JP2003137946A - ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2003137946A
JP2003137946A JP2001338245A JP2001338245A JP2003137946A JP 2003137946 A JP2003137946 A JP 2003137946A JP 2001338245 A JP2001338245 A JP 2001338245A JP 2001338245 A JP2001338245 A JP 2001338245A JP 2003137946 A JP2003137946 A JP 2003137946A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
latex
resin
parts
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001338245A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Tone
宏司 刀禰
Shinichi Yanai
信一 矢内
Nobuo Miyatake
信雄 宮武
Akira Takagi
彰 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2001338245A priority Critical patent/JP2003137946A/ja
Publication of JP2003137946A publication Critical patent/JP2003137946A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性にすぐれた熱可塑性樹脂組成物を与
える改質剤をえる。 【解決手段】 改質剤として(A)ラテックス状シリコ
ーンゴム好ましくは1〜90重量%(固形分)と(B)
ラテックス状アクリル系中空ゴム好ましくは99〜10
重量%(固形分)の存在下にビニル系単量体を重合させ
るにあたり、その重合開始前、または重合中に重合体粒
子を凝集共肥大化させて得られるゴム変性樹脂を使用
し、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化びにる、ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル今日重合体、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リエステル等の熱可塑性樹脂の改質を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム変性樹脂およ
び耐衝撃性にすぐれた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂にゴム成分を含むゴム変性
樹脂を配合して耐衝撃性を向上させることは、従来から
広く行われている。
【0003】ゴム成分としては、できるだけガラス転移
温度(Tg)の低いものを用いることが耐衝撃性を発現
させるのに有利であるといわれている。実際、Tgが−
50℃前後のポリアクリル酸ブチルゴム成分で変性した
樹脂を配合した樹脂組成物よりも、Tgが−80℃程度
と低いポリブタジエン系ゴム成分で変性した樹脂を配合
した樹脂組成物、たとえばアクリロニトリル/ブタジエ
ン/スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)を配合した方
が耐衝撃性にすぐれる。
【0004】ゴムのTgの低さという点では、ポリオル
ガノシロキサン(以下、シリコーンともいう)ゴム、た
とえばポリジメチルシロキサンゴムはTgが−120℃
前後であることから、シリコーンゴム成分を含むゴム変
性樹脂を利用することができればポリブタジエン系ゴム
成分を含むものに比べてさらに高い耐衝撃性を期待する
ことができる。
【0005】また、耐候性においてもシリコーンゴムは
ポリアクリル酸ブチルゴムやポリブタジエン系ゴムに比
べてすぐれるため有利になる。
【0006】このようなことから、近年、シリコーンゴ
ムやシリコーンゴムを含む複合ゴムを導入した樹脂を用
いる検討が広く行われている。
【0007】たとえば、特開平4−100812号公報
には、シリコーンゴム成分とポリアルキル(メタ)アク
リレート成分とが相互に分離できないように絡み合った
構造を有する複合ゴムに、ビニル系単量体をグラフト重
合させたグラフト共重合体を用いることが記載されてい
る。また、特開平11−100481号公報にはシリコ
ーンゴム粒子とアクリルゴム粒子とを凝集共肥大してえ
られたゴムに、ビニル系単量体をグラフト重合したグラ
フト共重合体を用いることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ゴ
ムを用いたグラフト共重合体を耐衝撃性改質剤として用
いると、従来のゴムを用いた場合に比べて耐衝撃性は改
善されるが、実用レベルでは未だ満足されるものではな
い。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
に対して鋭意検討を重ねた結果、シリコーンゴムラテッ
クスとアクリル系中空ゴムラテックスの存在下にビニル
系単量体を重合させるにあたり、該重合開始前または重
合中にラテックス中の粒子を凝集共肥大化させることに
より、新規なゴム変性樹脂を製造しうること、および該
ゴム変性樹脂を熱可塑性樹脂に配合するとにより耐衝撃
性が極めて良好な熱可塑性樹脂組成物がえられることを
見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、(A)ラテックス状シリコーンゴムと(B)ラテ
ックス状アクリル系中空ゴムの存在下にビニル系単量体
を重合させるにあたり、該重合開始前、または重合中に
粒子を凝集共肥大化させて得られるゴム変性樹脂(請求
項1)、ラテックス状シリコーン(固形分)量が1〜9
0%(重量%を表す。以下同様)、ラテックス状アクリ
ル系中空ゴム(固形分)量が99〜10%である請求項
1記載のゴム変性樹脂(請求項2)、全ラテックス状ゴ
ム40〜98部(重量部を表す。以下同様)(固形分)
の存在下にビニル系単量体2〜60部(合計量が100
部)を重合させてなる請求項1または2記載のゴム変性
樹脂(請求項3)、ビニル系単量体が、芳香族ビニル単
量体、シアン化ビニル単量体、ハロゲン化ビニル単量
体、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エス
テル単量体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単
量体である請求項1、2または3記載のゴム変性樹脂
(請求項4)、請求項1、2、3または4記載のゴム変
性樹脂0.1〜150部と熱可塑性樹脂100部とから
なる熱可塑性樹脂組成物(請求項5)、および前記熱可
塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
スチレン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド
共重合体、α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重
合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−
スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リエステル、 HIPS樹脂、 ABS樹脂、AAS樹
脂、AES樹脂、又はポリフェニレンエーテルである請
求項5記載の熱可塑性樹脂組成物(請求項6)、に関す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のゴム変性樹脂は、ラテッ
クス状シリコーンゴム(A)とラテックス状アクリル系
中空ゴム(B)の存在下にビニル系単量体を重合させる
にあたり、該重合開始前または重合中にラテックス中の
粒子を凝集共肥大化させたものである。すなわち、該ゴ
ム変性樹脂は、(1)シリコーンゴム粒子とアクリル系
中空ゴム粒子が凝集共肥大した粒子にビニル系単量体が
グラフト重合したグラフト共重合体粒子、または(2)
シリコーンゴムにビニル系単量体がグラフト重合したグ
ラフト共重合体粒子(シリコーンゴムにグラフト活性点
がないばあい、シリコーンゴムとビニル系重合体が物理
的に共存した粒子)とアクリル系中空ゴムにビニル系単
量体がグラフト重合したグラフト共重合体粒子(アクリ
ル系中空ゴムにグラフト活性点がないばあい、アクリル
系中空ゴムとビニル系重合体が物理的に共存した粒子)
が凝集共肥大した粒子を含有した樹脂である。
【0011】本発明のゴム変性樹脂は、耐衝撃性改良剤
として用いた場合、本発明において凝集共肥大化させず
にえられたゴム変性樹脂あるいはシリコーンゴムと中空
化されていないアクリル系ゴムを用いて凝集共肥大化し
て得られたゴム変成樹脂を耐衝撃性改良剤として用いた
場合よりも、耐衝撃性改良効果に優れるという特徴を有
する。
【0012】なお、本発明におけるシリコーンゴムと
は、ゴム弾性を有するポリオルガノシロキサンゴム、す
なわち通常のシリコーンゴム、該シリコーンゴムとシリ
コーン(ポリオルガノシロキサン)セグメントを含有し
ない有機重合体(たとえば、アクリル酸ブチル重合体ゴ
