JP5064026B2 - グラフト共重合体及びそれを含有する樹脂組成物 - Google Patents

グラフト共重合体及びそれを含有する樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5064026B2
JP5064026B2 JP2006512779A JP2006512779A JP5064026B2 JP 5064026 B2 JP5064026 B2 JP 5064026B2 JP 2006512779 A JP2006512779 A JP 2006512779A JP 2006512779 A JP2006512779 A JP 2006512779A JP 5064026 B2 JP5064026 B2 JP 5064026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
polyorganosiloxane
graft
graft copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006512779A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005105876A1 (ja
Inventor
友道 橋本
彰 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2006512779A priority Critical patent/JP5064026B2/ja
Publication of JPWO2005105876A1 publication Critical patent/JPWO2005105876A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5064026B2 publication Critical patent/JP5064026B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/08Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds
    • C08L51/085Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds on to polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F283/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers provided for in subclass C08G
    • C08F283/12Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers provided for in subclass C08G on to polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/08Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds

Description

本発明は、ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体およびそれを含有する難燃性と耐衝撃性に優れた樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート系樹脂は、優れた耐衝撃性、耐熱性、電気的特性などにより、電気・電子部品、OA機器、家庭用品あるいは建築材料として広く用いられている。ポリカーボネート系樹脂は、ポリスチレン系樹脂などに比べると高い難燃性を有しているが、電気・電子部品、OA機器などの分野を中心に、さらに高い難燃性を要求される分野があり、各種難燃剤の添加により、その改善が図られている。非ハロゲン・非リン系難燃剤としては、ポリオルガノシロキサン系化合物(シリコーンともいう)の利用が提案されている。従来、ポリオルガノシロキサン系化合物を利用して難燃性樹脂組成物を得る方法としては、モノオルガノポリシロキサンからなるシリコーン樹脂を非シリコーンポリマーに混錬することで難燃性樹脂を得る方法(特許文献1)等が知られている。しかしながら、シリコーン樹脂は、難燃性の付与の効果が認められるが不十分で、それを補うために量を増やすと樹脂組成物の耐衝撃性を悪化させ、難燃性と耐衝撃性の双方に優れた難燃性樹脂組成物をうることが困難という課題がある。
ポリオルガノシロキサン系化合物を利用して耐衝撃性をもつ難燃性樹脂組成物を得る方法としては、0.2μm以下のポリオルガノシロキサン粒子にビニル系単量体をグラフト重合したポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体とポリテトラフルオロエチレンをそれぞれ特定量用いて熱可塑性樹脂に配合することで難燃性樹脂組成物が得られること(特許文献2)等が知られている。
しかしながらいずれの難燃性樹脂組成物も、市場で高まる薄肉分野の成型体や、ハロゲン規制や原料コストの削減から求められる滴下防止剤を減少した配合では、充分なレベルの難燃性が得られておらず、大幅な難燃性の向上が期待されている。また薄肉分野で流動性と耐衝撃性のバランスを保つために、耐衝撃性についても更なる向上が期待されている。
特開昭54−36365号公報 特開2003−238639号公報
本発明の目的は、難燃性・耐衝撃性改良効果に優れたポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の提供、および該グラフト共重合体を用いて難燃性・耐衝撃性に優れた樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、グラフト交叉剤に変成されたポリオルガノシロキサンを重合転化率が平衡状態に達するまで反応させ、その後に前記グラフト交叉剤と異なるシラン化合物を添加した後、特定条件下で反応させ、さらに上記ポリオルガノシロキサンラテックスにビニル系単量体を重合したグラフト共重合体を熱可塑性組成物に配合することで、難燃性と耐衝撃性に優れた難燃性樹脂組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、グラフト交叉剤(A)に変成されたラテックス状態のポリオルガノシロキサン(B)30〜94.9重量部の存在下に、グラフト交叉剤(C)0.1〜10重量部を添加して反応させ、さらに分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体(D)100〜20重量%およびその他の共重合可能な単量体(E)0〜80重量%からなる単量体(F)0〜10重量部を1段以上反応させ、さらにビニル系単量体(G)5〜69.9重量部((B)、(C)、(F)、(G)合わせて100重量部)を1段以上重合して得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体であって、グラフト交叉剤(C)にグラフト交叉剤(A)よりもグラフト効率の高いものを用いることを特徴とするポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(請求項1)に関し、
