JP2000212231A - シリコ―ン変性アクリルゴム粒子、シリコ―ン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

シリコ―ン変性アクリルゴム粒子、シリコ―ン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物

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JP2000212231A
JP2000212231A JP11013263A JP1326399A JP2000212231A JP 2000212231 A JP2000212231 A JP 2000212231A JP 11013263 A JP11013263 A JP 11013263A JP 1326399 A JP1326399 A JP 1326399A JP 2000212231 A JP2000212231 A JP 2000212231A
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Japan
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acrylic rubber
silicone
monomer
particles
modified acrylic
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JP11013263A
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English (en)
Inventor
Nobuo Miyatake
信雄 宮武
Kazunori Takigawa
和徳 瀧川
Daisuke Nakamori
大介 中森
Shigeki Hamaguchi
茂樹 濱口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂の耐衝撃性改剤として、とくに
低温下でより高い耐衝撃性を発現させるシリコーン変性
アクリルゴム系グラフト共重合体粒子を得る。 【解決手段】 シリコーン変性アクリルゴム系グラフト
共重合体粒子を構成するシリコーン変性アクリルゴム粒
子の構成成分であるアクリルゴムの製造の際に、アクリ
ルゴム形成成分の重合を多段階で連続的に行ない、各段
階で用いる分子内にビニル系重合性基を2つ以上有する
多官能単量体の使用割合をかえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン変性ア
クリルゴム粒子、該シリコーン変性アクリルゴム粒子を
用いてなる耐衝撃性、耐候性にすぐれたシリコーン変性
アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および該シリコー
ン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子と熱可塑性
樹脂とからなる耐候性、耐衝撃性にすぐれた熱可塑性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂にゴム成分を含むグラフト
共重合体粒子を配合して耐衝撃性を向上させることは、
従来から広く行なわれている。ゴム成分としては、でき
るだけガラス転移温度(以下、Tgという)の低いもの
を用いることが耐衝撃性の発現に有利であるといわれて
いる。実際、Tgが−50℃前後のポリアクリル酸ブチ
ルゴム成分を含むグラフト共重合体を配合した樹脂より
も、Tgが−80℃前後のポリブタジエン系ゴム成分を
含むグラフト共重合体を配合した樹脂、たとえばアクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹
脂)の方が耐衝撃性にすぐれる。
【0003】ゴムのTgの低さという点では、ポリオル
ガノシロキサン(以下、シリコーンともいう)、たとえ
ばポリジメチルシロキサンゴムはTgが−120℃前後
であることから、シリコーンゴム成分を含むグラフト共
重合体粒子が利用できれば、ポリブタジエン系ゴム成分
を含むものに比べてさらに高い衝撃強度を示すことが期
待される。それゆえ、シリコーンゴムやシリコーンゴム
を含む複合ゴム系のグラフト共重合体粒子を用いる検討
が行なわれている。
【0004】たとえば、特開昭62−280210号公
報には、架橋シリコーンゴム粒子のコアと架橋アクリル
ゴムのシェルとからなる複合ゴムに、ビニル系単量体を
グラフト重合したグラフト共重合体粒子を用いることに
ついて記載されている。
【0005】また、特開昭64−6012号公報には、
架橋アクリルゴム粒子のコアと架橋シリコーンゴムのシ
ェルとからなる複合ゴムに、ビニル系単量体をグラフト
重合したグラフト共重合体粒子を用いることについて記
載されている。
【0006】また、特開平4−100812号公報、特
開平1−279954号公報、特開平1−190746
号公報には、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリア
ルキル(メタ)アクリレートゴム成分が相互に分離でき
ないように絡み合った構造を有する複合ゴムに、ビニル
系単量体をグラフト重合したグラフト共重合体粒子を用
いることについて記載されている。
【0007】さらに、WO97/10283号公報に
は、架橋アクリルゴム粒子に架橋シリコーンがグラフト
重合した複合ゴムに、ビニル系単量体をグラフト重合し
たグラフト共重合体粒子を用いることについて記載され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記複
合ゴムを用いたグラフト共重合体粒子を耐衝撃性改質剤
として用いても、熱可塑性樹脂の耐衝撃性の改良効果は
未だ満足できるものではなく、とくに低温下でより高い
耐衝撃性を発現させるための耐衝撃性改質剤の開発が課
題となっている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
に対して鋭意検討を重ねた結果、シリコーン変性アクリ
ルゴム粒子の構成成分であるアクリルゴムの製造の際
に、アクリルゴム形成成分の重合を多段階で連続的に行
ない、各段階で用いる分子内にビニル系重合性基を2つ
以上有する多官能単量体の使用割合をかえて、アクリル
ゴムの架橋密度に分布をもたせるようにすると、耐衝撃
性にすぐれたシリコーン変性アクリルゴム粒子が得られ
ること、および該シリコーン変性アクリルゴム粒子から
得られるシリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合
体粒子を用いると、耐候性がよく、耐衝撃性の改善に有
効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、(A)(a−1)ア
ルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸アルキルエス
テル単量体またはアルキル基の炭素数が4〜12のメタ
クリル酸アルキルエステル単量体(単量体(a−1)と
略すこともある)65〜99.8重量%(以下、%とい
う)、(a−2)分子内にビニル系重合性基を2つ以上
有する多官能単量体(多官能単量体(a−2)または単
量体(a−2)と略すこともある)0.2〜10%、
(a−3)分子内にビニル系重合性基と反応性シリル基
とを有する単量体(単量体(a−3)と略すこともあ
る)0〜10%および(a−4)単量体(a−1)、多
官能単量体(a−2)および単量体(a−3)と共重合
可能なビニル系重合性基を有する単量体0〜15%から
なるアクリルゴム形成成分を共重合してなるアクリルゴ
ム10〜99%および、(B)(b−1)オルガノシロ
キサン70〜99.9%、(b−2)多官能シラン化合
物0〜15%および(b−3)ビニル系重合性基または
メルカプト基を有するシラン化合物0〜15%((b−
2)成分および(b−3)成分は同時に0%になること
はなく、いずれかは0.1%以上である)からなるシリ
コーンゴム形成成分を共重合してなるシリコーンゴム1
〜90%からなるシリコーン変性アクリルゴム粒子であ
って、アクリルゴム形成成分の共重合が多段階で行なわ
れ、かつ各段階で多官能単量体(a−2)の使用割合が
異なることを特徴とするシリコーン変性アクリルゴム粒
子(請求項1)、請求項1記載のシリコーン変性アクリ
ルゴム粒子に、ビニル系単量体(c)をグラフト重合さ
せてなるシリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合
体粒子(請求項2)、シリコーン変性アクリルゴム粒子
の量が5〜95%であり、ビニル系単量体(c)の量が
5〜95%である請求項2記載のシリコーン変性アクリ
ルゴム系グラフト共重合体粒子(請求項3)、ビニル系
単量体(c)が、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニ
ル系単量体、ハロゲン化ビニル系単量体、アクリル酸系
単量体およびメタクリル酸系単量体よりなる群から選ば
れた少なくとも1種の単量体である請求項2または3記
載のシリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒
子(請求項4)、熱可塑性樹脂100重量部(以下、部
という)に対して、請求項2記載のシリコーン変性アク
リルゴム系グラフト共重合体粒子1〜150部を配合し
てなる熱可塑性樹脂組成物(請求項5)、および熱可塑
性樹脂が、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリ
ル−N−フェニルマレイミド共重合体、α−メチルスチ
レン−アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS
樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、ポリカーボネート、ポ
リアミド、ポリエステルおよびポリフェニレンエーテル
−ポリスチレン複合体よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の樹脂である請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物
(請求項6)に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のシリコーン変性アクリル
ゴム粒子(以下、シリコーン変性アクリルゴム粒子
(D)ともいう)は、(A)(a−1)アルキル基の炭
素数が1〜12のアクリル酸アルキルエステル単量体ま
たはアルキル基の炭素数が4〜12のメタクリル酸アル
キルエステル単量体65〜99.8%、(a−2)分子
内にビニル系重合性基を2つ以上有する多官能単量体
0.2〜10%、(a−3)分子内にビニル系重合性基
と反応性シリル基とを有する単量体0〜10%ならびに
(a−4)単量体(a−1)、多官能単量体(a−2)
および単量体(a−3)と共重合可能なビニル系重合性
基を有する単量体0〜15%からなるアクリルゴム形成
成分(以下、アクリルゴム形成成分(a)ともいう)を
共重合してなるアクリルゴム(以下、アクリルゴム
(A)ともいう)10〜99%と、(B)(b−1)オ
ルガノシロキサン(以下、化合物(b−1)ともいう)
70〜99.9%、(b−2)多官能シラン化合物(以
下、化合物(b−2)ともいう)0〜15%および(b
−3)ビニル系重合性基またはメルカプト基を有するシ
ラン化合物(以下、化合物(b−3)ともいう)0〜1
5%((b−2)成分および(b−3)成分は同時に0
%になることはなく、いずれかは0.1%以上である)
からなるシリコーンゴム形成成分(以下、シリコーンゴ
ム形成成分(b)ともいう)を共重合してなるシリコー
ンゴム(以下、シリコーンゴム(B)ともいう)1〜9
0%とからなるものであって、アクリルゴム形成成分
(a)の共重合が多段階で行なわれ、かつ各段階で多官
能単量体(a−2)の使用割合が異なることを特徴とす
る。
【0012】すなわち、本発明のシリコーン変性アクリ
ルゴム粒子(D)は、その構成成分であるアクリルゴム
(A)の架橋密度に変化をもたせることを特徴の1つと
している。
【0013】なお、本明細書におけるビニル系とは、ビ
ニル、ビニリデンなどの重合性C=C結合を含む概念で
あり、共役ジエン系に含まれるC=C結合も含まれる。
【0014】本発明のアクリルゴム成分の架橋密度に変
化をもたせるようにして製造されたシリコーン変性アク
リルゴム粒子(D)を耐衝撃性改質剤のゴム源として用
いた場合、アクリルゴム成分の架橋密度に変化をもたせ