ム、ブタジエン重合体ゴム、スチレン重合体、スチレン
−アクリル酸ブチル共重合体など)とからなる変性シリ
コーンゴムなどを示す。さらに変性シリコーンゴムと
は、該シリコーンゴムとシリコーンセグメントを含有し
ない有機重合体を化学結合させた変性シリコーンゴム、
該シリコーンゴムとシリコーンセグメントを含有しない
有機重合体との間に絡み合いを有する変性シリコーンゴ
ム、該シリコーンゴムとシリコーンセグメントを含有し
ない有機重合体との間に絡み合いなどなく、単に共存さ
せた変性シリコーンゴムなどを示す。また、本発明にお
ける、アクリル系中空ゴムのアクリル系とは、ゴムを構
成する単位中において(メタ)アクリル系単量体単位の
割合が50%以上、さらには60%以上であることを示
す。また、中空ゴムとは旧来のゴム粒子が粒子全体をゴ
ム成分で形成されているのとは異なり、ゴム粒子の内部
にゴム成分非充填部を有するものである。
【0013】前記ラテックス状シリコーンゴム(A)に
含まれるシリコーンゴム粒子の大きさとしては、平均粒
子径10〜200nm、さらには20〜150nmであ
るのが後述する凝集共肥大化操作によって共肥大化させ
やすい点から好ましい。
【0014】また、前記シリコーンゴム粒子に含まれる
溶剤不溶分量(ゲル含有量:サンプルを室温でトルエン
に24時間浸漬し、12000rpmで1時間遠心分離
したときのトルエン不溶分の重量分率)は0〜100
%、さらには40〜100%であるのが、衝撃強度の発
現の面から好ましい。
【0015】さらに、前記シリコーンゴム粒子に含まれ
るシリコーン(ポリオルガノシロキサン)成分の割合と
しては、特別な限定はないが、50%以上、さらには6
0%以上であるのが耐衝撃性の発現の点から好ましい。
上限は100%である。
【0016】前記シリコーンゴムの具体例としては、ジ
メチルシロキサンゴム、アクリル酸ブチルゴムとジメチ
ルシロキサンゴムとの間に化学結合を有する変性シリコ
ーンゴム、アクリル酸ブチルゴムとジメチルシロキサン
ゴムとの間に絡み合いを有する変性シリコーンゴム、ア
クリル酸ブチルゴムとジメチルシロキサンゴムとの間に
絡み合いなどなく、単に共存している変性シリコーンゴ
ム、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体とジメチルシ
ロキサンゴムとの間に化学結合を有する変性シリコーン
ゴム、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体とジメチル
シロキサンゴムとの間に絡み合いを有する変性シリコー
ンゴム、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体とジメチ
ルシロキサンゴムとの間に絡み合いなどなく、単に共存
している変性シリコーンゴムなどがあげられる。
【0017】ラテックス状シリコーンゴム(A)として
は、通常、固形分濃度(120℃、1時間の乾燥後測
定)10〜50%のものが使用され、さらには20〜4
0%のものが後述する共肥大化操作で粒子径制御がし易
いという点から好ましい。
【0018】前記ラテックス状シリコーンゴム(A)
は、たとえばオルガノシロキサン、必要に応じて使用さ
れる架橋剤、グラフト交叉剤、さらにはこれら以外のオ
ルガノシランなどからなるシリコーンゴム形成成分を主
成分として用いて乳化重合することにより得られる。
【0019】前記オルガノシロキサンは、シリコーンゴ
ム鎖の主骨格を構成する成分であり、直鎖状または環状
のものが使用可能である。これらのなかでも乳化重合系
への適用可能性および経済的な点から環状オルガノシロ
キサンが好ましい。その具体例としては、たとえばヘキ
サメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチル
シクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペ
ンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン(D6)、テトラデカメチルシクロヘプタシロ
キサン(D7)、ヘキサデカメチルシクロオクタシロキ
サン(D8)などがあげられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。特に、D4、D3
〜D7の混合物もしくはD3〜D8の混合物は経済的な
面で有利であり好ましく用いられる。
【0020】前記架橋剤は、前記オルガノシロキサンと
共重合してシリコーンゴム中に架橋構造を導入してゴム
弾性を発現するための成分であり、その具体例として
は、たとえばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチル
シラン、ブチルトリメトキシシラン、プロピルトリメト
キシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリ
メトキシシランなど4官能あるいは3官能のアルコキシ
シラン化合物があげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。これらのなかで炭素数
2〜8の1価の炭化水素基を有するものは、アクリル系
中空ゴム成分との親和性を付与して耐衝撃性の発現を調
整するのに好ましく用いられる。
【0021】前記グラフト交叉剤は、分子内に重合性不
飽和結合またはメルカプト基を有する反応性シラン化合
物などであり、前記オルガノシロキサンや前記架橋剤な
どと共重合することにより、共重合体の側鎖または末端
に重合性不飽和結合またはメルカプト基を導入するため
の成分である。前記重合性不飽和結合またはメルカプト
基は後述するビニル系単量体のグラフト活性点になる。
また、前記重合性不飽和結合またはメルカプト基はラジ
カル重合開始剤を用いてラジカル反応させたばあい架橋
点にもなる。なお、ラジカル反応によって架橋させたば
あいでも、一部はグラフト活性点として残るのでグラフ
トは可能である。
【0022】前記分子内に重合性不飽和結合を有する反
応性シラン化合物の具体例としては、たとえば一般式
(1):
【0023】
【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1
〜6の1価の炭化水素基、Xは炭素数1〜6のアルコキ
シ基、aは0、1または2、pは1〜6の整数を示す)
で表わされる反応性シラン化合物、一般式(2):
【0024】
【化2】 (式中、R2、X、a、pは一般式(1)と同様)で表
わされる反応性シラン化合物、一般式(3):
【0025】
【化3】 (式中、R2、X、aは一般式(1)と同様)で表わさ
れる反応性シラン化合物、一般式(4):
【0026】
【化4】 (式中、R2、X、aは一般式(1)と同様、R3は炭素
数1〜6の2価の炭化水素基を示す)で表わされる反応
性シラン化合物などがあげられる。
【0027】一般式(1)〜(4)のR2の具体例とし
ては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基などの
アルキル基、フェニル基などがあげられ、Xの具体例と
しては、たとえばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基など
があげられる。また、一般式(4)のR3の具体例とし
ては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テト
ラメチレン基などがあげられる。
【0028】一般式(1)で表わされる反応性シラン化
合物の具体例としては、たとえばβ−メタクリロイルオ
キシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリプロポキ
シシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジプロポ
キシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルジ
メトキシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシランなどがあげられる。一般式(2)
で表わされる反応性シラン化合物の具体例としては、た
とえばp−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン、p
−ビニルフェニルトリメトキシシラン、p−ビニルフェ
ニルトリエトキシシラン、p−ビニルフェニルジエトキ
シメチルシランなどがあげられる。一般式(3)で表わ
される反応性シラン化合物の具体例としては、たとえば
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシランなどがあげられる。一般式(4)で表わされ
る反応性シラン化合物の具体例としては、たとえばアリ
ルメチルジメトキシシラン、アリルメチルジエトキシシ
ラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシ
シランなどがあげられる。これらのなかでは一般式
(1)、または一般式(3)で表される単量体が経済性
および反応性の点から好ましく用いられる。
【0029】一方、分子内にメルカプト基を有する反応
性シラン化合物の具体例としては、一般式(5):
【0030】
【化5】 (式中、R2、a、Xは前記と同様、R4は炭素数1〜1
8のアルキレン基などの2価の有機基を示す)で示すで
