JP4707186B2 - シリカ粉体の製法およびそれによって得られたシリカ粉体 - Google Patents
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本発明は、イオン性不純物を洗浄・除去し、樹脂に対する濡れ性(親和性)に優れたシ
リカ粉体の製法およびそれによって得られたシリカ粉体に関するものであり、特に詳しく
は、微細球状シリカ粉体を含むシリカ粉体の製法およびそれによって得られたシリカ粉体
に関するものである。
リカ粉体の製法およびそれによって得られたシリカ粉体に関するものであり、特に詳しく
は、微細球状シリカ粉体を含むシリカ粉体の製法およびそれによって得られたシリカ粉体
に関するものである。
種々の用途に利用されているプラスチック製品は、圧縮成形法,押出成形法、射出成形
法に代表されるように、樹脂組成物を加温等により一度流動性を有する状態とした後、所
定の成形金型内で、所望の形状に成形することにより製造される。上記樹脂組成物中には
、機械的特性や増量等を目的として、従来からシリカや炭酸カルシウム、タルク等に代表
される無機質充填剤が添加されている。
法に代表されるように、樹脂組成物を加温等により一度流動性を有する状態とした後、所
定の成形金型内で、所望の形状に成形することにより製造される。上記樹脂組成物中には
、機械的特性や増量等を目的として、従来からシリカや炭酸カルシウム、タルク等に代表
される無機質充填剤が添加されている。
特に、半導体素子を樹脂封止する半導体用封止材をはじめとする電気・電子分野におい
ては、その熱膨張係数が小さいことや電気絶縁性を有し、高周波領域においても誘電体損
失が小さいという観点から、無機質充填剤として従来から溶融シリカが用いられている。
ては、その熱膨張係数が小さいことや電気絶縁性を有し、高周波領域においても誘電体損
失が小さいという観点から、無機質充填剤として従来から溶融シリカが用いられている。
一方、金属シリコンやフェロシリコンを電気炉で製造する際の排ガスを集塵した時に収
集されるシリカヒュームや、各種ジルコニア材料を製造する際の副産物であるジルコンサ
ンドを電融した際に生じる排ガスを集塵したジルコニア含有微粒子や、石炭火力発電所で
発生するフライアッシュ中の微粉のみを分級採取した微粉分級フライアッシュはシリカを
主成分とした微細球状シリカ粉末物質であり、コンクリート混和物として配合すると、コ
ンクリートの流動性が向上する等、成形材料として利用した場合にその流動性、最密充填
性が向上することが知られている。また、これら微細球状シリカ粉末物質は排出成分であ
るため、経済性に富み、樹脂との親和性に優れ、その硬度や熱膨張係数が球状溶融シリカ
と同等であることから、前述の要求仕様をほぼ満足するものであり、その経済性という観
点からも優位であることは明らかである。
集されるシリカヒュームや、各種ジルコニア材料を製造する際の副産物であるジルコンサ
ンドを電融した際に生じる排ガスを集塵したジルコニア含有微粒子や、石炭火力発電所で
発生するフライアッシュ中の微粉のみを分級採取した微粉分級フライアッシュはシリカを
主成分とした微細球状シリカ粉末物質であり、コンクリート混和物として配合すると、コ
ンクリートの流動性が向上する等、成形材料として利用した場合にその流動性、最密充填
性が向上することが知られている。また、これら微細球状シリカ粉末物質は排出成分であ
るため、経済性に富み、樹脂との親和性に優れ、その硬度や熱膨張係数が球状溶融シリカ
と同等であることから、前述の要求仕様をほぼ満足するものであり、その経済性という観
点からも優位であることは明らかである。
しかし、上記シリカヒュームやジルコニア含有微粒子や微粉分級フライアッシュ分級な
どの微細球状シリカの表面にはイオン性不純物が大量に存在しており、しかも樹脂との親
和性に乏しいため、このままプラスチック用無機質充填剤として利用した場合、マトリッ
クス成分となる樹脂に対して均一に分散されずに凝集する等の問題が生じ、半導体用封止
材等に代表される各種分野への実用に供することは困難であった。このような問題を解決
すべく、これら球状粉体を高温で焼成した後、鉱酸水溶液で洗浄することにより不純物で
