JPH075814B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂組成物

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JPH075814B2
JPH075814B2 JP63167106A JP16710688A JPH075814B2 JP H075814 B2 JPH075814 B2 JP H075814B2 JP 63167106 A JP63167106 A JP 63167106A JP 16710688 A JP16710688 A JP 16710688A JP H075814 B2 JPH075814 B2 JP H075814B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐衝撃性、成形加工性に優れた繊維強化熱可
塑性樹脂組成物に関するものである。
[従来の技術] ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)
は、優れた耐熱性、耐薬品性、剛性を有しており、繊維
およびフィルム材料として広く使用されている。ところ
が成形材料としては、結晶化速度が遅いために高い金型
温度、長い射出成形サイクルを必要とすること、およ
び、成形品の耐衝撃性、特にノッチ付きの耐衝撃性に劣
るという欠点があり、その使用が制限されている。
これらの問題点を解決するためにいろいろな試みが行な
われている。PETの結晶化を促進する目的で、高級脂肪
酸のアルカリ金属塩の添加が提案されている(例えば特
開昭55−42250号公報、特開昭57−90040号公報等)。
また、PETの耐衝撃性を改良する方法としては、ガラス
繊維とのブレンドが提案されている(例えば特公昭44−
457号公報等)。
更に、PET、ガラス繊維およびゴム状重合体のブレンド
が提案されている(例えば特開昭54−31456号公報、特
開昭56−88458号公報、特開昭57−30753号公報、特開昭
59−138257号公報等)。
更にPET、ガラス繊維およびアクリルゴム系重合体のブ
レンドにエポキシ化合物を添加する方法が提案されてい
る(例えば特開昭57−170952号公報等)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、前記したような方法では、成形加工性および耐
衝撃性の両面で十分に満足できる組成物は得られていな
い。
例えば、PETに高級脂肪酸のアルカリ金属塩を添加した
場合は、ある程度は結晶化は促進されるが、まだ十分な
レベルではなく、また、得られた成形品の衝撃強度も低
い。
PETとガラス繊維とのブレンドの場合、衝撃強度の改善
は不十分であり、しかも、成形品中のガラス繊維が配向
することに起因して成形収縮率の異方性が大きくなるた
めに成形品にソリが発生するという問題が生じる。
ゴム状重合体をブレンドすることにより、ソリの問題は
かなり改善されるが、衝撃強度は十分に満足できるレベ
ルではない。
エポキシ化合物を添加した場合は、エポキシ化合物が局
在化して硬化するために本質的に流動性が悪くなる。
本発明の課題は、PETの成形加工性の悪さ、および耐衝
撃性の低さを改良し、耐熱性、耐薬品性、機械物性、成
形加工性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は上記課題を解決するために次の構成
をとる。
(A) (a)ジエン系ゴム10〜85重量部に、 (b)(イ)芳香族ビニル50〜90重量% (ロ)シアン化ビニル9〜50重量% (ハ)エポキシ基を有するビニル系単量体0.001〜14重
量% からなる単量体混合物90〜15重量部をグラフト共重合し
てなるグラフト共重合体または該グラフト共重合体と残
りの単量体が共重合した共重合体とからなるグラフト共
重合体組成物1〜94重量部と (B)ポリエチレンテレフタレート1〜94重量部と (C)繊維状強化剤5〜70重量部 とからなり、かつ、(A)、(B)および(C)の合計
量が100重量部である繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
本発明の特徴はジエン系ゴムのグラフト成分として、芳
香族ビニルとシアン化ビニルおよびエポキシ基を有する
ビニル系単量体の3成分を必須としてグラフト共重合し
たグラフト共重合体(組成物)とPET、繊維状強化剤を
ブレンドすることである。グラフト共重合体をブレンド
することによりPETの結晶化は促進され、更に繊維状強
化剤をブレンドすることにより耐衝撃性に優れた樹脂組
成物が得られる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明におけるグラフト共重合体またはグラフト共重合
体組成物(A)とは、(a)と(b)の合計を100重量
部として、ジエン系ゴム(a)10〜85重量部に、芳香族
ビニル(イ)50〜90重量%とシアン化ビニル(ロ)9〜
50重量%とエポキシ基を有するビニル系単量体(ハ)0.
