JPH06293855A - 高光沢樹脂組成物 - Google Patents

高光沢樹脂組成物

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JPH06293855A
JPH06293855A JP16065993A JP16065993A JPH06293855A JP H06293855 A JPH06293855 A JP H06293855A JP 16065993 A JP16065993 A JP 16065993A JP 16065993 A JP16065993 A JP 16065993A JP H06293855 A JPH06293855 A JP H06293855A
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JP
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weight
parts
copolymer
resin composition
monomer
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JP16065993A
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English (en)
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Tadao Fukumoto
忠男 福本
Kazumasa Chiba
一正 千葉
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A)特定の平均粒子径および粒子径分布を有
するジエン系ゴム質重合体ラテックス10〜60重量部
の存在下、特定の組成を有する単量体混合物を重合して
なり、特定のグラフト率を有するグラフト共重合体およ
び(B)特定組成を有する単量体混合物を重合してな
り、極限粘度が特定範囲にある共重合体からなり、
(A)成分10〜100重量部、(B)成分0〜90重
量部((A)と(B)の合計100重量部)である高光
沢樹脂組成物。 【効果】本発明の樹脂組成物は、成形品の機械的物性を
損なうことなく著しい表面光沢の向上がみられ、家庭用
電気機器の外装部品などの成形材料として好適である。
この効果は分散ゴム粒子の平均粒子径および粒子径分布
の規定されたグラフト共重合体(A)及び特定の共重合
体(B)を所定の割合で混合することにより初めて発揮
されるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光沢が極めて優れ、かつ
耐衝撃性の良好な樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂に代表されるゴム強化スチレ
ン系樹脂は優れた耐衝撃性、機械物性、成形加工性およ
び光沢を有し、汎用樹脂とエンジニアリング樹脂との中
間の特性を持つ準エンプラとして自動車用途や家電用途
などに広く使用されている。
【0003】一方、この家電用途においては、商品価値
をさらに高める目的で従来品よりも光沢の高い製品に対
する需要が高まっている。
【0004】一般的に表面光沢の改良には樹脂組成物中
のゴム質重合体の濃度を低くする方法やゴム質重合体の
粒子径を小さくする方法が用いられているが、いずれの
方法でも耐衝撃性の低下という不具合が招かれることに
なる。
【0005】そこで、これらの欠点を改良するために、
平均粒径の小さいゴム成分を用い、さらにゴム粒子径分
布を規定する方法(特開昭62−11714号公報)及
びゴム成分の粒子径分布を規定し、かつマトリックス樹
脂の組成を規定する方法(特開昭63−264658号
公報)などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭62−11714号公報に記載の発明では表面光沢
と耐衝撃性の両方を満足する樹脂組成物を得ることがで
きない。
【0007】また、特開昭63−264658号公報は
表面光沢に斑が起こり、満足のできる樹脂組成物が得ら
れない。
【0008】そこで、本発明の課題は、成形品表面の光
沢に優れ、耐衝撃性が良好な樹脂組成物を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
た。
【0010】すなわち、本発明は(A)ゴム質重合体の
ゲル含有率が60重量%以上で、かつ該ゴム質重合体粒
子の平均粒子径が0.19〜0.22μmであり、その
