JP2002327027A - ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性樹脂およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物

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JP2002327027A
JP2002327027A JP2001135053A JP2001135053A JP2002327027A JP 2002327027 A JP2002327027 A JP 2002327027A JP 2001135053 A JP2001135053 A JP 2001135053A JP 2001135053 A JP2001135053 A JP 2001135053A JP 2002327027 A JP2002327027 A JP 2002327027A
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monomer
resin
thermoplastic resin
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JP2001135053A
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Akio Sato
彰雄 佐藤
Nobuo Miyatake
信雄 宮武
Toshio Mizuta
利雄 水田
Mitsuo Sumiya
光雄 角谷
Akira Takagi
彰 高木
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F265/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00
    • C08F265/04Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00 on to polymers of esters

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性に優れたゴム変性樹脂および耐衝撃
性に優れた熱可塑性樹脂組成物を与える。 【解決手段】 アクリル系中空ゴム粒子の存在下に芳香
族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、ハロゲン化ビ
ニル単量体、(メタ)アクリル酸単量体あるいは(メ
タ)アクリル酸エステル単量体などのビニル系単量体を
重合させ、その重合中に重合体粒子を凝集肥大化させて
ゴム変性樹脂を得る。さらに得られたゴム変性樹脂を熱
可塑性樹脂に耐衝撃性改質剤として配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム変性樹脂およ
び耐衝撃性にすぐれた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ブタジエンゴムにメタクリル酸メチルや
スチレンをグラフト重合したMBS樹脂は熱可塑性樹脂
の耐衝撃性を改良させるために広く用いられている。し
かしMBS樹脂は、ブタジエンゴムを使用しているため
に耐候性が悪いという欠点をもつ。このため、例えば特
公昭51−28117号公報にはアクリル系ゴム、とく
にアクリル酸ブチルゴムをゴム成分として利用すること
が提案されている。またそのような樹脂が実際に使用さ
れている。しかし、アクリル酸ブチルゴムは耐候性の点
では十分であるが、耐衝撃性改良効果が不十分という欠
点をもつ。そこで、ガラス転移温度(Tg)のより低い
ゴム成分を併用することがいくつか提案されている。た
とえば、特開平4−100812号公報には、アクリル
酸ブチルゴムとよりTgの低いシリコーンゴムとを複合
させたゴムを用いることが提案されている。特開平8−
100095号公報および特開2000−26552号
公報には、アクリル酸ブチルと側鎖のアルキル成分が長
く、よりTgの低い重合体を与えるアクリル系単量体を
併用して耐衝撃性改良効果の向上をはかることが提案さ
れている。
【0003】また、低いTgのゴム成分を併用せずに、
製造法を工夫することにより、耐衝撃性改良効果をはか
る試みもなされている。たとえば、特開平5−2522
7号公報には、ゴム粒子に少量のビニル系単量体をグラ
フト重合し、その後、重合体粒子を凝集肥大させ、さら
にビニル系単量体をグラフト重合することで耐衝撃性改
良効果の向上をはかることが提案されている。
【0004】しかしながら、特開平4−100812号
公報、特開平8−100095号公報および特開200
0−26552号公報に記載の技術では、耐衝撃性が向
上するが、新たな原料を使用することに伴う原料費の上
昇に見合う特性の向上が見られない。
【0005】また、特開平5−25227号公報の技術
は、該公報の実施例にも、従来のゴム粒子を肥大した、
肥大化ゴムにビニル系単量体をグラフト重合したものよ
りも、衝撃強度が劣る結果が示されており、原料費の上
昇などはないが、耐衝撃性改良効果の向上が見られな
い。これら課題を解決すべく、特開平10−31071
4にはゴムの耐衝撃性改良能力を高めるためにゴムを中
空化して該ゴムにビニル系単量体をグラフトしたグラフ
ト共重合体を用いることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−310714の技術は従来の技術に比べて、確か
に耐衝撃性改良効果−コストのバランスに優れたもので
あるが、更に耐衝撃性改良効果の向上が望まれており、
耐衝撃性改良効果−コストバランスのより優れた技術の
開発が課題であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
