JPH06316639A - 紫外線硬化性シリコーン剥離被覆組成物 - Google Patents

紫外線硬化性シリコーン剥離被覆組成物

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JPH06316639A
JPH06316639A JP5309601A JP30960193A JPH06316639A JP H06316639 A JPH06316639 A JP H06316639A JP 5309601 A JP5309601 A JP 5309601A JP 30960193 A JP30960193 A JP 30960193A JP H06316639 A JPH06316639 A JP H06316639A
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JP5309601A
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Richard P Eckberg
リチャード・ポール・エクバーグ
Richard A Striker
リチャード・アルバート・ストライカー
Frank J Modic
フランク・ジョセフ・モデック
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General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/38Polysiloxanes modified by chemical after-treatment
    • C08G77/382Polysiloxanes modified by chemical after-treatment containing atoms other than carbon, hydrogen, oxygen or silicon
    • C08G77/392Polysiloxanes modified by chemical after-treatment containing atoms other than carbon, hydrogen, oxygen or silicon containing sulfur
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D183/00Coating compositions based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D183/04Polysiloxanes
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な紫外線硬化性シリコーン剥離被覆組成
物。 【構成】 光開始剤の存在下で紫外線によって硬化しう
るジメチルビニルおよびトリメチル連鎖停止線状ポリジ
メチル−メチルビニル−メチル水素シロキサンターポリ
マーによってかかる組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は紫外線硬化性シリコーン剥離組
成物に関する。さらに詳しくは、本発明は新規な光硬化
性シロキサン重合体および新規な光触媒−シロキサン重
合体組合せに関する。光開始剤の存在下で紫外線に露出
されると硬化し得るメルカプトアルコキシアルキル官能
性ポリシロキサン類およびビニル官能性シロキサンター
ポリマー類が新たに見出された。
【0002】
【発明の背景】シリコーン組成物は剥離被覆として広く
受け入れられており、通常なら密着するであろう他の材
料に対して比較的に非接着性である表面または材料を提
供するのに有用である。シリコーン剥離組成物はラベ
ル、化粧板、転写テープなど用の感圧接着剤を剥離する
被膜(コーティング)として用いることができる。紙、
ポリエチレン、マイラー(Mylar(登録商標))その他
の基材上のシリコーン剥離被膜も、食品取扱いや工業的
包装に適当な非粘着面を提供するのに有用である。
【0003】これまでに開発されたシリコーン剥離生成
物は熱硬化性であったが、高温オーブンでの硬化に付随
する高いエネルギーコストや安全性および環境への考慮
が、代替技術、例えば紫外線硬化性シリコーンを開発す
る動機となった。紫外(UV)放射線は、コストが低
く、管理が容易で工業的使用者への潜在的危険が低いの
で、もっとも広範に使用されるタイプの放射線の1つで
ある。代表的な硬化時間ははるかに短く、熱エネルギー
が基材を損傷する恐れがある場合に感熱性材料を安全に
被覆しUV放射線下で硬化することができる。
【0004】3つの基本的UV硬化性シリコーン系が開
発されている。エポキシシリコーン系とアクリル官能性
シリコーン系とメルカプト官能性シリコーン系である。
エポキシシリコーン系、例えば米国特許第 4,279,717号
(Eckbergら)および本出願人に譲渡された米国特許出
願第 375,676号(1982年 5月 6日出願)に記載された系
は、オニウム塩光開始剤を触媒とするエポキシ官能性ジ
オルガノシロキサンベース重合体を特徴とする。これら
の組成物は極端に速い硬化速度を示すが、容易に入手す
ることのできない高価な材料に依存している。
【0005】アクリル官能性シリコーン系、例えば本出
願人に譲渡された米国特許出願第 239,297号(1981年 3
月 2日出願)および第 375,676号(1982年 5月 6日出
願)に記載された系および米国特許第 4,048,036号(P
rucnal)および同第 4,017,652号(Gruber )に記載さ
れた変性系は、フリーラジカル型光開始剤の存在下でU
V硬化性である有用な被膜を提供するが、複雑な多段階
の調製過程を必要とする。
【0006】多数のメルカプト官能性系が知られてい
る。例えば米国特許第 4,064,027号(Gant )、同第
4,107,390号(Gordon ら)、同第 4,197,173号(Curr
yら)、特開昭54− 48854号(高見沢、Chem .Abstra
cts 91:58888r,1979)、米国特許第 3,661,744号
(Kehr ら)、同第 4,070,526号(Colguhounら)、同
第 4,052,529号(Bokerman ら)、同第 3,873,499号
(Michaelら)および同第 3,816,286号(Viventi)
に、メルカプト官能性ポリシロキサンまたはポリチオー
ル組成物が開示されており、これらの組成物はエチレン
系不飽和有機化合物と組合せるとUV硬化性であり、こ
れらの硬化性組成物は種々のメルカプトアルキルポリシ
ロキサン硬化促進剤、アセトフェノン型光増感剤、シル
アシクロペンテニル硬化剤、硬化速度加速剤およびゲル
化禁止剤も含有する。これらの組成物は広い範囲の有用
な剥離被覆組成物を提供するが、この技術は、不足した
もしくは高価な出発材料への依存、実用にならない遅い
硬化速度、複雑な加工、硬化生成物中にも持続する不快
な臭気(メルカプタン基と関連した)などの幾つかの恒
常的な欠点により、受け入れを妨げられている。これら
の特定の欠点のうちいくつかが改良の対象とされてお
り、例えばGant の特許では光増感剤、例えばアセトフ
ェノンを加えて放射線硬化を助け、米国特許第 4,171,2
52号(Fantazier)では不飽和化合物の光重合をペルオ
キシ−ナフタレン系化合物によって促進し、また前述し
たKehr らおよびColguhounらの特許では芳香族ケトン
を用いて硬化を加速する。しかし、メルカプト官能性組
成物および関連したUV硬化技術を改良しまたそのコス
トを下げる必要が依然としてある。
【0007】容易に入手できる安価な材料から2工程1
容器プロセスで合成でき、不快な臭気を発しない新規な
メルカプトアルコキシアルキル官能性シリコーンが見出
された。さらに、ある種のペルベンゾエートエステル