表される反応性シラン化合物などがあげられる。前記ア
ルキレン基の具体例としては、たとえばメチレン基、エ
チレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などがあ
げられる。
【0031】一般式(5)で表わされる反応性シラン化
合物の具体例としては、たとえばメルカプトプロピルト
リメトキシシラン、メルカプトプロピルジメトキシメチ
ルシランなどがあげられる。
【0032】なお、反応性シラン化合物がトリアルコキ
シシラン型であるものは、グラフト交叉剤兼架橋剤とし
て使用しうる。
【0033】前記架橋剤、前記グラフト交叉剤以外のオ
ルガノシランは、アクリル系中空ゴム成分との親和性を
付与するためのものであり、一般式(6):
【0034】
【化6】 (式中、R5、R6はメチル基、エチル基、プロピル基、
フェニル基などの炭素数1〜10の1価の炭化水素基で
あり、R5、R6は同時にメチル基にならなければ、同じ
でもよく異なってもよい)で表される構造単位を有する
ものがあげられる。一般式(6)の構造単位を有するオ
ルガノシランの具体例としては、たとえばメチルブチル
ジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、メチル
オクチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシ
シラン、ジフェニルジメトキシシランなどがあげられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用しても
よい。なお、オルガノシロキサン、前記架橋剤、前記グ
ラフト交叉剤として、一般式(6)の構造単位を有する
ものを使用したばあいには、該オルガノシランは用いな
くてもよい。
【0035】これらのオルガノシロキサン、架橋剤、グ
ラフト交叉剤およびその他のオルガノシランの使用割合
は、通常シリコーンゴムラテックスのシリコーン(ポリ
オルガノシロキサン)ゴム成分中オルガノシロキサン5
9.9〜99.9%、さらには70〜99%、架橋剤0
〜40%、さらには0.5〜20%、グラフト交叉剤0
〜40%、さらには0.5〜20%、その他のオルガノ
シラン0〜40%、さらには0〜29%であり、これら
の合計が100%になるように使用されることが好まし
い。なお、架橋剤、グラフト交叉剤は同時に0%になる
ことはなく、いずれかは0.1%以上使用するのが好ま
しい。前記オルガノシロキサン単位の割合があまりにも
少ないばあいは、ゴムとしての性質に欠け、耐衝撃性の
発現効果が低くなり、また、あまりにも多いばあいは、
架橋剤、グラフト交叉剤およびその他のオルガノシラン
の量が少なくなりすぎて、これらを使用する効果が発現
されにくくなる傾向にある。また、前記架橋剤あるいは
前記グラフト交叉剤の割合があまりにも少ないばあいに
は、耐衝撃性の発現効果が低くなり、また、あまりにも
多いばあいにもゴムとしての性質に欠け、耐衝撃性の発
現効果が低くなる傾向にある。なお、その他のオルガノ
シランは、任意成分であり、アクリル系中空ゴム成分と
の親和性を付与して耐衝撃性の発現効果を調整すること
ができるが、コストアップにつながるので、コスト、物
性バランスを考えて使用するのが好ましい。
【0036】前記ラテックス状シリコーンゴム(A)
は、たとえばオルガノシロキサン、必要に応じて用いら
れる架橋剤およびグラフト交叉剤、さらにはこれら以外
のオルガノシランからなるシリコーンゴム形成成分を乳
化剤の存在下で機械的剪断により水中に乳化分散して酸
性状態で重合する方法により製造されうる。このばあ
い、機械的剪断により数μm以上の乳化液滴を調製した
ばあい、重合後にえられるシリコーンゴム粒子の平均粒
子径は使用する乳化剤の量により20〜400nmの範
囲で制御することができる。また、えられる粒子径分布
の変動係数(100×標準偏差/平均粒子径(%))は
70%以下を得ることができる。
【0037】また、100nm以下で粒子径分布の狭い
シリコーンゴムを製造するばあい、多段階で重合するこ
とが好ましい。たとえば前記シリコーンゴム形成成分、
水および乳化剤を機械的剪断により乳化してえられた、
数μm以上の乳化液滴からなるエマルジョンの1〜20
%を先に酸性状態で乳化重合し、えられたシリコーンゴ
ムをシードとしてその存在下で残りのエマルジョンを追
加して重合する。このようにしてえられたシリコーンゴ
ムは、乳化剤の量により平均粒子径が20〜100nm
で、かつ粒子径分布の変動係数が60%以下に制御可能
である。さらに好ましい方法は、該多段重合において、
シリコーンゴムのシードの代わりに、後述するグラフト
重合時に用いるビニル系単量体(例えばスチレン、アク
リル酸ブチル、メタクリル酸メチルなど)を通常の乳化
重合法により(共)重合してなるビニル系(共)重合体
を用いて同様の多段重合を行なうと、えられるシリコー
ンゴム(変性シリコーンゴム)の平均粒子径は乳化剤量
により10〜100nmでかつ粒子径分布の変動係数が
50%以下に制御可能である。
【0038】前記数μm以上の乳化液滴は、ホモミキサ
ーなど高速撹拌機を使用することにより調製することが
できる。
【0039】また、これらの方法で使用される乳化剤
は、酸性領域でも乳化剤として活性を失わないものであ
り、かかる乳化剤の例としては、たとえばアルキルベン
ゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸ナトリウ
ム、(ジ)アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸ナトリ
ウム、アルキル硫酸ナトリウムなどがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0040】酸性状態は、系に硫酸や塩酸などの無機酸
やアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、
トリフルオロ酢酸などの有機酸を添加してpHを1〜3
にするのが重合速度が適度である点から好ましい。
【0041】シリコーンゴムを形成させる重合温度は6
0〜120℃、さらには70〜100℃であるのが、重
合速度が適度である点から好ましい。
【0042】かくしてラテックス状シリコーンゴム
(A)がえられるが、酸性状態下では、シリコーンゴム
の骨格を形成しているSi−O−Si結合は切断と生成
の平衡状態にあり、この平衡は温度によって変化するの
で、シリコーンゴム鎖の安定化のために、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ
水溶液の添加により中和することが好ましい。さらに
は、該平衡は、低温になるほど生成側により、高分子量
または高架橋度のものが生成しやすくなるので、高分子
量または高架橋度のものをえるためには、シリコーンゴ
ムを形成させる際の重合を60℃以上で行ったあと室温
程度に冷却して5〜100時間程度保持してから中和す
ることが好ましい。
【0043】本発明に使用されるラテックス状アクリル
系中空ゴム(B)とは、前述のごとく、(メタ)アクリ
ル系単量体単位を50%以上さらには60%以上含有
し、かつTgが0℃以下であり、ゴム粒子の内部にゴム
成分非充填部(空隙)を有するものである。
【0044】中空ゴムラテックスは乳化重合法で製造す
ることが製造の容易性から好ましい。中空ゴムラテック
スを合成する乳化重合法はいくつかある。例えば、
(a)W/O/W(O:親油性、W:親水性)エマルジ
ョンを合成し、O層のモノマーを重合させる方法、
(b)膨潤性のコアを有するコア・シェル粒子をシェル
層のTg(ガラス転移温度)以上の温度で膨潤させて中
空化する方法、(c)溶解度パラメータの異なるポリマ
ーの二段重合による方法、(d)架橋性モノマーと親水
性モノマーを含む重合性モノマーと油性物質を水中で微
分散させてO/Wエマルジョンをつくり、モノマーを重
合して油性物質を除去する方法、(e)粒子中に共重合
されているカルボン酸の酸、アルカリ条件下における粒
子中での移動を利用する方法等が知られている(「合成
ラテックスの応用」杉村孝明ら 頁285)。本発明の
アクリル系中空ゴム粒子はいずれの方法で製造してもよ
く特に方法は限定しない。前記中空ゴム粒子を合成する
乳化重合において、シード重合法を用いる場合、シード
重合体としては、特に限定はなく、たとえばジエン系ゴ
ム、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム、オレフィン系ゴ
ムなどのゴム、アクリル酸ブチル−スチレン共重合体、
アクリル酸エチル−スチレン共重合体などの半硬質重合
体やスチレン−メチルメタクリレート共重合体などの硬
質重合体などをあげることができる。これらの重合体
は、分子量を小さくするためにt−ドデシルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタンなどの連鎖移動剤を用い
て重合されたものが、中空化しやすい点で好ましい。本
発明に用いられるアクリル系中空ゴム粒子は、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル単量体、分子内に重合性不
飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体およびその他の
共重合可能な単量体などの単量体混合物をラジカル重合
開始剤および要すれば連鎖移動剤も用いて前期製造方法
