明 細 書
ポリシルセスキォキサングラフト重合体、その製造方法及び粘着剤 技術分野
[0001] 本発明は、末端部にハロゲン原子を有するポリシルセスキォキサンィ匕合物に、原子 移動ラジカル重合(ATRP : Atom Transfer Radical Polymerization)法(以下 、「ATRP法」ということがある。)により、ビニル化合物をグラフト重合させて得られるポ リシルセスキォキサングラフト重合体及びその製造方法、並びにこのポリシルセスキ ォキサングラフト重合体を用いる粘着剤及び粘着シートに関する。
背景技術
[0002] 従来、各種の部材ゃ機器に貼着するラベルシートとして、基材シートに粘着剤を塗 布して形成してなる粘着剤層を有する粘着シートが知られている。
この粘着シートは、押圧するだけで直ぐに貼り付けることができるという利便性から、 印刷ラベル用、包装貼付用等として多くの産業分野で広く利用されている。例えば、 自動車や電気 ·電子製品の生産ラインにおける生産管理においては、部品にバーコ ード印字された粘着シート (ラベル)を貼付することが行われて 、る。
[0003] ところで、この自動車や電気'電子製品の生産ラインにおける生産管理等において は、部品によっては熱処理が施される工程があり、ラベルを使用する場合には、該ラ ベルに対して耐熱性が求められる。
このような耐熱用途のバーコードラベルとしては、従来、ポリイミドフィルムゃポリエ 一テルイミドフィルムが用いられている力 これらのフィルムは高価であり、得られるバ 一コードラベル力 Sコスト高になるという欠点がある。また、バーコードラベルの基材とし て、一般的に用いられているポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンフィル ムは、安価であるものの、耐熱性に劣るという問題がある。
[0004] このような問題を解決すベぐ特開 2002— 275438号公報には、ポリエチレンナフ タレートフィルム力もなる基材の一方の側の面に印字用コート層を有し、かつ該基材 の反対側の面に、温度 150°Cにおける粘着力が 0. 5NZ25mm以上である耐熱性 粘着剤層を有することを特徴とする耐熱性ラベルが提案されている。ここでは、耐熱
性粘着剤層を構成する粘着剤として、ゴム系やアクリル系の粘着剤等が使用されて いる。
[0005] また、特開 2003— 138229号公報には、基材シートの少なくとも一方の面に,耐熱 性の水系粘着剤を含む感熱性粘着剤層を形成してなることを特徴とする粘着シート が記載されている。耐熱性の水系粘着剤として、アクリル系重合体ェマルジヨン又は ゴム系ラテックスを主成分とし、粘着付与榭脂ェマルジヨンを配合した一般的な水系 粘着剤が用いられている。
しカゝしながら、これらの文献に記載された粘着シートに用いられる粘着剤は従来公 知のものであり、耐熱性等の面からは十分なものとはいいがたぐより耐熱性及び粘 着力に優れる新 、粘着剤の開発が求められて!/ヽた。
[0006] 本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、優れた耐熱性 と凝集力とを兼ね備えた粘着剤となり得る新規ポリシルセスキォキサングラフト重合体 及びその製造方法、並びにこのポリシルセスキォキサングラフト重合体を用いる粘着 剤及び粘着シートを提供することを課題とする。
発明の開示
[0007] 本発明者らは、 2— (p—クロロメチルフエ-ル)ェチルトリメトキシシランとフエ-ルトリメ トキシシランとを、酸触媒 (メタンスルホン酸)の存在下に反応させることにより、ラダー 型構造を有するポリシルセスキォキサン化合物を合成した。そして、得られたポリシル セスキォキサン化合物の末端クロロメチル基を反応開始点とする、 ATRP法によるメ タクリル酸エステルとのグラフト重合により、ポリシルセスキォキサングラフト重合体が 効率よく得られることを見出した。また、得られたポリシルセスキォキサングラフト重合 体を含有する粘着剤は、優れた耐熱性及び凝集力を有することを見出し、本発明を 完成するに至った。
[0008] 力べして本発明の第 1によれば、分子内に、式(1)
[0009] [化 1]
[0010] (式中、 Aは連結基を表し、 R1は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、 R2は 水素原子又は炭素数 1一 18のアルキル基を表し、 R3は極性基又は置換基を有して いてもよいァリール基を表し、 R4は水素原子、炭素数 1一 6のアルキル基、エステル 基又はァシル基を表す。 kl、 k2及び k3は、それぞれ独立して任意の自然数を表し、 kl、 k2及び k3がそれぞれ 2以上のとき、式: CH -C (R2) (R3)—で表される基は同
2
一であっても、相異なっていてもよい。 1、 m、 nはそれぞれ独立して 0又は任意の自然 数を表す。ただし、 m=n=0の場合を除く。)で表される繰り返し単位を有するポリシ ルセスキォキサングラフト重合体が提供される
本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体は、数平均分子量が 5, 000— 1, 000, 000であるちの力好まし!/ヽ。
[0011] 本発明の第 2によれば、分子内に、式(2)
[0012] [化 2]
[0013] (式中、 Aは連結基を表し、 R1は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、 R4は 水素原子、炭素数 1一 6のアルキル基、エステル基又はァシル基を表し、 Xはハロゲ ン原子を表す。 1、 m、 nは、それぞれ独立して 0又は任意の自然数を表す。ただし、 m =n=0の場合を除く。 )で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキォキサン化 合物と、式(3): CH =C (R2)-R3 (式中、 R2は水素原子又は炭素数 1
2 一 18のアルキ ル基を表し、 R3は極性基又は置換基を有していてもよいァリール基を表す。)で表さ れるビニル化合物とを、原子移動ラジカル重合法により反応させることを特徴とする、 本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体の製造方法が提供される。
[0014] 本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体の製造方法は、式 (4): [XCH (R4 )A〕Si (OR5) (式中、 A、 X及び R4は前記と同じ意味を表し、 R5は炭素数 1
3 一 6のァ ルキル基を表す。)で表されるアルコキシシラン化合物、及び前記式 (4)で表されるァ ルコキシシラン化合物 1重量部に対し、 0— 100倍量の式(5): R1 Si (OR6) (式中、 R
3
1は前記と同じ意味を表し、 R6は炭素数 1一 6のアルキル基を表す。)で表されるアル コキシシランィ匕合物を、酸触媒又は塩基触媒の存在下に縮合させることにより、分子 内に、式(2)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキォキサンィ匕合物を得る 工程と、得られたポリシルセスキォキサンィ匕合物を重合開始剤とし、原子移動ラジカ ル重合法により、式(3): CH =C (R2)-R3 (式中、 R2 3は前記と同じ意味を表す。
2 、 R
)で表されるビニルイ匕合物と反応させる工程を有するものが好まし 、。
