JP3436441B2 - 粉体特性に優れたエポキシ基含有グラフト共重合体粉体の製造方法 - Google Patents
粉体特性に優れたエポキシ基含有グラフト共重合体粉体の製造方法Info
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Description
シ基含有グラフト共重合体粉体の製造方法に関する。 【0002】 【従来技術】エポキシ基含有グラフト共重合体は、ポリ
エステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱
可塑性樹脂に高い耐衝撃性を付与する優れた耐衝撃性改
良剤として、特開平5−5055号公報、特開平5−9
385号公報等に開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】通常乳化重合によって
得られるグラフト共重合体は、酸や塩によって凝固さ
れ、粉体として回収されている。 【0004】上記のエポキシ基含有グラフト共重合体
も、乳化重合によって得られるものであり、酸や塩によ
って凝固して回収する方法が採用されている。 【0005】しかしながら、エポキシ基含有グラフト共
重合体はこの酸や塩のよる凝固による回収では、回収収
率が悪く、また得られる粉体も、その粉体同士が貯蔵中
に固まり易く、粉体計量の自動化および輸送方式の省力
化が困難であるという問題があった。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み、粉体特性の優れたエポキシ基含有グラフ
ト共重合体の製造方法につき鋭意検討した結果、特定の
粒子径を有するポリオルガノシロキサン粒子を用いるこ
とにより、粉体特性に優れたエポキシ基含有グラフト共
重合体粉体を得れることを見いだし、本発明に到達し
た。 【0007】即ち、本発明の要旨は、ポリオルガノシロ
キサン成分(a−1)とポリアルキル(メタ)アクリレ
ートゴム成分(a−2)とからなる複合ゴム(A)に、
ガラス転移温度50℃以上の重合体を与える1種以上の
ビニル系単量体(b−1)とエポキシ基含有ビニル系単
量体(b−2)をグラフト重合して得られるグラフト共
重合体ラテックスを凝固してグラフト共重合体粉体を製
造する方法において、数平均粒子径10〜100nmの
ポリオルガノシロキサンラテックスを使用することを特
徴とする粉体特性に優れたエポキシ基含有グラフト共重
合体粉体の製造方法にある。 【0008】本発明で用いられる粒子径の小さいポリオ
ルガノシロキサンラテックスは、例えばジオルガノシロ
キサンと所望によりポリオルガノシロキサン用グラフト
交叉剤、または更にポリオルガノシロキサン用架橋剤と
からなるオルガノシロキサン混合物を乳化剤水溶液と混
合し、高速回転による剪断力で微粒化するホモミキサー
や、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイ
ザー等を使用して微粒化した後、高温のドデシルベンゼ
ンスルホン酸水溶液中へ滴下して重合させ、次いでアル
カリ性物質によりドデシルベンゼンスルホン酸を中和す
ることにより得ることができる。 【0009】本発明で用いられるジオルガノシロキサン
としては、3員環以上の環状オルガノシロキサンを例示
でき、3〜6員環のものが好ましく用いられる。好まし
い環状オルガノシロキサンの具体例としてヘキサメチル
シクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメ
チルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニル
シクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシ
クロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシ
ロキサン等を例示でき、これらは単独でまたは2種以上
混合して用いてられる。環状オルガノシロキサンの使用
量はポリオルガノシロキサン中60重量%以上であるこ
とが好ましく、70重量%以上であることがより好まし
い。 【0010】本発明では、所望によりポリオルガノシロ
キサン用架橋剤を含むことができる。ポリオルガノシロ
キサン用架橋剤としては、3官能性または4官能性のシ
ラン系架橋剤すなわち、3つまたは4つのアルコキシ基
を有するシラン化合物が用いられ、この具体例としてト
リメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラ
ン、テトラメトシキシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラn-プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を例
示できる。ポリオルガノシロキサン用架橋剤としては4
官能性のものが好ましく、4官能性の架橋剤の中ではテ
トラエトキシシランが特に好ましい。ポリオルガノシロ
キサン用架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサン中0
〜30重量%であることが好ましく、0〜10重量%で
あることがより好ましい。ポリオルガノシロキサン用架
橋剤を30重量%を超える量使用してもそれ以上の架橋
構造の形成には寄与しない。 【0011】本発明では、更にポリオルガノシロキサン
用グラフト交叉剤を含むことができる。ポリオルガノシ
ロキサン用グラフト交叉剤とはそのアルコキシシラン部
