JP2003183619A - 長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤と剥離処理方法 - Google Patents

長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤と剥離処理方法

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JP2003183619A
JP2003183619A JP2001383908A JP2001383908A JP2003183619A JP 2003183619 A JP2003183619 A JP 2003183619A JP 2001383908 A JP2001383908 A JP 2001383908A JP 2001383908 A JP2001383908 A JP 2001383908A JP 2003183619 A JP2003183619 A JP 2003183619A
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JP2001383908A
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English (en)
Inventor
Yutaka Moroishi
裕 諸石
Tetsuo Inoue
徹雄 井上
Tomoko Doi
知子 土井
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性の改良された、とくに100℃以上の
加熱を行っても剥離性能が低下することのない、工業的
に有用な長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤とこれを
使用した剥離処理方法を提供する。 【解決手段】 側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル
基を有するとともに、紫外線に活性な基として紫外線を
吸収することによりラジカルを発生する光開始基および
/または不飽和二重結合を有する剥離性ポリマーを主剤
として、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を構成
し、この剥離処理剤を被剥離処理面に塗布したのち、紫
外線の照射により上記処理剤を架橋処理して、被剥離処
理面に剥離処理層を形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長鎖アルキルペン
ダント系剥離処理剤に関し、またこれを使用した剥離処
理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粘着シートは、被着体に軽く圧着するだ
けで接着できるため、多くの分野で使用されている。こ
のような粘着シートは、通常、基材の粘着剤層形成面と
は反対側の面に剥離処理層を設け、使用時の巻き戻しな
どを容易にしている。また、両面粘着シートなどでは、
基材上に剥離処理層を有する剥離シートを使用して、粘
着面の保護や使用時の巻き戻しなどを容易にしている。
【0003】このような粘着シートや剥離シートなどの
剥離処理層に用いられる剥離処理剤には、シリコーン
系、長鎖アルキルペンダント系、ワツクス系、フッ素系
などがあり、用途に応じて使い分けられている。このう
ち、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤は、シリコー
ン系剥離処理剤などに比べて、剥離抵抗が大きいが、加
熱によるシリコーン成分の飛散や粘着剤層への移行がな
く、またペインタブル性(油性インク印字性)にすぐれ
るなどの利点があるため、各種の粘着シート、たとえ
ば、結束用テープ、マスキングテープ、包装用テープ、
シリコーン成分を嫌う電子部品用テープなどに幅広く用
いられている。
【0004】この長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤
としては、(イ)ポリビニルアルコールやポリエチレン
イミンなどの活性水素含有高分子と炭素数22以上の脂
肪族基を有するイソシアネートとの反応生成物(特開平
5−295332号公報)、(ロ)エチレンオキサイド
付加ポリエチレンイミンと炭素数8〜60のアルキル基
を有するイソシアネートなどとを反応させたウレタン系
ポリマー(特開平11−286534号公報、特開20
00−38563号公報)、(ハ)炭素数12以上のア
ルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと(メ
タ)アクリル酸や(メタ)アクリロニトリルなどとを共
重合させたアクリル系重合体(特公昭29−3144号
公報)などを、主剤としたものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような長
鎖アルキルペンダント系剥離処理剤は、シリコーン系剥
離処理剤などに比べて、耐熱性が不十分であり、100
℃以上の加熱を行うと、剥離性能が低下し、剥離力が大
きくなる問題があった。たとえば、上記(イ)の剥離処
理剤は70〜90℃程度の熱、上記(ロ)の剥離処理剤
は65℃,80%RHないし70℃,80%RHの湿
熱、にそれぞれ耐える程度の耐熱性であり、上記(ハ)
