JP4855614B2 - 長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤と剥離処理方法 - Google Patents

長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤と剥離処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤に関し、またこれを使用した剥離処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粘着シートは、被着体に軽く圧着するだけで接着できるため、多くの分野で使用されている。このような粘着シートは、通常、基材の粘着剤層形成面とは反対側の面に剥離処理層を設け、使用時の巻き戻しを容易にしている。また、両面粘着シートなどでは、基材上に剥離処理層を有する剥離シートを使用して、粘着面の保護や使用時の巻き戻しなどを容易にしている。
【0003】
このような粘着シートや剥離シートなどの剥離処理層として用いられる剥離処理剤には、シリコーン系、長鎖アルキルペンダント系、ワックス系、フッ素系などがあり用途に応じて使い分けられている。このうち、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤は、シリコーン系剥離処理剤などに比べて、剥離抵抗が大きいが、加熱によるシリコーン成分の飛散や粘着剤層への移行がなく、またペインタブル性(油性インク印字性)にすぐれるなどの利点があるため、各種の粘着シート、たとえばシリコーン成分を嫌う電子部品用テープや結束用テープ、マスキングテープ、包装用テープなどに幅広く利用されている。
【0004】
この長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤としては、(イ)ポリビニルアルコールやポリエチレンイミンなどの活性水素含有高分子と炭素数22以上の脂肪族基を有するイソシアネートとの反応性生物(特開平5−295332号公報)、(ロ)エチレンオキサイド付加ポリエチレンイミンと炭素数8〜60のアルキル基を有するイソシアネートなどとを反応させたウレタン系ポリマー(特開平11−286534号公報、特開2000−38563号公報)、(ハ)炭素数12以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリロニトリルなどとを共重合させたアクリル系重合体(特公昭29−3144号公報)などを、主剤としたものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤は、シリコーン系剥離処理剤などに比べて、耐熱性が不十分であり、100℃以上の加熱を行うと、剥離性能が低下し、剥離力が大きくなる問題があった。たとえば、上記(イ)の剥離処理剤は70〜90℃程度の熱、上記(ロ)の剥離処理剤は65℃、80%RHないし70℃、80%RHの湿熱、にそれぞれ耐える程度の耐熱性であり、上記(ハ)の剥離処理剤はこれらよりもさらに耐熱性が不足する。
【0006】
本発明者らは、特開2000−290610号公報で、長鎖アルキル(メタ)アクリレートとエポキシ基含有単量体とをリビングラジカル重合させて生成したアクリル系共重合体を主剤とし、オニウム塩系光硬化触媒を配合した剥離処理剤によると、これに紫外線を照射したとき、オニウム塩を発生して共重合体中のエポキシ基を利用した架橋反応がカチオン的に促進され、これにより耐熱性の良好な剥離処理剤層を形成できることを見出している。しかし、その耐熱性はなお十分ではなく、100℃以上の加熱を行うと、剥離性能がやはり低下する。
【0007】
さらに、上記した剥離処理層や剥離シートから剥離した粘着シートは、本来目的とする被着体に貼着されるが、この時剥離処理剤が粘着シートの粘着面に移行すると、接着力が低下するという問題が発生する。また被着体貼着後に再剥離する再剥離用粘着シートの場合、被着体を汚染するという問題が発生する。このため剥離処理剤には、粘着面に移行しない皮膜強度を形成することが要求される。
【0008】
本発明は、このような事情に照らして、耐熱性の改良された、とくに100℃以上の加熱を行っても剥離性能が低下することがなく、粘着面への移行の少ない、工業的に有効な長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を提供すること、またこの剥離処理剤を使用した剥離処理方法およびこの剥離処理方法により剥離処理面を形成した剥離シートならびに粘着シ−トを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有する剥離性ポリマーを主剤とした長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤において、上記の主剤に対してトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体を必須成分として配合し、これに紫外線を照射して、上記ポリマーをラジカル的に架橋処理したときには、剥離処理層の耐熱性が改良され、100℃以上の加熱を行なっても剥離性能が大きく低下することがなく、さらに剥離処理剤の粘着面への移行も少なく粘着力の低下のない、満足できる剥離性能が得られることを知り、本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明は、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有する剥離性ポリマーを主剤とし、かつ下記一般式(化3)で表されるトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