JP2640531B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2640531B2
JP2640531B2 JP4816789A JP4816789A JP2640531B2 JP 2640531 B2 JP2640531 B2 JP 2640531B2 JP 4816789 A JP4816789 A JP 4816789A JP 4816789 A JP4816789 A JP 4816789A JP 2640531 B2 JP2640531 B2 JP 2640531B2
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直己 山本
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱可塑性重合体と、複合ゴム系重合体に少な
くとも一種のビニルモノマーを特定量グラフト重合して
得られるグラフト共重合体とを配合してなる新規な熱可
塑性樹脂組成物に関する。
(従来の技術) 熱可塑性重合体は常温で硬質の樹脂として、あるいは
常温でゴム弾性を示すゴム、あるいはエラストマーとし
て、さらにはその中間的性質を示すものとして広く使用
されており、またそれらの重合体の性質、特に耐衝撃性
を改良するために従来から種々の提案がなされている。
例えば熱可塑性重合体にジエン系重合体、アクリレート
系重合体等を配合することが知られ、あるものは耐衝撃
性の改良には成功している。
(解決しようとする課題) しかしながらかかる従来の方法では他の特性を犠牲に
したり、あるいは充分に耐衝撃性を改良できないものも
あつた。
従つて、現在もなおより効果的な耐衝撃性の改良を求
められている。
(課題を解決するための手段) かかる現状に鑑み、熱可塑性重合体の改良を目的とし
て鋭意検討の結果、ポリオルガノシロキサンとポリ(メ
タ)アクリレートとの複合ゴム系グラフト共重合体を熱
可塑性重合体に配合することによつて、従来得られなか
つた優れた耐衝撃性、耐熱性、耐候性を有する組成物が
得られることを見い出し、本発明に到達した。
すなわち本発明はエチレン性不飽和単量体の重合体及
びその共重合体又は二官能的反応性化合物の重合体から
選ばれた熱可塑性重合体(A)95〜5重量%、及びポリ
オルガノシロキサンゴム成分10〜90重量%とポリアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム成分10〜90重量%とが分離
できないように相互に絡み合った構造を有し、トルエン
溶媒により100℃で12時間抽出した後のゲル分が80重量
%以上であり、かつ平均粒子径が0.08〜0.6μmである
複合ゴムに1種又は2種以上のビニル系単量体がグラフ
ト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体(B)5
〜95重量%から構成される熱可塑性樹脂組成物である。
本発明で使用する熱可塑性重合体(A)としては、
(イ)少なくとも一種のエチレン性不飽和単量体の重合
体並びにその共重合体、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチレンペンテン、更にはビニル単量体を
その構成成分とするもの、例えば、ポリ酢酸ビニル、エ
チレン−酢ビ共重合体、エチレン−エチルアクリレート
共重合体、エチレン系アイオノマー樹脂、(ロ)自己縮
合により重合可能な少なくとも一種の二官能的反応性化
合物の重合体、例えばポリオキシメチレン、ポリアセタ
ール共重合体、ポリフエニレンスルフイド、(ハ)多縮
合によつて重合可能な少なくとも二重の二官能的反応性
化合物の重合体、例えば、ポリスルフオン、ポリエーテ
ルスルフオン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリウレタンエラストマー等
が挙げられ、これらの重合体を単独もしくは組合せて全
樹脂組成物中95〜5重量%の範囲で使用することができ
る。
これら熱可塑性樹脂の中で、二官能的反応性化合物重
合体は、エチレン性不飽和単量体の重合体及び共重合体
に比し、凝集エネルギー密度が高い為、複合ゴム系グラ
フト共重合体との分散性が向上し、耐衝撃性能改良効果
が大きい。二官能的反応性化合物重合体の中でも特にポ
リフエニレンスフイドは、その改良効果が顕著である。
さらに本発明において用いられる複合ゴム系グラフト
共重合体(B)とは、ポリオルガノシロキサンゴム成分
