JPH062854B2 - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JPH062854B2
JPH062854B2 JP60175071A JP17507185A JPH062854B2 JP H062854 B2 JPH062854 B2 JP H062854B2 JP 60175071 A JP60175071 A JP 60175071A JP 17507185 A JP17507185 A JP 17507185A JP H062854 B2 JPH062854 B2 JP H062854B2
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康乏 下里
裕一 橋口
和美 中沢
慎一 木村
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明は加熱収縮率に優れた耐熱性樹脂組成物に関し、
くわしくはN置換マレイミドを含んだ耐熱性樹脂組成物
に関する。
b. 従来の技術 スチレンアクリロニトリル共重合体の耐熱性改良方法と
してスチレンの一部または全量をα−メチルスチレンに
置き換えて使用する方法が一般に行われている。またAB
S樹脂で代表されるゴム変性熱可塑性樹脂の耐熱性向上
のため、グラフトモノマーの一部にα−メチルスチレン
を用いる方法あるいはα−メチルスチレン−アクリロニ
トリル共重合体とアクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体を混合する方法が知られている。これらの
熱可塑性樹脂を自動車分野、あるは弱電分野の内装材料
として用いられているが、耐熱性はまだ不十分であっ
た。そのためα−メチルスチレンの含量を高くすると耐
熱性は向上するが、成形時の熱安定性が悪くなるため、
α−メチルスチレンのみを使用した系では耐熱性に限界
があった。またABS樹脂の耐熱性を改良する方法としてA
BS樹脂にマレイミド系共重合体を混合する方法、ABS樹
脂のグラフト共重合時あるいはグラフト成分中にマレイ
ミド単量体を共重合させる方法が提案されている。
前者の方法は、ABS樹脂とマレイミド共重合体の混合
比率を比較的容易に変えることができる利点を有し、そ
のため、多種類の、目的とする物性の樹脂を比較的容易
に生産出来ることから工業的生産に好適である。
しかし例えば特開昭57-131213号で提案されている芳香
族ビニルおよびN−フェニルマレイミドよりなるマレイ
ミド系共重合体と芳香族ビニルおよびシアン化ビニルよ
りなる共重合体の混合物とABS樹脂との混合によって得
られるABS樹脂は、熱変形温度は高くなるものの、実用
耐熱性である高温での加熱収縮率が大きく、耐熱性が劣
り、超耐熱性を必要とするABS樹脂としては、まだ耐熱
性の点で不十分であった。
c. 発明が解決しようとする問題点 このように、従来、マレイミド系共重合体の加熱収縮率
を改善する方法として、マレイミド含量を高める方法が
あるが、この方法は共重合体の加熱収縮率の改善効果が
小さく、加工性を低下させる。さらにABS樹脂等のグラ
フト共重合体と混合したとき、耐衝撃性の低下が大き
い。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、特定の組成を有した芳香族ビニルとN−置換マレイ
ミドの共重合体(A)と特定の組成および特性を有した
芳香族ビニル、シアン化ビニルおよび共重合可能な他の
モノマーとの共重合体(B)とを混合することにより、
加熱収縮率が小さく、実用耐熱性に優れ、しかも着色の
少ない、N置換マレイミド含有熱可塑性樹脂組成物
〔I〕が得られること、さらに該組成物に特定の組成を
有するグラフト重合体〔II〕を混合することにより、耐
衝撃性、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる
ことを見出し、本発明に到達した。
d. 問題点を解決するための手段 本発明は、N置換マレイミド56〜85重量%および芳
香族ビニル15〜44重量%よりなる極限粘度〔η〕が
0.1〜0.7dl/gである共重合体(A)5〜85重量
%と、芳香族ビニル70.5〜82重量%、シアン化ビ
ニル18〜29.5重量%および他の共重合可能なビニ
ルモノマー0〜50重量%よりなる極限粘度〔η〕が
0.2〜0.8dl/gである共重合体(B)95〜15重
量%とからなる混合物であって、その極限粘度〔η〕が
0.25〜0.7dl/gである耐熱性樹脂〔I〕15〜8
5重量%に、ゴム状重合体30〜70重量%の存在下に
芳香族ビニル20〜50重量%、シアン化ビニル5〜2
0重量%および他の共重合可能なビニルモノマー0〜4
5重量%をグラフト共重合させたグラフト共重合体であ
って、その非グラフト成分の極限粘度が0.2〜1.0
dl/gであるグラフト共重合体〔II〕85〜15重量%が
配合してなり組成物であり、その極限粘度が0.2〜