ないで製造したシリコーン変性アクリルゴム粒子(従来
のもの)を用いた場合に比べて高い耐衝撃性を発現す
る。
【0015】単量体(a−1)は、アクリルゴム(A)
の主骨格を形成するための成分である。
【0016】単量体(a−1)における炭素数1〜12
のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルの具
体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシルなどがあげられ、炭素数4〜12のア
ルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルの具体
例としては、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリルなどがあげられる。これらの単量体(a
−1)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。これらのうちでは、得られる重合体のTgの低さお
よび経済性の点から、アクリル酸ブチルを単独で使用す
る、またはこれとほかの成分とを併用するのが好まし
い。前記併用系におけるアクリル酸ブチルの含有量は、
単量体(a−1)中の60〜100%、さらには80〜
100%であることが好ましく、かかるほかの成分とし
ては、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸2−エチルヘキシルなどが好ましい。
【0017】多官能単量体(a−2)は、アクリルゴム
(A)に架橋結合を導入し、ネットワーク構造を形成し
てゴム弾性を発現させるとともに、グラフト交叉剤とし
ても作用し、たとえば後述する本発明のシリコーン変性
アクリルゴム系グラフト共重合体粒子を得る際に用いら
れるビニル系単量体(c)のグラフト活性点を提供する
ための成分でもある。
【0018】多官能単量体(a−2)の具体例として
は、たとえばメタクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、
シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、エ
チレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン
などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらのうちでは、架橋効率お
よびグラフト効率が良好であるという点から、メタクリ
ル酸アリル、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリ
ル、イソシアヌル酸トリアリルがとくに好ましい。
【0019】単量体(a−3)は、それ自身が有するビ
ニル系重合性基により単量体(a−1)などと共重合し
て共重合体をつくり、その結果、該共重合体の側鎖また
は末端に反応性シリル基を導入させる。該反応性シリル
基は、アクリルゴム粒子存在下に後述するシリコーンゴ
ム形成成分(b)を重合させる場合、シリコーンゴム形
成成分(b)のグラフト活性点となる。したがって、ア
クリルゴム粒子存在下にシリコーンゴム形成成分(b)
を重合させる場合、耐衝撃性を発現させる点で単量体
(a−3)を用いることが好ましい。
【0020】単量体(a−3)の具体例としては、たと
えば 一般式(1):
【0021】
【化1】
【0022】(式中、R1は水素原子またはメチル基、
2は炭素数1〜6の1価の炭化水素基、Xは炭素数1
〜6のアルコキシ基、aは0、1または2、pは1〜6
の整数を示す)で表わされる単量体、 一般式(2):
【0023】
【化2】
【0024】(式中、R2、X、a、pは一般式(1)
と同じ)で表わされる単量体、 一般式(3):
【0025】
【化3】
【0026】(式中、R2、X、aは一般式(1)と同
じ)で表わされる単量体、 一般式(4):
【0027】
【化4】
【0028】(式中、R2、X、aは一般式(1)と同
じ、R3は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す)で
表わされる単量体などがあげられる。
【0029】前記一般式(1)〜(4)のR2の具体例
としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基な
どのアルキル基、フェニル基などがあげられ、Xの具体
例としては、たとえばメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基などがあげられる。また、一般式
(4)のR3の具体例としては、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基などがあげられる。
【0030】一般式(1)で表わされる単量体の具体例
としては、たとえばβ−メタクリロイルオキシエチルジ
メトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロ
ピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロ
イルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルジプロポキシメチルシ
ラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ランなどが、一般式(2)で表わされる単量体の具体例
としては、たとえばp−ビニルフェニルジメトキシメチ
ルシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン、p
−ビニルフェニルトリエトキシシラン、p−ビニルフェ
ニルジエトキシメチルシランなどが、一般式(3)で表
わされる単量体の具体例としては、たとえばビニルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン
などが、一般式(4)で表わされる単量体の具体例とし
ては、たとえばアリルメチルジメトキシラン、アリルメ
チルジエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ア
リルトリエトキシシランなどがあげられる。これらのう
ちでは、一般式(1)、一般式(2)で表わされる単量
体が、経済性および反応性の点から好ましい。
【0031】単量体(a−4)は、アクリルゴム(A)
の屈折率やシリコーンゴム(B)に対する親和性などを
調整するための成分である。
【0032】単量体(a−4)の具体例としては、たと
えばメタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロ
キシルエチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ト
リメチルシリルプロピルなどのメタクリル酸およびその
エステル単量体(ただし、単量体(a−1)以外のメタ
クリル酸エステルをいう)、スチレン、α−メチルスチ
レンなどの芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体などがあ
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0033】アクリルゴム(A)を製造するための単量
体(a−1)〜(a−4)の使用割合は、単量体(a−
1)が65〜99.8%、単量体(a−2)が0.2〜
10%、単量体(a−3)が0〜10%および単量体
(a−4)が0〜15%であり、これらの合計量が10
0%になるように調整する。また、単量体(a−1)が
75〜99.8%、単量体(a−2)が0.2〜7%、
単量体(a−3)が0〜8%および単量体(a−4)が
0〜10%であることが好ましく、単量体(a−1)が
85〜99.4%、単量体(a−2)が0.4〜5%、
単量体(a−3)が0.2〜5%および単量体(a−
4)が0〜5%であることがより好ましい。
【0034】ここで、単量体(a−1)の使用割合が6
5%未満の場合、ゴム弾性が低下して耐衝撃性が低下
し、99.8%をこえると、単量体(a−2)の使用割
合が少なくなりすぎて、単量体(a−2)を用いる効果
が発現されなくなる。
【0035】単量体(a−2)の使用割合が0.2%未
満の場合、アクリルゴム(A)の架橋密度が低すぎて耐
衝撃性が低下し、10%をこえると、架橋密度が高くな
りすぎて耐衝撃性が低下する。
【0036】単量体(a−3)は任意成分であるが、使
用割合が0.2%以上であるのが耐衝撃性の発現の点で
好ましく、10%をこえると、後述する酸性下でのシリ
コーンゴム形成成分(b)の重合時に、反応性シリル基
がグラフト活性点として作用する以外に自己縮合の程度
が大きくなり、ゴムの架橋密度が高くなりすぎて耐衝撃
性が低下する。
【0037】また、単量体(a−4)も任意成分である
が、使用割合が15%をこえると、得られるシリコーン
変性アクリルゴム粒子(D)の屈折率および耐衝撃性を
適宜調整しにくくなる。
【0038】アクリルゴム成分の架橋密度に変化をもた
せるようにするには、単量体(a−1)〜(a−4)か
らなるアクリルゴム形成成分(a)を、多段階で連続的
に重合する、すなわち2段階以上にわけ、かつ各段階の
単量体(a−2)の使用割合が異なるようにして連続的
に重合する。ただし、最終的な単量体(a−1)〜(a
−4)の使用割合は前記使用割合になるようにする。
【0039】前記多段階で連続的に重合するときの各段
階の重合は、一括重合でもよく、また滴下重合でもよ
い。また、これらを組み合わせて行なってもよい。
【0040】前記多段階の段階数は何段でもよいが、生
産性の点から、4段階以下、さらには3段階以下が好ま
しい。また、各段階で用いられるアクリルゴム形成成分
(a)の全アクリルゴム形成成分(a)に対する割合
は、10〜90%、さらには15〜80%が好ましい。
【0041】各段階での単量体(a−2)の使用割合に
ついては、とくに制限はないが、第1段階では、第1段
階で重合させるアクリルゴム形成成分(a)の0.02
%以上、さらには0.05〜2%であり、かつ第1段階
から最終段階にわたって単量体(a−2)の使用割合が
増加していくようにし、最終的に単量体(a−2)の平
均使用割合(全単量体(a−2)の全アクリルゴム形成
成分(a)に対する割合)が前記使用割合になるように
するのが耐衝撃性の発現の点で好ましい。また、単量体
(a−2)の各段階間での使用割合の差は0.1%以
上、さらには0.2%以上であることが、耐衝撃性の発
現がより顕著になる点から好ましい。
【0042】アクリルゴム(A)を製造するときのアク
リルゴム形成成分(a)の重合法としては、たとえば通
常の乳化重合法を用いることができる。
【0043】前記乳化重合法に用いる乳化剤はとくに限
定はなく、たとえばオレイン酸ナトリウム、ロジン酸ナ
トリウム、パルミチン酸ナトリウム、アルキルベンゼン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスル
ホン酸、アルキルスルホン酸ナトリウム、(ジ)アルキ
ルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、アルキル硫
酸ナトリウムなどがあげられる。該乳化剤の使用量にも
とくに限定はなく、目的とするアクリルゴム(A)の粒
子径などに応じて適宜調整すればよい。
【0044】前記乳化重合法において使用するラジカル
重合開始剤や、要すれば使用される連鎖移動剤は通常の
乳化重合で用いられているものであればよく、とくに限
定はない。
【0045】前記ラジカル重合開始剤の具体例として
は、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、ラウロイルパーオキサイド、過硫酸カリウ
ムなどの過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリルなどのアゾ化合物などがあげられる。これらのう
ちでは、反応性が高い点から、過酸化物がとくに好まし
い。
【0046】前記過酸化物を用いる場合、硫酸第一鉄/
グルコース/ピロリン酸ナトリウム、硫酸第一鉄/デキ
ストロース/ピロリン酸ナトリウム、または硫酸第一鉄
/ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート/エチ
レンジアミン酢酸塩などの混合物を還元剤として併用す
ることが、重合温度を低くできる点からとくに好まし
い。
【0047】前記ラジカル重合開始剤の使用量は、アク
リルゴム形成成分(a)100部に対して、通常、0.