10〜90重量%とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分90〜10重量%(各ゴム成分の合計量が100重量%)
から構成され両ゴム成分が相互に絡み合い実質上分離出
来ない構造を有しかつその平均粒子径が0.08〜0.6μm
である複合ゴムに1種又は2種以上のビニル単量体をグ
ラフト重合して得られる共重合体である。
上記複合ゴムの代わりにポリオルガノシロキサンゴム
成分およびポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分
のいずれか一種類あるいはこれらの単純混合物をゴム源
として使用しても本発明の樹脂組成物は得られず、ポリ
オルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム成分が相互に絡み合い複合一体化されて
はじめて優れた耐衝撃性と成形表面外観とを有する成形
物を与える樹脂組成物を得ることができる。
また複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム
成分が90重量%を超えると得られる樹脂組成物からの成
形物の成形表面外観が悪化し、又ポリアルキル(メタ)
アクリレートゴム成分が90重量%を超えると、得られる
樹脂組成物からの成形物の耐衝撃性が悪化する。このた
め、複合ゴムを構成する2種のゴム成分はいずれも10〜
90重量%(ただし、両ゴム成分の合計量は100重量%)
の組成であることが必要であり、さらに、20〜80重量%
の範囲であることが特に好ましい。
上記複合ゴムの平均粒子径は0.08〜0.6μmの範囲に
あることが好ましい。平均粒子径が0.08μm未満になる
と得られる樹脂組成物からの成形物の耐衝撃性が悪化
し、又平均粒子径が0.6μmを超えると成形表面外観が
悪化する。
この様な平均粒子径を有する複合ゴムを製造するには
乳化重合法が最適であり、まずポリオルガノシロキサン
ゴムラテツクスを作成し、次にアルキル(メタ)アクリ
レートゴムの合成用原料をポリオルガノシロキサンゴム
粒子中に膨潤させ重合する方法が好ましい。
上記複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム
成分は、下記に示すオルガノシロキサン及び架橋剤より
合成され、さらにグラフト交叉剤を併用することもでき
る。オルガノシロキサンとしては、例えばヘキサメチル
シクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメ
チルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフエニル
シクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフエニルシ
クロテトラシロキサン、オクタフエニルシクロテトラシ
ロキサン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上混
合して用いられる。これらの使用量はポリオルガノシロ
キサンゴム成分中50重量%以上、好ましくは70重量%以
上である。
架橋剤としては、3官能性又は4官能性のシラン系架
橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエトキシ
フエニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブト
キシシラン等が用いられ、テトラエトキシシランが特に
好ましい。架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサンゴ
ム成分中0.1〜30重量%である。
グラフト交叉剤としては、一般式 CH2=CH−SiR1 nO(3−n)/2 (II) 又は HSCH2 pSiR1 nO(3−n)/2 (III) (各式中、R1はメチル基、エチル基、プロピル基又はフ
エニル基、R2は水素原子又はメチル基、nは0,1又は
2、pは1〜6の数を示す。) で表わされるオルガノシロキサン単位を形成し得る化合
物等が用いられる。一般式(I)の単位を形成し得る
(メタ)アクリロイルオキシシロキサンはグラフト効果
が高い為有効なグラフト鎖を形成することが可能であり
耐衝撃性発現の点で有利である。なお一般式(I)の単
位を形成し得るものとしてメタクリロイルオキシシロキ
サンが特に好ましいものである。グラフト交叉剤の使用
量はポリオルガノシロキサンゴム成分中0〜10重量%で
ある。
このポリオルガノシロキサンゴム成分の重合は、例え