に対して鋭意検討を重ねた結果、アクリル系中空ゴム粒
子の存在下にビニル系単量体を重合させ、該重合中に、
重合体粒子を凝集肥大化させることにより、新規なゴム
変性樹脂を製造しうること、および該ゴム変性樹脂を熱
可塑性樹脂に配合することにより耐衝撃性が極めて良好
な熱可塑性樹脂組成物が得られることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、アクリル系中空ゴム
粒子の存在下にビニル系単量体を重合させ、該重合中に
重合体粒子を凝集肥大化させて得られるゴム変性樹脂
(請求項1)、アクリル系中空ゴム粒子40〜98部
(重量部を表す。以下同様)(固形分)の存在下にビニ
ル系単量体2〜60部(合計100部)を重合させてな
る請求項1記載のゴム変性樹脂(請求項2)、アクリル
系中空ゴム粒子が、ラテックス状である請求項1または
2記載のゴム変性樹脂(請求項3)。ビニル系単量体
が、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、ハロ
ゲン化ビニル単量体、(メタ)アクリル酸および(メ
タ)アクリル酸エステル単量体よりなる群から選ばれた
少なくとも1種の単量体である請求項1、2または3記
載のゴム変性樹脂(請求項4)、請求項1、2、3また
は4記載のゴム変性樹脂0.1〜150部と熱可塑性樹
脂100部とからなる熱可塑性樹脂組成物(請求項5)
および前記熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル、塩素化ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−N−フェ
ニルマレイミド共重合体、α−メチルスチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル−スチレン共重合体、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリエステル、 ABS樹脂、AAS樹
脂、AES樹脂、またはポリフェニレンエーテルであ
る、請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物。(請求項6)
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のゴム変性樹脂は、アクリ
ル系中空ゴム粒子の存在下にビニル系単量体を重合さ
せ、その重合中に、重合体粒子を凝集肥大化させたもの
である。凝集肥大はグラフト重合の途中に一気に凝集肥
大してもよく、またグラフト重合の進行とともに少しず
つ凝集肥大してもよい。
【0010】本発明のゴム変性樹脂は、耐衝撃性改良剤
として用いた場合、本発明のビニル系単量体を重合する
途中に凝集肥大させずにえられたゴム変性樹脂よりも、
耐衝撃性改良効果に優れるという特徴を有する。
【0011】本発明におけるアクリル系中空ゴムとは、
ゴムを構成する単位中において(メタ)アクリル系単量
体単位の割合が50%(重量%を表す。以下同様)以
上、さらには60%以上であり、かつゴムのTgが0℃
以下のものである。また、中空ゴム粒子とは旧来のゴム
粒子が粒子全体をゴム成分で形成されているのとは異な
り、ゴム粒子の内部にゴム成分非充填部を有するもので
ある。
【0012】中空ゴム粒子は乳化重合法で中空ゴムラテ
ックスとして製造することが粒子径の制御や製造の容易
性から好ましい。中空ゴム粒子を合成する乳化重合法は
いくつかある。例えば、(a)W/O/W(O:親油
性、W:親水性)エマルジョンを合成し、O層のモノマ
ーを重合させる方法、(b)膨潤性のコアを有するコア
・シェル粒子をシェル層のTg(ガラス転移温度)以上
の温度で膨潤させて中空化する方法、(c)溶解度パラ
メータの異なるポリマーの二段重合による方法、(d)
架橋性モノマーと親水性モノマーを含む重合性モノマー
と油性物質を水中で微分散させてO/Wエマルジョンを
つくり、モノマーを重合して油性物質を除去する方法、
(e)粒子中に共重合されているカルボン酸の酸、アル
カリ条件下における粒子中での移動を利用する方法等が
知られている(「合成ラテックスの応用」杉村孝明ら
頁285)。
【0013】本発明のアクリル系中空ゴム粒子はいずれ
の方法で製造してもよく特に方法には制限がない。
【0014】前記中空ゴム粒子を合成する乳化重合にお
いて、先に予めシード重合体を合成し、その後このシー
ド重合体の存在下に主要部のゴム成分を重合させて中空
ゴム粒子を得ることができる。シード重合法を用いる場
合、シード重合体としては、特に限定はなく、たとえば
ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム、オレ
フィン系ゴムなどのゴム、アクリル酸ブチル−スチレン
共重合体、アクリル酸エチル−スチレン共重合体などの
半硬質重合体やスチレン−メチルメタクリレート共重合
体などの硬質重合体などをあげることができる。これら
の重合体は、分子量を小さくするためにt−ドデシルメ
ルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどの連鎖移動
剤を用いて重合されたものが、中空化しやすい点で好ま
しい。
【0015】本発明に用いられるアクリル系中空ゴム粒
子は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、分
子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体
およびその他の共重合可能な単量体などの単量体混合物
をラジカル重合開始剤および要すれば連鎖移動剤も用い
て前期製造方法にて重合することができる。
【0016】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
単量体とはアクリル系中空ゴムの主骨格を形成する成分
