JPH08157535A - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JPH08157535A
JPH08157535A JP6304596A JP30459694A JPH08157535A JP H08157535 A JPH08157535 A JP H08157535A JP 6304596 A JP6304596 A JP 6304596A JP 30459694 A JP30459694 A JP 30459694A JP H08157535 A JPH08157535 A JP H08157535A
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JP
Japan
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weight
copolymer
styrene
phenylmaleimide
methyl methacrylate
Prior art date
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Application number
JP6304596A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Komehana
伸晃 米花
Naoki Yokoyama
直樹 横山
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Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Daihachi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Daihachi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Daihachi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の主な目的は、ABS系樹脂、MBS系
樹脂等のゴム変性熱可塑性樹脂を主要樹脂成分とし、耐
熱性及び耐衝撃性のバランスに優れ、耐熱変色性、混練
操作性等の良好な熱可塑性樹脂組成物を提供することに
ある。 【構成】組成三角座標において、(N−フェニルマレイ
ミド65重量%、メタクリル酸メチル0重量%、スチレ
ン35重量%)、(N−フェニルマレイミド30重量
%、メタクリル酸メチル25重量%、スチレン45重量
%)及び(N−フェニルマレイミド30重量%、メタク
リル酸メチル55重量%、スチレン15重量%)の3点
を結んで形成される領域内にある配合割合のN−フェニ
ルマレイミド、メタクリル酸メチル及びスチレンを単量
体成分として用いて、共重合反応により得られるランダ
ム共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性及び耐衝撃性に優
れ、しかも加熱変色が少なく、混練操作性の良好な、熱
可塑性を有する耐熱性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン、アクリロニトリル、メタクリ
ル酸メチル等からなるビニルモノマーを用いてゴムを変
性してなる共重合体は、いわゆるABS樹脂やMBS樹
脂として広く用いられており、従来よりその製造方法及
び品質の改良について多くの研究がなされている。
【0003】例えば、これらの樹脂の耐熱性、耐衝撃性
等を改良する方法として、ジエン系ゴムにスチレン及び
アクリロニトリルをグラフト共重合させたグラフト重合
体に、アクリロニトリルとα−メチルスチレンの共重合
体を混合する方法(特公昭35−18194号公報)、
ジエン系ゴムにスチレン及びメタクリル酸メチルをグラ
フト共重合させたグラフト共重合体に、α−メチルスチ
レン、メタクリル酸メチル及びアクリロニトリルから成
る三元共重合体を混合する方法(特公昭46−3741
5号公報)等が知られている。
【0004】近年、この様な耐熱性、耐衝撃性等が改良
された樹脂組成物において、α−メチルスチレンに代え
て、マレイミド成分を導入することにより、耐熱性が著
しく向上することが注目されるに至っており、特にマレ
イミド成分として、N−フェニルマレイミドが着目さ
れ、この成分を樹脂中に導入するための検討が種々なさ
れている。
【0005】その方法としては、具体的には、まずスチ
レンと無水マレイン酸との共重合体をつくり、これをア
ニリンなどで後イミド化して、スチレンとN−フェニル
マレイミドの共重合体とする方法(USP3,998,
907)、スチレンとN−フェニルマレイミドの共重合
体をつくり、これをABS樹脂に配合する方法(特開昭
58−162616号公報)、スチレン−アクリロニト
リル−N−フェニルマレイミドの三元共重合体を製造
し、これをABS樹脂に配合する方法(特開昭57−1
67341号公報)等が知られている。
