JP3453212B2 - グラフト共重合体 - Google Patents
グラフト共重合体Info
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Description
めて有用なグラフト共重合体に関する。 【0002】 【従来の技術】耐衝撃性改良剤とは各種の樹脂に耐衝撃
性を付与するためのものであり、今日まで種々の提案が
なされている。これらの中で特開平4−100812号
公報で示されたポリオルガノシロキサンゴムとポリアル
キル(メタ)アクリレートゴムからなる複合ゴムにビニ
ル系単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフ
ト共重合体や、特開平5−279548号公報で示され
たポリオルガノシロキサンゴムと共役ジエンゴム成分と
からなる複合ゴムにビニル系単量体がグラフト重合され
てなる複合ゴム系グラフト共重合体は比較的優れた耐衝
撃性改良剤である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリ(メタ)
アクリレートゴム成分を含む複合ゴム系グラフト共重合
体はポリ(メタ)アクリレートゴムのガラス転移温度
(Tg)が比較的高いため低温における耐衝撃性の付与
が十分になされていない。また、ポリオルガノシロキサ
ンゴムと共役ジエンゴムは親和性が低く、特開平5−2
79548号公報の方法では大量の共役ジエン単独ゴム
が生じ、衝撃強度向上のための望ましい複合ゴムは一部
しか生じないという問題があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、樹脂に添加した際、その樹脂の耐衝撃性
を幅広い範囲で向上させる耐衝撃性改良剤につき鋭意検
討した結果、特定の構造を有するポリオルガノシロキサ
ンゴム成分と共役ジエンゴム成分とからなる複合ゴムに
ビニル系単量体を高効率でグラフト重合させてなる複合
ゴム系グラフト共重合体が幅広い温度範囲で樹脂の耐衝
撃性を改良させる耐衝撃性改良剤となることを見いだ
し、本発明に到達した。 【0005】即ち、本発明の要旨は、ポリオルガノシロ
キサンゴム成分0.1〜90重量%と共役ジエンゴム成
分99.1〜10重量%とからなる複合ゴムに1種以上
のビニル系単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系
グラフト共重合体において、ポリオルガノシロキサンゴ
ム成分が式(I)で表される単位を1モル%以上含むこ
とを特徴とするグラフト共重合体にある。 【0006】 −(−Si(R1)(R2)−O−)− (I) ((I)式中R1は炭素数4以上のアルキル基またはア
リール基を、R2はアルキル基、アリール基またはシロ
キサン結合を介してつながる他のケイ素原子を示す。) 本発明で用いるポリオルガノシロキサンゴムはオルガノ
シロキサンと上記式(I)で表される単位を生じるアル
コキシシラン化合物、あるいはこれに更にポリオルガノ
シロキサンゴム用架橋剤、ポリオルガノシロキサンゴム
用グラフト交叉剤を重合することにより微小粒子として
得られるものを用いることができる。 【0007】オルガノシロキサンとしては3員環以上の
環状オルガノシロキサンを例示でき、3〜6員環のもの
が好ましく用いられる。好ましい環状オルガノシロキサ
ンの具体例としてヘキサメチルシクロトリシロキサン、
オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシク
ロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキ
サン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、
テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、
オクタフェニルシクロテトラシロキサン等を例示でき、
これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。環
状オルガノシロキサンの使用量はポリオルガノシロキサ
ンゴム中60重量%以上である事が好ましく、70重量
%以上であることがより好ましい。 【0008】式(I)で表される単位を生じるアルコキ
シシラン化合物としては、特定のアルキル基を有するジ
アルキルジアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシ
シランが例示でき、好ましい具体例としてメチルブチル
ジメトキシシラン、メチルイソブチルジメトキシシラ
ン、ジブチルジメトキシシラン、メチルデシルジメトキ
シシラン、メチルブチルジエトキシシラン、イソブチル
トリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙
げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して用いら