である。その具体例としては、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜1
2のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリ
ルなどの炭素数4〜12のアルキル基を有するメタクリ
ル酸アルキルエステルがあげられる。これらの単量体は
単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。これ
らのなかでは、得られる重合体のガラス転移温度の低さ
および経済性の点から、アクリル酸ブチルを40〜10
0%(重量%を表す、以下同様)、さらには60〜10
0%含むものが好ましく、また、残りの共重合成分とし
ては、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸2−エチルヘキシルなどが好ましい。
【0017】前記分子内に重合性不飽和結合を2つ以上
含む多官能性単量体は、アクリル系中空ゴム粒子に架橋
構造を導入し、ネットワーク構造を形成してゴム弾性を
発現させるとともに、後述するビニル系単量体とのグラ
フト活性点を提供するために使用される成分である。該
多官能性単量体の具体例としては、フタル酸ジアリル、
シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、メ
タクリル酸アリル、ジメタクリル酸エチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジビ
ニルベンゼンなどがあげられる。これらは単独で使用し
てもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは
架橋効率およびグラフト効率がよいという点からメタク
リル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸
トリアリル、フタル酸ジアリルが好ましい。
【0018】前記その他の共重合可能な単量体は、得ら
れるアクリル系中空ゴムの屈折率などを調整するための
単量体である。その具体例としては、たとえばメタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシルエチ
ル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル
単量体、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビ
ニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルな
どのシアン化ビニル単量体、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、トリメチルビニル
シランなどのケイ素含有ビニル単量体などがあげられ
る。これらは単独で用いてもよく2種以上を併用しても
よい。
【0019】前記アクリル系中空ゴムラテックスを製造
する場合の好ましい単量体の使用割合は、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル単量体が66.5〜99.8
%、さらには85〜99.7%、分子内に重合性不飽和
結合を2つ以上含む多官能性単量体が0.2〜10%、
さらには0.3〜5%およびその他の共重合可能な単量
体が0〜23.4%、さらには0〜14.9%であり、
これらの合計が100%となるように使用される。前記
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の使用割合
が少なすぎる場合には、ゴムとしての性質に欠け、耐衝
撃性の発現効果が低下することとなり、多すぎる場合に
は、分子内に重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性
単量体の割合が少なくなりすぎ、用いた効果が発揮でき
ず、耐衝撃性が低くなる傾向が生じる。また、分子内に
重合性不飽和結合を2つ以上含む多官能性単量体の使用
割合が少なすぎる場合、多すぎる場合、いずれも耐衝撃
性が低下する傾向がある。なお、その他の共重合可能な
単量体は、屈折率や耐衝撃性の調整などのために使用さ
れる成分であるが、使用することによる効果をうるため
には0.1%以上使用するのが好ましい。
【0020】前記アクリル系中空ゴムラテックスの乳化
重合で使用されるラジカル重合開始剤や、要すれば使用
される連鎖移動剤は通常のラジカル重合で用いられるも
のであれば特に限定されない。
【0021】ラジカル重合開始剤の具体例としては、ク
メンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレイト、ラウ
ロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、シク
ロヘキサンノンパーオキサイド、アセチルアセトンパー
オキサイドなどの有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウムなどの無機過酸化物、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などがあげら
れる。このうち、反応性の高さから有機過酸化物または
無機過酸化物が特に好ましい。
【0022】前記有機過酸化物または無機過酸化物を用
いる場合、硫酸第一鉄/グルコース/ピロリン酸ナトリ
ウム、硫酸第一鉄/デキストロース/ピロリン酸ナトリ
ウム、または硫酸第一鉄/ナトリウムホルムアルデヒド
スルホキシレート/エチレンジエアミン酢酸塩など混合
物を還元剤として併用することができる。還元剤の併用
は、重合温度を低くできることから特に好ましい。
【0023】これらのラジカル重合開始剤の使用量は、
用いられる単量体混合物100部に対して、通常、0.