【0006】しかしながら、これらの方法のうちで、ス
チレンと無水マレイン酸との共重合体を後イミド化する
方法は、ポリマーの精製が必要なために製造工程が煩雑
となり、しかも収率が悪いという欠点がある。また、ス
チレンとN−フェニルマレイミドの共重合体をABS樹
脂に配合する方法については、N−フェニルマレイミド
とスチレンとの共重合体が交互共重合性の傾向が非常に
強く、任意の組成の共重合体を得るためには、一方の単
量体(多くの場合、マレイミド)を重合の進行とともに
逐次添加する方式の操作が必要であり、このような手法
を行わない限り、生成する重合物は、極端に言えば、交
互共重合体と単独組成重合体との混合物といった不均質
なものしか得られないことが多く、共重合組成のコント
ロールが非常に厄介であるという欠点がある。また、ス
チレンとN−フェニルマレイミドとの1/1モル比の共
重合体は、一応ABS樹脂と相溶性があると見做されて
いるが、流動性が低いために、実際の混練操作が困難で
あるという問題点もある。
【0007】また、スチレン−アクリロニトリル−N−
フェニルマレイミド三元共重合体をABS樹脂に配合す
る方法では、N−フェニルマレイミドの比率の高い単量
体組成では、不均質な組成の共重合物を生じ易く、懸濁
重合法で粒状物を得ようとしても、美麗なビーズ状重合
物を得難く、現状では、乳化重合法によって、不均質な
組成の粉状の三元共重合体が製造されているが、この場
合、アクリロニトリルの比率が相対的に高くなると、か
なり黄色に着色した重合物が生成し易く、しかも、組成
の不均質化に加えて、不純物の残留により、加熱時にか
なり黄色に着色するという欠点がある。
【0008】従って、耐熱性、耐衝撃性等の改善された
ABS樹脂系樹脂組成物として、充分に満足すべき性質
を有するものを得るには至っていないのが現状である。
【0009】一方、いわゆるMBS樹脂については、ポ
リメタクリル酸重合体を、後イミド化反応によってグル
タルイミド環を有する重合体に転換させ、これをMBS
樹脂に配合することが行なわれているが、N−フェニル
マレイミドを活用する方法については、余り検討が行な
われていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
ABS系樹脂、MBS系樹脂等のゴム変性熱可塑性樹脂
を主要樹脂成分とする熱可塑性樹脂組成物であって、耐
熱性及び耐衝撃性のバランスに優れ、しかも加熱変色が
少なく、混練操作性等の良好な熱可塑性樹脂組成物を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き従来技術の課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。
その結果、N−フェニルマレイミド、メタクリル酸メチ
ル及びスチレンからなる三種類の単量体成分を特定の割
合で用いる場合には、上述したような問題が生じること
なく、共重合組成が比較的均質で、耐熱性及び成形加工
性の点でバランスの良い性能を有するランダム共重合体
を得ることができ、特に、水性懸濁重合法により該共重
合体を得る場合には、ビーズ状の粒状体として製造する
ことができ、得られる共重合体をABS系樹脂、MBS
系樹脂等のゴム変性熱可塑性樹脂と混合した樹脂組成物
は、耐熱性及び耐衝撃性のバランスに優れ、しかも耐熱
変色性、混練操作性等の良好なものとなることを見出
し、ここに本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、組成三角座標において、
(N−フェニルマレイミド65重量%、メタクリル酸メ
チル0重量%、スチレン35重量%)、(N−フェニル
マレイミド30重量%、メタクリル酸メチル25重量
%、スチレン45重量%)及び(N−フェニルマレイミ
ド30重量%、メタクリル酸メチル55重量%、スチレ
ン15重量%)の3点を結んで形成される領域内にある
配合割合のN−フェニルマレイミド、メタクリル酸メチ
ル及びスチレンを単量体成分として用いて、共重合反応
により得られるランダム共重合体、並びに該共重合体を
ゴム変性熱可塑性樹脂に配合してなる耐熱性樹脂組成物
に係る。
【0013】本発明のランダム共重合体では、N−フェ
ニルマレイミド、メタクリル酸メチル及びスチレンから
なる3種類の単量体成分を、図1に示す組成三角座標に
おけるa点(N−フェニルマレイミド65重量%、メタ
クリル酸メチル0重量%、スチレン35重量%)、b点
(N−フェニルマレイミド30重量%、メタクリル酸メ
チル25重量%、スチレン45重量%)及びc点(N−
フェニルマレイミド30重量%、メタクリル酸メチル5
5重量%、スチレン15重量%)の3点を結んで形成さ
れる三角形の領域内にある配合比率で組み合わせて用い
ることが必要である。この様な特定の3成分を特定の配
合比率で混合して用いることによって、重合反応が円滑
に進行し、得られる共重合体は、共重合組成が比較的均
質なものとなる。この点については、単量体混合組成
と、生成共重合体の組成分析値を対比すれば、両者の差