0.9dl/gであることを特徴とする加熱収縮率に優れた
耐熱性樹脂組成物を提供するものである。
上記耐熱性樹脂〔I〕の共重合体(A)および共重合体
(B)は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などいずれの
方法によって製造してもよいが、乳化重合による方法が
好ましい。また共重合体(A)および共重合体(B)を
別々に重合したのち、(A)と(B)とを混合する方
法、好ましくは(A)と(B)とを互いに乳化状態(ラ
テックス状態)で混合する方法、あるいは(A)を製造
し反応が完結してから同一反応器内で(A)の存在下に
(B)を構成する単量体を重合して(B)を製造する方
法などが好ましい方法としてあげられる。
共重合体(A)のN置換マレイミドの使用量は56〜85重
量%、好ましくは56〜80重量%、さらに好ましくは57〜
70重量%である。この使用量が56重量%未満では耐熱
性、加熱収縮率が大きくなり、実用耐熱性が劣るので好
ましくなく、85重量%を越えると流動性が低下するので
好ましくない。
芳香族ビニルの使用量は15〜44重量%、好ましくは
20〜44重量%、さらに好ましくは30〜43重量%
であり、15重量%未満では流動性が低下するので好ま
しくなく、44重量%を越えると耐熱性が低下するので
好ましくない。
共重合体(A)の極限粘度〔η〕(メチルエチルケトン
中30℃)は0.1〜0.7dl/g、好ましくは0.15
〜0.5である。0.1未満では衝撃強度が低下し、
0.7を越えると流動性が低下するので好ましくない。
本発明に使用されるN−置換マレイミドとしてはN−フ
ェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチル
マレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミド、N−O−クロルフェニルマレイミ
ド、N−O−メチルフェニルマレイミド、N−ラウリル
マレイミド、N−ナフチルマレイミドなどである。なか
でもN−フェニルマレイミド、N−シクロクヘキシルマ
レイミド、N−O−メチルフェニルマレイミド、N−O
−クロルフェニルマレイミドなどが好適に用いられる。
N−置換マレイミドは固体(粉末)状で添加してもよい
し、溶媒に溶解もしくは分散した状態で添加してもよい
し、また水に分散、特に乳化した状態で添加してもよ
い。
本発明に使用される芳香族ビニルとしては、スチレン、
O−メチルスチレン、m−メチルスチレン、P−メチル
スチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロム
スチレン、ジブロムスチレン、α−メチルスチレン、α
−エチルスチレン、メチル−α−メチルスチレン、ジメ
チルスチレン、ビニルナフタリンなどが挙げられる。こ
の中ではスチレン、α−メチルスチレンが好ましく、特
にα−メチルスチレンが好ましい。さらに、このなかで
芳香族ビニル中のα−メチルスチレン含量が50%以上含
有した混合物を使用するのが加熱収縮率を低下させるの
に特に好ましい。
共重合体(B)に使用される芳香族ビニルの量は70.5〜
82重量%であり、好ましくは71〜80重量%、さらに好ま
しくは72〜78重量%である。70.5重量%未満では流動性
が低下するので好ましくなく、82重量%を越えると共重
合体(A)および(B)の相溶性が低下するため好まし
くない。シアン化ビニルの使用範囲は18〜29.5重量%で
あり、好ましくは20〜29重量%、さらに好ましくは22〜
28重量%である。18重量%未満では相溶性が低下し、2
9.5重量%を越えると樹脂が着色するので好ましくな
い。
芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物と共重合可
能な他の単量体としてはメチルアクリレート、エチルア
クリレート、プロピレンアクリレート、ブチルアクリレ
ート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オ
クチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエ
ステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピレンメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、
オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタ
クリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメ
タクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル
酸アルキルエステル、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物、アクリル