005〜10部であり、好ましくは0.01〜5部、さ
らに好ましくは0.03〜2部である。ラジカル重合開
始剤の使用量が0.005部未満の場合、重合速度が低
くなり、生産効率がわるくなる傾向があり、10部をこ
えると、アクリルゴム(A)の分子量が低下し、耐衝撃
性が低くなる傾向がある。
【0048】前記連鎖移動剤の具体例としては、t−ド
デシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−
テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン
などがあげられる。また、反応性シリル基を有するもの
を使用する場合には、分子鎖末端に反応性シリル基を有
するアクリルゴム(A)を製造することができる。
【0049】前記反応性シリル基を有する連鎖移動剤と
しては、たとえば 一般式(5):
【0050】
【化5】
【0051】(式中、R2、X、aは一般式(1)と同
じ、R4は炭素数1〜18の2価の炭化水素基を示す)
で表わされるものなどがあげられる。
【0052】一般式(5)のR4の具体例としては、メ
チレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基など
があげられる。
【0053】一般式(5)で示される連鎖移動剤の具体
例としては、たとえばメルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、メルカプトプロピルジメトキシメチルシランな
どがあげられる。
【0054】前記連鎖移動剤は任意成分であるが、使用
する場合の使用量は、アクリルゴム形成成分(a)10
0部に対して0.001〜5部、さらには0.01〜4
部であることが、耐衝撃性の発現の点から好ましい。
【0055】一方、シリコーンゴム(B)は、オルガノ
シロキサン(b−1)、化合物(b−2)および化合物
(b−3)からなるシリコーンゴム形成成分(b)を共
重合してなるものである。
【0056】シリコーンゴム形成成分(b)は、オルガ
ノシロキサン(b−1)を主原料とし、化合物(b−
2)および(または)化合物(b−3)を含み、シリコ
ーンゴム(B)を形成する成分である。
【0057】オルガノシロキサン(b−1)は、シリコ
ーンゴム(B)の主骨格を構成する成分であり、たとえ
ば直鎖状または分岐状のものが使用可能であるが、環状
シロキサンが、乳化重合系の適用可能性および経済性の
点から好ましい。
【0058】前記環状シロキサンの具体例としては、6
〜12員環の、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロ
ペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサ
ンなどがあげられる。
【0059】化合物(b−2)は、オルガノシロキサン
(b−1)と共重合可能な3官能あるいは4官能の炭素
数1〜6のアルキル基を有するアルコキシシランなどが
あげられ、シリコーンゴム(B)中に架橋結合を導入す
る架橋剤として働き、ゴム弾性を発現させるための成分
である。
【0060】化合物(b−2)の具体例としては、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキ
シメチルシラン、トリエトキシエチルシランなどがあげ
られる。
【0061】化合物(b−3)は、グラフト交叉剤とし
て働き、後述するビニル系単量体(c)とのグラフト活
性点を提供するための成分である。さらには前記ラジカ
ル重合開始剤によってグラフト活性点間をラジカル反応
させて架橋結合を形成させることができ、架橋剤として
も使用できる成分でもある。なお、ラジカル反応によっ
て架橋させた場合でも、グラフト活性点の一部は残るの
でグラフト重合は可能である。
【0062】化合物(b−3)の具体例としては、単量
体(a−3)と同じもの、または一般式(5)で示され
る分子内にメルカプト基を有するシラン化合物などがあ
げられる。なお、たとえばシラン化合物がトリアルコキ
シシラン型であるものは、化合物(b−2)の働きも有
するので、グラフト交叉剤兼架橋剤として使用できる。
【0063】シリコーンゴム(B)を製造するための前
記(b−1)〜(b−3)成分の使用割合は、オルガノ
シロキサン(b−1)が70〜99.9%、化合物(b
−2)が0〜15%、化合物(b−3)が0〜15%
((b−2)成分および(b−3)成分は同時に0%に
なることはなく、いずれかは0.1%以上である)であ
り、これらの合計量が100%になるように調整され
る。また、オルガノシロキサン(b−1)が80〜9
9.8%、化合物(b−2)が0.1〜10%、化合物
(b−3)が0.1〜10%であることが好ましく、オ
ルガノシロキサン(b−1)が90〜99%、化合物
(b−2)が0.5〜5%、化合物(b−3)が0.5
〜5%であることがさらに好ましい。
【0064】ここで、オルガノシロキサン(b−1)の
使用割合が70%未満の場合、得られるシリコーンゴム
の柔軟性などの特性が発現しにくくなる傾向があり、9
9.9%をこえると、ほかの化合物(b−2)および化
合物(b−3)の使用割合が少なくなりすぎてこれらの
化合物を用いる効果が発現されなくなる。
【0065】化合物(b−2)や化合物(b−3)をい
ずれも使用しない場合は、耐衝撃性が低下する傾向があ
るので、いずれかを0.1%以上、好ましくは両者とも
に0.1%以上、さらに好ましくは両者ともに0.5%
以上を使用する。また、いずれの化合物も使用割合が1
5%をこえると、得られるシリコーンゴムの柔軟性など
の特性が発現しにくくなる。
【0066】シリコーンゴム(B)を製造するときのシ
リコーンゴム形成成分(b)の重合法は、シリコーンゴ
ム形成成分(b)を乳化剤の存在下で機械的剪断により
水中に乳化分散させて酸性状態で加熱して重合する方法
などを用いることができる。機械的剪断は、ホモミキサ
ーなど高速撹拌機や高圧ホモジナイザーや超音波分散機
などの特殊な分散機を使用することで得られる。
【0067】この場合、乳化剤は、前述のアクリルゴム
(A)の製造時に使用されるものを使用し得る。
【0068】さらに、酸性状態は、系に硫酸や塩酸など
の無機酸やアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスル
ホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸を添加すること
で得られ、pHは1.0〜3、さらには1.2〜2.5
に調整することが、生産設備を腐食させないことや適度
な重合速度が得られるという点から好ましい。
【0069】重合のための加熱温度は、60〜120
℃、さらには70〜100℃であることが、適度な重合
速度が得られるという点から好ましい。
【0070】なお、酸性状態下では、シリコーンゴム
(B)の骨格を形成しているSi−O−Si結合は切断
と生成の平衡状態にあり、この平衡は温度によって変化
するので、シリコーンゴム鎖の安定化のために、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどのア
ルカリ水溶液の添加により中和することが好ましい。さ
らに、該平衡は、低温になるほど生成側に傾き、高分子
量または高架橋度のものが生成しやすくなる。したがっ
て、高分子量または高架橋度のものを得るためには、シ
リコーンゴム形成成分(b)の重合を60℃以上で行な
ったのち、室温以下に冷却して5〜100時間程度保持
してから中和することが好ましい。
【0071】シリコーン変性アクリルゴム粒子(D)と
しては、たとえば、(1)アクリルゴム形成成分(a)
を2段階以上で連続的に共重合して得られるアクリルゴ
ム粒子の存在下にシリコーンゴム形成成分(b)を重合
させて得られるシリコーン変性アクリルゴム粒子(以
下、シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1)ともい
う)、(2)アクリルゴム形成成分(a)をアクリルゴ
ム形成成分(a−I)とアクリルゴム形成成分(a−I
I)とにわけて、まずアクリルゴム形成成分(a−I)
を共重合してアクリルゴム粒子を調製し、その存在下に
シリコーンゴム形成成分(b)を重合させ、さらにアク
リルゴム形成成分(a−II)を共重合させるに際し、ア
クリルゴム形成成分(a−I)および(a−II)のいず
れか、または両者の共重合を2段階以上で連続的に行な
って得られるシリコーン変性アクリルゴム粒子(以下、
シリコーン変性アクリルゴム粒子(D2)ともいう)、
(3)シリコーンゴム形成成分(b)を共重合して得ら
れるシリコーンゴム粒子の存在下にアクリルゴム形成成
分(a)を2段階以上で連続的に共重合して得られるシ
リコーン変性アクリルゴム粒子(以下、シリコーン変性
アクリルゴム粒子(D3)ともいう)などがある。
【0072】これらのうちでは、(1)および(2)の
シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1)および(D
2)が、狭い粒子径分布を有し、かつシリコーンゴムの
みからなる粒子やアクリルゴムのみからなる粒子の副生
がほとんどないという点から好ましい。
【0073】シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1)
の製造は、たとえばつぎのようにして行なうことができ
る。
【0074】シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1)
は、単量体(a−1)、単量体(a−2)、単量体(a
−3)および単量体(a−4)からなるアクリルゴム形
成成分(a)を、前述したように多段階で、かつ単量体
(a−2)の割合が各段階で異なるようにして連続的に
乳化共重合して得られたアクリルゴム(A)粒子の存在
下で、シリコーンゴム形成成分(b)を乳化共重合させ
て得ることができる。
【0075】前記アクリルゴム(A)の体積平均粒子径
は、前記乳化剤の使用量の増減などの通常の乳化重合技
術を用いて制御可能であり、耐衝撃性の発現の点から、
0.01〜1μm、好ましくは0.03〜0.8μmの
範囲のものが使用される。
【0076】また、前記アクリルゴム(A)粒子に含ま
れるゲル含量(溶剤不溶分量:ゴム粒子からなるサンプ
ルを室温でトルエンに24時間浸漬し、12000rp
mで1時間遠心分離したときのトルエン不溶分の重量分
率(%))は、70%以上、さらには80%以上である
のが耐衝撃性の点から好ましく、上限は100%であ
る。
【0077】このように製造して得られるアクリルゴム
(A)粒子は、単量体(a−1)、単量体(a−2)、
単量体(a−3)およびこれらの単量体と共重合可能な
単量体(a−4)(もちろん単量体(a−3)、単量体
(a−4)を使用しない場合には、それらは含まれな
い)が通常はランダム共重合したものであるが、部分的
に単量体(a−2)からなる架橋密度が高い部分と低い
部分からなることが考えられる。さらに、単量体(a−
2)のビニル系重合性基はすべてが重合消費されるので
はなく、一部残存して後述するビニル系単量体(c)の
グラフト活性点として存在することや、単量体(a−
3)を使用した場合には、単量体(a−3)に存在する
反応性基の一部がシリコーンゴム形成成分(b)とのグ
ラフト活性点として存在し、また該反応基の一部によっ
て架橋結合した構造を有していることも考えられる。
【0078】このようなアクリルゴム(A)粒子のエマ
ルジョン存在下に、シリコーン形成成分(b)の重合を
行なうことによって、シリコーン変性アクリルゴム粒子
(D1)が製造される。
【0079】アクリルゴム(A)粒子の存在下でシリコ
ーンゴム形成成分(b)を重合する場合は、たとえばオ
ルガノシロキサン(b−1)、化合物(b−2)および
化合物(b−3)を混合した溶液をアクリルゴム(A)
粒子のエマルジョンに一括添加し、ついで系に硫酸や塩
酸などの無機酸やアルキルベンゼンスルホン酸やトリフ
ルオロ酢酸などの有機酸を添加してpH3以下に調整し
たのち、60℃以上に加熱することにより行なうことが
できる。なお、前記(b−1)〜(b−3)成分などか
らなる混合液を一括添加後、一定時間撹拌してからpH
をさげてもよい。また、pHをさげたアクリルゴム
(A)粒子を含むエマルジョンにシリコーンゴム形成成
分(b)を逐次追加することによっても行なうことがで
きる。
【0080】前記一括添加または逐次添加は、シリコー
ンゴム形成成分(b)をそのままの状態または水および
前記乳化剤と混合してエマルジョンとした状態のいずれ
でも実施できるが、重合速度の面から、エマルジョン状
態で追加する方法を用いることが好ましい。
【0081】アクリルゴム形成成分(a)に対するシリ
コーンゴム形成成分(b)の使用重量比率((b)/
(a))は、1/99〜90/10であればよいが、3
0/70〜90/10、さらには50/50〜90/1
0、とくには60/40〜90/10が好ましい。該使
用重量比率が30/70未満の場合、重合転化率が著し
く低くなり、未反応のシリコーンゴム形成成分(b)が
多く残存して製造効率が低下する傾向がある。また、9
0/10をこえると、得られるシリコーン変性アクリル
ゴム粒子中のシリコーンゴム量が多くなりすぎて耐衝撃
性が低下する傾向がある。
【0082】シリコーン変性アクリルゴム粒子中のシリ
コーンゴムは、前述のように酸性状態下ではSi−O−
Si結合が切断と生成の平衡状態にあるので、シリコー
ンゴム鎖の安定化のためにアルカリ水溶液の添加により
中和することが好ましい。
【0083】シリコーンゴム形成成分(b)の重合過程
で生成したシリコーンゴム(B)は、オルガノシロキサ
ン(b−1)、化合物(b−2)および化合物(b−