が非常に小さいこと、また、懸濁重合法により得られる
共重合体が殆んど透明なビーズ状となることなどから明
らかである。また、該共重合体は、耐熱変色性、成形加
工性等に優れ、ABS系樹脂、MBS系樹脂等のゴム変
性熱可塑性樹脂との混練操作性が良好であり、これをゴ
ム変性熱可塑性樹脂に配合した組成物は、耐熱性及び耐
衝撃性に優れたものとなる。
【0014】本発明では、上記3種類の単量体の混合割
合は、上記した組成三角座標におけるa,b,cの3点
を結んだ範囲内とすることが必要であり、この範囲内に
おいて、3種類の単量体を組み合わせて用いることによ
って、比較的均質な共重合体を得ることが可能となると
共に、耐熱性、流動成形性、ABS樹脂との相溶性、M
BS樹脂との相溶性等のバランスの良い共重合体を得る
ことができる。
【0015】本発明のランダム共重合体の製造方法は、
特に限定はなく、例えば懸濁重合、乳化重合、塊状重
合、溶液重合等の従来公知の方法を採用すればよく、い
ずれの方法によっても比較的均質な共重合体を得ること
ができる。本発明では、特に、水性懸濁重合法により共
重合体を製造することが好ましく、この方法によれば、
共重合体をビーズ状の粒状形態で供給することが可能と
なり、通常、粉状又は粒状の形態である場合の多いAB
S樹脂、MBS樹脂等に対する混合、混練の操作性を改
善し、樹脂組成物の品質を向上させることができる。
【0016】該共重合体を得るための重合方法の具体的
な条件は、特に限定はなく、従来公知の方法を適宜採用
すればよい。水性懸濁重合法による製造方法としては、
例えば、重合触媒として、ベンゾイルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオ
キサイド等の有機過酸化物、1,1´−アゾビスシクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル、1,1´−アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物等のラジカル発生剤を
用い、分子量調整剤として、t−ドデシルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類を用い、
懸濁安定剤(分散剤)として、ヒドロキシアバタイト、
第3リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の難溶性
りん酸塩、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等の
無機化合物、ポリビニルアルコール、メチルセルロース
等の保護コロイド等を用いて公知の方法にしたがって、
重合反応を行なえばよい。その一例をあげると、例え
ば、重合触媒及び分子量調整剤をN−フェニルマレイミ
ドを除く他の単量体の一種又は二種に溶解し、その溶液
を水、懸濁安定剤及び残りの単量体の入った反応容器に
加えて重合を行なう方法、反応容器中において、重合触
媒、分子量調整剤及び懸濁安定剤を水に添加した後、単
量体を同時又は分割して添加して重合を行なう方法等を
採用できる。このような方法に於いて、重合開始剤の種
類、使用量などは特に制限はないが、通常、常圧下、1
00℃未満の温度で重合反応を行なうことが適当であ
り、70℃程度の温度から重合反応を開始し、最終的に
90℃程度まで温度を上昇させる方法が好ましく、重合
率が98%以上に達するように条件を適宜設定すればよ
い。尚、懸濁安定剤として無機物質を用いる場合には、
助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニ
オン界面活性剤を用いることが好ましい。
【0017】本発明では、特に、得られるランダム共重
合体の粒径が10〜5000μm程度、好適には100
〜1000μm程度となるように、撹拌状態などの分散
条件を調整して、水性懸濁重合法により共重合体を製造
することが好ましい。このような粒径の粒状物とするこ
とによって、上記したようにABS樹脂、MBS樹脂等
に対する混合、混練の操作性を改善することができると
共に、重合体の分離が容易となり、またポリマーの着色
度を低く押さえることもできる。
【0018】本発明のランダム共重合体の分子量は、特
に限定的ではないが、数平均分子量が5,000〜30
0,000程度の範囲にあることが適当であり、10,
000〜200,000程度の範囲にあることが好まし
い。
【0019】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記した
ランダム共重合体と、ゴム変性熱可塑性樹脂とを混合し
てなるものであり、かかる混合物とすることによって、
耐熱性及び耐衝撃性に優れ、しかも耐熱変色性、混練操
作性等の良好な熱可塑性樹脂組成物を得ることができ
る。
【0020】ゴム変性熱可塑性樹脂としては、ポリブタ
ジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合ゴム、ブタジエン−スチレン共重合ゴ