あるアルカリ金属イオン量を減少させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平11−199218号公報
どの微細球状シリカの表面にはイオン性不純物が大量に存在しており、しかも樹脂との親
和性に乏しいため、このままプラスチック用無機質充填剤として利用した場合、マトリッ
クス成分となる樹脂に対して均一に分散されずに凝集する等の問題が生じ、半導体用封止
材等に代表される各種分野への実用に供することは困難であった。このような問題を解決
すべく、これら球状粉体を高温で焼成した後、鉱酸水溶液で洗浄することにより不純物で
あるアルカリ金属イオン量を減少させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1においては、アルカリ金属イオン量の低減のみに着目し
、塩酸等の酸性溶液による処理で上記アルカリ金属イオンの低減はなされているものの、
他のイオン性不純物、例えば、リン酸イオンが多く残存するとともに、その表面にはシラ
ノール基が存在している。このような微粉末のシリカ粉末では、各種樹脂との親和性(濡
れ性)に関して未だ不充分であるとともに、燐酸等の陰イオン性不純物が残存し、各種用
途、例えば、近年その信頼性の要求がより一層高くなっている上記半導体用封止材の用途
としては、不充分であった。また、微粉であるため、純水等で洗浄するスラリー段階で粉
体の沈降が遅く、遠心分離を行っても固液分離に長時間を要し、また、フィルター濾過に
よる固液分離を行うにしても、微粉が故にフィルターが目詰まりするとともにそのケーキ
自体が緻密になり過ぎ、濾過に長時間を要するといった問題があり、大量にかつ安価に製
造できないという欠点があった。
、塩酸等の酸性溶液による処理で上記アルカリ金属イオンの低減はなされているものの、
他のイオン性不純物、例えば、リン酸イオンが多く残存するとともに、その表面にはシラ
ノール基が存在している。このような微粉末のシリカ粉末では、各種樹脂との親和性(濡
れ性)に関して未だ不充分であるとともに、燐酸等の陰イオン性不純物が残存し、各種用
途、例えば、近年その信頼性の要求がより一層高くなっている上記半導体用封止材の用途
としては、不充分であった。また、微粉であるため、純水等で洗浄するスラリー段階で粉
体の沈降が遅く、遠心分離を行っても固液分離に長時間を要し、また、フィルター濾過に
よる固液分離を行うにしても、微粉が故にフィルターが目詰まりするとともにそのケーキ
自体が緻密になり過ぎ、濾過に長時間を要するといった問題があり、大量にかつ安価に製
造できないという欠点があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、イオン性不純物の含有量が低減され
、かつ各種樹脂との親和性(濡れ性)に優れたシリカ粉体を工業的に安定かつ安価に製造
することのできるシリカ粉体の製法およびそれによって得られたシリカ粉体の提供をその
目的とする。
、かつ各種樹脂との親和性(濡れ性)に優れたシリカ粉体を工業的に安定かつ安価に製造
することのできるシリカ粉体の製法およびそれによって得られたシリカ粉体の提供をその
目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、シリカ粉体原料を500〜900℃の温度で焼
成した後、下記の洗浄工程(a)または(b)を経由し、ついで上記洗浄工程を経由した
シリカ粉体原料に、高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を添加してシリカ
粉体原料を凝集させ固液分離を行い、この凝集させたシリカ粉体原料を純水を用いて洗浄
した後、シリカ粉体原料を再度500〜900℃の温度で再焼成して粉体化するシリカ粉
体の製法を第1の要旨とする。
(a)pH2以下の状態に調整した酸性スラリー水性液状態にして上記焼成後のシリカ粉
体原料を洗浄し、続いてpH11以上の状態に調整したアルカリ性スラリー水性液状態に
して上記シリカ粉体原料を洗浄する洗浄工程。
(b)pH11以上の状態に調整したアルカリ性スラリー水性液状態にして上記シリカ粉
体原料を洗浄し、続いてpH2以下の状態に調整した酸性スラリー水性液状態にして上記