005〜10部、好ましくは0.01〜5部であり、さ
らに好ましくは0.02〜2部である。
【0024】ラジカル重合開始剤の量があまりにも少な
い場合、重合速度が低くなり、生産効率が悪くなる傾向
にあり、また、あまりにも多い場合には、得られる重合
体の分子量が低下し、耐衝撃性が低くなる傾向にある。
【0025】連鎖移動剤の具体例としては、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テト
ラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンなど
があげられる。
【0026】連鎖移動剤は任意成分であるが、使用する
場合の使用量は、耐衝撃性の発現の点から単量体混合物
100部に対して0.001〜5部であることが好まし
いまた前記乳化重合を行う際に用いられる乳化剤は、ア
ルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、アルキルスルホン酸、アルキルスルホン
酸ナトリウム、(ジ)アルキルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルスルホ
ン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、オレイン酸
カリウム、オレイン酸ナトリウム、ロジン酸カリウム、
ロジン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどを使用でき
る。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0027】中空ゴム粒子の空隙はゴムラテックスをエ
ポキシ樹脂で包埋した後、四酸化ルテニウムなどで染色
してTEM観察で確認ができる。またマイクロトラック
UPAなどによりゴムラテックスの粒子径を正確に求め
た後、同じゴムラテックスの光散乱強度を測定すること
によって空隙率(ゴム粒子中の平均空隙体積/ゴム粒子
の平均体積(%))を算出することができる。ラテック
ス状態での中空ゴムの空隙率は成型体の耐衝撃性改良効
果の点から3〜90%、好ましくは10〜60%であ
る。空隙率が小さすぎても、大きすぎても、いずれも耐
衝撃性の改良効果が小さくなる傾向がある。
【0028】アクリル系中空ゴムラテックスとしては、
通常、固形分(120℃、1時間の乾燥後測定)濃度1
0〜50%のものが使用され、20〜40%のものが後
述する肥大化操作で、粒子径が制御し易いという点から
好ましい。
【0029】アクリル系中空ゴム粒子の大きさとして
は、平均粒子径10〜200nm、さらには20〜15
0nmであるのが、後述する肥大化操作によって肥大化
させやすい点から好ましい。
【0030】前記アクリル系中空ゴムラテックスの存在
下にビニル系単量体を重合させ、その重合中に凝集肥大
化させることにより、本発明のゴム変性樹脂がえられ
る。
【0031】前記ゴム変性樹脂は、アクリル系中空ゴム
粒子にビニル系単量体がグラフト重合したグラフト共重
合体粒子が凝集肥大化した粒子を含有した樹脂粒子から
なり、該樹脂粒子の平均粒子径としては100nm以
上、さらには120nm以上のものが好ましく、また1
000nm以下、さらには800nm以下のものが好ま
しい。100nm未満のばあい、および1000nmを
こえるばあいは、いずれも耐衝撃性が低下する傾向にあ
る。
【0032】前記凝集肥大化は、たとえばアクリル系中
空ゴムラテックスの存在下にビニル系単量体を重合する
工程の前または工程の途中で、ラテックスに硫酸ナトリ
ウムなどの無機塩、塩酸などの無機酸、酢酸などの有機
酸、特開昭50−25655公報、特開平8−1270
3号公報、特開平8−12704号公報などに記載され
た不飽和酸単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル単量体などとの共重合によってえられる非架橋の酸基
含有共重合体ラテックスなどを添加するなどの方法によ
り行なうことができる。とくに、無機塩を用いることが
凝集肥大化終了後に系のpHを調整する手間が省けるこ
とから好ましい。
【0033】前記無機塩、無機酸、有機酸を使用する場
合、その使用量はアクリル系中空ゴムラテックス100
部(固形分)に対して、0.1〜5部、さらには0.2
〜4部、とくには0.3〜3部であることが好ましい。
使用量が少なすぎる場合、凝集肥大化しにくい傾向にあ
り、多すぎる場合には凝塊物の生成が起こりやすくなる
ため、工業的な生産に適さなくなる傾向にある。
【0034】前記酸基含有共重合体ラテックスを使用す
る場合、その使用量は混合ラテックス100部(固形
分)に対して、0.1〜10部、さらには0.2〜5部
であることが好ましい。使用量が少なすぎる場合には実
質的に凝集肥大が起こりにくくなる傾向にあり、使用量
が多すぎる場合には耐衝撃性が低下するなど好ましくな