ム、ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合ゴム等のジ
エン系ゴムよりなるゴム状重合体に、芳香族ビニル系単
量体と、シアン化ビニル系単量体及び/又はこれらと共
重合可能な他のビニル系単量体とをグラフト重合してな
るグラフト共重合体等を用いることができる。これらの
単量体の内で、芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン等を例示でき、シアン化ビニル
系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等を例示でき、他のビニル系単量体としては、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体等を例示できる。ゴム状重合体と、これに
グラフト重合する単量体との割合は、特に限定的ではな
いが、通常、両成分の合計量に基づいて、ゴム状重合体
5〜75重量%程度及び単量体25〜95重量%程度と
することが好ましい。これらのゴム変性熱可塑性樹脂
は、いずれも公知のものであり、特に、ブタジエン系ゴ
ムに、スチレンとアクリロニトリル、及び必要に応じ
て、少量の他のビニル単量体をグラフト共重合してなる
ABS系樹脂、ブタジエン系ゴムにメタクリル酸メチル
とスチレンなどの単量体をグラフト共重合させてなるM
BS系樹脂を好ましく用いることができる。
【0021】これらのゴム変性熱可塑性樹脂について
は、各種の製造方法が知られており、一般に、乳化重合
法によるものが多いが、最近は、乳化−塊状、塊状−懸
濁、連続塊状重合法などのプロセスによって製造される
ものもあり、製造方法については、特に限定されない。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物では、上記し
たランダム共重合体と、ゴム変性熱可塑性樹脂との混合
割合は、特に限定的ではなく、広い範囲から選択可能で
あり、目的とする組成物の耐熱性、耐衝撃性、及び成形
性などの特性バランスを考慮して組成を決定すればよい
が、通常、ランダム共重合体/ゴム変性熱可塑性樹脂
(重量比)=99/1〜1/99程度が適当であり、9
0/10〜10/90程度が好ましい。また、全組成物
中におけるN−フェニルマレイミド含量が5〜50重量
%、ジエン系ゴム成分の含量が5〜30重量%となる範
囲で配合組成を選定することが好ましい。
【0023】本発明組成物においては、さらに必要に応
じて、安定剤、滑剤、可塑剤、染顔料、充填剤等を適宜
加えることができ、これらの各成分の種類、配合量につ
いては、従来のゴム変性熱可塑性樹脂組成物と同様とす
ればよい。
【0024】本発明組成物は、各成分を通常使用されて
いる方法によって混合することによって得ることができ
る。例えば、各成分をV型ブレンダー、ヘンシェルミキ
サーなどで混合した後、ミキシングロール、単軸スクリ
ュー型押出機、2軸スクリュー型押出機等を用いて、溶
融混合することによって得ることができる。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性及
び耐熱衝撃性に優れ、しかも加熱変色が少なく、混練操
作性が良好な組成物であり、従来のABS系樹脂、MB
S系樹脂などと同様に、自動車、OA機器、家電製品等
の各種部品の成形用樹脂として用いることができる他、
優れた耐熱性及び耐衝撃性を利用して、エンジニアプラ
スチックスとしての応用も可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明の特定の組成からなるランダム共
重合体は、N−フェニルマレイミド成分を高い割合で含
有することにより、耐熱性及び耐衝撃性に優れた性質を
有し、しかも従来のN−フェニルマレイミド成分を含有
する共重合体とは異なり、均質性が良好で、流動性、耐
黄変性等に優れたものである。
【0027】該共重合体は、ABS系樹脂、MBS系樹
脂などのゴム変性熱可塑性樹脂に対して、容易に均一に
混練配合することができ、耐熱性、耐衝撃性、引張強
度、流動性等のバランスに優れた熱可塑性樹脂組成物と
することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0029】実施例1[共重合体(a)の水性懸濁重合
による製造] 容量10リットルの反応器に、水5kg、懸濁安定剤と
して第3リン酸カルシウム15g、及びドデシルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ0.75gを添加し、混合撹拌し、
更に、これにラウロイルパーオキサイド3g、及びt−
ドデシルメルカプタン5gを追加した。
【0030】次いで、上記混合物に、N−フェニルマレ
イミド1.5kg(50重量%,37.2モル%)、メ
タクリル酸メチル0.6kg(20重量%,25.7モ
ル%)、及びスチレン0.9kg(30重量%,37.