焼成後のシリカ粉体原料を洗浄する洗浄工程。
成した後、下記の洗浄工程(a)または(b)を経由し、ついで上記洗浄工程を経由した
シリカ粉体原料に、高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を添加してシリカ
粉体原料を凝集させ固液分離を行い、この凝集させたシリカ粉体原料を純水を用いて洗浄
した後、シリカ粉体原料を再度500〜900℃の温度で再焼成して粉体化するシリカ粉
体の製法を第1の要旨とする。
(a)pH2以下の状態に調整した酸性スラリー水性液状態にして上記焼成後のシリカ粉
体原料を洗浄し、続いてpH11以上の状態に調整したアルカリ性スラリー水性液状態に
して上記シリカ粉体原料を洗浄する洗浄工程。
(b)pH11以上の状態に調整したアルカリ性スラリー水性液状態にして上記シリカ粉
体原料を洗浄し、続いてpH2以下の状態に調整した酸性スラリー水性液状態にして上記
焼成後のシリカ粉体原料を洗浄する洗浄工程。
そして、本発明は、上記シリカ粉体の製法によって得られたシリカ粉体であって、シリ
カ粉体5gを、50mlの電気伝導度1μS/cm以下の純水中に160℃で24時間加
圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、90μS/cm以下であり、シラノール基を実質
的に含有しないシリカ粉体を第2の要旨とする。
カ粉体5gを、50mlの電気伝導度1μS/cm以下の純水中に160℃で24時間加
圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、90μS/cm以下であり、シラノール基を実質
的に含有しないシリカ粉体を第2の要旨とする。
本発明者は、排出物質であるシリカヒュームやジルコニア含有微粒子や分級微粉フライ
アッシュ等のシリカ粉体原料の有効利用に着目し、これらを原料とした場合、その利用の
際に抱える問題を解決して、各種用途に適した特性を備えたシリカ粉体を得る目的で研究
を行った。そして、その研究の過程で、酸およびアルカリ洗浄、ならびに、純水による洗
浄工程において、上記シリカ粉体原料はスラリー状態となるが、この時特に1μm以下の
微粉粒子は沈降が遅く、遠心分離器などを用いても固液分離に長時間を要する。また、フ
ィルター濾過による固液分離も、微粉によるフィルター目詰まりが激しく、濾過に長時間
を要する。一般に微粉の固液分離性を良くするために、様々な凝集剤が利用されているが
、凝集するため洗浄効率が悪くなることが懸念され、また、凝集剤自体に含有される有機
系のイオン性不純物が最終的にシリカ粉体に混入し、実質上、半導体封止材等の用途に適
用できないほどにイオン性不純物の含有量が増加するという知見を得た。
アッシュ等のシリカ粉体原料の有効利用に着目し、これらを原料とした場合、その利用の
際に抱える問題を解決して、各種用途に適した特性を備えたシリカ粉体を得る目的で研究
を行った。そして、その研究の過程で、酸およびアルカリ洗浄、ならびに、純水による洗
浄工程において、上記シリカ粉体原料はスラリー状態となるが、この時特に1μm以下の
微粉粒子は沈降が遅く、遠心分離器などを用いても固液分離に長時間を要する。また、フ
ィルター濾過による固液分離も、微粉によるフィルター目詰まりが激しく、濾過に長時間
を要する。一般に微粉の固液分離性を良くするために、様々な凝集剤が利用されているが
、凝集するため洗浄効率が悪くなることが懸念され、また、凝集剤自体に含有される有機
系のイオン性不純物が最終的にシリカ粉体に混入し、実質上、半導体封止材等の用途に適
用できないほどにイオン性不純物の含有量が増加するという知見を得た。
そこで、本発明者は上記問題に関して鋭意検討した結果、高分子凝集剤および高分子凝
結剤の少なくとも一方を用いてシリカ粉体原料を適正に凝集沈殿させると、洗浄効率をほ
とんど低下させることなく、かつ、最終工程で500〜900℃の再焼成を行うことによ
って、上記混入した高分子凝集剤,高分子凝結剤を焼失させ、イオン性不純物の増加を低
減できることを突き止めた。すなわち、洗浄時のスラリーの固液分離性に優れ、イオン性