3)が通常はランダムに共重合したものである(もちろ
ん、化合物(b−2)または化合物(b−3)の一方の
みが用いられた場合、他方は含まれない)。なお、アク
リルゴム(A)の製造時に単量体(a−3)を使用した
場合は、アクリルゴム(A)の側鎖に存在する反応性シ
リル基とシリコーンゴム(B)との間に化学結合が生成
し、さらに化合物(b−3)を使用した場合にはシリコ
ーンゴム(B)は網目構造を有することが考えられる。
【0084】なお、シリコーン変性アクリルゴム粒子
(D1)の平均粒子径は、0.01〜1.1μm、さら
には0.03〜1μmであることが、耐衝撃性の発現の
点から好ましい。
【0085】また、シリコーン変性アクリルゴム粒子
(D1)のゲル含量は70%以上、さらには80%以上
であることが耐衝撃性の発現の点から好ましい。
【0086】かくして得られるシリコーン変性アクリル
ゴム粒子(D1)は、シリコーンゴム含有量が1〜90
%であればよいが、30〜90%、さらには50〜90
%、とくには60〜90%であることが好ましい。シリ
コーンゴム含有量が30%未満の場合、未反応シリコー
ンゴム形成成分(b)の残存割合が多くなり、耐衝撃性
の発現の点や生産効率の点で好ましくない。またシリコ
ーンゴム含有量が90%をこえると、耐衝撃性が低くな
る傾向がある。
【0087】シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1)
は、アクリルゴム粒子中にシリコーンゴムが微細に分散
した粒子形態および(または)アクリルゴムの芯とシリ
コーンゴムの殻からなる粒子形態をとる傾向がある。
【0088】シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1)
の場合、低シリコーンゴム含有量のものを高い転化率で
得ることは困難である。これは前述したようにアクリル
ゴム形成成分(a)に対するシリコーンゴム形成成分
(b)の使用重量比率((b)/(a))が30/70
より小さくなるとシリコーンゴム形成成分(b)の重合
転化率が著しく低下し、製造効率が極端にわるくなるた
めである。この問題を解決したのが、つぎに説明するシ
リコーン変性アクリルゴム粒子(D2)である。
【0089】シリコーン変性アクリルゴム粒子(D2)
は、後述するようにアクリルゴム形成成分(a)をアク
リルゴム形成成分(a−I)とアクリルゴム形成成分
(a−II)とにわけて、まずアクリルゴム形成成分(a
−I)を共重合してアクリルゴム(以下、アクリルゴム
(AI)ともいう)粒子を調製し、その存在下にシリコ
ーンゴム形成成分(b)を、その転化率が低下しない量
を用いて重合させ、さらにシリコーンゴム含有量を調節
するためにアクリルゴム形成成分(a−II)を共重合し
て得られる(アクリルゴム形成成分(a−II)から形成
されたアクリルゴムを以下、アクリルゴム(AII)とも
いう)。その際、アクリルゴム形成成分(a−I)およ
び(a−II)のいずれか、または両者の共重合は、前述
したように2段階以上で、かつ各段階で単量体(a−
2)の割合が異なるようにして連続的に行なわれる。
【0090】アクリルゴム形成成分(a−I)および
(または)(a−II)の多段階の重合における段階数は
何段でもよいが、それぞれ4段階以下、さらには3段階
以下が生産性の点から好ましい。
【0091】アクリルゴム形成成分(a−I)を多段階
で連続的に重合する場合、各段階での単量体(a−2)
の使用割合は、第1段階では0.02%以上であり、か
つ第1段階〜最終段階にわたって単量体(a−2)の使
用割合が増加いていくようにし、最終的に単量体(a−
2)の平均使用割合(アクリルゴム形成成分(a−I)
で最終的に使用された単量体(a−2)のアクリルゴム
形成成分(a−I)に対する割合)が前記したアクリル
ゴム形成成分(a)中の単量体(a−2)の使用割合に
なるようにするのが耐衝撃性の発現の点から好ましい。
【0092】また、アクリルゴム形成成分(a−II)を
多段階で連続的に重合する場合も同様に第1段階の単量
体(a−2)の使用割合は0.02%以上であり、かつ
第1段階〜最終段階にわたって単量体(a−2)の使用
割合が増加していくようにし、最終的に単量体(a−
2)の平均使用割合(アクリルゴム形成成分(a−II)
で最終的に使用された単量体(a−2)のアクリルゴム
形成成分(a−II)に対する割合)が前記したアクリル
ゴム形成成分(a)中の単量体(a−2)の使用割合に
なるようにするのが耐衝撃性の発現の点から好ましい。
【0093】また、アクリルゴム(AI)および(AI
I)において、単量体(a−2)の各段階間での使用割
合の差は0.1%以上あることが、耐衝撃性の発現がよ
り好ましいという点から望ましい。
【0094】アクリルゴム形成成分(a)をアクリルゴ
ム形成成分(a−I)とアクリルゴム形成成分(a−I
I)とにわける際の重量比率としては、アクリルゴム形
成成分(a−I)に対するシリコーンゴム形成成分
(b)の重量比率((b)/(a−I))が30/70
〜99/1で重合したものにアクリルゴム形成成分(a
−II)を重合してシリコーンゴム含有量が1〜90%、
さらには1〜50%の範囲になることが好ましい。
【0095】アクリルゴム形成成分(a−I)およびア
クリルゴム形成成分(a−II)を構成する単量体(a−
1)〜(a−4)の使用割合は、それぞれがアクリルゴ
ム形成成分(a)における前記使用割合であれば、アク
リルゴム形成成分(a−I)とアクリルゴム形成成分
(a−II)とで異なってもよい。
【0096】なお、アクリルゴム形成成分(a−I)に
おける単量体(a−2)は、アクリルゴム形成成分(a
−II)とビニル系単量体(c)とのグラフト活性点とし
て作用する。
【0097】また、単量体(a−3)は、主としてシリ
コーンゴム形成成分(b)とのグラフト活性点を提供す
るものであるが、アクリルゴム形成成分(a−II)で用
いた場合には、アクリルゴム(AII)にシリコーンゴム
(B)に対する親和性が付与される点から好ましい。
【0098】アクリルゴム形成成分(a−I)およびシ
リコーンゴム形成成分(b)の重合は、シリコーン変性
アクリルゴム粒子(D1)を製造する場合と同様に乳化
重合で行なうことができる。得られたシリコーン変性ア
クリルゴム粒子のエマルジョンの存在下での、アクリル
ゴム形成成分(a−II)の重合もまた乳化重合で行なう
ことができる。ただし、アクリルゴム形成成分(a−I
I)を多段階で連続的に重合する場合、必ずしもアクリ
ルゴム形成成分(a−I)を多段階で連続的に重合する
必要はない。
【0099】アクリルゴム形成成分(a−II)で形成さ
れたアクリルゴム(AII)は、単量体(a−1)、単量
体(a−2)、単量体(a−3)および単量体(a−
4)が通常はランダム共重合したものであるが(もちろ
ん、単量体(a−3)および単量体(a−4)を用いな
い場合はそれらは含まれない)、その一部は、アクリル
ゴム(AI)粒子中の単量体(a−2)に由来するビニ
ル系重合性基にグラフトしており、またシリコーンゴム
(B)製造時に化合物(b−3)を使用した場合には、
化合物(b−3)に由来するビニル系共重合性基または
メルカプト基にもグラフトしていると考えられる。ま
た、たとえばアクリルゴム形成成分(a−II)を多段階
で連続的にかつ各段階で単量体(a−2)の使用割合を
かえて重合してアクリルゴム(AII)を製造した場合、
アクリルゴム(AII)には架橋密度の高い部分と低い部
分が存在すると考えられる。
【0100】以上のようにして得られるシリコーン変性
アクリルゴム粒子(D2)の平均粒子径は、0.01〜
1.1μm、さらには0.03〜1μmであることが耐
衝撃性の発現の点から好ましい。
【0101】また、シリコーン変性アクリルゴム粒子
(D2)のゲル含量は70%以上、さらには80%以上
であることが、耐衝撃性の発現の点から好ましい。
【0102】かかるシリコーン変性アクリルゴム粒子
(D2)は、シリコーンゴム含有量が1〜90%であれ
ばよいが、1〜50%、さらには1〜45%のものであ
ることが好ましい。シリコーンゴム含有量が1%未満の
場合、シリコーンゴムを用いる効果が得られず、耐衝撃
性の発現の程度が低くなる傾向がある。また、シリコー
ンゴム含有量が50%をこえると、むしろシリコーン変
性アクリルゴム粒子(D1)が、製造効率の点で好まし
い。
【0103】また、シリコーン変性アクリルゴム粒子
(D2)は、アクリルゴム粒子中にシリコーンゴムが微
細に分散したような粒子形態をとる傾向がある。
【0104】つぎにシリコーン変性アクリルゴム粒子
(D3)について説明する。シリコーン変性アクリルゴ
ム粒子(D3)は、たとえばつぎのようにして製造され
る。
【0105】シリコーン変性アクリルゴム粒子(D3)
は、シリコーンゴム形成成分(b)の乳化共重合を行な
い、得られたシリコーンゴム(B)粒子の存在下にアク
リルゴム形成成分(a)を前述したように多段階でかつ
単量体(a−2)の使用割合が各段階で異なるようにし
て連続的に共重合することで得ることができる。
【0106】シリコーンゴム形成成分(b)の乳化重合
は、たとえば、米国特許第2891920号明細書、同
第3294725号明細書などに記載の公知の方法を用
いて行なうことができる。
【0107】たとえば、シリコーンゴム形成成分(b)
を乳化剤の存在下で機械的剪断により水中に乳化分散し
て酸性状態で重合することができる。かかる方法におい
て、機械的剪断により数μm以上の乳化液滴を調製した
場合、重合後に得られるシリコーンゴム粒子の平均粒子
径は、使用する乳化剤の量に応じて0.02〜0.4μ
mの範囲で制御できる。また、機械的剪断により0.2
〜0.5μmの乳化液滴を調製した場合、重合後に得ら
れるシリコーンゴム粒子の平均粒子径は、液滴粒子径と
同程度とすることができる。なお、0.2〜0.5μm
程度の平均粒子径を有するシリコーンゴム粒子を得るに
は、後者の方法が、粒子径分布が狭いものが得られると
いう点から好ましい。
【0108】また、0.1μm以下のシリコーンゴム粒
子を製造する場合、多段階で重合することが好ましい。
たとえば、シリコーンゴム形成成分(b)、水および乳
化剤を機械的剪断により乳化して得られた、数μm以上
の乳化液滴からなるエマルジョンの1〜50%をさきに
酸性状態で乳化重合し、得られたシリコーンゴム粒子存
在下で残りのエマルジョンを追加して重合する。このよ
うにして得られたシリコーンゴム粒子は、平均粒子径が
0.1μm以下でかつ粒子径分布の標準偏差が50%以
下である。
【0109】数μm以上の乳化液滴は、ホモミキサーな
どの高速撹拌機を使用することにより調製でき、0.2
〜0.5μmの乳化液滴は、高圧ホモジナイザーや超音
波分散機などの特殊な分散機を使用することにより調製
できる。
【0110】酸性状態は、前述したように無機酸や有機
酸を添加してpHを1.0〜3に調整するのが好まし
い。
【0111】シリコーンゴム形成成分(b)の重合時の
重合温度は、前述のように60〜120℃、さらには7
0〜100℃であるのが、重合速度が適度である点から
好ましい。前述したように高分子量または高架橋度のも
のを得るためには、シリコーンゴム形成成分(b)の重
合を60℃以上で行なったあと室温程度に冷却して5〜
100時間程度保持してから中和することが好ましい。
【0112】シリコーンゴム(B)粒子は、たとえば、
オルガノシロキサン(b−1)、化合物(b−2)から
形成された場合、それらは通常ランダムに共重合して架
橋された網目構造を有している。また、オルガノシロキ
サン(b−1)、化合物(b−3)から形成された場
合、それらはランダムな共重合によってビニル系重合性
基を有した直鎖状のシリコーンゴムとなる。またこの場
合、ラジカル重合開始剤によって一部のビニル系重合性
基間を反応させることにより網目構造とビニル系重合性
基を有するものにすることもできる。さらに、オルガノ
シロキサン(b−1)、化合物(b−2)、化合物(b
−3)から形成された場合、網目構造とビニル系重合性
基を有するものとなる。
【0113】なお、シリコーンゴム(B)粒子の平均粒
子径は、0.02〜0.5μm、さらには0.03〜
0.4μmであるのが好ましい。平均粒子径が0.02
μm未満のものや0.5μmをこえるものを製造するこ
とは、シリコーンゴム形成成分(b)の乳化重合では困
難な傾向がある。
【0114】また、シリコーンゴム(B)粒子のゲル含
量は、耐衝撃性の発現の点から0〜100%であり、よ
り好ましくは0〜40%、もしくは60%〜100%で
ある。
【0115】前記中和されたシリコーンゴム(B)粒子
のエマルジョン存在下にアクリルゴム形成成分(a)の
前述したように多段階で連続的な重合を行なうことによ
り、シリコーン変性アクリルゴム粒子(D3)が製造さ
れる。
【0116】アクリルゴム形成成分(a)の使用量は、
シリコーンゴム(B)粒子1〜90%、さらには1〜5
0%に対して、合計量が100%になるように10〜9
9%、さらには50〜99%が耐衝撃性の発現の点から
好ましい。
【0117】かくして得られるシリコーン変性アクリル
ゴム粒子(D3)の構造は、たとえば、化合物(b−
2)に由来の架橋結合を有するシリコーンゴム(B)
が、鎖中に存在する化合物(b−3)に由来のビニル系
重合性基またはメルカプト基を介して、単量体(a−
2)に由来の架橋結合に濃度分布を有したアクリルゴム
(A)と化学結合し、さらに一部シリコーンゴムの架橋
網目とアクリルゴムの架橋網目が絡んだ構造を有してい
ることが考えられる。もちろん、化合物(b−2)を用
いなければシリコーンゴム(B)中には化合物(b−
2)に由来の架橋結合は存在しない。
【0118】シリコーン変性アクリルゴム粒子(D3)
の平均粒子径は、0.02〜1.1μm、さらには0.