(過安息香酸エステル)がメルカプト官能性化合物とビ
ニル官能性化合物間の重合反応に適当な光開始剤である
ことが見出された。本発明の新規な反応性ポリシロキサ
ン/光開始剤ブレンドの硬化特性をある種の芳香族光増
感剤でもしくはこのようなブレンド中の反応性成分のモ
ル比の適切な選択によって向上もしくは変性することが
できる。
【0008】上記特許および特許出願はすべて本発明の
先行技術とみなされるものである。
【0009】
【発明の要旨】従って本発明の目的は新規なメルカプト
官能性シリコーン剥離被覆組成物を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、紫外線への短時間露出で硬化
し得る無溶剤シリコーン剥離被覆組成物を提供すること
にある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、簡単かつ安価
に製造できる優れた反応性ポリシロキサン/光開始剤ブ
レンドを提供することにある。これらの目的および他の
目的は、エチレン系不飽和を有する有機化合物および触
媒量の光開始剤と組合せて紫外線に短時間露出すると接
着性重合体組成物に硬化(即ち重合または架橋)し得る
メルカプトアルコキシアルキル官能性ポリシロキサンに
よって達成され、これは式RR′SiO[式中のRは水
素またはC(1-8 ) アルキルであり、R′は水素、C
(1-8) アルキルまたは炭素原子数 2〜20の一価メルカプ
トアルコキシアルキル官能性有機基である]の単位を含
むジオルガノポリシロキサンを含み、このジオルガノポ
リシロキサンが約50%までのメルカプトアルコキシアル
キル官能基を含有し25℃で約50〜10,000センチポアズの
粘度を有する。(1)ジアルキル水素連鎖停止ポリジア
ルキル−アルキル水素シロキサン共重合体をω−ハロー
アルケンと貴金属ヒドロシル化触媒の存在下で反応さ
せ、(2)工程(1)の生成物を式HO−R″−SH
[式中のR″は炭素原子数 2〜20の二価アルキレンまた
はアルキルケトン基である]のヒドロキシ官能性チオー
ルとアミンの存在下で反応させることによって製造され
たメルカプトアルコキシアルキル官能性ジオルガノポリ
シロキサンも本発明に包含される。
【0011】本発明の別の観点によれば、 (A)式RR′SiO[式中のRは水素またはC(1-8)
アルキルであり、R′は水素、C(1-8) アルキルまたは
炭素原子数 2〜20の一価メルカプトアルコキシアルキル
官能性有機基である]の単位を含み、約50%までのメル
カプトアルコキシアルキル官能基を含有し、25℃で約50
〜10,000センチポアズの粘度を有するジオルガノポリシ
ロキサン; (B)約 0.5〜 100モル%の式(CH2 =CH)Rn
iO(3-n)/2 [式中のRは水素またはC(1-8) アルキル
であり、nは0〜2の値を有する]のビニル官能性シロ
キサン単位と式R3 m SiO(4-m)/2 [式中のR3 は水
素またはC(1-8 ) アルキルであり、mは0〜3の値を有
する]の非ビニル含有シロキサン単位よりなるポリシロ
キサン;および (C)触媒量の光開始剤 を含有する紫外線硬化性シリコーン剥離組成物が提供さ
れる。
【0012】特に光開始剤成分がペルベンゾエートエス
テル(過安息香酸エステル)であるUV硬化性組成物も
考慮されており、さらに他の特徴として硬化を助ける光
増感剤としてある種の芳香族ケトンを使用すること、ま
たUV硬化性剥離組成物を形成するのに有用なビニル官
能性ポリシロキサンターポリマーを見出したことが挙げ
られる。本発明のさらに他の実施態様は、以下の説明、
実施例および特許請求の範囲を考慮すれば当業者に明ら
かになるはずである。
【0013】
【発明の詳述】本発明は、メルカプトアルコキシアルキ
ル官能性シリコーン組成物およびこれらの組成物から形
成されたシリコーン剥離被膜を提供するだけでなく、こ
のような組成物用の光開始剤、並びに組成物および被膜
を製造する方法も提供する。本発明のメルカプト官能性
重合体は、水素原子、約8個までの炭素原子を有する低
級アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピルなどおよび炭素原子数約 2〜20の一価メルカプ
トアルコキシアルキル基を含む置換基を有するシロキサ
ン単位よりなるジオルガノポリシロキサンである。これ
らの重合体は多数の構成成分から合成するのが有利であ
る。これらの構成成分の相対的な割合は臨界的でなく、
広い範囲にわたって変えて種々の異なる特性を有するメ
ルカプトアルコキシアルキル官能性ポリシロキサンをつ
くることができる。好適な合成法は後述するように2工
程しか必要とせず、単一の反応容器内で実施することが
できるが、本発明の範囲内で合成法の種々の変更を容易
に考案できることが認識できるはずである。
【0014】本発明の好適なメルカプトアルコキシアル
キル官能性重合体は、ジアルキル水素連鎖停止ポリジア
ルキル−アルキル水素シロキサン共重合体から製造され
る。このようなSiH含有ポリシロキサンは通常
【0015】
【化1】 の一般式を有する。ここで各Rはそれぞれ独立に炭素原
子数1〜8の一価アルキル基、好ましくはメチルを表わ
し、x+yはポリシロキサンの粘度が25℃で約20〜5000
センチポアズ、好ましくは 100〜 500センチポアズとな
るように約25〜 600の整数である。このような水素官能
性シロキサン流体は主として線状であり、従ってR対S
i比約2:1を有する。これらのシロキサン流体は通常
約 0.5〜50重量%の水素−シロキシ官能基を有し、当業
界でよく知られた方法で製造される。これらの流体には
少量の単官能性および三官能性シロキサン単位(その一
部が水素を含有してもよい)も存在してよく、流体の有
用性をひどく低下することはない。
【0016】SiH含有ポリシロキサンをω−ハローア
ルケン、好ましくはω−クロロ−1−アルケン、例えば
アリルクロリド、メタリルクロリド、4−クロロ−1−
ブテン、10−クロロ−1−デセンおよび他の類似の不飽
和ハロゲン含有炭化水素と反応させる。このようなω−
ハロ−アルケン類の混合物も有用である。上記アルケン
成分および水素官能性ポリシロキサン成分を貴金属触媒
による付加硬化反応にて反応させる。このような触媒は
シリコーン工業でよく知られており、通常は白金金属錯
体であり、アルケンの二重結合へのSiH部分の付加を
促進するのに有効である。ここでの目的に適当なヒドロ
シル化触媒の例が、米国特許第 3,220,972号(Lamorea
ux)、同第 3,715,334号(Karstedt )、同第 3,775,4
52号(Karstedt )および同第 3,814,730号(Karsted
t )に記載されている。
【0017】上述したヒドロシル化反応の生成物を最後
にアミンの存在下でヒドロキシ官能性チオール単量体と
反応させる。適当なチオールは一般式HO−R3 −SH
を有し、ここでR3 は炭素原子数 2〜20の二価アルキレ
ンまたは炭素原子数 2〜20の二価アルキルケトン基−
(CH2 n C:O−である。好適な化合物はβ−メル
カプトエタノールおよびγ−メルカプトプロピオン酸で
ある。本発明の目的には、十分な量のヒドロキシ官能性
チオール単量体を用いて、 0.5〜50重量%のメルカプト
アルコキシアルキルシロキシ官能基を有するメルカプト
アルコキシアルキル官能性ポリシロキサンを形成すべき
である。上述した合成は次のように図解できる。
【0018】
【化2】 UV硬化性メルカプトアルコキシアルキル官能性シリコ
ーン組成物は、上述したメルカプトアルコキシアルキル
官能性ポリシロキサンを触媒量の光開始剤と組合せるこ
とによりつくることができる。メルカプト官能基とビニ
ル含有架橋用化合物のビニル官能基との間の硬化反応、
即ち架橋反応を促進することの知られている多数の光触
媒のすべてが適当であり、これらの光触媒の大部分が前
