JPH0635501B2 - 熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂の製造方法

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JPH0635501B2
JPH0635501B2 JP60150124A JP15012485A JPH0635501B2 JP H0635501 B2 JPH0635501 B2 JP H0635501B2 JP 60150124 A JP60150124 A JP 60150124A JP 15012485 A JP15012485 A JP 15012485A JP H0635501 B2 JPH0635501 B2 JP H0635501B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光沢が極めて優れかつ成形品の突出し白化性が
改良されたゴム変性耐衝撃性樹脂の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ABS樹脂等ゴム変性スチレン系樹脂は優れた耐衝撃性、
機械的性質、成形加工性、光沢性等多くの特徴を有して
おり、汎用熱可塑性樹脂として広く使用されている。
ゴム変性スチレン系樹脂を使用する成形業界において
は、省資源やコストダウンのために大型成形品を薄肉化
する傾向にあるが、成形品を金型から取り出す際に突出
しピンにより成形品が白化する現象(以下、突出し白化
性と呼ぶ)が生じるという問題がある。
一方、ゴム変性スチレン系樹脂の主要な用途分野である
家電業界においては商品価値を高めるため従来よりも高
い光沢性の材料の開発が望まれ、薄肉の大型成形品を製
造するにさいし光沢の低下の少ない材料が要求されてい
る。
一般にゴム変性スチレン系樹脂の諸物性は、使用するゴ
ム相の組成、ゲル含率、粒子径、粒子径の分布、ゴム含
有量などの因子によって影響される。当業界において
は、突出し白化性を改良する為、樹脂中のゴム含有量を
増やす方法が試みられているが、樹脂の重要な特性であ
る剛性などの機械的性質や光沢が低下するという問題を
生じる。
更に、ゴムの粒子径に着目して例えば特公昭45−33
305号公報では0.1μ以上のゴム状ラテックスと0.1μ
以下のゴム状ラテックスの両方を用いて曲げや引張りに
対する白化を改良する方法が記載されている。しかし乍
らこの方法では本発明の目的とする突出し白化性を改良
するには不十分でありまた高い光沢性を併わせ持たせる
ことは不可能である。
また特公昭60−8691号公報では光沢性を改良する
ため平均粒子径0.2μ以上で好ましくは1μ以上の大粒
子径を含有しかつ粒子径分布を有するブタジエン系重合
体ラテックスと平均粒子径が1.15μ以下のスチレン−ブ
タジエン共重合体ラテックスとの混合ラテックスを用い
ることが提案されている。しかし乍らこの方法では光沢
性は改良されるが、薄肉化された成形品の場合光沢が低
下する欠点があり、又突出し白化性は不十分であるので
実用的にみて問題がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は成形時における成形品の突出し白化性を
改良し高光沢性を有し、かつ光沢に対する成形品の肉厚
依存性を少なくし、耐衝撃性を低下させないゴム変性熱
可塑性樹脂組成物を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に従って、ブタジエン系重合体ラテックス27〜
65重量部(固形分として)の存在下でビニル芳香族化
合物及びビニルシアン化合物を主成分とする単量体73
〜35重量部を乳化グラフト共重合させるに当り、該ブ
タジエン系重合体ラテックスとしてゲル含有率が50重
量%以上、平均粒子径(p)が1000Å以上で18
00Å未満でありかつ粒子の70重量%以上が0.7×
p〜1.5×pÅの粒子径範囲にある狭い粒子径分布を
有するラテックスを用いることを特徴とする熱可塑性樹
脂の製造方法が提供される。
本発明において特に重要なことは、極めて狭い粒子径分
布を有する小粒子径のブタジエン系重合体ラテックスを
使用することである。
即ち、平均粒子径(重量平均粒子径)pが1000Å
以上1800Å未満好ましくは1200〜1700Å、
更に好ましくは1300〜1700Åの小粒子径ゴムラ
テックスでかつ粒子の70重量%以上、好ましくは80
重量%以上が0.7×pないし1.5×p(Å)、好ましく
は0.8×pないし1.4×p(Å)、更に好ましくは0.85
〜1.35p(Å)の粒子径範囲にある極めて狭い粒子径分
布を有するゴムラテックスを用いることである。
実用的な成形において突出し白化性を改良する為には、
樹脂自体がある程度の耐衝撃性を必要とするので耐衝撃
性を高めた上で樹脂自体を白化し難くする必要がある。
ゴムラテックスの平均粒子径pが1800Å以上の場
合は耐衝撃性が良いが、突出し白化性が悪くなる。逆に
1000Å未満の場合は、突出し白化性が向上するが、
耐衝撃性が低下する。
ゴムラテックスの平均粒子径が上記の範囲内にあると
き、耐衝撃性及び突出し白化性が向上し光沢性も良好と
なり本発明の目的が達成される。
又ゴム粒子の70重量%以上が0.7×p〜1.5×p
(Å)の範囲内にある極めて狭い粒子径分布を有する場
合、高い光沢性を有し突出し白化性が改良された成形品
が得られる。
また本発明において重要なことは、小粒子径のブタジエ
ン系重合体ラテックスが特定のゲル含有率を有する点で
ある。ブタジエン系重合体ラテックスのゲル含有率は5
0重量%以上好ましくは60重量%以上更に好ましくは
70重量%以上、特に好ましくは70〜90重量%であ
る。ゲル含有率が50重量%未満の場合は耐衝撃性及び
光沢性が低下し、成形品の収縮が大きくなるので金型に
くらいつき易くて、突出し白化し易くなる。
ゲル含有率が50重量%以上の場合は、これらの点が改
良され、しかも、成形品の光沢が良好となる。
本発明のブタジエン系重合体ラテックスとしては、共役
ジエンを主成分とした(共)重合体であり、共役ジエン
の含有量は好ましくは70重量%以上、更に好ましくは
80重量%以上であり、具体的にはブタジエン単独重合
体およびブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体などのブタジエン系共重合体
を使用できる。これらの中では低温における耐衝撃性が
優れる点からブタジエン単独重合体が好ましい。
これらのブタジエン系重合体ラテックスを製造するにあ
たっては、通常の乳化重合方法を任意に採用することが
できる。粒子径分布及びゲル含有率を目的の範囲に調節
するためには、重合時に単量体/重合水比、乳化剤量、
電解質等を適量用い、重合速度をコントロールし、かつ
重合の際アグロメレーションが起きないように注意して
重合することにより得られる。また、上記のゴムの平均
粒子径、粒子径分布、ゲル含有率などの特性を満足させ
るためには、重合の条件、例えば重合温度、重合時間あ
るいは連鎖移動剤の量などを調節することが必要であ
る。
本発明において上記のブタジエン系重合体ラテックスの
存在下でグラフト共重合させる単量体はビニル芳香族化
合物とビニルシアン化合物を主成分とするものである。
ビニル芳香族化合物としてはスチレン、アルファメチル
スチレン、ビニルトルエン、ハロゲン化スチレンなどで
あり、これらは2種以上を混合して使用することも可能
である。
またビニルシアン化合物としては、アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどであり、2種以上を混合しても
よい。必要に応じてこれら単量体と共重合可能な単量体
として例えばアクリル酸エステル、およびメタクリル酸
エステル単量体を使用することができ、該単量体として
はアクリル酸およびメタクリル酸のメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル及びフェニルエステル類があげられる。
単量体としてはアクリロニトリルとスチレンの組合わせ
が特に好ましい。
本発明のグラフト重合体は上記ブタジエン系重合体ラテ
ックス27〜65重量部(固形分)、好ましくは30〜
65重量部、特に好ましくは40〜65重量部に対し、
上記単量体混合物73〜35重量部、好ましくは70〜
35重量部、特に好ましくは60〜35重量部を使用し
てグラフト重合させて得られる。
ブタジエン系重合体ラテックスが27重量部未満の場合
は衝撃強度が低下し光沢性及び突出し白化性の改良が不
充分となる。
一方、ブタジエン系重合体ラテックスが65重量部を越
える場合は突出し白化性及び光沢性が低下する。又、粉
体としてグラフト重合体を回収することが困難となる上
に、高温度で成形した場合の光沢性が悪くなる。
得られたグラフト重合体のグラフト率は本発明の目的か
らみて40〜150%が好ましく、更に好ましくは40
〜140%である。グラフト率はゴム、モノマー及び乳
化剤の比率、それらの添加方法、開始剤の種類及び量、
連鎖移動剤の種類及び量、更にその添加方法などを調整
することにより所望の値が得られる。
またグラフト重合体中のメチルエチルケトン可溶分の固
有粘度〔η〕(30℃測定)0.2〜0.6dl/gが好ましく、
更に好ましくは0.25〜0.55dl/gである。
グラフト共重合における単量体混合物、ラジカル重合開
始剤、乳化剤等の成分の添加方法としては、通常行なわ
れる種々の方法、すなわち重合開始時に全量を一度に
添加する方法2回以上に分割して添加する方法、一
部または全量を所定の速度で連続的に添加する方法など
ご採ることができる。
グラフト反応に用いるラジカル重合開始剤としては、ク
メンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシ
ド等で代表される。
有機ハイドロパーオキシド類と含糖ピロリン酸処方、、
スルホキシレート処方等で代表される還元剤との組み合
せによるレドックス系あるいは過硫酸塩、アゾビスイソ
ブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシドなどの過酸化
物単独が使用される。
分子量調節剤としてはt−ドデシルメルカプタン、n−
ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノールなどのメ
ルカプタン類、あるいはターピノーレン、ジペンテン、
r−テルピネンおよび少量の他の環状テルペン類よりな
るテルペン混合物やクロロホルム、四塩化炭素等のハロ
ゲン化炭化水素などを使用することができる。
乳化剤としては、ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウ
ム等のロジン酸塩、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナ
トリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムな
どの脂肪酸のアルカリ金属塩およびラウリル硫酸ナトリ
ウムなどの脂肪族アルコールの硫酸エステル塩、さらに
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキル
アリルスルホン酸などいずれも使用することが可能であ
る。
このようにして得られたグラフト共重合体は、単独で使
用できることはもちろんであるが、必要に応じて市販さ
れているアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹
脂)などと混合してもよい。この場合ゴム分の含有率は
耐衝撃性、流動性、強度、硬度、熱変形温度等の物性が
良好である点から樹脂組成物中に10〜30重量%更に
好ましくは10〜25重量%をしめるように使用するこ
とも可能である。また、本発明のグラフト共重合体をポ
リカーボネート樹脂など他の熱可塑性樹脂に混合して、
従来のスチレン系樹脂と比較し、光沢性及び突出し白化
性を高める為の改質剤としても使用できる。
また、通常のプラスチック用添加剤、着色剤、安定剤、
帯電防止剤、可塑剤などを添加して使用してもよい。
〔実施例〕
次に、実施例を示して具体的に説明するが、本発明は、
その主旨を越えない限り、これらの実施例に限定される
ものではない。
なお、実施例中の%および部は各々重量%および重量部
を意味する。
本発明において分析法を以下に示す。
(1) ラテックス粒子径の分布;アルギン酸ナトリウム
を用いるクリーミング法により測定した。平均粒子径は
重量平均である。
(2) ゴムのゲル含有率;ラテックスを凝固、乾燥させ
た後、トルエンに室温(20℃)で20時間溶解させた
後、200メッシュ金網で別した不溶解缶分の重量%
である。
(3) ラテックス率;グラフト重合体の一定量(x)をアセ
トン中に投入し、振トウ機で2時間振トウし、遊離の共
重合体を完全に溶解させる。遠心分離機を用いて、この
溶液を23,000rpm で30分間遠心分離し、不溶分を得
る。次に真空乾燥機を用いて120℃で1時間乾燥し不
溶分(y)を得る。
グラフト率は次式より算出した。
ブタジエン系重合体ラテックスの製造方法: ゴムラテックスA〜C,F,G 表−1に示した混合物を耐圧反応器に仕込み、表−1の
条件下で重合した。反応終了後、未反応ブタジエンを水
蒸気蒸留で除去しゴムラテックスを得た。ゴムラテック
スの物性平均粒子径、粒径分布、ゲル含有率を表−2に
示す。ポリブタジエンAは平均粒子径pが1600Å
であり0.7×p〜1.5×pは1120〜2400Åと
なる。一方ポリブタジエンAは表2の結果より1181
〜2100Åの粒子の含有率が92.2%である。1120
〜2400Åの粒子含有率を計算で求めると96%とな
る。又ゲル含有率は82%である。従ってポリブタジエ
ンAは本発明の範囲内にある。
ゴムラテックスD 表−1に示した混合物を耐圧反応器に仕込み45℃で重
合を開始し、転化率50%で撹拌数をあげて約2時間反
応を継続した。得られたゴムラテックスの物性を表−2
に示すが、電子顕微鏡観察では、粒子径分布が広く粒子
径1μ以上の大きな粒子が存在するラテックスであっ
た。
ゴムラテックスE 表−1に示した混合物を耐圧反応器に仕込み、55℃で
重合し、23時間後の重合転化率55%で重合停止し
た。得られたゴムラテックスの物性を表−2に示す。
ゴムラテックスH 特公昭46−9473号公報における参考例のラテック
スBに示された方法に従って、表−1に示した混合物
(乳化剤としてはロジン酸カリを使用)を用いて重合を
行なった。得られたゴムラテックスの物性を表−3に示
す。
<グラフト重合体の製造法> 実施例−1 (I) ポリブタジエンラテックスA(固形分) 60(部) スチレン 10 アクリロニトリル 4 t−ドデシルメルカプタン 0.05 蒸留水 120 上記混合物(I)をジャケットおよび撹拌機付きの反応器
に仕込み、窒素で内部の空気を置換したのちジャケット
を70℃にコントロールしながら内温を50℃に昇温し
て水10部に溶解したピロリ酸ナトリウム0.3部、デキ
ストローズ0.35部、硫酸第1鉄0.01部とクメンハイドロ
パーオキシド0.1部を添加し反応させた。
反応格を開始してから1時間後に、下記(II)の混合物を
5時間にわたって連続的に添加し、更に撹拌機しながら
1時間反応格を続けた。重合転化率は96%であった。
(II) スチレン 18(部) アクリロニトリル 8 t−ドデシルメルカプタン 0.15 ロジン酸カリウム 0.5 水酸化カリウム 0.02 クメンハイドロパ-オキサイド 0.15 イオン交換水 30 得られたグラフト重合体ラテックスに老化防止剤とし
て、2,6−ジ−tert−ブチルパラクレゾール1.0部を
添加した後、硫酸(ポリマー100部に対し2部)を加
え、凝固した。これを分離,水洗,脱水,乾燥してグラ
フト重合体を得た。このグラフト重合体のグラフト率は
48%であった。これに、AS樹脂(アクリロニトリル
含率30%、30℃メチルケトン中の極限粘度0.45dl/
g)を混合しゴム量を15%に調整した。
これにエチレンビスステアリルアミド1.0部を添加混合
した後、40m/m押出機を用い200℃でペレット化
し、3.5オンスの射出成形機を使用して220℃で成形
し、物性を測定した。
試験片、評価方法は次の通りである。
(1) アイゾット衝撃強度;ASTM-D256 試験片1/2″×1/4″×5/2″ノッチ付 (2) 光沢度;ASTM-D523 試験片縦55mm×横80mm×厚み2.4mm 縦55mm×横80mm×厚み1.6mm 光沢に対する成形品の肉厚依存性は次式の光沢保持率で
示す。
(3) 突出し白化性;オートグラフを使用し70℃の恒温
下で試験片縦55mm×横80mm×厚み2.4mmに対し降下
速度100mm/min で直径10mmの棒を試験片に当てて応
力を加え、試験片が白化する応力を測定する。
物性結果を表−2に示すが、本発明の実施例では突出し
白化性が極めて良好であり、その上、光沢保持率で示す
様に極めて光沢性が良好であることが確認された。
実施例−2 (I) ポリブタジエンラテックスA(固形分) 40(部) スチレン 14 アクリロニトリル 6 t−ドデシルメルカプタン 0.1 ロジン酸カリウム 0.25 水酸化カリウム 0.005 イオン交換水 100 (II) スチレン 28(部) アクリロニトリル 12 t−ドデシルメルカプタン 0.2 ロジン酸カリウム 1.0 水酸化カリウム 0.02 クメンハイドロパ-オキサイド 0.15 イオン交換水 50 実施例−1において(I),(II)を上記のとおり置き換え
た以外は同様にして行なった。
重合転化率は98%であり、グラフト重合体のグラフト
率は82%であった。
実施例−1に対し実施例−2ではグラフト重合体の製造
時において、ポリブタジエンラテックスの仕込量を変量
したが、本発明で規定された範囲内であれば目的を達成
できることが判る。
実施例−3,4 実施例−2において、ゴムラテックスの種類のみを変更
した以外は同様にして行なった。物性結果を表−2に示
す。ポリブタジエンラテックスの平均粒子径が小さい場
合、(実施例−3)又はスチレン−ブタジエン共重合ゴ
ムラテックスを使用した場合、(実施例−4)、いずれ
の場合も本発明で規定された範囲内であれば目的を達成
できることが判る。
比較例1〜4 実施例−2において、ゴムラテックスの種類のみを変更
した以外は同様にして行なった。
ゴムラテックスの粒子径分布が広い場合(比較例−
1)、ゴムラテックスのゲル含有率が低い場合(比較例
−2)、ゴムラテックスの平均粒子径が大きい場合(比
較例−3)又は小さい場合(比較例−4)は、いずれの
場合も本発明で規定された範囲外であり、衝撃強度、光
沢度及び突出し白化性の全てを向上させることはできな
い。
比較例−5 特公昭46−9473の実施例に準じて行なった。グラ
フト重合時に使用されるゴム量が本発明の範囲以下で使
用した例である。即ち、ポリブタジエンラテックスH2
5部(ゴム固形分で)に、スチレン50部、アクリロニ
トリル25部、ロジン酸ソーダ20部、アルキルナフタ
レンスルホン酸ソーダ0.2部、苛性ソーダ0.2、グルコー
ス0.5部、蒸留水200部(全部で)、ピロリン酸ソー
ダ0.5部、硫酸第1鉄0.02部、tert−ドデシルメルカプ
タン0.5部、クメンハイドロパーオキサイド0.5部を加
え、60℃にて4時間重合した。重合転化率は95%で
あり、グラフト率は43%であった。他は実施例−1に
準じて行ない得られた結果を表−3に示した。衝撃強度
は高いが、本発明で意図する光沢性及び突出し白化性は
低く、目的を達成することができない。
実施例−5 実施例−2で製造したグラフト重合体にAS樹脂(アク
リロニトリル含率30%、30℃メチルエチルケトン中
の極限粘度0.45dl/g)を混合しゴム量を25部に調整し
た。
結果を表−3に示すが、比較例−5と比べ、同一ゴム量
であっても、本発明の実施例5が、衝撃強度、光沢性、
及び突出し白化性のいずれも優れていることが判る。
比較例−6 (I) ポリブタジエンラテックスA(固形分) 15(部) スチレン 20 アクリロニトリル 8.5 t−ドデシルメルカプタン 0.15 ロジン酸カリウム 0.5 水酸化カリウム 0.01 イオン交換水 150 (II) スチレン 39.5(部) アクリロニトリル 17 t−ドデシルメルカプタン 0.3 ロジン酸カリウム 1.0 水酸化カリウム 0.02 クメンハイドロパーオキサイド 0.20 イオン交換水 50 実施例−1において(I),(II)を上記のとおり置き換え
た以外は同様にして行なった。重合転化率は98%であ
り、グラフト重合体のグラフト率は95%であった。
グラフト重合体の製造時のゴムラテックス量が本発明で
規定された範囲外であるので、衝撃強度、光沢性及び突
出し白化性のいずれも本発明の実施例より劣ることが判
る。
実施例−6 ゴムラテックスの種類としてポリブタジエンラテックス
AとポリブタジエンラテックスFとを70対30の比率
で組合せて使用した。表−3に示す様にこのゴムラテッ
クスは、平均粒子径、粒径分布及びゲル含有率は本発明
の範囲内であった。実施例−2において、このゴムラテ
ックスを使用した以外は同様にして行なった。
結果を表−3に示すが、衝撃強度、光沢度及び突出し白
化性は共に良好であることが判る。
実施例−7 (I) ポリブタジエンラテックスA(固形分) 30(部) スチレン 21 アクリロニトリル 9 t−ドデシルメルカプタン 0.15 ロジン酸カリウム 0.375 水酸化カリウム 0.0075 イオン交換水 100 (II) スチレン 28(部) アクリロニトリル 12 t−ドデシルメルカプタン 0.3 ロジン酸カリウム 1.0 水酸化カリウム 0.02 クメンハイドロパーオキサイド 0.15 イオン交換水 50 実施例−1において(I),(II)を上記の組成に置き換え
た以外は同様にして行なった。重合転化率は97%であ
り、グラフト重合体のグラフト率は65%であった。グ
ラフト重合体をAS樹脂で希釈しないで他は実施例−1
に従って評価した。
(物性) ブレンド樹脂のゴム量(部) 30 グラフト体のグラフト率(%) 65 アイゾット衝撃強度(kg・cm/cm)45 光沢度(2.4m/m)(%) 90 光沢度(1.6m/m)(%) 77 光沢保持率 (%) 86 突出し白化性 (kg) 90 本発明で規定された範囲内であれば目的を達成できるこ
とが判る。
〔発明の効果〕
以上から明らかな如く本発明によれば、特定のゲル含率
で極めて狭い粒子径分布を有する小粒子径のブタジエン
系重合体ラテックスにビニル系単量体を乳化グラフト共
重合させて得られたグラフト重合体を使用して成形時に
おける成形品の突出し白化性を向上させた上で高光沢性
でかつ、光沢に対する成形品の肉厚依存性を著しく小さ
くさせた実用上、有用な耐衝撃性熱可塑性樹脂を製造す
ることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 慎一 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特公 昭46−10667(JP,B1) 特公 昭47−3982(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブタジエン系重合体ラテックス27〜65
    重量部(固形分として)の存在下でビニル芳香族化合物
    及びビニルシアン化合物を主成分とする単量体73〜3
    5重量部を乳化グラフト共重合させるに当り、該ブタジ
    エン系重合体ラテックスとしてゲル含有率が50重量%
    以上、平均粒子径(p)が1000Å以上で1800
    Å未満でありかつ粒子の70重量%以上が0.7×p〜
    1.5×pÅの粒子径範囲にある狭い粒子径分布を有す
    るラテックスを用いることを特徴とする熱可塑性樹脂の
    製造方法
JP60150124A 1985-07-10 1985-07-10 熱可塑性樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JPH0635501B2 (ja)

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