JP5646921B2 - アクリル系ゴム強化熱可塑性樹脂及びその製造方法 - Google Patents
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Description
第2重合工程:(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物(n1)50〜99.99質量%と、分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和化合物(n2)0.01〜5質量%と、上記成分(n1)及び上記成分(n2)と共重合可能な他の化合物(n3)0〜49.99質量%〔但し、上記成分(n1)、上記成分(n2)及び上記成分(n3)の合計は100質量%である。〕とからなる単量体(II)を重合する工程。
ただし、上記単量体(I)の使用量は、上記単量体(I)と上記単量体(II)の合計100質量部に対し、1〜50質量部である。
尚、本明細書において、「(共)重合」とは、単独重合及び/又は共重合を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
本発明においてアクリル系ゴム質重合体(a)を製造するための上記第1重合工程は、乳化剤としてスルホン酸系界面活性剤及び/又は硫酸エステル系界面活性剤(b)の存在下に、水性媒体中で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物(m1)と、分子内に炭素−炭素二重結合を1個有する極性基含有不飽和化合物(m2)と、所望により上記成分(m1)及び上記成分(m2)と共重合可能な他の化合物(m3)とからなる単量体(I)を乳化重合する工程である。重合に際しては、必要に応じて、重合開始剤、分子量調節剤、電解質等を使用することができる。尚、乳化重合の具体的方法は、公知の方法に準拠することができる。
上記化合物以外にも、上記成分(m3)としては、例えば、アクリルアマイド、メタクリルアマイド、塩化ビニリデン、アルキル基の炭素数が1〜6のアルキルビニルエーテル等が挙げられる。これらの単量体は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ただし、上記成分(m3)は、後述する分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和化合物(n2)を除く。
第1重合工程の乳化剤として上記スルホン酸系界面活性剤及び/又は硫酸エステル系界面活性剤(b)以外を用いた場合、アクリル系ゴム質重合体(a)の重合様態が劣る。
上記スルホン酸系界面活性剤としては、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。また、硫酸エステル系界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。これらのうち、アルカンスルホン酸塩及びアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。また、これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分子量調節剤の使用量は、上記単量体(I)と上記単量体(II)の合計を100質量部とした場合、通常、0〜3質量部、好ましくは0〜1質量部である。上記分子量調節剤の使用量が3質量部を超えると、成形品の衝撃強度が不十分になる可能性がある。
また、上記分子量調節剤の添加方法としては、例えば、全量一括仕込み、または一部を添加した後、その残りを連続的若しくは断続的に添加する方法、重合の初めから連続的に添加する方法を採用することができる。
上記電解質の使用量は、上記単量体(I)と上記単量体(II)の合計を100質量部とした場合、通常、0.01〜1.25質量部、好ましくは0.03〜1.0質量部、より好ましくは0.05〜0.75質量部である。上記電解質の使用量が0.01質量部未満の場合、ゴムの重合状態が不十分になる可能性がある。一方、電解質の使用量が1.25質量部を超えると、ゴムの重合状態が不十分になる可能性がある。
また、上記電解質の添加方法としては、例えば、全量一括仕込み、または一部を添加した後、その残りを連続的若しくは断続的に添加する方法、重合の初めから連続的に添加する方法を採用することができる。
次に、上記第2重合工程において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物(n1)と、分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和化合物(n2)と、所望により上記成分(n1)及び上記成分(n2)と共重合可能な他の化合物(n3)とからなる単量体(II)を重合する。