001〜14重量%の合計が100重量%からなる単量体混合物
(b)15〜90重量部の全量をグラフト共重合してなるグ
ラフト共重合体または該単量体混合物の一部をグラフト
共重合してなるグラフト共重合体と残りの単量体が共重
合した共重合体とのグラフト共重合体組成物である。こ
の場合、エポキシ基を有するビニル系単量体は、全量を
グラフト共重合することも可能であるし、グラフト共重
合体と残りの単量体が共重合した共重合体とに分割して
共重合することも可能であるし、全量を残りの単量体が
共重合した共重合体に共重合することも可能である。
本発明で最も重要なことは、グラフト共重合体またはグ
ラフト共重合体組成物(A)において芳香族ビニル
(イ)、シアン化ビニル(ロ)およびエポキシ基を有す
るビニル系単量体(ハ)を必須とする単量体混合物
(b)をジエン系ゴム(a)にグラフト共重合したグラ
フト共重合体を用いることである。
本発明におけるジエン系ゴム(a)としてはポリブタジ
エンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプレ
ンゴム等があり、ながでもポリブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム等が好ましい。
本発明における単量体混合物(b)中の芳香族ビニル
(イ)としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、P−t−ブチルスチレン等が挙げられ、
なかでもスチレン、α−メチルスチレン等が好ましい。
本発明における単量体混合物(b)中のシアン化ビニル
(ロ)としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル
等が挙げられ、なかでもアクリロニトリルが好ましい。
エポキシ基を有するビニル系単量体(ハ)とは1分子中
にラジカル重合可能なビニル基とエポキシ基の両者を共
有する化合物であり、具体例としてはアクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジ
ル、イタコン酸グリシジルなどの不飽和有機酸のグリシ
ジルエステル類、アリルグリシジルエーテルなどのグリ
シジルエーテル類および2−メチルグリシジルメタクリ
レートなどの上記の誘導体類が挙げられ、なかでもアク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルが好ましく
使用できる。また、これらは単独ないし2種以上を組合
せて使用することもできる。
また、(イ)、(ロ)、(ハ)の単量体の合計100重量
部に対して70重量部以下の範囲で共重合可能な他の単量
体をグラフト共重合することも可能である。
共重合可能な他の単量体として、アクリル酸、メタクリ
ル酸等のα,β−不飽和カルボン酸類、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、
メタクリル酸シクロヘキシル等のα,β−不飽和カルボ
ン酸エステル類、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
α,β−不飽和ジカルボン酸無水物類、N−フェニルマ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−t−ブチルマレ
イミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合
物類等が挙げられる。
グラフト共重合体またはグラフト共重合体組成物(A)
におけるジエン系ゴム(a)の組成比は(a)と(b)
の合計を100重量部として10〜85重量部、好ましくは12
〜80重量部、特に好ましくは15〜70重量部である。
また、本発明における単量体混合物(b)中の芳香族ビ
ニル(イ)、シアン化ビニル(ロ)、エポキシ基を有す
るビニル系単量体(ハ)の各組成比は、(イ)が50〜90
重量%、好ましくは55〜85重量%、特に好ましくは57〜
82重量%、(ロ)が9〜50重量%、好ましくは15〜45重
量%、特に好ましくは18〜43重量%である。
(ハ)については0.001〜14重量%の範囲で用いられる
が、好ましくは0.01〜12重量%、特に好ましくは0.1〜1
0重量%の範囲で用いられる。
(a)が(a)と(b)の合計100重量部に対して10重
量部未満の場合ならびに(イ)、(ロ)、(ハ)の合計
100重量%に対して(イ)が90重量%を越えた場合、お
よび(ロ)が9重量%未満の場合は、得られる組成物の
耐衝撃性が低いため好ましくない。また(a)が(a)
と(b)の合計100重量部に対して85重量部を越えた場
合ならびに(イ)、(ロ)、(ハ)の合計100重量%に
対して(イ)が50重量%未満の場合および(ロ)が50重
量%を越えた場合は、得られる組成物の成形加工性が劣
るので実用的でない。更に、(ハ)が0.001重量%未満
では得られる組成物の耐衝撃性が低く、14重量%を越え
ると(A)の製造時架橋反応を起こし易く、一定品質の
ものを得るのが困難となり、実用的でない。グラフト共
重合体またはグラフト共重合体組成物(A)の製造方法
