成されてなる粘着剤層を有することを特徴とする。
用いる基材シートとしては、グラシン紙、コート紙、キャスト紙等の紙基材;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリウレタンフィルム;合成紙、セルロース系シートやフィルム、種々の材料からなる不織布、織布、編布等が挙げられる。また、これらの基材シートは、所望により表面に適当な文字や図柄等の印刷を施しておくこともできる。
基材シート上に粘着剤層を形成する方法としては、(i)基材シート上に、本発明の粘着剤を所定の厚みとなるように塗工し、40〜150℃で乾燥する方法、(ii)剥離シート(又は工程紙)上に、本発明の粘着剤を所定の厚みとなるように塗工し、該塗工面に基材シートを貼合わせて40〜150℃で乾燥した後、剥離シートを剥離する方法、等により製造することができる。(ii)の方法による場合、剥離シートは、所望により剥離することなくそのまま付着させておいて、粘着シートの使用時に剥離するようにしてもよい。
用いる剥離シートとしては、グラシン紙、コート紙、キャスト紙等の紙基材;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;等が挙げられる。これらの剥離シートは、表面にシリコーン樹脂等の剥離剤を塗布したものであってもよい。
粘着剤を基材シート又は剥離シート上に塗工する方法は特に限定されず、公知の塗工方法を採用できる。塗工方法としては、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、リバースグラビア法、キスコート法、ナイフコート法、バーコート法、ダイコート法、カーテンコート法及び工程紙にこれらの方式で塗工したものを転写させる転写法などが挙げられる。得られる粘着剤層の厚みは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmである。
本発明の粘着シートは、耐熱性及び凝集力に優れる本発明の粘着剤から形成されてなる粘着剤層を有するため、優れた粘着力と凝集力を有し、高温環境下で使用しても、粘着力が低下することがない。
次に実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、得られた重合体を、テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒とするサイズ・エクスクルージョン・クロマトグラフィー(SEC)により測定し、ポリスチレン換算値として求めた。
製造例1 ポリシルセスキオキサン化合物(PhClPSQ)の合成
Figure 0004566577
(式中、aは自然数を表す。)
ナスフラスコに、トルエン/水混合溶液(体積比=2/1、15mL)、2−(p−クロロメチルフェニル)エチルトリメトキシシラン(5.5g、0.02モル)、フェニルトリメトキシシラン(4.00g、0.02モル)、及びメタンスルホン酸(0.202g、5mol%)を仕込み、室温で12時間撹拌した。反応終了後、反応液から有機層を分取して、溶媒を減圧留去して得られた残留物を大量のn−ヘキサンに滴下した。沈殿した固体を濾別・乾燥し、目的とするポリシルセスキオキサン化合物(PhClPSQ)を得た(収率:93%)。
得られた重合体の構造の確認は、H−NMR及びIRスペクトルを測定することにより行った。ポリシルセスキオキサン化合物(PhClPSQ)のH−NMR(CDCl)及びIRスペクトル(KBr)を図1及び図2にそれぞれ示す。図1中、縦軸はピーク強度を、横軸はケミカルシフト(ppm)をそれぞれ示す。また、図2中、縦軸はピーク強度を、横軸は波数(cm−1)をそれぞれ示す。得られたポリシルセスキオキサン化合物(PhClPSQ)の数平均分子量(Mn)は3,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.58であった。
実施例1〜5 グラフト重合体(HBPSQ)の製造
Figure 0004566577
(式中、bは自然数を表す。)
ガラス管に窒素雰囲気下、製造例1で得たPhClPSQ、臭化第1銅(CuBr)、(−)−スパルテイン((−)−Spartaine)、及びメチルメタクリレート(MMA)を第1表に示すモル比で添加し、さらにアニソールを2モル/リットルの濃度になる量を加え、全容を第1表に示す反応温度で、所定時間撹拌した。
反応終了後、反応液を大量のn−ヘキサンに滴下し、沈殿した固体を濾別・乾燥し、グラフト重合体(HBPSQ)1〜5を得た。得られた重合体(HBPSQ)1〜5の反応収率(%)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を下記第1表に示す。
なお、第1表中、反応モル比は、[PhClPSQのクロロメチル基]:[CuBr]:[(−)−Spartaine]:[MMA]のモル比である。
また、実施例1で得られた重合体(HBPSQ)1のH−NMRスペクトル(CDCl)及びIRスペクトル(KBr)を図3及び図4にそれぞれ示す。図3中、縦軸はピーク強度を、横軸はケミカルシフト(ppm)をそれぞれ示す。また、図4中、縦軸はピーク強度を、横軸は波数(cm−1)をそれぞれ示す。
Figure 0004566577
クロロメチルフェニル基を有するポリシルセスキオキサン化合物(PhClPSQ)のATRP法によるグラフト化は容易に進行し、架橋生成物の存在は認められなかった。得られたグラフト重合体は、クロロホルム、ベンゼン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に可溶であった。
