JPH0762099B2 - 樹脂組成物の製法 - Google Patents

樹脂組成物の製法

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JPH0762099B2
JPH0762099B2 JP60105239A JP10523985A JPH0762099B2 JP H0762099 B2 JPH0762099 B2 JP H0762099B2 JP 60105239 A JP60105239 A JP 60105239A JP 10523985 A JP10523985 A JP 10523985A JP H0762099 B2 JPH0762099 B2 JP H0762099B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐熱性,耐熱分解性及び耐衝撃性にすぐれた熱
可塑性樹脂組成物の製法に関するものである。
自動車用材料に対する耐熱性の要求が近年とみに高まつ
ており、メーターフード、メータークラスター、インス
ツルメントパネル、コンソールボツクス等の内装部品
や、バンパー、外板材料、ランプハウジング等の外装部
品に対して耐熱性が高く、かつ成形性がすぐれ、しかも
熱分解や熱変色しない材料が求められている。本発明の
熱可塑性樹脂組成物は主としてこのような分野における
利用を目指したものである。
〔従来の技術〕
従来、耐熱性を要求される部品に対しては耐熱ABS、ポ
リフエニレンエーテル変性樹脂、ポリカーボネート樹脂
等が使用されてきた。
耐熱ABSは、ジエン系ゴムにアクリロニトリルとスチレ
ン及び/又はαメチルスチレンをグラフト重合したグラ
フトABSとアクリロニトリルとスチレン及びαメチルス
チレンを共重合した樹脂との謂ゆるグラフトブレンド法
で製造されているが、使用されているアクリロニトリル
とスチレン及び/又はαメチルスチレンとの共重合体の
耐熱性が充分高くない為に、得られる耐熱ABSの耐熱性
が満足できないのが現状である。なお、そのような共重
合体中のαメチルスチレン含有率を増加されることによ
つて耐熱性の高い樹脂が得られるが、このような共重合
体はαメチルスチレン含有量が高い為に、重合速度が遅
く、その為重合度の高い樹脂が得られず、かつαメチル
スチレン連鎖のつながつた構造が生成する為、加工時の
熱分解しやすいという欠点も有している。
一方、ポリフエニレンエーテル変性樹脂やポリカーボネ
ート及びその変性物は一般に高価であるという欠点を有
し、かつ成形加工性の面でも劣つているので、安価で、
熱分解しにくく、成形加工のしやすい、十分に耐熱性の
高い熱可塑性樹脂組成物の開発が期待されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、耐熱性が良好で、かつ成形加工時に熱分解や
熱変色の起りにくい材料を特定の乳化重合法で得られる
マレイミド系共重合体を用いて提供しようとするもので
ある。
式(A)のマレイミド系単量体はスチレンやアクリロニ
トリル、メタクリル酸メチル等のビニル系単量体と容量
に共重合し、耐熱性の高い非常にモロい重合体を形成す
ることはすでに公知である。
マレイミド系単量体を用いて耐熱性の高い樹脂を製造す
る際の重合法として溶液重合、バルク重合、懸濁重合、
乳化重合等が挙げられるが、共重合体中の各成分の組成
分布、重合度分布等の均一性の面から乳化重合法が一般
的である。又、成形加工性、耐衝撃性、耐熱性の面から
考えて、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
体等と式(A)のマレイミド系共重合体が良好な結果を
得ることが可能である。
しかし、乳化重合法に於て芳香族ビニル、シアン化ビニ
ル及びマレイミド系単量体を用いて耐熱性の高い、熱分
解や熱変色しない共重合体を製造しようとする場合、単