れる。アルキルトリアルコキシシランは式(I)で表さ
れる単位を生じると共にポリオルガノシロキサンゴム用
架橋剤としても作用する。式(I)で表される単位を生
じるアルコキシシラン化合物の使用量は式(I)の単位
が全シロキサン単位中の1モル%以上となるように用い
ることが必要である。 【0009】ポリオルガノシロキサンゴム用架橋剤とし
ては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤すなわ
ち、3つまたは4つのアルコキシ基を有するシラン化合
物が用いられ、この具体例としてトリメトキシメチルシ
ラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトシキシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラn-プロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン等を例示できる。ポリオルガ
ノシロキサンゴム用架橋剤としては4官能性のものが好
ましく、4官能性の架橋剤の中ではテトラエトキシシラ
ンが特に好ましい。ポリオルガノシロキサンゴム用架橋
剤の使用量はポリオルガノシロキサンゴム中0〜30重
量%であることが好ましく、0〜10重量%であること
がより好ましい。ポリオルガノシロキサンゴム用架橋剤
を30重量%を越える量使用してもそれ以上の架橋構造
の形成には寄与しない。 【0010】ポリオルガノシロキサンゴム用グラフト交
叉剤とはそのアルコキシシラン部分は重合に関与してポ
リオルガノシロキサンゴム中に組み込まれるが、この時
反応しないでその後の複合ゴム調製のためのポリオルガ
ノシロキサンゴム存在下での共役ジエンゴム重合の際に
反応する官能基を有するシラン化合物であり、その具体
例として、式(II−1)〜(II−4)で表される単位を
形成し得る化合物等が用いられる。 【0011】 CH2=CR2−COO−(CH)p−SiR1 nO(3-n)/2 −(II−1) CH2=CH−SiR1 nO(3-n)/2 −(II−2) CH2=CR2−C6H4−SiR1 nO(3-n)/2 −(II−3) HS−(CH)p−SiR1 nO(3-n)/2 −(II−4) (式中 R1はメチル基、エチル基、プロピル基または
フェニル基を、R2は水素原子またはメチル基を、nは
0〜2、pは0〜6の整数をそれぞれ示す。) これらの中では式(II−1)の単位を形成し得る(メ
タ)アクリロイルオキシシランはグラフト効率が高いた
め有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝
撃性発現の面で有利である。なお式(II−1)の単位を
形成し得るものとしてメタクリロイルオキシシランが特
に好ましい。 【0012】式(II−2)の単位を形成し得るものとし
てはビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン等を例示でき、式(II−3)の単位を形成し得
るものとしては4-ビニルフェニルジメトキシメチルシラ
ン、4-ビニルフェニルトリメトキシシラン等を例示で
き、式(II−4)の単位を形成し得るものとしてはγ−
メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルジエトキシエチルシラン等を例示できる。 【0013】メタクリロイルオキシシロキサンの具体例
としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシ
メチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメト
キシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルジエトキシメチルシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、δ−メタク
リロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げ
られ、これらの中ではγ−メタクリロイルオキシプロピ
ルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシランをより好ましいものとして
挙げることができる。ポリオルガノシロキサンゴム用グ
ラフト交叉剤の使用量はポリオルガノシロキサンゴム中
0〜10重量%であり、0〜5重量%であることが好ま
しい。 【0014】ポリオルガノシロキサンゴムは例えば米国
特許第2891920号明細書、同第3294725号明細書等に記載
された方法によりラテックスとして得ることができる。
本発明においては、例えば、オルガノシロキサンと式
(I)の単位を形成するアルコキシシラン化合物および
所望によりポリオルガノシロキサンゴム用架橋剤とポリ
オルガノシロキサンゴム用グラフト交叉剤を加えた混合
液を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン
酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナ
イザー等を用いて水とせん断混合する方法によりポリオ
ルガノシロキサンゴムを製造するのが好ましい。 【0015】アルキルベンゼンスルホン酸は、オルガノ
シロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤
ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンス
ルホン酸とアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキ
ルスルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行う
際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ま
しい。 【0016】重合の停止はラテックスを水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶
液により中和することにより行うことができる。 【0017】本発明において用いる共役ジエンゴムは、
ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン等の共役ジ
エン単量体100〜50重量%およびこれと共重合可能
なビニル系単量体0〜50重量%(合計100重量%)
とから形成されるものであり、共役ジエン単独重合体、
もしくはブタジエンースチレン、ブタジエンービニルト
ルエン共重合体等の様な共役ジエンー芳香族ビニル化合
物共重合体;ブタジエンーアクリロニトリル共重合体、
ブタジエンーメタクリロニトリル共重合体等の様な共役
ジエンーシアン化ビニル化合物共重合体;ブタジエンー
メチルメタクリレート共重合体、ブタジエンーブチルア
クリレート共重合体等の様な共役ジエンーアルキル(メ
タ)アクリレート共重合体等を含み、更に共役ジエン5
0重量%以上を含む多元共重合体を含む。 【0018】本発明において用いる複合ゴムは、上記ポ
リオルガノシロキサンゴムラテックスをシード粒子とし
て上記共役ジエンゴム用単量体を重合する通常のシード
乳化重合により合成することができる。即ち、ポリオル
ガノシロキサンゴムラテックス中に共役ジエンゴム用単
量体を添加し、ポリオルガノシロキサンゴム粒子へ含浸
させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用させて行
う。本発明のポリオルガノシロキサンゴムは式(I)の
単位を有するため共役ジエンゴム用単量体との親和性が
高く、重合の進行と共に実質上分離できないポリオルガ
ノシロキサンゴム成分と共役ジエンゴム成分との複合ゴ
ムラテックスが得られる。 【0019】本発明における複合ゴムにおいて、ポリオ
ルガノシロキサンゴム成分の割合は0.1〜90重量%
である。0.1重量%未満ではポリオルガノシロキサン
の特性が発現せず耐衝撃性が低下する。また、90重量
%を越えると、ポリオルガノシロキサンオリゴマーに由
来する光沢の低下が生じる。 【0020】この複合ゴムにグラフト重合させるビニル
系単量体としては、スチレン、αーメチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタ
クリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル化合物;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基
含有ビニル化合物;メタクリル酸等のカルボン酸基含有
ビニル化合物等の各種ビニル化合物が挙げられ、これら
は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。 【0021】本発明の複合ゴム系グラフト共重合体を得
る際の複合ゴムとこれにグラフト重合するビニル系単量
体の割合は、得られるグラフト共重合体の重量を基準に
して、複合ゴム10〜95重量%、好ましくは20〜9
0重量%、及びビニル系単量体90〜5重量%、好まし
くは80〜10重量%である。ビニル系単量体が5重量
%未満では他の樹脂と混合した樹脂組成物中での分散が
十分でなく、又、90重量%を越えると耐衝撃強度が低
下するので好ましくない。 【0022】複合ゴム系グラフト共重合体は、複合ゴム
ラテックスにグラフト重合するビニル系単量体を加え、
ラジカル重合技術によって一段であるいは多段で重合さ
せて得られる複合ゴム系グラフト共重合体ラテックス
を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶
解した熱水中に投入し、塩析、凝固することにより分離
回収することができる。 【0023】本発明の複合ゴム系グラフト共重合体は、
それ自身でも耐衝撃性樹脂となり得るが、種々の熱可塑
性樹脂と混合して用いるとこれらの樹脂に幅広い温度範