[0015] また、本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体の製造方法は、前記式(2)で 表される繰り返し単位を有するポリシルセスキォキサンィ匕合物を、遷移金属錯体の存 在下に、前記式(3)で表されるビ-ルイ匕合物と反応させるものであるのが好ましい。
[0016] 本発明の第 3によれば、本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体を含有す ることを特徴とする粘着剤が提供される。
本発明の第 4によれば、基材シートと、該基材シート上に本発明の粘着剤から形成 されてなる粘着剤層とを有することを特徴とする粘着シートが提供される。
図面の簡単な説明
[0017] [図 1]図 1は、製造例 1で得たポリシルセスキォキサン化合物(PhClPSQ)の1 H— NM Rスペクトル図である。
[図 2]図 2は、製造例 1で得たポリシルセスキォキサン化合物(PhClPSQ)の IRスぺク トノレ図である。
[図 3]図 3は、実施例 1で得たグラフト重合体 (重合体 1)の1 H— NMRスペクトル図であ る。
[図 4]図 4は、実施例 1で得たグラフト重合体 (重合体 1)の IRスペクトル図である。
[図 5]図 5は、重合体 1、重合体 16及び重合体 17の TGA曲線である。
発明を実施するための最良の形態
[0018] 以下、本発明を、 1)ポリシルセスキォキサングラフト重合体、 2)ポリシルセスキォキ サングラフト重合体の製造方法、 3)粘着剤、及び 4)粘着シートに項分けして詳細に 説明する。
[0019] 1)ポリシルセスキォキサングラフト重合体
本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体は、分子内に、前記式(1)で表され る繰り返し単位を有することを特徴とする。
[0020] 前記式(1)で表される繰り返し単位において、 Aは連結基を表す。
連結基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有して V、てもよ 、ァリーレン基、置換基を有して 、てもよ 、アルキレン基と置換基を有して ヽ てもよ ヽァリーレン基との組み合わせ等が挙げられる。
[0021] 置換基を有して!/、てもよ 、アルキレン基のアルキレン基としては、メチレン基、ェチ
レン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、へキサメチ レン基等の炭素数 1一 20の飽和のアルキレン基;ビ-レン基、プロべ-レン基、ブテ 二レン基、ペンテ-レン基等の炭素数 2— 20の不飽和のアルキレン基;などが挙げら れる。
置換基を有していてもよいァリーレン基のァリーレン基としては、 o フエ-レン基、 m フエ-レン基、 p フエ-レン基等が挙げられる。
[0022] 前記アルキレン基の置換基としては、アミノ基、メチルァミノ基、ジメチルァミノ基等 の置換基を有していてもよいアミノ基;水酸基;メルカプト基;アミド基、 N, N ジメチ ルアミド基等の置換基を有して 、てもよ 、アミド基;カルボキシル基;フッ素原子、塩 素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;メチ ルチオ基、ェチルチオ基等のアルキルチオ基;メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ -ル基等のアルコキシカルボ-ル基;等が挙げられる。
[0023] 前記ァリーレン基の置換基としては、シァノ基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭 素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、 ェチルチオ基等のアルキルチオ基;等が挙げられる。これらの置換基は、アルキレン 基又はァリーレン基の任意の位置に結合していてもよぐ同一若しくは相異なって複 数個が結合していてもよい。
[0024] 置換基を有して!/、てもよ 、アルキレン基と置換基を有して 、てもよ 、ァリーレン基と の組み合わせとしては、前記置換基を有していてもよいアルキレン基の少なくとも 1種 と、前記置換基を有して 、てもよ 、ァリーレン基の少なくとも 1種とを直列に結合した 基が挙げられる。
[0025] R1の炭化水素基の置換基としては、前記 Aのアルキレン基及びァリーレン基の置 換基として例示したものと同様のものが挙げられる。また置換基は、炭化水素基の任 意の位置に結合していてもよぐ同一若しくは相異なって複数個が結合していてもよ い。
[0026] R2は水素原子;又はメチル基、ェチル基、 n プロピル基、イソプロピル基、 n—ブチ ル基、 t ブチル基、 n ペンチル基、 n—へキシル基、 n—へプチル基、 n—才クチル基 、 n ノ-ル基、 n デシル基、 n—ドデシル基等の炭素数 1一 18のアルキル基;を表す
[0027] R3は、極性基又は置換基を有して 、てもよ 、ァリール基を表す。
極性基としては、カルボキシル基;メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基、プ 口ポキシカルボ-ル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボ-ル基、 t ブト キシカルボ-ル基等のアルコキシカルボ-ル基;ァセチル基、プロピオ-ル基、ベン ゾィル基等のァシル基;シァノ基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;メチルス ノレホ-ノレ基、ェチノレスノレホ-ノレ基等のァノレキノレスノレホ-ノレ基;フエ-ノレスノレホニノレ基 、 p メチルフエ-ルスルホ -ル基等のァリールスルホ -ル基;等が挙げられる。
[0028] 置換基を有して!/、てもよ 、ァリール基としては、フエ-ル基、 2 クロ口フエ-ル基、 3 —クロ口フエ-ル基、 4 クロ口フエ-ル基、 4 メチルフエ-ル基、 4ーメトキシフエ-ル 基、 4 t ブトキシフエ-ル基、 2, 4, 6—トリメチルフエ-ル基等の置換基を有してい てもよ 、フエ-ル基; 1 ナフチル基、 2—ナフチル基等の置換基を有して 、てもよ ヽ ナフチル基等が挙げられる。
[0029] R4は、水素原子;メチル基、ェチル基、 n プロピル基、イソプロピル基、 n ブチル 基、 n ペンチル基、 n—へキシル基等の炭素数 1一 6のアルキル基;メトキシカルボ- ル基、エトキシカルボ-ル基、フヱノキシカルボ-ル基、ベンジルォキシカルボ-ル基 等のエステル基;又は、ァセチル基、プロピオ-ル基、ベンゾィル基等のァシル基;を 表す。
[0030] kl、 k2及び k3は、それぞれ独立して任意の自然数を表し、 kl、 k2及び k3がそれ ぞれ 2以上のとき、式: CH -C (R2) (R3)—で表される基は同一であっても、相異な
2
つていてもよい。
1、 m、 nはそれぞれ独立して 0又は任意の自然数を表す。ただし、 m=n=0の場合 は除かれる。
[0031] 本発明に用いるポリシルセスキォキサングラフト重合体の数平均分子量は特に限 定されるもので ίまな ヽ力 通常、 5, 000— 1, 000, 000、好まし <ίま 10, 000— 1, 0 00, 000、より好まし <は 50, 000— 500, 000である。
本発明に用いるポリシルセスキォキサングラフト重合体の分子量分布 (Mw/Mn) は特に制限されないが、通常 1. 0-5. 0、好ましくは 1. 3-3. 0の範囲である。