純に全単量体混合物を一度に重合系に仕込み重合開始さ
せたのでは重合収率が低く、かつ耐熱性の低い、衝撃強
度発現性の悪い共重合体しか得られない。この理由はマ
レイミド系単量体と芳香族ビニルとの間で電化移動錯体
が形成され、その電荷移動錯体の重合性が高いので重合
初期に錯体が優先的に重合し、その結果組成分布や分子
量分布の広い重合体が形成される為と考えられる。
又、芳香族ビニル、シアン化ビニル及びマレイミド系単
量体との混合物全量を重合系に連続的に添加して重合し
た場合は、重合収率が低く、熱分解性や耐熱性も劣る重
合体しか得られない。そこで、重合収率が高く重合安定
性にすぐれ、得られる重合体の熱分解性がすぐれた乳化
重合処方について鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は芳香族ビニル50〜80重量%、シアン化ビニル10
〜30重量%、及び式(A)で表わされるマレイミド系単
量体5〜40重量%の単量体混合物を乳化重合するに際
し、全芳香族ビニルの全量又はその30%以上を重合開始
前に重合系に仕込み、その系に一部のシアン化ビニル及
び式(A)のマレイミド系単量体及び芳香族ビニルが残
存する場合には、その残部を連続的に又は分割添加し
て、重合開始時の水相のpHを3〜9の間に保ち、しかも
油溶性の有機過酸化物を用いたレドツクス系の触媒で重
合させた後、引き続き残りのシアン化ビニルを添加して
得られた熱可塑性樹脂(I)とガラス転位温度が0℃以
下のエラストマーにニトリル系単量体、芳香族ビニル単
量体及びアクリル系単量体から選ばれた少なくとも1種
をグラフト重量して得られたゴム樹脂(II)とを(I)
/(II)の割合5/95〜95/5の範囲で配合し得られた熱可
塑性樹脂組成物100部に室温で硬質の熱可塑性樹脂0〜3
00部を配合することを特徴とする樹脂組成物の製法に関
するものである。
上記より理解されるように、硬質熱可塑性樹脂は全く使
用されない場合もあるが、使用される場合にはその割合
は300部までである。
(式中、Rは水素、C1〜C4のアルキル基、シクロヘキシ
ル基、アリール基又は置換アリール基を示す。) 本発明においては芳香族ビニルの含有率が50〜80%の範
囲に入ることが必要である。その含有率が50重量%以下
であれば、得られる重合体の加工性が低下し、かつ衝撃
強度発現性が低下し、逆にその含有率が80重量%以上で
あれば使用できるマレイミド単量体が少なくなり耐熱性
の低い重合体しか得られなくなる。又シアン化ビニルの
含有率は10〜30重量%の範囲に入ることが必要である。
この含有率が10重量%以下であれば加工性,衝撃強度発
現性が低下し、30重量%以上であれば加工時に熱変色し
やすい重合体しか得られない。
式(A)で表わされるマレイミド単量体の含有率は5〜
40重量%の範囲に入ることが必要である。これが5重量
%以下であれば得られる重合体の耐熱性が低いものにな
り、逆に40重量%以上では耐衝撃発現性に劣る重合体し
か得られない。
重合開始前に添加する芳香族ビニルの量は使用する全芳
香族ビニルのうちの30%以上であることが必要である。
すなわち、重合開始前に添加する芳香族ビニルの量が使
用する全芳香族ビニルの30%以下であれば、重合収率が
低く、得られる重合体の耐熱性が低いものになる。
又、重合開始前に芳香族ビニルの全量又は一部を仕込
み、シアン化ビニルとマレイミド系単量体及び場合によ
れば残部の芳香族ビニルを連続的に、又は分割して添加
して重合させる場合、シアン化ビニルとマレイミド系単
量体及び場合によつては残部の芳香族ビニルを各々独立
して添加することも可能であるが、シアン化ビニル、マ
レイミド系単量体及び残部の芳香族ビニルの混合溶液と
して添加する方が望ましい。又、シアン化ビニルは前述
の添加が終了した後、さらに添加されなければならな
い。全シアン化ビニルのうちの70〜95重量%とマレイミ