実施例6〜13
ガラス管に窒素雰囲気下、臭化第1銅(CuBr)、(−)−スパルテイン((−)−Spartaine)及び第2表に示すビニル化合物を、第2表に示すモル比で添加し、さらにアニソールを第2表に示す濃度になる量を加え、全容を第2表に示す反応温度で、所定時間撹拌した。
反応終了後、反応液を大量のn−ヘキサンに滴下し、沈殿した固体を濾別・乾燥し、グラフト重合体(HBPSQ)6〜13を得た。得られた重合体(HBPSQ)6〜13の反応収率(%)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を下記第2表に示す。
なお、第2表中、反応モル比は、[PhClPSQ中のクロロメチル基]:[CuBr]:[(−)−Spartaine]:[ビニル化合物]のモル比である。
また、第2表中、BMAはブチルメタクリレート、DMAはドデシルメタクリレートの略である(第3表にても同じ)。
Figure 0004566577
実施例14、15
ガラス管に窒素雰囲気下、[PhClPSQ中のクロロメチル基]:[臭化第1銅(CuBr)]:[(−)−スパルテイン((−)−Spartaine)]=[1]:[1]:[2]となる量、アニソールを第3表に示す濃度となる量、及び第3表に示す2種類のメタクリル酸エステル(モノマー比;MMA:DMA=1:2となる量)を段階的に添加し、全容を第3表に示す反応温度で、所定時間撹拌した。
反応終了後、反応液を大量のn−ヘキサンに滴下し、沈殿した固体を濾別・乾燥し、グラフト重合体(HBPSQ)14、15を得た。得られた重合体(HBPSQ)14、15の反応収率(%)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を下記第3表に示す。
Figure 0004566577
比較例1 MMAのフリーラジカル重合によるポリメチルメタクリレートの製造
Figure 0004566577
(式中、c1は自然数を表す。)
窒素雰囲気下、ラジカル重合開始剤としてAIBNを0.1g(0.60mmol)、MMA20.0g(200mmol)及び、酢酸エチル100gをガラス管に仕込み、75℃で15時間撹拌した。反応終了後、反応液を大量のn−ヘキサンに滴下し、沈殿した固体を濾別・乾燥して重合体16を得た(収率98%)。
得られた重合体16の数平均分子量(Mn)は30,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は3.51であった。
比較例2 MMAのATRP法によるポリメチルメタクリレートの製造
Figure 0004566577
(式中、c2は自然数を表す。)
窒素雰囲気下、MMA及びアニソール(2モル/リットル)をガラス管に仕込み、CuBr、(−)−Spartaine、及び、開始剤として2−ブロモプロピオン酸メチルを、モル比で、[MMA]:[CuBr]:[(−)−Spartaine]:[開始剤]=50:1:2:1となるように添加し、全容を60℃、6時間撹拌した。反応終了後、反応液を大量のn−ヘキサンに滴下し、沈殿した固体を濾別・乾燥して重合体17を得た。
得られた重合体17の数平均分子量(Mn)は4,800であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.21であった。
比較例3 メチルメタクリレート−ドデシルメタクリレート共重合体の製造
窒素雰囲気下、ラジカル重合開始剤としてAIBNを0.3g(1.82mmol)、DMA(81.4g、320mmol)、MMA(16.0g、160mmol)(モノマー比;[DMA]:[MMA]=1:2)及び、酢酸エチル100gをガラス管に仕込み、75℃で15時間撹拌した。反応終了後、反応液を大量のn−ヘキサンに滴下し、沈殿した固体を濾別・乾燥してメチルメタクリレート−ドデシルメタクリレート共重合した重合体18を得た(収率96%)。
重合体18の数平均分子量(Mn)は54,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.70であった。
熱重量損失試験
熱重量分析装置(島津製作所(株)製)を用い、実施例1の重合体(重合体1)、比較例1の重合体(重合体16)及び比較例2の重合体(重合体17)について、熱重量分析(TGA)測定を行った。測定は各重合体を10mg精秤し、空気気流(100ml/min)下、10℃/minで昇温することにより測定した。測定結果(TGA曲線)を図5に示す。図5中、縦軸は重量損失率(%)、横軸は測定温度をそれぞれ示す。また、(A)は重合体1、(B)は重合体16、(C)は重合体17の場合である。
図5から、300℃における重量損失率(WL300)は、重合体1が6.5%、重合体16が54.6%、重合体17が31.6%であった。このことから、本発明のポリシルセスキオキサングラフト重合体(重合体1)は、比較例1の重合体(重合体16)及び比較例2の重合体(重合体17)に比して、耐熱性が格段に優れることがわかった。
実施例16〜18、比較例4 粘着剤の調製
上記実施例13、14、15及び比較例3で得た重合体(重合体13、14、15、18)の固形分100重量部に対して、酢酸エチル200mlを加えて十分に混合することにより、実施例16〜18及び比較例4の粘着剤をそれぞれ調製した。
実施例19〜21、比較例5 粘着シートの作製