ば米国特許第2891920号明細書、同第3294725号明細書等
に記載された方法を用いることができる。
本発明の実施では、例えばオルガノシロキサンとグラ
フト交叉剤及び架橋剤の混合溶液を、アルキルベンゼン
スルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化
剤の存在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪
断混合する方法により製造することが好ましい。アルキ
ルベンゼンスルホン酸はオルガノシロキサンの乳化剤と
して作用すると同時に重合開始剤ともなるので好適であ
る。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アル
キルスルホン酸金属塩を併用するとグラフト重合を行う
際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ま
しい。
次に上記複合ゴムを構成するポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム成分は下記に示すアルキル(メタ)アク
リレート、及び架橋剤、グラフト交叉剤より合成され
る。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート等のアルキルアクリレート及びヘキシ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリ
レートが挙げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用
が好ましい。
架橋剤としては、例えばエチレングリコールジメタク
リレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,
4−ブチレンジオールジメタクリレート等が挙げられ
る。
グラフト交叉剤としては、例えばアリルメタクリレー
ト、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート等が挙げられ、これら架橋剤ならびにグラフト交叉
剤は単独または二種以上併用して用いられる。これらの
合計使用量はポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成
分中0.1〜20重量%である。
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の重合
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム等のアルカリ性水溶液の添加により中和されたポリオ
ルガノシロキサンゴム成分のラテツクス中へ上記アルキ
ル(メタ)アクリレート及び架橋剤、グラフト交叉剤を
添加し、ポリオルガノシロキサンゴム粒子中へ膨潤させ
た後、通常のラジカル重合開始剤を作用させ行う。重合
の進行と共にポリオルガノシロキサンゴムの架橋網目に
相互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレートゴムの
架橋網目が形成され、実質上分離できないポリオルガノ
シロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレー
トゴム成分との複合ゴム粒子が得られる。
このようにして乳化重合により作成された複合ゴム
は、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であり、又、
ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム成分とは強固に絡み合つている
為、アセトン、トルエン等の通常の有機溶剤では抽出分
離出来ない。この複合ゴムをトルエン溶媒により100℃
で12時間抽出したのちのゲル分は80重量%以上である。
この複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の芳香族
アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸
エステル等の各種のビニル系単量体が挙げられ、これら
は単独で又は2種以上組合せて用いられる。これらビニ
ル系単量体の内スチレンが特に好ましい。
上記ビニル系単量体と複合ゴムとの割合は、グラフト
共重合体の重量に基づき複合ゴム30〜95重量%、ビニル
系単量体5〜70重量%が好ましい。ビニル系単量体が5