80重量%以上が下記(I)式を満たす粒子径分布を有
するジエン系ゴム質重合体ラテックス10〜60重量部
(固形分換算)の存在下、芳香族ビニル系単量体82〜
73重量%、シアン化ビニル系重合体18〜27重量%
からなる単量体混合物40〜90重量部を重合してな
り、グラフト率が30〜80重量%の範囲にあるグラフ
ト共重合体および(B)芳香族ビニル系単量体80〜7
0重量%、シアン化ビニル系単量体20〜30重量%か
らなる単量体混合物を重合してなり、かつメチルエチル
ケトン溶媒で30℃測定の極限粘度が0.4〜0.6d
l/gである共重合体からなり、上記(A)成分と
(B)成分の合計を100重量部として、(A)成分1
0〜100重量部、(B)成分0〜90重量部である高
光沢樹脂組成物である。
【0011】0.7×M≦X≦1.3×M…(I) (ただし、式中Mはゴム粒子の平均粒子径(μm)、X
は個々のゴム粒子径(μm)を示す。)本発明で用いら
れるグラフト共重合体(A)の構成成分であるジエン系
ゴム質重合体としては、共役ジエンを主成分とした重合
体または共重合体が好適である。このうち共役ジエンの
含有量は75重量%以上、特に85重量%以上が好まし
い。具体的にはポリブタジエン、スチレン−ブタジエン
共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ア
クリル酸ブチル−ブタジエン共重合体およびイソプレン
ゴムなどを使用することができる。
【0012】これらのジエン系ゴム質重合体ラテックス
の平均粒子径は0.19〜0.22、好ましくは0.2
0〜0.21μmの範囲にあることが必要である。
【0013】ここで、ジエン系ゴム質重合体ラテックス
の平均粒子径が0.19μm未満の場合は、樹脂組成物
の耐衝撃性が悪く、逆に0.22μmを越える場合に
は、表面光沢が低下して満足できる樹脂組成物を得るこ
とができない。
【0014】また、ここで使用するジエン系ゴム質重合
体ラテックスは、重合体粒子の80重量%以上が下記
(I)式を満足する範囲にある粒子径分布を有すること
が必須条件である。
【0015】0.7×M≦X≦1.3×M …(I) (ただし、式中Mはゴム質粒子の平均粒子径(μm)、
Xはここのゴム粒子径(μm)を示す。)上記(I)式
を満足する狭い粒子径分布を有するゴムラテックスを用
いた場合にのみ、耐衝撃性、表面光沢の優れた樹脂組成
物を得ることができ、本発明の目的を達成することがで
きる。
【0016】また、ジエン系ゴム質重合体ラテックスの
ゲル含有率については、得られる組成物の表面光沢と耐
衝撃性を考慮して、60重量%以上であることが必要で
ある。
【0017】ここでゲル含有率とは、ゴムラテックスを
凝固、乾燥した後のトルエン不溶分の重量分率を指す。
【0018】これらのジエン系ゴム質重合体ラテックス
の製造方法としては、通常の乳化重合法を採用すること
ができる。平均粒子径、粒子径分布およびゲル含率の所
望の範囲への設定は、重合時の重合水量、乳化剤量、連
鎖移動剤量、重合温度、撹拌速度および重合時間などを
精密にコントロールすることにより可能となる。
【0019】本発明において、上記ジエン系ゴム質重合
体ラテックスの存在下にグラフト重合する単量体は、芳
香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体からなる
単量体混合物である。
【0020】芳香族ビニル系単量体としてはスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトル
エン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、o−
クロロスチレンおよびo,p−ジクロロスチレンなどが
挙げられるが、特にスチレンが好ましい。これらは1種
または2種以上を用いることができる。
【0021】シアン化ビニル系単量体としては、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニト
リルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ま
しい。
【0022】ここで、芳香族ビニル系単量体の割合は全
単量体に対し82〜73重量%、好ましくは80〜75
重量%であり、82〜73重量%の範囲をはずれた場合
は、樹脂組成物の耐衝撃性または表面光沢が悪くなるた
め好ましくない。
【0023】シアン化ビニル系単量体の割合は全単量体
に対し18〜27重量%、好ましくは20〜25重量%
であり、18重量%未満の場合は、樹脂組成物の耐衝撃
性が悪化し、27重量%を越える場合には樹脂組成物の
表面光沢が悪くなるため好ましくない。
【0024】またグラフト共重合体(A)は、上記ジエ
ン系ゴム質重合体ラテックス10〜60重量部(固形分
換算)、好ましくは25〜55重量部、より好ましくは
30〜50重量部に対し、上記単量体混合物90〜40
重量部、好ましくは75〜45重量部、より好ましくは
70〜50重量部を用いて乳化グラフト重合することに
より得ることができる。
【0025】ジエン系ゴム質重合体ラテックスが10重
量部(固形分換算)未満の場合は樹脂組成物の耐衝撃性
が悪くなり、60重量部(固形分換算)を越える場合に
はジエン系ゴム質重合体の分散不良により、樹脂組成物
の表面光沢が著しく低下するため好ましくない。
【0026】グラフト共重合体における単量体混合物、
乳化剤、重合開始剤および連鎖移動剤などの成分の添加
方法としては様々の方法を採用することができる。すな
わち、(1)重合初期に全量を添加する方法、(2)一
部を初期に添加し残りを一定の速度で連続添加する方法
および(3)2回以上に分割して添加する方法などであ
る。
【0027】利用する乳化剤、重合開始剤および連鎖移
動剤の種類については特に制限はなく、通常の乳化重合
で用いられる試薬を使用できる。代表的な乳化剤として
はロジン酸カリウム、ステアリン酸カリウムおよびオレ
イン酸カリウムなどが、重合開始剤としては有機ハイド
ロパーオキサイドと含糖ピロリン酸−硫酸第1鉄の併用
系および過硫酸塩などが、また連鎖移動剤としてはアル
キルチオール化合物がそれぞれ挙げられるが、特にノル
マルオクチルカプタンは耐衝撃性と表面光沢が均衡して
優れ好ましい。
【0028】このようにして得られるグラフト共重合体
(A)のグラフト率は、耐衝撃性に優れた高光沢樹脂組
成物を得るために30〜80%が好ましい。グラフト率
が30重量%未満では樹脂組成物の耐衝撃性が悪くな
り、80重量%を越えると表面光沢が低下するため好ま
しくない。グラフト率はゴム質重合体と単量体混合物の
比率、重合開始剤の種類および量、連鎖移動剤の種類お
よび量を調節することにより制御可能である。
【0029】またグラフト共重合体(A)のメチルエチ
ルケトン可溶分の極限粘度[ηr](30℃で測定)は
0.25〜0.6dl/gが好ましく、0.3〜0.5
5dl/gがより好ましい。これらの範囲にあるときは
本発明の目的を達成することができる。
【0030】本発明で用いられる共重合体(B)の構成
成分である芳香族ビニル系単量体としてはスチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルス
チレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレン、o−ク
ロロスチレンおよびo,p−ジクロロスチレンなどが挙
げられるが、特にスチレンが好ましい。これらは1種ま
たは2種以上を用いることができる。
【0031】シアン化ビニル系単量体としてはアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリ
ルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好まし
い。
【0032】また、必要に応じて芳香族ビニル系単量体
の一部を(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチルなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、マ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド
系単量体に置換することもできる。
【0033】ここで、単量体混合物の各成分の比は芳香
族ビニル系単量体が80〜70重量%、好ましくは75
〜72重量%であり、シアン化ビニル系単量体が20〜
30重量%、好ましくは25〜28重量%となる範囲で
ある。
【0034】シアン化ビニル系単量体が20重量%未満
の場合は樹脂組成物の耐衝撃性が悪く、30重量%を越
える場合には樹脂組成物の表面光沢が悪くなるため好ま
しくない。
【0035】また、共重合体(B)の極限粘度[ηr]
(メチルエチルケトン溶媒、30℃測定)は0.4〜
0.6dl/gであり、0.4〜0.55dl/gが好
ましい。
【0036】共重合体(B)の重合方法にも特に制限は
なく、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合
法などの公知の方法を用いることができる。
【0037】本発明においては、上記のようにして得ら
れた各重合体をグラフト共重合体(A)10〜100重
量部、好ましくは15〜70重量部、より好ましくは2
0〜50重量部、特に好ましくは20〜40重量部、共
重合体(B)0〜90重量部、好ましくは30〜85重
量部、より好ましくは50〜80重量部、特に好ましく
は60〜80重量部で、かつ上記(A)、(B)の合計
量が100重量部となるように配合することが必要であ
る。グラフト共重合体(A)の配合量が10重量部未満
の場合は樹脂組成物の耐衝撃性が悪くなるため好ましく
ない。
【0038】また、樹脂組成物中に占めるジエン系ゴム
質重合体の割合は5〜30重量%以下、好ましくは10
〜20重量%であり、5重量%未満の場合は樹脂組成物
の耐衝撃性が悪くなり、30重量%を越える場合には樹
脂組成物の剛性および表面光沢が悪くなり好ましくな
い。
【0039】本発明は、特定のゲル含有率、粒子径およ
び粒子径分布を有するジエン系ゴム質重合体ラテックス
を用いて、特定の単量体組成を共重合し、かつ特定のグ
ラフト率を有するグラフト共重合体は耐衝撃性に優れた
高光沢樹脂組成物を得ることができる。
【0040】本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては
特に制限はなく、例えばグラフト共重合体(A)および
必要に応じ共重合体(B)を高速撹拌機などを用いて均
一混合した後、十分な混練能力のある単軸または多軸の
押出機で溶融混練する方法など種々の方法を採用するこ
とができる。
【0041】また、目的に応じて顔料や染料、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤および
可塑剤、帯電防止剤などを添加することもできる。
【0042】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例および比較例を挙げて説明するが、これら実
施例は本発明を限定するものではない。
【0043】なお、ここでは特に断りのない限り「部」
は重量部、「%」は重量%を表わす。
【0044】本発明のポリマ特性の分析法を以下に示
す。
【0045】ゴムラテックスの粒子径分布:アルギン酸
ナトリウム法により測定した。
【0046】グラフト率:グラフト共重合体の所定量
(m)にアセトンを加え4時間還流した。この溶液を
8,800rpm(10,000G)30分間遠心分離
後、不溶分をろ過した。この不溶分を60℃で5時間減
圧乾燥し、重量(n)を測定した。
【0047】グラフト率は次式により算出した。
【0048】グラフト率(%)=[(n)−(m)×
L]/[(m)×L]×100 ここでL:グラフト重合体のゴム含有率 なお、最終的に得られた樹脂組成物は、射出成形法によ
って成形された後、下記の試験法により諸物性を測定し
た。
【0049】アイゾット衝撃強度:ASTM D−25
6 1/2インチノッチ付き23℃(kg・cm/cm) 表面光沢:スガ試験機(株)製デジタル変角光沢計UG
V−5Dを用い、入射角60度での成形品の表面反射光
の測定を行なった。
【0050】試験片:縦120mm×横80mm×厚さ
3mm 測定箇所:ゲート側から30mmおよび100mm(先
端側)の部分を測定した。
【0051】参考例1 “グラフト共重合体A”の製造 表1に記したゴム特性を示すジエン系ゴム質重合体ラテ
ックスをガラス製反応器に仕込み、さらに撹拌しながら
イオン交換水に溶解したブドウ糖、ピロリン酸ナトリウ
ム、硫酸第1鉄を仕込み、窒素で容器内を置換した後、
反応器内の温度を65℃まで昇温した。
【0052】この混合液に、表1に示した所定量のモノ
マおよびノルマルオクチルメルカプタン混合物、クメン
ハイドロパーオキサイドのオレイン酸カリウム水溶液を
別々にそれぞれ3.5時間、5時間にわたって連続滴下
した。内温を上げ75℃とし、さらに撹拌を1時間継続
し反応を完結させた後、老化防止剤として2,6−ジ−
tertブチルパラクレゾールを添加した。重合率は9
7.5%であった。
【0053】得られたグラフト共重合体ラテックスを硫
酸で凝固し、NaOHで中和後、水洗、脱水、乾燥して
グラフト共重合体(A−1)を得た。このグラフト共重
合体のグラフト率は45%、メチルエチルケトン可溶分
の極限粘度は0.39dl/gであった。
【0054】同様の処方で、グラフト共重合体(A−
2)〜(A−11)を得た。グラフト率およびメチルエ
チメケトン可溶分の極限粘度を表1にまとめた。
【0055】参考例2 “共重合体Bの製造” B−1:スチレン72%、アクリロニトリル28%から
なる単量体混合物を懸濁重合し、共重合体B−1を製造
した。メチルエチルケトン可溶分の極限粘度は0.49
であった。
【0056】B−2:スチレン75%、アクリロニトリ
ル25%からなる単量体混合物を懸濁重合し、共重合体
B−2を製造した。メチルエチルケトン可溶分の極限粘
度は0.46であった。
【0057】B−3:スチレン66%、アクリロニトリ
ル34%を懸濁重合する際に、スチレンの一部を重合途
中に添加して重合し、共重合体B−3を製造した。メチ
ルエチルケトン可溶分の極限粘度は0.51であった。
【0058】実施例1〜12、比較例1〜5 上記参考例で調製したグラフト共重合体(A)と共重合
体(B)をそれぞれ表2に示した配合割合で配合すると
ともに、さらにエチレンビスステアリルアミド1.0
部、ジフェニルイソデシルホスファイト0.1部を加
え、ヘンシェルミキサーで混合した。次に40mmφ押
出機により混練温度220℃で押出し、それぞれペレッ
ト化した後、各ペレットについて成形温度230℃、金
型温度60℃の条件で射出成形に供し、各試験片を作製
して、それについて物性の評価を行なった。これらの結
果を表2に示す。
【0059】
【表1】
【表2】 実施例および比較例より次のことが明らかである。
【0060】すなわち、本発明の樹脂組成物(実施例1
〜10)はいずれも成形品表面の光沢および耐衝撃性に
も優れている。
【0061】これに対して、グラフト共重合体(A)中
のゴム質重合体の平均粒子径が規定値をはずれるもの
(比較例2、3、5)は、表面光沢が低下するかあるい
は耐衝撃性が低下する。
【0062】また、グラフト共重合体(A)中のゴム質
重合体のゴム粒子径分布が規定された式を満足しないも
の(比較例4)は表面光沢が低下する。
【0063】共重合体(B)中のシアン化ビニル系単量
体の含有率が30重量%を越える場合(比較例6、7)
は表面光沢が悪くなる。
【0064】グラフト共重合体(A)の配合割合が10
重量部未満の場合(比較例1)は、耐衝撃性が著しく悪
くなる。
【0065】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、成形品の機械的
物性を損なうことなく著しい表面光沢の向上がみられ、
家庭用電気機器の外装部品などの成形材料として好適で
あり、この効果は分散ゴム粒子の平均粒子径および粒子
径分布の規定されたグラフト共重合体(A)及び特定の
共重合体(B)を所定の割合で混合することにより初め
て発揮されるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ゴム質重合体のゲル含有率が60重
    量%以上で、かつ該ゴム質重合体粒子の平均粒子径が
    0.19〜0.22μmであり、その80重量%以上が
    下記(I)式を満たす粒子径分布を有するジエン系ゴム
    質重合体ラテックス10〜60重量部(固形分換算)の
    存在下、芳香族ビニル系単量体82〜73重量%、シア
    ン化ビニル系重合体18〜27重量%からなる単量体混
    合物40〜90重量部を重合してなり、グラフト率が3
    0〜80重量%の範囲にあるグラフト共重合体および
    (B)芳香族ビニル系単量体80〜70重量%、シアン
    化ビニル系単量体20〜30重量%からなる単量体混合
    物を重合してなり、かつメチルエチルケトン溶媒で30
    ℃測定の極限粘度が0.4〜0.6dl/gである共重
    合体からなり、上記(A)成分と(B)成分の合計を1
    00重量部として、(A)成分10〜100重量部、
    (B)成分0〜90重量部である高光沢樹脂組成物。 0.7×M≦X≦1.3×M…(I) (ただし、式中Mはゴム粒子の平均粒子径(μm)、X
    は個々のゴム粒子径(μm)を示す。)
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6211714A (ja) * 1985-07-10 1987-01-20 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 熱可塑性樹脂の製造方法
JPH03258851A (ja) * 1990-03-06 1991-11-19 Toray Ind Inc 高光沢樹脂組成物

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