分は重合に関与してポリオルガノシロキサン中に組み込
まれるが、この時反応しないでその後の複合ゴム調製の
ためのポリオルガノシロキサン存在下でのポリ(メタ)
アクリレートゴム重合の際に反応する官能基を有するシ
ラン化合物であり、その具体例として、次式(1−1)
〜(1−4)で表される単位を形成し得る化合物等が用
いられる。 【0012】 CH2=CR2−COO−(CH2)p−SiR1 nO(3-n)/2 (1−1) CH2=CH−SiR1 nO(3-n)/2 (1−2) CH2=CR2−C6H4−SiR1 nO(3-n)/2 (1−3) HS−(CH2)p−SiR1 nO(3-n)/2 (1−4) (尚、上式においてR1はメチル基、エチル基、プロピ
ル基またはフェニル基を、R2は水素原子またはメチル
基、nは0、1または2、pは1〜6の数を示す。) これらの中では式(1−1)の単位を形成し得る(メ
タ)アクリロイルオキシシランはグラフト効率が高いた
め有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝
撃性発現の面で有利である。なお式(1ー1)の単位を
形成し得るものとしてメタクリロイルオキシシランが特
に好ましい。 【0013】式(1−2)の単位を形成し得るものとし
てはビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン等を例示でき、式(1−3)の単位を形成し得
るものとしては4-ビニルフェニルジメトキシメチルシラ
ン、4-ビニルフェニルトリメトキシシラン等を例示で
き、式(1−4)の単位を形成し得るものとしてはγ−
メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルジエトキシエチルシラン等を例示できる。 【0014】メタクリロイルオキシシロキサンの具体例
としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシ
メチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメト
キシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルジエトキシメチルシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、δ−メタク
リロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げ
られ、これらの中ではγ−メタクリロイルオキシプロピ
ルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシランをより好ましいものとして
挙げることができる。ポリオルガノシロキサン用グラフ
ト交叉剤の使用量はポリオルガノシロキサン中0〜10
重量%であり、0〜5重量%であることが好ましい。 【0015】この様なオルガノシロキサン混合物を乳化
重合することで得られる数平均粒子径10〜100nm
のポリオルガノシロキサンの存在下で、本発明の(a−
2)成分であるポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
用単量体を重合させポリオルガノシロキサン成分とポリ
アルキル(メタ)アクリレートゴム成分とからなる複合
ゴム(A)とした後に、本発明の(b−1)成分である
ガラス転移温度50℃以上の重合体を与える1種以上の
ビニル系単量体と(b−2)成分であるエポキシ基含有
ビニル系単量体を含むビニル系単量体混合物をグラフト
重合することにより、粉体特性に優れるエポキシ基含有
グラフト共重合体が得られる。 【0016】本発明におけるポリオルガノシロキサンの
使用量は、エポキシ基含有グラフト共重合体全体を10
0重量%として、0.5〜90重量%である。ポリオル
ガノシロキサンの使用量が0.5重量%未満ではその後
の複合ゴム重合ならびにグラフト重合のシード重合性が
低下し、所望のエポキシ基含有グラフト共重合体の収量
が低下する。また、90重量%を超える量用いると得ら
れるグラフト共重合体の粉体特性が低下する。 【0017】本発明で用いられるポリオルガノシロキサ
ンの数平均粒子径は10〜100nmの範囲であること
が必要である。数平均粒子径が10nm未満のポリオル
ガノシロキサンを用いると、得られるエポキシ基含有グ
ラフト共重合体の耐衝撃性改良剤としての性能が低下
し、数平均粒子径が100nmを超えるポリオルガノシ
ロキサンを用いると、得られるエポキシ基含有グラフト
共重合体の粉体特性が低下する。 【0018】本発明の(a−2)成分であるポリアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム用単量体は、特定のアルキ
ル(メタ)アクリレートと、所望によりポリアルキル
(メタ)アクリレートゴム用架橋剤、更に所望によりポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム用グラフト共重合
体とからなる単量体混合物である。 【0019】特定のアルキル(メタ)アクリレートとし
てはアルキル基の炭素数1〜8である直鎖または分岐鎖
のアクリレートおよびアルキル基の炭素数6〜12であ
るアルキルメタクリレートを示すことができ、これらの
具体例としてメチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、s
ec-ブチルアクリレート、2-メチルブチルアクリレー
ト、3-メチルブチルアクリレート、3-ペンチルアクリレ