不純物が除去され、しかも樹脂に対する親和性(濡れ性)に優れ、実用に適したシリカ粉
体を得るために一連の研究を重ねた結果、シリカ粉体原料を500〜900℃の温度で焼
成した後、酸性水溶液およびアルカリ性水溶液を用いてスラリー状態として上記焼成後の
シリカ粉体原料を洗浄し、続いて、高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を
添加してシリカ粉体原料を凝集沈殿させ、固液分離しながら純水を用いて洗浄を繰り返し
、さらに500〜900℃の温度で再焼成してシリカ粉体を製造するという製造方法を見
出した。そして、この製造方法により得られるシリカ粉体は、5gのシリカ粉体を50m
lの純水中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が90μS/cm
以下に設定されるとともに、シラノール基を実質的に含有しないシリカ粉体が得られるた
め、樹脂との親和性(濡れ性)に優れ、各種用途における無機質充填剤として実用に適し
たものとなることを見出し本発明に到達した。
結剤の少なくとも一方を用いてシリカ粉体原料を適正に凝集沈殿させると、洗浄効率をほ
とんど低下させることなく、かつ、最終工程で500〜900℃の再焼成を行うことによ
って、上記混入した高分子凝集剤,高分子凝結剤を焼失させ、イオン性不純物の増加を低
減できることを突き止めた。すなわち、洗浄時のスラリーの固液分離性に優れ、イオン性
不純物が除去され、しかも樹脂に対する親和性(濡れ性)に優れ、実用に適したシリカ粉
体を得るために一連の研究を重ねた結果、シリカ粉体原料を500〜900℃の温度で焼
成した後、酸性水溶液およびアルカリ性水溶液を用いてスラリー状態として上記焼成後の
シリカ粉体原料を洗浄し、続いて、高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を
添加してシリカ粉体原料を凝集沈殿させ、固液分離しながら純水を用いて洗浄を繰り返し
、さらに500〜900℃の温度で再焼成してシリカ粉体を製造するという製造方法を見
出した。そして、この製造方法により得られるシリカ粉体は、5gのシリカ粉体を50m
lの純水中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が90μS/cm
以下に設定されるとともに、シラノール基を実質的に含有しないシリカ粉体が得られるた
め、樹脂との親和性(濡れ性)に優れ、各種用途における無機質充填剤として実用に適し
たものとなることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、シリカ粉体原料を500〜900℃の温度で焼成した後、特定
の酸濃度の酸性水溶液、ならびに、特定のアルカリ濃度のアルカリ水溶液を用いてスラリ
ー状態として上記焼成後のシリカ粉体原料を洗浄し、続いて、高分子凝集剤・高分子凝結
剤を用いて凝集させ純水による洗浄を行い、乾燥・粉体化した後、さらに、500〜90
0℃の温度で再焼成することによりシリカ粉体を製造する方法である。このため、上記洗
浄工程において、シリカ粉体原料が微粉であるためにそのスラリー溶液の固液分離が困難
であったが、上記のように高分子凝集剤・高分子凝結剤を配合することによって、高価な
遠心分離器装置等を使用せず、自然沈降により、分離できるようになり、結果、生産性が
向上し、さらに低コスト化が実現する。
の酸濃度の酸性水溶液、ならびに、特定のアルカリ濃度のアルカリ水溶液を用いてスラリ
ー状態として上記焼成後のシリカ粉体原料を洗浄し、続いて、高分子凝集剤・高分子凝結
剤を用いて凝集させ純水による洗浄を行い、乾燥・粉体化した後、さらに、500〜90
0℃の温度で再焼成することによりシリカ粉体を製造する方法である。このため、上記洗
浄工程において、シリカ粉体原料が微粉であるためにそのスラリー溶液の固液分離が困難
であったが、上記のように高分子凝集剤・高分子凝結剤を配合することによって、高価な
遠心分離器装置等を使用せず、自然沈降により、分離できるようになり、結果、生産性が
向上し、さらに低コスト化が実現する。
そして、このようにして製造されるシリカ粉体は、5gのシリカ粉体を50mlの純水