酸、メタクリル酸等の不飽和酸等があげられ、これらは
1種又は2種以上で使用される。これらの中では、特に
メタクリル酸メチルは加熱収縮性改良の点で好ましいも
のである。上記芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化
合物と共重合可能な他の単量体は全単量体混合物中好ま
しくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、
特に好ましくは20重量%以下である。
共重合体(B)の極限粘度〔η〕(メチルエチルケトン
中30℃)は0.2〜0.8dl/g、好ましくは0.25
〜0.6である。0.2未満では衝撃強度が低下し、
0.8を越えると流動性が低下するので好ましくない。
共重合体(B)に使用される芳香族ビニルは共重合体
(A)と同様であるが、α−メチルスチレン含量は任意
であり、特にこだわらない。
シアン化ビニルはアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、クロロアクリロニトリルなどが使用され、この中で
アクリロニトリルが好ましい。
上記共重合体(A)と共重合体(B)とから耐熱性樹脂
〔1〕を製造するが、該組成比(A)/(B)は5〜85
/95〜15重量比であり、好ましくは10〜80/90〜20重量
比、さらに好ましくは10〜70/90〜30重量比である。
耐熱性樹脂〔I〕中の芳香族ビニル成分中のα−メチル
スチレンの含量は、50重量%以上が好ましく、さらに好
ましくは60重量%以上、特に好ましくは65重量%以上
である。また耐熱性樹脂の極限粘度〔η〕(メチルエチ
ルケトン中30℃)は0.25〜0.7dl/g、好ましく
は0.3〜0.6dl/gである。
本発明においては、得られる組成物に耐衝撃性を付与す
るために、上記耐熱性樹脂〔I〕に対してグラフト共重
合体〔II〕を配合する。得られる組成物における耐熱性
樹脂〔I〕とグラフト共重合体〔II〕の配合割合は、1
5〜85重量%/85〜15重量%、好ましくは20〜
80重量%/80〜20重量%である。耐熱性樹脂
〔I〕の配合割合が15重量%未満では耐熱性が劣り、
85重量%を越えると耐衝撃性が劣る。グラフト重合体
〔II〕は、ゴム状重合体20〜70重量%、好ましくは30〜
65重量%の存在下に芳香族ビニル15〜70重量%、好まし
くは20〜60重量%、さらに好ましくは25〜50重量%、シ
アン化ビニル3〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、
さらに好ましくは8〜20重量%および他の共重合可能な
モノマー0〜45重量%、好ましくは0〜30重量%、さら
に好ましくは0〜20重量%をグラフト共重合させて得ら
れる。上記範囲をはずれると衝撃強度が低下するので好
ましくない。グラフト重合体〔II〕中の非グラフト成分
の極限粘度〔η〕(メチルエチルケトン中30℃)は
0.2〜1.0dl/g、好ましくは0.2〜0.8、さら
に好ましくは0.25〜0.7である。0.2未満では
衝撃性が低下し1.0を越えると流動性が低下するので好
ましくない。グラフト重合体〔II〕の は20%以上が好ましく、さらに好ましくは30%以上、
特に好ましくは40〜120%である。
上記ゴム状重合体としてブタジエンゴム、スチレン−ブ
タジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、ア
クリルゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴムなどが使
用される。
グラフト重合体〔II〕はゴム状重合体のラテックスに上
記単量体混合物をグラフトさせ、乳化重合により製造す
る方法や、ゴム状重合体の溶液中で上記単量体をグラフ
ト重合させる溶液重合法などいずれの方法によってもよ
い。
グラフト重合体〔II〕に使用される芳香族ビニルは共重
合体(A)、(B)の芳香族ビニルと同様であり、シア
ン化ビニルおよび他の共重合可能なビニルモノマーとし
ては共重合体(B)で使用できるものが同様にして使用
できる。
本発明において、耐熱性樹脂〔I〕とグラフト重合体
〔II〕とからなる組成物を製造する場合、共重合体
(A)、(B)と耐熱性樹脂〔II〕とを同時に混合する
方法、(A)と〔II〕とを混合したのち(B)を混合
する方法もあるが、予め(A)と(B)とから〔I〕の
組成物を製造し、次に〔I〕と〔II〕とを混合する方
が、組成物の耐熱性や耐衝撃性とくに耐衝撃性が高い組
成物が得られる点で好ましい。
耐熱性樹脂〔I〕とグラフト重合体〔II〕との混合方法
にはとくに制限はないが、両者を粉末もしくはペレット
で混合する方法、両者をラテックス同士で混合した後凝
固して混合重合体を分離回収して得る方法、両者を溶液
同士で混合した後凝固し混合重合体を分離回収する方法
およびこれらの組合せなどが好ましい例としてあげられ
る。