の剥離処理剤はこれらよりもさらに耐熱性が不足する。
【0006】本発明は、このような事情に照らして、耐
熱性の改良された、とくに100℃以上の加熱を行って
も剥離性能が低下することのない、工業的に有用な長鎖
アルキルペンダント系剥離処理剤を提供すること、また
この剥離処理剤を使用した剥離処理方法を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、側鎖に長鎖アル
キル基を有する剥離性ポリマーを主剤とした長鎖アルキ
ルペンダント系剥離処理剤において、上記の剥離性ポリ
マーに紫外線に活性な基を導入して、紫外線を照射して
架橋処理したときには、剥離処理層の耐熱性が改良さ
れ、100℃以上の加熱を行っても剥離性能が大きく低
下することのない、満足できる剥離性能が得られること
を知り、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】すなわち、本発明は、側鎖に炭素数12〜
28の長鎖アルキル基を有するとともに、紫外線に活性
な基を有する剥離性ポリマーを主剤としたことを特徴と
する長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤に係るもので
あり、とくに、上記の紫外線に活性な基が、紫外線を吸
収することによりラジカルを発生する光開始基および/
または不飽和二重結合である上記構成の長鎖アルキルペ
ンダント系剥離処理剤に係るものである。
【0009】また、本発明は、a)側鎖に炭素数12〜
28の長鎖アルキル基を有するポリマーを生成する手段
と、b)このポリマー中に紫外線に活性な基を導入する
手段とにより、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル
基を有するとともに、紫外線に活性な基を有する剥離性
ポリマーを生成し、これを主剤とすることを特徴とする
長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法に係る
ものである。とくに、上記aの手段は、式(1);CH
2 =C(R1 )COOR2 (式中、R1 は水素またはメ
チル基、R2 は炭素数12〜28の長鎖アルキル基であ
る)で表されるアクリル系単量体を必須とした単量体
を、遷移金属とその配位子の存在下、重合開始剤を用い
て、リビングラジカル重合する手段であり、これとbの
手段とにより、剥離性ポリマーとして、側鎖に炭素数1
2〜28の長鎖アルキル基を有するとともに、紫外線に
活性な基を有するアクリル系重合体を生成する、中で
も、式(1)で表されるアクリル系単量体の重合体ブロ
ックと上記以外の単量体の重合体ブロックとからなるブ
ロック共重合体を生成する、上記構成の長鎖アルキルペ
ンダント系剥離処理剤の製造方法に係るものである。
【0010】さらに、本発明は、上記bの手段として、
aの手段におけるリビングラジカル重合に際し、紫外線
に活性な基を有する単量体を使用する上記構成の長鎖ア
ルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法と、上記bの
手段として、aの手段におけるリビングラジカル重合に
際し、官能基を有する単量体を使用し、このリビングラ
ジカル重合後に上記官能基を介して紫外線に活性な基を
導入する上記構成の長鎖アルキルペンダント系剥離処理
剤の製造方法とに係るものである。
【0011】また、本発明は、被剥離処理面に、上記構
成の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を塗布したの
ち、紫外線を照射して、上記処理剤を架橋処理すること
を特徴とする剥離処理方法に係るものであり、とくに、
上記の被剥離処理面が、剥離シートにおける基材の片面
または両面である上記構成の剥離処理方法と、さらに上
記の被剥離処理面が、粘着シートにおける基材の粘着剤
層形成面とは反対側の面である上記構成の剥離処理方法
とに係るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において主剤として用いら
れる剥離性ポリマーは、側鎖に炭素数12〜28の長鎖
アルキル基を有するとともに、紫外線に活性な基を有す
るポリマーであり、このような剥離性ポリマーは、a)
側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するポリ
マーを生成する手段と、b)このポリマー中に紫外線に
活性な基を導入する手段とにより、生成されるものであ
る。
【0013】上記aの手段により生成するポリマーは、
側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するもの
で、上記炭素数が12未満となると剥離性能が低下し、
28を超えると原料成分の入手や取り扱い性などに問題
があり、好ましくない。このようなポリマーとしては、
アクリル系重合体が最も好ましいが、場合によって、ア
ルキルイソシアネートを原料成分としたウレタン系ポリ
マーなどの反応生成物であってもよい。この反応生成物
は、たとえば、ポリビニルアルコール系重合体やポリエ
チレンイミンなどに炭素数12〜28の長鎖アルキル基
を有するアルキルイソシアネートを反応させることによ
り、生成できる。
【0014】本発明に好適なアクリル系重合体は、乳化
重合や溶液重合などの通常のラジカル重合法を用い、炭