ド単量体の全量及び芳香族ビニルの残部との混合溶液を
添加して重合し、引続いて残部のシアン化ビニルを連続
的又は分割あるいは一度に添加して重合させるのが更に
望ましい。
本発明においては、重合開始時の水相のpHを3〜9の間
に保持することが必要である。マレイミド系単量体はpH
9以上の水溶液中では加水分解を受けやすく、その結
果、重合比率が低下し、かつ重合系の安定性が低下す
る。又pHが3以下であれば、乳化剤の界面活性が低下
し、その結果重合比率が低下するので好ましくない。
又本発明における芳香族ビニル単量体としては、スチレ
ン、αメチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチ
ルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン等の単量
体のうちの一種又はその混合物を用いることが可能であ
る。シアン化ビニル単量体としてはアクリロニトリル、
メタクリロニトリル、フマロニトリル等の単量体のうち
一種又はその混合物を用いることが可能である。
本発明で用いるマレイミド系単量体としては、例えばマ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フエニルマ
レイミド、N−トルイルマレイミド、N−キシリールマ
レイミド、N−ナフチルマレイミド、N−t−ブチルマ
レイミド等が挙げられるが、好ましくはN−フエニルマ
レイミドである。
本発明において使用される乳化剤としては、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルジフエニル
エーテルジスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸アルカリ金属塩、ラウリル硫酸アルカリ
金属塩、ザルコシネート等のpH3〜9の範囲で乳化活性
のあるアニオン系乳化剤が好ましい。これらの乳化剤の
併用も可能である。
重合開始剤としては、油溶性の有機過酸化物を用いたレ
ドツクス系が使用されるが、油溶性の有機過酸化物と硫
酸第一鉄−キレート剤−還元系が特に好ましい。過硫酸
塩等の水溶性開始剤を用いた場合には重合速度が遅く、
生産性が悪く、又得られる重合体の熱着色性、耐熱分解
性が悪い。
油溶性重合開始剤としては、例えばキユメンハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルペンゼンハイドロパーオ
キサイド、ターシヤリ−ブチルハイドロパーオキサイド
等の有機過酸化物が好ましい。還元剤としては、ホルム
アルデヒドスルホキシレートのナトリウム塩、ブドウ
糖、アスコルビン酸ソーダ等が使用され、ここに硫酸第
一鉄と例えばピロリン酸ソーダー、エチレンジアミン四
酢酸ナトリウム等のキレート化合物を併用するのが特に
望ましい。
この様にして得られた熱可塑性樹脂を単独で使用した場
合モロく、衝撃強度が若干低い場合がある。その耐衝撃
性の不十分な点を改良する目的で、ゴム強化樹脂を配合
することは非常に有効である。又、ゴム強化樹脂だけで
なく、衝撃強度を更に向上させる目的でポリカーボネー
ト樹脂やPBT樹脂を併用することも有効である。又、加
工性改良を目的としてAS樹脂やAN−αMS重合体を併用す
ることも有効である。この様に配合されるゴム強化樹脂
中のエラストマーはガラス転移温度が0℃以下のもので
あり、具体的には例えば、次のものを挙げることが出来
る。
ポリブタジエンやブタジエンを主成分とし、それにアク
リロニトリル、スチレン、メチルメタクリレート及び炭
素数1〜8ケのアルキル基をもつアクリル酸エステル等
のうちの少なくとも1種の単量体を共重合させたジエン
系エラストマー:炭素数1〜8ケのアルキル基をもつア
クリル酸エステルを主成分とし、それにアクリロニトリ
ル、スチレン、メチルメタクリレート等の単量体のうち