〔I〕と〔II〕とからなる組成物の極限粘度〔η〕(メ
チルエチルケトン中30℃)は、好ましくは0.2〜0.9dl/g
であり、さらに好ましくは0.3〜0.7dl/gである。
また該組成物中のN置換マレイミド含量は、3〜40重量
%が好ましく、さらに好ましくは4〜35重量%、より好
ましくは5〜30重量%が好ましい。
このようにして得られた耐熱性熱可塑性樹脂にさらに耐
熱性を有する熱可塑性樹脂、例えばポリフェニレンオキ
シド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリアセタール、ポリアミド、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、ポリカーボスート等を混合し
てもよい。また充填剤、安定剤、難燃剤、滑剤、劣化防
止剤、可塑剤などの添加剤を適宜添加して使用すること
ができる。
本発明で得られた耐熱性熱可塑性樹脂は自動車の内装部
品や電気製品など耐熱性を必要とする分野に使用するこ
とができる。
e. 実施例 以下に本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1 イオン交換水150部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム2.0部に固体状態のN−フェニルマレイミド59.5
部、α−メチルスチレン40.5部、およびt−ドデシルメ
ルカプタン0.5部を仕込み、フラスコ内温を60℃に昇温
したのち、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.1部、
硫酸第一鉄7水和物0.003部、ソディウムアルデヒドス
ルホキシレート0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶
液を加え、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシ
ド0.1部を加えて重合を開始し、湯浴温度を60℃に保っ
て2時間重合させた。転化率は98%であった。また極限
粘度〔η〕は0.20dl/g(メチルエチルケトン中30℃)
であった。これを共重合体(A)のラテックスとする。
これとは別にイオン交換水220部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム2.0部、α−メチルスチレン72.5
部、アクリロニトリル27.5部、t−トデシルメルカプタ
ン0.4部を加えてフラスコ内温を60℃に昇温したの
ち、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.1部、硫酸第
一鉄7水和物0.003部、ソディウムホルムアルデヒドス
ルホキシレート0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶
液を加え、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシ
ド0.1部を加えて重合を開始し、湯浴温度を60℃に保っ
たまま3時間重合させた。転化率は99%であった。これ
を共重合体(B)のラテックスとする。共重合体(B)
の極限粘度〔η〕は0.42dl/g(メチルエチルケトン中30
℃)であった。
このようにして得られた共重合体(A)、(B)を
(A)/(B)=33.6/66.4の混合比でラテックス状態
で混合したのち、塩化カルシウムを用いて加圧凝固法に
より凝固し、水洗、乾燥して回収した。これを耐熱性樹
脂〔I〕とする。
次にフラスコにポリブタジエンゴムラテックスを固形分
換算で60部加え、イオン交換水150部、スチレン7部、
アクリロニトリル3部を加えて、フラスコ内温を60℃に
昇温したのち、ピロリン酸ナトリウム0.2部硫酸第一鉄
7水和物0.01部、ぶどう糖0.4部をイオン交換水20部に
溶解した溶液を加え、キュメンハイドロパーオキシド0.
05部を加えて重合を開始し、湯浴温度を70℃に保った。
1時間重合させたのち、スチレン21重量部、アクリロ
ニトリル9重量部、キュメンハイドロパーオキシド0.05
重量部を3時間かけて連続的に添加し、さらに1時間重
合させて反応を終結させた。重合転化率は97%であっ
た。得られた共重合体は、塩化カルシウムを用いて凝固
し、水洗乾燥させた。これをグラフト重合体〔II〕とす
る。
耐熱性樹脂〔I〕/グラフト重合体〔II〕=75/25の重
量比で混合してペレット化したのちインジェクションに
より成形した。耐熱性樹脂〔I〕および〔I〕/〔II〕
の組成物の各成形物の物性測定値を表−1および表−2
に各々示した。
実施例2 実施例1で得られた共重合体(A)と共重合体(B)の
混合比を(A)/(B)=22.4/77.6にした他は実施例
1と同様である。
実施例3 共重合体(B)を以下の方法により製造した。イオン交
換水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5