体をこれ単独で、あるいはトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体とは異なる紫外線によりラジカルを発生する光架橋剤および/または光架橋助剤である不飽和二重結合を有する化合物とともに含むことを特徴とする長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤、とくに上記の主剤100重量部あたり、トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体が0.01〜10重量部、光架橋剤が0〜10重量部、光架橋助剤が0〜100重量部である上記構成の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤に係るものである。
【0011】
【化3】
【0012】
また、本発明は、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有する剥離性ポリマーを生成し、これを主剤として、これに一般式(化3)で表されるトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体を単独で、あるいはトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体とは異なる紫外線によりラジカルを発生する光架橋剤および/または光架橋助剤である不飽和二重結合を有する化合物とともに配合して、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を製造することを特徴とする長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法、とくに上記の主剤100重量部あたり、トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体を0.01〜10重量部、光架橋剤を0〜10重量部、光架橋助剤を0〜100重量部を配合して、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を製造することを特徴とする長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法に係るものである。
【0013】
また上記の剥離性ポリマーの生成に際し、一般式(4);CH2=C(R1)COOR2(式中R1は水素またはメチル基、R2は炭素数12〜28の長鎖アルキル基である)で表されるで表されるアクリル系単量体を必須とした単量体を、遷移金属とその配位子の存在下、重合開始剤を用いて、リビングラジカル重合して、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するアクリル系重合体を生成する、中でも、一般式(4)で表されるアクリル系単量体の重合体ブロックと上記以外の単量体の重合体ブロックからなるブロック共重合体を生成する、上記構成の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法に係るものである。
【0014】
さらに、本発明は、被剥離処理面に、上記構成の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を設けたのち、紫外線を照射して、上記処理剤を架橋処理することを特徴とする剥離処理方法に係るものであり、とくに、紫外線の照射光量が50mJ/cm2以上である上記構成の剥離処理方法に係るものである。
【0015】
また本発明は、上記の離処理方法により基材の片面または両面に剥離処理面を形成した剥離シート、ならびに基材の粘着剤層形成面とは反対側の面に剥離処理面を形成した粘着シートに係るものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明において主剤として用いられる剥離性ポリマーは、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するポリマーであり、上記炭素数が12未満になると剥離性能が低下し、28を超えると原料成分の入手性や取り扱い性などに問題があり、好ましくない。このような剥離性ポリマーには、アルキルイソシアネートを原料成分としたウレタン系ポリマーなどの反応生成物、アクリル系重合体などが用いられる。ここで、上記の反応生成物は、常法により、ポリビニルアルコール系重合体やポリエチレンイミンなどに炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するアルキルイソシアネートを反応させることにより、生成できる。
【0017】
また、アクリル系重合体は、乳化重合や溶液重合などの通常のラジカル重合法を用いて、炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートをこれ単独でまたは他の単量体とともに重合させることにより、生成できる。また、より好ましくは、上記通常のラジカル重合法に代えて、無溶剤ないし少量の溶剤系でも重合系の発熱制御が容易であるリビングラジカル重合法を用いて、上記同様の単量体を重合させることにより、生成できる。
【0018】
リビングラジカル重合法は、特表平10−509475号公報に示されているように、活性化剤として遷移金属とその配位子を使用し、これらの存在下、重合開始剤を用いて、重合反応を進行させる方法である。この重合法において、炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、つまり一般式(4);CH2=C(R1)COOR2(式中R1は水素またはメチル基、R2は炭素数12〜28の長鎖アルキル基である)で表されるアルキル系単量体を必須とした単量体の中から、その1種だけを重合させると単独重合体を生成でき、2種以上を重合させると共重合体を生成できる。