中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、90μS/cm以下で
あり、シラノール基を実質的に含有しないシリカ粉体である。すなわち、得られるシリカ
粉体は、このような製法により、極めて低い含有量までイオン性不純物が除去され、しか
も実質的にシラノール基を含有しないものが得られ、例えば、従来から用いられている球
状溶融シリカ等の無機質充填剤と同等の特性を有する低コストのものが得られるのである
。このため、このシリカ粉体と樹脂組成物との濡れ性が良好となり、その結果、成形性、
流動性に優れるようになる。
中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、90μS/cm以下で
あり、シラノール基を実質的に含有しないシリカ粉体である。すなわち、得られるシリカ
粉体は、このような製法により、極めて低い含有量までイオン性不純物が除去され、しか
も実質的にシラノール基を含有しないものが得られ、例えば、従来から用いられている球
状溶融シリカ等の無機質充填剤と同等の特性を有する低コストのものが得られるのである
。このため、このシリカ粉体と樹脂組成物との濡れ性が良好となり、その結果、成形性、
流動性に優れるようになる。
そして、上記シリカ粉体として、リン酸イオン濃度が10ppm以下であると、より一
層イオン性不純物の低減化が実現するため、高信頼性が要求される半導体封止用材料をは
じめとする充填剤として有用である。
層イオン性不純物の低減化が実現するため、高信頼性が要求される半導体封止用材料をは
じめとする充填剤として有用である。
したがって、本発明のシリカ粉体は、例えば、電気絶縁材料,塗料用充填材、半導体用
封止材等における充填剤として有用である。例えば、半導体用封止材における充填剤とし
て用いる場合、信頼性、流動性の観点から、従来から使用されている高価な微細球状溶融
シリカに代わるものとして好ましく用いられ、低コスト化が実現する。
封止材等における充填剤として有用である。例えば、半導体用封止材における充填剤とし
て用いる場合、信頼性、流動性の観点から、従来から使用されている高価な微細球状溶融
シリカに代わるものとして好ましく用いられ、低コスト化が実現する。
このようなことから、例えば、本発明のシリカ粉体を半導体封止用樹脂組成物の配合成
分である無機質充填剤として用いると、成形性,流動性に優れたものが得られ、これによ
り樹脂封止された半導体装置は、従来と同等のものが得られる。
分である無機質充填剤として用いると、成形性,流動性に優れたものが得られ、これによ
り樹脂封止された半導体装置は、従来と同等のものが得られる。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本発明のシリカ粉体は、シリカ粉体5gを50mlの純水(電気伝導度1μS/cm以
下)中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、90μS/cm以
下である、イオン性不純物を洗浄・除去した精製粉体であり、実質的に下記の式(1)に
示すシラノール基を含有しないものである。特に好ましくは、本発明のシリカ粉体5gを
50mlの純水中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、50μ
S/cm以下であり、実質的に下記の式(1)に示すシラノール基を含有しないものであ
る。なお、上記24時間加圧浸漬とは、シリカ粉体5gを密閉容器内に投入し、160℃
という高温で24時間浸漬した場合、密閉容器内部は自然に加圧状態となり、このような
状態での浸漬を意味する。また、上記電気伝導度の測定および条件としては、例えば、ホ
リバ社製、型式DS−15,セル定数0.1の使用があげられる。
本発明のシリカ粉体は、シリカ粉体5gを50mlの純水(電気伝導度1μS/cm以
下)中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、90μS/cm以
下である、イオン性不純物を洗浄・除去した精製粉体であり、実質的に下記の式(1)に