にて重合することができる。
【0045】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
単量体とはアクリル系中空ゴムの主骨格を形成する成分
である。その具体例としては、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜1
2のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリ
ルなどの炭素数4〜12のアルキル基を有するメタクリ
ル酸アルキルエステルがあげられる。これらの単量体は
単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。これ
らのなかでは、得られる重合体のガラス転移温度の低さ
および経済性の点から、アクリル酸ブチルを40〜10
0%、さらには60〜100%含むものが好ましく、ま
た、残りの共重合成分としては、たとえばアクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ルなどが好ましい。前記分子内に重合性不飽和結合を2
つ以上含む多官能性単量体は、アクリル系中空ゴム粒子
に架橋構造を導入し、ネットワーク構造を形成してゴム
弾性を発現させるとともに、後述するビニル系単量体と
のグラフト活性点を提供するために使用される成分であ
る。該多官能性単量体の具体例としては、フタル酸ジア
リル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリ
ル、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸エチレングリ
コール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、
ジビニルベンゼンなどがあげられる。これらは単独で使
用してもよく2種以上を併用してもよい。これらのなか
では架橋効率およびグラフト効率がよいという点からメ
タクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌ
ル酸トリアリル、フタル酸ジアリルが好ましい。前記そ
の他の共重合可能な単量体は、得られるアクリル系中空
ゴムの屈折率などを調整するための単量体である。その
具体例としては、たとえばメタクリル酸、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ベ
ンジルなどのメタクリル酸エステル単量体、スチレン、
α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル
単量体、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシ
メチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、トリメチルビニルシランなどのケイ素
含有ビニル単量体などがあげられる。これらは単独で用
いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0046】前記ラテックス状アクリル系中空ゴムを製
造する場合の好ましい単量体の使用割合は、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル単量体が66.5〜99.8
%、さらには85〜99.8%、分子内に重合性不飽和
結合を2つ以上含む多官能性単量体が0.2〜10%、
さらには0.2〜5%およびその他の共重合可能な単量
体が0〜23.4%、さらには0〜14.9%であり、
これらの合計が100%となるように使用される。前記
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の使用割合
が少なすぎる場合には、ゴムとしての性質に欠け、耐衝
撃性の発現効果が低下することとなり、多すぎる場合に
は、分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性
単量体の割合が少なくなりすぎ、用いた効果が発揮でき
ず、耐衝撃性が低くなる傾向が生じる。また、分子内に
重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体の使用
割合が少なすぎる場合、多すぎる場合、いずれも耐衝撃
性が低下する傾向がある。なお、その他の共重合可能な
単量体は、屈折率や耐衝撃性の調整などのために使用さ
れる成分であるが、使用することによる効果をうるため
には0.1%以上使用するのが好ましい。
【0047】前記アクリル系中空ゴムの乳化重合で使用
されうる、ラジカル重合開始剤や、要すれば使用される
連鎖移動剤は通常のラジカル重合で用いられるものであ
れば特に限定されない。
【0048】ラジカル重合開始剤の具体例としては、ク
メンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレイト、ラウ
ロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、シク
ロヘキサンノンパーオキサイド、アセチルアセトンパー
オキサイドなどの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウムなどの無機過酸化物、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などがあげら
れる。このうち、反応性の高さから有機過酸化物または
無機過酸化物が特に好ましい。
【0049】前記有機過酸化物または無機過酸化物を用
いる場合、硫酸第一鉄/グルコース/ピロリン酸ナトリ
ウム、硫酸第一鉄/デキストロース/ピロリン酸ナトリ
ウム、または硫酸第一鉄/ナトリウムホルムアルデヒド
スルホキシレート/エチレンジエアミン酢酸塩など混合
物を還元剤として併用することができる。還元剤の併用
は、重合温度を低くできることから特に好ましい。
【0050】これらのラジカル重合開始剤の使用量は、
用いられる単量体混合物100部に対して、通常、0.
005〜10部、好ましくは0.01〜5部であり、さ
らに好ましくは0.02〜2部である。
【0051】ラジカル重合開始剤の量があまりにも少な
い場合、重合速度が低くなり、生産効率が悪くなる傾向
にあり、また、あまりにも多い場合には、得られる重合
体の分子量が低下し、耐衝撃性が低くなる傾向にある。
【0052】連鎖移動剤の具体例としては、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テト
ラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンなど
があげられる。
【0053】連鎖移動剤は任意成分であるが、使用する
場合の使用量は、耐衝撃性の発現の点から単量体混合物
100部に対して0.001〜5部であることが好まし
いまた前記乳化重合を行う際に用いられる乳化剤は、ア
ルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン
酸ナトリウム、(ジ)アルキルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホ
ン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、オレイン酸
カリウム、オレイン酸ナトリウム、ロジン酸カリウム、
ロジン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどを使用でき
る。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。中空ゴム粒子の空隙はゴムラテックスをエポ
キシ樹脂で包埋した後、四酸化ルテニウムなどで染色し
てTEM観察で確認ができる。またマイクロトラックU
PAなどによりゴムラテックスの粒子径を正確に求めた
後、同じゴムラテックスの濁度を測定することによって
空隙率(ゴム粒子中の平均空隙体積/ゴム粒子の平均体
積(%))を算出することができる。ラテックス状態で
の中空ゴムの空隙率は成型体の耐衝撃性改良効果の点か
ら3〜90%、好ましくは10〜60%である。空隙率
が小さすぎても、大きすぎても、いずれも耐衝撃性の改
良効果が小さくなる傾向がある。
【0054】ラテックス状アクリル系中空ゴムとして
は、通常、固形分(120℃、1時間の乾燥後測定)濃
度10〜50%のものが使用され、20〜40%のもの
が後述する共肥大化操作で、粒子径が制御し易いという
点から好ましい。
【0055】アクリル系中空ゴム粒子の大きさとして
は、平均粒子径10〜200nm、さらには20〜15
0nmであるのが、後述する共肥大化操作によって共肥
大化させやすい点から好ましい。また、ラテックス状ア
クリル系中空ゴム(B)中のゴム粒子に含まれる溶剤不
溶分量(ゲル含有量:サンプルを室温でトルエンに24
時間浸漬し、12000rpmで1時間遠心分離したと
きのトルエン不溶分の重量分率)は、70%以上、さら
には80%以上であるのが、衝撃強度の発現の点から好
ましい。上限は100%である。
【0056】ラテックス状シリコーンゴム(A)とラテ
ックス状アクリル系中空ゴム(B)の使用割合は、本発
明の熱可塑性樹脂に高い耐衝撃性を与えるという効果が
えられる範囲である、シリコーン(ポリオルガノシロキ
サン)量が全ゴム(シリコーンゴムとアクリル系ゴム)
