JP3561375B2 - ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐衝撃性改良剤として極めて有用なポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオルガノシロキサンは、耐熱性、耐寒性、耐水性、耐薬品性、耐侯性に優れ、コーティング剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂用耐衝撃性改質剤等に広く使用されている。
【0003】
しかし、ポリオルガノシロキサンを各種有機系重合体と複合化して使用する場合、両者の相溶性が低いために単純にブレンドしただけでは複合化が達成されず、上記のポリオルガノシロキサンの有用な性質が活用されていないのが現状である。
【0004】
このような問題点を解消しようとしたポリオルガノシロキサンと有機系重合体の複合粒子として、特開昭62−280210号公報にポリオルガノシロキサンからなる芯が、アクリレートゴムの殻により囲まれた複合粒子が開示されている。また、特開平4−258636号公報には、有機系重合体粒子の存在下においてオルガノシロキサンの縮合反応を進行させることにより、ポリオルガノシロキサンを複合化させた複合粒子を得る方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭62−280210合公報に開示されている複合粒子は、ポリオルガノシロキサン粒子の存在下でアクリレートゴム用単量体を重合することにより得られるが、ポリオルガノシロキサンがアクリレートゴムの殻により完全に遮蔽されており、ポリオルガノシロキサンが本来有する前記の優れた性質が発現されない。
【0006】
また、特開平4−258636号公報に開示される方法では、有機重合体粒子中に吸収されたオルガノシロキサンは縮合反応が進行せず、有機重合体粒子中に吸収されないオルガノシロキサンは単独粒子としてポリオルガノシロキサン粒子を生成してしまい、望む複合粒子を得ることは困難である。
【0007】
本発明の目的は、ポリオルガノシロキサンの有する優れた諸性質を有効に活用できる有機系重合体との複合粒子を用いたポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、有機系重合体の表面をポリオルガノシロキサン系粒子が被覆した構造を有するポリオルガノシロキサン含有複合粒子に、エチレン性不飽和結合を有する単量体がグラフト重合されたポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有複合粒子は、表面に電荷を有する有機系重合体粒子が分散された水性分散液と、この有機系重合体粒子の表面電荷と反対符号の電荷を有するポリオルガノシロキサン系粒子が分散された水性分散液とを混合することにより得るものが好ましい。
【0010】
また、有機系重合体粒子とポリオルガノシロキサン系粒子の表面電荷が、それぞれイオン性乳化剤に起因する電荷であることが好ましい。
【0011】
また、本発明に用いるポリオルガノシロキサン含有複合粒子を得るために2種の水性分散液を混合する前に、ノニオン性乳化剤を有機系重合体粒子および/またはポリオルガノシロキサン系粒子の表面上に吸着させておくことが好ましい。
【0012】
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有複合粒子を得るために用いる、表面に電荷を有する有機系重合体粒子としては、特に制限されるものではなく、最終的に得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体に要求される特性に応じて種々の単量体を選択し、重合させればよい。
【0013】
単量体の具体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、等のアクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができる。これらの単量体は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0014】
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有複合粒子を得るために用いる、表面に電荷を有する有機系重合体粒子の水性分散液の製造法は、特に制限されるものではないが、例えば、イオン性基を有するエチレン性不飽和単量体を重合に供される単量体成分の一部または全部に用いる方法、イオン性重合開始剤を用いるソープフリー乳化重合、イオン性乳化剤を用いる乳化重合法等を挙げることができ、これらの中ではイオン性乳化剤を用いる乳化重合法が好ましい。
【0015】
イオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、アニオン性基を有するものとして、カルボキシル基含有単量体、スルホ基含有単量体、およびリン酸基含有単量体を挙げることができる。これらのアニオン性基含有単量体は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0016】
カルボキシル基含有単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等を挙げることができる。
【0017】
スルホ基含有単量体としては、例えばスチレンスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸、メタクリロイルオキシアルキルスルホン酸、アクリルアミドアルキルスルホン酸、メタクリルアミドアルキルスルホン酸等を挙げることができる。