この第2重合工程は、上記第1重合工程で得られたアクリル系ゴム質重合体ラテックスの存在下に、上記単量体(II)を重合させることにより行うことができる。
ただし、上記成分(n3)は、分子内に炭素−炭素二重結合を1個有する極性基含有不飽和化合物(m2)を除く。
上記第2重合工程を第1重合工程と同じ反応系において進める場合は、第1重合工程で得られた重合反応液に上記単量体(II)を上記の要領で添加して重合を行えばよく、水性媒体、スルホン酸系界面活性剤及び/又は硫酸エステル系界面活性剤等を新たに添加する必要はない。
上記第2重合工程を、別途、新たな反応系を構築して進める場合は、上記第1重合工程で得られたアクリル系ゴム質重合体ラテックスを水性媒体に懸濁させ、スルホン酸系界面活性剤及び/又は硫酸エステル系界面活性剤(b)を添加して反応系を構築した後、上記単量体(II)を上記の要領で添加して重合を行えばよい。この場合、水や成分(b)の添加量は、上記第1重合工程における場合と同様であり、また、必要に応じて、重合開始剤、分子量調節剤、電解質等を上記第1重合工程における場合と同様に添加することができる。
尚、上記ゲル含量は、以下の方法により求めることができる。まず、アクリル系ゴム質重合体(a)の1グラムをトルエン20mlに投入し、攪拌機を用い、1,000rpmで2時間攪拌する。その後、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で1時間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分を秤量(質量をW1グラムとする。)し、下記式により算出する。
ゲル含量(質量%)=〔W1(g)/1(g)〕×100
尚、ゲル含量は、ゴム質重合体の製造時に、使用する単量体成分の種類及び量、分子量調節剤の種類及び量、重合時間、重合温度、重合転化率等を適宜選択することにより調整される。
かくして得られたアクリル系ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を含有するビニル系単量体をグラフト重合することにより、アクリル系ゴム強化熱可塑性樹脂を製造することができる。
芳香族ビニル化合物を用いることで、本発明のゴム強化熱可塑性樹脂の加工性を向上させることができ、シアン化ビニル単量体を用いることで耐薬品性、耐衝撃性及び極性を有する重合体との相溶性等を向上させることができる。芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物としては、アクリル系ゴム質重合体(a)の製造で用いた上記成分(m3)として例示したものと同じものを使用することができる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレンが、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリルが好ましい。
上記ビニル系単量体は、所望により、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物と共重合可能な他のビニル系単量体を含むこともできる。かかる他のビニル系単量体としては、特に限定されず、例えば、アクリル系ゴム質重合体(a)の原料として例示した(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物に加え、不飽和酸、不飽和酸無水物、マレイミド系化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸アミド、アミノ基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、及びオキサゾリン基含有不飽和化合物等が挙げられる。
尚、これらのビニル系単量体は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
グラフト率(質量%)=[(y−x中のゴム量)÷x中のゴム量]×100…(1)
尚、x中のゴム量は、重合処方及び重合転化率から計算により求めることもできるし、xをIR分析することにより求めることもできる。
本実施例において用いられる各種評価方法は、以下の通りである。
(1)重合様態
重合時のラテックスの様態については以下の基準にて表示した。
○:ラテックス中に凝集物がほとんど存在しない。
△:ラテックス中に凝集物が見られるが、その後の工程は実施可能である。
×:ラテックス中の凝集物が多量であり、その後の工程は実施不可能である。
アクリル系ゴム質重合体ラテックス中のアクリル系ゴム質重合体粒子の体積平均粒子径は、HONEYWELL社製の「マイクロトラックUPA150」を用い、室温で測定した。単位はnmである。
凝固時のスラリー(水、樹脂粉体の混合物)の様態については以下の基準にて表示した。
○:粗大粒子の形成や、凝固不十分によるスラリーの濁りがみられない。
△:粗大粒子の形成や、凝固不十分によるスラリーの濁りが多少みられる。