ート、ヘキシルアクリエート、n-ヘプチルアクリレー
ト、2-ヘプチルアクリレート、n-オクチルアクリレー
ト、2-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリ
レート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレ
ート、デシルメタクリレート、n-ラウリルメタクリレー
ト、2-エチルヘキシルメタクリレート等を例示でき、こ
れらの中ではn-ブチルアクリレートを好ましいものとし
て例示できる。 【0020】ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用
架橋剤としては、重合性不飽和結合を2つ以上有する
(メタ)アクリレートが用いられ、具体例としてエチレ
ングリコールジメタクリレート、プロピレングリコール
ジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリ
レート、1,4-ブチレングリコールジメタクリレート等を
例示できる。 【0021】ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用
グラフト交叉剤は、ポリアルキル(メタ)アクリレート
ゴム製造のための重合時に他の成分と共に重合してゴム
中に組み込まれるがその際に少なくとも一部の重合性不
飽和基が反応せずに残存し、その後のグラフト重合時に
その残存した不飽和基がグラフト枝成分と共に重合でき
るような互いに反応性の異なる重合性不飽和結合を2つ
以上有するモノマーであり、具体例としてアリルメタク
リレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート等を例示することができる。アリルメタクリ
レートはポリアルキル(メタ)アクリレートゴム重合時
にその一部が両方の不飽和基が反応して架橋構造を形成
し、かつ残りは不飽和基の一方のみが反応して他方の不
飽和結合はポリアルキル(メタ)アクリレートゴム重合
後も残存してその後のグラフト重合時にこの残った不飽
和結合が反応してグラフト結合を形成するので架橋剤と
グラフト交叉剤の両方の機能を果たす。 【0022】これらポリアルキル(メタ)アクリレート
ゴム用架橋剤並びにグラフト交叉剤は各々単一成分のも
のを用いてもよく、2種以上の成分を併用してもよい。
これら架橋剤およびグラフト交叉剤の使用量は各々ポリ
アルキル(メタ)アクリレートゴム用単量体全体の0〜
10重量%であり、アリルメタクリレートのみで架橋剤
とグラフト交叉剤を兼ねさせる場合は0〜20重量%用
いればよい。 【0023】本発明におけるポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム用単量体の使用量は、エポキシ基含有グラ
フト共重合体全体を100重量%として、0.5〜90
重量%である。0.5重量%未満では耐衝撃性改良剤と
して用いた樹脂組成物の顔料着色性が低下し、90重量
%を超える量用いると、粉体特性が低下する。 【0024】ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用
単量体の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和
されたポリオルガノシロキサンのラテックス中へ上記ア
ルキル(メタ)アクリレートゴム用単量体を添加し、ポ
リオルガノシロキサン粒子中に含浸させた後、通常のラ
ジカル重合開始剤を作用させて行えばよい。重合の進行
とともにポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル
(メタ)アクリレートゴム成分とが実質上分離できない
複合ゴムのラテックスが得られる。 【0025】複合ゴムとしては、ポリオルガノシロキサ
ン成分の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返し単位を
有し、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の主
骨格がn-ブチルアクリレートに由来する繰り返し単位を
有するものであるものが好ましい。 【0026】複合ゴム中のポリオルガノシロキサン成分
とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の比率
は、前者が1〜99重量%、後者が1〜99重量%であ
るものが好ましく、前者が5〜95重量%、後者が5〜
95重量%であることがより好ましい。 【0027】本発明の(b−1)成分であるガラス転移
温度50℃以上の重合体を与える1種以上のビニル系単
量体を構成する単量体としては特に制限はないが、得ら
れる重合体のガラス転移温度が50℃以上であることが
良好な粉体特性のために必要である。この様なビニル系
単量体としては、スチレン、αーメチルスチレン、ビニ
ルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタク
リレート、2-エチルヘキシルメタクリレート等のメタク
リル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニ
ル化合物等の各種ビニル化合物が挙げられ、これらは単
独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。 【0028】ガラス転移温度50℃以上の重合体を与え
る1種以上のビニル系単量体混合物の使用量は、エポキ