【0018】
リン酸基含有単量体としては、例えば2−アクリロイルオキシエチルリン酸、2−メタクリロイルオキシエチルリン酸、2−アクリロイルオキシエトキシエチルリン酸、2−メタクリロイルオキシエトキシエチルリン酸等を挙げることができる。
【0019】
これらのアニオン性基含有単量体から得られる共重合体を、適当なアルカリを用いて中和することにより、当該共重合体からなる粒子の表面に電荷を付与することができる。なお、これらのアニオン性基の塩を有する単量体を共重合させても良い。
【0020】
一方、カチオン性基を含有するエチレン性不飽和単量体としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等を有するエチレン性不飽和単量体を例示することができる。これらのカチオン性基含有単量体は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0021】
これらのカチオン性基含有単量体から得られる共重合体を、塩酸や酢酸等の適当な酸を用いて中和することにより、当該共重合体からなる粒子の表面に電荷を導入することができる。なお、これらのカチオン性基の塩を含有する単量体を共重合させてもよい。
【0022】
イオン性重合開始剤としては、過硫酸塩(例えば過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウム)、アゾビス(イソブチロニトリルスルホン酸塩)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアニオン性重合開始剤、2,2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水和物等のカチオン性重合開始剤を例示することができる。
【0023】
イオン性乳化剤としては、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性イオン乳化剤のいずれを用いてもよい。また所望によりこれらのイオン性乳化剤と共にノニオン性乳化剤を併用してもよい。
【0024】
アニオン性乳化剤の具体例としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの硫酸塩類、脂肪アルコールリン酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合物のナフタリンスルホン酸塩類等を挙げることができる。
【0025】
カチオン性乳化剤の具体例としては、脂肪族アミン塩類、第四アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩等を挙げることができる。
【0026】
両性乳化剤の具体例としては、アルキルベタイン等を挙げることができる。 本発明に係るポリオルガノシロキサン含有複合粒子を得るために用いる有機系重合体粒子の表面電荷と反対符号の電荷を有するポリオルガノシロキサン系粒子は、ポリオルガノシロキサン単独粒子でも、ポリオルガノシロキサン単独粒子をシード粒子として各種エチレン性不飽和単両体を重合させて得られるポリオルガノシロキサン含有粒子でもよい。
【0027】
ポリオルガノシロキサン単独粒子は、例えば米国特許第2891920号明細書、同第3294725号明細書等に開示された方法により水性分散液として得ることができる。本発明においては、有機系重合体粒子の表面電荷と反対符号の電荷を有するイオン性乳化剤を用いて、例えば、有機系重合体の表面電荷がプラスの場合には、オルガノシロキサンと所望によりポリオルガノシロキサン用架橋剤とポリオルガノシロキサン用グラフト交叉剤を加えた混合液を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水とせん断混合する方法によりポリオルガノシロキサン単独粒子の水性分散液を製造するのが好ましい。
【0028】
オルガノシロキサンとしては3員環以上の環状オルガノシロキサンを例示でき、3〜6員環のものが好ましく用いられる。好ましい環状オルガノシロキサンの具体例としてヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等を例示でき、これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
【0029】
環状オルガノシロキサンの使用量は、ポリオルガノシロキサン中60重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
【0030】
ポリオルガノシロキサン用架橋剤としては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤すなわち、3つまたは4つのアルコキシ基を有するシラン化合物が用いられ、この具体例としてトリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトシキシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を例示できる。ポリオルガノシロキサン用架橋剤としては4官能性のものが好ましく、4官能性の架橋剤の中ではテトラエトキシシランが特に好ましい。
【0031】
ポリオルガノシロキサン用架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサン中0〜30重量%であることが好ましく、0〜10重量%であることがより好ましい。ポリオルガノシロキサン用架橋剤を30重量%を超える量使用してもそれ以上の架橋構造の形成には寄与しない。
【0032】