重量%未満では樹脂組成物中でのグラフト共重合体の分
散が充分でなく、又、70重量%を超えると衝撃強度発現
性が低下するので好ましくない。
複合ゴム系グラフト共重合体ラテツクスは、上記ビニ
ル系単量体をラジカル重合技術によつて一段あるいは多
段で重合することにより得ることができる。
このようにして得られた複合ゴム系グラフト共重合体
ラテツクスは塩化カルシウム又は硫酸マグネシウム等の
金属塩を溶解した熱水中に該ラテツクスを投入し、塩
析、凝固することにより複合ゴム系グラフト共重合体を
分離、回収することができる。
かかる複合ゴム系グラフト共重合体(B)を全樹脂組
成物中5〜95重量%の範囲で前記に述べた熱可塑性重合
体に配分することによつて従来にない高い熱安定性、良
好な耐候性を有し、しかも優れた耐衝撃性を有する熱可
塑性樹脂組成物が得られる。
本発明において用いる複合ゴム系グラフト共重合体
(B)は、一般のシリコン樹脂、シリコンゴム等と異な
り、各種熱可塑性重合体のとの混和性が高くなり均一に
配合することができる。
また本発明の熱可塑性樹脂組成物には必要に応じて染
顔料、安定剤、補強材、充填剤、改質剤、難燃剤等を加
えることも好適である。
(実施例) 以下実施例により、本発明を具体的に説明する。
なおアイゾツト衝撃強度はASTM D−256に準拠した
方法により測定した。
参考例1 複合ゴム系グラフト共重合体S−1の製造: テトラエトキシシラン2重量部、γ−メタクリロイル
オキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5重量部及び
オクタメチルシクロテトラシロキサン97.5重量部を混合
し、混合シロキサン100重量部を得た。ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ及びドデシルベンゼンスルホン酸を
それぞれ1重量部を溶解した蒸留水200重量部に上記混
合シロキサン100重量部を加え、ホモミキサーにて10000
rpmで予備撹拌した後、ホモジナイザーにより300kg/cm2
の圧力で乳化,分散させ、オルガノシロキサンラテツク
スを得た。この混合液を、コンデンサー及び撹拌翼を備
えたパラブルフラスコに移し、撹拌混合しながら80℃で
5時間加熱した後室温で放置し、48時間後に水酸化ナト
リウム水溶液でこのラテツクスのpHを6.9に中和し、重
合を完結しポリオルガノシロサンゴムラテツクス−1を
得た。得られたポリオルガノシロキサンゴムの重合率は
89.7%であり、ポリオルガノシロキサンゴムの平均粒子
径は0.16μmであつた。
得られたポリオルガノシロキサンゴムラテツクス−1
の117重量部を撹拌器を備えたセパラブルフラスコに入
れ、蒸留水57.5重量部を加え、窒素置換をしてから50℃
に昇温し、n−ブチルアクリレート33.95重量部、アリ
ルメタクリレート1.05重量部、ターシヤリ−ブチルヒド
ロパーオキサイド0.26重量部の混合液を仕込み30分間撹
拌し、この混合液をポリオルガノシロキサンゴム粒子に
浸透させた。
ここへ、硫酸第1鉄0.002重量部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム塩0.006重量部及びロンガリツト0.2
6重量部、蒸留水5重量部の混合液を仕込みラジカル重
合を開始させその後内温70℃で2時間保持し重合を完了
して複合ゴムラテツクスを得た。このラテツクスを一部
採取し、粒径を測定したところ0.19μmであつた。又、
ラテツクスを乾燥し固形分を得、トルエン溶媒で90℃,1
2時間加熱し、ゲル含量を測定したところ97.3%であつ
た。
この複合ゴムラテツクスに、ターシヤリ−ブチルパー
オキサイド0.12重量部を溶解したスチレン30重量部を15
分間にわたり滴下し、70℃で4時間保持し、複合ゴムへ
のグラフト重合を完了した。スチレンの重合率は91.5%
であつた。このラテツクスを塩化カルシウム1.5重量%
の熱水200重量部中に滴下し凝固、分離し洗浄したのち7
5℃で16時間乾燥しグラフト共重合体の乾粉S−1を97.
8重量部得た。
参考例2 複合ゴム系グラフト共重合体S−2の製造: テトラエトキシシラン2重量部、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン98重量部を混合し、混合シロキサン10
0重量部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ及
びドデシルベンゼンスルホン酸をそれぞれ1重量部溶解