メルカプト基含有シラン化合物、またはビニル基含有シラン化合物からなるグラフト交叉剤(A)に変成されたラテックス状態のポリオルガノシロキサン(B)30〜94.9重量部の存在下に、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン化合物からなるグラフト交叉剤(C)0.1〜10重量部を添加して反応させ、さらに分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体(D)100〜20重量%およびその他の共重合可能な単量体(E)0〜80重量%からなる単量体(F)0〜10重量部を1段以上反応させ、さらにビニル系単量体(G)5〜69.9重量部((B)、(C)、(F)、(G)合わせて100重量部)を1段以上重合して得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(請求項2)、
グラフト交叉剤(C)の反応温度が20〜60℃である請求項1〜2の何れかに記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(請求項3)、
グラフト交叉剤(A)が0.1〜10重量部である請求項1〜3の何れかに記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体(請求項4)、
請求項1〜4何れかに記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体と熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物(請求項5)、
に関するものである。
本発明により、難燃性・耐衝撃性改良効果に優れた熱可塑性樹脂組成物を与える難燃剤を得ることができ、また該難燃剤を熱可塑性樹脂に配合することにより難燃性・耐衝撃性に優れた難燃性樹脂組成物をうることができる。
本発明のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体は、グラフト交叉剤(A)に変成されたラテックス状態のポリオルガノシロキサン(B)30〜94.9重量部、好ましくは50〜89.9重量部の存在下に、グラフト交叉剤(C)0.1〜10重量部を添加して反応させ、さらに分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体(D)100〜20重量%およびその他の共重合可能な単量体(E)0〜80重量%からなる単量体(F)0〜10重量部を1段以上反応させ、さらにビニル系単量体(G)5〜69.9重量部、好ましくは10〜39.9重量部((B)、(C)、(F)、(G)合わせて100重量部)を1段以上重合して得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体であって、グラフト交叉剤(C)にグラフト交叉剤(A)よりもグラフト効率の高いものを用いることを特徴とするポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体を使用するものであり、これを配合した熱可塑性樹脂組成物は優れた難燃性・耐衝撃性を示す。
本発明に用いるポリオルガノシロキサン(B)は乳化重合により得られるが、原料となるオルガノシロキサンは、一般式RmSiO(4−m)/2(式中、Rは置換または非置換の1価の炭化水素基であり、mは0〜3の整数を示す)で表される構造単位を有するものであり、環状構造、または直鎖状、分岐状を有するものを用いることができる。このオルガノシロキサンの有する置換または非置換の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、およびそれらをシアノ基などで置換した置換炭化水素基などをあげることができる。
環状構造のオルガノシロキサンを原料とするポリオルガノシロキサンは、通常の乳化重合でも得ることもできるが、ラテックス状態での粒子径分布が狭くでき、難燃性が良好になる利点などからもシード重合を利用した方が好ましい。シード重合に用いるシードポリマーはアクリル酸ブチルゴム、ブタジエンゴム、ブタジエン−スチレンやブタジエン−アクリロニトリルゴム等のゴム成分に限定されるものではなく、アクリル酸ブチル−スチレン共重合体やスチレン−アクリロニトリル共重合体等の重合体でも問題ない。またシードポリマーの重合には、連鎖移動剤を添加しても良い。
例えば環状構造のオルガノシロキサンとグラフト交叉剤および水を乳化剤の存在下で機械的剪断により水中に乳化分散して、前記シードポリマーと混合したのち、酸性状態にすることでポリオルガノシロキサンの乳化重合を行なうことができる。
環状構造のオルガノシロキサンの具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサンなどを挙げることができる。これらオルガノシロキサンは、単独でも、あるいは2種以上を併用することができる。
また直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンを原料とするポリオルガノシロキサンは、日本国特開2001−288269号、特開平11−222554号公報などに開示されるごとく、公知の方法で得ることができる。
例えば重量平均分子量が10000以下、好ましくは5000以下、さらに好ましくは3000以下の、末端がヒドロキシル基、アミノ基、またはアルコキシル基などの加水分解性基であり、必要に応じてビニル系重合性基などで部分置換された(変性)ジメチルポリシロキサンを、一般的に知られるグラフト交叉剤とともに用いて、水、界面活性剤などを加え、高圧ホモジナイザーなどにより所望の粒子径になるよう機械的に強制乳化し、水中に乳化分散して酸性状態にすることでポリオルガノシロキサンの乳化重合を行なうことができる。
本発明に用いるポリオルガノシロキサンの重合では、グラフト交叉剤(A)を用いる。
グラフト交叉剤(A)は、一般的にグラフト交叉剤として知られるシラン化合物を用いることができるが、グラフト交叉剤(C)よりもグラフト効率の低いシラン化合物を用いる必要がある。これによってビニル系単量体(G)がもつ該ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体と熱可塑性樹脂との相溶性を得るはたらきが効率的に機能し、最終形態である成型体の難燃性と耐衝撃性が向上する。グラフト交叉剤(A)にグラフト交叉剤(C)よりもグラフト効率の高いシラン化合物、あるいはグラフト効率が同等のシラン化合物を用いた場合、本発明の難燃性・耐衝撃性改良効果が充分に得られない。またグラフト交叉剤(A)は、好ましくは2官能のシラン化合物が用いられる。3官能以上のシラン化合物を用いた場合には、最終形態成型体の耐衝撃性が低下する恐れがある。