い現象が生じやすくなる。
【0035】前記凝集肥大化するために、無機塩、無機
酸、有機酸または酸基含有共重合体ラテックスを添加す
る時期は、前記ビニル系単量体を重合する工程中に凝集
肥大化が起こればとくに限定されないが、重合前ないし
重合に使用するビニル系単量体の90%が重合するま
で、さらには重合に使用するビニル系単量体の10%以
上が重合した時点ないし重合に使用するビニル系単量体
の70%が重合するまで、とくには重合に使用するビニ
ル系単量体の10%以上が重合した時点ないし重合に使
用するビニル系単量体の50%が重合するまでであるこ
とが、耐衝撃性の発現という点で好ましい。
【0036】凝集肥大化の処理温度は、30〜90℃、
さらには40〜80℃が、凝集肥大化粒子の粒子径を制
御しやすい点で好ましい。
【0037】前記アクリル系中空ゴム粒子の存在下に重
合せしめられるビニル系単量体は、ゴム変性樹脂が熱可
塑性樹脂と配合され成形された場合に熱可塑性樹脂との
相溶性を高め、熱可塑性樹脂中にゴム変性樹脂を均一に
分散させるために使用される成分である。
【0038】前記ビニル系単量体の具体例としては、経
済的な面および効果の点から、たとえばスチレン、α−
メチルスチレン、パラメチルスチレン、ジビニルベンゼ
ンのような芳香族ビニル単量体、アクリロニトリルやメ
タクリロニトリルのようなシアン化ビニル単量体、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンのようなハ
ロゲン化ビニル系単量体、メタクリル酸単量体、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシ
エチル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタク
リル酸1,3ブチレングリコールなどのメタクリル酸エ
ステル単量体、アクリル酸単量体、アクリル酸メチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸
ヒドロキシブチルなどのアクリル酸エステル単量体など
が好ましくあげられる。これらは単独で用いてもよく2
種以上を併用してもよい。また、多段階で1種、2種以
上のビニル系単量体を重合してもよい。これらのなかで
は、凝集肥大させやすさの点から、メタクリル酸エステ
ル単量体および(または)アクリル酸エステル単量体を
50〜100%さらには70〜100%含むものが好ま
しく、またのこりの成分は上述した芳香族ビニル単量
体、シアン化ビニル単量体、ハロゲン化ビニル系単量体
などが特に好ましい。
【0039】前記ビニル系単量体の使用量は、アクリル
系中空ゴム粒子40〜98部、さらには70〜92部、
とくに85〜92部に対して、2〜60部、さらには8
〜30部、とくに8〜15部を合計量が100部になる
ように使用することが好ましい。前記ビニル系単量体の
使用量が多すぎる場合には、ゴム含有量が少なくなりす
ぎて充分な耐衝撃性が発現されなくなる傾向が生じ、少
なすぎる場合には得られるゴム変性樹脂の粉体状態が悪
くなり取り扱いが困難になる傾向がある。
【0040】前記ビニル系単量体の重合は、アクリル系
中空ゴムラテックスの存在下に乳化重合法を用いて行う
ことが好ましく、該乳化重合に使用されるラジカル重合
開始剤、要すれば用いられる連鎖移動剤、さらには要す
れば添加される乳化剤は、前記アクリル系中空ゴムラテ
ックスの製造で使用されうるものでよく、使用量の制限
も同じ制限が適用されうる。なお、ラジカル重合開始剤
については、前述したもののなかで、コハク酸パーオキ
サイド、シクロヘキサンノンパーオキサイド、アセチル
アセトンパーオキサイド、過硫酸カリウムあるいは過硫
酸アンモニウムは、アクリル系中空ゴム内部にビニル系
単量体の重合体成分が入り込みにくく、耐衝撃性に有利
なグラフト共重合体粒子を得ることができる点から好ま
しい前記乳化重合で得られたゴム変性樹脂は、ラテック
スからポリマーを分離して使用してもよく、ラテックス
のまま使用してもよい。ポリマーを分離する方法として
は、通常の方法、たとえばラテックスに塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどの金属
塩、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸などの無機酸および有機
酸を添加することによりラテックスを凝固、分離、水
洗、脱水、乾燥する方法があげられる。また、スプレー
乾燥法も使用できる。
【0041】このようにしてえられたゴム変性樹脂(ポ
リマーを分離したものまたはラテックスのままのもの)
は、熱可塑性樹脂用耐衝撃性改良剤として、各種の熱可
塑性樹脂に配合され、耐衝撃性が改善された熱可塑性樹
脂組成物がえられる。
【0042】前記熱可塑性樹脂の好ましい具体例として
は、耐衝撃性が発現しやすい点から、ポリ塩化ビニル、