シ基含有グラフト共重合体全体を100重量%として、
5〜60重量%である。5重量%未満では粉体特性が低
下し、60重量%以上では耐衝撃性改良剤としての性能
が低下する。 【0029】エポキシ基含有ビニル系単量体としてはグ
リシジル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエー
テル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアル
キレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエ
ーテル、ジグリシジルイタコネート等を例示でき、これ
らの中ではグリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシ
ジルイタコネートからなる群より選ばれる1種以上が好
ましい。 【0030】本発明の(b−2)成分を構成するエポキ
シ基含有ビニル系単量体の使用量は、エポキシ基含有グ
ラフト共重合体全体を100重量%として1〜30重量
%である。 【0031】本発明で得られるエポキシ基含有グラフト
共重合体は、エポキシ基を有しているため、これとポリ
エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂
とを溶融混合、好ましくは押出基等を用いて溶融混練す
ると、このエポキシ基と熱可塑性樹脂中の残存官能基と
が反応して一部該グラフト共重合体と熱可塑性樹脂との
間に結合が生じ、これがエポキシ基含有グラフト共重合
体と熱可塑性樹脂との相溶化剤として働き、両者の相溶
性が向上し、このため、本発明の組成物は高い衝撃強度
を発現できるようになる。 【0032】本発明で得られるエポキシ基含有グラフト
共重合体は、100nm以下の数平均粒子径のポリオル
ガノシロキサンを用いているため低Tg重合体である外
層のエポキシ基含有グラフト共重合体の厚みが薄くな
り、しかもその内部にTg50℃以上の重合体層を有す
るため貯蔵中に粉体同士が固まるという問題がない。 【0033】以下実施例により本発明を説明する。 【0034】 【実施例】各記載中「部」は「重量部」を示す。なお各
実施例、比較例での諸物性の測定は下記の方法による。 【0035】平均粒子径:ラテックスを水で希釈したも
のを試料液として動的光散乱法(大塚電子(株)DLS
800、温度 25℃、散乱角 90゜)により測定。 【0036】耐ブロッキング性能:乾燥粉末20gを、
直径5cmの円筒に入れ、円筒上面から0.2kg/c
m2 の荷重をかけ30℃で2時間放置し、そこに生成し
たブロックに60Hzの振動を加えた。この振動で崩壊
した粉末のうち、16メッシュ通過の粉末の重量が、ブ
ロックの重量の60%になる時間を測定しブロッキング
時間とした。この時間が20秒以下を合格とした。 【0037】(参考例1) ポリオルガノシロキサンラテックスL−1の製造:γ−
メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン
0.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキサン9
9.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。
これにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶
解した蒸留水300部を添加し、ホモミキサーにて10
000rpmで2分間攪拌した後、ホモジナイザーに3
00kg/cm2の圧力で2回通し、安定な予備混合オ
ルガノシロキサンラテックスを得た。 【0038】一方、コンデンサー及び攪拌翼を備えたセ
パラブルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸10部
と蒸留水90部とを仕込み、10重量%のドデシルベン
ゼンスルホン酸水溶液を調製した。 【0039】この水溶液を85℃に加熱した状態で、予
備混合オルガノシロキサンラテックスを2時間かけて滴
下し、滴下終了後3時間温度を維持した後に冷却した。
次いでこの反応物を室温で12時間保持した後、水酸化
ナトリウム水溶液で中和した。 【0040】この様にして得られたラテックスL−1を
170℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、1
8.1%であった。また、ラテックスの数平均粒子径は
32nmであった。 【0041】(参考例2) ポリオルガノシロキサンラテックスL−2の製造:γ−
メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン
0.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキサン9
9.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸をそれぞれ1.0部溶解した蒸留水
200部を調製し、これに上記シロキサン混合物100
部に加え、ホモミキサーにて10000rpmで予備攪
拌した後、ホモジナイザーにより200kg/cm2 の
圧力で乳化させ、オルガノシロキサンラテックスを得
た。このラテックスを、コンデンサー及び攪拌翼を備え
たセパラブルフラスコに移し、攪拌混合しながら80℃
で5時間加熱し、次いで48時間20℃で放置した後、
水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスのpHを7.