に関しては特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、塊状
懸濁重合、懸濁重合、乳化重合等通常の方法が用いられ
る。単量体の仕込み方法に関しても特に制限はなく、初
期に一括添加してもよく、また共重合体の組成分布の生
成を防止するために仕込み単量体の一部または全部を連
続仕込みまたは分割仕込みしながら重合してもよい。
また、別々に(グラフト)共重合した樹脂をブレンドす
ることによって上記の組成物を得ることも可能である。
本発明に用いるポリエチレンテレフタレート(B)とは
80モル%以上がテレフタル酸成分であるジカルボン酸成
分と80モル%以上がエチレングリコール成分であるジオ
ール成分を重縮合して得られる重合体である。ここでい
うテレフタル酸成分としてはテレフタル酸およびこれら
のエステル形成性誘導体などが挙げられ、また、エチレ
ングリコール成分としてはエチレングリコールおよびこ
れらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。テレフ
タル酸成分と共に用いる他のジカルボン酸成分として
は、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス
(p−カルボキシフェニル)メタンアントラセンジカル
ボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジオン酸、ド
デカンジオン酸、ヘキサデカンジオン酸、オクタドデカ
ンジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、お
よびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
また、エチレングリコール成分と共に用いられるジオー
ル成分としては炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわ
ち、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネ
オペンチングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、あ
るいは分子量400〜6,000の長鎖グリコール、すなわちポ
リエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコールなどおよびそれら
のエステル形成性誘導体が挙げられる。
これらの重合体の具体例としては、ポリエチレンテレフ
タレートのほか、ポリエチレンテレフタレート/イソフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート/アジペート、
ポリエチレンテレフタレート/セバケート、ポリエチレ
ンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリエ
チレン/ブチレンテレフタレート、ポリエチレン/ブチ
レンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリ
エチレン/ポリオキシエチレンテレフタレートなどのポ
リエチレンテレフタレート共重合体などが挙げられ、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン/ブチレンテ
レフタレートおよびポリエチレン/ポリオキシエチレン
テレフタレートが特に好ましく用いられる。
また、これらポリエチレンテレフタレートはo−クロロ
フェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度が機械
的性質の点から0.35dl/g以上、表面光沢の点から1.60dl
/g以下の範囲にあるものが好適であり、特に0.50〜1.35
dl/gの範囲にあるものが好適である。
本発明で用いる繊維状強化剤(C)としては、ガラス繊
維(シラン系カップリング剤等で表面処理されているも
のを含む)、炭素繊維、金属繊維、アスベスト、セラミ
ック繊維、有機繊維などが挙げられ、中でもチョップド
ストランドタイプのガラス繊維が最も好ましく用いられ
る。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物において、グラフ
ト共重合体またはグラフト共重合体組成物(A)とポリ
エチレンテレフタレート(B)および繊維状強化剤
(C)の配合割合は(A)が1〜94重量部、好ましくは
2〜90重量部、特に好ましくは5〜85重量部、(B)が
1〜94重量部、好ましくは2〜90重量部、特に好ましく
は5〜85重量部、および(C)が5〜70重量部、好まし
くは7〜65重量部、特に好ましくは10〜60重量部で、か
つ、(A)、(B)および(C)の合計量が100重量部
となる割合である。(A)が1重量部未満で(B)が94
重量部を越えた場合および(C)が5重量部未満および
70重量部を越えた場合は組成物の成形加工性、耐衝撃性
が劣り、(A)が94重量部を越えかつ、(B)が1重量
部未満の場合は組成物の耐薬品性が劣るので好ましくな
い。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物中のエポキシ基を