した蒸留水200重量部中に上記混合シロキサン100重量部
を加え、複合ゴム系グラフト共重合体S−1の製造時と
同様にホモミキサーによる予備分散、ホモジナイザーに
よる乳化、分散を行ない80℃,5時間の加熱を行なつたの
ち冷却後48時間放置し水酸化ナトリウム水溶液で中和し
重合を完結しポリオルガノシロキサンゴムラテツクス−
2を得た。得られたポリオルガノシロキサンゴムの重合
率は88.9%であり、平均粒子径は0.16μmであつた。
ポリオルガノシロキサンゴムラテツクス−2を117重
量部採取し蒸留水57.5重量部を添加したのちグラフト共
重合体S−1の製造と同様にn−ブチルアクリレート3
3.95重量部、アリルメタクリレート1.05重量部、ターシ
ヤリ−ブチルヒドロパーオキサイド0.26重量部の混合液
を仕込みS−1の製造と同様の方法で複合ゴム化の重合
を行なつた。この複合ゴムの平均粒子径は0.20μmであ
りトルエン溶媒下で測定したゲル含量は92.4%であつ
た。得られた複合ゴムにスチレン30.0重量部、ターシヤ
リ−ブチルヒドロパーオキサイド0.12重量部の混合液を
S−1と同様の条件,方法によりグラフト重合を行なつ
た。こうして得られたラテツクスは凝固、分離して複合
ゴム系グラフト共重合体S−2を97.6重量部得た。
参考例3 複合ゴム系グラフト共重合体S−3の製造: 参考例1で調製したポリオルガノシロキサンゴムラテ
ツクス−1を117重量部セパラブルフラスコに入れ、蒸
留水58重量部を加え、窒素置換をしてから50℃に昇温
し、次いで硫酸第1鉄0.002重量部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム塩0.006重量部、ロンガリツト0.26
重量部及び蒸留水5重量部の混合液を仕込み、ターシヤ
リ−ブチルパーオキサイド0.12重量部を溶解したスチレ
ン30重量部を15分間にわたり滴下し、滴下後65℃に昇温
し4時間保持してシリコーンゴムへのグラフト重合を完
了した。スチレンの重合率は92.6%であつた。このラテ
ツクスを塩化カルシウム1.5重量%の熱水200重量部中に
滴下し凝固,分離し乾燥して複合ゴム系グラフト共重合
体S−3を58.1重量部得た。
実施例1〜4,比較例1〜2 複合ゴムグラフト共重合体S−1及びS−2とポリエ
ーテルスルホンとを表1に示す割合でそれぞれ秤量し、
40mmφシングルベント押出機でシリンダー温度300〜340
℃で溶融混合し、ペレツト状に賦型して種々の樹脂組成
物を得た。
これらペレツトを乾燥した後シリンダー温度350℃、
金型温度100℃で射出成形を行ない各種評価試験片を得
た。
物性測定結果を表1に併せて示した。また、比較例も
実施例と同様の条件で成形し、かつ評価したものであ
る。なお、比較例2は、本発明の複合ゴムグラフト共重
合体の代わりにSBSゴムを用いた以外は実施例1と同様
にして得、かつ評価した。
実施例5〜7,比較例3〜4 複合ゴムグラフト共重合体S−1および表2に示す熱
可塑性重合体をそれぞれ表2に示す割合で配合し、40mm
φシングルベント押出機で溶融混合し、ペレツト状に賦
形して種々の組成物を得た。これらの評価結果を表2に
示した。また比較例も実施例と同様に評価したものであ
る。本発明の組成物に強化剤等他の添加剤を配合した場
合も効果が発揮されることがわかる。
実施例8〜10,比較例5〜6 複合ゴム系グラフト共重合体S−1および表3に示す
熱可塑性重合体をそれぞれ表3に示す割合で配合し、40
mmφシングルベント押出機で溶融混合し、ペレツト状に
賦形したのち射出成形法により試験片を得た。これらの
試験片を用いた評価結果を表3に示した。又、比較例も
実施例と同様に評価した。
実施例11〜13,比較例7〜8 複合ゴム系グラフト共重合体S−1および表4に示す
熱可塑性重合体をそれぞれ表4に示す割合で配合し、40
mmφシングルベント押出機で溶融混合し、ペレツト状に
賦形したのち射出成形法により試験片を得た。これらの
試験片を用いた評価結果を表4に示す。本発明組成物は
低温下での耐衝撃性能発現に優れた効果を示す。
実施例14〜16,比較例9 複合ゴム系グラフト共重合体S−1およびポリフエニ
レンスルフイド(重量平均分子量21,900(トープレン
製))を表5に示す割合で配合し、30mmφ二軸押出機で
溶融混合しペレツト状に賦形したのち射出成形法により
試験片を得た。
又、作成試験片を摩擦・摩耗試験によりその性能を比
較した。測定は東洋ボールドウインEFM−III−E型摩擦
・摩耗試験機により荷重5kg、すべり速度30mm/sec回転