0に中和し、シリコーンラテックスL−2を得た。 【0042】L−2の固形分は30.0%であり、数平
均粒子径は140nmであった。 【0043】(実施例1)参考例1で得たシリコーンラ
テックスL−1を55.2部採取し、攪拌機を備えたセ
パラブルフラスコの中に入れ、蒸留水を144.8部を
加え、窒素置換をした後50℃に昇温し、n−ブチルア
クリレート74.8部、アリルメタクリレート0.2部
及びtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.3部の
混合液を添加した。次いで硫酸第一鉄0.001部、エ
チレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロ
ンガリット0.2部及び蒸留水10部の混合液を加えラ
ジカル重合を開始して、その後内温70℃で2時間保持
して複合ゴムラテックスを得た。 【0044】この複合ゴムラテックスにメチルメタクリ
レート10部とtert−ブチルヒドロパーオキサイド
0.05部の混合液を15分間で滴下し、内温60℃で
1時間保持した後、グリシジルメタクリレート5部とt
ert−ブチルヒドロパーオキサイド0.025部の混
合液を8分間で滴下し、内温60℃で2時間保持して複
合ゴムへのグラフト重合を完了し、エポキシ基含有グラ
フト共重合体(A−1)のラテックスを得た。A−1ラ
テックスの数平均粒子径は71nmであった。 【0045】A−1ラテックスを40℃で濃度5重量%
の塩化カルシウム水溶液中に、ラテックスと水溶液の重
量比率が1:2となるように添加し、その後、90℃ま
で昇温して凝固し、水により洗浄を繰り返した後固形分
を分離し、80℃で24時間乾燥し、A−1の乾粉を得
た。 【0046】A−1の乾粉のブロッキング時間は4秒で
あり、粉体特性良好であった。 【0047】(比較例1)L−1を55.2部に代えて
参考例2で得たシリコーンラテックスL−2を33.3
部とし、加える蒸留水の量を144.8部から166.
7部に代える以外は実施例1と同様にしてエポキシ基含
有グラフト共重合体(B−1)の乾粉を得た。B−1ラ
テックスの数平均粒子径は305nmであった。 【0048】B−1の乾粉のブロッキング時間は300
秒以上であり、粉体特性不良であった。 【0049】 【発明の効果】本発明によると、優れた粉体特性を有す
るエポキシ基含有グラフト共重合体を得ることができ、
そのエポキシ基含有グラフト共重合体はポリエステル樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂
に高い耐衝撃性を付与する優れた耐衝撃性改良剤とし
て、有用である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリオルガノシロキサン成分(a−1)
とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分(a−
2)とからなる複合ゴム(A)に、ガラス転移温度50
℃以上の重合体を与える1種以上のビニル系単量体(b
−1)とエポキシ基含有ビニル系単量体(b−2)をグ
ラフト重合して得られるグラフト共重合体ラテックスを
凝固してグラフト共重合体粉体を製造する方法におい
て、数平均粒子径10〜100nmのポリオルガノシロ
キサンラテックスを使用することを特徴とする粉体特性
に優れたエポキシ基含有グラフト共重合体粉体の製造方
法。
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