の少なくとも1種以上を共重合させたアクリル系エラス
トマー:EPラバー:EPDMラバー:シリコンゴム。
上記エラストマーにグラフト重合させる単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニ
トリル等のニトリル単量体とスチレン、α−メチルスチ
レン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニ
ルトルエン、クロルスチレン、ブロモスチレン等の芳香
族系単量体及びメチルメタクリレートやアルキルメタク
リレート、アルキルアクリレート等のアクリル系単量体
のうちの少なくとも1種を用いることが好ましい。
上記したエラストマーに上記単量体群から選んだ単量体
をグラフト重合して市場で販売されているものとして
は、ABS樹脂(AN−Bd−St共重合体)、MBS樹脂、AAS樹
脂(AN−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(AN−EPDM−St)等を挙げることができる。
上記エラストマーに単量体をグラフト重合させる方法と
しては乳化重合法、バルク重合法、懸濁重合法、溶液重
合法や乳化懸濁重合法、乳化バルク重合法等が考えられ
る。
室温にて硬質の熱可塑性樹脂としては、一部上記したよ
うに、AS樹脂(AN−St)、MMA樹脂、MS樹脂(MMA−S
t)、αSAN樹脂(AN−αMS)、PC(ポリカーボネー
ト)、変性PPO、無水マレイン酸−St樹脂、無水マレイ
ン酸−AN−St、PBT、PA等を挙げることが出来る。これ
らの樹脂は併用することも可能である。
熱可塑性樹脂とゴム強化樹脂の配合割合は、5/95〜95/5
の範囲が適当である。ゴム強化樹脂の割合が5%以下で
あれば、得られる組成物の衝撃強度が低く、満足できな
い場合があり逆に95%以上では得られる組成物の耐熱度
が向上しない。
又、上記熱可塑性樹脂とゴム強化樹脂との配合物に添加
する硬質の熱可塑性樹脂の使用量は熱可塑性樹脂とゴム
強化樹脂の合計量100重量部に対し0〜300部の範囲に入
ることが適当である。300部以上配合すると熱可塑性樹
脂やゴム強化樹脂の使用割合が低くなり、耐熱性や衝撃
強度の向上が期待できない。
又、上記組成物に、熱安定性の改良を目的としてヒンダ
ードフエノール系抗酸化剤やホスフアイト系安定剤を、
耐候性改良を目的としてベンゾフエノン系UV吸収剤やヒ
ンダードアミン系安定剤、ベンゾトリアゾール系のUV吸
収剤を、加工性改良を目的としてエチレンビスステアリ
ルアマイド等のアミド系の滑剤や金属石ケン等をそれぞ
れ単独又は併用して配合利用することも可能である。本
発明において得られる組成物は、これに難燃剤等を配合
して難燃性樹脂としても利用出来る。
本発明により得られる熱可塑性樹脂組成物は射出成形用
分野、押出成形、真空成形分野等の各種加工分野に利用
することが出来る。又、メツキや真空蒸着、スパツタリ
ング等の光輝処理を施すことも可能である。
以下、実施例でもつて本発明を更に具体的に説明する。
〔実施例〕
グラフト重合体(I)の製造: 以下の仕込組成のものを反応器に仕込んだ。
ポリブタジエンラテツクス(固形分として) 60 部 純水 140 〃 デキストローズ 0.6 〃 ピロリン酸ソーダ 0.3 〃 硫酸第一鉄 0.002〃 ロジン酸カリウム 1.0 〃 仕込組成を60℃に昇温し、アクリロニトリル(AN)12
部、スチレン(ST)28部及びキユメンハイドロパーオキ
サイド0.2部、及びターシアリードデシルメルカプタン
0.5部の混合溶液を連続的に120分間にわたつて滴下し
た。滴下終了後、更に120分間,60℃の温度で熟成して重
合を完結した。得られたラテツクスに2,6−ジターシヤ
リブチルP−クレゾール(BHT)0.5部を添加し、十分混
合後、希硫酸にて凝固し、脱水,乾燥して白色粉末を得
た。