[0032] 本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体は、熱重量分析 (TGA)測定にお いて、 300°Cまで加熱したときの重量損失率 (WL )が 10%以下、好ましくは 7%以
300
下である。
[0033] また、本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体は、従来のアクリル系粘着剤 と同等又は同等以上の凝集力を示す。すなわち、 JIS Z0237に準拠して測定した プローブタックが 160以上であり、保持力が lOOsec以上であり、粘着力が 6. 5N/2 5mm以上である。
[0034] 2)ポリシルセスキォキサングラフト重合体の製造方法
本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体の製造方法は、分子内に、前記式 (2)で表される繰り返し単位を有するポリシルセスキォキサンィ匕合物(以下、「ポリシル セスキォキサン化合物(2)」と略記する。)と、式(3): CH =じ( )ー (式中、1^は
2
水素原子又は炭素数 1一 18のアルキル基を表し、 R3は極性基又は置換基を有して いてもよいァリール基を表す。)で表されるビ-ルイ匕合物とを、 ATRP法により反応さ せることを特徴とする。
[0035] 本発明に用いるポリシルセスキォキサン化合物(2)において、式(2)中、
R
4、 A 、 1、 m及び nは前記と同じ意味を表す。また、 Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子な どのハロゲン原子を表し、塩素原子、臭素原子が好ましい。
[0036] 本発明に用いる前記式(3)で表されるビニル化合物(以下、「ビニル化合物(3)」と 略記する。)としては、ラジカル重合性のビニル基(二重結合)を有する化合物であれ ば特に制限されない。例えば、前記式(3)において、 R3がアルコキシカルボ-ル基で あるアクリル系化合物、 R3が置換基を有して 、てもよ 、ァリール基である芳香族ビ- ル化合物、 R3がシァノ基であるビュル-トリルイ匕合物、 R3がァシル基であるビュルケト ン化合物、 R3がアルコキシ基であるビュルエーテル化合物、 R3がアルキルスルホ二 ル基又はァリールスルホ-ル基であるビュルスルホン化合物、 R3がァセトキシ基であ るビニルエステルイ匕合物等が挙げられる。
[0037] アクリル系化合物としては、分子内に (メタ)アタリロイル基を有する化合物であれば 特に制限はない。アクリル系化合物の具体例としては、メチル (メタ)アタリレート、ェチ ル (メタ)アタリレート、 n—プロピル (メタ)アタリレート、イソプロピル (メタ)アタリレート、 n
—ブチル (メタ)アタリレート、イソブチル (メタ)アタリレート、 t—ブチル (メタ)アタリレート
、 n-ペンチル (メタ)アタリレート、 n-へキシル (メタ)アタリレート、 2-ェチルへキシル( メタ)アタリレート、ォクチル (メタ)アタリレート、ノ-ル (メタ)アタリレート、デシル (メタ) アタリレート、ゥンデシル (メタ)アクレート、ドデシル (メタ)アタリレート、メトキシメチル( メタ)アタリレート、メトキシエチレングリコール (メタ)アタリレート、メトキシポリエチレン グリコール (メタ)アタリレート、ノユルフェノキシェチル (メタ)アタリレート、 3 クロ口— 2 —ヒドロキシプロピル (メタ)アタリレート、フエノキシェチル (メタ)アタリレート、フエノキシ ポリエチレングリコール (メタ)アタリレート、ブトキシポリエチレングリコール (メタ)アタリ レート、シクロへキシル (メタ)アタリレート、テトラヒドロフルフリル (メタ)アタリレート、ィ ソボル-ル (メタ)アタリレート、ベンジル (メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシェチル (メタ) アタリレート、 2— (メタ)アタリロイルォキシェチルー 2—ヒドロキシェチルフタル酸、グリセ リンモノ(メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシブチル (メタ)アタリレート、ポリプロピレングリコ ール (メタ)アタリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アタリレート、ポリ ε—力プロ ラタトンモノ (メタ)アタリレート、ジアルキルアミノエチル (メタ)アタリレート、グリシジル( メタ)アタリレート、モノ [ (メタ)ァクロィルォキシェチル]アシッドホスフェート、トリフルォ 口ェチル (メタ)アタリレート、 2, 2, 3, 3—テトラフルォロプロピル (メタ)アタリレート、 2, 2 , 3, 4, 4, 4一へキサフルォロブチル (メタ)アタリレート、パーフルォロォクチルェチル( メタ)アタリレート、ジシクロペンテ-ルォキシアルキル (メタ)アタリレート、トリシクロデカ -ルォキシェチル (メタ)アタリレート、イソボル-ルォキシェチル (メタ)アタリレート、モ ルホリン (メタ)アタリレート、 Ν, Ν'-ジメチルアクリルイミド等の単官能性 (メタ)アタリレ ート化合物;
2, 2—ジメチル— 3—ヒドロキシプロピル 2, 2 ジメチルー 3—ヒドロキシプロピオネート のジ (メタ)アタリレート、エチレングリコールジ (メタ)アタリレート、テトラエチレングリコー ルジ (メタ)アタリレート、ポリエチレングリコールジ (メタ)アタリレート、プロピレングリコー ルジ (メタ)アタリレート、ポリプロピレングリコールジ (メタ)アタリレート、 1, 4 ブタンジォ ールジ (メタ)アタリレート、 1, 6—へキサンジオールジ (メタ)アタリレート、グリセリンジ (メ タ)アタリレート、ネオペンチルグリコールジ (メタ)アタリレート、ビスフエノール Αのェチ レンォキシド付カ卩物のジ (メタ)アタリレート、ビスフエノール Aのプロピレンォキシド付カロ
物のジ (メタ)アタリレート、 2, 2'—ジ(ヒドロキシプロポキシフエ-ル)プロパンのジ (メタ) アタリレート、 2, 2'—ジ(ヒロドロキシエトキシフエ-ル)プロパンのジ (メタ)アタリレート、 トリシクロデカンジメチロールのジ (メタ)アタリレート、ジシクロペンタジェンジ (メタ)アタリ レート、ペンタンジ (メタ)アタリレート、トリシクロデカンジメタノールジ (メタ)アタリレート、 2, 2'—ジ(グリシジルォキシフエ-ル)プロパンの (メタ)アクリル酸付カ卩物、 2—ヒドロキ シー1ー (メタ)アタリロキシー3— (メタ)アタリロキシプロパン等の 2官能性 (メタ)アタリレート 化合物;
[0039] トリメチロールプロパントリアタリレート、トリメチロールプロパントリ(ォキシェチル) (メ タ)アタリレート、ペンタエリスリトールトリ (メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールテトラァ( メタ)アタリレート、ジペンタエリスリトールへキサ (メタ)アタリレート、テトラメチロールメタ ントリ (メタ)アタリレート、テトラメチロールメタンテトラ (メタ)アタリレート、トリス (アタリロキ シ)イソシァヌレート、トリス(2—ヒドロキシェチル)イソシァヌレートのトリ (メタ)アタリレー ト、トリス (ヒドロキシプロピル)イソシァヌレートのトリ (メタ)アタリレート等の多官能性 (メ タ)アタリレートイ匕合物;等が挙げられる。
[0040] 芳香族ビュル化合物としては、スチレン、 α—メチルスチレン、 4ーメチルスチレン、 4 ーメトキシスチレン、 4 tーブトキシスチレン、 3—クロロスチレン等が挙げられる。ビュル 二トリルイ匕合物としては、アクリロニトリル、メタタリ口-トリル等が挙げられる。ビュルケト ン化合物としては、ビュルメチルケトン、ビュルフエ-ルケトン等が挙げられる。ビュル エーテル化合物としては、ェチルビ-ルエーテル、プロピルビュルエーテル等が挙 げられる。ビュルスルホン化合物としては、ビュルメチルスルホン等が挙げられる。ま た、ビニルエステルイ匕合物としては酢酸ビュル等が挙げられる。これらの中でも、耐 熱性及び凝集力に優れるグラフト重合体が効率よく得られることから、アクリル系化合 物の使用が特に好ましい。
[0041] また本発明にお 、ては、上記ビニル化合物(3)の 2種以上を組み合わせて用いる こともできる。この場合には、重合反応液に種類の異なるビ-ルイ匕合物(3)を段階的 に添加することにより、分子末端に、ビニルイ匕合物(3)のブロック共重合体がグラフト したグラフト重合体を得ることができる。
[0042] ビニル化合物(3)の使用量は、ポリシルセスキォキサンィ匕合物(2) 1重量部に対し、
通常、 1一 1000重量部、好ましくは 5— 200重量部の範囲である。
[0043] 本発明に用いる ATRP法はリビングラジカル重合法の一つであって、成長ラジカル が共有ィ匕学種と可逆的に反応してラジカルを生成させて重合する方法である。 ATR P法による重合はリビング的に進行し、一般的に分子量分布の狭い重合体が得られ るという利点をもつ。本発明においては、分子末端にハロゲン原子を有するポリシル セスキォキサン化合物(2)が重合開始剤であり、ビニル化合物(3)がラジカル重合性 化合物となる。
[0044] ATRP法は、一般的には、有機ハロゲンィ匕合物を重合開始剤とし、遷移金属錯体 力 なるレドックス触媒の存在下、ラジカル重合性化合物をグラフト重合させる。ここ で用いるレドックス触媒 (レドックス共役錯体)は、中心金属の原子価が低原子価と高 原子価との間を可逆的に変化する錯体である。
[0045] 本発明に用いる遷移金属錯体としては特に制限されな 、が、好ましくは周期律表 第 7族、第 8族、第 9族、第 10族、第 11族元素を中心金属とする遷移金属の錯体が 挙げられる。
[0046] 本発明に用いる遷移金属錯体の中心金属としては、 Cu+、 Ni°、 Ni+、 Ni
2+、 Pd°、 Pd+、 Pt°、 Pt+、 Pt
2+、 Rh+、 Rh
2+、 Rh
3+、
Ir°、 Ir+、 Ir
2+、 Ir
3+、 Fe
2+ 、 Ru
2+、 Ru
3+、 Ru
4+、 Ru
5+、 Os
2+、 Os
3+、 Re
2+、 Re
3+、 Re
4+、 Re
6+、 Mn
2+、 Mn 3
+からなる群力 選ばれる一種以上の金属が挙げられる。これらの中でも、 Cu+、 Ru 2
+、 Fe
2+、 Ni
2+が好ましぐ Cu+が特に好ましい。 Cu+の化合物の具体例としては、 塩化第 1銅、臭化第 1銅、ヨウ化第 1銅、シアンィ匕第 1銅などが挙げられる。
[0047] 上記遷移金属錯体は、遷移金属の塩に有機配位子を作用させることにより調製す ることができる。有機配位子は、重合溶媒への可溶ィ匕及びレドックス共役錯体の可逆 的な変化を可能にするため使用される。有機配位子としては、窒素原子、酸素原子、 リン原子及び Z又はィォゥ原子を含有する有機配位子が挙げられるが、窒素原子ま たはリン原子を含有する有機配位子が好ましぐ窒素原子を含有する有機配位子が より好まし 、。
[0048] 窒素原子を含有する有機配位子の具体例としては、 2, 2'—ビビリジル及びその誘 導体; 1, 10—フエナント口リン及びその誘導体;テトラメチルエチレンジァミン、ペンタ
メチルジェチレントリァミン、トリス(2—ジメチルアミノエチル)ァミン等のポリアミンィ匕合 物;下記式 (8)、 (9)で表される含窒素複素環化合物;等が挙げられる。これらの中で も、式 (8)で表される化合物( (一) Sparteine)の使用が特に好ま 、。
[0049] [化 3]
[0050] 前記遷移金属の塩と有機配位子とは、別々に添加して重合系中で金属錯体を生 成させてもよ!/ヽし、予め前記遷移金属の塩と有機配位子とから調製した遷移金属錯 体を重合系中へ添加してもよ 、。遷移金属が銅である場合には前者の方法が好まし ぐルテニウム、鉄、ニッケルの場合は後者の方法が好ましい。
[0051] 予め調製される遷移金属錯体の具体例としては、トリストリフエ-ルホスフイノ二塩ィ匕 ルテニウム、ビストリフエ-ルホスフイノ二塩化鉄、ビストリフエ-ルホスフイノ二塩化- ッケル、ビストリブチルホスフイノ二臭化ニッケル等が挙げられる。
[0052] 遷移金属錯体の使用量は、反応系中の濃度として、通常 1 X 10— 4— 1モル Zリット ル、好ましくは 1 X 10— 3— 1 X 10— 1モル Zリットルとなる量である。また、遷移金属錯 体 (遷移金属の塩)として 1価の銅化合物を使用した場合、有機配位子の添加量は、 当該銅化合物に対し、通常 1一 3モル当量、好ましくは 1一 2モル当量である。
[0053] 本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体の製造方法は、ポリシルセスキォキ サン化合物(2)の溶媒溶液に、遷移金属錯体 (又は遷移金属の塩及び有機配位子) 、及び前記式(3)で表されるビニル化合物の所定量を添加して、全容を撹拌すること により実施することができる。この反応は窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰 囲気下で行うのが好まし 、。
[0054] 用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されな 、。例えば、ベ ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類; n ペンタン、 n—へキサン、 n—へ
ブタン、 n-オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロへキサン、シクロ ヘプタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素類;ジェチルエーテル、ジイソプロピル エーテル、 1, 2—ジメトキシェタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジォキサン 、ァニソ一ノレ、フエニノレエチノレエーテノレ、ジフエニノレエーテノレ等のエーテノレ類;クロ口 ホルム、四塩化炭素、 1, 2—ジクロロェタン、クロ口ベンゼン等のハロゲン化炭化水素 類;酢酸ェチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;ァ セトン、メチルェチルケトン、ジェチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロへキサノ ン等のケトン類; N, N—ジメチルホルムアミド、 N, N—ジメチルァセタミド、 N—メチルビ 口リドン等のアミド類;ァセトニトリル、ベンゾ-トリル等の-トリル類;ジメチルスルホキ シド、スルホラン等のスルホキシド類;等が挙げられる。これらの溶媒は 1種単独で、あ るいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0055] 溶媒の使用量は、ポリシルセスキォキサン化合物(2) lgあたり、通常、 0. 1-1, 00
Oml、好ましくは 1一 100mlである。
[0056] 反応温度は特に制約されないが、通常 0°C力 用いる溶媒の沸点までの温度範囲
、好ましくは 20— 100°Cである。
反応時間は、通常数分から数十時間、好ましくは 1時間一 20時間である。 また、 2種類以上のビ-ルイ匕合物(3)を重合反応液に順次添加して、ビニル化合物
(3)のブロック共重合体がグラフトしたグラフト重合体を得る場合には、ビニル化合物
(3)の種類に応じて、重合反応温度及び反応時間を変化させることもできる。
[0057] 重合後、周知の方法に従って、残存モノマー及び Z又は溶媒を留去し、適当な溶 媒中で再沈殿させ、沈殿した重合体を濾過又は遠心分離して目的とする重合体を単 離することができる。
[0058] また、遷移金属錯体は、重合反応液力もアルミナ、シリカ又はクレーのカラム若しく はパッドに通すことにより除去することができる。また、重合反応液に金属吸着剤を分 散させて処理する方法も採用し得る。必要ならば金属成分は重合体中に残って ヽて ちょい。
[0059] 再沈殿に使用する溶媒としては、水; n—ペンタン、 n—へキサン、 n—ヘプタン、シク 口へキサン等の炭素数 5— 8の脂肪族炭化水素類又は脂環式炭化水素類;メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等の炭素数 1一 6のアルコール類等が挙げられる。 これらの中では、水、 n-へキサン、メタノール又はこれらの混合溶媒が好適である。
[0060] 以上のようにして、 目的とする式(1)で表される繰り返し単位を有するポリシルセス キォキサングラフト重合体を得ることができる。
[0061] 本発明の製造方法に用いるポリシルセスキォキサン化合物(2)は、次のようにして 製造することができる。すなわち、式 (4):〔XCH (R4)A〕Si (OR5) (式中、 A
3 、 X及び
R4は前記と同じ意味を表し、 R5は炭素数 1一 6のアルキル基を表す。
)で表されるアルコキシシランィ匕合物(以下、「アルコキシシランィ匕合物 (4)」という。)、 及びアルコキシシラン化合物(4) 1重量部に対し、 0— 100倍量の、式(5): R'SKOR 6) (式中、 R1は前記と同じ意味を表し、 R6は炭素数 1一 6のアルキル基を表す。)で
3
表されるアルコキシシランィ匕合物(以下、「アルコキシシラン化合物(5)」と 、う。)を、 酸触媒又は塩基触媒の存在下に縮合させることにより、ポリシルセスキォキサンィ匕合 物(2)を得ることができる。
[0062] アルコキシシラン化合物(4)の具体例としては、 p—クロロメチルフエ-ルトリメトキシ シラン、 p—クロロメチルフエ-ルトリエトキシシラン、 p— (2—クロロェチル)フエ-ルトリメ トキシシラン、 p— (2—クロロェチル)フエ-ルトリエトキシシラン、 p— (3—クロ口プロピル) フエ-ルトリメトキシシラン、 p— (3—クロ口プロピル)フエ-ルトリエトキシシラン、 p—ブロ モメチルフエニルトリメトキシシラン、 p—ブロモメチルフエニルトリエトキシシラン、 p— (2 ーブロモェチル)フエニルトリメトキシシラン、 p— (2—ブロモェチル)フエニルトリエトキシ シラン、 p— (3—ブロモプロピル)フエ-ルトリメトキシシラン、 p— (3—ブロモプロピル)フ ェニルトリエトキシシラン、
[0063] p—クロロメチルフエ-ルメチルトリメトキシシラン、 p—クロロメチルフエ-ルメチルトリエ トキシシラン、 p— (2—クロロェチル)フエ-ルメチルトリメトキシシラン、 p— (2—クロロェ チル)フエ-ルメチルトリエトキシシラン、 p— (3—クロ口プロピル)フエ-ルメチルトリメト キシシラン、 p— (3—クロ口プロピル)フエ-ルメチルトリエトキシシラン、 p—ブロモメチル フエニルメチルトリメトキシシラン、 p—ブロモメチルフエニルメチルトリエトキシシラン、 p — (2—ブロモェチル)フエニルメチルトリメトキシシラン、 p—(2—ブロモェチル)フエニル メチルトリエトキシシラン、 p— (3—ブロモプロピル)フエ-ルメチルトリメトキシシラン、 p—
(3—ブロモプロピル)フエ-ルメチルトリエトキシシラン、 2— (p—クロロメチルフエ-ル) ェチルトリメトキシシラン、 2— (p—クロロメチルフエニル)ェチルトリエトキシシラン、 2— ( p—クロロメチルフエニル)ェチルトリプロポキシシラン、 2— (p クロロメチルフエニル)ェ チルトリブトキシシラン、 2— (p ブロモメチルフエニル)ェチルトリメトキシシラン、 2— (p —ブロモメチルフエ-ル)ェチルトリエトキシシラン、 2— (p ブロモメチルフエ-ル)ェチ ノレトリプロポキシシラン、
[0064] 2- (m クロロメチルフエ-ル)ェチルトリメトキシシラン、 2— (m クロロメチルフエ- ル)ェチルトリエトキシシラン、 2— (m クロロメチルフエ-ル)ェチルトリプロポキシシラ ン、 2— (m クロロメチルフエ-ル)ェチルトリブトキシシラン、 2— (m ブロモメチルフエ -ル)ェチルトリメトキシシラン、 2—(m ブロモメチルフエ-ル)ェチルトリエトキシシラ ン、 2— (m ブロモメチルフエ-ル)ェチルトリプロポキシシラン、 3— (p—クロロメチルフ ェ -ル)プロピルトリメトキシシラン、 3— (p クロロメチルフエ-ル)プロピルトリエトキシ シラン、 3— (p—クロロメチルフエニル)プロピルトリプロポキシシラン、 3— (p—クロロメチ ルフエ-ル)プロピルトリブトキシシラン、 3— (p—ブロモメチルフエ-ル)プロピルトリメト キシシラン、 3— (p ブロモメチルフエ-ル)プロピルトリエトキシシラン、 3— (m ブロモ メチルフエ-ル)プロピルトリプロポキシシラン、 3— (m クロロメチルフエ-ル)プロピル トリメトキシシラン、 3— (m クロロメチルフエ-ル)プロピルトリエトキシシラン、 3— (m— クロロメチルフエ-ル)プロピルトリプロポキシシラン、 3— (m クロロメチルフエ-ル)プ 口ピルトリブトキシシラン、 3— (m ブロモメチルフエ-ル)プロピルトリメトキシシラン、 3 - (m ブロモメチルフエ-ル)プロピルトリエトキシシラン、 3— (m ブロモメチルフエ- ル)プロピルトリプロポキシシラン、
[0065] 4— (p クロロメチルフエ-ル)ブチルトリメトキシシラン、 4— (p—クロロメチルフエ-ル )ブチルトリエトキシシラン、 4— (p クロロメチルフエ-ル)ブチルトリプロポキシシラン、 4— (p クロロメチルフエ-ル)ブチルトリブトキシシラン、 4— (p—ブロモメチルフエ-ル) ブチルトリメトキシシラン、 4— (p ブロモメチルフエニル)ブチルトリエトキシシラン、 4— (p ブロモメチルフエニル)ブチルトリプロポキシシラン、 4 (p ブロモメチルフエニル )フエ-ルトリメトキシシラン、 4— (p ブロモメチルフエ-ル)フエ-ルトリエトキシシラン 、 4— (p ブロモメチルフエ-ル)フエ-ルトリメトキシシラン、 4— (p—ブロモメチルフエ-
ル)フエ-ルトリエトキシシラン、 4— (p—ブロモメチルフエ-ル)フエ-ルメチルトリメトキ シシラン、 4— (p—ブロモメチルフエ-ル)フエ-ルメチルトリエトキシシラン、 4一(p—ブ ロモメチルフエ-ル)フエ-ルトリメトキシシラン、 4— (p—ブロモメチルフエ-ル)フエ- ルメチルトリエトキシシラン、 2—〔4, (p ブロモメチルフエ-ル)フエニル〕ェチルトリメ トキシシラン、 2—〔4 ' (p ブロモメチルフエニル)フエニル〕ェチルトリエトキシシラン、 2—〔4,— (p ブロモメチルフエ-ル)フエ-ル〕ェチルトリメトキシシラン、 2—〔4,—(p— ブロモメチルフエ-ル)フエニル〕ェチルトリエトキシシラン、及びこれらの 2種以上から なる組み合わせが挙げられる。
[0066] アルコキシシラン化合物(5)の具体例としては、フエ-ルトリメトキシシラン、 4 クロ口 フエニルトリメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン、 2—メトキシフエ二ルトリエトキシ シラン等の(置換)フエ-ルトリアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリ エトキシシラン、ェチルトリメトキシシラン、ェチルトリエトキシシラン、 n プロピルトリメト キシシラン、 n プロピルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン類;シァノ メチルトリメトキシシラン、シァノメチルトリエトキシシラン、 2—シァノエチルトリメトキシシ ラン、 2—シァノエチルトリエトキシシラン、 3—シァノプロピルトリメトキシシラン、 3—シァ ノプロピルトリエトキシシラン、 4ーシァノブチルトリメトキシシラン、 4ーシァノブチルトリエ トキシシラン等のシァノアルキルトリアルコキシシラン類;ァセトキシメチルトリメトキシシ ラン、ァセトキシメチノレトリエトキシシラン、 3—ァセトキシプロピルトリメトキシシラン、 3— ァセトキシプロピルトリエトキシシラン等のァセトキシ基を有するシラン類;及びこれら 2 種以上の組合せ等が挙げられる。
[0067] アルコキシシランィ匕合物 (4)とアルコキシシランィ匕合物(5)との混合割合は任意に 設定することができるが、通常、重量比で、アルコキシシランィ匕合物 (4):アルコキシ シラン化合物(5) = 100 : 0—1 : 99の範囲である。
[0068] ポリシルセスキォキサン化合物(2)を得る反応に用いる有機溶媒としては、例えば、 ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸ェチル、酢 酸プロピル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルェチルケトン、メチ ルイソブチルケトン、シクロへキサノン等のケトン類;メチルアルコール、ェチルアルコ ール、 n プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、 n ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、 sec -ブチルアルコール、 t ブチルアルコール等のアルコール類 ;水;等が挙げられる。これらの溶媒は 1種単独で、あるいは 2種以上を混合して用い ることがでさる。
[0069] 用いる酸触媒としては、塩酸、硫酸等の無機酸; p—トルエンスルホン酸、 p—トルェ ンスルホン酸 1水和物、スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、蟻酸 等の有機酸が挙げられる。
[0070] また塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、水酸化マグネシウム、水 酸ィ匕カルシウムなどの金属水酸ィ匕物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、力リウ ムメトキシド、カリウム tーブトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等 の金属アルコキシド;メチルァミン、ェチルァミン、ブチルァミン等の 1級ァミン;ジェチ ルァミン、ジブチルァミン等の 2級ァミン;トリェチルァミン、ジイソプロピルェチルァミン 等の 3級ァミン;ピリジン、 1, 8—ジァザビシクロ [5. 4. 0]ゥンデセ— 7—ェン(DBU)な どの含窒素複素環化合物;等が挙げられる。
[0071] 酸触媒又は塩基触媒の使用量は、アルコキシシランィ匕合物 (4)に対して、通常、 0 . 001重量%—10重量%、好ましくは 0. 01重量%— 5重量%の範囲である。
[0072] 反応温度は、通常 0°Cから用いられる溶媒の沸点までの温度範囲、好ましくは 40°C 一 130°Cの範囲である。反応温度があまりに低いと縮合反応の進行が不十分となる 場合がある一方で、反応温度が高くなりすぎるとゲルィ匕抑制が困難となる。反応は、 通常数分から数時間で完結する。
[0073] アルコキシシランィ匕合物 (4)及びアルコキシシランィ匕合物(5)から得られる共重縮 合物の繰り返し単位は、下記式 (a)—(c)の 、ずれかで表される。
[0074] [化 4]
[0075] (式中、 A、 R\ R4及び Xは前記と同じ意味を表す。 )
本発明に用いるポリシルセスキォキサンィ匕合物(2)は、分子内に、少なくとも(b)又 は(c)の繰り返し単位を有して ヽれば特に制限されな 、。本発明に用いるポリシルセ スキォキサンィ匕合物(2)が、上記に示す (a)及び (b)、 (a)及び (c)、 (b)及び (c)、又 は(a) , (b)及び (c)の繰り返し単位を有する共重合体の場合、この共重合体は、ラン ダム共重合体、部分ブロック共重合体、完全ブロック共重合体等、どのような共重縮 合物であってもよい。
[0076] また、本発明においては、前記 (c)で表される繰り返し単位は、上下 180° 回転し た形で結合していてもよい。例えば、前記 (c)で表される繰り返し単位は、下記 (d)に 示す繰り返し単位等であってもよ 、。
[0077] [化 5]
[0078] 以上のようにして、線状にのびたラダー構造と称される繰り返し単位構造を有する ポリシルセスキォキサン化合物 (2)を得ることができる。ラダー構造を有して ヽるか否 かは、例えば、反応生成物の赤外線吸収スペクトルや X線回折測定を行うことによつ て確認することができる。
[0079] 得られるポリシルセスキォキサン化合物(2)の数平均分子量は、通常 500— 30, 0 00、好ましくは 1, 000— 20, 000の範囲である。数平均分子量は、例えば、 SEC ( サイズ.ェクスクルージョン.クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により 求めることができる。
また、ポリシルセスキォキサン化合物 (2)の分子量分布 (Mw/Mn)は、特に制限 されないが、通常 1. 0-3. 0.好ましくは 1. 1-2. 0の範囲である。
[0080] 3)粘着剤
本発明の粘着剤は、本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体を含有するこ とを特徴とする。
本発明の粘着剤は、本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体の 1種又は 2 種以上を適当な溶剤に溶解することにより製造することができる。
[0081] 用いる溶剤としては、本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体を溶解するも