素数12〜28の長鎖アルキル基を有するアルキル(メ
タ)アクリレートをこれ単独でまたは他の単量体ととも
に重合させることにより、生成できる。また、より好ま
しくは、上記通常のラジカル重合法に代えて、無溶剤な
いし少量の溶剤系でも重合時の発熱制御が容易であるリ
ビングラジカル重合法を用いて、上記同様の単量体を重
合させることにより、生成できる。
【0015】リビングラジカル重合法は、特表平10−
509475号公報に示されているように、活性化剤と
して遷移金属とその配位子を使用し、これらの存在下、
重合開始剤を用いて、重合反応を進行させる方法であ
る。この重合法において、炭素数12〜28の長鎖アル
キル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、つまり
式(1);CH2 =C(R1 )COOR2 (式中、R1
は水素またはメチル基、R2 は炭素数12〜28の長鎖
アルキル基である)で表されるアクリル系単量体を必須
とした単量体の中から、その1種だけを重合させると単
独重合体を生成でき、2種以上を重合させると共重合体
を生成できる。
【0016】また、共重合体の場合、2種以上を同時に
重合させるとランダム共重合体を生成でき、順次重合さ
せると通常のラジカル重合法では合成困難であったブロ
ック共重合体を生成できる。たとえば、最初に式(1)
で表されるアクリル系単量体Aの重合を行い、その後に
上記以外の他の単量体Bの重合を行うと、重合体ブロッ
クAと重合体ブロックBとからなるA−B型のブロック
共重合体を生成でき、上記単量体Bの重合に続いて、再
度単量体Aの重合を行うと、A−B−A型のブロック共
重合体を生成できる。また、単量体A,Bを上記とは逆
の順に重合させると、B−A−B型のブロック共重合体
を生成できる。
【0017】なお、上記各種のブロック共重合体を生成
する場合、設計どおりのブロック構造とするため、先の
単量体の重合転化率が少なくとも50重量%を超えた時
点、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80
重量%以上になった時点で、別の単量体の重合を行うよ
うにするのがよい。
【0018】遷移金属には、Cu、Ru、Fe、Rh、
VまたはNiがあり、通常、これら金属のハロゲン化物
(塩化物、臭化物など)が用いられる。配位子は、遷移
金属を中心に配位して錯体を形成するものであり、ビピ
リジン誘導体、メルカプタン誘導体、トリフルオレート
誘導体、アミン誘導体などが用いられる。このうち、C
+1−ビピリジン錯体が、重合の安定性や重合速度の面
で、好ましい。
【0019】重合開始剤としては、α−位にハロゲンを
含有するエステル系またはスチレン系誘導体が好まし
く、とくに2−ブロモ(またはクロロ)プロピオン酸誘
導体、塩化(または臭化)1−フエニル誘導体が好まし
く用いられる。具体的には、2−ブロモ(またはクロ
ロ)プロピオン酸メチル、2−ブロモ(またはクロロ)
プロピオン酸エチル、2−ブロモ(またはクロロ)−2
−メチルプロピオン酸メチル、2−ブロモ(またはクロ
ロ)−2−メチルプロピオン酸エチル、塩化(または臭
化)1−フエニルエチル、エチレンビス(2−ブロモ−
2−メチルプロピオネ―ト)などを挙げることができ
る。
【0020】式(1)で表されるアクリル系単量体に
は、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メ
タ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレートなどが用いられる。他
の単量体には、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチ
ル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレ
ートなどの短鎖アルキル(メタ)アクリレートや、スチ
レン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メ
タ)アクリルアミド、マレイン酸のモノまたはジエステ
ル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ―
ト、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモル
ホリンなどが用いられる。これら他の単量体の使用量
は、剥離性能の面から、式(1)で表されるアクリル系
単量体が単量体全体の30重量%以上、通常は50重量
%以上、好ましくは60重量%以上となる割合とするの
がよい。
【0021】リビングラジカル重合において、重合開始
剤は、単量体に対し、通常0.01〜10モル%、好ま
しくは0.1〜2モル%の割合で用いられる。遷移金属
は、ハロゲン化物などの形態として、重合開始剤1モル
に対し、通常0.01〜3モル、好ましくは0.1〜1
モルの割合で用いられる。その配位子は、上記の遷移金
属(ハロゲン化物などの形態)1モルに対し、通常1〜
5モル、好ましくは2〜3モルの割合で用いられる。重
合開始剤と活性化剤を上記割合で使用すると、重合反応
性や生成ポリマーの分子量などに好結果が得られる。
【0022】このようなリビングラジカル重合は、無溶
剤でも進行させることができるし、酢酸ブチル、トルエ
ン、キシレンなどの溶剤の存在下で進行させてもよい。
溶剤を用いる場合、重合速度の低下を防ぐため、重合終