03〜1μmであるのが、耐衝撃性の発現の点から好ま
しい。
【0119】また、シリコーン変性アクリルゴム粒子
(D3)のゲル含量は、70%、さらには80%以上で
あるのが、耐衝撃性の発現の点から好ましい。
【0120】かかるシリコーン変性アクリルゴム粒子
(D3)は、シリコーンゴム含有量が1〜90%、さら
には1〜50%であるのが好ましい。シリコーンゴム含
有量が1%未満の場合、または90%をこえると、耐衝
撃性の発現の程度が低くなる傾向がある。
【0121】また、該シリコーン変性アクリルゴム粒子
(D3)は、アクリルゴムを芯とし、シリコーンゴムを
第1の殻、アクリルゴムを第2の殻からなる粒子形態、
シリコーンゴムを芯とし、アクリルゴムを殻とする粒子
形態、および(または)シリコーンゴム中にアクリルゴ
ムが島状に分散したような粒子形態をとる傾向がある。
【0122】以上のようにして製造されたシリコーン変
性アクリルゴム粒子(D)にビニル系単量体(c)をグ
ラフト重合させることにより、前記シリコーン変性アク
リルゴム粒子(D)のシリコーンゴム部および(また
は)アクリルゴム部にビニル系単量体からの重合体
(C)(以下、重合体(C)ともいう)がグラフトし
た、本発明のシリコーン変性アクリルゴム系グラフト共
重合体粒子(以下、グラフト共重合体粒子ともいう)が
製造される。
【0123】ビニル系単量体(c)は、得られるグラフ
ト共重合体粒子とブレンドする熱可塑性樹脂との相溶性
を高め、熱可塑性樹脂中にグラフト共重合体粒子を均一
に分散させるために使用される。
【0124】前記グラフト共重合体粒子の平均粒子径と
しては、0.03〜1.2μm、さらには0.06〜1
μmのものが好ましい。平均粒子径が0.03μm未満
の場合、または1.2μmをこえると、いずれも耐衝撃
性が低下する傾向がある。また、グラフト共重合体粒子
のゲル含量は、70%以上、さらには80%以上が好ま
しい。ゲル含量が70%未満の場合、耐衝撃性が低下す
る傾向がある。
【0125】ビニル系単量体(c)の具体例としては、
スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレンな
どの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル系単量体、
アクリル酸、アクリル酸メチルやアクリル酸ブチル、ア
クリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロキシエチルなど
のアクリル酸およびそのエステルからなるアクリル酸系
単量体、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどのメタクリル
酸およびそのエステルからなるメタクリル酸系単量体な
どがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0126】ビニル系単量体(c)の使用量は、シリコ
ーン変性アクリルゴム粒子(D)5〜95%、好ましく
は10〜90%に対して、5〜95%、好ましくは10
〜90%であり、合計量が100%になるように調整す
る。ビニル系単量体(c)の使用量が95%をこえる
と、ゴム成分の含有量が少なくなりすぎて充分な耐衝撃
性が発現されにくくなり、5%未満の場合、グラフトす
る単量体の量が少なく、熱可塑性樹脂と配合したときに
はマトリックス樹脂である該熱可塑性樹脂との相溶性が
わるくなり、やはり耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0127】前記グラフト重合は、通常の乳化重合法を
用いることにより行なうことができる。乳化重合に用い
るラジカル重合開始剤や連鎖移動剤は、前記アクリルゴ
ム(A)の製造時に使用し得るものと同じものが使用可
能である。乳化剤をさらに用いる場合は、前記アクリル
ゴム(A)の製造時に使用し得るものに加えて脂肪酸ア
ルカリ金属塩類などが使用可能である。これらのラジカ
ル重合開始剤、連鎖移動剤および乳化剤の使用量にもと
くに限定はなく、目的とするグラフト共重合体の粒子径
などに応じて適宜調整すればよい。
【0128】前記グラフト重合の好ましい形態として
は、ビニル系単量体(c)とラジカル重合開始剤との混
合物をシリコーン変性アクリルゴム粒子(D)のエマル
ジョンに滴下して重合する方法があげられる。
【0129】なお、シリコーン変性アクリルゴム粒子
(D)のエマルジョン存在下でのビニル系単量体(c)
の重合においては、グラフト共重合体の枝にあたる部分
(ここでは、ビニル系単量体(c)からの重合体
(C))が幹成分(ここではシリコーン変性アクリルゴ
ム粒子(D))にグラフトせずに枝成分だけで単独に重
合して得られるいわゆるフリーポリマーも副生し、グラ
フト共重合体とフリーポリマーの混合物として得られる
が、本発明においてはこの両者を併せてグラフト共重合
体という。
【0130】乳化重合後のグラフト共重合体粒子は、熱
可塑性樹脂と配合する際、エマルジョンからポリマーを
分離して使用してもよく、エマルジョンのまま使用して
もよい。ポリマーを分離する方法としては、通常の方
法、たとえばエマルジョンに塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウムなどの金属塩を添加するこ
とによりエマルジョンを凝固、分離、水洗、脱水、乾燥
する方法があげられる。また、スプレー乾燥法も使用で
きる。
【0131】このようにして得られるグラフト共重合体
粒子(ポリマーを分離したものまたはエマルジョンのま
まのもの)は、各種の熱可塑性樹脂に配合され、耐衝撃
性および耐候性が改善された本発明の熱可塑性樹脂組成
物が製造される。
【0132】前記熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−N−フェニ
ルマレイミド共重合体、α−メチルスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、AAS樹
脂、AES樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
などのポリエステルおよびポリフェニレンエーテル−ポ
リスチレン複合体などがあげられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0133】前記熱可塑性樹脂100部に対するグラフ
ト共重合体粒子(D)の添加量は、1〜150部、さら
には3〜120部であるのが、物性バランスの点から好
ましい。前記添加量が1部未満の場合、熱可塑性樹脂の
耐衝撃性が充分向上しなくなる傾向が生じ、150部を
こえると、熱可塑性樹脂の剛性や表面硬度などの特性を
維持することが難しくなる傾向が生じる。
【0134】前記エマルジョンからポリマーが分離され
たグラフト共重合体粒子の粉末と前記熱可塑性樹脂との
混合は、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダーなどで
混合したのち、ロール、押出機、ニーダーなどで溶融混
練することにより行なうことができる。
【0135】このとき、通常使用される配合剤、すなわ
ち可塑剤、安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
難燃剤、顔料、ガラス繊維、充填剤、高分子加工助剤、
高分子滑剤などを配合することができる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0136】前記熱可塑性樹脂が乳化重合法で製造され
る場合には、該熱可塑性樹脂のエマルジョンとグラフト
共重合体粒子(D)のエマルジョンとをいずれもエマル
ジョンの状態でブレンドしたのち、共凝固させることに
より熱可塑性樹脂組成物を得ることも可能である。
【0137】得られた熱可塑性樹脂組成物の成形法とし
ては、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形に用いられる成
形法、すなわち、射出成形法、押出成形法、ブロー成形
法、カレンダー成形法などが適用できる。
【0138】得られた成形品は、従来の耐衝撃性改質剤
を使用したものに比べて、耐衝撃性および耐候性の両方
ともすぐれたものとなる。
【0139】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
するが、本発明はこれらのみに限定されない。
【0140】なお、実施例および比較例における測定お
よび試験は、つぎのように行なった。ここで、ラテック
スにおいてはアクリルゴム(A)のことを固形成分
(A)、シリコーンゴム(B)のことを固形成分
(B)、シリコーン変性アクリルゴムのことを固形成分
(A+B)などとよぶこともある。
【0141】[重合転化率] イ)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1)について アクリルゴム形成成分(a):固形成分(A)のエマル
ジョンを120℃の熱風乾燥器で1時間乾燥して固形成
分(A)量を求めて、以下の式に基づいて算出した。
【0142】重合転化率(%)={(固形成分(A)
量)/(仕込みアクリルゴム形成成分(a)量)}×1
00 シリコーンゴム形成成分(b):固形成分(A)および
固形成分(B)(固形成分(A+B))を含むエマルジ
ョンを前記アクリルゴム形成成分(a)の場合と同様に
乾燥させて固形成分(A+B)量を求め、以下の式に基
づいて算出した。
【0143】重合転化率(%)={(固形成分(A+
B)量−固形成分(A)量)/(仕込みシリコーンゴム
形成成分(b)量)}×100
【0144】ロ)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D
2)について アクリルゴム形成成分(a−I):固形成分(AI)を
含むエマルジョンを前記アクリルゴム形成成分(a)の
場合と同様に乾燥させて固形成分(AI)量を求め、以
下の式に基づいて算出した。
【0145】重合転化率(%)={(固形成分(AI)
量)/(仕込みアクリルゴム形成成分(a−I)量)}
×100 シリコーンゴム形成成分(b):固形成分(AI)およ
び固形成分(B)(固形成分(AI+B))を含むエマ
ルジョンを前記アクリルゴム形成成分(a)の場合と同
様に乾燥させて固形成分(AI+B)量を求め、以下の
式に基づいて算出した。
【0146】重合転化率(%)={(固形成分(AI+
B)量−固形成分(AI)量)/(仕込みシリコーンゴ
ム形成成分(b)量)}×100 アクリルゴム形成成分(a−II):固形成分(AI)、
固形成分(B)および固形成分(AII)(固形成分(A
I+B+AII))を含むエマルジョンを前記アクリルゴ
ム形成成分(a)の場合と同様に乾燥させて固形成分
(AI+B+AII)量を求め、以下の式に基づいて算出
した。
【0147】重合転化率(%)={(固形成分(AI+
B+AII)量−固形成分(AI+B)量)/(仕込みア