のであれば特に制限されない。例えば、酢酸ェチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プ ロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルェチルケトン、ジェチルケトン、メ チルイソブチルケトン、シクロへキサノン等のケトン類; N, N—ジメチルホルムアミド、 N , N ジメチルァセタミド、 N メチルピロリドン等のアミド類;ァセトニトリル、ベンゾ-トリ ル等の-トリル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類;ベンゼン、ト ルェン、キシレン等の芳香族炭化水素類; n ペンタン、 n—へキサン、 n ヘプタン、 n オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロへキサン、シクロヘプタン、 シクロオクタン等の脂環式炭化水素類;ジェチルエーテル、ジイソプロピルエーテル 、 1, 2—ジメトキシェタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジォキサン等のエー テル類;クロ口ホルム、四塩化炭素、 1, 2—ジクロロェタン、クロ口ベンゼン等のハロゲ ン化炭化水素類;等が挙げられる。これらの溶媒は 1種単独で、あるいは 2種以上を 組み合わせて用いることができる。
[0082] 溶剤の使用量は任意である力 本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体 10 0重量部に対して、通常、 1一 10, 000重量部、好ましくは 10— 1, 000重量部である
[0083] 本発明の粘着剤は、主成分として本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体 を含み、さらに所望により、その他の粘着剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収 剤、光安定剤、軟化剤、充填剤等を添加することができる。
[0084] 本発明の粘着剤は、主成分として本発明のポリシルセスキォキサングラフト重合体 を含むものであるため、耐熱性に優れ、かつ、優れた凝集力(保持力、プローブタック )を有している。
[0085] 4)粘着シート
本発明の粘着シートは、基材シートと、該基材シート上に本発明の粘着剤から形成 されてなる粘着剤層を有することを特徴とする。
用いる基材シートとしては、ダラシン紙、コート紙、キャスト紙等の紙基材;ポリエチレ ンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレ 一トフイルム等のポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム 等のポリオレフインフィルム;ポリ塩化ビュルフィルム;ポリウレタンフィルム;合成紙、セ
ルロース系シートやフィルム、種々の材料からなる不織布、織布、編布等が挙げられ る。また、これらの基材シートは、所望により表面に適当な文字や図柄等の印刷を施 しておくことちでさる。
[0086] 基材シート上に粘着剤層を形成する方法としては、 (i)基材シート上に、本発明の 粘着剤を所定の厚みとなるように塗工し、 40— 150°Cで乾燥する方法、 GO剥離シー ト (又は工程紙)上に、本発明の粘着剤を所定の厚みとなるように塗工し、該塗工面 に基材シートを貼合わせて 40— 150°Cで乾燥した後、剥離シートを剥離する方法、 等により製造することができる。 GOの方法による場合、剥離シートは、所望により剥離 することなくそのまま付着させてぉ 、て、粘着シートの使用時に剥離するようにしても よい。
[0087] 用いる剥離シートとしては、ダラシン紙、コート紙、キャスト紙等の紙基材;ポリエチレ ンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレ 一トフイルム等のポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム 等のポリオレフインフィルム;等が挙げられる。これらの剥離シートは、表面にシリコー ン榭脂等の剥離剤を塗布したものであってもよ 、。
[0088] 粘着剤を基材シート又は剥離シート上に塗工する方法は特に限定されず、公知の 塗工方法を採用できる。塗工方法としては、例えば、リバースコート法、グラビアコート 法、リバースグラビア法、キスコート法、ナイフコート法、バーコート法、ダイコート法、 カーテンコート法及び工程紙にこれらの方式で塗工したものを転写させる転写法など が挙げられる。得られる粘着剤層の厚みは、通常 5— 100 /ζ πι、好ましくは 10— 60 μ mであ 。
[0089] 本発明の粘着シートは、耐熱性及び凝集力に優れる本発明の粘着剤から形成され てなる粘着剤層を有するため、優れた粘着力と凝集力を有し、高温環境下で使用し ても、粘着力が低下することがない。
実施例
[0090] 次に実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の 実施例に限定されるものではな 、。
なお、数平均分子量 (Mn)及び分子量分布 (MwZMn)は、得られた重合体を、テ
トラヒドロフラン (THF)を展開溶媒とするサイズ'ェクスクルージョン ·クロマトグラフィ 一(SEC)により測定し、ポリスチレン換算値として求めた。
製造例 1 ポリシルセスキォキサン化合物 (PhClPSQ)の合成
[0091] [化 6]
[0092] (式中、 aは自然数を表す。)
ナスフラスコに、トルエン/水混合溶液 (体積比 = 2/1、 15mL)、 2-(p-クロロメ チルフエ-ル)ェチルトリメトキシシラン(5. 5g、 0. 02モル)、フエ-ルトリメトキシシラ ン(4. OOg、 0. 02モル)、及びメタンスルホン酸(0. 202g、 5mol%)を仕込み、室温 で 12時間撹拌した。反応終了後、反応液から有機層を分取して、溶媒を減圧留去し て得られた残留物を大量の n—へキサンに滴下した。沈殿した固体を濾別 ·乾燥し、 目的とするポリシルセスキォキサンィ匕合物(PhClPSQ)を得た (収率: 93%)。
[0093] 得られた重合体の構造の確認は、 NMR及び IRスペクトルを測定することによ
り行った。ポリシルセスキォキサン化合物(PhClPSQ)の1 H-NMR(CDC1 )及び IR
3 スペクトル (KBr)を図 1及び図 2にそれぞれ示す。図 1中、縦軸はピーク強度を、横 軸はケミカルシフト (ppm)をそれぞれ示す。また、図 2中、縦軸はピーク強度を、横軸 は波数 (cm—1)をそれぞれ示す。得られたポリシルセスキォキサン化合物(PhClPSQ )の数平均分子量(Mn)は 3, 900、分子量分布(MwZMn)は 1. 58であった。 実施例 1一 5 グラフト重合体 (HBPSQ)の製造
[化 7]
(式中、 bは自然数を表す。)
ガラス管に窒素雰囲気下、製造例 1で得た PhClPSQ、臭化第 1銅 (CuBr)、(一)— スパルティン((一)—Spartaine)、及びメチルメタタリレート(MMA)を第 1表に示すモ ル比で添カ卩し、さらにァ-ソールを 2モル Zリットルの濃度になる量をカ卩え、全容を第 1表に示す反応温度で、所定時間撹拌した。
反応終了後、反応液を大量の n—へキサンに滴下し、沈殿した固体を濾別 '乾燥し 、グラフト重合体 (HBPSQ) 1— 5を得た。得られた重合体 (HBPSQ) 1— 5の反応収 率 (%)、数平均分子量 (Mn)及び分子量分布 (Mw/Mn)を下記第 1表に示す。
[0096] なお、第 1表中、反応モル比は、 [PhClPSQのクロロメチル基]: [CuBr]: [ (一)—S partaine]: [MMA]のモル比である。