示すシラノール基を含有しないものである。特に好ましくは、本発明のシリカ粉体5gを
50mlの純水中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、50μ
S/cm以下であり、実質的に下記の式(1)に示すシラノール基を含有しないものであ
る。なお、上記24時間加圧浸漬とは、シリカ粉体5gを密閉容器内に投入し、160℃
という高温で24時間浸漬した場合、密閉容器内部は自然に加圧状態となり、このような
状態での浸漬を意味する。また、上記電気伝導度の測定および条件としては、例えば、ホ
リバ社製、型式DS−15,セル定数0.1の使用があげられる。
なお、本発明において、上記実質的にシラノール基を含有しないとは、シリカ粉体表面
のシラノール基を、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−ト
リクロロシラン(tridecafluoro-1,1,2,2-tetrahydrooctyl-1-trichlorosilane :以下T
DFSと略す)で化学修飾した後、X線光電子分光法による分析(ESCA分析)を行っ
て、定量した結果、シラノール基含有比率が0.10以下、より好ましくは0.090以
下、特に好ましくは0.040以下であることをいう。以下、詳しく説明する。すなわち
、シリカ粉体(試料粉体)1gをフッ素系カップリング剤として用いる10%TDFSを
含む95%エタノールで希釈し、塩沈を繰り返し、ソックスレー抽出を100時間以上行
って、未反応のTDFSを除去する。その洗浄後、試料粉体を110℃で乾燥させ、シラ
ノール基を化学修飾した試料を得る。この試料粉体を導電性粘着テープに固定して、ES
CA分析を行う。
のシラノール基を、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−ト
リクロロシラン(tridecafluoro-1,1,2,2-tetrahydrooctyl-1-trichlorosilane :以下T
DFSと略す)で化学修飾した後、X線光電子分光法による分析(ESCA分析)を行っ
て、定量した結果、シラノール基含有比率が0.10以下、より好ましくは0.090以
下、特に好ましくは0.040以下であることをいう。以下、詳しく説明する。すなわち
、シリカ粉体(試料粉体)1gをフッ素系カップリング剤として用いる10%TDFSを
含む95%エタノールで希釈し、塩沈を繰り返し、ソックスレー抽出を100時間以上行
って、未反応のTDFSを除去する。その洗浄後、試料粉体を110℃で乾燥させ、シラ
ノール基を化学修飾した試料を得る。この試料粉体を導電性粘着テープに固定して、ES
CA分析を行う。
なお、上記ESCA分析に使用する装置および測定条件は以下の通りである。すなわち
、分析測定装置は、島津製作所社製のShimadzu/Kratos AXIS-Hisを用い、X線源にはAl
Kα(モノクロメータ使用)を用い、X線出力は150W(15kV)とする。光電子
取り出し角は試料表面に対して90℃とし、分析面積は300×700μmとする。また
結合エネルギーはC1sのピークトップを285.0eVとしてシフト補正する。そして
、化学修飾法によりシラノール基の定量は、トータルのSiに対するシラノール基の比率
〔Si−OH〕/〔Si〕=(〔F1s〕/13)/{〔Si2p〕−(〔F1s〕/1
3)}で算出する。上記式において、〔F1s〕,〔Si2p〕はそれぞれF1s,Si
2pシグナルから得られたF,Siの原子(atomic)%である。その算出の結果、本発明
において実質的にシラノール基を含有しないとは、〔Si−OH〕/〔Si〕の比率、す
なわち、シラノール基含有比率が0.10以下、より好ましくは0.090以下、特に好
ましくは0.040以下となることを示す。
、分析測定装置は、島津製作所社製のShimadzu/Kratos AXIS-Hisを用い、X線源にはAl
Kα(モノクロメータ使用)を用い、X線出力は150W(15kV)とする。光電子
取り出し角は試料表面に対して90℃とし、分析面積は300×700μmとする。また
結合エネルギーはC1sのピークトップを285.0eVとしてシフト補正する。そして