述した米国特許に記載されている。アセトフェノン型光
開始剤、例えばジメチルヒドロキシアセトフェノン
(E.M.Chemicals,Inc.から商標名Darocure 11
73にて市販)が特に考慮されている。しかし本発明の好
適な特徴は、一般式:
【0019】
【化3】 のペルベンゾエートエステル(過安息香酸エステル)が
光開始剤として好適であるとの知見から派生している。
ここでR4 は一価アルキルまたはアリール基であり、Z
はH、アルコキシ、アルキル、ハロゲン、ニトロ、アミ
ノ、第一および第二アミノ、アミドなどである。Z置換
基の性質がペルオキシ結合の安定性を左右し、電子欠損
置換基はペルオキシ結合を安定化し、他方電子豊富置換
基はペルオキシ結合をより反応性にする。これらのペル
ベンゾエートエステルは既知方法で、例えばベンゾイル
ハライドをヒドロペルオキシドと反応させることにより
合成できる。(例えば、J.Amer .Chem .Soc.,
73、5546(1951)のBlomquistおよびBerstein の論文
参照)好ましいペルベンゾエートエステルには t−ブチ
ルペルベンゾエートおよびそのパラ置換誘導体、例えば
t−ブチルペル−p −ニトロベンゾエート、 t−ブチル
ペル−p −メトキシベンゾエート、 t−ブチルペル−p
−メチルベンゾエートおよび t−ブチルペル−p −クロ
ロベンゾエートがある。 t−ブチルペルベンゾエートが
最適である。
【0020】光開始剤の使用量は、適切な架橋が達成さ
れる限りで臨界的でない。あらゆる触媒の場合と同じ
く、最小有効量を用いるのが好ましい。しかし、具体的
に説明するためには、全組成物の約1〜5重量%の触媒
レベルが適当であることを確かめた。t−ブチルペルベ
ンゾエート(およびその誘導体)がメルカプト官能性シ
ロキサンのビニル官能性シロキサンへのラジカル付加の
ための優れた光触媒であるとの知見に加えて、本発明の
シリコーン重合体に可溶性のある種の光増感剤を組合せ
ると、 t−ブチルペルベンゾエートの光触媒としての有
効性が著しく向上することを確かめた。このような光増
感剤を使用すると、剥離性能、加工容易性および経費節
減についての利点が得られる。光増感剤は不活性条件下
で光活性組成物の硬化速度を2倍以上にし、そして驚く
べきことには、不活性化の必要なしに良好な硬化を促進
し、このことは重要なコストと加工上の利点につなが
る。
【0021】光増感剤は、有機基またはヘテロ基、例え
ばオキサ、チオなどで融合または架橋できる2個以上の
ベンゼン環を有するポリ芳香族化合物である。試験して
みた光増感剤の中ではベンゾフェノンおよび t−ブチル
アントラキノンが好適であった。アントラセンおよびチ
オキサントンは、そのシリコーン溶液への溶解度が限ら
れているので、光増感剤としては不成功であった。上述
した化合物に関連した他の光増感剤化合物が当業者にと
って自明であり、これらも本発明の範囲内に包含され
る。
【0022】上述したペルベンゾエートエステルおよび
光増感剤の有効性を調べる試験の過程で、ある種のラジ
カル光増感剤の存在下でペルベンゾエートエステルを使
用せずに、(UV放射線に露出されると)接着性組成物
に硬化し得る、これまで知られていなかった光反応性タ
ーポリマーを見出した。これらのターポリマーは、混合
されたジメチルビニル連鎖停止およびトリメチル連鎖停
止線状ポリジメチル−メチルビニル−メチル水素シロキ
サンターポリマー流体混合物であり、実施例(後記)で
もっと詳しく説明するように、メチル水素シロキサン流
体、テトラメチル−テトラビニルシクロテトラシロキサ
ン(メチルビニルテトラマー)およびオクタメチルシク
ロテトラシロキサン(ジメチルテトラマー)の酸平衡化
反応によって合成することができる。
【0023】上述した成分から製造することのできるU
V硬化性シリコーン組成物は、セルロース系および他の
基材に被覆することができ、これらの基材は紙、金属、
箔、ガラス、ポリエチレン被覆クラフト(PEK)紙、
スーパーカレンダー仕上クラフト(SCK)紙、ポリエ
チレンフィルム、ポリプロピレンフィルムおよびポリエ
ステルフィルムを含む。光開始された反応でシリコーン
組成物を硬化して被覆基材上に接着性面を形成する。酸
素の存在が硬化反応を阻止すると確認された場合には、
例えば窒素で硬化環境を不活性にするのが望ましい。
【0024】当業者が本発明の実施を一層よく理解でき
るように、以下に実施例を限定としてではなく、例示と
して示す。すべての測定値は重量部である。実施例 1〜10 サンプルA 約 9.5重量%のSiH含有シロキシ単位(合計で約 0.3
1 モルのSiH)を有する90cps のジメチル水素連鎖停
止線状ポリジメチル−メチル水素シロキサン流体 200重
量部を 200重量部のトルエンおよび約31.5重量部のメタ
リルクロリド(約 0.36 モル)と組合せた。少量の白金
触媒を加え、反応混合物を 110℃で14時間還流し、この
時点で赤外検査では未反応SiH官能価が検出されなか
った。1気圧で混合物から約6重量部の溶剤を蒸留する
ことにより過剰をメタリルクロリドを除去した。33重量
部γ−メルカプトプロピオン酸( 0.31 モル)を反応容
器を加え、窒素雰囲気を形成してから、40重量部のトリ
エチルアミンを温度35℃で滴加した。トリエチルアミン
の添加につれて濁った沈澱(アミン塩酸塩)が生成し
た。溶剤を真空(約5mm圧)下 158℃で30分間ストリッ
ピングした。反応生成物を濾過すると 173重量部の濁っ
た流体が得られた。粘度250 cps 。
【0025】サンプルB γ−メルカプトプロピオン酸の代りにβ−メルカプトエ
タノール( 0.31 モル)を用いたこと以外はサンプルA
と同じ方法で、別のメルカプト官能性ポリシロキサン材
料を製造した。 182重量部の僅かに濁った190 cps の流
体生成物を得た。
【0026】サンプルC サンプルAおよびBに用いたのと同様の約 6.0重量%の
SiH含有シロキシ単位(合計 0.25 モルのSiH)を
含有する50cps のSiH含有流体 250重量部を約27重量
部のメタリルクロリドと、 250重量部のトルエン中で白
金触媒の存在下16時間還流することにより反応させた。
過剰なメタリルクロリドを除去した後、500重量部のヘ
キサンおよび19.5重量部( 0.25 モル)のβ−メルカプ
トエタノールを加え、しかる後20重量部( 0.26 モル)
のピリジンを窒素中60℃で滴加した。アミン添加の結果
生じる沈澱を溶液から濾過し、濾液から真空下 165℃で
1.5時間溶剤と未反応メルカプトエタノールをストリッ
ピング除去した。 226重量部の透明な薄い黄色の130 cp
s の生成物を得た。
【0027】サンプルD 約 7.0重量%のSiH含有シロキシ単位(合計 0.29
モルのSiH)を有する295 cps のSiH含有流体 250
重量部を、上記サンプルCの製造と正確に同じに、メタ
リルクロリドと、次いでβ−メルカプトエタノールおよ
びピリジンと反応させた。反応生成物を 165℃で4時間
ストリッピングすると、 237重量部の透明な薄い黄色の
流体生成物が得られた。粘度830 cps 。
【0028】温度約 160℃以上での長期のストリッピン
グサイクルにより遊離(未反応)メルカプトエタノール
の除去を行い(無臭の生成物を残し)、また真空昇華に
より残留ピリジン塩酸塩沈澱を除去した(透明な流体生
成物を残した)。上述した手順で製造したメルカプトア
ルコキシアルキル官能性シリコーンを用いて、下記の通