成分中の1〜90%、さらには1〜50%、とくには1
〜20%が好ましい。全ゴム成分中のシリコーン量が少
なすぎるばあい、または多すぎるばあいには、いずれも
熱可塑性樹脂の耐衝撃性の向上が充分でなくなる傾向が
ある。
【0057】なお、シリコーン量が50%をこえる場
合、シリコーンゴム中にグラフト活性点があること、す
なわち、後述するビニル系単量体の重合でグラフト共重
合体が生成することが耐衝撃性の発現の点から好まし
い。また、アクリル系中空ゴムには、シリコーン量に問
わずグラフト活性点を有することが耐衝撃性の点から好
ましい。
【0058】前記全ゴムラテックスの固形分濃度として
は10〜50%、さらには20〜40%であるのが後述
する凝集共肥大化の容易さの点から好ましい。
【0059】前記全ゴムラテックスの存在下にビニル系
単量体を重合させるにあたり、その重合開始前または重
合中に凝集共肥大化させることにより、本発明のゴム変
性樹脂がえられる。
【0060】前記ゴム変性樹脂は、前述したように、
(1)ラテックス状シリコーンゴム(A)中のシリコー
ンゴムとラテックス状アクリル系中空ゴム(B)中のア
クリル系中空ゴムが凝集共肥大した粒子にビニル系単量
体がグラフト重合したグラフト共重合体粒子、または
(2)ラテックス状シリコーンゴム(A)中のシリコー
ンゴムにビニル系単量体がグラフト重合したグラフト共
重合体粒子(シリコーンゴムにグラフト活性点がないば
あい、シリコーンゴムとビニル系重合体が物理的に共存
した粒子)とラテックス状アクリル系中空ゴム(B)中
のアクリル系中空ゴム粒子にビニル系単量体がグラフト
重合したグラフト共重合体粒子(アクリル系ゴムにグラ
フト活性点がないばあい、アクリル系ゴムとビニル系重
合体が物理的に共存した粒子)が凝集共肥大した粒子を
含有した樹脂粒子からなり、その樹脂粒子の平均粒子径
としては100nm以上、さらには120nm以上のも
のが好ましく、また1000nm以下、さらには800
nm以下のものが好ましい。100nm未満のばあい、
および1000nmをこえるばあいは、いずれも耐衝撃
性が低下する傾向にある。ゴム変性樹脂の溶剤不溶分量
は40%以上が好ましく、さらには70%以上、とくに
は80%以上が好ましい。
【0061】なお、凝集共肥大化とは、2種以上の異な
る化学組成の重合体粒子を同一系中で同時に凝集させて
肥大させることを示す。
【0062】前記凝集共肥大化は、たとえばビニル系単
量体を重合する工程の前または工程の途中でラテックス
に硫酸ナトリウムなどの無機塩、塩酸などの無機酸、酢
酸などの有機酸、特開昭50−25655公報、特開平
8−12703号公報、特開平8−12704号公報な
どに記載された不飽和酸単量体と(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル単量体などとの共重合によってえられる
非架橋の酸基含有共重合体ラテックスなどを添加するな
どの一般的な方法により行なうことができる。ゴム変性
樹脂粒子の平均粒子径が100〜400nmのものをえ
るには、無機塩、無機酸、有機酸を用いるのが好まし
く、とくに無機塩を用いることが共肥大化終了後に系の
pHを調整する手間が省けることから好ましい。平均粒
子径が300〜1000nmのものをえるには酸基含有
共重合体ラテックスを用いることが好ましい。前記無機
塩、無機酸、有機酸を使用するばあい、その使用量は混
合ラテックス100部(固形分)に対して、0.1〜5
部、さらには0.2〜4部、とくには0.3〜3部であ
ることが好ましい。使用量が少なすぎるばあい、凝集共
肥大化しにくい傾向にあり、多すぎるばあいには凝塊物
の生成が起こりやすくなるため、工業的な生産に適さな
くなる傾向にある。
【0063】前記酸基含有共重合体ラテックスを使用す
るばあい、その使用量は混合ラテックス100部(固形
分)に対して、0.1〜10部、さらには0.2〜5部
であることが好ましい。使用量が少なすぎるばあいには
実質的に凝集肥大が起こりにくくなる傾向にあり、使用
量が多すぎるばあいには耐衝撃性が低下するなど好まし
くない現象が生じやすくなる。
【0064】前記凝集共肥大化するために、無機塩、無
機酸、有機酸または酸基含有共重合体ラテックスを添加
する時期は、前記ビニル系単量体を重合する前または重
合中に凝集共肥大化が起こればとくに限定されないが、
重合前ないし重合に使用するビニル系単量体の90%が
重合するまで、さらには重合に使用するビニル系単量体
の10%以上が重合した時点ないし重合に使用するビニ
ル系単量体の70%が重合するまで、とくには重合に使
用するビニル系単量体の10%以上が重合した時点ない
し重合に使用するビニル系単量体の50%が重合するま
でであることが、耐衝撃性の発現という点で好ましい。
【0065】凝集共肥大化の処理温度は、30〜90
℃、さらには40〜80℃が、凝集共肥大化粒子の粒子
径を制御しやすい点で好ましい。
【0066】前記全ゴムラテックス存在下に重合せしめ
られるビニル系単量体は、ゴム変性樹脂が熱可塑性樹脂
と配合され成形されたばあいに熱可塑性樹脂との相溶性
を高め、熱可塑性樹脂中にゴム変性樹脂を均一に分散さ
せるために使用される成分である。前記ビニル系単量体
の具体例としては、経済的な面および効果の点から、た
とえばスチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチ
レン、ジビニルベンゼンのような芳香族ビニル単量体、
アクリロニトリルやメタクリロニトリルのようなシアン
化ビニル単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニリデンのようなハロゲン化ビニル系単量体、メタク
リル酸単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチル、ジメタクリル酸エチレン
グリコール、ジメタクリル酸1,3ブチレングリコール
などのメタクリル酸エステル単量体、アクリル酸単量
体、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
グリシジル、アクリル酸ヒドロキシブチルなどのアクリ
ル酸エステル単量体など好ましくあげられる。これらは
単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、
多段階で1種、2種以上のビニル系単量体を重合しても
よい。
【0067】前記ビニル系単量体の使用量は、全ゴムラ
テックス(固形分)40〜98部、さらには60〜95
部、とくに80〜92部に対して、2〜60部、さらに
は5〜40部、とくに8〜20部を合計量が100部に
なるように使用することが好ましい。前記ビニル系単量
体の使用量が多すぎるばあいにはゴム成分の含有量が少
なくなりすぎて充分な耐衝撃性が発現されなくなる傾向
が生じ、少なすぎるばあいにはゴム変性樹脂の粉体状態
が悪くなり取り扱いが困難になる傾向がある。
【0068】前記ビニル系単量体の重合は、通常の乳化
重合法を用いることにより行うことができ、ラジカル重
合開始剤、要すれば用いられる連鎖移動剤、さらには要
すれば添加される乳化剤は、前記アクリル系中空ゴムラ
テックスで使用されうるものでよく、使用量の制限も同
じ制限が適用されうる。
【0069】重合後のゴム変性樹脂はラテックスからポ
リマーを分離して使用してもよく、ラテックスのまま使
用してもよい。ポリマーを分離する方法としては、通常
の方法、たとえばラテックスに塩化カルシウム、塩化マ
グネシウム、硫酸マグネシウムなどの金属塩、塩酸、硫
酸、リン酸、酢酸などの無機酸および有機酸を添加する
ことによりラテックスを凝固、分離、水洗、脱水、乾燥
する方法があげられる。また、スプレー乾燥法も使用で
きる。
【0070】このようにしてえられたゴム変性樹脂(ポ
リマーを分離したものまたはラテックスのままのもの)
は、各種の熱可塑性樹脂に配合され、耐衝撃性が改善さ
れた熱可塑性樹脂組成物がえられる。
【0071】前記熱可塑性樹脂の好ましい具体例として
は、耐衝撃性が発現しやすい点から、ポリ塩化ビニル、
塩素化ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−
N−フェニルマレイミド共重合体、α−メチルスチレン
−アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル、ブタジエンゴム/スチレン共重合体(HI
PS樹脂) ブタジエンゴム/スチレン/アクリロニト
リル共重合体(ABS樹脂)、アクリル系ゴム/スチレ
ン/アクリロニトリル共重合体(AAS樹脂)、エチレ
ン−プロピレン共重合体ゴム/スチレン/アクリロニト
リル共重合体(AES樹脂)、ポリフェニレンエーテル
などがあげられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で使
用してもよく、2種以上併用してもよい。2種以上併用
する場合の具体例としては、ポリカーボネート5〜95
%とHIPS樹脂またはABS樹脂またはAAS樹脂ま
たはAES樹脂5〜95%とを合計量が100%になる
ように混合した樹脂、ポリカーボネート5〜95%とポ
リエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタ
レート5〜95%とを合計量が100%になるように混
合した樹脂があげられる。
【0072】熱可塑性樹脂100部に対するゴム変性樹
脂の添加量は0.1〜150部であり、好ましくは0.