、化学修飾法によりシラノール基の定量は、トータルのSiに対するシラノール基の比率
〔Si−OH〕/〔Si〕=(〔F1s〕/13)/{〔Si2p〕−(〔F1s〕/1
3)}で算出する。上記式において、〔F1s〕,〔Si2p〕はそれぞれF1s,Si
2pシグナルから得られたF,Siの原子(atomic)%である。その算出の結果、本発明
において実質的にシラノール基を含有しないとは、〔Si−OH〕/〔Si〕の比率、す
なわち、シラノール基含有比率が0.10以下、より好ましくは0.090以下、特に好
ましくは0.040以下となることを示す。
さらに、本発明のシリカ粉体としては、特定値以下の電気伝導度およびシラノール基を
実質的に含有しないという上記特性に加えて、リン酸イオン濃度が10ppm以下である
ことが好ましい。上記リン酸イオン濃度の低減は、後述のシリカ粉体の製造工程において
、洗浄工程(a)または(b)における、pH11以上の状態に調整したアルカリスラリ
ー水溶液状態での洗浄によりリン酸イオンを溶出させ、達成することが可能となる。すな
わち、リン酸イオン濃度が10ppmを超えると、当然ながら、イオン性不純物濃度の上
昇につながるため、電気的信頼性が要求される各種用途に用いることが困難となる。
実質的に含有しないという上記特性に加えて、リン酸イオン濃度が10ppm以下である
ことが好ましい。上記リン酸イオン濃度の低減は、後述のシリカ粉体の製造工程において
、洗浄工程(a)または(b)における、pH11以上の状態に調整したアルカリスラリ
ー水溶液状態での洗浄によりリン酸イオンを溶出させ、達成することが可能となる。すな
わち、リン酸イオン濃度が10ppmを超えると、当然ながら、イオン性不純物濃度の上
昇につながるため、電気的信頼性が要求される各種用途に用いることが困難となる。
上記リン酸イオン濃度の測定は、つぎのようにして行われる。すなわち、シリカ粉体を
加圧容器の中に5.0g採取し、50mlの超純水(電気伝導度が1μS/cm以下)中
に160℃で24時間加圧浸漬して抽出水を得る。そして、この抽出水のリン酸イオン濃
度をイオンクロマトグラフィーを用いて測定する。なお、上記リン酸イオン濃度の測定に
使用する装置および条件としては、例えば、日本ダイオニクス社製の型式DX−500シ
リーズ、分析カラムAS4A−SCの使用があげられる。
加圧容器の中に5.0g採取し、50mlの超純水(電気伝導度が1μS/cm以下)中
に160℃で24時間加圧浸漬して抽出水を得る。そして、この抽出水のリン酸イオン濃
度をイオンクロマトグラフィーを用いて測定する。なお、上記リン酸イオン濃度の測定に
使用する装置および条件としては、例えば、日本ダイオニクス社製の型式DX−500シ
リーズ、分析カラムAS4A−SCの使用があげられる。
さらに、本発明のシリカ粉体としては、種々の用途を考慮した場合、その粒度分布にお
いて、粒径1μm以下の微細球状シリカを30重量%以上含有していることが好ましい。
ただし、本発明のシリカ粉体は、上記のような微細粉体、例えば、粒径1μm以下の微細
球状シリカを30重量%以上含有するものに限定されるものではなく、得られるシリカ粉
体全体がより粒度の粗い、すなわち、粒径の大きなシリカ粉体を多く含む場合があり、そ
の用途に応じて適宜に設定される。そして、本発明のシリカ粉体の製法により得られるシ
リカ粉体の粒度分布は、用いるシリカ粉体原料の粒径,種類等を適宜選択し調整すること
により設定される。
いて、粒径1μm以下の微細球状シリカを30重量%以上含有していることが好ましい。
ただし、本発明のシリカ粉体は、上記のような微細粉体、例えば、粒径1μm以下の微細
球状シリカを30重量%以上含有するものに限定されるものではなく、得られるシリカ粉
体全体がより粒度の粗い、すなわち、粒径の大きなシリカ粉体を多く含む場合があり、そ
の用途に応じて適宜に設定される。そして、本発明のシリカ粉体の製法により得られるシ
リカ粉体の粒度分布は、用いるシリカ粉体原料の粒径,種類等を適宜選択し調整すること
により設定される。
本発明のシリカ粉体の製法において、その原料となるシリカ粉体原料として、例えば、
シリカヒュームやジルコニア含有微粒子や分級微粉フライアッシュ等があげられ、これら