(実施例中の「部」は全て重量部を示し、以下も同様で
ある。) グラフト重合体(II)の製造: 以下の組成のものを反応器に仕込んだ。
ポリブタジエン(固形分として) 45 部 純水 140 〃 デキストローズ 0.6 〃 ピロリン酸ソーダ 0.3 〃 硫酸第1鉄 0.002〃 ロジン酸カリウム 1.0 部 アクリロニトリル 8.4 〃 スチレン 19.6 〃 仕込組成60℃に昇温し、キユメンハイドロパーオキサイ
ド0.3部を仕込み、重合を開始した。70分間重合させた
後、第2段として、アクリロニトリル8.1部、αメチル
スチレン18.9部、キユメンハイドロパーオキサイド0.2
部の混合溶液を1時間にわたつて添加し、重合させた。
得られたグラフト重合体ラテツクスを希硫酸で凝固さ
せ、脱水,乾燥して白色粉末を得た。
グラフト重合体(III)の製造: ポリブタジエンラテツクス60部(固形分換算、平均粒径
0.30μ、ゲル含量80%、ゲル膨潤度25)、水140部、オ
レイン酸カリウム2部、硫酸第一鉄0.003部、ピロリン
酸ソーダ0.15部、デキストローズ1.0部を反応器に仕込
んだ。60℃に撹拌下で昇温し、60℃を保持しながら、撹
拌下にスチレン16部、メチルメタクリレート24部、キユ
メンハイドロパーオキサイド0.2部、t−ドデシルメル
カプタン0.3部の混合溶液を3時間かけて連続的に添加
して重合させた。次いで系を70℃に昇温し、更に1時間
重合させてグラフト重合体ラテツクスを得た。得られた
ラテツクスを器硫酸で凝固させ、脱水,乾燥して白色粉
末を得た。
マレイミド系共重合体とブレンドする他のゴム強化樹脂
としては以下の樹脂をペレツトのまま使用した。
AAS樹脂(I): ダイヤラツク A#700(三菱レイヨン社製) AAS樹脂(II): バイタツクスV6101(日立化成製) AES樹脂: JSRAEF#110(日本合成ゴム製) マレイミド系共重合体(I)の製造: 20ガラス製反応器(撹拌機、コンデンサー、温度計
付)を十分に窒素置換した後、以下の物質を仕込んだ
(重合前仕込組成) 純水 150 部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2 部 硫酸ソーダ 0.2 〃 エチレンジアミン4酢酸2ソーダ塩(EDTA−2Na)0.01
〃 硫酸第1鉄・7水和物(FeSO4・7H2O) 0.002〃 ロンガリツト 0.5 〃 仕込組成を十分に撹拌混合し、pHを測定すると8.6であ
つた。次いでαメチルスチレン70部を添加し、十分に混
合した後、70℃に昇温した。70℃の反応系に以下の物質
を150分にわたつて滴下して重合を開始させた(滴下モ
ノマー1) アクリルニトリル 10 部 N−フエニルマレイミド 15 〃 キユメンハイドロパーオキサイド 0.5〃 t−ドデシルメルカプタン 0.1〃 滴下モノマー(1)の滴下が終了した後、滴下モノマー
(2)としてアクリロニトリル5部を引続いて連続的に
滴下した。滴下終了後、反応系を80℃に昇温し、次いで
キユメンハイドロパーオキサイド0.1部を添加し、80℃
にて2時間重合を続けた。重合終了後の系のpHは4.0で
あつた。
得られたラテツクスの収率は94%であつた。そのラテツ
クスを3%の硫酸マグネシウムにて90℃以上の温度で凝
固させ、脱水,水洗,脱水後、乾燥して白色粉末を得
た。
マレイミド系共重合体(II)の製造: マレイミド系共重合体(I)の製法において、表1に示
す如く、滴下モノマー(1)の組成をアクリロニトリル
15部、N−フエニルマレイミド10部に変更する以外は全
てマレイミド系共重合体(I)の製造と同様に操作し
た。
マレイミド系共重合体(III)の製造: マレイミド系共重合体(I)の製法において表1に示す
ごとく、重合前に仕込むαメチルスチレンの量を70部か
ら30部に変更し、滴下モノマー(1)としてアクリロニ
トリル10部、N−フエニルマレイミド15部をアクリロニ