クリルゴム形成成分(a−II)量)}×100
【0148】ハ)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D
3)について シリコーンゴム形成成分(b):固形成分(B)を含む
エマルジョンを前記アクリルゴム形成成分(a)の場合
と同様に乾燥させて固形成分(B)量を求め、以下の式
に基づいて算出した。
【0149】重合転化率(%)={(固形成分(B)
量)/(仕込みシリコーンゴム形成成分(b)量)}×
100 アクリルゴム形成成分(a):固形成分(A)および固
形成分(B)(固形成分(A+B))を含むエマルジョ
ンを前記アクリルゴム形成成分(a)の場合と同様に乾
燥させて固形成分(A+B)量を求め、以下の式に基づ
いて算出した。
【0150】重合転化率(%)={(固形成分(A+
B)量−固形成分(B)量)/(仕込みアクリルゴム形
成成分(a)量)}×100
【0151】ニ)グラフト共重合体粒子について ビニル系単量体(c):固形成分(A+B)または固形
成分(AI+B+AII)および固形成分(c)(重合体
(C))を含む(固形成分(A+B+c)または固形成
分(AI+B+AII+c))を含むエマルジョンを前記
アクリルゴム形成成分(a)と同様に乾燥させて固形成
分(A+B+c)または固形成分(AI+B+AII+
c)の量を求め、以下の式に基づいて算出した。
【0152】重合転化率(%)={(固形成分(A+B
+c)量または固形成分(AI+B+AII+c)量−固
形成分(A+B)量または固形成分(AI+B+AII)
量)/(仕込みビニル系単量体(c)量)}×100
【0153】[シリコーンゴム含有量]仕込み各成分量
および各成分の重合転化率から、以下の式に基づいて算
出した。
【0154】イ)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D
1)について シリコーンゴム含有量(%)={(仕込みシリコーンゴ
ム形成成分(b)量×シリコーンゴム形成成分(b)の
重合転化率)/[(仕込みシリコーンゴム形成成分
(b)量×シリコーンゴム形成成分(b)の重合転化
率)+(仕込みアクリルゴム形成成分(a)×アクリル
ゴム形成成分(a)の重合転化率)]}×100
【0155】ロ)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D
2)について シリコーンゴム含有量(%)={(仕込みシリコーンゴ
ム形成成分(b)量×シリコーンゴム形成成分(b)の
重合転化率)/[(仕込みシリコーンゴム形成成分
(b)量×シリコーンゴム形成成分(b)の重合転化
率)+(仕込みアクリルゴム形成成分(a−I)×アク
リルゴム形成成分(a−I)の重合転化率)+(仕込み
アクリルゴム形成成分(a−II)×アクリルゴム形成成
分(a−II)の重合転化率)]}×100
【0156】ハ)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D
3)について シリコーンゴム含有量(%)={(仕込みシリコーンゴ
ム形成成分(b)量×シリコーンゴム形成成分(b)の
重合転化率)/[(仕込みシリコーンゴム形成成分
(b)量×シリコーンゴム形成成分(b)の重合転化
率)+(仕込みアクリルゴム形成成分(a)×アクリル
ゴム形成成分(a)の重合転化率)]}×100
【0157】[ゲル含量]試料を室温にてトルエンに2
4時間浸漬し、12000rpmにて60分間遠心分離
し、試料中のトルエン不溶分の重量分率(%)を測定し
た。
【0158】[平均粒子径]測定装置としてパシフィッ
ク・サイエンティフィック(PACIFIC SCIE
NTIFIC)社製のNICOMP MODEL370
粒子径アナライザーを用いて、動的光散乱法により体積
粒子径を測定した。
【0159】[アイゾット衝撃強度]ASTM D−2
56に準じて、各温度(23℃および0℃)でノッチつ
き1/4インチバーで測定した。なお、実施例1および
比較例1においては、サンシャインウェザーオーメータ
ーで1000時間暴露した試験片についても同様に測定
した。
【0160】[落錘衝撃強度]射出成形によって作製し
た150mm×100mm×2mmの板状成形体につい
て、23℃での半数破壊エネルギー(落錘重量×高さ)
で評価した(kg・m)。
【0161】[流動性](株)ファナック製のFAS1
00B射出成形機を用い、シリンダー温度250℃、射
出圧力1350kgf/cm2にて、厚さ3mmのスパ
イラル形状金型内における樹脂の流動長を測定した。
【0162】実施例1 (1)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1)の製造 撹拌機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量体追加口、温
度計を備えた5口フラスコに以下に記載の成分を仕込ん
だ。
【0163】 成分 量(部) 純水 225 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS) 0.06
【0164】つぎに系をチッソガス置換しながら40℃
に昇温し、以下のアクリルゴム形成成分(a−)を一
括で追加した。
【0165】 成分 量(部) アクリル酸ブチル(BA) 5 メタクリル酸アリル(AIMA) 0.01 γ−メタクリロイルオキシプロピル ジメトキシメチルシラン(DSMA) 0.1 クメンハイドロパーオキサイド(CHP) 0.01
【0166】5分間撹拌したのち、純水5部、ナトリウ
ムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.1
5部、硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム(EDTA)0.004部からなる水溶
液を添加して重合を開始させて1時間撹拌した。純水2
5部、SDBS0.64部からなる水溶液を追加後、以
下のアクリルゴム形成成分(a−)を2時間かけて滴
下追加し、追加終了後1時間の後重合を行なって重合を
完結してアクリルゴム(A)粒子を得た。アクリルゴム
形成成分(a)(アクリルゴム形成成分(a−)およ
び(a−)の両成分)の重合転化率は99.0%であ
った。このアクリルゴム(A)粒子の平均粒子径は0.
13μmであった。
【0167】 成分 量(部) BA 25 AIMA 0.29 DSMA 0.5 CHP 0.05
【0168】別に、シリコーンゴム原料(シリコーンゴ
ム形成成分(b))として以下の成分の混合液をホモミ
キサーで10000rpmで5分間撹拌してエマルジョ
ンを調製した。
【0169】 成分 量(部) 純水 90 SDBS 0.5 オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4) 70 テトラエトキシシラン(TEOS) 2 DSMA 1
【0170】前記シリコーンゴム原料のエマルジョンを
前記アクリルゴム(A)粒子のエマルジョンに一括添加
した。系を約50分かけて90℃に昇温したのち、純水
18部、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)2部
からなる水溶液を添加し、系をpH1.4の酸性にし
た。90℃で5時間反応させたのち、25℃に冷却して
20時間保持し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.
2に戻して重合を完結させた。シリコーンゴム原料の重
合転化率は84.0%であった。固形分濃度は20.2
%で、平均粒子径が0.18μm、ゲル含量が90.3
%、シリコーンゴム含有量が66.7%のシリコーン変
性アクリルゴム粒子(D1)のエマルジョンを得た。
【0171】(2)シリコーン変性アクリルゴム系グラ
フト共重合体粒子(G1)の製造 撹拌機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量体追加口、温
度計を備えた5口フラスコに以下に記載の成分を一括し
て仕込んだ。
【0172】 成分 量(部) 純水 230 シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1)(固形分) 70 SFS 0.2 硫酸第一鉄 0.002 EDTA 0.008
【0173】つぎに、以下の成分の混合物を45℃で2
時間かけて滴下追加し、追加終了後も30分撹拌を続
け、重合を完結させた。
【0174】 成分 量(部) メタクリル酸メチル(MMA) 27 BA 3 CHP 0.05
【0175】MMA、BAの共重合転化率は98.9%
で、エマルジョンの固形分濃度は30.2%であった。
このグラフト共重合体粒子の平均粒子径は0.20μm
であった。
【0176】ついで、このエマルジョンに塩化カルシウ
ム2部を加えて凝固させたのち、脱水乾燥してシリコー
ン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子(G1)の
粉末を得た。なお、グラフト共重合体粒子のゲル含量は
93.8%であった。
【0177】(3)塩化ビニル樹脂組成物の調製 以下に示す配合物を180℃に調節した熱ロールで5分
間混練したのち、190℃で15分圧縮成形することに
より試験片を作製した。
【0178】 成分 量(部) 塩化ビニル樹脂 100 グラフト共重合体粒子(G1) 10 スズ系安定剤 2.5 滑剤 0.5 充填剤 3.0 高分子加工助剤 2
【0179】なお、塩化ビニル樹脂は鐘淵化学工業
(株)製:カネビニールS1008、スズ系安定剤は日
東化成(株)製:N−2000E、滑剤はヘキスト(H
oechst)社製:ヘキストワックスE(Hoech
st−Wachs E)、充填剤は堺化学(株)製:R
−650、高分子加工助剤は鐘淵化学工業(株)製:カ
ネエースPA−20を用いた。
【0180】得られた成形直後の試験片を用いて、アイ
ゾット衝撃強度を23℃および0℃で測定した。また、
サンシャインウェザーオーメーターで1000時間暴露
した試験片についても同じ試験を行なった。結果を表1
に示す。
【0181】比較例1 (1)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1′)の製
造(従来法による製造) 実施例1においてアクリルゴム形成成分(a−)のA
IMAを0.05部、アクリルゴム形成成分(a−)
のAIMAを0.25部用いて、アクリルゴム形成成分
(a−)とアクリルゴム形成成分(a−)のAIM
Aの使用割合を同じにしたほかは実施例1と同様にし
て、固形分濃度が20.1%で、平均粒子径が0.18
μm、ゲル含量が90.2%、シリコーンゴム含有量が
66.7%のシリコーン変性アクリルゴム粒子(D
1′)のエマルジョンを得た。
【0182】(2)シリコーン変性アクリルゴム系グラ
フト共重合体粒子(G1′)の製造 シリコーン変性アクリルゴム粒子(D1′)を用いたほ
かは、実施例1の(2)と同様にして、平均粒子径0.
20μmのシリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重
合体粒子(G1′)の粉末を得た。グラフト共重合体粒
子(G1′)のゲル含量は93.4%であった。
【0183】(3)塩化ビニル樹脂組成物の調製 グラフト共重合体(G1′)を用いたほかは、実施例1
の(3)と同様にして試験片を作製した。また、アイゾ
ット衝撃強度も実施例1と同様にして測定した。結果を
表1に示す。
【0184】
【表1】
【0185】表1の結果から、アクリルゴムの架橋密度
に分布をもたせるようにして製造した本発明のシリコー
ン変性アクリルゴム粒子(D1)を用いたグラフト共重
合体粒子は、塩化ビニル樹脂の改質剤として、従来法に
よって製造したシリコーン変性アクリルゴム粒子(D
1′)を用いたものに比べて高い耐衝撃性を発現し、耐
候性にもすぐれていることがわかる。
【0186】実施例2 (1)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D2)の製造 撹拌機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量体追加口、温
度計を備えた5口フラスコに以下に記載の成分を仕込ん
だ。
【0187】 成分 量(部) 純水 75.3 SDBS 0.02
【0188】つぎに系をチッソガス置換しながら40℃
に昇温し、以下のアクリルゴム形成成分(a−I−)
を一括で追加した。
【0189】 成分 量(部) BA 1.7 AIMA 0.017 DSMA 0.033 CHP 0.003
【0190】5分間撹拌したのち、純水1.7部、SF
S0.05部、硫酸第一鉄0.0003部、EDTA
0.001部からなる水溶液を添加して重合を開始させ
て1時間撹拌した。純水8.3部、SDBS0.213
部からなる水溶液を追加後、以下のアクリルゴム形成成
分(a−I−)を2時間かけて滴下追加し、追加終了
後1時間の後重合を行なって重合を完結してアクリルゴ
ム(AI)粒子を得た。アクリルゴム形成成分(a−
I)(アクリルゴム形成成分(a−I−)および(a
−I−)の両成分)の重合転化率は98.9%であっ
た。このアクリルゴム(AI)粒子の平均粒子径は0.
13μmであった。
【0191】 成分 量(部) BA 8.3 AIMA 0.083 DSMA 0.17 CHP 0.017
【0192】別に、シリコーンゴム原料(シリコーンゴ
ム形成成分(b))として以下の成分の混合液をホモミ
キサーで10000rpmで5分間撹拌してエマルジョ
ンを調製した。
【0193】 成分 量(部) 純水 30 SDBS 0.17 D4 20 TEOS 0.67 DSMA 0.33
【0194】前記シリコーンゴム原料のエマルジョンを
前記アクリルゴム(AI)粒子のエマルジョンに一括添
加した。系を約50分かけて90℃に昇温したのち、純
水6部、DBSA0.7部からなる水溶液を添加し、系
をpH1.3の酸性にした。90℃で5時間反応させた
のち、25℃に冷却して20時間保持し、水酸化ナトリ
ウム水溶液でpHを8.1に戻して重合を完結させた。
シリコーンゴム原料の重合転化率は83.8%であっ
た。得られたエマルジョンの固形分濃度は18.8%
で、平均粒子径が0.18μmであった。
【0195】つぎに、純水108部、SFS0.15
部、硫酸第一鉄0.001部、EDTA0.004部を
一括でさらに仕込み、40℃で以下のアクリルゴム形成
成分(a−II−)を2時間かけて滴下追加して、追加
終了後も30分間撹拌を続けた。
【0196】 成分 量(部) BA 30 AIMA 0.1 CHP 0.06
【0197】つづいて、さらに以下のアクリルゴム形成
成分(a−II−)を2.5時間かけて滴下追加して、
追加終了後30分間撹拌を続けて、重合を完了させ、シ
リコーン変性アクリルゴム粒子(D2)を含むエマルジ
ョンを得た。なお、このときのアクリルゴム形成成分
(a−II)(アクリルゴム形成成分(a−II−)およ
び(a−II−)の両成分)の重合転化率は98.5%
であり、エマルジョンの固形分濃度は29.8%であっ
た。得られたシリコーン変性アクリルゴム粒子(D2)
の平均粒子径は0.26μm、ゲル含量は95.2%で
あり、シリコーンゴム含有量は18.0%であった。
【0198】 成分 量(部) BA 40 AIMA 0.6 CHP 0.08
【0199】(2)シリコーン変性アクリルゴム系グラ
フト共重合体粒子(G2)の製造 撹拌機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量体追加口、温
度計を備えた5口フラスコに以下に記載の成分を一括し
て仕込んだ。
【0200】 成分 量(部) 純水 230 シリコーン変性アクリルゴム粒子(D2)(固形分) 80 SFS 0.2 硫酸第一鉄 0.002 EDTA 0.008
【0201】つぎに、以下の成分の混合物を45℃で2
時間かけて滴下追加し、追加終了後も30分間撹拌を続
け、重合を完結させた。
【0202】 成分 量(部) MMA 20 CHP 0.03
【0203】MMAの重合転化率は99.1%で、エマ
ルジョンの固形分濃度は30.3%であった。このグラ
フト共重合体粒子の平均粒子径は0.28μmであっ
た。
【0204】ついで、このエマルジョンに塩化カルシウ
ム2部を加えて凝固させたのち、脱水乾燥してシリコー
ン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子(G2)の
粉末を得た。グラフト共重合体粒子のゲル含量は95.
6%であった。
【0205】(3)塩化ビニル樹脂組成物の調製 実施例1の(3)に示す配合において、グラフト共重合
体粒子(G1)をグラフト共重合体粒子(G2)にかえ
たほかは、実施例1と同様にして試験片を作製した。
【0206】得られた試験片を用いて、アイゾット衝撃
強度を23℃および0℃で測定した。結果を表2に示
す。
【0207】比較例2 (1)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D2′)の製
造(従来法による製造) 実施例2において、アクリルゴム形成成分(a−II−
)のAIMAの量を0.3部、アクリルゴム形成成分
(a−II−)のAIMAの量を0.4部用いて、アク
リルゴム形成成分(a−II−)とアクリルゴム形成成
分(a−II−)のAIMAの使用割合を同じにしたほ
かは実施例2と同様にして、固形分濃度は29.7%
で、平均粒子径が0.26μm、ゲル含量が95.8
%、シリコーンゴム含有量が18.0%のシリコーン変
性アクリルゴム粒子(D2′)のエマルジョンを得た。
【0208】(2)シリコーン変性アクリルゴム系グラ
フト共重合体粒子(G2′)の製造 シリコーン変性アクリルゴム粒子(D2′)を用いたほ
かは、実施例2の(2)と同様にして、平均粒子径0.
28μmのシリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重
合体粒子(G2′)の粉末を得た。ゲル含量は95.4
%であった。
【0209】(3)塩化ビニル樹脂組成物の調製 グラフト共重合体(G2′)を用いたほかは、実施例2
の(3)と同様にして試験片を作製した。また、アイゾ
ット衝撃強度も実施例2と同様にして測定した。結果を
表2に示す。
【0210】
【表2】
【0211】表2の結果から、塩化ビニル樹脂の改質剤
として、アクリルゴムの架橋密度に分布をもたせるよう
にして製造した本発明のシリコーン変性アクリルゴム粒
子(D2)を含有したグラフト共重合体粒子を用いた場
合は、従来法によって製造したシリコーン変性アクリル
ゴム粒子(D2′)を含有したグラフト共重合体粒子を
用いたものに比べて高い耐衝撃性を発現することがわか
る。
【0212】実施例3 (1)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D3)の製造 シリコーンゴム原料(シリコーンゴム形成成分(b))
として以下の成分の混合液をホモミキサーで10000
rpmで5分間撹拌したのち、圧力300kgf/cm
2に設定した高圧ホモジナイザーに2回通してエマルジ
ョンを調製した。
【0213】 成分 量(部) 純水 47.7 SDBS 0.13 D4 25 DSMA 0.5
【0214】得られたエマルジョンを撹拌機、還流冷却
器、チッ素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口
フラスコに一括で仕込んだ。系を約50分かけて90℃
に昇温したのち、純水2.3部、DBSA0.25部か
らなる水溶液を添加し、系をpH1.6の酸性にした。
90℃で5時間反応させたのち、25℃に冷却して20
時間保持し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.3に
戻して重合を完結させた。シリコーンゴム原料の重合転
化率は88.0%であった。得られたエマルジョンの固
形分濃度は30.0%で、平均粒子径が0.27μmで
あった。
【0215】つぎに純水184部、オレイン酸ナトリウ
ム0.22部を加えて、60℃に昇温した。以下のアク
リルゴム形成成分(a−(i))を一括で加えて30分
間撹拌したのち、純水5部、SFS0.2部、硫酸第一
鉄0.002部、EDTA0.008部からなる水溶液
を一括で添加して重合を開始した。
【0216】 成分 量(部) BA 30 AIMA 0.15 CHP 0.06
【0217】2時間撹拌したのち、さらに以下のアクリ
ルゴム形成成分(a−(ii))を3時間かけて滴下追加
して、追加終了後30分間撹拌を続けて重合を完了さ
せ、シリコーン変性アクリルゴム粒子(D3)を含むエ
マルジョンを得た。なお、このときのアクリルゴム形成
成分(a)(アクリルゴム形成成分(a−(i))およ
び(a−(ii))の両成分)の重合転化率は99.5%
であり、エマルジョンの固形分濃度は28.9%であっ
た。得られたシリコーン変性アクリルゴム粒子(D3)
の平均粒子径は0.35μm、ゲル含量は95.3%で
あり、シリコーンゴム含有量は22.4%であった。
【0218】 成分 量(部) BA 45 AIMA 0.9 CHP 0.09
【0219】(2)シリコーン変性アクリルゴム系グラ
フト共重合体粒子(G3)の製造 撹拌機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量体追加口、温
度計を備えた5口フラスコに以下に記載の成分を一括し
て仕込んだ。
【0220】 成分 量(部) 純水 230 シリコーン変性アクリルゴム粒子(D3)(固形分) 60 ロジン酸ナトリウム 0.34 SFS 0.2 硫酸第一鉄 0.002 EDTA 0.008
【0221】つぎに、以下の成分の混合物を60℃で4
時間かけて滴下追加し、追加終了後も1時間撹拌を続
け、重合を完結させた。
【0222】 成分 量(部) スチレン(ST) 30 アクリロニトリル(AN) 10 CHP 0.1
【0223】ST、ANの重合転化率は99.0%で、
エマルジョンの固形分濃度は30.3%であった。この
グラフト共重合体粒子(G3)の平均粒子径は0.41
μm、ゲル含量は93.3%であった。
【0224】(3)AN−ST共重合体樹脂組成物の調
製 まず、AN−ST共重合体のエマルジョンを以下の操作
にしたがって調製した。撹拌機、還流冷却器、チッ素ガ
ス吹き込み口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラ
スコに、以下の成分を一括して仕込んだ。
【0225】 成分 量(部) 純水 200 ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 1.0 SFS 0.4 硫酸第一鉄 0.0025 EDTA 0.01