りの紫外線硬化性剥離組成物を製造した。 被覆組成物 1:10部 サンプルB 1部 メチルビニルテトラマー (テトラメチル−テトラビニル シクロテトラシロキサン) 0.5部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン (Darocure (登録商標)1173) 被覆組成物 2: 8部 サンプルB 2部 メチルビニルテトラマー 0.5部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン 被覆組成物 3: 8部 サンプルB 2部 ビニル終端ジメチルポリシロキサン 流体(200 cps ) 0.5部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン 被覆組成物 4: 7部 サンプルD 3部 sym −テトラメチルジビニル ジシロキサン 0.4部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン 被覆組成物 5: 5部 サンプルD 3部 sym −テトラメチルジビニル ジシロキサン 2部 ビニル終端ジメチルメチル ビニルシロキサン流体(200 cps ) 0.4部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン 各被覆組成物を40ポンドSCK紙上にドクターブレード
で薄膜として被覆し、次いで2つの焦点合わせ中圧水銀
蒸気ランプから紫外線に露出した。ランプはそれぞれ 3
00ワット/平方インチで作動し、PPG1202QC−AN
プロセッサに装着した。露出時間と硬化雰囲気を変えて
実験用組成物の硬化性能を評価した。汚れ、移行(マイ
グレーション)およびこすり落ちの有無を調べることに
より硬化を定性的に検査した。下記の結果を得た。 被覆 硬化 露出 組成物 雰囲気 時間(秒) 定性的硬化 1 N2 1.5 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 1 空気 1.5 少し汚れ、少し移行、こすり落ちなし 1 N2 0.3 移行なし、こすり落ち易い 1 空気 0.3 少し移行、こすり落ち易い 1 N2 0.07 移行なし、こすり落ち易い 1 空気 0.07 移行、こすり落ち易い 2 N2 0.3 移行なし、こすり落ち易い 2 空気 0.3 少し移行、こすり落ち易い 3 N2 0.3 少し移行、こすり落ち易い 3 空気 0.3 硬化せず 4 N2 1.5 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 4 空気 1.5 少し汚れ、移行なし、少しこすり落ち 5 N2 1.5 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 5 空気 1.5 移行、こすり落ちなし 5 N2 0.3 移行なし、こすり落ち易い これらのデータは、広い範囲のビニル官能性シロキサン
がメルカプトアルコキシアルキル官能ポリシロキサンの
UV硬化における架橋剤として適当であることを示して
いる。また、空気中よりも窒素雰囲気下の方が良好な結
果が得られることも明らかで、このことは硬化反応の性
質がラジカル開始型であると知っていれば予想できるこ
とである。 1.5秒のように短い露出時間で完全に硬化し
た(移行のない)被膜が確認されたが、それより短い露
出時間ではSCK紙への密着(こすり落ちで示される)
が悪い。
【0029】米国特許第 4,139,385号(Crivello )に
オニウム塩光触媒がポリオレフィン−ポリチオール架橋
を促進すると報告されている。下記の被覆組成物を製造
して本発明の重合体に対するカチオン性光触媒の有効性
を試験した。 被覆組成物 6:10部 サンプルB 1部 メチルビニルテトラマー 0.2部 (C1225Ph )2 ISb F6 ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート光触媒 被覆組成物 7:10部 サンプルC 1部 メチルビニルテトラマー 0.5部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン 0.2部 (C1225Ph )2 ISb F6 被覆組成物 8: 7.5部 サンプルC 0.5部 メチルビニルテトラマー 2部 1,2−エポキシドデカン* 0.4部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン 0.2部 (C1225Ph )2 ISb F6 * ω−エポキシ単量体;硬化促進剤として添加(エポキ
シシリコーンについて米国特許出願第 375,676号(1982
年 5月 6日出願)に記載されている) これらの組成物の性能を実施例1〜5におけると同様に
スーパーカレンダー仕上げクラフト紙上で試験し、下記
の結果を得た。 組成物 雰囲気 露出時間(秒) 定性的硬化 6 空気 1.5 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 6 N2 0.3 汚れなし、移行なし、こすり落ち 7 空気 0.3 少し汚れ、移行なし、少しこすり落ち 7 N2 0.3 汚れなし、移行なし、こすり落ち易い 8 空気 1.5 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 8 N2 0.3 汚れなし、移行なし、こすり落ち易い この系にオニウム塩触媒を用いれば、当業者がエポキシ
単量体反応性希釈剤(例えば組成物8中に存在する線状
エポキシド)をビニルシロキサン−メルカプトアルコキ
シアルキルシロキサン混合物に添加して、硬化被膜の定
着を強めるか剥離特性を変性することができる。
【0030】被覆浴を下記の通りに調整することにより
2つの被覆組成物について剥離性能を定量的に調べた。
(サンプル組成物を溶剤に分散させて均一な低シリコー
ン分散液を得た。) 浴 9:20部 サンプルB 2部 メチルビニルテトラマー 1部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン 80部 ヘキサン 浴 10:20部 サンプルB 2部 メチルビニルテトラマー 0.4部 (C1225Ph )2 ISb F6 80部 ヘキサン これらの浴を用いてSCK紙を#3線巻ドクターで被覆
し、被覆紙を前述したようにUV放射線に 0.3秒間露出
した。被覆シリコーン被膜の上にMonsanto Gelva(登
録商標) 263アクリル系強力接着剤の10ミル被膜を塗着
し、次いでこの接着剤に被覆されていないSCK紙を押
し当てることにより、硬化被膜の積層体を製造した。積
層体から2インチ×9インチの試片を切り出し、Scott
試験機で接着剤/SCK積層体からシリコーン/SCK
積層体を角度 180°の方向に 400フィート/分にて剥離
した。2つの積層体を引離すのに要した剥離力(グラム
単位)を記録し、下記の結果を得た。 雰囲気 定性的硬化 剥離力(g) 9 空気 移行なし、こすり落ち 150〜 190 9 N2 移行なし、こすり落ち 350〜 450 10 空気 (不十分な硬化) (記録せず) 10 N2 移行なし、こすり落ち 150〜 210 硬化したシリコーン剥離被膜はこすり落ちで証明される
ようによく定着されているとは認められなかったが、シ
リコーン層がSCK基材から優先的にはがされるという
ことは見られなかった。これらの結果は(通常< 100g
の「特質」剥離とは対照的に)高い剥離力を示してお
り、特に不活性雰囲気中でそうであり、シリコーン被膜
中に形成されたラジカルが接着剤中に存在するアクリル
単量体と相互作用して測定剥離力を上げていることを示
唆している。実施例11および11A t−ブチルペルベンゾエートのチオール/ビニル付加用
光触媒としての効果が下記の比較実験で実証された。 被覆組成物 11: 9.0部 サンプルD(前述) 1.0部 メチルビニルテトラマー 0.5部 t−ブチルペルベンゾエート 被覆組成物 11A : 9.0部 サンプルD 1.0部 メチルビニルテトラマー 0.5部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン (Darocure (登録商標)1173) これらの被覆組成物をドクターブレードで40ポンドのス