【0019】
また、共重合体の場合、2種以上を同時に重合させるとランダム共重合体を生成でき、順次重合させると通常のラジカル重合では合成困難であったブロック共重合体を生成できる。たとえば、最初に一般式(4)に表されるアクリル系単量体Aの重合を行い、その後に上記以外の他の単量体Bの重合を行うと、重合体ブロックAと重合体ブロックBとからなるA−B型のブロック共重合体を生成でき、上記単量体Bの重合に続いて、再度単量体Aの重合を行うと、A−B−A型のブロック共重合体を生成できる。また、単量体A、Bを上記とは逆の順に重合させると、B−A−B型のブロック共重合体を生成できる。
【0020】
なお、上記各種のブロック共重合体を生成する場合、設計通りのブロック構造とするため、先の単量体の重合転化率が少なくとも50重量%を超えた点、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上になった点で、別の単量体の重合を行うようにするのがよい。
【0021】
遷移金属としては、Cu、Ru、Fe、Rh、VまたはNiがあり、通常、これら金属のハロゲン化物(塩化物、臭化物など)の中から用いる事ができる。また、配位子は、遷移金属を中心にして配位して錯体を形成するものであって、ビピリジン誘導体、メルカプタン誘導体、トリフルオレート誘導体、アミン誘導体などが好ましく用いられる。このうち遷移金属とその配位子の組み合わせの中でも、Cu+1−2,2´−ビピリジル錯体が、重合の安定性や重合速度の面で最も好ましい。
【0022】
重合開始剤としては、ハロゲン原子をα位に有するエステル系またはスチレン系誘導体が好ましく、特に2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸誘導体、塩化(または臭化)1−フェニル誘導体が好ましく用いられる。具体的には、2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸メチル、2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸エチル、2−ブロモ(またはクロロ)−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ブロモ(またはクロロ)−2−メチルプロピオン酸エチル、塩化(または臭化)1−フェニルエチル、エチレンビス(2-ブロモ−2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。
【0023】
一般式(4);CH2=C(R1)COOR2(式中R1は水素またはメチル基、R2は炭素数12〜28の長鎖アルキル基である)で表されるアクリル系単量体には、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが用いられる。他の単量体には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレートなどの短鎖アルキル(メタ)アクリレートや、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸のモノまたはジエステル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンなどが用いられる。これら他の単量体の使用量は、剥離性能の面から、一般式(4)で表されるアクリル系単量体が単量体全体の30重量%以上、通常は50重量%以上、好ましくは60重量%以上となる割合とするのがよい。
【0024】
リビングラジカル重合において、重合開始剤は、単量体に対し、通常0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜2モル%の割合で用いられる。また、遷移金属の使用量は、ハロゲン化物などの形態として、上記重合開始剤1モルに対して、通常0.01〜3モル、好ましくは0.1〜1モルの割合で用いられる。さらに、その配位子は、上記遷移金属(ハロゲン化物などの形態)1モルに対して、通常1〜5モル、好ましくは2〜3モルの割合で用いられる。重合開始剤と活性化剤とをこのような使用割合にすると、リビングラジカル重合の反応性、生成ポリマーの分子量などに好結果が得られる。
【0025】
このようなリビングラジカル重合は、無溶剤でも進行させることが出来るし、酢酸ブチル、トルエン、キシレンなどの溶剤の存在下で進行させてもよい。溶剤を用いる場合、重合速度の低下を防ぐため、重合終了後の溶剤濃度が50重量%以下となる少量の使用量とするのがよい。無溶剤または少量の溶剤でも、重合熱の制御などに関する安全性の問題はとくになく、むしろ溶剤削減によって経済性や環境対策などの面で好結果が得られる。また、重合条件としては、重合速度や触媒の失活の点より、70〜130℃の重合温度で、最終的な分子量や重合温度にも依存するが、約1〜100時間の重合時間とすればよい。
【0026】
このようなリビングラジカル重合により生成するアクリル系重合体は、単独重合体、ランダム共重合体またはブロック共重合体からなり、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によりポリスチレン換算にて求められる数平均分子量が通常1.5万〜10万の範囲にあるのが望ましい。この分子量があまりに高すぎると、粘度が高くなって塗工作業性などが悪くなり、逆に低すぎると、剥離性ポリマーとして良好な物性を発現できない。
【0027】
なおアクリル系重合体の数平均分子量(Mn)は、重合開始剤と単量体のモル比から、Mn (計算値) = Σ(総和)[単量体の分子量 ×(単量体のモル比)/(重合開始剤のモル比)]として求められるものである。したがって、単量体と重合開始剤からなる原料成分の仕込み比率を調整することで、数平均分子量を任意に制御することが可能である。
【0028】
このようにして生成されるアクリル系重合体中には、重合活性化剤として使用した遷移金属とその配位子からなる不純物が多量に含まれる。これを剥離性ポリマーとしてそのまま使用すると、上記不純物が着色の原因となったり、被剥離処理面や粘着面などにマイグレートして汚染の原因となる。このため、上記不純物を適宜の手段で除去しておくのがよい。除去方法は、とくに限定されないが、以下のような方法を採用して行うのが望ましい。
【0029】
すなわち重合後、生成したアクリル系重合体を粘度が100Pa・s以下の状態として、まずこの重合体に不溶な遷移金属とその配位子を遠心分離機などにより分離除去し、ついで、この重合体に溶解している遷移金属とその配位子をイオン交換樹脂などにより分離除去する方法である。これによれば、多量の溶剤を使用することも、また重合体の収率を大きく低下させることもなく、重合体中の遷移金属とその配位子をそれぞれ30ppm以下にまで低減することができ、これら不純物に起因した前期問題を回避することができる。
【0030】
本発明においては、このように生成される上記のアクリル系重合体をはじめとした、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有する剥離性ポリマーを主剤とし、これに一般式(化3)で表されるトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体を単独であるいは紫外線によりラジカルを発生する光架橋剤および/または光架橋助剤である不飽和二重結合を有する化合物とともに混合したことを特徴とする長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を製造する。
【0031】
この長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤は、剥離性ポリマーの生成方法やその後の調整方法により、有機溶剤溶液タイプ、水分散タイプ、無溶剤タイプなどの種々の形態とすることができる。環境対策面などから、とくに好ましいのは水分散タイプや無溶剤タイプである。その中でも、無溶剤系のリビングラジカル重合法で生成した側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するアクリル系重合体を主剤とした無溶剤タイプの剥離処理剤がもっとも好ましい。
【0032】
なお、上記のリビングラジカル重合法で生成したアクリル系重合体は、既述のとおり、乳化重合などの通常のラジカル重合法で生成したものに比べ、分子量がやや低い値に設定されるが、これを被剥離処理面に塗布したのちに紫外線を照射して架橋処理することで、剥離処理層の耐熱性を大きく改善でき、これにより、所期の目的とする耐熱性の良好な剥離処理層の形成が可能となる。
【0033】
本発明においては、一般式(化3)で表されるトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体を必須成分として用いる。トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体は、従来光重合性組成物に使用される光重合開始剤に比べ紫外線領域、特に長波長光(300〜400nm)においての感度が高く、効率よく主剤の架橋を行うことができ、高い架橋度(溶剤不溶分として評価)を得ることができる。また酸素阻害を受けにくいという利点も有する。従って、剥離処理層の耐熱性を改善し粘着面に移行しない皮膜強度を形成することが可能となる。このような効果を得るためには、本発明において用いられるトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体は、一般式(化3)で表されるものであって、トリアジン環に2つのトリクロロメチル基と水素原子または炭素数1〜18のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基から選ばれる置換基を有するものである。ここで前記アルキル基、置換アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、ベンジル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、2−クロロエチル基、1,1,2−トリクロロエチル基、メトキシ基、エトキシ基等を、前記置換アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、クロロフェニル基、エチルフェニル基、フェノキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシナフチル基、スチリル基、メトキシスチリル基、ジメトキシスチリル基、イソプロポキシスチリル基、ピぺロニル基等を挙げることができる。
【0034】
このようなトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4´−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4´−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4´−メトキシナフチル)−6−トリアジン、2−(4´−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4´−メチルチオスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンなどを賞用することができる。
【0035】
このようなトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体は、剥離性ポリマーからなる主剤100重量部あたり、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の割合で用いられる。トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体が少なすぎると、紫外線による架橋反応が十分に進行せず、耐熱性の良好な剥離処理層を形成できない。また、多すぎると、過度な架橋反応により剥離処理層が硬くなって耐久性に乏しくなり、また未反応のトリアジン誘導体や反応副生成物が粘着剤層面を汚染する場合があり、好ましくない。
【0036】
また本発明の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤は、上記トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体とともにこれと異なる紫外線によりラジカルを発生する光架橋剤を配合することができる。このような光架橋剤としては、たとえば、ヒドロキシケトン類、ベンジルジメチルケタール類、アミノケトン類、アシルフォスフィンオキサイド類、ベンゾフェノン類などを用いることができ、これらを併用することにより、架橋度や剥離特性を調節することができる。特にベンゾフェノン類を併用すると、剥離処理層表面を十分に硬化させることができ、剥離力を低下できる点で好ましい。
【0037】
このような光架橋剤は、剥離性ポリマーからなる主剤100重量部あたり、通常0〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の割合で用いられる。光架橋剤の配合量が多すぎると、過度な架橋反応により剥離処理層が硬くなって耐久性に乏しくなり、また未反応のトリアジン誘導体や反応副生成物が粘着剤層面を汚染する場合があり、好ましくない。
なお主剤としての剥離性ポリマーの側鎖に、あらかじめ適宜の手段で紫外線の照射によりラジカルを発生する基を導入しておくと、これと光架橋剤との相互作用で更に良好な架橋反応を期待でき、望ましい。
【0038】
また本発明の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤は、上記トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体とともに光架橋助剤である不飽和二重結合を有する化合物を配合することができる。光架橋助剤を配合すると、主剤の架橋反応が一段と良好に進行し、また被剥離処理面に対する投錨性が向上し、さらに剥離処理層の皮膜強度が向上して耐久性がよくなるなどの効果がもたらされる。このような光架橋助剤としては、剥離処理剤が被剥離処理面に薄く塗布されるため、沸点が高くても蒸発しにくいものであるのが望ましく、また分子中に(メタ)アクロイル基などの不飽和二重結合を複数有するものが望ましい。具体的には、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマーや、オリゴ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどが用いられる。
【0039】
このような光架橋助剤は、剥離性ポリマーからなる主剤100重量部あたり、通常100重量部以下(0重量部を含む)、好ましくは60重量部以下となる割合で用いられる。光架橋助剤の使用量が多くなりすぎると、剥離処理剤として、剥離性能などの面で支障をきたしやすい。
なお主剤としての剥離性ポリマーの側鎖に、あらかじめ適宜の手段で不飽和二重結合を導入しておくと、これと上記光架橋助剤との相互作用で更に良好な架橋反応を期待でき、望ましい。
【0040】
本発明の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤は、上述のように、剥離性ポリマーを主剤とし、これに一般式(化3)で表されるトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体をこれ単独で、あるいはトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体とは異なる紫外線によりラジカルを発生する光架橋剤および/または光架橋助剤である不飽和二重結合を有する化合物とを含んでなるものであり、必要に応じて、さらに充填剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、顔料などの各種添加剤を含ませることができる。
【0041】
本発明においては、上記の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を使用して、以下のように、被剥離処理面を剥離処理する。まず、被剥離処理面に上記の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を、ロールコーター、キスコーター、グラビアコーター、スロットダイコーターやスクイズコーターなどの適宜の形成手段にて、0.01〜10g/mm2、好ましくは0.05〜1g/mm2の塗布量で設け、これを必要により乾燥する。つぎに、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの有極ランプや無極ランプを使用して、通常50mJ/cm2以上、5J/cm2までの照射光量で紫外線を照射して、上記の剥離処理剤を架橋処理する。これにより、耐熱性にすぐれた剥離処理層が形成される。
【0042】
この剥離処理法を適用して、剥離シートを作製する場合,基材として紙、プラスチックラミネート紙、布、プラスチックラミネート布、プラスチックフィルム、金属箔、発砲体などを用い、この基材の片面または両面を被剥離処理面として、これを上記方法で架橋処理した剥離処理層を形成すればよい。また粘着シートを作製する場合、上記同様の基材の一面にアクリル系やゴム系などの各種粘着剤からなる粘着剤層を設け、この粘着剤層形成面とは反対側の面を被剥離処理面として、これに上記方法で架橋処理した剥離処理層を形成すればよい。
【0043】
本明細書において、剥離シートには、通常広幅の剥離シートのほか、通常狭幅の剥離テープが含まれ、また剥離ラベルなどのほかの各種の剥離製品が含まれる。同様に粘着シートには、通常広幅の粘着シートのほか、通常狭幅の粘着テープが含まれ、また粘着ラベルなどの他の各種の粘着製品が含まれる。
【0044】
本発明の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を使用した剥離処理方法によると、耐熱性にすぐれた剥離処理層を形成できるので、この剥離処理方法は、上記した剥離シートや粘着シートの作製のほか、他の各種の被処理物体の剥離処理化を応用でき、とくに各種工程紙の作製に応用することができる。
【0045】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0046】
実施例1
攪拌機、窒素導入管、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、オクタデシルアクリレート33gを加え、さらに2,2´−ビピリジン0.65gを加えて、系内を窒素置換した。これに窒素気流下、臭化銅0.24gを加えて、反応系を90℃に加熱し、重合開始剤として2−ブロモイソ酪酸エチル0.35gを加えて重合を開始し、溶剤を加えずに窒素気流下で90℃で10時間重合した。重合率が85重量%以上であることを確認した後、2−エチルヘキシルアクリレート50gをラバーセプタムから添加し、110℃で20時間加熱した。
【0047】
このようにして得られた重合反応物を60℃に加熱して、8,000gの遠心力で30分遠心処理し、上澄みの重合体を得た。この重合体50gにスルホン酸型イオン交換樹脂10gを加え、100℃で1時間攪拌して、上記のイオン交換樹脂を除去し、高純度のアクリル系重合体を得た。この重合体は側鎖に長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有するオクタデシルアクリレート重合体ブロックAと2−エチルヘキシルアクリレート重合体ブロックBとからなるA−B型ジブロック重合体で、数平均分子量は5.0万であった。
【0048】
このA−B型ジブロック重合体からなるアクリル系重合体に、この重合体100部あたり、光架橋剤として2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン0.5部を配合し、よく攪拌混合して、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を製造した。
【0049】
ついで、この長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を、基材として厚さが25μmのポリエステルフィルムの片面に、70℃に加熱した6本ロールによって、0.5g/mm2の塗布量となるように塗布した。その後、この塗布面に、メタルハライドランプにより、紫外線を1J/cm2の照射光量で照射し、架橋処理した剥離処理層を形成して、剥離シートを作製した。
【0050】
実施例2
光架橋剤として、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンの替わりに、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン0.5部を配合した以外は、実施例1と同様にして、剥離シートを作製した。
【0051】
実施例3
光架橋剤として、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンの替わりに、2,4−トリクロロメチル−(4´−メトキシナフチル)−6−トリアジン0.5部配合した以外は、実施例1と同様にして、剥離シートを作製した。
【0052】
実施例4
2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンとともに、ベンゾフェノン0.5部配合した以外は、実施例1と同様にして、剥離シートを作製した。
【0053】
実施例5
2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンとともに、光架橋助剤として1,4−ブタンジオールジアクリレート50部を配合した以外は、実施例1と同様にして、剥離シートを作製した。
【0054】
実施例6
攪拌機、窒素導入管、冷却管、ラバーセプタムを備えた4つ口フラスコに、オクタデシルアクリレート33gおよび2−エチルヘキシルアクリレート50gを加え、さらに2,2´−ビピリジン0.65gを加えて、系内を窒素置換した。
これに窒素気流下、臭化銅0.16gを加えて、反応系を90℃に加熱し、重合開始剤として2−ブロモイソ酪酸エチル0.35gを加えて重合を開始し、溶剤を加えずに窒素気流下で90℃で25時間加熱した。
【0055】
このようにして得られた重合反応物を60℃に加熱して、8,000gの遠心力で30分遠心処理し、上澄みの重合体を得た。この重合体50gにスルホン酸型イオン交換樹脂10gを加え、100℃で1時間攪拌して、上記のイオン交換樹脂をろ去し、高純度のアクリル系重合体を得た。この重合体は側鎖に長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有するオクタデシルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとからなるランダム共重合体で、数平均分子量は5.0万であった。
【0056】
このランダム共重合体を主剤として、実施例1と同様に長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を製造し、剥離シートを作製した。
【0057】
実施例7
攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた4つ口フラスコに、オクタデシルアクリレート120g、2−エチルヘキシルアクリレート60g、トルエン180gを加え、さらに2,2´−アゾビス−(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.5部添加し、系内を窒素置換した。窒素気流下、50℃で8時間、さらに70℃で2時間加熱して反応させた。この重合体は側鎖に長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有するオクタデシルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとからなるランダム共重合体で、重量平均分子量は30万であった。
【0058】
ついで、この長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を、基材として厚さが25μmのポリエステルフィルムの片面に、ワイヤーバーにより0.5g/mm2の塗布量となるように塗布し、100℃で1分間加熱乾燥した。その後、この塗布面に、メタルハライドランプにより、紫外線を1J/cm2の照射光量で照射し、架橋処理した剥離処理層を形成して、剥離シートを作製した。
【0059】
比較例1
長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を基材に塗布した後の紫外線の照射工程を省いた以外は、実施例1と同様にして、剥離シートを作製した。
【0060】
比較例2
2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンの替わりに、光架橋剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン0.5部配合した以外は、実施例1と同様にして、剥離シートを作製した。
【0061】
比較例3
2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンの替わりに、光架橋剤である2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド0.5部配合した以外は、実施例1と同様にして、剥離シートを作製した。
【0062】
比較例4
2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジンの替わりに、光架橋剤であるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド0.5部配合した以外は、実施例1と同様にして、剥離シートを作製した。
【0063】
上記の実施例1〜7および比較例1〜4の各剥離シートについて、下記の方法により、粘着面に対する剥離試験および残留接着率測定を行なった。これらの結果は表1に示されるとおりであった。
【0064】
(粘着面に対する剥離性試験)
剥離シートにアクリル系粘着テープ(日東電工(株)製『No.31B』)の粘着面を、自重2kgのローラーにて貼り付け、室温(23℃)、50℃、100℃の雰囲気下、50g/cm2の荷重をかけた状態で24時間保存した。その後、荷重を解き、引張り試験機にて、室温(23℃)で300mm/分の速度で粘着テープを180°剥離し、その剥離力(N/20mm幅)を求めた。この測定値が大きいと、粘着シートの巻き戻し力が大きくなり、巻き戻し作業性が悪くなることを意味している。
【0065】
(残留接着率測定)
上記剥離力測定後のアクリル系粘着テープをSUS板に自重2kgのローラーにて貼り付け、室温(23℃)で30分静置後、引張り試験機にて、室温(23℃)で300mm/分の速度で粘着テープを180°剥離し、その接着力(N/20mm幅)を求めた。これを剥離シートに貼り合せなかったアクリル系粘着テープの粘着力をブランクとして、以下の式(1)から残留接着率を求めた。
(式1)
【0066】
【表1】
【0067】
上記表1の結果から明らかなように、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤中にトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体を配合し、紫外線照射した各実施例の剥離シートは、紫外線を照射しなかった比較例1の剥離シートに比べ、高温とくに100℃での剥離力の増加が抑えられており、耐熱性に優れた剥離性能を発揮するものであることが分かる。またトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体とは異なる光架橋剤を配合し紫外線照射した比較例2〜4は、耐熱性は改善され剥離力は軽いものの、粘着剤層への剥離処理剤の移行が見られ残留接着率は明らかに低下が見られるのに対し、実施例1〜5の剥離シートでは低下は見られていない。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、側鎖に長鎖アルキル基を有する剥離性ポリマーを主剤とし、これにトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体を必須成分として配合し、これに紫外線を照射して、上記ポリマーをラジカル的に架橋処理することにより、剥離処理層の耐熱性が改良され、100℃以上の加熱を行なっても剥離性能が大きく低下することがなく、さらに剥離処理剤の粘着面への移行も少なく粘着力の低下のない、工業的に有効な長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤とこの剥離処理剤を使用した剥離処理方法を提供することができる。