トリル14部、N−フエニルマレイミド13部にαメチルス
チレン40部を加えた溶液に変更する以外はマレイミド系
共重合体(I)と全く同様の方法にて重合,凝固して白
色粉末を得た。
マレイミド系共重合体(IV)の製造: マレイミド系共重合体(I)の製法において、表1に示
す如く、重合開始前に反応器に加えられるαメチルスチ
レン及び滴下モノマー(2)のアクリロニトリルを全て
滴下モノマー(1)に加え、モノマー全量を重合系に滴
下して重合させた。
マレイミド系共重合体(V)の製造: マレイミド系共重合体(I)の製造において、表1に示
す如く、滴下モノマー(2)のアクリロニトリルを滴下
モノマー(1)に加えて重合させる以外は、全てマレイ
ミド系共重合体(I)の製造と同様に操作した。
マレイミド系共重合体(VI)の製造: 反応器を窒素で置換した後、以下の物質を仕込んだ。
純水 200 部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2.0〃 過硫酸カリウム 0.5部 酸性亜硫酸ソーダ 1.0〃 仕込組成を十分に撹拌混合した後、αメチルスチレン70
部を仕込み、40分間攪拌した後、70℃に昇温した。系が
70℃いなると以下の物質を150分にわたつてマレイミド
系共重合体(I)を製造する場合と同じ滴下モノマー
(1)を滴下して重合を開始させた。
滴下モノマー(1)の滴下が終了した後、滴下モノマー
(2)としてアクリロニトリル5部を引続いて連続的に
滴下した。滴した終了後、過硫酸カリウム0.1部を添加
し、80℃に昇温して更に2時間重合させた。得られたラ
テツクスを3%の硫酸マグネシウムにて90℃以上の温度
で凝固させ、脱水,水洗後、乾燥して白色粉末を得た。
又、ブレンド用の硬質熱可塑性樹脂としては次のものを
使用した。
AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体): アクリロニトリル30部、スチレン70部のAS樹脂を常法に
より、懸濁重合法で作つた。得られたAS樹脂は、アクリ
ロニトリル含量が27%、還元粘度ηsp/Cが0.6であつ
た。
αSAN樹脂(アクリロニトリル−αメチルスチレン共重
合体): アクリロニトリル含量が20%、ηsp/Cが0.5のαSAN樹脂
を常法により乳化重合法で作つた。
ポリカーボネート樹脂: 三菱化成製ノバレツクス7022PJをペレツトのまま使用し
た。
本発明の手法に従つて得られたマレイミド系共重合体
(I,II,III及びV)は、重合収率が高く、重合後の凝固
物の発生量も少なく、良好な結果を示した。一方、マレ
イミド系共重合体(IV)は、モノマー全量を連続的に添
加した系であるが、重合収率が低目であり、重合後の凝
固物の発生も多く、工場生産には適していないことがわ
かる。一方、重合開始時のpHを3にし開始剤を過硫酸カ
リウムにしたマレイミド系共重合体(VI)の場合も、重
合収率が低く、かつ凝固物も多目であつた。
実施例1〜15,比較例1〜10 グラフト重合体(I),グラフト重合体(II),グラフ
ト重合体(III),グラフト重合体(IV)とマレイミド
系重合体(I)〜(VI),AS樹脂,αSAN樹脂,ポリカー
ボネート樹脂を表2〜4の如く配合し、安定剤として、
フエノール系抗酸化剤(アンテージW−400川口化学
製)0.2部とホスフアイト系安定剤(マークCアデカア
ーガス社製)0.4部とを加え、十分に混合した後、30mm
φ2軸押出機にて260℃でペレツト化した。得られたペ
レツトの各種機械的性質を表1に示す。
又得られたペレツトを1オンス射出成形機(山城精機製
SAV−30A)で290℃にて50×80×3mmの平板に成形し、成
形品表面のシルバーストリークを観察して熱分解性の評
価とした。
得られたペレツトの物性評価は以下の方法に従つて行つ
た。
アイゾツト衝撃値 ASTM D−256(単位kg cm/cm)1/4