1モル%)からなる単量体成分を70℃で撹拌下一括追
加した後、同温度で5時間、更に90℃迄4時間かけて
昇温し重合を完結させた。
【0031】反応終了後、反応混合物を50℃以下に冷
却し、5%塩酸水溶液を加え懸濁安定剤を水溶性にした
後、濾液が酸性を示さなくなるまで洗浄を繰り返した
後、乾燥し、ビーズ状の共重合体を得た。
【0032】得られた共重合体の黄色度、重合収率、共
重合体組成、残存モノマー量、メルトフローレートを下
記の方法で求めた。更に、該共重合体を射出成形機によ
り、シリンダー温度260℃で成形した試験片を用い、
アイゾット衝撃強度、ビカット軟化温度、引張強度を下
記の方法により測定した。
【0033】*黄色度:色差計でJIS K−7103
の試験方法に準じて、下記YI値を求めた。
【0034】 YI=100(1.28X−1.06Z)/Y (式中、X、Y、Zは標準光Cにおける試験用試料の三
刺激値である。) *重合収率:洗浄、乾燥後得られた共重合体の対理論値
の重量%より求めた。
【0035】*残存モノマー:ガスクロマトグラフィー
で測定した。
【0036】*共重合体組成:C、H、N、O元素分析
値より算出した。
【0037】*メルトフローレート:ASTM D−1
238により230℃荷重10kg下での10分間の吐
出量(g)として求めた。
【0038】*アイゾット衝撃強度:ASTM D−2
56(1/4”ノッチ付)に従って求めた。
【0039】*ビカット軟化点:ASTM D−152
5(5kg荷重)に従って求めた。
【0040】*引張強度:ASTM D−638に従っ
て求めた。
【0041】以上の測定結果を下記表1に示す。
【0042】実施例2[共重合体(b)の水性懸濁重合
による製造] N−フェニルマレイミド1.74kg(58重量%,2
5.7モル%)、メタクリル酸メチル0.3kg(10
重量%,13.5モル%)、及びスチレン0.96kg
(32重量%,41.4モル%)からなる単量体成分を
使用した以外は、実施例1と同様にして均質な共重合体
を得た後、該共重合体の各種特性を実施例1と同様にし
て求めた。
【0043】実施例3[共重合体(c)の水性懸濁重合
による製造] N−フェニルマレイミド0.9kg(30重量%,20
モル%)、メタクリル酸メチル1.5kg(50重量
%,57.8モル%)、及びスチレン0.6kg(20
重量%,22.2モル%)からなる単量体成分を使用し
た以外は、実施例1と同様にして均質な共重合体を得た
後、該共重合体の各種特性を実施例1と同様にして求め
た。
【0044】比較例1[共重合体(d)の製造] 三角座標で本発明の範囲外のモノマー組成の例として、
N−フェニルマレイミド1.2kg(40重量%,2
8.4モル%)、メタクリル酸メチル0.3kg(10
重量%,12.3モル%)、及びスチレン1.5kg
(50重量%,59.3モル%)からなる単量体成分を
使用した以外は、実施例1と同様にして共重合体を得た
後、該共重合体の各種特性を実施例1と同様にして求め
た。
【0045】尚、該共重合体は、実施例1と同様の洗浄
ではモノマーの残存量が多いため、更にこの共重合体の
3倍量のメタノールを用い、40〜50℃で約1時間洗
浄した後乾燥することにより残存モノマーを減少させて
得たものである。外観目視、及び黄色度については、実
施例1と同様の洗浄後の試料についても求め、その結果
を表1において括弧内に示す。下記比較例2についても
同様とした。
【0046】反応終了後、洗浄前の段階で得られた共重
合体は黄色を呈し、粒状と粉状とが混在する不均質な形
状であり、N−フェニルマレイミドとスチレンの交互共
重合体成分を多く含む不均質な共重合体が得られたこと
が判る。
【0047】比較例2[共重合体(e)の製造] 三角座標で本発明の範囲外のモノマー組成の例として、
N−フェニルマレイミド1.8kg(60重量%,47
モル%)、メタクリル酸メチル0.6kg(20重量
%,27モル%)、及びスチレン0.6kg(20重量
%,26モル%)からなる単量体成分を使用した以外
は、実施例1と同様にして共重合体を得た後、該共重合
体の各種特性を実施例1と同様にして求めた。