囲で高度の耐衝撃性を付与でき、しかも樹脂の表面外観
を低下させることがないため耐衝撃性改良剤として極め
て有用である。 【0024】本発明の複合ゴム系グラフト共重合体を添
加して耐衝撃性を向上し得る熱可塑性樹脂としては、グ
ラフトするビニル系単量体に応じて種々のものが考えら
れるが、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合
物及び(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ば
れた少なくとも1種のビニル系単量体70〜100重量
%とこれらと共重合可能な他のビニル系単量体30〜0
重量%を重合して得られる単独重合体または共重合体;
塩化ビニル樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリ
スチレン樹脂の混合物;ポリエステル樹脂;ポリカーボ
ネート樹脂;ABS樹脂;ABS/ポリカーボネート樹
脂アロイ;ABS樹脂/ポリエステルアロイ、ポリエス
テル樹脂/ポリカーボネート樹脂アロイ;ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂等を例示す
ることができる。 【0025】樹脂に本発明のグラフト共重合体を添加す
る方法としては、バンバリーミキサー、ロールミル、二
軸押出機等の公知の装置を用い機械的に混合しペレット
状に賦形する方法を挙げることができる。押し出し賦形
されたペレットは、幅広い温度範囲で成形可能であり、
成形には通常の射出成形機等を用いることができる。更
にこの樹脂組成物には必要に応じて染料、顔料、安定
剤、補強剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、滑剤等を配合す
ることができる。 【0026】以下実施例により本発明を説明する。 【0027】 【実施例】各記載中「部」は「重量部」を示す。なお各
実施例、比較例での諸物性の測定は下記の方法による。 【0028】平均粒子径:ラテックスを水で希釈したも
のを試料液として動的光散乱法(大塚電子(株)DLS
800、温度 25℃、散乱角 90゜)により測定。 アイゾット衝撃強度:ASTM D−256の方法(1
/4”,ノッチ付き) ロックウェル硬度:ASTM D−785の方法(Rス
ケール) (参考例1)複合ゴム系グラフト共重合体(C−1)の
製造:イソブチルトリメトキシシラン5部、γ−メタク
リロイロキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部
およびオクタメチルシクロテトラシロキサン94.5部
を混合し、シロキサン混合物100部を得た。ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼン
スルホン酸をそれぞれ1.0部溶解した蒸留水200部
を調製し、これに上記シロキサン混合物100部に加
え、ホモミキサーにて10000rpmで予備攪拌した
後、ホモジナイザーにより200kg/cm2 の圧力で
乳化させ、オルガノシロキサンラテックスを得た。この
ラテックスを、コンデンサー及び攪拌翼を備えたセパラ
ブルフラスコに移し、攪拌混合しながら80℃で5時間
加熱し、次いで48時間20℃で放置した後、水酸化ナ
トリウム水溶液でこのラテックスのpHを7.0に中和
し、ポリオルガノシロキサンゴムラテックス(以下この
ラテックスをPDMS−1Lxと称する)を得た。 【0029】シロキサン混合物のポリオルガノシロキサ
ンゴムへの転化率は90.0%であり、ポリオルガノシ
ロキサンゴムの平均粒子径は0.14μmであった。 【0030】このPDMS−1Lxを33.3部採取
し、これに蒸留水166.7部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.5部、デキストローズ0.2部、
水酸化ナトリウム0.005部を加え、攪拌機を備えた
オートクレーブに仕込んだ。窒素置換してから50mm
Hgまで減圧し、ブタジエン90.0部、クメンハイド
ロパーオキサイド0.24部の混合物をオートクレーブ
中に導入し、液温を55℃まで昇温した。昇温途中で4
0℃に到達した時点で硫酸第一鉄0.0036部、ピロ
燐酸ナトリウム0.3部、蒸留水10部の混合液をオー
トクレーブに導入し重合を開始させた。その後内温55
℃で10時間保持して複合ゴムラテックス(以下このラ
テックスを複合ゴムLxー1と称する)を得た。 【0031】複合ゴムLxー1の一部を採取し平均粒子
径を測定したところ0.29μmであった。また、ブタ
ジエンの転化率は98.9%であった。 【0032】コンデンサー及び攪拌機を備えたセパラブ
ルフラスコに複合ゴムLxー1を136.0部仕込み、
これに蒸留水39.0部、デキストローズ0.35部、
水酸化ナトリウム0.02部の混合液を加え、更にアク
リロニトリル16部、スチレン39部の混合液を加えた
後に攪拌しながら内温を60℃に昇温した。内温60℃
で、硫酸第一鉄0.006部、ピロ燐酸ナトリウム0.