了後の溶剤濃度が50重量%以下となる少量の使用量と
するのがよい。無溶剤または少量の溶剤量とすると、環
境衛生や安全性などの面で好結果が得られる。また、重
合条件は、重合速度や触媒の失活の点より、70〜13
0℃の重合温度で、最終的な分子量や重合温度にも依存
するが、約1〜100時間の重合時間とすればよい。
【0023】このようなリビングラジカル重合により生
成するアクリル系重合体は、単独重合体、ランダム共重
合体またはブロック共重合体からなり、GPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)によりポリスチレ
ン換算にて求められる数平均分子量が通常1.5万〜1
0万の範囲にあるのが望ましい。この分子量があまりに
高すぎると、粘度が高くなって塗工作業性などが悪くな
り、逆に低すぎると、剥離性ポリマーとして良好な物性
を発現できない。
【0024】なお、アクリル系重合体の数平均分子量
(Mn)は、重合開始剤と単量体のモル比から、Mn
(計算値)=Σ(総和)〔単量体の分子量×(単量体の
モル比)/(重合開始剤のモル比)〕として、求められ
るものである。したがつて、理論的には、単量体と重合
開始剤からなる原料成分の仕込み比率を調整すること
で、数平均分子量を任意に制御することが可能である。
【0025】このように生成されるアクリル系重合体中
には、重合活性化剤として使用した遷移金属とその配位
子からなる不純物が多量に含まれており、これを剥離性
ポリマーとしてそのまま使用すると、上記不純物が着色
の原因となったり、被剥離処理面や粘着面などにマイグ
レートして汚染の原因となったりする。このため、上記
不純物を適宜の手段で除去しておくのがよい。除去方法
は、限定されないが、以下のような方法を採用して行う
のが望ましい。
【0026】すなわち、重合後、生成したアクリル系重
合体を粘度が100Pa・s以下の状態として、まず、
この重合体に不溶な遷移金属とその配位子を遠心分離機
などにより分離除去し、ついで、この重合体に溶解して
いる遷移金属とその配位子をイオン交換樹脂などにより
分離除去する方法である。これによれば、多量の溶剤を
使用することも、また重合体の収率を大きく低下させる
こともなく、重合体中の遷移金属とその配位子をそれぞ
れ30ppm以下にまで低減することができ、これら不
純物に起因した前記問題を回避することができる。
【0027】本発明においては、上記のように、まず、
aの手段として、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキ
ル基を有するポリマーを生成し、とくに好ましくは上記
したリビングラジカル重合により側鎖に炭素数12〜2
8の長鎖アルキル基を有するアクリル系重合体を生成
し、つぎに、bの手段として、このポリマー中に紫外線
に活性な基を導入する手段を付加して、側鎖に上記の長
鎖アルキル基を有するとともに、紫外線に活性な基を有
する剥離性ポリマーを生成する。ここで、上記の紫外線
に活性な基には、紫外線を吸収することによりラジカル
を発生する光開始基および/または不飽和二重結合があ
る。このような基は、剥離性ポリマーの生成方法に応じ
た、適宜の手段で導入することができる。
【0028】aの手段として、上記のリビングラジカル
重合法により、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル
基を有するアクリル系重合体を生成する場合には、bの
手段として、aの手段におけるリビングラジカル重合に
際し、紫外線に活性な基を有する単量体を併用すること
により、上記アクリル系重合体からなるポリマー中に紫
外線に活性な基を導入できる。とくに、この単量体の添
加時期の選択により、ポリマー分子の任意の位置に紫外
線に活性な基を導入できる。
【0029】この方法における紫外線に活性な基は、紫
外線を吸収することによりラジカルを発生する光開始基
であるのが望ましい。このような光開始基を有する単量
体には、(メタ)アクリロイル基が付加したベンゾフェ
ノン(ダイセルUCB社製の「エベクリルP36」)
や、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕
−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オ
ンの1級の水酸基と2−イソシアナートエチル(メタ)
アクリレートとの反応生成物が挙げられる。
【0030】また、上記の方法とは異なり、bの手段と
して、aの手段におけるリビングラジカル重合に際し、
官能基を有する単量体を使用し、このリビングラジカル
重合後に上記官能基を介して紫外線に活性な基を導入す
る手段を用いてもよい。具体的には、リビングラジカル
重合に際し、官能基を有する単量体として、水酸基を有
する単量体を使用して、水酸基を有するアクリル系重合
体からなるポリマーを生成し、上記の水酸基を介して、
紫外線を吸収することによりラジカルを発生する光開始
基および/または不飽和二重結合を有する反応性化合物
を、直接または間接的に反応させることにより、紫外線
に活性な基を導入できる。
【0031】上記の水酸基を有する単量体としては、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル
(メタ)アクリレートなどが用いられる。このような単