棒ノツチ付 メルトフロー値 ASTM D−1238(単位 g/10分)230゜
×5kg荷重 ロツクウエル硬度 ASTM D−785(単位 Rスケール) ビカツト硬化温度 ISO R−306(単位 ℃)荷重5kg 熱分解性: 1オンス射出成形機にて、50×80×3m/mの板を成形し、
その表面に発生するシルバーストリークの数から下記の
ようにして判定した。
○ シルバーストリーク 無し △ 〃 1〜10本 × 〃 10本以上 * 非常に多数 実施例1および2に示す如く、グラフト重合体(I)
(グラフトABS)とマレイミド系共重合体のブレンド物
は、比較例6のAS樹脂とのブレンドや比較例7のαSAN
樹脂とのブレンドに比べて耐熱度(ビカツト軟化温度)
が飛躍的に向上している。
実施例3、4のグラフトモノマーにαメチルスチレンを
併用したグラフト重合体(II)は、実施例1および2の
グラフト重合体(I)を使用した場合に比べ、衝撃強度
が大巾に向上しており、比較例10の如く、αSANとのブ
レンドに比べても、衝撃強度面でかなり有利であること
が明らかである。
実施例5のグラフト重合体(III)(MBS)を用いた場合
は、グラフトABSと大差のない評価結果であり、グラフ
トMBSもマレイミド系共重合体の衝撃強度の改良に有効
である。
実施例5〜7によつて、耐候性樹脂であるAAS樹脂及びA
ES樹脂は共に耐熱性の改良に有効であることが明瞭であ
る。
実施例9,10が示すように、グラフトABSとマレイミド系
共重合体系へAS樹脂をブレンドすると、加工性の尺度で
あるメルトフロー値の向上に有効である。
実施例11,12によれば、グラフトABSとマレイミド系共重
合体系へαSAN樹脂をブレンドすると、耐熱度の低下が
少なく、加工性が少し改良されることが明らかである。
又、実施例13〜15によつて明らかなように、ポリカーボ
ネート樹脂をブレンドすることで非常に衝撃強度の高
い、かつ耐熱性のすぐれた樹脂が得られる。
〔発明の効果〕 本発明によれば、耐熱性が良好で、かつ成形加工時に熱
分解や熱変色の起りにくゝ、しかも耐衝撃性の高い樹脂
組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−162616(JP,A) 特開 昭60−4544(JP,A) 特開 昭61−264011(JP,A) 特開 昭61−235450(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル50〜80重量%、シアン化ビニ
    ル10〜30重量%及び式(A)で表わされるマレイミド系
    単量体 (式中、Rは水素、C1〜C4のアルキル基、シクロヘキシ
    ル基、アリール基又は置換アリール基を示す。) 5〜40重量%を乳化重合させるに際し、全芳香族ビニル
    の30%以上の量を重合開始前に重合系に仕込み、一部の
    シアン化ビニルと式(A)のマレイミド系単量体及び芳
    香族ビニルが残存する場合にはその残部を連続的に又は
    分割して添加し、しかも重合開始時の水相のpHを3〜9
    の間に保ち、油溶性の有機過酸化物を用いたレドックス
    系の触媒で重合させた後、引き続き残りのシアン化ビニ
    ルを添加して得られた熱可塑性樹脂(I)とガラス転移
    温度が0℃以下のエラストマーにニトリル系単量体、芳
    香族ビニル単量体又はアクリル系単量体の少なくとも1
    種をグラフト重合して得られたゴム強化樹脂(II)とを
    (I)/(II)の割合5/95〜95/5の範囲で配合し得られ
    た熱可塑性樹脂組成物100部に室温で硬質の熱可塑性樹
    脂0〜300部を配合することを特徴とする樹脂組成物の
    製法。
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