2部、蒸留水10部の混合液を加え、更にクメンハイド
ロパーオキサイド0.2部を加えて複合ゴムへのグラフ
ト重合を開始し、発熱ピーク終了後内温を60℃で2時
間保持して重合を完結させ複合ゴム系グラフト共重合体
(以下C−1と称する)のラテックスを得た。 【0033】アクリロニトリル及びスチレンの転化率は
98.5%であり、C−1ラテックスの平均粒径は0.
32μmであった。 【0034】得られたC−1ラテックスを40℃で濃度
5重量%の塩化カルシウム水溶液中に、ラテックスと水
溶液の重量比率が1:2となるように添加し、その後、
90℃まで昇温して凝固し、水により洗浄を繰り返した
後固形分を分離し、80℃で24時間乾燥し、C−1の
乾粉を得た。 【0035】(参考例2、3)複合ゴム系グラフト共重
合体(C−2、3)の製造:PDMS−1Lxの採取
量、蒸留水を加える量、ブタジエンの導入量をそれぞれ
表1に示す量に代える以外は参考例1と同様にして、複
合ゴム系グラフト共重合体C−2及びC−3の乾粉を得
た。 【0036】C−1〜C−3の、ブタジエン転化率、複
合ゴムラテックスの平均粒子径、アクリロニトリル及び
スチレンの転化率、グラフト共重合体ラテックスの平均
粒子径を表1にあわせて記す。 【0037】 【表1】 【0038】(参考例4)ブタジエンゴム系グラフト共
重合体(S−1)の製造:PDMS−1Lxを用いず、
オートクレーブに仕込む蒸留水を190部、ブタジエン
を100部とする以外は参考例1の複合ゴムLx−1の
製造と同様にしてポリブタジエンラテックスを得た。ポ
リブタジエンラテックスの平均粒子径は0.07μm
で、ブタジエンの転化率は99.0%であった。 【0039】コンデンサー及び攪拌機を備えたセパラブ
ルフラスコに、ポリブタジエンラテックス136.0部
を仕込み、これに硫酸ナトリウム0.9部を加え室温で
30分攪拌する事によりポリブタジエンラテックスの肥
大化を行った。これに蒸留水39.0部、デキストロー
ズ0.35部、水酸化ナトリウム0.02部の混合液を
加え、更にアクリロニトリル16部、スチレン39部の
混合液を加えた後に攪拌しながら内温を60℃に昇温し
た。内温60℃で、硫酸第一鉄0.006部、ピロ燐酸
ナトリウム0.2部、蒸留水10部の混合液を加え、更
にクメンハイドロパーオキサイド0.2を加えてブタジ
エンゴムへのグラフト重合を開始し、発熱ピーク終了後
2時間保持して重合を完結させブタジエンゴム系グラフ
ト共重合体(以下S−1と称する)のラテックスを得
た。 【0040】アクリロニトリル及びスチレンの転化率は
98.2%であり、S−1ラテックスの平均粒径は0.
31μmであった。 【0041】S−1ラテックスを参考例1のC−1ラテ
ックスと同様にして凝固、乾燥し、S−1の乾粉を得
た。 【0042】(参考例5)アクリル複合ゴム系グラフト
共重合体(S−2)の製造:C−1の製造過程で得たP
DMS−1Lxを33.3部、蒸留水166.7部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、デキス
トローズ0.2部、水酸化ナトリウム0.005部、ブ
チルアクリレート90部、クメンハイドロパーオキサイ
ド0.24部をコンデンサー及び攪拌機を備えたセパラ
ブルフラスコに仕込み、窒素置換してから液温を55℃
まで昇温し、昇温途中で40℃に到達した時点で硫酸第
一鉄0.0036部、ピロ燐酸ナトリウム0.3部、蒸
留水10部の混合液をセパラブルフラスコに導入し重合
を開始させた。その後内温55℃で5時間保持してアク
リル複合ゴムラテックスを得た。 【0043】アクリル複合ゴムラテックスの平均粒子径
は0.29μmで、ブチルアクリレートの転化率は9
9.0%であった。 【0044】このアクリル複合ゴムラテックスを複合ゴ
ムLx−1の代わりに用いる以外は参考例1と同様にし
てアクリロニトリルとスチレンのグラフト重合を行い、
アクリル複合ゴム系グラフト共重合体(以下S−2と称
する)のラテックスを得た。 【0045】アクリロニトリル及びスチレンの転化率は
99.8%であり、S−2ラテックスの平均粒径は0.