×:粗大粒子の形成や、凝固不十分によるスラリーの濁りが顕著にみられる。
ゴム強化樹脂の一定量(x)を、アセトニトリルに投入し、振とう機で2時間振とうし、遊離の(共)重合体を溶解させ、遠心分離器を用いてこの溶液を23,000rpmで1時間遠心分離して得た不溶分を、真空乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、不溶分(y)を得て、下記よりグラフト率を算出した。x中のゴム量は、いずれも、重合転化率が98%以上と高かったため、重合転化率を100%とみなし、重合処方から計算により求めた。
グラフト率(%)=[(y−x中のゴム量)÷x中のゴム量]×100
上記グラフト率測定において分離したアセトニトリル可溶分をメチルエチルケトンに溶解させ、濃度の異なるものを5点作った。ウベローデ粘度管を用い、30℃で各濃度の還元粘度を測定した結果から、固有粘度[η]を求めた。単位は、dl/gである。
ISO 179に準拠して測定した。荷重は2J、単位はkJ/m2である。
日精樹脂工業(株)製の電動射出成形機「エルジェクト NEX30」(商品名)を用い、80mm×55mm×2.4mmの平板状の成形品を射出成形により得た。成形品は、55mmの一方の辺の中央に4mm×1mmのサイドゲートを備え、成形時の樹脂温度は220℃、金型温度は50℃であった。得られた成形品の黄色度(YI)を、Gardner社製の分光測色計「TCS−II」にて測定した。この数値が小さいほど、表面の色相が良好である。
黄色度と同じ射出成形法により、顔料(カーボンブラック)を用いて黒色に着色した試験片を製造し、この試験片の表面外観を目視で観察した。結果判定はそれぞれ次のように表示した。
◎:漆黒性が非常に良好。フローマークが認められない。色分かれが見られない。
○:漆黒性が良好。フローマークが認められない。色分かれがほとんどない。
△:漆黒性が多少劣る。フローマークが多少認められる。色分かれが多少認められる。
×:漆黒性が劣る。フローマークが認められる。色分かれが認められる。
2−1.アクリル系ゴム質重合体ラテックスの製造
(製造例a−1)
アクリル酸n−ブチル(以下、BAと略記する。)7.8部、メタクリル酸0.2部(以下、MAAと略記する。)を混合して、単量体混合物(I)を調製した。また、BA91.7部、メタクリル酸アリル(以下、AMAと略記する。)0.3部を混合して、単量体混合物(II)を調製した。また、水99部、過硫酸カリウム(以下、KPSと略記する)1部を混合して、OXI溶液(I)を調製した。攪拌装置、原料及び助剤添加装置、温度計、加熱装置等を備えた、容量5Lのガラス製反応器に水150部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下、DBSと略記する)を1.0部、電解質として炭酸カリウム(以下、PCと略記する)0.3部、単量体混合物(I)を全量仕込み、攪拌しつつ、窒素気流下で、内温を65℃まで昇温した。65℃に達した時点で、亜ジチオン酸ナトリウム0.03部を反応器に仕込み、更に内温を75℃まで昇温した。75℃に達した時点で、OXI溶液(I)7部を反応器に仕込み、同温度で重合を開始した。重合開始から30分後、重合転化率及び生成したラテックスの体積平均粒子径を測定するとともに、単量体混合物(II)を3分の1と、OXI溶液(I) 7部を反応器に仕込んで同温度で重合した。重合開始1時間後、次いで単量体混合物(II)の3分の1と、OXI溶液(I) 7部を反応器に仕込んで同温度で重合した。さらに重合開始から1.5時間後、残り3分の1量の単量体混合部(II)と、OXI溶液(I) 7部を反応器に仕込んで、同温度でさらに1時間重合させて、重合反応を終了し、アクリル系ゴム質重合体ラテックス(a−1)を得た。得られたラテックスの体積平均粒子径は103nmであった。また、重合転化率を求めた。結果を表1に示す。
表1および表2に示した配合とした以外、アクリル系ゴム質重合体ラテックス(a−1)と同様にして、アクリル系ゴム質重合体ラテックス(a−2〜9、b−1〜12)を得た。b−3の製造で用いた脂肪酸石けんは、カルボン酸系のラウリン酸ナトリウムである。
TDM :t−ドデシルメルカプタン
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
AA :アクリル酸
(実施例1)