塩素化ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−
N−フェニルマレイミド共重合体、α−メチルスチレン
−アクリロニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル、 ブタジエンゴム/スチレン/アクリロニ
トリル共重合体(ABS樹脂)、アクリル系ゴム/スチ
レン/アクリロニトリル共重合体(AAS樹脂)、エチ
レン−プロピレン共重合体ゴム/スチレン/アクリロニ
トリル共重合体(AES樹脂)、ポリフェニレンエーテ
ルなどがあげられる。これら熱可塑性樹脂は耐衝撃性改
良効果が著しい。これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用
してもよく、2種以上併用してもよい。2種以上併用す
る場合の具体例としては、ポリカーボネート5〜95%
とABS樹脂またはAAS樹脂またはAES樹脂5〜9
5%とを合計量が100%になるように混合した樹脂、
ポリカーボネート5〜95%とポリエチレンテレフタレ
ートまたはポリブチレンテレフタレート5〜95%とを
合計量が100%になるように混合した樹脂があげられ
る。
【0043】熱可塑性樹脂100部に対する前記ゴム変
性樹脂の添加量は0.1〜150部であり、好ましくは
0.5〜120部が物性バランスの点から好ましい。前
記添加量が少なすぎるばあいには、熱可塑性樹脂の耐衝
撃性が充分向上せず、多すぎるばあいには、熱可塑性樹
脂の剛性や表面硬度などの特性を維持することが難しく
なる。
【0044】前記ラテックスからポリマーが分離された
ゴム変性樹脂粉末と熱可塑性樹脂との混合は、ヘンシェ
ルミキサー、リボンブレンダーなどで混合したのち、ロ
ール、押出機、ニーダーなどで熔融混練することにより
行うことができる。
【0045】このとき、通常使用される配合剤、すなわ
ち可塑剤、安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
難燃剤、顔料、ガラス繊維、充填剤、高分子加工助剤、
高分子滑剤、滴下防止剤などを配合することができる。
たとえば、難燃剤の好ましい具体例としては、トリフェ
ニルホスフェート、縮合リン酸エステル、安定化赤リン
などのリン系化合物やフェニル基含有ポリオルガノシロ
キサン系共重合体などのシリコーン系化合物などがあげ
られ、高分子加工助剤の好ましい具体例としては、メタ
クリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体などのメタ
クリレート系(共)重合体があげられ、滴下防止剤の好
ましい具体例としては、ポリテトラフルオロエチレンな
どのフッ素系樹脂があげられる。これらの配合剤の好ま
しい使用量は、効果−コストのバランスの点から熱可塑
性樹脂100部に対して、0.1〜30部、さらには
0.2〜20部、とくには0.5〜10部である。
【0046】前記熱可塑性樹脂が乳化重合法で製造され
る場合には、該熱可塑性樹脂のラテックスとゴム変性樹
脂のラテックスとをいずれもラテックスの状態でブレン
ドしたのち、共凝固させることにより熱可塑性樹脂組成
物をうることも可能である。えられた熱可塑性樹脂組成
物の成形法としては、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形
に用いられる成形法、たとえば、射出成形法、押出成形
法、ブロー成形法、カレンダー成形法などを適用するこ
とができる。
【0047】えられた成形品は従来のアクリル系耐衝撃
改質剤を使用したものに比べて、耐衝撃性にすぐれたも
のになる。
【0048】
【実施例】つぎに本発明を実施例にもとづき具体的に説
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものでな
い。
【0049】なお、以下の実施例および比較例における
評価は、つぎの方法にしたがって行った。 [ラテックスの固形分濃度(加熱乾燥残分)および重合
転化率]反応後のラテックスのサンプルを120℃の熱
風乾燥器で1時間乾燥して固形分濃度(加熱乾燥残分)
を求めて、(固形量/仕込み単量体量)×100(%)
で算出した。 [平均粒子径]測定装置として、リード&ノースラップ
インスツルメント(LEED&NORTHRUP IN
STRUMENTS)社製のマイクロトラック UPA
を用いて、光散乱法により体積平均粒子径(nm)を測
定した。 [アイゾット衝撃強度]ASTM D−256に準じ
て、23℃または−30℃でノッチつき1/4インチバ
ーを用いて測定した。
【0050】実施例1 撹拌機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量体追加口、温
度計を備えた5口フラスコに、純水200部、オレイン
酸ナトリウム32部を一括して仕込んだ。
【0051】系を撹拌しながらチッ素気流下に60℃ま