33μmであった。 【0046】得られたS−2ラテックスをC−1ラテッ
クスと同様に凝固、乾燥してS−2の乾粉を得た。 【0047】(参考例6)複合ゴム系グラフト共重合体
(S−3)の製造:シロキサン混合物をテトラエトキシ
シラン2部、γーメタクリロイロキシプロピルジメトキ
シメチルシラン0.5部及びオクタメチルシクロテトラ
シロキサン97.5部とする以外は参考例1のPDMS
−1Lxと同様にしてポリオルガノシロキサンゴムラテ
ックスPDMS−2Lxを得た。 【0048】シロキサン混合物のポリオルガノシロキサ
ンゴムへの転化率は90.0%であり、ポリオルガノシ
ロキサンゴムの数平均粒子径は0.15μmであった。 【0049】このPDMS−2LxをPDMS−1Lx
の代わりに用いる以外は参考例1の複合ゴムLx−1と
同様にして複合ゴムLxー2を得た。 【0050】複合ゴムLxー2の平均粒子径は0.10
μmで、ブタジエンの転化率は98.0%であった。 【0051】この複合ゴムLx−2を複合ゴムLxー1
の代わりに用いる以外はC−1と同様にして複合ゴム系
グラフト共重合体S−3のラテックスを得た。 【0052】アクリロニトリル及びスチレンの転化率は
98.8%であり、S−3ラテックスの平均粒径は0.
13μmであった。 【0053】S−3ラテックスをC−1ラテックスと同
様にして凝固、乾燥し、S−3の乾粉を得た。 【0054】(実施例1〜3、比較例1〜3)スチレン
70%とアクリロニトリル30%の混合物を懸濁重合法
により重合して得た、ジメチルホルムアミド溶液中で測
定した還元粘度が0.6のSAN樹脂66部に対して、
各参考例で得たC−1〜C−3,S−1〜S−3の乾粉
34部、ステアリン酸マグネシウム0.4部、EBS
0.4部を配合し、シリンダー温度230℃に設定した
単軸押出機で賦形し、ペレットを作製した。ついで、こ
のペレットをシリンダー温度230℃、金型温度60℃
で射出成形し試験片とし、物性を測定した。用いたグラ
フト共重合体の組成と粒子径及び評価結果を表2に示
す。 【0055】 【表2】 【0056】 【発明の効果】本発明によれば、幅広い温度範囲で種々
の熱可塑性樹脂の耐衝撃性を改良させる耐衝撃性改良剤
を得ることができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリオルガノシロキサンゴム成分0.1
〜90重量%と共役ジエンゴム成分99.9〜10重量
%とからなる複合ゴムに1種以上のビニル系単量体がグ
ラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体にお
いて、ポリオルガノシロキサン成分が式(I)で表され
る単位を1モル%以上含むことを特徴とするグラフト共
重合体。 −(−Si(R1)(R2)−O−)− (I) ((I)式中R1は炭素数4以上のアルキル基またはア
リール基を、R2はアルキル基、アリール基またはシロ
キサン結合を介してつながる他のケイ素原子を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05282195A JP3453212B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | グラフト共重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05282195A JP3453212B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | グラフト共重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08245736A JPH08245736A (ja) | 1996-09-24 |
JP3453212B2 true JP3453212B2 (ja) | 2003-10-06 |
Family
ID=12925520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05282195A Expired - Lifetime JP3453212B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | グラフト共重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3453212B2 (ja) |
-
1995
- 1995-03-13 JP JP05282195A patent/JP3453212B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08245736A (ja) | 1996-09-24 |
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