ーパーカレンダー仕上げクラフト紙に手で被覆し、上述
した通りに紫外光に露出し、そして最後に剥離表面とし
ての硬化について定性的に評価した。結果を次にまとめ
て示す。 UV露出 実施例 雰囲気 (秒) 定性的硬化 11 空気 0.6 少し汚れ、移行なし、少しこすり落ち 11 N2 0.3 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 11 N2 0.15 汚れなし、移行なし、少しこすり落ち 11A 空気 1.5 汚れ、移行なし、こすり落ち易い 11A N2 1.5 少し汚れ、移行なし、少しこすり落ち 11A N2 0.3 汚れ、移行なし、こすり落ち易い これらのデータから、この硬化性メルカプト−ビニルシ
リコーン系では t−ブチルペルベンゾエートが市販のD
arocure (登録商標)1173光開始剤より優れていること
が明らかである。実施例12〜14および14A ペルベンゾエートエステルの光触媒的性質について、下
記の被覆組成物を調製することによってさらに調べた。 被覆組成物 12:10部 ビニル終端ジメチル流体* 0.6部 トリメチル終端メチル水素流体** 0.5部 t−ブチルペルベンゾエート 被覆組成物 13:10部 ビニル終端ジメチル流体 1.0部 トリメチル終端メチル水素流体 0.5部 t−ブチルペルベンゾエート 0.5部 ジメチルヒドロキシアセトフェノン 被覆組成物 14:10部 ビニル官能性ターポリマー*** 0.5部 t−ブチルペルベンゾエート 被覆組成物 14A:10部 ビニル官能性ターポリマー 0.5部 2,5−ビス( t−ブチルペルオキシ) ヘキサン(対照)* ジメチルビニル終端ジメチルポリシロキサン、粘
度200 cps の流体。
【0031】** トリメチル終端メチル水素ポリシロキ
サン、粘度約30 cpsの流体。*** ジメチルビニル終端ジメチル−メチルビニル−メチ
ル水素ポリシロキサン流体、ジメチル:メチルビニル:
メチル水素単位の比約88: 5: 6、粘度80cps の流体。
t−ブチルペルベンゾエートを用いて熱活性化架橋反応
を促進できるので、対照組成物14Aをこの実験に含め
た。 2.5−ビス( t−ブチルペルオキシ)へキサンは t
−ブチルペルベンゾエートと同様の熱活性を有する。従
って、硬化用UVランプが発生する熱が(紫外放射線の
代りに)被覆組成物の硬化に寄与しているのだとした
ら、組成物14と14Aの硬化特性は似たようなものとなる
はずである。
【0032】不粘着性の剥離表面を形成するのに要する
露出時間で表わされる硬化性能を下記の方法で試験し
た。各混合物をドクターブレードで40ポンドのスーパー
カレンダー仕上げクラフト(SCK)紙に薄膜として手
で塗布し、次いで2本のHanovia中圧水銀蒸気紫外線ラ
ンプに露出した。各ランプは 300ワット/平方インチ焦
点合せ電力で作動し、PPG QC1202ANプロセッサ
に装着した。下記の結果が測定された。 被覆組成物 雰囲気 不粘着までの露出時間(秒) 12 不活性 0.9 12 空 気 硬化なし( 5.0秒) 13 不活性 1.5 13 空 気 硬化なし( 5.0秒) 14 不活性 0.3 14 空 気 硬化なし( 5.0秒) 14A 不活性 硬化なし( 5.0秒) 14A 空 気 − 対照組成物が不活性硬化環境であっても硬化しないこと
は、 t−ブチルペルベンゾエートが広い範囲のビニル−
水素架橋反応用の光触媒であることを示唆している。硬
化した被覆組成物は、典型的な剥離面特性を示し、Sco
tch (登録商標)# 610接着テープへの移行(マイグレ
ーション)はなかったが、汚れる傾向が僅かにあった。
酸素の存在下での硬化不足は架橋反応の性質がラジカル
型であることを示唆している。カルボニル炭素原子を介
してフェニルケトン発色団に直接結合しているペルオキ
シ基が光活性には必要であると考えられる。実施例15〜25 t−ブチルペルベンゾエートの誘導体を合成してそれら
の光触媒としての性能を評価した。
【0033】p−ニトロペルベンゾエート誘導体 33.4重量部の70% t−ブチルヒドロペルオキシド水溶液
を反応容器に入れ、氷浴で冷却した。65重量部の30%K
OH水溶液および46.4重量部の p−ニトロベンゾイルク
ロリドを90重量部のCH2 Cl2 に溶解した溶液を同時
に上記反応容器にゆっくり30分間にわたって加えた。こ
の反応混合物を0℃で2時間かきまぜ、次いで25℃で3
時間かきまぜた。有機層を水性層から分離し、分液ロー
トに移し、5%Na2 CO3 溶液で2回洗い、次いで水
で3回洗い、最後に無水MgSO 4 で乾燥した。真空下
で塩化メチレンを除去したところ30.9重量部の黄色粗生
成物が得られ、これをアセトン/ヘキサンから再結晶し
て黄色の t−ブチルペル−p −ニトロベンゾエートを得
た。これをDn 、即ち p−ニトロ誘導体と命名した。
【0034】p−メトキシペルベンゾエート誘導体 t−ブチルペル−p −メトキシベンゾエートの合成を p
−ニトロ誘導体と同じ方法で行った。生成物が室温で液
体であるので、粗生成物をCH3 CNに溶解し、次いで
ヘキサンで2回抽出することにより精製を行った。真空
下でCH3 CNを除去することによりアセトニトリル層
から生成物を得た。即ち、透明な薄黄色の粘稠な流体を
収率64%で得た。この生成物をDm 、即ち p−メトキシ
誘導体と命名した。
【0035】p−トリルペルベンゾエート誘導体 t−ブチルペル−p −メチルベンゾエートを p−メトキ
シ誘導体と全く同様に合成し、精製した。精製により透
明な無色の流体生成物が収率85%で得られた。この生成
物をDt 、即ち p−トリル誘導体と命名した。p−クロロペルベンゾエート誘導体 p−ニトロ誘導体に用いた手順に従って t−ブチルペル
−p −クロロベンゾエートを合成した。この化合物の過
冷傾向の結果として、この化合物について文献から知ら
れている融点49℃に対して、融点約10〜30℃の生成物が
回収された。固体生成物は室温でゆっくり融解して透明
な薄黄色の粘稠な流体になった。この試料をさらに精製
しようとはしなかった。この生成物Dc 、即ち p−クロ
ロ誘導体と命名した。
【0036】上述した合成に加えて、多数の反応性シリ
コーンターポリマーを、トリメチル連鎖停止メチル水素
ポリシロキサン、メチルビニルテトラマーおよびジメチ
ルテトラマーの酸触媒(Filtrol(登録商標)20、酸処
理クレー)存在下での平衡化反応によって製造した。前
述しまた実施例26〜56(後記)で実証された知見に従っ
て、光増感剤をターポリマーに加えて硬化を促進した。
これらのターポリマー組成物を次に記す。 シリコーンターポリマー組成物 D単位 DH 単位 Dvi単位 光増感剤 ターポリマー wt% wt% wt% wt% A 75.0 20.0 5.0 AQ、 0.2 B 77.0 11.3 11.7 BP、 2;AQ、 0.2 C 88.0 10.0 2.0 BP、 2;AQ、 0.25 D 48.0 50.0 2.0 BP、 2;AQ、 0.25 E 45.0 50.0 5.0 BP、 2;AQ、 0.25 F 45.0 50.0 5.0 BP、 3;AQ、 0.3 D =ジメチルシロキシ単位 DH =メチル水素シロキシ単位 Dvi=メチルビニルシロキシ単位 AQ=2− t−ブチルアントラキノン BP=ベンゾフェノン 種々のペルベンゾエートエステル光触媒と組合せた光増
感シリコーンターポリマーの硬化の速度と品質を評価す
ることにより、種々のパラ置換ペルベンゾエート誘導体
の相対的UV硬化性能を調べた。ペルベンゾエート誘導
体のいくつかは溶解度が低く、溶剤なしで組成物を被覆
し硬化する必要があった。