上記実施例16〜18及び比較例4で得た各粘着剤を、厚さ50μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面に、乾燥皮膜の厚さが20μmとなるようにグラビアコート法により塗布し、100℃で2分間加熱して粘着剤層を形成した。次いで、粘着剤層の表面に剥離処理が施されたPETフィルム(剥離フィルム)を貼り付けることにより、実施例19〜21及び比較例5の粘着シートをそれぞれ作製した。
粘着物性試験
上記で得たそれぞれ粘着シートについて、JIS Z0237に準拠して、保持力、プローブタック及び粘着力の測定を行った。測定結果を第4表に示す。
Figure 0004566577
製造例1で得たポリシルセスキオキサン化合物(PhClPSQ)のH−NMRスペクトル図である。 製造例1で得たポリシルセスキオキサン化合物(PhClPSQ)のIRスペクトル図である。 実施例1で得たグラフト重合体(重合体1)のH−NMRスペクトル図である。 実施例1で得たグラフト重合体(重合体1)のIRスペクトル図である。 重合体1、重合体16及び重合体17のTGA曲線である。

Claims (7)

  1. 分子内に、式(1)
    Figure 0004566577
    (式中、Aは炭素数1〜20の飽和のアルキレン基、アリーレン基、又はアルキレン基とアリーレン基の組み合せを表し、R は炭化水素基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、Rアルコキシカルボニル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、エステル基又はアシル基を表す。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して任意の自然数を表し、k1、k2及びk3がそれぞれ2以上のとき、式:−CH−C(R)(R)−で表される基は同一であっても、相異なっていてもよい。l、m、nはそれぞれ独立して0又は任意の自然数を表す。ただし、m=n=0の場合を除く。)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサングラフト重合体。
  2. 数平均分子量が5,000〜1,000,000であることを特徴とする請求項1に記載のポリシルセスキオキサングラフト重合体。
  3. 分子内に、式(2)
    Figure 0004566577
    (式中、Aは炭素数1〜20の飽和のアルキレン基、アリーレン基、又はアルキレン基とアリーレン基の組み合せを表し、R は炭化水素基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、エステル基又はアシル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。l、m、nは、それぞれ独立して0又は任意の自然数を表す。ただし、m=n=0の場合を除く。)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサン化合物と、式(3):CH=C(R)−R(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、Rアルコキシカルボニル基を表す。)で表されるビニル化合物とを、原子移動ラジカル重合法により反応させることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法。
  4. 式(4):〔XCH(R)A〕Si(OR(式中、A、X及びRは前記と同じ意味を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるアルコキシシラン化合物、及び前記式(4)で表されるアルコキシシラン化合物1重量部に対し、0〜100倍量の式(5):RSi(OR(式中、Rは前記と同じ意味を表し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表されるアルコキシシラン化合物を、酸触媒又は塩基触媒の存在下に縮合させることにより、分子内に、式(2)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサン化合物を得る工程と、
    得られたポリシルセスキオキサン化合物を重合開始剤とし、原子移動ラジカル重合法により、式(3):CH=C(R)−R(式中、R、Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるビニル化合物と反応させる工程を有することを特徴とする、請求項3に記載のポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法。
  5. 前記式(2)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキオキサン化合物を、遷移金属錯体の存在下に、前記式(3)で表されるビニル化合物と反応させることを特徴とする、請求項3又は4に記載のポリシルセスキオキサングラフト重合体の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載のポリシルセスキオキサングラフト重合体を含有することを特徴とする粘着剤。
  7. 基材シートと、該基材シート上に請求項6に記載の粘着剤から形成されてなる粘着剤層とを有することを特徴とする粘着シート。
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