グラフト交叉剤(A)の具体例としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプト基含有シラン化合物、ビニルメチルジメトキシシランなどのビニル基含有シラン化合物があげられる。
グラフト効率の測定は、下記の標本のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体ラテックスを用いて、下記の方法でおこなう。標本のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体ラテックスは、オクタメチルシクロテトラシロキサン100重量部を測定の対象とするグラフト交叉剤5重量部で変成したポリオルガノシロキサンラテックスを用い、該ポリオルガノシロキサンラテックス30重量部にメタクリル酸メチル70重量部をグラフト重合して製造する。つづいて該標本のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体ラテックスを凝固させ、固形分をアセトンに浸漬させ、可溶成分と不溶成分を分離し、可溶成分をポリオルガノシロキサンに結合していないメタクリル酸メチルポリマーとみなして、1−ポリオルガノシロキサンに結合していないメタクリル酸メチルポリマー量÷全重合メタクリル酸メチルポリマー量で算出する。
グラフト交叉剤(A)の使用量は、0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜7重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。グラフト交叉剤の使用量が10重量部を超えると最終成形体の難燃性や耐衝撃性が低下し、グラフト交叉剤の使用量が0.1重量部未満だと最終成形体の成形性が低下する恐れがある。
本発明に用いるポリオルガノシロキサン(B)の合成の際に、必要なら架橋剤を添加することもできる。この架橋剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランなどの3官能性架橋剤、テトラエトキシシラン、1,3ビス〔2−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1−〔1−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕−3−〔2−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1−〔1−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕−4−〔2−ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼンなどの4官能性架橋剤を挙げることができる。これら架橋剤は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。この架橋剤の添加量は、10重量部以下が好ましく、更に好ましくは3.0重量部以下を使用する。10重量部を超えると、ポリオルガノシロキサン(B)の柔軟性が損なわれるため、最終成形体の耐衝撃性が低下する恐れがある。
前記乳化重合では、酸性状態下で乳化能を失わない乳化剤が用いられる。具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸ナトリウム、(ジ)アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウムなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかで、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン酸ナトリウム、(ジ)アルキルスルホコハク酸ナトリウムがエマルジョンの乳化安定性が比較的高いことから好ましい。さらに、アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルスルホン酸はポリオルガノシロキサン形成成分の重合触媒としても作用する。
酸性状態は、系に硫酸や塩酸などの無機酸やアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸を添加することでえられ、pHは生産設備を腐食させないことや適度な重合速度がえられるという点で1〜3に調整することが好ましく、さらに1.0〜2.5に調整することがより好ましい。
重合のための加熱は適度な重合速度がえられるという点で、環状シロキサンを原料に用いる場合には50℃以上、好ましくは60℃以上、さらには75℃以上、140℃以下、好ましくは110℃以下、さらには95℃以下であり、重量平均分子量が10000以下、好ましくは5000以下、さらに好ましくは3000以下の、末端がヒドロキシル基、アミノ基、またはアルコキシル基などの加水分解性基である(変性)ジメチルポリシロキサンを、高圧ホモジナイザーなどにより機械的に強制乳化し乳化重合を行なう場合には0℃以上、好ましくは15℃以上、さらには25℃以上、好ましくは100℃以下、より好ましくは70℃以下、さらには50℃以下である。上記温度を下回ると生産性が低下し、上記温度を上回ると揮発性シロキサンが増加する傾向にある。
なお、酸性状態下ではポリオルガノシロキサンの骨格を形成しているSi−O−Si結合は切断と生成の平衡反応状態にあり、この平衡は低温になるほど生成側により、高分子量または高架橋度のものが生成しやすくなる。このためポリオルガノシロキサン形成成分の重合を50℃以上で反応させ、重合転化率が平衡に達したのち、室温以下に冷却して6時間以上保持することが好ましい。冷却後の保持時間が短い場合には、低分子量のポリオルガノシロキサンの割合が増加し、最終成形体の難燃性と耐衝撃性が低下する恐れがある。
本発明に用いるグラフト交叉剤(C)は、ポリオルガノシロキサン粒子表面に集中的にビニル系単量体(G)を反応させるために使用される成分であり、これによってビニル系単量体(G)がもつ該グラフト共重合体と熱可塑性樹脂との相溶性を確保するはたらきが効率的に機能し、最終形態である成型体の難燃性と耐衝撃性が向上する。
グラフト交叉剤(C)は、一般的にグラフト交叉剤として知られるシラン化合物を用いることができるが、グラフト交叉剤(A)よりもグラフト効率の高いシラン化合物を用いなくてはならない。グラフト交叉剤(C)にグラフト交叉剤(A)よりもグラフト効率の低いシラン化合物、あるいはグラフト効率が同等のシラン化合物を用いた場合、本発明の難燃性・耐衝撃性改良効果が充分に得られない。また好ましくは2官能のシラン化合物が用いられる。3官能以上のシラン化合物を用いた場合には、最終形態である成型体の耐衝撃性が低下する恐れがある。