スチレン(以下、STと略記する。)73部、及びアクリロニトリル(以下、ANと略記する。)27部、TDM0.3部を混合して単量体混合物(VII)を調製した。製造例a−1で使用したのと同様の反応器に、上記ゴム質重合体ラテックス(a−1)を固形分換算で100部と水酸化カリウム0.2部を仕込み、攪拌しつつ、窒素気流下、60℃に昇温した。60℃に達した時点で、20部の水に、ブドウ糖0.3部とピロリン酸ナトリウム1.2部、硫酸第一鉄0.01部を溶解した水溶液(以下、RED水溶液と略記する。)のうち、85%分、及び、30部の水にt−ブチルハイドロパーオキサイド(以下、BHPと略記する。)0.4部を溶解した水溶液(以下、CAT水溶液と略記する。)のうち、30%分を反応器に仕込み、その直後に単量体混合物(VII)/CAT水溶液(残り70%)を、それぞれ4時間/4時間30分にわたって連続添加し、重合を開始した。重合開始から70℃まで昇温し、その後、反応系の温度を70℃で保持した。重合を開始して4時間後にRED水溶液の残15%分を反応器に仕込み、60分間、同温度で保持した後に重合を終了した。重合終了時の重合転化率は98%以上であった。この共重合ラテックスを凝固、水洗、乾燥し、粉末状のアクリル系ゴム強化熱可塑性樹脂を得た。凝固様態、グラフト率、固有粘度[η]の結果を表3に示す。
表3及び表4に示した配合とした以外、実施例1と同様にして、共重合ラテックスを得た。これらのグラフト共重合体ラテックスを凝固、水洗、乾燥し、粉末状のアクリル系ゴム強化熱可塑性樹脂を得た。重合終了時の重合転化率は、いずれも98%以上であった。凝固様態、グラフト率、固有粘度[η]の結果を表3及び表4に示す。
A2−1:テクノポリマー社製AS樹脂「サンレックス SAN−L」(商品名)
A2−2:テクノポリマー社製AS樹脂「サンレックス SAN−C」(商品名)
A2−3:テクノポリマー社製AS樹脂「サンレックス SAN−H」(商品名)
B−1:チバ・ジャパン社製酸化防止剤 オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート 「イルガノックス1076」(商品名)
B−2:チバ・ジャパン社製耐光安定剤 2−〔2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール 「チヌビン234」(商品名)
B−3:チバ・ジャパン社製光安定剤 N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物 「キマソーブ 119FL」(商品名)
C−1:堺化学社製ステアリン酸カルシウム 「SC−100」(商品名)
C−2:三菱化学製カーボンブラック 「RCF−#45」(商品名)
表3から、本発明のアクリル系ゴム質重合体を用いた実施例1〜9のゴム強化熱可塑性樹脂は耐衝撃性と成形品の外観に優れていることがわかった。
これに対し、表4から以下のことがわかる。
比較例1は、アクリル系ゴム質重合体の重合に乳化剤を使用しなかった例であり、ゴムの重合様態が悪く、ゴム粒子径も大きく、その後の評価に供し得なかった。
比較例2は、アクリル系ゴム質重合体の重合に使用した乳化剤の量が多すぎる例であり、ゴム粒子径が小さく、ゴム強化熱可塑性樹脂の成形品の黄色度が高く、衝撃強度、表面外観も悪かった。
比較例3は、本発明とは異なる乳化剤を使用した例であり、ゴムの重合様態が悪く、ゴム粒子径も大きく、その後の評価に供し得なかった。
比較例4は、第1重合工程で、分子内に炭素−炭素二重結合を1個有する極性基含有不飽和化合物を用いる代わりに、分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和化合物を用いた例であり、ゴム粒子径が小さく、ゴム強化熱可塑性樹脂の成形品の黄色度が高く、衝撃強度、表面外観も悪かった。
比較例5は、第1重合工程で、分子内に炭素−炭素二重結合を1個有する極性基含有不飽和化合物を用いなかった例であり、ゴムの重合様態が悪く、その後の評価に供し得なかった。
比較例6は、第1重合工程で、分子内に炭素−炭素二重結合を1個有する極性基含有不飽和化合物の添加量が多すぎる例であり、ゴム強化熱可塑性樹脂の成形品の黄色度が高く、衝撃強度、表面外観も悪かった。
比較例7は、第2重合工程で、分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和化合物の配合量が多すぎる例であり、ゴム強化熱可塑性樹脂の成形品の黄色度が高く、衝撃強度、表面外観も悪かった。
比較例8は、第2重合工程で、分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和化合物を用いなかった例であり、ゴム強化熱可塑性樹脂の成形品の黄色度が高く、衝撃強度、表面外観も悪かった。
比較例9は、1段重合で製造したアクリル系ゴム質重合体を用いた例であり、ゴム強化熱可塑性樹脂の成形品の黄色度が高く、衝撃強度、表面外観も悪かった。
比較例10は、第2重合工程で用いる単量体(II)の量に対する第1重合工程で用いる単量体(I)の量の比が高すぎる例であり、ゴム強化熱可塑性樹脂の成形品の黄色度が高く、衝撃強度、表面外観も悪かった。
比較例11は、第2重合工程で用いる単量体(II)の量に対する第1重合工程で用いる単量体(I)の量の比が低すぎる例であり、ゴム強化熱可塑性樹脂の成形品の黄色度が高く、衝撃強度、表面外観も悪かった。