で昇温させ、60℃到達後、アクリル酸ブチル(BA)
8部、スチレン(St)2部、t−ドデシルメルカプタ
ン(t−DM)3部からなる混合物を一括添加して、そ
ののちパラメンタンハイドロパーオキサイド0.010
4部を添加して60℃で1時間撹拌をつづけた。そのの
ち、BA72部、St18部、t−DM27部、および
パラメンタンハイドロパーオキサイド0.0936部を
からなる混合物を3時間かけて滴下し、滴下後2時間撹
拌をして重合を終了し、シード重合体ラテックス(S−
1)をえた。重合転化率は95%であった。えられたラ
テックスは、固形分濃度28%、平均粒子径18nmで
あった。
【0052】撹拌機、還流冷却器、チッ素吹込口、単量
体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、純水20
7.3部およびシード重合体ラテックス(S−1)2部
(固形分)、3%過硫酸カリウム(KPS)水溶液0.
39部(固形分)を一括して仕込んだ後、系を撹拌しな
がらチッ素気流下に50℃まで昇温した。ついで、BA
83部、メタクリル酸アリル(AlMA)0.415
部、5%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液0.6部(固形
分)、水54部からなる混合物ホモジナイザーにより微
分散した後5.5時間かけて滴下した。滴下終了後、3
%KPS水溶液0.049部(固形分)を加えさらに3
時間撹拌し、アクリル系中空ゴムラテックスを得た。ゴ
ム粒径およびゴムの空隙率を表1に示す。
【0053】次に系を45℃に下げた後、5%ラウリル
硫酸ナトリウム水溶液0.15部(固形分)、2.5%
炭酸ナトリウム水溶液0.125部(固形分)、硫酸第
一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム0.005部、ホルムアルデ
ヒトスルホキシル酸ナトリウム0.2部を追加した。そ
の後メタクリル酸メチル(MMA)14部、BA1部、
クメンヒドロパーオキサイド0.012部からなる混合
物を1時間かけて滴下した。但し、1.5部滴下したと
ころで、凝集肥大化のため硫酸ナトリウム(SS)を
1.1部添加した。滴下終了後1時間の後重合の後ゴム
変性樹脂のラテックス得た。
【0054】つぎに、えられたラテックスを純水で固形
分が15%になるように希釈した後、30%塩化カルシ
ウム水溶液(固形分)2部を加えて凝固させ、凝固スラ
リーを得た。得られた凝固スラリーを攪拌しながら液温
度を50℃に上げて、パルミチン酸カリウムを固形分で
1部添加する。更に液の温度を80℃に上げて熱処理を
行った後冷却し、脱水して乾燥を行い、ゴム変性樹脂
(I)のそれぞれの粉末を得た。
【0055】重合度800の塩化ビニル樹脂100部に
ゴム変性樹脂(I)8.0部、オクチルスズメルカプタ
イド3.0部、ステアリルアルコール1.0部、ステア
リン酸アミド0.5部、モンタン酸ジオールエステル
0.5部、酸化チタン0.5部、高分子加工助剤(鐘淵
化学工業株式会社製:カネエースPA20)1.0部と
をブレンドし、50mm単軸押出機(田辺プラスチック
機械株式会社製:VS50−26型)で溶融混錬しペレ
ットを製造した。えられたペレットをシリンダー温度1
95℃に設定した射出成形機(東芝製:IS−170
G)を用いて1/4インチアイゾット試験片を作製し
た。アイゾット試験結果を表1に示す。
【0056】比較例1〜3 シード重合体ラテックス(S−2、3)の製造 実施例1において、t−DMおよびオレイン酸ナトリウ
ムの量を表1に示す量に従い使用するほかは、実施例1
と同様にしてシード重合体ラテックス(S−2、3)を
得た。平均粒子径の測定結果を表1に示す。
【0057】ゴム変性樹脂(I’)(II’)(III’) 実施例1において、凝集肥大のための硫酸ナトリウムを
添加しないほかは実施例1と同様にしてシード重合体ラ
テックス(S−1,2)を用いて凝集肥大化しないゴム
変性樹脂(I’)(II’)を得た。
【0058】また、実施例1と同様にしてシード重合体
ラテックス(S−3)を用いて凝集肥大化したゴム変性
樹脂(III’)を得た。
【0059】さらに、ゴム変性樹脂(I)の代わりにゴ
ム変性樹脂(I’)〜(III’)を用いたほかは実施例
1と同様にしてアイゾット試験をした。結果を表1に示
す。
【0060】
【表1】 表1に示された結果から、本発明のゴム変性樹脂を塩化
ビニル樹脂の耐衝撃性改良剤として用いた場合に高い耐
衝撃性改良効果が発現されることがわかる。
【0061】実施例2 ポリカーボネート樹脂(日本ジーイープラスチック株式
会社製レキサン121)70部、ABS樹脂(三井化学
株式会社製サンタックAT05)30部、実施例1でえ
られたゴム変性樹脂(I)を5部、フェノール系安定剤
(ゼネカ製トパノールCA)0.3部、リン系安定剤
(旭電化工業株式会社製アデカスタブPEP36)0.