グラフト交叉剤(C)の具体例としては、例えば、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランなどの(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン化合物があげられる。この中でも、特にγ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランが好ましい。
またグラフト交叉剤の組み合わせとしては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランをグラフト交叉剤(A)にγ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランをグラフト交叉剤(C)に用いる組み合わせ、ビニルメチルジメトキシシランをグラフト交叉剤(A)にγ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランをグラフト交叉剤(C)に用いる組み合わせ、ビニルメチルジメトキシシランをグラフト交叉剤(A)に3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランをグラフト交叉剤(C)に用いる組み合わせ等が例示できる。
グラフト交叉剤(C)の使用量は、0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜7重量部である。グラフト交叉剤の使用量が10重量部を超えると最終成形体の難燃性や耐衝撃性が低下し、グラフト交叉剤の使用量が0.1重量部未満だと本発明の難燃性・耐衝撃性改良効果が充分に得られない。
グラフト交叉剤(C)をラテックス状態のポリオルガノシロキサン(B)に加える方法としては、シラン化合物を予め少量の乳化剤を含有する純水にてエマルジョン化してから添加することが好ましい。シラン化合物を直接酸性状態のポリオルガノシロキサンラテックスに添加すると、ポリオルガノシロキサン粒子と反応する前にグラフト交叉剤が異物と化し、最終成型体の難燃性と耐衝撃性の低下する恐れがある。
またグラフト交叉剤(C)はポリオルガノシロキサン粒子の表層部にあることが望ましく、高温あるいは長時間反応を続けるとポリオルガノシロキサン粒子内部まで均一化し、充分な効果が得られない。このためグラフト交叉剤(C)の反応は重合温度が20℃〜60℃、好ましくは20℃〜40℃、重合時間は0.5〜12時間、好ましくは1〜4時間が用いられる。重合温度が20℃未満の場合や重合時間が0.5時間未満の場合、グラフト交叉剤(C)が未反応の可能性があり、重合温度が60℃より高い場合や重合時間が12時間より長い場合は、ポリオルガノシロキサン粒子内で均一化し、共に最終成型体の難燃性や耐衝撃性が低下する恐れがある。
なお酸性条件下でグラフト交叉剤(C)反応後のラテックスを長時間放置すると、平衡反応により粒子表面のグラフト交叉剤が減少するため、反応終了後は速やかに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ水溶液の添加により中和することが好ましい。
本発明に用いるビニル系単量体(F)は、難燃化効果、および外観性を向上させるために使用するものであり、分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体(D)は100〜20重量%、好ましくは100〜80重量%、さらには100重量%、およびその他の共重合可能な単量体(E)は0〜80重量%、好ましくは0〜20重量%、さらには0重量%からなる。多官能性単量体(D)の量が少なすぎる場合、共重合可能な単量体(E)の量が多すぎる場合、いずれも、最終的にえられるグラフト共重合体の難燃性と耐衝撃性改良効果が低くなる傾向にある。
ビニル系単量体(F)を用いる量は0〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。10重量部より多い場合は、最終成型体の難燃性と耐衝撃性が低くなる傾向にある。またビニル系単量体(F)は数段回に分割して重合しても良く、グラフト交叉剤(C)の反応後、中和前に重合しても良い。
多官能性単量体(D)は、分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む化合物であり、その具体例としては、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、フタル酸ジアリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジビニルベンゼンなどがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
共重合可能な単量体(E)の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、パラブチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有ビニル系単量体などがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
本発明に用いるビニル系単量体(G)は、グラフト共重合体と熱可塑性樹脂との相溶性を確保して熱可塑性樹脂にグラフト共重合体を均一に分散させるために使用される成分である。具体的な単量体としては前記ビニル系単量体(F)中のその他の共重合可能な単量体(E)と同じものが挙げられる。具体例としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有ビニル系単量体などがあげられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
本発明に用いるビニル系単量体(F)およびビニル系単量体(G)のグラフト重合には、ラジカル重合が用いられる。また、ビニル系単量体(F)およびビニル系単量体(G)は、いずれも1段階で重合させてもよく2段階以上で重合させてもよい。
前記ラジカル重合としては、ラジカル開始剤を熱分解することにより反応を進行させる方法でも、また、還元剤を使用するレドックス系での反応などとくに限定なく行なうことができる。
ラジカル開始剤の具体例としては、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレイト、ラウロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、シクロヘキサンノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などがあげられる。このうち、反応性の高さから有機過酸化物または無機過酸化物が特に好ましい。