5〜120部が物性バランスの点から好ましい。前記添
加量が少なすぎるばあいには、熱可塑性樹脂の耐衝撃性
が充分向上せず、多すぎるばあいには、熱可塑性樹脂の
剛性や表面硬度などの特性を維持することが難しくな
る。
【0073】前記ラテックスからポリマーが分離された
ゴム変性樹脂粉末と熱可塑性樹脂との混合は、ヘンシェ
ルミキサー、リボンブレンダーなどで混合したのち、ロ
ール、押出機、ニーダーなどで熔融混練することにより
行うことができる。
【0074】このとき、通常使用される配合剤、すなわ
ち可塑剤、安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
難燃剤、顔料、ガラス繊維、充填剤、高分子加工助剤、
高分子滑剤、滴下防止剤などを配合することができる。
たとえば、難燃剤の好ましい具体例は、トリフェニルホ
スフェート、縮合リン酸エステル、安定化赤リンなどの
リン系化合物やフェニル基含有ポリオルガノシロキサン
系共重合体などのシリコーン系化合物などがあげられ、
高分子加工助剤の好ましい具体例は、メタクリル酸メチ
ル−アクリル酸ブチル共重合体などのメタクリレート系
(共)重合体があげられ、滴下防止剤の好ましい具体例
は、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂が
あげられる。これらの配合剤の好ましい使用量は、効果
−コストのバランスの点から熱可塑性樹脂100部に対
して、0.1〜30部、さらには0.2〜20部、とく
には0.5〜10部である。
【0075】前記熱可塑性樹脂が乳化重合法で製造され
るばあいには、該熱可塑性樹脂のラテックスとゴム変性
樹脂のラテックスとをいずれもラテックスの状態でブレ
ンドしたのち、共凝固させることにより熱可塑性樹脂組
成物をうることも可能である。
【0076】えられた熱可塑性樹脂組成物の成形法とし
ては、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形に用いられる成
形法、たとえば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形
法、カレンダー成形法などを適用することができる。
【0077】えられた成形品は従来の耐衝撃改質剤を使
用したものに比べて、耐衝撃性にすぐれたものになる。
【0078】
【実施例】つぎに本発明を実施例にもとづき具体的に説
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものでな
い。
【0079】なお、以下の実施例および比較例における
評価は、つぎの方法にしたがって行った。 [ラテックスの固形分濃度(加熱乾燥残分)および重合
転化率]反応後のラテックスのサンプルを120℃の熱
風乾燥器で1時間乾燥して固形分濃度(加熱乾燥残分)
を求めて、(固形量/仕込み単量体量)×100(%)
で算出した。 [平均粒子径]測定装置として、リード&ノースラップ
インスツルメント(LEED&NORTHRUP IN
STRUMENTS)社製のMICROTRAC UP
Aを用いて、光散乱法により体積平均粒子径(nm)お
よび粒子径分布の変動係数(標準偏差/体積平均粒子径
(%))を測定した。 [溶剤不溶分量(ゲル含有量)]ラテックスを50℃で
75時間乾燥させ、そののち、室温で減圧乾燥を8時間
して測定用試料をえた。試料を室温でトルエンに24時
間浸漬し、12000rpmで60分間遠心分離し、試
料中のトルエン不溶分の重量分率を算定した。 [アイゾット衝撃強度]ASTM D−256に準じ
て、−30℃、0℃、10℃および23℃でノッチつき
1/4インチバーまたは1/8インチバーを用いて測定
した。 [難燃性]UL94V試験により評価した。
【0080】(製造例1) [ラテックス状シリコーンゴム(A−1)の製造]撹拌
機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量体追加口、温度計
を備えた5口フラスコに、 成分 量(部) 純水 189 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS) 0.5 を仕込んだ。つぎに、系をチッ素置換しながら70℃に
昇温し、純水1部と過硫酸カリウム(KPS)0.02
部を添加してから、つづいて 成分 量(部) スチレン(ST) 0.7 メタクリル酸ブチル(BMA) 1.3 からなる混合液を一括添加して、1時間撹拌して重合を
完結させて、ST−BMA共重合体のラテックスをえ
た。重合転化率は99%であった。えられたラテックス
の固形分含有率は1.0%、平均粒子径10nmであっ
た。また、このときの変動係数は38%であった。ST
−BMA共重合体の溶剤不溶分量は0%であった。
【0081】別途、つぎの成分からなる混合物をホモミ
キサーで10000rpmで5分間撹拌してシリコーン
ゴム形成成分のエマルジョンを調製した。
【0082】 成分 量(部) 純水 70 SDBS 0.5 オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4) 94 ビニルトリエトキシシラン(VTES) 2 テトラエトキシシラン(TEOS) 2 つづいて、ST−BMA共重合体を含むラテックスを8
0℃に保ち、系にドデシルベンゼンスルホン酸(DBS
A)2部と純水18部を添加して系のpHを1.7にし
たのち、上記シリコーンゴム形成成分のエマルジョンを
一括で添加した後6時間撹拌を続けたのち、25℃に冷
却して20時間放置した。その後、水酸化ナトリウムで
pHを8.4にして重合を終了し、ラテックス状シリコ
ーンゴム(A−1)をえた。シリコーンゴム形成成分の
重合転化率は85%であった。えられたラテックス(A
−1)の固形分濃度は23%、平均粒子径90nm、粒
子径分布の変動係数39%、溶剤不溶分量71%であっ
た。該ラテックス状シリコーンゴム中のシリコーンゴム
は仕込み量および転化率からシリコーン成分98%およ
びST−BMA共重合体成分2%からなる。
【0083】(製造例2) [ラテックス状アクリル中空ゴム(B−1)の製造]撹
拌機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量体追加口、温度
計を備えた5口フラスコに 成分 量(部) 純水 200 オレイン酸ナトリウム 32 を一括して仕込んだ。
【0084】系を撹拌しながらチッ素気流下に60℃ま
で昇温させ、60℃到達後、 成分 量(部) BA 8 St 2 t−ドデシルメルカプタン(t−DM) 3 からなる混合物を一括添加して、そののちパラメンタン
ハイドロパーオキサイド0.0104部を添加して60
℃で1時間撹拌をつづけた。そののち 成分 量(部) BA 72 St 18 t−ドデシルメルカプタン(t−DM) 27 パラメンタハイドロパーオキサイド 0.0936 からなる混合物を3時間かけて滴下し、滴下後2時間撹
拌をして重合を終了し、シードラテックス(S−1)を
えた。重合転化率は95%であった。えられたラテック
スは、固形分濃度28%、平均粒子径18nmであっ
た。
【0085】 成分 量(部) 純水 146 シードラテックス(S−1) 2 過硫酸カリウム(KPS) 0.39 を一括して仕込んだ。
【0086】系を撹拌しながらチッ素気流下に50℃ま
で昇温させ、50℃到達後、 成分 量(部) BA 98 メタクリルサンアリル(AlMA) 0.98 ラウリル硫酸ナトリウム 0.6 純水 54 からなる混合物をホモジナイザーにより微分散した後、
5.5時間かけて滴下した。滴下終了後、KPS0.0
49部を加えさらに3時間攪拌し、ラテックス状アクリ
ル中空ゴム(B−1)を得た。重合転化率は99%であ
った。えられたラテックスは、固形分濃度33%、平均
粒子径80nm、粒子径分布の変動係数28%、溶剤不
溶分量96%、空隙率は60%であった。
【0087】(製造例3) [ラテックス状アクリルゴム(B−2)の製造]撹拌
機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量体追加口、温度計
を備えた5口フラスコに 成分 量(部) 純水 200 オレイン酸ナトリウム 1.3 を一括して仕込んだ。
【0088】系を撹拌しながらチッ素気流下に70℃ま
で昇温させ、70℃到達後、 成分 量(部) BA 4 メタクリル酸アリル(AlMA) 0.04 からなる混合物を一括添加して、そののち過硫酸カリウ
ム(KPS)0.05部を添加して70℃で1時間撹拌
をつづけた。そののち、次の混合物を5時間かけて滴下
し、滴下後1時間撹拌をして重合を終了した。。
【0089】 成分 量(部) BA 96 AlMA 0.96 重合転化率は99%であった。えられたラテックスは、
固形分濃度33%、平均粒子径80nm、粒子径分布の
変動係数28%、溶剤不溶分量96%であった。
【0090】(実施例1)撹拌機、還流冷却器、チッ素
吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに 成分 量(部) 純水 240 ラテックス状シリコーンゴム(A−1)(固形分) 11.9 ラテックス状アクリル中空ゴム(B−1)(固形分) 73.1 を一括して仕込んだ。系を撹拌しながらチッ素気流下に
70℃まで昇温し、70℃到達後、KPS0.03部を
加えた。ついで、メタクリル酸メチル(MMA)15部
を1時間かけて滴下した。但し、3部滴下したところ
で、凝集共肥大化のため硫酸ナトリウム(SS)1.2
部添加した。滴下終了後、さらに1時間撹拌を続けて重
合を終了し、ゴム変性樹脂(I)のラテックスえた。重
合転化率は99%であった。えられたゴム変性樹脂粒子
の平均粒子径は185nmであり、溶剤不溶分量は90
%であった。
【0091】つぎに、えられたラテックスを純水で固形
分が15%になるように希釈したのち、塩化カルシウム
2部を加えて凝固させ、さらに凝固スラリーを一旦80
℃まで加温して冷却後、脱水して乾燥してゴム変性樹脂
(I)からなる粉末を得た。
【0092】重合度800の塩化ビニル樹脂100部に
ゴム変性樹脂(I)6.0部、オクチルスズメルカプタ
イド3.0部、ステアリルアルコール1.0部、ステア