【0037】2つの被覆浴を次の通りに調製した。 浴 15:20部 ターポリマーC 80部 ヘキサン 1部 t−ブチルペルベンゾエート 浴 16:20部 ターポリマーC 80部 ヘキサン 1部 Dn 被覆混合物をSCK基材に#3線巻ドクターで塗布し
た。被覆サンプルを前述したようにPPGQC1202AN
プロセッサ内で不活性条件下にて紫外線ランプに600ワ
ット/平方インチで露出し、汚れも移行もない不粘着性
の面を得た。非置換ペルベンゾエート触媒含有組成物
(No.15)はUV露出 0.6秒で硬化した。D n 含有組成
物は同じ硬化度を得るのにUV露出 5.0秒を要した。
【0038】別の1組の被覆浴を次のように調整した。 ターポリマペルベンゾエート誘導体 17 D Dt´ 5wt % 18 D Dm´ 5wt % 19 D Dc´ 5wt % 20 D 対照、5wt % 対照= t−ブチルペンベンゾエート(非置換) これらの無溶剤組成物のうち、 p−メトキシ誘導体Dm
だけがターポリマーD中で不透明混合物を形成し、他の
混合物は透明のまゝであった。これらの組成物をドクタ
ーブレードでSCK基材に手で塗布し、次いで実施例15
および16のように不活性雰囲気および周囲(空気)雰囲
気下で硬化した。5%の
【0039】
【化4】 を含むターポリマーDの硬化に必要な最小UV露出時間
について下記の結果を得た。 誘導体 雰囲気 硬化時間(秒) 対照 H 空 気 1.5 対照 H 不活性 0.3 Dc Cl 空 気 1.5 Dc Cl 不活性 0.3 Dt Me 空 気 0.6 Dt Me 不活性 0.15 Dm OMe 空 気 0.6 Dm OMe 不活性 0.15 これらのデータから、ペルベンゾエートエステル触媒は
(活性の上昇する順位で)、Dn (極めて低い活性)、
次いでDc が非置換 t−ブチルペルベンゾエートに大体
等しく、次いでDt がDm に大体等しい、と定性的に等
級付けることができる。この等級付けは文献に見られる
熱的に誘起されたペルオキシ結合の解離エネルギーに大
体対応する。高級アルコキシ誘導体、例えば p−ブトキ
シ、 p−エトキシまたは p−ドデシルオキシなどでは p
−メトキシ誘導体Dm の溶解度の問題が解決されると考
えられる。
【0040】これらの実験の途中で見出されたもう一つ
のことは、光増感シリコーンターポリマーがペルベンゾ
エートエステル光開始剤の助けなしで、不粘着性の被膜
に光硬化できるということである。無溶剤被覆浴を次の
ように調整した。 組 成 21 ターポリマーF単独(光開始剤:3重量% BPおよび 0.3重量%AQを含有) 22 10重量部 ターポリマーF+ 0.5重量部 ジエトキシアセトフェノン(DEAP) 23 10重量部 ターポリマーF+ 0.5重量部 Trigonal (登録商標)14(イソブチルベンゾイン エステル類の混合物、Noury Chemical Co .) 24 10重量部 ターポリマーF+ 0.5重量部 t−ブチルペルベンゾエート 25 10重量部 ターポリマーF+ 0.5重量部 DEAP+ 0.5重量部 t−ブチルペルベンゾエート 浴21〜24は透明な流体で、浴25はDEAPおよび t−ブ
チルペルベンゾエート混合物の無極性シリコーン流体へ
の溶解度が限られているので曇って(濁って)おり、部
分的に不透明であった。
【0041】上記浴を実施例17〜20と同様にSCK基材
に被覆し、硬化し、汚れも移行もない被膜が得られるま
での最小UV露出時間を記録した。 硬化雰囲気 硬化までの最小UV露出(秒) 21 空 気 1.5 21 不活性 0.6 22 空 気 0.3 22 不活性 0.3 23 空 気 1.5 24 空 気 1.3 24 不活性 0.15 25 空 気 0.3 25 不活性 0.3 これらのデータは、光増感剤によるSi−H結合からの
H分離が硬化機構で起っていることを示唆している。ベ
ンゾフェノンおよび t−ブチルアントラキノンが、適当
なプロトン供与体の存在下での紫外線による励起に続い
てフリーラジカルを生成することが知られている。
【0042】光増感剤と、光励起後に単分子ホモリシス
を介してラジカル対を発生し得る光開始剤との組合せ
は、Gruber の米国特許第 4,071,652号に、ラジカルに
より誘起した架橋の酸素による消止を最小にする手段で
あると報告されており、この効果は浴21とDEAPがラ
ジカル対を発生する光開始剤である浴22の性能を比較す
ることで明らかである。浴21、24および25の性能を比較
すると、光増感剤をペルベンゾエート光開始剤と組合せ
ることによる相乗効果も明らかである。溶解度の問題が
浴Eの性能に干渉していることが明らかであるが、ベン
ゾフェノン、 t−ブチルアントラキノン、DEAPおよ
び t−ブチルペルベンゾエートを相互に相溶する媒体中
に含ませた組合せから硬化が促進されると考えられる。実施例26〜56 下記の組成物を製造して数種のポリ芳香族光増感剤の効
果を調べた。
【0043】880重量部のジメチルテトラマー、50重量
部のメチルビニルテトラマー、20重量部のsym −テトラ
メチルジビニルジシロキサンおよび63重量部のトリメチ
ル連鎖停止ポリメチル水素シロキサン流体(30cps )を
5重量部の酸クレー触媒(Filtrol(登録商標)20)と
配合し、次いで窒素雰囲気下60℃で15時間撹拌した。濾
過により触媒を除去すると、ジメチルビニル連鎖停止お
よびトリメチル連鎖停止線状ポリジメチル−メチルビニ
ル−メチル水素シロキサンターポリマー混合流体(70cp
s )が得られた。これをサンプルGと命名した。
【0044】300重量部のサンプルGから真空下 165℃
で2時間軽質留分をストリッピングした。 241重量部の
生成物を 1.2重量部のベンゾフェノンで処理し、混合物
を透明な溶液が得られるまで 100℃で30分間かきまぜ
た。重合体を室温に冷却してもベンゾフェノンは溶液の
中に留まり、340 cps の流体生成物を生じた。これをサ
ンプルHと命名した。
【0045】サンプルGとまったく同様に下記材料から
別のターポリマーを製造した。1260重量部のジメチルテ
トラマー、92重量部のメチルビニルテトラマー、15重量
部のsym −テトラメチルジビニルジシロキサン、および
150重量部のメチル水素流体。平衡化反応物を濾過しス
トリッピングして1240重量部の1225cps の流体を得た。
これをサンプルJと命名した。
【0046】サンプルKとして、 0.5重量%のベンゾフ
ェノンをサンプルJのターポリマーに溶解した溶液より
なる組成物をつくった。サンプルLとして、 1.0重量%
のベンゾフェノンをサンプルJのターポリマーに溶解し
た溶液よりなる組成物をつくった。サンプルMとして、
2.0重量%のベンゾフェノンをサンプルJのターポリマ
ーに溶解した溶液よりなる組成物をつくった。
【0047】サンプルNとして 4.0重量%のベンゾフェ
ノンをサンプルJのターポリマーに溶解して溶液よりな
る組成物をつくった。サンプルPとして 0.2重量%の2
−t −ブチルアントラキノンをサンプルJのターポリマ
ーに溶解した溶液よりなる組成物をつくった。ベンゾフ
ェノンが少くとも4重量%までシリコーン流体に完全に
溶解性であることがわかった。化学的に類似の t−ブチ
ルアントラキノンの溶解度の限界は確定されていない
が、当業者には簡単な実験で、この光増感剤並びにここ
で開示した目的に適当な他の光増感剤についての有用な
溶解度範囲が明らかになるであろう。 0.5重量%のアン
トラセンおよびチオキサントンをサンプルJのターポリ
マーに溶解した溶液を調整しようとする試みは、これら
化合物へのシリコーンへの溶解度が限られているので、
うまくゆかなかった。
【0048】サンプルG〜Pを下記の手順で用いること
により紫外線硬化分析を行った。各サンプルを5重量%
の p−ブチルペルベンゾエートと混合し、ドクターブレ
ードで40ポンドのスーパーカレンダー仕上げクラフト
(SCK)紙に薄膜として手で塗布し、次いでPPG
QC1202AN紫外線プロセッサ(それぞれ 100、 200ま
たは 300ワット/平方インチ焦点合せ出力で作動し得る
2本のHanovia中圧水銀蒸気UVランプを備える)に通
した。照射済み被膜に汚れ、移行およびこすり落ちがあ
るかないかを調べることにより硬化度を定性的に評価し
た。サンプルG〜Pからつくった試験用被膜を種々な硬
化条件で硬化した後、下記の結果を得た。 合計ラ ンプ出 露出 実施 サン 力(ワ 時間 硬化 プル ット) (秒) 雰囲気 定性的硬化 26 G 600 0.3 N2 汚れなし、移行なし、少しこすり落ち 27 G 600 1.5 空気 硬化せず 28 H 400 0.3 N2 汚れなし、移行なし、少しこすり落ち 29 H 600 0.15 N2 汚れなし、移行なし、少しこすり落ち 30 H 600 1.5 空気 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 31 J 400 0.3 N2 汚れなし、移行なし、少しこすり落ち 32 J 600 0.15 N2 汚れなし、移行なし、中位のこすり落ち 33 J 600 0.6 空気 硬化せず 34 K 200 0.6 N2 汚れなし、移行なし、少しこすり落ち 35 K 400 0.1 N2 汚れなし、移行なし、中位のこすり落ち 36 K 600 0.08 N2 汚れなし、移行なし、こすり落ち易い 37 L 200 0.3 N2 汚れなし、移行なし、中位のこすり落ち 38 L 400 0.1 N2 汚れなし、移行なし、中位のこすり落ち 39 L 600 0.08 N2 汚れなし、移行なし、こすり落ち易い 40 M 100 0.3 N2 汚れなし、移行なし、中位のこすり落ち 41 M 400 0.1 N2 汚れなし、移行なし、中位のこすり落ち 42 M 600 0.6 空気 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 43 N 200 0.3 N2 汚れなし、移行なし、中位のこすり落ち 44 N 600 0.08 N2 汚れなし、移行なし、こすり落ち易い 45 N 600 0.3 N2 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 46 N 600 0.3 空気 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 47 P 200 0.3 N2 汚れなし、移行なし、中位のこすり落ち 48 P 600 0.3 N2 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 49 P 600 0.3 空気 汚れなし、移行なし、こすり落ちなし 50 P 600 0.8 N2 汚れなし、移行なし、こすり落ち易い これらの結果から、ベンゾフェノンまたは t−ブチルア
ントラキノンが存在すると不活性条件下の光活性組成物
の硬化速度が2倍以上になり、驚くべきことには、硬化
環境を不活性にしなくても(かなり速い速度で)良好な
硬化が可能になることが明らかである。後者の事実は、
放射線硬化用に不活性雰囲気を実現する費用が特定の使
用者にとっての重大な関心事である場合に、特に重要で
ある。UVランプを高強度で 0.3秒以上の露出時間作動
させると、組成物がSCK基材によく定着(固着)す
る。それより短い露出時間で得られる移行なしの不粘着
性被膜は、他の点では完全に硬化しているが、容易にこ
すり落ちる。
【0049】次に数種のサンプルを共通の接着剤に対す
る剥離性能について評価した。下記の被覆浴をつくった
(測定値は重量部である)。 浴 Q:20重量部 サンプルJ 1重量部 t−ブチルペルベンゾエート 79重量部 ヘキサン 浴 R:20重量部 サンプルL 1重量部 t−ブチルペンベンゾエート 79重量部 ヘキサン 浴 S:20重量部 サンプルM 1重量部 t−ブチルペンベンゾエート 79重量部 ヘキサン 浴 T:20重量部 サンプルN 1重量部 t−ブチルペンベンゾエート 79重量部 ヘキサン 浴 U:20重量部 サンプルP 1重量部 t−ブチルペンベンゾエート 79重量部 ヘキサン 浴Q〜Uのそれぞれを#3線巻ドクターで 9インチ×12
インチSCK紙に塗布し、次いで前述した通りにPPG
紫外線プロセッサで紫外光に露出した。硬化した組成物
にGelva(登録商標)263 アクリル接着剤(Monsanto
社製)の10ミル層を被覆し、65℃で15分間硬化した。次
に未被覆SCK紙を接着剤層に貼付した。これらの積層
体を試片に切り出し、前述した実施例と同様に剥離力
(グラム)を記録した。下記の結果を得た。 合計ラ ンプ出 露出 力(ワ 時間 硬化 剥離力実施例 ット) (秒) 雰囲気 定性的硬化 (g) 51 Q 100 0.3 N2 移行なし、弱い定着 55−80 52 R 100 0.3 N2 移行なし、弱い定着 50−85 53 S 600 0.3 空気 移行なし、良い定着 210− 250 54 S 100 0.3 N2 移行なし、良い定着 60−90 55 U 600 0.3 空気 移行なし、良い定着 110− 130 56 U 600 0.3 N2 移行なし、良い定着 25−40 実施例51、52および54は、ベンゾフェノン濃度が剥離に
ほとんど影響しないことを示している。硬化した組成物
のいくつかは基材に特によく定着または固着していると
は見えなかったが、分離した薄層には、シリコーン層が
強力Gelva(登録商標)接着剤に優先的に接着している
微候はなかった。
【0050】実施例53、55および56は、硬化環境の性質
が上記実施例26〜50からは明らかでない効果をもつこと
を示している。即ち、空気硬化が同じ組成物の不活性環
境での硬化より高い剥離力につながることが明らかであ
る。この剥離力の差は、硬化室内の窒素の量を変えるこ
とによりシリコーン組成物の剥離を制御する手段が得ら
れることを示唆している。また、本発明のビニル官能性
ターポリマーの t−ブチルペルベンゾエート触媒作用下
のUV硬化を促進するのに、低レベル( 0.2%)のアン
トラキノンがベンゾフェノンより有効であることも明ら
かである。
【0051】t−ブチルペルベンゾエートは熱的に非常
に安定であり室温で無期限に貯蔵できるので、本発明の
組成物を一液系として包装し販売することができ、準備
工程を除き、組成物を使い易くすることができる。実施例57および58 高級アルコキシ置換ペルベンゾエート光触媒を合成し
て、 t−ブチルペルベンゾエートの p−メトキシおよび
p−トリル誘導体で遭遇する溶解度上の問題を克服しよ
うとした。
【0052】t−ブチルペル−p −ブトキシベンゾエー
トを合成するために、まず最初Rohrmann およびWisch
niewski のArch .Pharm., 292, 787(1959)の論
文に記載された手順に従って p−ブトキシベンゾイルク
ロリドを製造した。29.1重量部の4−n −ブトキシベン
ゾエート4−n −ブトキシ安息香酸および71.4重量部の
チオニルクロリドを混合し、86℃で1時間撹拌した。得
られた透明な溶液から真空下60℃で過剰なチオニルクロ
リドをストリッピング除去し、生成物を真空蒸留により
単離した。30.6重量部の透明な粘稠な流体(沸点 143〜
147℃/7 mm)を得た(収率95%)。この生成物を、18
重量部の70% t−ブチルヒドロペルオキシド水溶液に、
35重量部の30%水酸化カリウム水溶液と同時にゆっくり
加えた(後者もゆっくり加えた)。反応温度をこの添加
中0〜5℃に維持した。 p−ブトキシ誘導体をアセトニ
トリルに溶解し、ヘキサンで2回抽出し、真空下でアセ
トニトリルを除去することによって単離し、26.2重量部
の透明な薄黄色の流体生成物を得た。生成物の赤外線ス
ペクトルは t−ブチルペルベンゾエートの p−ブトキシ
誘導体の構造と合致した。
【0053】p−ドデシルオキシベンゾイルクロリドを