ラジカル開始剤の使用量は、当業者において知られる範囲で用いられる。
この重合を硫酸第一鉄−ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ−エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩、硫酸第一鉄−グルコース−ピロリン酸ナトリウム、硫酸第一鉄−ピロリン酸ナトリウム−リン酸ナトリウムなどのレドックス系で行うと低い重合温度でも重合が完了する。
乳化重合によって得られたグラフト共重合体ラテックスからポリマーを分離する方法としては、たとえばラテックスに塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどの金属塩を添加することによりラテックスを凝固、熱処理、脱水、水洗し、乾燥する方法などがあげられる。また、スプレー乾燥法も使用できる。
このようにして得られるグラフト共重合体は、各種の熱可塑性樹脂に配合され、難燃性・耐衝撃性に優れた難燃性樹脂組成物を与える。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネートを50重量%以上含んだポリカーボネート系樹脂が良好な難燃性が得られるという点で好ましい。ポリカーボネート系樹脂の好ましい具体例としては、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ポリエチレンテレフタレート混合樹脂およびポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート混合樹脂などのポリカーボネート/ポリエステル混合樹脂、ポリカーボネート/アクリロニトリル−スチレン共重合体混合樹脂、ポリカーボネート/ブタジエン−スチレン共重合体(HIPS樹脂)混合樹脂、ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体(ABS樹脂)混合樹脂、ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエンゴム−α−メチルスチレン共重合体混合樹脂、ポリカーボネート/スチレン−ブタジエンゴム−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド共重合体混合樹脂、ポリカーボネート/アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)混合樹脂などを用いることができる。
熱可塑性樹脂に対する前記ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体の添加量としては、難燃性の点から熱可塑性樹脂100重量部に対して、該グラフト共重合体0.1〜20重量部を配合することが好ましい。0.1重量部より少ないと最終成形体の難燃性が向上しない場合がある。また、20重量部を越えると成形体の成形性(特に流動性)が大きく低下する恐れがある。
ラテックスから凝固・熱処理・脱水・乾燥されたポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体からなる難燃剤粉体と熱可塑性樹脂との混合は、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダーなどで混合したのち、ロール、押出機、ニーダーなどで熔融混練することにより行うことができる。
このとき、通常使用される配合剤、すなわち酸化防止剤、滴下防止剤、高分子加工助剤、難燃剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、顔料、ガラス繊維、充填剤、高分子滑剤などを配合することができる。
難燃性樹脂組成物の成形法としては、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形に用いられる成形法、すなわち、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、カレンダー成形法などを適用することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物から得られる成形品の用途としては、特に限定されないが、たとえば、デスクトップ型コンピューター、ノート型コンピューター、タワー型コンピューター、サーバー型コンピューター、プリンター、コピー機などの難燃性が必要となる用途があげられる。
得られた成形品は耐衝撃性と難燃性に優れたものとなる。
本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。なお、以下の実施例および比較例における測定および試験はつぎのように行った。
[グラフト効率]
全ポリマー中にグラフト成分として用いられた比率が判明しているポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体ラテックスを、約10倍量のメタノールに添加して凝固させた。つづいて80℃で12時間の減圧乾燥をおこない、グラフト共重合体ポリマーを得た。グラフト共重合体ポリマーを1g精秤し、アセトンに8時間浸漬させ、アセトンにポリオルガノシロキサンに結合していないグラフトポリマーを溶解させた。つづいて12000rpmにて60分間遠心分離をおこない、デカンテーションによりアセトン不溶分を除去して、ポリマー含有アセトン溶液を得た。つづいてアセトン不溶分に同様のアセトン浸漬とデカンテーションをおこない、アセトン不溶分を除いたのち、先のポリマー含有アセトン溶液と混合した。得られたポリマー含有アセトン溶液を80℃で12時間の減圧乾燥をおこない、抽出された残査をポリオルガノシロキサンに結合していないグラフトポリマーとして重量を測定した。グラフト効率は(1−アセトン可溶分の抽出残査重量÷(グラフト共重合体ポリマー量×グラフトポリマー成分の比率(%)÷100)×100(%)で算出した。
[重合転化率]
ラテックスを120℃の熱風乾燥器で1時間乾燥して固形成分比率を求めて、100×固形成分比率/仕込み単量体比率(=仕込み単量体全量/重合時使用全原料量) を%で算出した。
[体積平均粒子径]
シードポリマー、ポリオルガノシロキサン粒子およびグラフト共重合体の体積平均粒子径をラテックスの状態で測定した。測定装置として、リード&ノースラップインスツルメント(LEED&NORTHRUP INSTRUMENTS)社製のMICROTRAC UPAを用いて、光散乱法により体積平均粒子径(μm)を測定した。
[耐衝撃性]
ASTM D−256に準じて、ノッチつき1/8インチバーを用いて−10℃でのアイゾット試験により評価した。
[難燃性]
UL94 V試験により評価した。
(製造例1)