リン酸アミド0.5部、モンタン酸ジオールエステル
0.5部、酸化チタン0.5部、高分子加工助剤(鐘淵
化学工業株式会社製:カネエースPA20)1.0部と
をブレンドし、50mm単軸押出機(田辺プラスチック
機械株式会社製:VS50−26型)で溶融混錬しペレ
ットを製造した。えられたペレットをシリンダー温度1
95℃に設定した射出成形機(東芝製:IS−170
G)を用いて1/4インチアイゾット試験片を作製し
た。アイゾット試験結果を表1に示す。
【0093】(実施例2)実施例1において、凝集共肥
大化のため硫酸ナトリウム(SS)1.2部の追加時期
をMMA3部滴下したところの変わりにKPS添加前に
変更したほかは、実施例1と同様にして、ゴム変性樹脂
(II)からなる粉末をえた。重合転化率は99%であ
り、ゴム変性樹脂粒子の平均粒子径は180nm、溶剤
不溶分量は89%であった。
【0094】ゴム変性樹脂(I)の代わりにゴム変性樹
脂(II)を用いたほかは実施例1と同様にしてアイゾ
ット試験をした。結果を表1に示す。
【0095】(比較例1) [凝集共肥大化しない場合]実施例1において、SSを
添加しないほかは、実施例1と同様にしてゴム変性樹脂
(I’)からなる粉末をえた。重合転化率は99%であ
り、ゴム変性樹脂粒子の平均粒子径は85nm、溶剤不
溶分量は89%であった。
【0096】ゴム変性樹脂(I)の代わりにゴム変性樹
脂(I’)を用いたほかは実施例1と同様にしてアイゾ
ット試験をした。結果を表1に示す。
【0097】(比較例2) [中空化していないアクリルゴムの使用]実施例1にお
いて、アクリル中空ゴムラテックス(B−1)の代わり
に中空化していないアクリルゴムラテックス(B−2)
を用いたほかは、実施例1と同様にして、ゴム変性樹脂
(II’)からなる粉末をえた。重合転化率は99%で
あり、ゴム変性樹脂粒子の平均粒子径は183nm、溶
剤不溶分量は91%であった。
【0098】ゴム変性樹脂(I)の代わりにグラフト共
重合体粒子(II’)を用いたほかは実施例1と同様に
してアイゾット試験をした。結果を表1に示す。
【0099】
【表1】 表1に示された結果から、本発明のゴム変性樹脂を塩化
ビニル樹脂の耐衝撃改質剤として用いたばあいに高い耐
衝撃性改良効果が発現されることがわかる。
【0100】(実施例3)重量平均分子量23000の
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビ
スフェノール成分とするポリカーボネート樹脂100部
に対して、実施例1でえられたゴム変性樹脂(I)を4
部、フェノール系安定剤(ゼネカ(ZENECA)製ト
パノールCA)0.3部、リン系安定剤(旭電化工業株
式会社製アデカスタブPEP36)0.3部を配合し、
40mm単軸押出機(田畑機械株式会社製HW−40−
28)で溶融混錬してペレットを得た。得られたペレッ
トを110℃にて5時間以上乾燥後、シリンダー温度2
90℃に設定した射出成形機(株式会社ファナック(F
ANUC)製FAS100B )で1/4インチアイゾ
ット試験片を作製して、アイゾット試験をした。結果を
表2に示す。
【0101】(比較例3)実施例3において、ゴム変性
樹脂(I)の代わりに比較例2でえられたグラフト共重
合体粒子(II’)を用いたほかは実施例4と同様にし
てアイゾット試験をした。結果を表2に示す。
【0102】
【表2】 表2に示された結果から、本発明のゴム変性樹脂をポリ
カーボネート樹脂の耐衝撃改質剤として用いたばあい
に、シリコーンゴムと中空化していないアクリルゴムと
を共肥大したグラフト共重合体粒子を用いたばあいに比
べて高い耐衝撃性改良効果を発現することがわかる。
【0103】(実施例4〜5)実施例1のゴム変性樹脂
(I)の製造において、ラテックス状シリコーンゴム
(A−1)の量を18部(固形分)、ラテックス状アク
リル中空ゴム(B−1)の量を72部(固形分)、MM
Aの量を10部、SS量を1.7部に変更したほかは実
施例1と同様にしてゴム変性樹脂(III)のラテック
スをえた。MMAの重合転化率は、99%であった。ゴ
ム変性樹脂粒子の平均粒子径は190nmであり、溶剤
不溶分量は87%であった。えられたラテックスを実施
例1と同様に凝固処理してゴム変性樹脂(III)から
なる粉末をえた。
【0104】えられたゴム変性樹脂(III)を用いて
表3に示す配合物を2軸押出機(日本製鋼所(株)製T
EX44S)で溶融混錬してペレットを得た。得られた
ペレットを110℃にて5時間以上乾燥後、シリンダー
温度280℃に設定した射出成形機((株)ファナック
(FANUC)製FAS100B)で1/8インチアイ
ゾット試験片、1/16インチ難燃評価用試験片を作製
して、アイゾット試験および難燃性評価をした。結果を
表3に示す。
【0105】(比較例4〜5)比較例4として、実施例
4において、ゴム変性樹脂(I)の代わりにシリコーン
系難燃剤KR−219と置き換え、KR−219の使用
量を8部にしたほかは実施例4と同様にした。比較例5
として、実施例4において、ゴム変性樹脂(I)および
シリコーン系難燃剤を用いないほかは実施例4と同様に
した。アイゾット試験および難燃性評価の結果を表3に
示す。
【0106】(比較例6〜7)比較例6として、実施例
5において、ゴム変性樹脂(I)を用いないほかは実施
例5と同様にした。比較例7として、実施例5におい
て、ゴム変性樹脂(I)およびリン系難燃剤のトリフェ
ニルホスフェートを用いないほかは実施例5と同様にし
た。アイゾット試験および難燃性評価の結果を表3に示
す。
【0107】
【表3】 なお、表中のPCは、重量平均分子量23000の2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフ
ェノール成分とするポリカーボネート樹脂、PETは対
数粘度0.75のポリエチレンテレフタレート樹脂、K
R−219は信越化学(株)製シリコーン系難燃剤KR
−219、PTFEはポリテトラフルオロエチレン、A
O−60はフェノール系安定剤(旭電化工業株式会社製
アデカスカブAO−60、PEP36はリン系安定剤
(旭電化工業株式会社製アデカスタブPEP36)を示
す。
【0108】表3に示された結果から、本発明のゴム変
性樹脂はシリコーン系難燃剤またはリン系難燃剤で難燃
化したポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート
混合樹脂の難燃レベルを維持しながら、耐衝撃性の改良
が可能なことがわかる。
【0109】(実施例6)ポリカーボネート樹脂(日本
ジーイープラスチック株式会社製レキサン121)70
部、ABS樹脂(三井化学株式会社製サンタックAT0
5)30部、実施例1でえられたゴム変性樹脂(I)を
4部、フェノール系安定剤(ゼネカ(ZENECA)製
トパノールCA)0.3部、リン系安定剤(旭電化工業
株式会社製アデカスタブPEP36)0.3部を配合
し、40mm単軸押出機(田畑機械株式会社製HW−4
0−28)で溶融混錬してペレットを得た。得られたペ
レットを110℃にて5時間以上乾燥後、シリンダー温
度260℃に設定した射出成形機(株式会社ファナック
(FANUC)製FAS100B )で1/4インチア
イゾット試験片を作製して、アイゾット試験をした。結
果を表4に示す。
【0110】(比較例8)実施例6において、ゴム変性
樹脂(I)を用いないほかは実施例6と同様にしてアイ
ゾット試験をした。結果を表4に示す。
【0111】(比較例9)実施例6において、ゴム変性
樹脂(I)の代わりに比較例2でえられたグラフト共重
合体粒子(II’)を用いたほかは実施例6と同様にし
てアイゾット試験をした。結果を表4に示す。
【0112】
【表4】 表4の結果から、本発明のゴム変性樹脂はポリカーボネ
ート/ABS混合樹脂においても耐衝撃性改良効果を示
すことがわかる。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、シリコーンゴムラテッ
クスとアクリル系中空ゴムラテックスの存在下にビニル
系単量体を重合させるにあたり、その重合開始前、また
は重合中に重合体粒子を凝集共肥大化させることによ
り、熱可塑性樹脂の改質剤に利用できるゴム変性樹脂を
うることができる。該ゴム変性樹脂と熱可塑性樹脂との
配合物からなる熱可塑性樹脂組成物は耐衝撃性にすぐれ
たものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 彰 兵庫県高砂市高砂町宮前町1−8鐘淵化学 工業株式会社高砂工業所内 Fターム(参考) 4J002 BC021 BC031 BC061 BC091 BD031 BD181 BG061 BN071 BN121 BN151 BN212 CF001 CG001 CL001 4J026 AA45 AB44 AC18 BA04 BA10 BA27 BA30 BA31 CA07 DA04 DA07 DA14 DA15 DB14 DB15 FA04 GA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ラテックス状シリコーンゴムと
    (B)ラテックス状アクリル系中空ゴムの存在下にビニ
    ル系単量体を重合させるにあたり、該重合開始前、また
    は重合中に粒子を凝集共肥大化させて得られるゴム変性
    樹脂。
  2. 【請求項2】 ラテックス状シリコーン(固形分)量が
    1〜90重量%、ラテックス状アクリル系中空ゴム(固
    形分)量が99〜10重量%である請求項1記載のゴム
    変性樹脂。
  3. 【請求項3】 全ラテックス状ゴム40〜98重量部
    (固形分)の存在下にビニル系単量体2〜60重量部
    (合計量が100重量部)を重合させてなる請求項1ま
    たは2記載のゴム変性樹脂。
  4. 【請求項4】 ビニル系単量体が、芳香族ビニル単量
    体、シアン化ビニル単量体、ハロゲン化ビニル単量体、
    (メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル
    単量体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体