用いて、上記 p−ブトキシ誘導体と同様の手順で p−ド
デシルオキシ誘導体を製造した。最終生成物は室温で粘
稠な薄黄色の液体であり、その赤外線スペクトルは p−
ドデシルオキシ誘導体の構造と合致した。上記2つの誘
導体を用いて2種のシリコーン剥離被覆組成物を調製し
た。即ち5重量部の各誘導体を 100重量部の線状ポリジ
メチル−メチルビニル−メチル水素シロキサン流体(粘
度670 cps 、7重量%のメチルビニルシロキシ単位、
5.2重量%のメチル水素シロキシ単位および残量のジメ
チルシロキシ単位よりなる)と混合した。それぞれの場
合に不透明な白色混合物が得られた。両組成物ともSC
K基材上で 0.3秒のUV露出( 600ワット/平方インチ
で)で汚れも移行もない剥離被膜に硬化できたが、これ
ら2つの誘導体の純粋なシリコーンターポリマー溶液と
の相溶性が明らかに低いことは、これらの誘導体が無溶
剤剥離用途に特に適切な触媒ではないことを示唆してい
る。実施例59〜63 本発明に従って製造したターポリマーでさらに実験を続
けて、硬化特性および貯蔵安定性を評価した。Si−H
/Si−ビニル比の異なる3種の新しいターポリマーを
前記実施例におけると同様に製造し、ターポリマーFと
比較した(実施例15〜25参照)。 Si-H/Si-ビニル 実施例 ターポリマー 光増感剤 モル比 59 F 3 wt.%BP、 0.3wt.%AQ 14.0 60 X 2 wt.%BP 2.80 61 Y 2 wt.%BP 1.50 62 Z 3 wt.%BP 1.00 BP=ベンゾフェノン AQ= t−ブチルアントラキノン 上記ターポリマーの剥離性能を前記実施例と同様に評価
した。即ち、20重量部のターポリマー、 0.6重量部の t
−ブチルペルベンゾエートおよび80重量部のヘキサンよ
りなる被覆浴を調製し、各被覆組成物をSCK紙に塗布
し、600 ワット/平方インチ、 0.3秒(不活性雰囲気)
の紫外光下で硬化し、最後に強力SBR接着剤(Coate
d Products ,Inc.#4950)の5ミルの被膜を用いて
積層体をつくった。薄層を分離する( 400フィート/
分、角度 180°)のに要する力を記録した。剥離は初期
に試験し、その後 150°Fでエージング後定期的に試験
した。下記のデータを得た。 剥離(g) 剥離(g) 剥離(g) 剥離(g) 実施例 ターポリマー 初期 1日 1週 2週 59 F 30−50 > 500 > 500 > 500 60 X 35−45 45−65 140− 160 160− 180 61 Y 35−50 40−60 85− 105 95− 120 62 Z 45−65 50−65 65− 90 70− 90 Si−ビニル官能性に対して未反応Si−H官能性が大
過剰であると、おそらくはSi−H官能性の接着剤との
相互作用のため、剥離が影響を受けることが明らかであ
る。これらのデータは、安定な剥離が望ましい場合に
は、Si−H/Si−ビニル比を低いレベルに維持すべ
きで、ここで記載したターポリマーについては約 2/1
以下に維持するのが好ましいことを示唆している。
【0054】一液型UV硬化性組成物の貯蔵安定性を評
価する別の実験を行った。100 重量部のターポリマー×
(2%のベンゾフェノンを含有する)を5重量部の t−
ブチルペルベンゾエートと配合して被覆組成物を製造し
た。組成物を2つのサンプルに分け、一つのサンプルを
暗所で室温で維持し、他のサンプルを暗所で66℃で維持
した。これらのブレンドの粘度を長期間監視して貯蔵安
定性の表示を得た。下記の結果が得られた。貯蔵温度 初 期 1 週 2 週 4 週 8 週 25℃ 560 cps 550 cps 540 cps 550 cps 550 cps 66℃ 550 cps 4370 cps (ゲル化) − − これらのデータは、貯蔵中の硬化を防止するには約30℃
以下の貯蔵温度が推奨されることを示唆している。実施例64および64A 本発明に従って製造した反応性ターポリマーの硬化性能
を、従来のUV硬化性ビニル官能系の硬化性能と比較す
る実験を次のように行った。
【0055】Si−H/Si−ビニルモル比 2.8 を有
し83重量%のジメチルシロキシ単位を含有する線状ポリ
ジメチル−メチルビニル−メチル水素シロキサンターポ
リマーを製造し、これに 2.5 重量%のベンゾフェノン
を溶解した。100 重量部の200 cps のジメチルビニル連
鎖停止線状ポリジメチル−メチルビニルシロキサン流体
( 5.2 重量%のメチルビニルシロキシ単位を有する)
を3重量部の30cps のトリメチル連鎖停止線状ポリメチ
ル水素シロキサン流体と組合せてなり、同じく2.5 重
量部のベンゾフェノンを含有する従来のUV硬化性ビニ
ル官能性シリコーンブレンドを製造した。
【0056】2つの被覆ブレンドの硬化性能を前記実施
例におけると同様に、400 ワット/平方インチ合計焦点
合せ出力で作動するPPG紫外線プロセッサで、定性的
に試験した。SCK基材上に汚れも移行もない剥離塗膜
を得るのに必要な最小UV露出時間(秒)を記録した。 組成物 硬化雰囲気 硬化露出時間(秒) 64 N2 0.3 64 空気 1.5 64A(対照) N2 3.0 64A(対照) 空気 15秒後でも硬化せず 64+ 3% t−ブチル N2 0.15 ペルベンゾエート これらのデータは、本発明のターポリマー組成物が硬化
効率において既知のビニル官能性系より優れていること
を示している。その上、明らかにベンゾフェノンとペル
ベンゾエート触媒の組合せから相乗効果が得られ、ライ
ン速度を従来の被膜を完全に硬化させるのに必要な速度
より20倍速くすることができる。
【0057】本発明の種々の変更や改変が上述した開示
内容に照して可能であることが明らかである。例えば、
所定のシリコーン組成物に可溶で、本発明の目的に光増
感剤として有効な多数のポリ芳香族化合物が当業者に自
明であり、これらを本発明に従って製造した被覆組成物
に用いて良好な結果が得られる。しかし、本発明の特定
実施例に行ったそのような付随的な変更も本発明の要旨
の範囲内に入ることを理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKV 6904−4J (72)発明者 リチャード・アルバート・ストライカー アメリカ合衆国、ニューヨーク州、トロ イ、ハイドレイ・ロード・エクステンショ ン、3番 (72)発明者 フランク・ジョセフ・モデック アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スコテ ィア、リリアン・ドライブ、6番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)光反応性の混合されたジメチルビ
    ニルおよびトリメチル連鎖停止線状ポリジメチル−メチ
    ルビニル−メチル水素シロキサンタ−ポリマーおよび
    (B)光重合を促進するのに有効な少量の(i)ペルベ
    ンゾエートエステル、(ii)ポリ芳香族光増感剤または
    このような光増感剤の組合せ、または(i)と(ii)の
    組合せを含有する紫外線硬化性シリコーン剥離被覆組成
    物。
  2. 【請求項2】 上記ターポリマーを構成するジメチル単
    位:メチルビニル単位:メチル水素単位の比が40〜90:
    1〜20: 5〜50に等しい請求項1に記載のシリコーン剥
    離被覆組成物。
  3. 【請求項3】 トリメチル連鎖停止ポリメチル水素シロ
    キサン、テトラメチル−テトラビニルシクロテトラシロ
    キサンおよびオクタメチルシクロテトラシロキサンの酸
    平衡化反応により製造され、光開始剤の存在下で紫外線
    に短時間露出されると硬化し得る光反応性ターポリマ
    ー。
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