純水300重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(SDBS)0.5重量部(固形分)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)98重量部成分からなる混合物に、表1に示すグラフト交叉剤を5重量部加え、ホモミキサーで7000rpmで5分間撹拌してエマルションを調製し、撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに一括で添加した。
つぎに撹拌しながら窒素気流下で80℃まで昇温し、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液1重量部(固形分)を添加した。80℃で6時間撹拌を続けた後25℃に冷却して30時間放置し、ポリオルガノシロキサンラテックスを得た。
つづいて 撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口および温度計を備えた5口フラスコに、ポリオルガノシロキサンラテックスを30重量部(固形分)仕込み、撹拌しながら窒素気流下で40℃まで昇温した。40℃到達後、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.26重量部、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA)0.004重量部、硫酸第一鉄0.001重量部を添加した。つぎにメタクリル酸メチル(MMA)70重量部とクメンハイドロパーオキサイド0.1重量部混合したのち1時間かけて滴下追加し、追加終了後1時間撹拌を続けてポリオルガノシロキサングラフト共重合体ラテックスを得た。得られたポリオルガノシロキサングラフト共重合体ラテックスのグラフト効率を測定した結果を表1に示す。
(製造例2〜8)
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、純水300重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(SDBS)12重量部(固形分)を混合したのち50℃に昇温し、液温が50℃に達した後、窒素置換を行う。その後、ブチルアクリレート(BA)10重量部、t−ドデシルメルカプタン(tDM)3重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.01重量部を加える。30分のち硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002重量部、エチレンジアミンテトラアセティックアシッド・2Na塩0.005重量部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2重量部を加えてさらに1時間重合させた。その後、ブチルアクリレート(BA)90重量部、t−ドデシルメルカプタン(tDM)27重量部、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.1重量部の混合液を3時間かけて連続追加する。2時間の後重合を行いシードポリマーラテックス(SE−1)を得た。得られたシードポリマーラテックスの重合転化率(tDMを単量体に含めた)は92重量%であり、体積平均粒子径は0.03μmであった。
つづいて撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、製造例1のシードポリマー(SE−1)を2重量部(固形分)仕込んだ。その後、純水300重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(SDBS)0.5重量部(固形分)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)98重量部成分からなる混合物に、表2に示すグラフト交叉剤(A)を表2に示す重量部加え、ホモミキサーで7000rpmで5分間撹拌してエマルションを調製して一括で添加した。
つぎに撹拌しながら窒素気流下で80℃まで昇温し、10%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液1重量部(固形分)を添加した。80℃で15時間撹拌を続けた後25℃に冷却して30時間放置し、ポリオルガノシロキサン(B)のラテックスを得た。
つづいてポリオルガノシロキサン(B)のラテックスを撹拌しながら窒素気流下で40℃まで昇温した。別途、純水5.2重量部とドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(SDBS)0.005重量部(固形分)からなる混合物に、表2のグラフト交叉剤(C)を表2に示す重量部加え、スターラーで30分間攪拌してエマルションを調整し、それを先のポリオルガノシロキサン(B)のラテックスに一括で添加した。
その後、40℃で2時間攪拌を続けた後、水酸化ナトリウムでpHを6.5にして重合を終了し、ポリオルガノシロキサンラテックス(SR−1〜7)を得た。得られたポリオルガノシロキサンラテックスの重合転化率と体積平均粒子径を表2に示す。
(実施例1〜3、比較例1〜4)
撹拌機、還流冷却器、窒素吹込口、単量体追加口および温度計を備えた5口フラスコに、製造例2〜8で得たポリオルガノシロキサン粒子(SR1〜7)を表3の重量部(固形分)仕込み、撹拌しながら窒素気流下で60℃まで昇温した。60℃到達後、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.13重量部、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA)0.004重量部、硫酸第一鉄0.001重量部を添加した。つぎにメタクリル酸アリル(ALMA)と表3に示したラジカル開始剤を表3に示す重量部混合したのち一括で追加し、60℃で1時間撹拌を続けた。そののち、メタクリル酸メチル(MMA)と表3に示したラジカル開始剤を表3に示す重量部混合したのち1時間かけて滴下追加し、追加終了後1時間撹拌を続けてグラフト共重合体ラテックスを得た。得られたグラフト共重合体ラテックスの重合転化率と体積平均粒子径を表3に示す。
つづいて、ラテックスを純水で希釈し、固形分濃度を15%にしたのち、2.5%塩化カルシウム水溶液4重量部(固形分)を添加して、凝固スラリーを得た。凝固スラリーを95℃まで加熱したのち、50℃まで冷却して脱水後、洗浄、乾燥させてポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体の粉体(SG−1〜7)を得た。
(実施例4〜6、比較例5〜8)
ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名:パンライトL1225WX)および滴下防止剤はポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業株式会社製、商品名:ポリフロンFA−500)および実施例1〜3、比較例1〜4で得たポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体の粉体(SG−1〜7)を用いて表4に示す組成で配合した。
得られた配合物を2軸押出機(日本製鋼株式会社製 TEX44SS)で270℃にて溶融混錬し、ペレットを製造した。得られたペレットをシリンダー温度280℃に設定した株式会社ファナック(FANUC)製のFAS100B射出成形機で1/20インチの難燃性評価用試験片および1/8インチの耐衝撃性評価用試験片を作成した。得られた試験片を用いて前記評価方法に従って評価した。成型体の耐衝撃性と難燃性の結果を表4に示す。
(比較例9)
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体の粉体を無添加にする以外は実施例4と同様に配合・成型・評価を行いその結果を表4に示す。
Figure 0005064026
Figure 0005064026
Figure 0005064026
Figure 0005064026

Claims (5)

  1. シラン化合物であるグラフト交叉剤(A)に変成されたラテックス状態のポリオルガノシロキサン(B)30〜94.9重量部の存在下に、シラン化合物であるグラフト交叉剤(C)0.1〜10重量部を添加して反応させ、さらに分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体(D)100〜20重量%およびその他の共重合可能な単量体(E)0〜80重量%からなる単量体(F)0〜10重量部を1段以上反応させ、さらにビニル系単量体(G)5〜69.9重量部((B)、(C)、(F)、(G)合わせて100重量部)を1段以上重合して得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体であって、
    ポリオルガノシロキサン(B)が、一般式RmSiO(4−m)/2(式中、Rは置換または非置換の1価の炭化水素基であり、mは0〜3の整数を示す)で表される構造単位を有する、環状構造、または直鎖状、分岐状のオルガノシロキサンを、シードポリマーおよびグラフト交叉剤(A)の存在下、乳化重合して得られるものであり、
    グラフト交叉剤(C)にグラフト交叉剤(A)よりもグラフト効率が高くなるものを用いることを特徴とするポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
  2. メルカプト基含有シラン化合物、またはビニル基含有シラン化合物からなるグラフト交叉剤(A)に変成されたラテックス状態のポリオルガノシロキサン(B)30〜94.9重量部の存在下に、(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン化合物からなるグラフト交叉剤(C)0.1〜10重量部を添加して反応させ、さらに分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体(D)100〜20重量%およびその他の共重合可能な単量体(E)0〜80重量%からなる単量体(F)0〜10重量部を1段以上反応させ、さらにビニル系単量体(G)5〜69.9重量部((B)、(C)、(F)、(G)合わせて100重量部)を1段以上重合して得られるポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
  3. グラフト交叉剤(C)の反応温度が20〜60℃である請求項1〜2の何れかに記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
  4. グラフト交叉剤(A)が0.1〜10重量部である請求項1〜3の何れかに記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体と熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物。
JP2006512779A 2004-04-28 2005-04-25 グラフト共重合体及びそれを含有する樹脂組成物 Expired - Fee Related JP5064026B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006512779A JP5064026B2 (ja) 2004-04-28 2005-04-25 グラフト共重合体及びそれを含有する樹脂組成物

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004132794 2004-04-28
JP2004132794 2004-04-28
JP2006512779A JP5064026B2 (ja) 2004-04-28 2005-04-25 グラフト共重合体及びそれを含有する樹脂組成物
PCT/JP2005/007841 WO2005105876A1 (ja) 2004-04-28 2005-04-25 グラフト共重合体及びそれを含有する樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005105876A1 JPWO2005105876A1 (ja) 2008-03-13
JP5064026B2 true JP5064026B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=35241642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006512779A Expired - Fee Related JP5064026B2 (ja) 2004-04-28 2005-04-25 グラフト共重合体及びそれを含有する樹脂組成物

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20070225439A1 (ja)
EP (1) EP1757630A1 (ja)
JP (1) JP5064026B2 (ja)
KR (1) KR20070015397A (ja)
CN (1) CN1950411A (ja)
TW (1) TW200615285A (ja)
WO (1) WO2005105876A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5189323B2 (ja) * 2007-07-11 2013-04-24 出光興産株式会社 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品