ポリオルガノシロキサン用グラフト交叉剤としては、そのアルコキシシラン部分は重合に関与してポリオルガノシロキサン中に組み込まれるが、この時反応しないでその後のポリオルガノシロキサン粒子存在下でのエチレン性不飽和単両体の重合の際に反応する官能基を有するシラン化合物であり、その具体例として、式1ー1〜1ー4で表される単位を形成し得る化合物等が用いられる。
【0033】
CH=CR−COO−(CH−SiR (3−n)/2 1−1
CH=CH−SiR (3−n)/2 1−2
CH=CR−CSiR (3−n)/2 1−3
HS−(CH−SiR (3−n)/2 1−4
(各式中Rはメチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基を、Rは水素原子またはメチル基を、nは0〜2、pは0〜6の整数をそれぞれ示す。)
これらの中では式1−1の単位を形成し得る(メタ)アクリロイルオキシシランはグラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能である。なお式1−1の単位を形成し得るものとしてメタクリロイルオキシシランが特に好ましい。
【0034】
メタクリロイルオキシシランの具体例としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられ、これらの中ではγ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランをより好ましいものとして挙げることができる。
【0035】
式1−2の単位を形成し得るものとしてはビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等を例示でき、式1−3の単位を形成し得るものとしては4−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン等を例示でき、式1−4の単位を形成し得るものとしてはγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシエチルシラン等を例示できる。
【0036】
ポリオルガノシロキサン用グラフト交叉剤の使用量はポリオルガノシロキサン中0〜10重量%であり、0〜5重量%であることが好ましい。
【0037】
ポリオルガノシロキサン含有粒子を得る際にポリオルガノシロキサン単独粒子をシード粒子として重合せしめるエチレン性不飽和単量体としては特に制限はなく、最終的に得られるポリオルガノシロキサン含有複合粒子に要求される特性に応じて種々の単量体を選択し、重合させればよい。
【0038】
単量体の具体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、プレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができる。これらの単量体は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0039】
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有複合粒子は、表面に電荷を有する有機系重合体粒子分散液と、反対符号の電荷を有するポリオルガノシロキサン系粒子分散液とを撹拌混合することにより得ることができる。撹拌混合の際のヘテロ凝集速度を低下させるために、混合する前に、ノニオン性乳化剤を有機系重合体粒子および/またはポリオルガノシロキサン系粒子の表面上に吸着させておくことが好ましい。
【0040】
ここで使用するノニオン性乳化剤としては特に制限はなく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アルキルセルロース等を具体例として挙げることができる。
【0041】
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有複合微粒子を構成する有機系重合体粒子の粒子径(a)と、ポリオルガノシロキサン系粒子の粒子径(b)には、有機系重合体の表面をポリオルガノシロキサン系粒子が被覆し得る範囲であれば特に制限はないが、b<=(1/2)aであることが好ましく、さらにb<=(1/3)aであることがより好ましい。
【0042】
本発明に係るポリオルガノシロキサン含有複合粒子は、有機系重合体の表面をポリオルガノシロキサン系粒子が被覆した構造を有するものであるが、さらにその外層に種々のエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させることにより本発明のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体となる。
【0043】
ポリオルガノシロキサン含有複合粒子にグラフト重合させるエチレン性不飽和単量体としては、耐衝撃性向上の対象とするマトリックス樹脂との親和性を考慮して、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、等のアクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、プレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等の中から選択することができる。これらの単量体は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0044】
本発明のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体は、ポリオルガノシロキサン含有複合粒子の分散液にグラフト重合するエチレン性不飽和単量体を加え、ラジカル重合により一段であるいは多段で重合させて得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の水性分散液を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固することにより分離回収することができる。
【0045】
本発明のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体は、それ自身でも耐衝撃性樹脂となり得るが、種々の熱可塑性樹脂と混合して用いるとこれらの樹脂に幅広い温度範囲で高度の耐衝撃性を付与でき、しかも樹脂の表面外観を低下させることがないため耐衝撃性改良剤として極めて有用である。
【0046】
本発明のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を添加して耐衝撃性を向上し得る熱可塑性樹脂としては、グラフト重合するエチレン性不飽和単量体に応じて種々のものが考えられるが、スチレン系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれた少なくとも1種のエチレン性不飽和単量体70〜100重量%とこれらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体30〜0重量%を重合して得られる単独重合体または共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびポリスチレン樹脂の混合物、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ABS/ポリカーボネート樹脂アロイ、ABS/ポリエステル樹脂アロイ、ポリエステル樹脂/ポリカーボネート樹脂アロイ、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂などを挙げることができる。
【0047】
これらの樹脂に本発明のグラフト共重合体を添加する方法としては、バンバリーミキサー、ロールミル二軸押出機等の公知の装置を用い機械的に混合しペレット状に賦形する方法を挙げることができる。押し出し賦形されたペレットは、幅広い温度範囲で成形可能であり、成形には通常の射出成形機等を用いることができる。
【0048】
さらに、この樹脂組成物には必要に応じて染料、顔料、安定剤、補強剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、滑剤等を配合することができる。
【0049】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
【実施例】
各記載中、「部」は重量部を示す。また、諸物性の測定は下記の方法による。
【0051】
固形分濃度:ラテックスを170℃で30分乾燥して求めた。
【0052】
粒子径分布、重量平均粒子径:ラテックスを水で希釈したものを試料液として、動的光散乱法(大塚電子(株)製ELS800、温度25℃、散乱角90度)により測定した。
【0053】
アイゾット衝撃強度:ASTM D−256の方法(1/4”,ノッチ付き)により求めた。
【0054】
(参考例1)正電荷を有する重合体粒子分散液(C−1)の製造
撹拌翼、コンデンサー、熱伝対、窒素導入口を備えたセパラブルフラスコに蒸留水190部、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.4部、ブチルアクリレート100部、クメンヒドロパーオキシド0.4部を仕込み、窒素気流下に40℃に昇温した。次いで、硫酸鉄(II)0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.003部、ロンガリット塩0.24部、蒸留水10部の混合液を加えラジカル重合を開始させた。発熱が終了した後、系内の温度を40℃で2時間保持して重合を完了させ、重合体粒子分散液(以下C−1と称する)を得た。
【0055】
C−1の固形分濃度は33.1重量%で、粒子径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は259nmであった。また、Z電位は、25mVであった。
【0056】
(参考例2)負電荷を有する重合体粒子分散液(A−1)の製造
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.4部の代わりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4部を用いる以外は参考例1と同様の操作および条件で、重合体粒子分散液(以下A−1と称する)を得た。
【0057】
A−1の固形分濃度は33.2重量%で、粒子径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は190nmであった。また、Z電位は、−32mVであった。
【0058】
(参考例3)負電荷を有するオルガノシロキサン系粒子分散液(S−1)の製造γ−メタクリルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキサン99.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部と蒸留水300部の混合液を添加し、ホモミキサーにて10000rpmで2分間撹拌した後、ホモジナイザーに300kg/cmの圧力で2回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
【0059】