部、α−メチルスチレン76.9部、アクリロニトリル4.8
部、t−ドデシルメルカプタン0.4部を窒素置換した反
応器に仕込み、窒素気流下で撹拌しながら乳化させた。
反応器の内温が60℃に達した時、ナトリウムホルムアル
デヒドスルホキシレート0.2部、エチレンジアミン四酢
酸ナトリウム0.1部、硫酸第一鉄7水和物0.003部をイオ
ン交換水20部に溶解した水溶液を加え、次いでジイソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキシド0.1部を加え重合
を開始した。重合開始後1時間してからアクリロニトリ
ル14.4部を6時間かけて連続的に添加した。次いでアク
リロニトリル2.9部、メチルメタクリレート1部の単量
体混合物を添加すると同時に前述の開始剤の1/6量を添
加し、さらに2時間重合を続け、反応を完結させた、得
られたポリマーの〔η〕(メチルエチルケトン中30℃d
l/g)は0.35であった。
共重合体(A)および(B)の混合比を(A)/(B)
=13.4/86.6(固形分換算)にしてラテックス状態で混
合し、実施例1の方法に従って物性を測定した。
実施例4 共重合体(B)の芳香族ビニルをスチレン38部、α−メ
チルスチレン37部の混合物とした他は実施例1と同様で
ある。この重合体の極限粘度〔η〕は0.46であった。
実施例5 共重合体(A)の芳香族ビニルをスチレン18.3部、α−
メチルスチレン20.8部の混合物、N−フェニルマレイミ
ド60.9部とした。得られた共重合体(A)の極限粘度
〔η〕は0.25dl/g(メチルエチルケトン中30℃)であ
った。この共重合体(A)と実施例3の共重合体(B)
とを混合し、混合比13.1/86.9とした他は実施例3と同
様である。
実施例6 以下の方法によりAES重合体を製造した。リボン製撹拌
翼を備えた内容積50のステンレス製オートクレーブに
予め均一溶液にしたヨウ素価15、ムーニー粘度42、ジエ
ン成分として5−エチリデン−2−ノルボルネンを含む
EPDM(日本合成ゴム社製品JSR EP22)35重量部、スチ
レン45.5重量部、トルエン120重量部、t−ドデシルメ
ルカプタン0.1重量部を仕込み撹拌しながら昇温し、50
℃にてアクリロニトリル19.5重量部、ベンゾイレパーオ
キシド0.5重量部、ジクミルパーオキシド0.1重量部を添
加し、さらに昇温し、80℃に達した後は80℃一定に制御
しながら撹拌回転数100rpmにて重合反応を行わせた。
反応開始後6時間目から1時間を要して120℃まで昇温
し、さらに2時間反応を行って終了した。重合率は97%
であった。100℃まで冷却したのち、2,2′−メチレン−
ビス(4−メチル−6−t−ブナルフェノール)0.2重
量部を添加し、混合した後、反応混合物をオートクレー
ブより抜き出し、水蒸気蒸溜により大部分の未反応単量
体と溶媒を留去し、細かく粉砕した後、40mmφベント押
出機(220℃、>700mmHg真空)にて実質的に揮発分を留
去するとともに重合体をペレットとして回収した。
実施例1と同じ共重合体(A)および(B)を用い、共
重合体(A)/共重合体(B)=47.1/52.9の混合比で
混合した耐熱樹脂〔I〕と上記AESのグラフト重合体〔I
I〕を〔I〕/〔II〕=57.1/42.9で混合し、実施例1に
従って物性を測定した。
実施例7 N−フェニルマレイミドの代りにN−O−クロルフェニ
ルマレイミドを使用した他は実施例1と同様である。な
お得られた共重合体(A)の極限粘度〔η〕は0.24dl
/gであった。
実施例8 共重合体(B)を以下の方法により製造した他の実施例
1と同様である。
イオン交換水180部、ステアリン酸カリウム1.8部、α−
メチルスチレン52部、メタクリル酸メチル8.0部、アク
リロニトリル8.0部、スチレン12.0部からなる混合物と
第3級ドデシルカプタン0.3部を、窒素置換した撹拌機
を有する反応器に仕込み乳化させた。窒素気流下で撹拌
しながら温度を40℃に上げた後、イオン変換水16部に
溶解したナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.16部、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム0.08部
および硫酸第1鉄0.003部を加え、さらにクメンハイド
ロパーオキサイド0.25部を加えて重合反応を開始した。
反応容器のジャケット温度を60℃にコントロールして重
合を1時間続けたところで、アクリロニトリル10部を2
時間にわたって連続点に添加した。添加終了後イオン交
換水20部、ステアリン酸カリウム0.2部、アクリロニト
リル3.0部とスチレン7.0部の混合物と第3級ドデシルメ
ルカプトン0.1部を乳化して加え、さらにイオン交換水
4部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.
04部、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム0.02部、
硫酸第1鉄0.002部を溶解したものを加えた後、クメン
ハイドロパーオキサイド0.05部を加え2時間の重合反応
を行った。転化率は98%であった、この共重合体(B)
の極限粘度〔η〕は0.37dl/gであった。
比較例1 撹拌機を備えたオートクレーブ中にスチレン57.2部を仕
込み、系内窒素ガスで置換したのち、温度80℃に加熱し
た。これにN−フェニルマレイミド42.8部、ベンゾイル
パーオキサイド0.3部をメチルエチルケトン85部に溶解
した溶液を10時間かけて添加した。添加後さらに2時間
重合を続けた。得られた共重合体の極限粘度〔η〕は0.
42dl/gであった。これを共重合体(A)とする。
次いでスチレン75部、アクリロニトリル25部をメチルエ
チルケトン100部に溶解し、ベンゾイルパーオキシド0.3
部により80℃で重合を開始し反応完結後の共重合体
(B)を製造した。極限粘度は0.41であった。これを
(A)/(B)=56/44の混合比で混合した後、メタノ
ール中に注ぎ、凝固、乾燥した。
上記耐熱性樹脂〔I〕および実施例1のグラフト化物
〔I〕/〔II〕=75/25の混合比で混合し実施例1にし
たがって物性を測定した。
実施例に比べ130℃における加熱収縮率が劣っている。
比較例2 共重合体(B)の芳香族ビニルをスチレン60部とし、ビ
ニルシアンをアクリロニトリル40部とした他は実施例1
と同様である。共重合体(B)の極限粘度は0.65であ
り、加熱収縮率は比較的良好であるが着色が激しい。
g. 発明の効果 耐熱性が高く、かつ加熱収縮に優れるので、本発明で得
られた耐熱性可塑性樹脂は自動車の内装部品や、電気製
品などに使用することが出来る。
本発明は、N置換マレイミドを含有する共重合体
(A)、芳香族ビニルを含有する共重合体(B)、およ
びグラフト共重合体〔II〕の極限粘度〔η〕をそれぞれ
特定の範囲にすることにより、均一な混合組成物を得る
ものであり、得られた耐熱性樹脂組成物は優れた耐熱性
を維持しており、耐衝撃強度と成形加工性が改良されて
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 35:06 55:02) (72)発明者 木村 慎一 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−45793(JP,A) 特開 昭60−3690(JP,A) 特開 昭61−272259(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N置換マレイミド56〜85重量%および
    芳香族ビニル15〜44重量%よりなる極限粘度〔η〕
    が0.1〜0.7dl/gである共重合体(A)5〜85重
    量%と、芳香族ビニル70.5〜82重量%、シアン化
    ビニル18〜29.5重量%および他の共重合可能なビ
    ニルモノマー0〜50重量%よりなる極限粘度〔η〕が
    0.2〜0.8dl/gである共重合体(B)95〜15重
    量%とからなる混合物であって、その極限粘度〔η〕が
    0.25〜0.7dl/gである耐熱性樹脂〔I〕15〜8
    5重量%に、ゴム状重合体30〜70重量%の存在下に
    芳香族ビニル20〜50重量%、シアン化ビニル5〜2
    0重量%および他の共重合可能なビニルモノマー0〜4
    5重量%をグラフト共重合させたグラフト共重合体であ
    って、その非グラフト成分の極限粘度が0.2〜1.0
    dl/gであるグラフト共重合体〔II〕85〜15重量%を
    配合してなる組成物であり、その極限粘度が0.2〜
    0.9dl/gであることを特徴とする耐熱性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】N置換マレイミドがN−フェニルマレイミ
    ド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−O−メチルフ
    ェニルマレイミド、N−O−クロルフェニルマレイミド
    より選ばれた少なくとも1種である特許請求の範囲第
    (1)項記載の耐熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】芳香族ビニル中のα−メチルスチレン含量
    が50重量%以上である特許請求の範囲第(1)項記載
    の耐熱性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】予め共重合体(A)および(B)とからな
    る耐熱性樹脂〔I〕を製造し、該耐熱性樹脂〔I〕とグ
    ラフト重合体〔II〕とを混合したものである特許請求の
    範囲第(1)項記載の耐熱性樹脂組成物。
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