3部を配合し、40mm単軸押出機(田畑機械株式会社
製HW−40−28)で溶融混錬してペレットを得た。
得られたペレットを110℃にて5時間以上乾燥後、シ
リンダー温度260℃に設定した射出成形機(株式会社
ファナック製FAS100B )で1/4インチアイゾ
ット試験片を作製して、アイゾット試験をした。結果を
表4に示す。
【0062】比較例4 実施例2において、ゴム変性樹脂(I)を用いないほか
は実施例2と同様にしてアイゾット試験をした。結果を
表2に示す。
【0063】
【表2】 表2の結果から、本発明のゴム変性樹脂はポリカーボネ
ート/ABS混合樹脂も耐衝撃性の改良が可能なことが
わかる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、アクリル系中空ゴム粒
子の存在下にビニル系単量体を重合し、その重合中に重
合体粒子を凝集肥大化させて得られるゴム変性樹脂は、
熱可塑性樹脂用耐衝撃性改良剤に利用できる。また、該
ゴム変性樹脂と熱可塑性樹脂との配合物からなる熱可塑
性樹脂組成物は耐衝撃性にすぐれたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角谷 光雄 兵庫県高砂市高砂町宮前町1−8鐘淵化学 工業株式会社高砂工業所内 (72)発明者 高木 彰 兵庫県高砂市高砂町宮前町1−8鐘淵化学 工業株式会社高砂工業所内 Fターム(参考) 4J002 AA00X BC03X BC06X BC08X BD03X BD18X BG06X BN07X BN12W BN13X BN15X CF00X CG00X CH07X CL00X 4J011 PA69 PB07 PB08 PB40 PC02 4J026 AA45 AC35 AC36 BA04 BA09 BA27 BA31 DA04 GA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系中空ゴム粒子の存在下にビニ
    ル系単量体を重合させ、該重合中に重合体粒子を凝集肥
    大化させて得られるゴム変性樹脂。
  2. 【請求項2】 アクリル系中空ゴム粒子40〜98重量
    部(固形分)の存在下にビニル系単量体2〜60重量部
    (合計100重量部)を重合させてなる請求項1記載の
    ゴム変性樹脂。
  3. 【請求項3】 アクリル系中空ゴム粒子が、ラテックス
    状である請求項1、または2記載のゴム変性樹脂。
  4. 【請求項4】 ビニル系単量体が、芳香族ビニル単量
    体、シアン化ビニル単量体、ハロゲン化ビニル単量体、
    (メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル
    単量体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の単量体
    である請求項1、2または3記載のゴム変性樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載のゴム変
    性樹脂0.1〜150重量部と熱可塑性樹脂100重量
    部とからなる熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂が、ポリ塩化ビニル、塩素
    化ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−アクリロ
    ニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−N−
    フェニルマレイミド共重合体、α−メチルスチレン−ア
    クリロニトリル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メ
    タクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリカーボネー
    ト、ポリアミド、ポリエステル、 ABS樹脂、AAS
    樹脂、AES樹脂、またはポリフェニレンエーテルであ
    る、請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物。
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