量体を使用してアクリル系重合体からなるポリマー中に
導入した水酸基に、この水酸基と反応する官能基である
イソシアナート基とともに不飽和二重結合を有する反応
性化合物、たとえば、2−イソシアナートエチル(メ
タ)アクリレートなどを反応させることにより、ポリマ
ー中に紫外線に活性な基として不飽和二重結合を直接導
入することができる。
【0032】また、上記の水酸基に、いったん、トリレ
ンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物を反
応させて、ポリマー中に水酸基よりもより活性な官能基
としてイソシアナート基を導入し、このイソシアナート
基と反応する官能基である水酸基とともに不飽和二重結
合を有する反応性化合物、たとえば、上記した水酸基を
有する単量体を反応させることにより、ポリマー中に紫
外線に活性な基として不飽和二重結合を間接的に導入す
ることができる。同様に、上記のように導入したイソシ
アナート基と反応する官能基である水酸基とともに、紫
外線を吸収することによりラジカルを発生する光開始基
を有する反応性化合物、たとえば、1−〔4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロパン−1−オンを反応させることによ
り、ポリマー中に、紫外線に活性な基として上記光開始
基を間接的に導入することができる。
【0033】また、本発明では、側鎖に炭素数12〜2
8の長鎖アルキル基を有するポリマーを生成するaの手
段として、リビングラジカル重合法ではなく、乳化重合
や溶液重合などの通常のラジカル重合法により、単独重
合体やランダム共重合体からなるアクリル系重合体を生
成することもできるが、この場合も、bの手段として、
上記のリビングラジカル重合法の場合とほぼ同様の方法
により、上記アクリル系重合体からなるポリマー中に紫
外線を吸収することによりラジカルを発生する光開始基
および/または不飽和二重結合を導入することができ
る。
【0034】さらに、本発明においては、既述したとお
り、側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有する
ポリマーを生成するaの手段として、アクリル系重合体
以外に、アルキルイソシアネートを原料成分としたウレ
タン系ポリマーなどの反応生成物を生成することもでき
るが、この反応生成物にあっては、bの手段として、ア
ルキルイソシアネートと反応させたのちのポリビニルア
ルコールなどの残存水酸基を利用して、上述した方法に
て紫外線を吸収することによりラジカルを発生する光開
始基および/または不飽和二重結合を有する化合物を反
応させて、ポリマー中に上記のような紫外線に活性な基
を導入することができる。
【0035】本発明において、上記bの手段により導入
される紫外線を吸収することによりラジカルを発生する
光開始基および/または不飽和二重結合からなる紫外線
に活性な基の数は、アクリル系重合体などからなる剥離
性ポリマー1分子あたり、1〜10個、とくに好ましく
は2〜8個の範囲内にあるのがよい。紫外線に活性な基
が過少では、架橋反応が十分に進行せず、剥離処理層の
耐熱性を改善できず、また過多となると、未反応の上記
基が残存して剥離性能が悪化し、粘着剤層の残留接着力
が低下するなどの問題があり、いずれも好ましくない。
【0036】本発明においては、このような側鎖に炭素
数12〜28の長鎖アルキル基を有し、かつ紫外線に活
性な基として紫外線を吸収することによりラジカルを発
生する光開始基および/または不飽和二重結合を有する
剥離性ポリマーを主剤とし、これに必要により、充填
剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、顔料などの各種の添加
剤を含ませて、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤と
する。
【0037】この長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤
は、剥離性ポリマーの生成方法やその後の調製方法によ
り、有機溶剤溶液タイプ、水分散タイプ、無溶剤タイプ
などの種々の形態とできる。環境対策面などからは、水
分散タイプや無溶剤タイプが好ましい。その中でも、無
溶剤系のリビングラジカル重合法で生成した側鎖に炭素
数12〜28の長鎖アルキル基を有し、かつ紫外線に活
性な基を有するアクリル系重合体を主剤とした無溶剤タ
イプの剥離処理剤が最も好ましい。
【0038】なお、上記のリビングラジカル重合法で生
成したアクリル系重合体は、既述のとおり、乳化重合な
どの通常のラジカル重合法で生成したものに比べ、分子
量がやや低い値に設定されるが、これを被剥離処理面に
塗布したのち紫外線を照射して架橋処理することによ
り、剥離処理層の耐熱性を大きく改善でき、所期の目的
とする耐熱性の良好な剥離処理層の形成が可能となる。
【0039】本発明の長鎖アルキルペンダント系剥離処
理剤は、最終的に、紫外線の照射により架橋処理され
る。その際、剥離性ポリマーに紫外線に活性な基が導入
されているため、紫外線によりラジカルを発生する光架
橋剤を配合する必要はとくにない。しかし、上記の光架
橋剤を配合すると、剥離性ポリマーの架橋度や剥離性能
をより容易に調整できるので、望ましい。とくに、紫外
線に活性な基が不飽和二重結合である場合、上記の光架
橋剤を配合した方が望ましい。
【0040】紫外線によりラジカルを発生する光架橋剤
には、ヒドロキシケトン類、ベンジルジメチルケタール
類、アミノケトン類、アシルフォスフィンオキサイド
類、ベンゾフェノン類、トリクロロメチル基含有トリア
ジン誘導体などがある。このような光架橋剤の使用量
は、剥離性ポリマーからなる主剤100重量部あたり、
0〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部とする
のがよい。光架橋剤が過多となると、過度な架橋反応に
より剥離処理層が硬くなって耐久性に乏しくなり、また
未反応物の転着で粘着剤層の残留接着力が低下したりす
る。
【0041】また、本発明の長鎖アルキルペンダント系
剥離処理剤には、架橋反応を一段と良好に進行させるた
め、また被剥離処理面に対する投錨性を向上させるた
め、さらには剥離処理層の被膜強度を向上させて耐久性
を良くするため、光架橋助剤を配合してもよい。この光
架橋助剤は、不飽和二重結合を有する化合物であって、
剥離処理剤が被剥離処理面に薄く塗布されるため、沸点
が高くて蒸発しにくいものであるのが望ましく、また分
子中に(メタ)アクリロイル基などの不飽和二重結合を
複数個有するものが望ましい。
【0042】このような光架橋助剤としては、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの多官
能モノマーや、オリゴ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレートなどのオリゴマ
ーが用いられる。この光架橋助剤の使用量としては、剥
離性ポリマーからなる主剤100重量部あたり、0〜1
00重量部、好ましくは0〜60重量部とするのがよ
い。光架橋助剤が過多となると、剥離処理剤として剥離
性能などの面で支障をきたしやすい。
【0043】本発明においては、上記の長鎖アルキルペ
ンダント系剥離処理剤を使用して、以下のように、被剥
離処理面を剥離処理する。まず、被剥離処理面に、上記
の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を、ロールコー
ター、キスコーター、スロットダイコーター、スクイズ
コーターなどの適宜の塗布手段にて、0.01〜10g
/mm2 、好ましくは0.05〜1g/mm2 の塗布量で塗
布し、これを必要により乾燥する。つぎに、高圧水銀ラ
ンプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどの有
極ランプや無極ランプを用いて、通常50mJ/cm2
上、5J/cm2までの照射光量で紫外線を照射して、上
記の剥離処理剤を架橋処理する。これにより、耐熱性に
すぐれた剥離処理層が形成される。
【0044】この剥離処理方法を適用して、剥離シート
を作製する場合、基材として紙、プラスチックラミネー
ト紙、布、プラスチックラミネート布、プラスチックフ
ィルム、金属箔、発泡体などを用い、この基材の片面ま
たは両面を被剥離処理面として、これに上記方法で架橋
処理した剥離処理層を形成すればよい。また、粘着シー
トを作製する場合、上記同様の基材の一面にアクリル系
やゴム系などの各種粘着剤からなる粘着剤層を設け、こ
の粘着剤層形成面とは反対側の面を被剥離処理面とし
て、これに上記方法で架橋処理した剥離処理層を形成す
ればよい。
【0045】本明細書において、剥離シートには、通常
広幅の剥離シートのほか、通常狭幅の剥離テープが含ま
れ、また剥離ラベルなどの他の各種の剥離製品が含まれ
る。同様に、粘着シートには、通常広幅の粘着シートの
ほか、通常狭幅の粘着テープが含まれ、また粘着ラベル
などの他の各種の粘着製品が含まれる。
【0046】本発明の長鎖アルキルペンダント系剥離処
理剤を使用した剥離処理方法によると、剥離性能と耐熱
性にすぐれ、剥離後の粘着剤層の残留接着力なども満足
する剥離処理層を形成できる。このため、この剥離処理
方法は、上記した剥離シートや粘着シートの作製のほ
か、他の各種の被処理物体の剥離処理化にも応用でき、
とくに各種工程紙の作製に応用することができる。
【0047】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重
量部を意味するものとする。
【0048】実施例1 撹拌機、窒素導入管、冷却管、ラバーセプタムを備えた
4つ口フラスコに、オクタデシルアクリレート60gを
入れ、これに2,2′−ビピリジン0.6gを加えて、
系内を窒素置換した。これに窒素気流下、臭化銅0.2
4gを加えて、反応系を90℃に加熱し、重合開始剤と
して2−ブロモイソ酪酸エチル0.39gを加えて重合
を開始し、溶剤を加えずに窒素気流下、90℃で10時
間重合した。重合率が85重量%以上であることを確認
したのち、これに2−エチルヘキシルアクリレート3
7.5gおよびアクリロイル化ベンゾフェノン(ダイセ
ルUCB社製の「エベクリルP36」)2.5gをラバ
ーセプタムから添加し、110℃で24時間加熱して重
合した。
【0049】このようにして得られた重合反応物を10
0℃に加熱し、8,000gの遠心力で30分間遠心処
理して、上澄みの重合体を得た。この重合体50gにス
ルホン酸型イオン交換樹脂10gを加え、100℃で1
時間撹拌後、上記のイオン交換樹脂をろ去して、高純度
のアクリル系重合体を生成した。このアクリル系重合体
は、側鎖に長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有す
るオクタデシルアクリレート重合体ブロックAと、側鎖
に紫外線を吸収することでラジカルを発生する光開始基
を有する2−エチルヘキシルアクリレート重合体ブロッ
クBとからなるA−B型ジブロック共重合体で、数平均
分子量は5.1万であった。上記光開始基の数は1分子
あたり3個(計算値)であった。
【0050】このアクリル系重合体からなる剥離性ポリ
マーを主剤として、これ単独で長鎖アルキルペンダント
系剥離処理剤とした。これを基材として厚さが25μm
のポリエステルフイルムの片面に、ワイヤーバーによ
り、0.1g/mm2 の塗布量となるように塗布し、10
0℃で1分間加熱乾燥した。その後、上記の塗布面に、
メタルハライドランプにより、紫外線を1J/cm2 の照
射光量で照射し、架橋処理した剥離処理層を形成して、
剥離シートを作製した。
【0051】実施例2 実施例1で得たアクリル系重合体からなる剥離性ポリマ
ーを主剤として、この主剤100部あたり、光架橋剤と
して2−ヒドロキシ−2−メチル−〔4−(1−メチル
ビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー0.5部を
配合して、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤とし
た。これを使用した以外は、実施例1と同様にして、剥
離シートを作製した。
【0052】実施例3 実施例1で得たアクリル系重合体からなる剥離性ポリマ
ーを主剤として、この主剤100部あたり、光架橋助剤
として1,4−ブタンジオールジアクリレ−ト50部を
配合して、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤とし
た。これを使用した以外は、実施例1と同様にして、剥
離シートを作製した。
【0053】実施例4 撹拌機、窒素導入管、冷却管、ラバーセプタムを備えた
4つ口フラスコに、オクタデシルアクリレート70gを
入れ、これに2,2′−ビピリジン0.6gを加えて、
系内を窒素置換した。これに窒素気流下、臭化銅0.2
4gを加えて、反応系を90℃に加熱し、重合開始剤と
して2−ブロモ−イソ酪酸エチル0.58gを加えて重
合を開始し、溶剤を加えずに窒素気流下、90℃で10
時間重合した。重合率が85重量%以上であることを確
認したのち、これに2−エチルヘキシルアクリレート2
8.4gと2−ヒドロキシエチルアクリレート1.6g
とをラバーセプタムから添加し、110℃で25時間加
熱して重合した。
【0054】このようにして得られた重合反応物を10
0℃に加熱し、8,000gの遠心力で30分間遠心処
理して、上澄みの重合体を得た。この重合体50gにス
ルホン酸型イオン交換樹脂10gを加え、100℃で1
時間撹拌後、イオン交換樹脂をろ去し、高純度のアクリ
ル系重合体を生成した。このアクリル系重合体は、側鎖
に長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有するオクタ
デシルアクリレート重合体ブロックAと、2−エチルヘ
キシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレー
トとの共重合体ブロックBとからなるA−B型ジブロッ
ク共重合体であって、官能基として水酸基を有するもの
であり、数平均分子量は3.7万であった。
【0055】このアクリル系重合体に、この重合体10
0部あたり、2−イソシアナートエチルメタクリレート
2.25部とジブチル錫ジラウレート0.02部を添加
し、90℃で1時間反応させて、ポリマー分子中に不飽
和二重結合(メタクリロイル基)を1分子あたり5個
(計算値)導入した。このように不飽和二重結合を導入
したアクリル系重合体からなる剥離性ポリマーを主剤と
し、この主剤100部あたり、光架橋剤として1−ヒド
ロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン3部を配合し
て、長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤とした。これ
を使用した以外は、実施例1と同様にして、剥離シート
を作製した。
【0056】比較例1 アクリロイル化ベンゾフェノン2.5gを使用しなかっ
た以外は、実施例1と同様にして、側鎖に紫外線を吸収
することによりラジカルを発生する光開始基を有しない
A−B型ジブロック共重合体からなるアクリル系重合体
を得た。このアクリル系重合体を剥離性ポリマーとし、
このポリマーを主剤として、これ単独で長鎖アルキルペ
ンダント系剥離処理剤とした。これを使用した以外は、
実施例1と同様にして、剥離シートを作製した。
【0057】比較例2 実施例1で得た長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を
基材に塗布し、加熱乾燥したのち、紫外線照射による架
橋処理を施さなかった以外は、実施例1と同様にして、
剥離シートを作製した。
【0058】上記の実施例1〜4および比較例1,2の
各剥離シートについて、下記の方法により、粘着面に対
する剥離性試験および残留接着力試験を行つた。これら
の結果は、表1に示されるとおりであった。
【0059】<粘着面に対する剥離性試験>剥離シート
にアクリル系粘着テープ〔日東電工(株)製の「No.