【0048】洗浄前の段階で得られた粒状共重合体は濃
い黄色を呈し、N−フェニルマレイミド単独重合体の黄
色粉状体を多く含む不均質な形状のものが得られたこと
が判る。
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、実施例1〜3で
得られた共重合体(a)〜(c)は、黄着色度の低い透
明な粒状であり、共重合体中の残存モノマーが少なく、
モノマー仕込比に相当する組成の共重合体が高い重合収
率で得られており、しかも共重合体の外観(目視、黄色
度)が良好で、マレイミド含率とビカット軟化点、耐衝
撃性との関係に於て共重合体(d)及び(e)に比べて
優れた性能を有しており、均質な重合が行なわれている
ことが判る。
【0051】実施例5[樹脂組成物の製造と物性] ゴム変性熱可塑性樹脂として市販のABS樹脂(東レ
(株)製「トヨラック300])及び市販のMBS樹脂
(鐘淵化学工業(株)製「カネエースB」)のそれぞれ
を用い、これを上記実施例1〜3及び比較例1〜2で得
た三元共重合体(a)〜(e)のそれぞれと混合して熱
可塑性樹脂組成物とした。配合割合は、ゴム変性熱可塑
性樹脂65重量%に対して、三元共重合体35重量%と
した。
【0052】これらの各組成物を40mm中押出機にて
溶融ブレンドし、シリンダー温度260℃で射出成形し
て、試験片を作製し、上記した方法と同様にして、アイ
ゾット衝撃強度、ビカット軟化温度、及び引張強度を測
定した。下記表2及び表3に結果を示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】以上の結果から明らかなように、ABS樹
脂又はMBS樹脂に三元共重合体(a)〜(c)を配合
した本発明の樹脂組成物は、耐熱性及び耐衝撃性に優
れ、しかも溶融粘度が低く混練操作性に優れたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランダム共重合体における単量体の配
合割合を示す組成三角座標。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成三角座標において、(N−フェニル
    マレイミド65重量%、メタクリル酸メチル0重量%、
    スチレン35重量%)、(N−フェニルマレイミド30
    重量%、メタクリル酸メチル25重量%、スチレン45
    重量%)及び(N−フェニルマレイミド30重量%、メ
    タクリル酸メチル55重量%、スチレン15重量%)の
    3点を結んで形成される領域内にある配合割合のN−フ
    ェニルマレイミド、メタクリル酸メチル及びスチレンを
    単量体成分として用いて、共重合反応により得られるラ
    ンダム共重合体。
  2. 【請求項2】水性懸濁重合法により得られる粒状物であ
    る請求項1に記載のランダム共重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の共重合体
    をゴム変性熱可塑性樹脂に配合してなる耐熱性樹脂組成
    物。
JP6304596A 1994-12-08 1994-12-08 耐熱性樹脂組成物 Pending JPH08157535A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003277567A (ja) * 2002-03-20 2003-10-02 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
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US9920148B2 (en) 2012-10-19 2018-03-20 Asahi Kasei Chemicals Corporation Vehicle part cover including methacrylic-based resin

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