有するビニル系単量体残基の含有量は特に制限はない
が、樹脂の耐衝撃性および流動性の点から通常0.00015
〜11.2重量%、特に0.01〜5重量%の範囲となるように
グラフト共重合体またはグラフト共重合体組成物(A)
中のエポキシ基を有するビニル系単量体の共重合量およ
び繊維強化熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体ま
たはグラフト共重合体組成物(A)の配合量を選ぶのが
好ましい。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関し
ては特に制限はなく、通常公知の方法を採用することが
できる。すなわち、グラフト共重合体またはグラフト共
重合体組成物(A)、ポリエチレンテレフタレート
(B)および(C)繊維状強化剤をペレット、粉末、細
片状態等で、高速攪拌機等を用いて均一混合した後、十
分な混練能力のある一軸または多軸の押出機で溶融混練
する方法およびバンバリーミキサーやゴムロール機を用
いて溶融混練する方法等、種々の方法を採用することが
できる。
本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物はグラフト共重合
体またはグラフト共重合体組成物(A)、ポリエチレン
テレフタレート(B)および繊維状強化剤(C)の他に
必要に応じて、ポリスチレン(PS)、スチレン/アクリ
ロニトリル共重合体(SAN)、ポリメタクリル酸メチル
(PMMA)、スチレン/メタクリル酸メチル/アクリロニ
トリル共重合体、α−メチルスチレン/アクリロニトリ
ル共重合体、α−メチルスチレン/スチレン/アクリロ
ニトリル共重合体、α−メチルスチレン/メタクリル酸
メチル/アクリロニトリル共重合体、p−メチルスチレ
ン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/N−フェニル
マレイミド共重合体等のビニル系重合体、メタクリル酸
−ブタジエン−スチレン三元共重合体(MBS)樹脂、AES
樹脂、AAS樹脂、ポリカーボネート、ポリカプロアミド
(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイ
ロン66)等熱可塑性樹脂を適宜混合したり、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、
エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン
/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレ
ン/5−エチリデン2−ノルボルネン共重合体、エチレン
/酢酸ビニル共重合体およびエチレン/アクリル酸ブチ
ル共重合体等のポリオレフィン系ゴムを適宜混合するこ
とによって更に望ましい物性、特性に調節することも可
能である。また目的に応じて顔料や染料、金属フレーク
等の補強材や充填材、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤および難燃
剤等を添加することができる。
本発明における(イ)、(ロ)、(ハ)の必須単量体は
グラフト共重合せずに単に共重合体としてブレンドする
だけでも本発明とほぼ同等の効果が得られるが、グラフ
ト共重合することによりエポキシ基を有するビニル系単
量体(ハ)の共重合量を減らすことが可能であり、成形
加工性を著しく改良することができる。
[実 施 例] 以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳しく
説明する。
成形加工性の強化として、80℃金型での成形性、および
ソリ量を測定した。ソリ量は、厚さ0.5mmのフィルムゲ
ートをもつ80×80×1mmの角板を成形し、平板上に静置
してその一端を軽くおさえ、もっとも浮き上りの大きい
他端と平板の間を測定した。
耐衝撃性の評価として1/2"アイゾット衝撃強さをASTM
D256−56に従って測定した。
耐薬品性は、射出成形した角板をメタノールおよびガソ
リン23℃、24時間浸漬して角板表面を目視で観察した。
なお、以下の部数および%は、それぞれ重量部および重
量%を表わす。
参考例1 次の処方により、グラフト共重合体A−1〜A−6を製
造した。
A−1:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25μ、
ゲル含率80%)60部(固形分換算)の存在下でスチレン
73.8%、アクリロニトリル26%、メタクリル酸グリシジ
ル0.2%からなる単量体混合物40部を乳化重合した。得
られたグラフト共重合体は硫酸マグネシウムで凝固し、
洗浄、過、乾燥してパウター状のグラフト共重合体
(A−1)を調製した。
A−2:A−1で使用したポリブタジエンラテックス40部
(固形分換算)の存在下でメタクリル酸メチル13%、ス
チレン70%、アクリロニトリル15%、アクリル酸グリシ
ジル2%からなる単量体混合物60部を乳化重合した後、
A−1と同様にしてパウダー状のグラフト共重合体(A
−2)を調製した。
A−3:ジエンNF35A(旭化成(株)製)20部をスチレン4