Claims (14)

  1. 側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有する剥離性ポリマーを主剤とし、かつ下記一般式(化1)で表されるトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体を含むことを特徴とする長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤。
  2. 上記トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体と、上記トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体とは異なる紫外線照射によりラジカルを発生する光架橋剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤。
  3. 光架橋助剤である不飽和二重結合を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤。
  4. 主剤100重量部あたり、上記トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体が0.01〜10重量部、上記光架橋剤が0〜10重量部、光架橋助剤が0〜100重量部である請求項1から3のいずれかに記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤。
  5. 側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有する剥離性ポリマーを生成し、これを主剤として、これに下記一般式(化2)で表されるトリクロロメチル基含有トリアジン誘導体を配合して、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を製造することを特徴とする長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法。
  6. 上記トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体と、上記トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体とは異なる紫外線照射によりラジカルを発生する光架橋剤を配合することを特徴とする請求項5に記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法。
  7. 光架橋助剤である不飽和二重結合を有する化合物を配合することを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法。
  8. 主剤100重量部あたり、上記トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体が0.01〜10重量部、上記光架橋剤が0〜10重量部、光架橋助剤が0〜100重量部配合することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法。
  9. 剥離性ポリマーの生成に際し、一般式(3);CH2=C(R1)COOR2(式中R1は水素またはメチル基、R2は炭素数12〜28の長鎖アルキル基である)で表されるアクリル系単量体を必須とした単量体を、遷移金属とその配位子の存在下、重合開始剤を用いて、リビングラジカル重合して、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するアクリル系重合体を生成する請求項5から8のいずれかに記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法。
  10. アクリル系重合体は、一般式(3)で表されるアクリル系単量体の重合体ブロックと上記以外の単量体の重合体ブロックからなるブロック共重合体である請求項9に記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法。
  11. 被剥離処理面に、請求項1から4のいずれかに記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を設けたのち、紫外線を照射して、上記処理剤を架橋処理することを特徴とする剥離処理法。
  12. 紫外線の照射光量が50mJ/cm2以上である請求項11に記載の剥離処理方法。
  13. 請求項11または12のいずれかに記載の剥離処理方法により、基材の片面または両面に剥離処理面を形成した剥離シート。
  14. 請求項11または12のいずれかに記載の剥離処理方法により、基材の粘着剤層形成面とは反対の面に剥離処理面を形成した粘着シート。
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