一方、撹拌翼、コンデンサー、熱伝対を備えたセパラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸14部と蒸留水100部とを仕込み、85℃に昇温し、上記予備混合オルガノシロキサンラテックスを4時間かけて滴下し、滴下終了後1時間温度を保持した後に冷却した。次いでこの反応物を24時間室温で保持した後、5%の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、オルガノシロキサン系粒子分散液(以下S−1と称する)を得た。
【0060】
S−1の固形分濃度は18.1重量%で、粒子径分布は単一のピークを示し、重量平均粒子径は30nmであった。また、Z電位は、−61mVであった。
【0061】
(参考例4)ポリオルガノシロキサン含有複合粒子の製造
参考例1で得た正電荷を有する重合体粒子分散液であるC−1を21.1部(固形分7.0部)採取し、これにノニオン性乳化剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(曇点74℃;花王(株)製、エマルゲン911)を0.35部加え、室温で1時間撹拌した。こうして得られた混合液を、16.6部のS−1(固形分3.0部)に加え、室温で30分撹拌した後、85℃に昇温してさらに1時間撹拌した。一連の操作を通じて固形物の分離は見られず、均一なラテックスを得た。
【0062】
このラテックスの固形分濃度は27.3重量%であった。また、粒子径分布は単一のピークを示しており、小粒子の残存は認められず、重量平均粒子径は310nmであった。ラテックスの固形分濃度を0.001%に薄め、乾燥したものを透過型電子顕微鏡により観察したところ、有機系重合体の表面をポリオルガノシロキサン系粒子が被覆した金平糖状のポリオルガノシロキサン含有複合粒子を確認した。
【0063】
(実施例1)ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の製造
参考例4のポリオルガノシロキサン含有複合粒子ラテックスを366.3部採取し、窒素ガス導入管、撹拌機および還流冷却管を備えたセパラブルフラスコに仕込み、硫酸鉄(II)0.004部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.012部、ロンガリット塩0.48部、蒸留水53.7部の混合液を加え80℃に昇温した。これにメチルメタクリレート57部、メチルアクリレート3部、オクチルメルカプタン0.25部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸ナトリウム(東邦化学製LO529)0.4部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.15部の混合液を1.5時間かけて滴下し、さらに1時間温度を保持してグラフト重合を完結させた。
【0064】
得られたポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体ラテックス(G−1)の固形分濃度は33.4重量%であり、粒子径分布は単一ピークで重量平均粒子径は354nmであった。
【0065】
このラテックスG−1を、2重量%の塩化カルシウム水溶液中に投入し、凝固、回収、乾燥し、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の乾粉を得た。
【0066】
得られたポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の乾粉32部とポリメチルメタクリレート樹脂68部を押し出し機(バレル温度200℃)にて溶融混練してペレタライズした後、射出成形機(シリンダー温度240℃)にて物性評価用の試験片を得た。
【0067】
得られた試験片のアイゾット衝撃強度は、10.2kg・cm/cmであった。
【0068】
(比較例1)
C−1を21.1部用いる代わりに、負電荷を有する重合体粒子分散液であるA−1を21.1部(固形分7.0部)用い、それ以外は参考例4と同様にして均一なラテックスを得た。
【0069】
このラテックスの固形分濃度は27.3重量%であった。また、粒子径分布は30nm付近と190nm付近にそれぞれピークを有するものであった。ラテックスの固形分濃度を0.001重量%に薄め、乾燥したものを透過型電子顕微鏡により観察したところ、有機系重合体粒子とポリオルガノシロキサン系粒子が別々に存在していることを確認した。
【0070】
こうして得られたラテックスを、ポリオルガノシロキサン含有複合粒子ラテックスの代わりに用いる以外は実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックスG−2を得た。
【0071】
このラテックスG−2を実施例1のG−1と同様に凝固乾燥して乾粉とした後PMMA樹脂に配合し、物性評価用試験片を得た。
【0072】
得られた試験片のアイゾット衝撃強度は、2.9kg・cm/cmであった。
【0073】
【発明の効果】
本発明のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体は、その特異なモルフォロジーによりポリオルガノシロキサンの有する優れた諸性質を活用でき、特に耐衝撃性改良剤として極めて優れた性質を有する。

Claims (1)

  1. 有機系重合体の表面をポリオルガノシロキサン系粒子が被覆した構造を有するポリオルガノシロキサン含有複合粒子に、エチレン性不飽和結合を有する単量体がグラフト重合されたポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
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