また、実施例 1で得られた重合体(HBPSQ) lの1 H— NMR ^ベクトル(CDC1 )及
3 び IRスペクトル (KBr)を図 3及び図 4にそれぞれ示す。図 3中、縦軸はピーク強度を 、横軸はケミカルシフト (ppm)をそれぞれ示す。また、図 4中、縦軸はピーク強度を、 横軸は波数 (cm—1)をそれぞれ示す。
[0097] [表 1] 第 " 1 我
[0098] クロロメチルフエ-ル基を有するポリシルセスキォキサン化合物(PhClPSQ)の AT
RP法によるグラフトイ匕は容易に進行し、架橋生成物の存在は認められなかった。得 られたグラフト重合体は、クロ口ホルム、ベンゼン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に 可溶であった。
[0099] 実施例 6— 13
ガラス管に窒素雰囲気下、臭化第 1銅 (CuBr)、(一)ースパルティン((一) Spartai ne)及び第 2表に示すビニル化合物を、第 2表に示すモル比で添加し、さらにァ-ソ 一ルを第 2表に示す濃度になる量を加え、全容を第 2表に示す反応温度で、所定時 間撹拌した。
反応終了後、反応液を大量の n—へキサンに滴下し、沈殿した固体を濾別 '乾燥し
、グラフト重合体 (HBPSQ) 6— 13を得た。得られた重合体 (HBPSQ) 6— 13の反 応収率 (%)、数平均分子量 (Mn)及び分子量分布 (Mw/Mn)を下記第 2表に示 す。
なお、第 2表中、反応モル比は、 [PhClPSQ中のクロロメチル基] : [CuBr] : [ (—)一 S partaine]: [ビュル化合物]のモル比である。
また、第 2表中、 BMAはブチノレメタタリレート、 DMAはドデシノレメタタリレートの略で ある (第 3表にても同じ)。
[表 2]
[0101] 実施例 14、 15
ガラス管に窒素雰囲気下、 [PhClPSQ中のクロロメチル基]: [臭化第 1銅 (CuBr) ]: [ (一)ースパルティン( (一) -Spartaine) ] = [1]: [1]: [2]となる量、ァ-ソ一ルを第 3表 に示す濃度となる量、及び第 3表に示す 2種類のメタクリル酸エステル (モノマー比; MMA:DMA= 1 : 2となる量)を段階的に添加し、全容を第 3表に示す反応温度で、 所定時間撹拌した。
反応終了後、反応液を大量の n—へキサンに滴下し、沈殿した固体を濾別 '乾燥し 、グラフト重合体 (HBPSQ) 14、 15を得た。得られた重合体 (HBPSQ) 14、 15の反 応収率 (%)、数平均分子量 (Mn)及び分子量分布 (Mw/Mn)を下記第 3表に示 す。
[0102] [表 3]
第 3 表
[0103] 比較例 1 MMAのフリーラジカル重合によるポリメチルメタクリレートの製造
[0104] [化 8]
[0105] (式中、 clは自然数を表す。)
窒素雰囲気下、ラジカル重合開始剤として AIBNを 0. lg (0. 60mmol)、 MMA2 0. 0g (200mmol)及び、酢酸ェチル lOOgをガラス管に仕込み、 75°Cで 15時間撹 拌した。反応終了後、反応液を大量の n キサンに滴下し、沈殿した固体を濾別' 乾燥して重合体 16を得た (収率 98%)
得られた重合体 16の数平均分子量(Mn)は 30, 000であり、分子量分布(MwZ Mn)は 3. 51であった。
比較例 2 MMAの ATRP法によるポリメチルメタクリレートの製诰
[0106] [化 9]
[0107] (式中、 c2は自然数を表す。)
窒素雰囲気下、 MMA及びァ-ソール(2モル Zリットル)をガラス管に仕込み、 Cu Br、 (一)— Spartaine、及び、開始剤として 2—ブロモプロピオン酸メチルを、モル比で [MMA]: [CuBr]: [ (-) -Spartaine]: [開始剤] = 50 : 1: 2 : 1となるように添カロし 、全容を 60°C 6時間撹拌した。反応終了後、反応液を大量の n キサンに滴下し 、沈殿した固体を濾別 '乾燥して重合体 17を得た。
得られた重合体 17の数平均分子量(Mn)は 4, 800であり、分子量分布(MwZM n)は 1. 21であった。
[0108] 比較例 3 メチルメタクリレートードデシルメタクリレート共重合体の製造
窒素雰囲気下、ラジカル重合開始剤として AIBNを 0. 3g (l. 82mmol)、 DMA(8 1. 4g 320mmol)、 MMA(16. Og 160mmol) (モノマー比; [DMA] : [MMA] = 1 : 2)及び、酢酸ェチル lOOgをガラス管に仕込み、 75°Cで 15時間撹拌した。反応 終了後、反応液を大量の n キサンに滴下し、沈殿した固体を濾別 '乾燥してメチ ルメタクリレートードデシルメタタリレート共重合した重合体 18を得た (収率 96%) 重合体 18の数平均分子量(Mn)は 54, 000であり、分子量分布(MwZMn)は 2 . 70であった。
[0109] 熱 ¾畺指 試,験
熱重量分析装置 (島津製作所 (株)製)を用い、実施例 1の重合体 (重合体 1)、比 較例 1の重合体 (重合体 16)及び比較例 2の重合体 (重合体 17)について、熱重量 分析 (TGA)測定を行った。測定は各重合体を 10mg精秤し、空気気流(lOOmlZm in)下、 10°CZminで昇温することにより測定した。測定結果 (TGA曲線)を図 5に示 す。図 5中、縦軸は重量損失率 (%)、横軸は測定温度をそれぞれ示す。また、 (A) は重合体 1 (B)は重合体 16 (C)は重合体 17の場合である。
[0110] 図 5から、 300°Cにおける重量損失率 (WL )は、重合体 1が 6. 5%、重合体 16が
300
54. 6%、重合体 17が 31. 6%であった。このことから、本発明のポリシルセスキォキ サングラフト重合体 (重合体 1)は、比較例 1の重合体 (重合体 16)及び比較例 2の重 合体 (重合体 17)に比して、耐熱性が格段に優れることがわ力つた。
[0111] 実施例 16— 18、比較例 4 粘着剤の調製
上記実施例 13 14 15及び比較例 3で得た重合体 (重合体 13 14 15 18)の
固形分 100重量部に対して、酢酸ェチル 200mlをカ卩えて十分に混合することにより、 実施例 16— 18及び比較例 4の粘着剤をそれぞれ調製した。
[0112] 実施例 19一 21、比較例 5 粘着シートの作製
上記実施例 16— 18及び比較例 4で得た各粘着剤を、厚さ 50 mの透明なポリエ チレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面に、乾燥皮膜の厚さが 20 μ mと なるようにグラビアコート法により塗布し、 100°Cで 2分間加熱して粘着剤層を形成し た。次いで、粘着剤層の表面に剥離処理が施された PETフィルム (剥離フィルム)を 貼り付けることにより、実施例 19一 21及び比較例 5の粘着シートをそれぞれ作製した
[0113] 粘羞物件試,験
上記で得たそれぞれ粘着シートについて、 JIS Z0237に準拠して、保持力、プロ ーブタック及び粘着力の測定を行った。測定結果を第 4表に示す。
[0114] [表 4]
第 4· ¾f
[0115] 本発明によれば、優れた耐熱性及び凝集力を兼ね備えた粘着剤となり得る新規ポ リシルセスキォキサングラフト重合体及びその製造方法、並びにこのポリシルセスキ ォキサングラフト重合体を用いる粘着剤及び粘着シートが提供される。
本発明の製造方法によれば、グラフト重合により、無機骨格であるポリシロキサン骨 格へ種々の有機基の導入が可能である。