US8497323B2 (en) * 2008-08-29 2013-07-30 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Powder of vinyl polymer containing silicone polymer and method for producing the same, resin composition, and shaped article
JP5324885B2 (ja) * 2008-10-29 2013-10-23 三菱レイヨン株式会社 水性被覆材用樹脂分散液及びその製造方法、並びに水性被覆材

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10310616A (ja) * 1997-05-12 1998-11-24 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd シリコーン変性アクリルゴム粒子、シリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JPH10316724A (ja) * 1997-05-21 1998-12-02 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd シリコーン変性アクリルゴム粒子、シリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JP2004137374A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水性被覆組成物
JP2005187765A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Clariant Polymer Kk アクリルシリコーン樹脂エマルジョン組成物およびその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2651447B2 (ja) * 1988-04-29 1997-09-10 日本合成ゴム株式会社 ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂組成物
JP3357438B2 (ja) * 1993-11-15 2002-12-16 ジェイエスアール株式会社 ポリオルガノシロキサン系熱可塑性樹脂
US20040162399A1 (en) * 2003-02-14 2004-08-19 Reddy Poreddy Narsi Silicone-acrylate impact modifier

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10310616A (ja) * 1997-05-12 1998-11-24 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd シリコーン変性アクリルゴム粒子、シリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JPH10316724A (ja) * 1997-05-21 1998-12-02 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd シリコーン変性アクリルゴム粒子、シリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JP2004137374A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水性被覆組成物
JP2005187765A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Clariant Polymer Kk アクリルシリコーン樹脂エマルジョン組成物およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN1950411A (zh) 2007-04-18
WO2005105876A1 (ja) 2005-11-10
EP1757630A1 (en) 2007-02-28
JPWO2005105876A1 (ja) 2008-03-13
US20070225439A1 (en) 2007-09-27
KR20070015397A (ko) 2007-02-02
TW200615285A (en) 2006-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5546384B2 (ja) ポリオルガノシロキサン含有グラフト共重合体、それを含有する樹脂組成物およびポリオルガノシロキサンエマルジョンの製造方法
KR100989305B1 (ko) 그라프트 공중합체 및 이를 함유하는 내충격성 및 난연성수지 조성물
JP5344791B2 (ja) グラフト共重合体、該共重合体からなる難燃剤及び該難燃剤を配合した樹脂組成物
US6822045B2 (en) Rubber-modified resin and thermoplastic resin composition containing the same
JP3884661B2 (ja) グラフト共重合体及びそれを含有する難燃性樹脂組成物
WO2005087866A1 (ja) オルガノポリシロキサン含有グラフト共重合体組成物
JP3942826B2 (ja) 熱可塑性樹脂用難燃剤および難燃性樹脂組成物
JP5064026B2 (ja) グラフト共重合体及びそれを含有する樹脂組成物
JP2003012910A (ja) ポリカーボネート系難燃性樹脂組成物
JP3914025B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP4664528B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3871962B2 (ja) グラフト共重合体及びそれを含有する耐衝撃性、難燃性樹脂組成物
JPWO2006051667A1 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2005314587A (ja) グラフト共重合体、該共重合体からなる難燃剤及び該難燃剤を配合してなる樹脂組成物
KR20070031283A (ko) 그래프트 공중합체, 그 공중합체로 이루어지는 난연제 및그 난연제를 배합한 수지 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080227

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5064026

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees