JPH09249791A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH09249791A
JPH09249791A JP6357196A JP6357196A JPH09249791A JP H09249791 A JPH09249791 A JP H09249791A JP 6357196 A JP6357196 A JP 6357196A JP 6357196 A JP6357196 A JP 6357196A JP H09249791 A JPH09249791 A JP H09249791A
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weight
thermoplastic resin
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JP6357196A
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Shinichi Tamura
真一 田村
Katsunori Oshima
桂典 大島
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、耐衝撃性に優れ、同時に成形
品表面の光沢が良好な熱可塑性樹脂組成物を提供するこ
とにある。 【解決手段】(A)重合体粒子の平均粒子径(M)が
0.15〜0.30μmであり、その90重量%以上が
0.7×M(μm)以上であり、さらに5重量%以上が
2×M(μm)以上である一峰性の粒子径分布を有する
ジエン系重合体ラテックスの存在下、芳香族ビニル化合
物および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル化
合物およびシアン化ビニル化合物からなる単量体混合物
を重合してなるグラフト共重合体および、(B)芳香族
ビニル化合物および/または不飽和カルボン酸アルキル
エステル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量
体混合物を重合してなる共重合体からなる熱可塑性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性に優れ、か
つ光沢の良好な熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂に代表されるゴム強化スチレ
ン系樹脂は優れた耐衝撃性、機械物性、成形加工性およ
び光沢を有し、汎用樹脂とエンジニアリング樹脂との中
間の特性を持つ準エンプラとして広い用途で使用されて
いる。
【0003】近年、一般機器用途や家電用途などにおい
ては、商品価値をさらに高める目的で従来品よりも衝撃
強度が高く、光沢も良好な製品に対する需要が高まって
いる。
【0004】一般に、樹脂組成物中に含まれるゴム質重
合体の粒子径を小さくすると、表面光沢は良好となるが
耐衝撃性は低下する。その逆に、粒子径を大きくする
と、耐衝撃性は向上するが光沢は低下してしまう。
【0005】そこで、これらの欠点を改良するために、
小粒径ゴムと中〜大粒径ゴムを組み合わせる手法(特開
昭50−144747号公報、同52−141859号
公報、同53−57293号公報)が提案されている。
【0006】また、中〜大粒径ゴムを用いたABS樹脂
を塊状−懸濁重合により製造する方法(特開昭51−6
248号公報、同53−29353号公報)や中〜大粒
径ゴムを用いず小粒径ゴムを肥大化させて使用する手法
(特開昭59−129215号公報)も提案されてい
る。
【0007】さらにゴムの粒子径分布を規定する方法
(特開昭62−11714号公報)やマトリックス樹脂
の組成を規定する方法(特開昭60−11514号公
報)などが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、小粒子
径ゴムと中〜大粒子径ゴムとを単に組み合わせる手法で
は、表面光沢と耐衝撃性との両方を満足する樹脂組成物
は得られない。
【0009】さらに、塊状あるいは塊状−懸濁法にてゴ
ムの分散粒子径をコントロールする方法では、ゴムの相
転移時期に依存するため所望のゴム粒子径を得ることが
困難である。
【0010】そこで本発明の課題は、耐衝撃性に優れ、
同時に成形品表面の光沢が良好な熱可塑性樹脂組成物を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
た。
【0012】すなわち、本発明は、重合体粒子の平均粒
子径(M)が0.15〜0.30μmであり、その90
重量%以上が0.7×M(μm)以上であり、さらに5
重量%以上が2×M (μm)以上である一峰性の粒子
径分布を有するジエン系重合体ラテックスの存在下、芳
香族ビニル化合物および/または不飽和カルボン酸アル
キルエステル化合物およびシアン化ビニル化合物からな
る単量体混合物を重合して得られるグラフト共重合体
(A)、ならびに芳香族ビニル化合物および/または不
飽和カルボン酸アルキルエステル化合物およびシアン化
ビニル化合物を含む単量体混合物を重合してなる共重合
体(B)を混合して得られる熱可塑性樹脂組成物を提供
するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0014】本発明で用いられるグラフト共重合体
(A)の構成成分であるジエン系重合体としては、共役
ジエンを主成分とした重合体あるいは共重合体が好適で
ある。このうち共役ジエンの含有量は75重量%以上が
好ましく、85重量%以上がさらに好ましい。具体的に
はポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体
等を使用することができる。
【0015】このジエン系重合体の平均粒子径は0.1
5〜0.30μm、好ましくは0.18〜0.28μm
の範囲にあることが必要である。ここで、ジエン系重合
体ラテックスの平均粒子径が0.15μm未満の場合に
は、耐衝撃性が不十分であり、逆に0.30μmを越え
る場合には、表面光沢の低下を招くため満足できる樹脂
組成物を得ることができない。
【0016】また、ここで使用するジエン系重合体は、
Mを平均粒子径(μm)としたとき、重合体粒子の90
重量%以上、好ましくは95重量%以上が0.7×M
(μm)以上の範囲にあると同時に、5重量%以上、好
ましくは10重量%以上が2×M(μm)以上であるこ
とを満足する一峰性の分布を有することが必要条件であ
る。
【0017】上記条件を満足する粒子径分布を有するジ
エン系重合体は、耐衝撃性に優れ、同時に表面光沢の良
好な樹脂組成物を得ることができ、本発明の目的が達成
される。
【0018】また、ジエン系重合体のゲル含有率は、凝
集物の発生しにくさやより安価な製造コストなどの点を
考慮した場合、70重量%以上が好ましく、さらに75
重量%以上、特に80重量%以上が好ましく用いること
ができる。
【0019】ジエン系重合体ラテックスの製造方法とし
ては、通常の乳化重合法を採用することができる。平均
粒子径、粒子径分布の所望の範囲への設定は、重合時の
重合開始剤量、重合水量、乳化剤量、連鎖移動剤量、電
解質量、重合温度、撹拌速度および重合時間を精密にコ
ントロールする方法、部分的に凝集肥大化する方法、異
なる平均粒子径および/または粒子径分布のジエン系重
合体ラテックスを適宜混合する方法などを用いることが
できる。
【0020】本発明において、上記ジエン系重合体ラテ
ックスの存在下にグラフト重合する単量体は、芳香族ビ
ニル化合物および/または不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル化合物およびシアン化ビニル化合物からなる単量
体混合物である。
【0021】芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレ
ン、o−クロロスチレンおよびo,p−ジクロロスチレ
ンなどが挙げられるが、特にスチレン、α−メチルスチ
レンが好ましく、これらは1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0022】不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物
としては、炭素数1〜6のアルキルまたは置換アルキル
基を持つアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル
酸エステルが好適であり、1種または2種以上を用いる
ことができる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n
−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)
アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシル、(メタ)アクリル酸2−クロロメチルおよび
(メタ)アクリル酸クロロエチルなどが挙げられ、なか
でも(メタ)アクリル酸メチルが好ましく使用できる。
【0023】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリ
ルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好まし
い。
【0024】また、グラフト共重合体(A)は、上記ジ
エン系重合体ラテックス10〜80重量部(固形分換
算)、好ましくは15〜80重量部、上記単量体混合物
90〜20重量部、好ましくは85〜20重量部を用い
て、乳化重合法により得ることができる。
【0025】さらに、単量体混合物中の各成分の比は、
芳香族ビニル化合物および/または不飽和カルボン酸ア
ルキルエステル化合物が40〜95重量%、好ましくは
45〜90重量%、より好ましくは45〜85重量%で
あり、シアン化ビニル化合物が60〜5重量%、好まし
くは55〜10重量%、より好ましくは55〜15重量
%となる範囲である。単量体混合物中の各成分の比が上
記範囲をはずれる場合には、樹脂の耐衝撃性が悪かった
り、熱安定性が著しく低下する傾向がある。
【0026】グラフト重合における単量体混合物、乳化
剤、重合開始剤および連鎖移動剤などの成分の添加方法
としては種々の方法を採用することができる。すなわ
ち、(1)重合初期に全量を添加する方法、(2)一部
を初期に添加し、残りを一定の速度で連続添加する方法
および(3)2回以上に分割して添加する方法などであ
る。
【0027】使用する乳化剤、重合開始剤および連鎖移
動剤の種類については特に制限はなく、通常の乳化重合
で用いられる試薬を使用できる。代表的な乳化剤として
はロジン酸カリウム、ステアリン酸カリウムおよびオレ
イン酸カリウムなどが、重合開始剤としては有機ハイド
ロパーオキサイドおよび過硫酸塩などが、また連鎖移動
剤としてはアルキルチオール化合物が各々挙げられる。
【0028】このようにして得られるグラフト共重合体
(A)のグラフト率は、耐衝撃性および光沢に優れた熱
可塑性樹脂組成物を得るために、10〜60%が好まし
く、15〜55%がより好ましい。グラフト率は、ゴム
質重合体と単量体混合物の比率、重合開始剤の種類およ
び量、連鎖移動剤および量を調節することにより制御可
能である。
【0029】また、グラフト共重合体(A)のメチルエ
チルケトン可溶分の極限粘度[η](30℃で測定)
は、0.15〜0.60dl/gが好ましく、0.18
〜0.55dl/gがより好ましい。これらの範囲にあ
るときは、本発明の目的を達成することができる。
【0030】本発明における熱可塑性樹脂組成物中にお
けるグラフト共重合体(A)の含有量は、熱可塑性樹脂
組成物中のジエン系重合体の含有量が、5〜30重量
%、さらに5〜25重量%、特に7〜20重量%となる
ように調整することが好ましい。ジエン系重合体の含有
量が5重量%未満ではジエン系重合体の衝撃改良効果が
不十分であり、30重量%を越えると剛性や成形時の流
動性が低下する傾向がある。
【0031】本発明における共重合体(B)は、芳香族
ビニル化合物および/または不飽和カルボン酸アルキル
エステル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量
体混合物を重合してなる共重合体である。
【0032】芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレ
ン、o−クロロスチレンおよびo,p−ジクロロスチレ
ンなどが挙げられるが、特にスチレン、α−メチルスチ
レンが好ましく、これらは1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0033】不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物
としては、炭素数1〜6のアルキルまたは置換アルキル
基を持つアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル
酸エステルが好適であり、1種あたは2種以上を用いる
ことができる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n
−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)
アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシル、(メタ)アクリル酸2−クロロメチルおよび
(メタ)アクリル酸クロロエチルなどが挙げられ、なか
でも(メタ)アクリル酸メチルが好ましく使用できる。
【0034】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリ
ルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好まし
い。
【0035】共重合体(B)の単量体混合物中の各成分
の比は、芳香族ビニル化合物および/または不飽和カル
ボン酸アルキルエステル化合物40〜95重量%、シア
ン化ビニル化合物60〜5重量%およびこれらと共重合
可能なビニル系単量体0〜60重量%である。
【0036】ここで、共重合可能な他のビニル系単量体
としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のα,β
−不飽和ジカルボン酸無水物類、N−フェニルマレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド
等のα,β−不飽和カルボン酸のイミド化合物などが挙
げられる。
【0037】共重合体(B)のメチルエチルケトン溶液
の極限粘度[η]は、0.30〜0.80dl/gの範
囲が好ましく、さらに0.32〜0.70dl/g、特
に0.35〜0.70dl/gが好ましい。極限粘度
[η]が0.30dl/g未満では、耐衝撃性が劣り、
0.80dl/gを越えると流動性が低下する傾向があ
る。
【0038】本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては
特に制限はなく、例えばグラフト共重合体(A)および
共重合体(B)の粉末、ペレットまたは細片状物を、高
速撹拌機などを用いて均一混合した後、十分な混練能力
のある単軸または多軸の押出機で溶融混練する方法など
種々の方法を採用することができる。
【0039】本発明の樹脂組成物は、他の熱可塑性重合
体、たとえばポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリフェニレ
ンオキサイド、MBS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂等
の熱可塑性樹脂を適宜混合したり、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン
/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシク
ロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5−
エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/酢
酸ビニル共重合体およびエチレン/アクリル酸ブチル共
重合体等のオレフィン系ゴムを適宜混合することによっ
て、さらに望ましい物性、特性に調節することも可能で
ある。
【0040】また、目的に応じて顔料や染料、金属フレ
ーク等の補強材や充填材、熱安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤および
難燃剤等を添加することもできる。
【0041】本発明によって得られる熱可塑性樹脂組成
物は、さらに加熱溶融によって成形され、本発明の熱可
塑性樹脂組成物からなる樹脂成形品が得られる。その成
形方法は特に限定されず、射出成形、押出成形、ブロー
成形、真空成形および圧縮成形などの成形方法が可能で
あるが、本発明の効果は射出成形において最も発揮され
る。得られた成形品は、一般機器用途や家電用途を初め
とする各種の部品、製品に使用することができる。
【0042】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例および比較例を挙げて説明するが、これら実
施例は本発明を限定するものではない。
【0043】なお、ここでは特にことわりのない限り、
「部」は重量部、「%」は重量%を表す。
【0044】本発明のポリマ特性の分析法を以下に示
す。
【0045】ゴムラテックスの粒子径分布:アルギン酸
ナトリウム法により測定した。
【0046】グラフト率:グラフト共重合体の所定量
(m)にアセトンを加え、4時間還流した。この溶液を
8,800rpmで30分間遠心分離後、不溶分を濾過
した。この不溶分を60℃で5時間減圧乾燥し、重量
(n)を測定した。
【0047】グラフト率は次式により算出した。 グラフト率=[(n)-(m)×L]/((m)×L)×100 ここで、L:グラフト重合体のゴム含有率
【0048】なお、最終的に得られた熱可塑性樹脂組成
物は、射出成形法によって成形された後、下記の試験法
により諸物性を測定した。 アイゾット衝撃強度:ASTM D−256 1/2インチ ノッチ付き 23℃ 表面光沢:スガ試験機(株)製デジタル変角光沢計 UGV−5Dを用い、入射角60度での成形品の表面反
射光の測定を行った。試験片:縦120mm×横80m
m×厚さ3mm
【0049】参考例 (1)グラフト共重合体(A)の製造 表1に示したゴム特性を持つジエン系重合体ラテックス
をガラス製反応器に仕込み、窒素で容器内を置換した
後、反応器内の温度を65℃まで昇温した。水に溶解し
た硫酸第1鉄、ピロリン酸ナトリウム、ブドウ糖を添加
し、内温を65℃に保った。この混合液に、表1に示し
た所定量の単量体混合物、クメンハイドロパーオキサイ
ドのオレイン酸カリウム水溶液を別々に5時間にわたっ
て連続添加した。内温を上げて75℃とし、さらに撹拌
を1時間継続し、反応を完結させた後、老化防止剤とし
て2,6−ジーtert−ブチルパラクレゾールを添加
した。重合率は98.0%であった。
【0050】得られたグラフト共重合体ラテックスを硫
酸で凝固し、水酸化ナトリウムで中和後、水洗、脱水、
乾燥してグラフト共重合体A−1を得た。このグラフト
共重合体のグラフト率は36%、メチルエチルケトン可
溶分の極限粘度は0.31dl/gであった。
【0051】同様の処方で、グラフト共重合体A−2〜
A−8を得た。グラフト率およびメチルエチルケトン可
溶分の極限粘度は表1に示す通りであった。
【0052】
【表1】
【0053】(2)共重合体(B)の製造 スチレン76%、アクリロニトリル24%からなる単量
体混合物を懸濁重合し、共重合体Cを製造した。メチル
エチルケトン可溶分の極限粘度[η]は0.59dl/
gであった。
【0054】実施例1〜4、比較例1〜4 上記参考例で調製したグラフト共重合体(A)および共
重合体(B)を各々、表2に示した配合割合でヘンシェ
ルミキサーで混合し、次に40mmφ押出機により混練
温度220℃で押出し、各々ペレット化した後、各ペレ
ットについて成形温度230℃、金型温度60℃の条件
で射出成形に供し、各試験片を作成し、物性の評価を行
った。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】実施例および比較例より次のことが明らか
である。
【0057】すなわち、本発明の樹脂組成物(実施例1
〜4)は、いずれも衝撃強度が高く、同時に成形品表面
の光沢が良好である。
【0058】一方、平均粒子径が規定の範囲に満たない
ものは、衝撃強度に劣る(比較例1)。また、逆に平均
粒子径が規定の範囲を越えるものは、表面光沢に劣る
(比較例2)。さらに、粒子径分布が規定の条件から外
れるものは、衝撃強度に劣る(比較例3、4)。
【0059】
【発明の効果】本発明の組成物は、著しい衝撃強度の向
上が認められ、同時に成形品表面の光沢も良好であり、
一般機器用途や家電用途等の成形材料として好適であ
り、この効果は特定の平均粒子径および粒子径分布を持
った重合体粒子を含むグラフト共重合体を用いることに
よって初めて発揮されるものである。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体粒子の平均粒子径(M)が0.15
    〜0.30μmであり、その90重量%以上が0.7×
    M(μm)以上であり、さらに5重量%以上が2×M
    (μm)以上である一峰性の粒子径分布を有するジエン
    系重合体ラテックスの存在下、芳香族ビニル化合物およ
    び/または不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物な
    らびにシアン化ビニル化合物からなる単量体混合物を重
    合してなるグラフト共重合体(A)、ならびに芳香族ビ
    ニル化合物および/または不飽和カルボン酸アルキルエ
    ステル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量体
    混合物を重合してなる共重合体(B)、からなる熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】単量体混合物中の各成分の比が、芳香族ビ
    ニル化合物および/または不飽和カルボン酸アルキルエ
    ステル化合物が40〜95重量%であり、シアン化ビニ
    ル化合物が60〜5重量%の範囲であるグラフト共重合
    体(A)である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】グラフト共重合体(A)のグラフト率が、
    10〜60%の範囲である請求項1または2記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】グラフト共重合体(A)のメチルエチルケ
    トン可溶分の極限粘度[η]が、0.15〜0.60d
    l/gの範囲である請求項1〜3いずれかに記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ジエン系重合体(a)のゲル含有率が70
    重量%以上である請求項1〜4いずれかに記載の熱可塑
    性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂組成物におけるジエン系重合
    体の含有量が5〜30重量%である請求項1〜5いずれ
    かに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】共重合体(B)の単量体混合物中の各成分
    の比が、芳香族ビニル化合物および/または不飽和カル
    ボン酸アルキルエステル化合物40〜95重量%、シア
    ン化ビニル化合物60〜5重量%およびこれらと共重合
    可能なビニル系単量体0〜60重量%である請求項1〜
    6いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】共重合体(B)のメチルエチルケトン溶液
    の極限粘度[η]が、0.30〜0.80dl/gの範
    囲である請求項1〜7いずれかに記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8いずれかに記載の熱可塑性樹
    脂組成物を成形してなる成形品。
  10. 【請求項10】重合体粒子の平均粒子径(M)が0.1
    5〜0.30μmであり、その90重量%以上が0.7
    ×M(μm)以上であり、さらに5重量%以上が2×M
    (μm)以上である一峰性の粒子径分布を有するジエン
    系重合体ラテックスの存在下、芳香族ビニル化合物およ
    び/または不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物な
    らびにシアン化ビニル化合物からなる単量体混合物を重
    合してグラフト共重合体(A)を得る工程、ならびに前
    記グラフト共重合体(A)ならびに芳香族ビニル化合物
    および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル化合
    物およびシアン化ビニル化合物を含む単量体混合物を重
    合してなる共重合体(B)を混合する工程からなる熱可
    塑性樹脂組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】単量体混合物中の各成分の比が、芳香族
    ビニル化合物および/または不飽和カルボン酸アルキル
    エステル化合物が40〜95重量%であり、シアン化ビ
    ニル化合物が60〜5重量%の範囲であるグラフト共重
    合体(A)である請求項10記載の熱可塑性樹脂組成物
    の製造方法。
  12. 【請求項12】グラフト共重合体(A)のグラフト率
    が、10〜60%の範囲である請求項10または11記
    載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】グラフト共重合体(A)のメチルエチル
    ケトン可溶分の極限粘度[η]が、0.15〜0.60
    dl/gの範囲である請求項10〜12いずれかに記載
    の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】ジエン系重合体(a)のゲル含有率が7
    0重量%以上である請求項10〜13いずれかに記載の
    熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】熱可塑性樹脂組成物におけるジエン系重
    合体の含有量が5〜30重量%である請求項10〜14
    いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】共重合体(B)の単量体混合物中の各成
    分の比が、芳香族ビニル化合物および/または不飽和カ
    ルボン酸アルキルエステル化合物40〜95重量%、シ
    アン化ビニル化合物60〜5重量%およびこれらと共重
    合可能なビニル系単量体0〜60重量%である請求項1
    0〜15いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方
    法。
  17. 【請求項17】共重合体(B)のメチルエチルケトン溶
    液の極限粘度[η]が、0.30〜0.80dl/gの
    範囲である請求項10〜16いずれかに記載の熱可塑性
    樹脂組成物の製造方法。
  18. 【請求項18】グラフト共重合体(A)を製造する工程
    が乳化重合法である請求項10〜17いずれかに記載の
    熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002003548A (ja) * 2000-04-21 2002-01-09 Techno Polymer Co Ltd ブタジエン系ゴム強化樹脂およびその組成物

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