側,固定側とも同一樹脂を用い、試験片はサンドペーパ
ー1500番により仕上げた。その測定結果を表5に示す。
実施例17 実施例15で得た樹脂組成物60重量部と、ガラス繊維40
重量部とを30mmφ二軸押出機にて溶融混合させペレツト
状に賦形したのち射出成形法により試験片を得た。この
試片の1/8″ノツチ付アイゾツト衝撃値は室温(23℃)
で16kg・cm/cmであつた。
比較例10 参考例3で得たS−3を用いて実施例15と同様の試験
を実施した。すなわち実施例15で用いたポリフエニレン
スルフイド80重量%とS−3 20重量%とを混合し、30
mmφ二軸押出機により溶融混合しペレツト状に賦形した
のち射出成形法により試験片を得た。この試片の1/8″
ノツチ付アイゾツト衝撃値は室温(23℃)で11kg・cm/c
mであつた。
実施例18〜19,比較例11 ガラス繊維強化ポリフエニレンスルフイド樹脂につい
て、第6表に示す割合で配合し、30φ二軸押出機で溶融
混合し、ペレツト状に賦形し種々の組成物を得た。これ
らの評価結果を第6表に示す。混練を充分に行なえば複
合ゴム系グラフト共重合体による耐衝撃性改良効果が大
きい事が判る。
(発明の効果) 本発明の熱可塑性樹脂組成物は上述した如き構成とす
ることにより、この樹脂組成物から得られる成形品は、
従来にない熱安定性、耐衝撃性に優れた特性を示し、自
動車、電気電子、機械機構部品等広範囲な用途に有効に
使用できる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン性不飽和単量体の重合体及びその
    共重合体又は二官能的反応性化合物の重合体から選ばれ
    た熱可塑性重合体(A)95〜5重量%、及びポリオルガ
    ノシロキサンゴム成分10〜90重量%とポリアルキル(メ
    タ)アクリレートゴム成分10〜90重量%とが分離できな
    いように相互に絡み合った構造を有し、トルエン溶媒に
    より100℃で12時間抽出した後のゲル分が80重量%以上
    であり、かつ平均粒子径が0.08〜0.6μmである複合ゴ
    ムに1種又は2種以上のビニル系単量体がグラフト重合
    されてなる複合ゴム系グラフト共重合体(B)5〜95重
    量%から構成される熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エチレン性不飽和単量体の重合体及び共重
    合体が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペ
    ンテン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢ビ共重合体、エ
    チレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン系アイ
    オノマー樹脂から選ばれた熱可塑性重合体である第1項
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】二官能的反応性化合物の重合体がポリオキ
    シメチレン、ポリアセタール共重合体、ポリフエニレン
    スルフイド、ポリスルフオン、ポリエーテルスルフオ
    ン、ポリエーテルアミド、ポリイミド、ポリエーテルエ
    ーテルケトンから選ばれた熱可塑性重合体である第1項
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】複合ゴムが、オルガノシロキサンと架橋剤
    及び所望によりグラフト交叉剤とを用い乳化重合により
    得られたポリオルガノシロキサンゴム成分と、このポリ
    オルガノシロキサンゴム成分にアルキル(メタ)アクリ
    レート、架橋剤及びグラフト交叉剤を含浸させてから重
    合させて得られたポリアルキル(メタ)アクリレートゴ
    ム成分とから成る第1項又は第3項記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】ポリオルガノシロキサンゴム成分の主骨格
    がジメチルシロキサンの繰り返し単位を有し、ポリアル
    キル(メタ)アクリレートゴム成分の主骨格がn−ブチ
    ルアクリレートの繰り返し単位を有する第4項記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
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