    である請求項1、2または3記載のゴム変性樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載のゴム変
    性樹脂0.1〜150重量部と熱可塑性樹脂100重量
    部とからなる熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル、塩素
    化ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−アクリロ
    ニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−N−
    フェニルマレイミド共重合体、α−メチルスチレン−ア
    クリロニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メ
    タクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリカーボネー
    ト、ポリアミド、ポリエステル、HIPS樹脂、 AB
    S樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、又はポリフェニレン
    エーテルである請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物。
JP2001338245A 2001-11-02 2001-11-02 ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 Pending JP2003137946A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001338245A JP2003137946A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001338245A JP2003137946A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003137946A true JP2003137946A (ja) 2003-05-14

Family

ID=19152769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001338245A Pending JP2003137946A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003137946A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005012392A1 (en) * 2003-08-02 2005-02-10 Lg Chem. Ltd. Acryl-silicone hybrid impact modifiers and method for preparing the same and vinyl chloride resin compositions having the same
WO2006132471A1 (en) 2005-06-07 2006-12-14 Lg Chem, Ltd. Polymeric lubricant having multi layer structure and manufacturing method thereof
JP2014031486A (ja) * 2012-07-13 2014-02-20 Sekisui Chem Co Ltd シリコーン樹脂縮重合体粒子とポリ塩化ビニルとの反応物、該反応物の製造方法並びに塩化ビニル樹脂組成物
JP2018016719A (ja) * 2016-07-28 2018-02-01 リケンテクノス株式会社 光拡散性フィルム用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
WO2023047827A1 (ja) * 2021-09-24 2023-03-30 帝人株式会社 樹脂組成物およびその成形品

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005012392A1 (en) * 2003-08-02 2005-02-10 Lg Chem. Ltd. Acryl-silicone hybrid impact modifiers and method for preparing the same and vinyl chloride resin compositions having the same
CN100473680C (zh) * 2003-08-02 2009-04-01 Lg化学株式会社 丙烯酰-硅氧烷杂化抗冲改性剂及其制备方法和包括该抗冲改性剂的氯乙烯树脂组合物
US8013063B2 (en) 2003-08-02 2011-09-06 Lg Chem, Ltd. Acryl-silicone hybrid impact modifiers and vinyl chloride resin compositions having the same
WO2006132471A1 (en) 2005-06-07 2006-12-14 Lg Chem, Ltd. Polymeric lubricant having multi layer structure and manufacturing method thereof
JP2014031486A (ja) * 2012-07-13 2014-02-20 Sekisui Chem Co Ltd シリコーン樹脂縮重合体粒子とポリ塩化ビニルとの反応物、該反応物の製造方法並びに塩化ビニル樹脂組成物
JP2018016719A (ja) * 2016-07-28 2018-02-01 リケンテクノス株式会社 光拡散性フィルム用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
WO2023047827A1 (ja) * 2021-09-24 2023-03-30 帝人株式会社 樹脂組成物およびその成形品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3634964B2 (ja) グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JP4702998B2 (ja) ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物
JP2023164758A (ja) ゴム含有グラフト重合体、ゴム含有グラフト重合体含有樹脂組成物およびその成形体
US5804655A (en) Silicone-modified acrylic rubber particles, graft copolymer particles of silicone-modified acrylic rubber and thermoplastic resin composition
JP2003137946A (ja) ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物
JPWO2019168007A1 (ja) ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体粉体、およびそれを用いた樹脂組成物ならびにそれからなる成形体
US20040063814A1 (en) Impact modifier for thermoplastic resin and resin composition containing the same
JP2002020443A (ja) グラフト共重合体およびこれを含む熱可塑性樹脂組成物ならびにその成形品
JPH04239010A (ja) グラフト共重合体
JP5064026B2 (ja) グラフト共重合体及びそれを含有する樹脂組成物
JP2000302941A (ja) 耐衝撃性樹脂組成物
JPH0830102B2 (ja) 複合ゴム系グラフト共重合体粒子
JP2000186105A (ja) 複合ゴム、複合ゴム含有グラフト重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JPH10316724A (ja) シリコーン変性アクリルゴム粒子、シリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JP2001106863A (ja) グラフト共重合体組成物
JP3871962B2 (ja) グラフト共重合体及びそれを含有する耐衝撃性、難燃性樹脂組成物
JP2002327027A (ja) ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物
JP2002265545A (ja) グラフト共重合体およびそれを含む熱可塑性樹脂組成物
JP3450450B2 (ja) グラフト共重合体およびその熱可塑性樹脂組成物
JP2023085185A (ja) 樹脂組成物及び成形体
JP2000212231A (ja) シリコ―ン変性アクリルゴム粒子、シリコ―ン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JPH07206951A (ja) グラフト共重合体および樹脂組成物
JPH11116813A (ja) オルガノシロキサン系グラフト共重合体粒子の製造法
KR20070031283A (ko) 그래프트 공중합체, 그 공중합체로 이루어지는 난연제 및그 난연제를 배합한 수지 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060706

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060706

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070723