【0226】つぎに、系をチッ素ガス置換して、撹拌し
ながら65℃に昇温し、65℃に到達後、以下の単量体
混合物を6時間かけて滴下した。また、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウムを重合1時間目に0.5部、3時
間目に0.5部追加した。追加後、1時間撹拌をつづけ
て重合を完了し、AN−ST共重合体のエマルジョンを
得た。
【0227】 成分 量(部) ST 70 AN 30 CHP 0.2
【0228】このエマルジョンの固形分濃度は33.0
%であり、このときの単量体混合物の重合転化率は9
8.8%であった。
【0229】つぎに、このAN−ST共重合体のエマル
ジョンと(2)で得られたグラフト共重合体粒子(G
3)のエマルジョンとをシリコーン変性アクリルゴム量
が固形分換算で20%になるように混合して、シリコー
ン変性アクリルゴム系AN−ST樹脂(Si/Ac−A
N−ST樹脂)のエマルジョンを得た。ついで、塩化カ
ルシウム2部を加えて凝固させ、凝固スラリーを脱水乾
燥してSi/Ac−AN−ST樹脂粉体を得た。
【0230】ついで、得られたSi/Ac−AN−ST
樹脂粉体100部に対して、フェノール系安定剤(旭電
化工業(株)製、AO−20)0.2部およびエチレン
ビスステアリルアマイド0.5部を配合し、単軸押出機
(田端機械(株)製、HW−40−28)で溶融混練
し、ペレットを製造した。このペレットを(株)ファナ
ック製のFAS100B射出成形機を用いてシリンダー
温度240℃に設定してアイゾット試験片、板状成形体
を作製した。得られたアイゾット試験片を用いて23
℃、−30℃においてアイゾット衝撃強度を、また得ら
れた板状成形体を用いて23℃において落錘衝撃強度を
それぞれ評価した。また、得られたペレットを用いて流
動性の評価をした。結果を表3に示す。
【0231】比較例3 (1)シリコーン変性アクリルゴム粒子(D3′)の製
造(従来法による製造) 実施例3においてアクリルゴム形成成分(a−(i))
のAIMAの量を0.42部、アクリルゴム形成成分
(a−(ii))のAIMAの量を0.63部用いて、ア
クリルゴム形成成分(a−(i))とアクリルゴム形成
成分(a−(ii))におけるAIMAの使用割合を同じ
にしたほかは実施例3と同様にして、シリコーン変性ア
クリルゴム粒子(D3′)のエマルジョンを得た。得ら
れたエマルジョンの固形分濃度は29.7%であり、シ
リコーン変性アクリルゴム粒子(D3′)の平均粒子径
は0.35μm、ゲル含量は95.1%、シリコーンゴ
ム含有量は22.4%であった。
【0232】(2)シリコーン変性アクリルゴム系グラ
フト共重合体粒子(G3′)の製造 シリコーン変性アクリルゴム粒子(D3′)を用いたほ
かは、実施例3の(2)と同様にして、シリコーン変性
アクリルゴム系グラフト共重合体粒子(G3′)の粉末
を得た。得られたグラフト共重合体粒子(G3′)の平
均粒子径は0.40μm、ゲル含量は93.2%であっ
た。
【0233】(3)AN−ST共重合体樹脂組成物の調
製 グラフト共重合体(G3′)のエマルジョンを用いたほ
かは、実施例3の(3)と同様にしてSi/Ac−AN
−ST樹脂を調製した。また、実施例3の(3)と同様
にしてアイゾット試験片、板状成形体を作製して、アイ
ゾット衝撃強度、落錘衝撃強度および流動性を評価し
た。結果を表3に示す。
【0234】
【表3】
【0235】表3の結果から、アクリルゴムの架橋密度
に分布をもたせるようにして製造した本発明のSi/A
c−AN−ST樹脂は、従来法によって製造したSi/
Ac−AN−ST樹脂と比べて高い耐衝撃性を発現する
ばかりでなく流動性にもすぐれることがわかる。
【0236】実施例4 実施例1で得られたグラフト共重合体粒子(G1)30
部とポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製、EF
G−85A)100部とを混合して、2軸押出機(池見
鉄工(株)製、PCM−30)で溶融混練し、ペレット
を製造した。このペレットを(株)ファナック製のFA
S100B射出成形機を用いてシリンダー温度270℃
に設定してアイゾット試験片を作製し、23℃でアイゾ
ット衝撃強度を評価した。結果を表4に示す。
【0237】実施例5 実施例3のSi/Ac−AN−ST樹脂100部とポリ
カーボネート(三菱化学(株)製、ノバレックス702
5PJ)100部とを混合して、実施例4と同様にし
て、1/8インチバーのアイゾット試験片を作製し、2
3℃でアイゾット衝撃強度を評価した。結果を表4に示
す。
【0238】比較例4 実施例4のグラフト共重合体粒子(G1)のかわりに比
較例1のグラフト共重合体粒子(G1′)を用いたほか
は、実施例4と同様にしてアイゾット試験片を作製し、
23℃でアイゾット衝撃強度を評価した。結果を表4に
示す。
【0239】比較例5 実施例5で用いたSi/Ac−AN−ST樹脂のかわり
に比較例3のSi/Ac−AN−ST樹脂を用いたほか
は、実施例5と同様にしてアイゾット試験片を作製し、
23℃でアイゾット衝撃強度を評価した。結果を表4に
示す。
【0240】
【表4】
【0241】表4の結果から、各種エンジニアリングプ
ラスチックの改質剤として、アクリルゴムの架橋密度に
分布をもたせるようにして製造した本発明のグラフト共
重合体粒子またはSi/Ac−AN−ST樹脂を用いた
場合は、従来法によって製造したグラフト共重合体粒子
またはSi/Ac−AN−ST樹脂を用いた場合に比べ
て高い耐衝撃性を発現することがわかる。
【0242】
【発明の効果】本発明によれば、アクリルゴムとシリコ
ーンゴムからなるシリコーン変性アクリルゴムにおい
て、アクリルゴムの架橋密度に分布をもたせるようにし
て製造したシリコーン変性アクリルゴムを用いて熱可塑
性樹脂の改質剤であるグラフト共重合体粒子を得ること
ができ、該グラフト共重合体粒子と熱可塑性樹脂との配
合物からなる熱可塑性樹脂組成物は、従来のシリコーン
変性アクリルゴムを用いたものに比べて耐衝撃性および
耐候性にすぐれたものとなる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA01W BC03W BC04W BC06W BC07W BC09W BD04W BG06W BN06W BN15W BN22X CF00W CG00W CH07W CL00W 4J026 AA45 AB44 AC18 AC32 BA05 BA06 BA10 BA25 BA27 BA31 BB02 DA04 DA07 DA15 DB04 DB15 FA03 GA01 GA08 GA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a−1)アルキル基の炭素数が
    1〜12のアクリル酸アルキルエステル単量体またはア
    ルキル基の炭素数が4〜12のメタクリル酸アルキルエ
    ステル単量体65〜99.8重量%、(a−2)分子内
    にビニル系重合性基を2つ以上有する多官能単量体0.
    2〜10重量%、(a−3)分子内にビニル系重合性基
    と反応性シリル基とを有する単量体0〜10重量%およ
    び(a−4)単量体(a−1)、多官能単量体(a−
    2)および単量体(a−3)と共重合可能なビニル系重
    合性基を有する単量体0〜15重量%からなるアクリル
    ゴム形成成分を共重合してなるアクリルゴム10〜99
    重量%および(B)(b−1)オルガノシロキサン70
    〜99.9重量%、(b−2)多官能シラン化合物0〜
    15重量%および(b−3)ビニル系重合性基またはメ
    ルカプト基を有するシラン化合物0〜15重量%((b
    −2)成分および(b−3)成分は同時に0重量%にな
    ることはなく、いずれかは0.1重量%以上である)か
    らなるシリコーンゴム形成成分を共重合してなるシリコ
    ーンゴム1〜90重量%からなるシリコーン変性アクリ
    ルゴム粒子であって、アクリルゴム形成成分の共重合が
    多段階で行なわれ、かつ各段階で多官能単量体(a−
    2)の使用割合が異なることを特徴とするシリコーン変
    性アクリルゴム粒子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリコーン変性アクリル
    ゴム粒子に、ビニル系単量体(c)をグラフト重合させ
    てなるシリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合体
    粒子。
  3. 【請求項3】 シリコーン変性アクリルゴム粒子の量が
    5〜95重量%でビニル系単量体(c)の量が5〜95
    重量%である請求項2記載のシリコーン変性アクリルゴ
    ム系グラフト共重合体粒子。
  4. 【請求項4】 ビニル系単量体(c)が、芳香族ビニル
    系単量体、シアン化ビニル系単量体、ハロゲン化ビニル
    系単量体、アクリル酸系単量体およびメタクリル酸系単
    量体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体で
    ある請求項2または3記載のシリコーン変性アクリルゴ
    ム系グラフト共重合体粒子。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂100重量部に対して、請
    求項2記載のシリコーン変性アクリルゴム系グラフト共
    重合体粒子1〜150重量部を配合してなる熱可塑性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル、ポリ
    スチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチ
    レン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド共重
    合体、α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合
    体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ス
    チレン共重合体、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹
    脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルおよ
    びポリフェニレンエーテル−ポリスチレン複合体よりな
    る群から選ばれた少なくとも1種の樹脂である請求項5
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006120878A1 (ja) * 2005-05-13 2006-11-16 Kaneka Corporation ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体、それを含む塩化ビニル系樹脂組成物
JP2007204587A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Mitsubishi Rayon Co Ltd 塩素含有熱可塑性樹脂組成物
US8013063B2 (en) 2003-08-02 2011-09-06 Lg Chem, Ltd. Acryl-silicone hybrid impact modifiers and vinyl chloride resin compositions having the same

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