比較例12は、第2重合工程で、分子内に炭素−炭素二重結合を1個有する極性基含有不飽和化合物を用いた例であり、ゴム強化熱可塑性樹脂の成形品の黄色度が高く、衝撃強度、表面外観も悪かった。
Claims (4)
- アクリル系ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を含有するビニル系単量体を重合して得られるアクリル系ゴム強化熱可塑性樹脂であって、該アクリル系ゴム質重合体(a)が、水性媒体中で、下記単量体(I)と下記単量体(II)の合計100質量部に対し0.01〜4質量部のスルホン酸系界面活性剤及び/又は硫酸エステル系界面活性剤(b)の存在下に下記第1重合工程及び下記第2重合工程をこの順で行うことによって得られたものであるアクリル系ゴム強化熱可塑性樹脂。
第1重合工程:(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物(m1)50〜99.99質量%と、分子内に炭素−炭素二重結合を1個有する極性基含有不飽和化合物(m2)0.01〜20質量%と、上記成分(m1)及び上記成分(m2)と共重合可能な他の化合物(m3)0〜49.99質量%〔但し、上記成分(m1)、上記成分(m2)及び上記成分(m3)の合計は100質量%である。〕とからなる単量体(I)を重合する工程。
第2重合工程:(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物(n1)50〜99.99質量%と、分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和化合物(n2)0.01〜5質量%と、上記成分(n1)及び上記成分(n2)と共重合可能な他の化合物(n3)0〜49.99質量%〔但し、上記成分(n1)、上記成分(n2)及び上記成分(n3)の合計は100質量%である。〕とからなる単量体(II)を重合する工程。
ただし、上記単量体(I)の使用量は、上記単量体(I)と上記単量体(II)の合計100質量部に対し、1〜50質量部であり、上記極性基含有不飽和化合物(m2)は不飽和酸、不飽和酸無水物及びヒドロキシル基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である。 - 上記スルホン酸系界面活性剤及び/又は硫酸エステル系界面活性剤(b)が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである請求項1に記載のアクリル系ゴム強化熱可塑性樹脂。
- 水性媒体中で、下記単量体(I)と下記単量体(II)の合計100質量部に対し0.01〜4質量部のスルホン酸系界面活性剤及び/又は硫酸エステル系界面活性剤(b)の存在下に下記第1重合工程及び下記第2重合工程をこの順で行うことによってアクリル系ゴム質重合体(a)を得た後、該アクリル系ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を含有するビニル系単量体を重合することを特徴とする、アクリル系ゴム強化熱可塑性樹脂の製造方法。
第1重合工程:(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物(m1)50〜99.99質量%と、分子内に炭素−炭素二重結合を1個有する極性基含有不飽和化合物(m2)0.01〜20質量%と、上記成分(m1)及び上記成分(m2)と共重合可能な他の化合物(m3)0〜49.99質量%〔但し、上記成分(m1)、上記成分(m2)及び上記成分(m3)の合計は100質量%である。〕とからなる単量体(I)を重合する工程。
第2重合工程:(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物(n1)50〜99.99質量%と、分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する不飽和化合物(n2)0.01〜5質量%と、上記成分(n1)及び上記成分(n2)と共重合可能な他の化合物(n3)0〜49.99質量%〔但し、上記成分(n1)、上記成分(n2)及び上記成分(n3)の合計は100質量%である。〕とからなる単量体(II)を重合する工程。
ただし、上記単量体(I)の使用量は、上記単量体(I)と上記単量体(II)の合計100質量部に対し、1〜50質量部であり、上記極性基含有不飽和化合物(m2)は不飽和酸、不飽和酸無水物及びヒドロキシル基含有不飽和化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である。 - 上記スルホン酸系界面活性剤及び/又は硫酸エステル系界面活性剤(b)が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである請求項3に記載のアクリル系ゴム強化熱可塑性樹脂の製造方法。
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