5部、α−メチルスチレン11部、アクリロニトリル20
部、メタクリル酸グリシジル4部に溶解した後、塊状重
合してグラフト共重合体(A−3)を調製した。
A−4:ジエンNF35A(旭化成(株)製)20部をスチレン5
0部、アクリロニトリル18部、メタクリル酸メチル10
部、アクリル酸グリシジル2部に溶解した後、塊状重合
してグラフト共重合体(A−4)を調製した。
A−5:A−1で使用したポリブタジエンラテックス50部
(固形分換算)の存在下でスチレン95%、メタクリル酸
グリシジル5%からなる単量体混合物50部を乳化重合し
た後、A−1と同様にしてパウダー状のグラフト共重合
体(A−5)を調製した。
A−6:A−1で使用したポリブタジエンラテックス60部
(固形分換算)の存在下でスチレン75%、アクリロニト
リル25%からなる単量体混合物40部を乳化重合した後、
A−1と同様にしてパウダー状のグラフト共重合体(A
−6)を調製した。
参考例2 PETとして以下の2種類を使用した。
B−1:PET−J025 (三井ペット樹脂(株)製) B−2:PET−J135 (三井ペット樹脂(株)製) 実施例1〜8 参考例1で製造したA−1〜A−4、PETとしてB−1
〜B−2、および繊維状強化剤として、エポキシ処理し
た3mmのチョップドストランドタイプのガラス繊維をそ
れぞれ表−1の配合割合でヘンシェルミキサーで混合
し、次に40mmφ押出機により押出温度280℃で押出し、
それぞれペレット化した後、各ペレットについて成形温
度280℃、金型温度80℃、成形サイクル射出10秒、冷却4
0秒の条件で射出成形に供し、各試験片を作製しそれに
ついて物性の評価を行なった。これらの結果を表−1に
示す。
比較例1〜6 参考例1で製造したA−1〜A−6、PETとしてB−1
〜B−2、および繊維状強化剤として、エポキシ処理し
た3mmチョップドストランドタイプのガラス繊維をぞれ
ぞれ表−1の配合割合でヘンシェルルミキサーで混合
し、次に40mmφ押出機により押出温度280℃で押出し、
それぞれペレット化した後、各ペレットについて成形温
度280℃、金型温度80℃、成形サイクル射出10秒、冷却4
0秒の条件で射出成形に供し、各試験片を作製し、それ
について物性の評価を行なった。これらの結果を表−1
に併せて示す。
実施例および比較例より、次のことが明らかである。す
なわち、本発明により得られたものは、いずれも成形加
工性、耐衝撃性、耐薬品性に優れている。それに対し
て、エポキシ基を有するビニル系単量体を共重合しない
グラフト共重合体(A−6)、およびグラフト成分とし
てシアン化ビニルを含まない芳香族ビニルとエポキシ基
を有するビニル系単量体のみグラフトしたグラフト共重
合体(A−5)では、PETとの相溶性が不十分であるた
めに耐衝撃性は不十分である。繊維状強化剤が規定の範
囲をはずれた場合は、ソリ量が大きい、または耐衝撃性
に劣る。グラフト共重合体を含有しない場合は成形不可
能であり、グラフト共重合体の含有量が多すぎる場合は
耐薬品性に劣る等の問題がある。
[発明の効果] 本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物はジエン系ゴムに
芳香族ビニル、シアン化ビニルおよびエポキシ基を有す
るビニル系単量体をグラフト共重合してなるグラフト共
重合体またはグラフト共重合体組成物(A)、ポリエチ
レンテレフタレート(B)、および繊維状強化剤(C)
を特定の割合で配合しているが、特にエポキシ基の存在
のため(A)、(B)および(C)の分散性が極めて良
好である。更に本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物
は、ポリエチレンテレフタレートの結晶化速度が遅いこ
とに起因する成形加工性の悪さ、および耐衝撃性の低さ
を改善しており、ポリエチレンテレフタレートの耐熱
性、耐薬品性、剛性を活かした成形材料として、種々の
用途に使用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) (a)ジエン系ゴム10〜85重量部に、 (b)(イ)芳香族ビニル50〜90重量% (ロ)シアン化ビニル9〜50重量% (ハ)エポキシ基を有するビニル系単量体0.001〜14重
    量% からなる単量体混合物90〜15重量部をグラフト共重合し
    てなるグラフト共重合体または該グラフト共重合体と残
    りの単量体が共重合した共重合体とからなるグラフト共
    重合体組成物1〜94重量部と (B)ポリエチレンテレフタレート1〜94重量部 (C)繊維状強化剤5〜70重量部 とからなり、かつ、(A)、(B)および(C)の合計
    量が100重量部である繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
JP63167106A 1988-07-05 1988-07-05 繊維強化熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH075814B2 (ja)

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