31B」〕の粘着面を、自重2Kgのローラーにより貼り
付け、室温(23℃)または100℃の雰囲気下、50
g/cm2 の荷重をかけた状態で24時間放置した。その
後、荷重を解き、引張り試験機により、室温(23℃)
で300mm/分の速度で粘着テープを180°剥離し、
その剥離力(N/20mm幅 )を測定した。この測定値が
大きいと、粘着テープの巻き戻し力が大きくなり、巻き
戻し作業性が悪くなることを意味している。
【0060】<残留接着力試験>上記剥離力測定後のア
クリル系粘着テープをSUS板に自重2Kgのローラーに
より貼り付け、室温(23℃)で30分放置後、引張り
試験機により、室温で300mm/分の速度で粘着テープ
を180°剥離し、その接着力(N/20mm幅 )を測定
した。この測定値を、剥離シートに貼り合わせなかった
アクリル系粘着テープの接着力をブランクとして、下記
の式により、残留接着力を求めた。
【0061】
【0062】上記表1の結果から明らかなように、側鎖
に長鎖アルキル基を有するとともに、紫外線に活性な基
を有する剥離性ポリマーを主剤とし、紫外線の照射によ
り、架橋処理を施した実施例1〜4の各剥離シートは、
高温(100℃)での剥離力の増加が少なく、耐熱性に
すぐれた剥離性能を発揮しており、残留接着力の低下も
少ないものであることがわかる。
【0063】これに対し、紫外線に活性な基を有しない
剥離性ポリマーを使用した比較例1の剥離シートと、紫
外線照射による架橋処理を施さなかった比較例2の剥離
シートは、いずれも、高温(100℃)での剥離力の増
加が認められ、残留接着力の低下も大きいものであるこ
とがわかる。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明は、側鎖に長鎖ア
ルキル基を有するとともに、紫外線に活性な基を有する
剥離性ポリマーを主剤とし、紫外線照射による架橋処理
を施したことにより、耐熱性の改良された、とくに10
0℃以上の加熱を行っても剥離性能が低下することのな
い、工業的に有用な長鎖アルキルペンダント系剥離処理
剤とこの剥離処理剤を使用した剥離処理方法を提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 知子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE19 BB42Z BB46Z CA07 CA18 DA04 DA25 DB01 DB18 DB20 DB31 DC21 DC36 EA06 EA09 EA10 EA21 EB19 EB20 EB22 EB33 EB35 EB38 4J026 HA12 HA25 HA39 HB12 HB25 HB39 HB45 HE01 HE02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル
    基を有するとともに、紫外線に活性な基を有する剥離性
    ポリマーを主剤としたことを特徴とする長鎖アルキルペ
    ンダント系剥離処理剤。
  2. 【請求項2】 紫外線に活性な基は、紫外線を吸収する
    ことによりラジカルを発生する光開始基および/または
    不飽和二重結合である請求項1に記載の長鎖アルキルペ
    ンダント系剥離処理剤。
  3. 【請求項3】 a)側鎖に炭素数12〜28の長鎖アル
    キル基を有するポリマーを生成する手段と、b)このポ
    リマー中に紫外線に活性な基を導入する手段とにより、
    側鎖に炭素数12〜28の長鎖アルキル基を有するとと
    もに、紫外線に活性な基を有する剥離性ポリマーを生成
    し、これを主剤とすることを特徴とする長鎖アルキルペ
    ンダント系剥離処理剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 aの手段は、式(1);CH2 =C(R
    1 )COOR2 (式中、R1 は水素またはメチル基、R
    2 は炭素数12〜28の長鎖アルキル基である)で表さ
    れるアクリル系単量体を必須とした単量体を、遷移金属
    とその配位子の存在下、重合開始剤を用いて、リビング
    ラジカル重合する手段であり、これとbの手段とによ
    り、剥離性ポリマーとして、側鎖に炭素数12〜28の
    長鎖アルキル基を有するとともに、紫外線に活性な基を
    有するアクリル系重合体を生成する請求項3に記載の長
    鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 アクリル系重合体は、式(1)で表され
    るアクリル系単量体の重合体ブロックと上記以外の単量
    体の重合体ブロックとからなるブロック共重合体である
    請求項4に記載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 bの手段として、aの手段におけるリビ
    ングラジカル重合に際し、紫外線に活性な基を有する単
    量体を使用する請求項4または5に記載の長鎖アルキル
    ペンダント系剥離処理剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 bの手段として、aの手段におけるリビ
    ングラジカル重合に際し、官能基を有する単量体を使用
    し、このリビングラジカル重合後に上記官能基を介して
    紫外線に活性な基を導入する請求項4または5に記載の
    長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 被剥離処理面に、請求項1または2に記
    載の長鎖アルキルペンダント系剥離処理剤を塗布したの
    ち、紫外線を照射して、上記処理剤を架橋処理すること
    を特徴とする剥離処理方法。
  9. 【請求項9】 被剥離処理面は、剥離シートにおける基
    材の片面または両面である請求項8に記載の剥離処理方
    法。
  10. 【請求項10】 被剥離処理面は、粘着シートにおける
    基材の粘着剤層形成面とは反対側の面である請求項8に
    記載の剥離処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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