は細かい灰の粒子であり、通常、球形に近い形状を有している。そして、通常、これらシ
リカ粉体原料には、イオン性不純物として、例えば、アンモニウムイオン、カルシウムイ
オン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、硫酸イオン、燐酸イオン、クロルイオン
等が大量に含まれている。これらイオン性不純物量は、その粉体の種類によっても異なる
が、その一例をあげると、未洗浄の平均粒子径1μm前後であるシリカヒュームあるいは
ジルコニア含有微粒子5gを50mlの超純水中に160℃で24時間加圧浸漬してイオ
ン性不純物を抽出した際の抽出水の電気伝導度は400μS/cm以上、同様に分級微粉
フライアッシュの場合で数1000μS/cm以上と極めて高いものとなる。
シリカヒュームやジルコニア含有微粒子や分級微粉フライアッシュ等があげられ、これら
は細かい灰の粒子であり、通常、球形に近い形状を有している。そして、通常、これらシ
リカ粉体原料には、イオン性不純物として、例えば、アンモニウムイオン、カルシウムイ
オン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、硫酸イオン、燐酸イオン、クロルイオン
等が大量に含まれている。これらイオン性不純物量は、その粉体の種類によっても異なる
が、その一例をあげると、未洗浄の平均粒子径1μm前後であるシリカヒュームあるいは
ジルコニア含有微粒子5gを50mlの超純水中に160℃で24時間加圧浸漬してイオ
ン性不純物を抽出した際の抽出水の電気伝導度は400μS/cm以上、同様に分級微粉
フライアッシュの場合で数1000μS/cm以上と極めて高いものとなる。
そして、例えば、半導体用封止材に通常使用されている現行の溶融シリカに代えて上記
のような未洗浄の平均粒子径1μm前後のシリカヒュームやジルコニア含有微粒子や分級
微粉フライアッシュ等の未洗浄の微細球状シリカをそのまま半導体用封止材の配合成分と
して使用して半導体用封止材を製造した場合、上記のように抽出水のイオン性不純物量が
多いため、得られる半導体用封止材の硬化体の体積抵抗率は、100℃で1.0×1014
Ω・cmと1/10以下となり、各種耐湿試験において極めて悪い結果が得られることは
前記特許文献1に示されている。
のような未洗浄の平均粒子径1μm前後のシリカヒュームやジルコニア含有微粒子や分級
微粉フライアッシュ等の未洗浄の微細球状シリカをそのまま半導体用封止材の配合成分と
して使用して半導体用封止材を製造した場合、上記のように抽出水のイオン性不純物量が
多いため、得られる半導体用封止材の硬化体の体積抵抗率は、100℃で1.0×1014
Ω・cmと1/10以下となり、各種耐湿試験において極めて悪い結果が得られることは
前記特許文献1に示されている。
本発明のシリカ粉体は、上記のようなイオン性不純物を多く含有するシリカ粉体原料を
用い、これを特定の方法を経由させて精製したものである。そして、本発明のシリカ粉体
の原料となるシリカヒュームやジルコニア含有微粒子や分級微粉フライアッシュとしては
、その用途等に応じて所望の平均粒子径を有するものを適宜選択して用いられる。例えば
、シリカ粉体原料として平均粒子径2μm以下のものが好適に用いられる。上記平均粒子
径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。な
お、上記シリカ粉体原料の平均粒子径は、母集団から任意に抽出される試料を用いて測定
・導出される値である。
用い、これを特定の方法を経由させて精製したものである。そして、本発明のシリカ粉体
の原料となるシリカヒュームやジルコニア含有微粒子や分級微粉フライアッシュとしては
、その用途等に応じて所望の平均粒子径を有するものを適宜選択して用いられる。例えば
、シリカ粉体原料として平均粒子径2μm以下のものが好適に用いられる。上記平均粒子
径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。な
お、上記シリカ粉体原料の平均粒子径は、母集団から任意に抽出される試料を用いて測定
・導出される値である。
このように、本発明のシリカ粉体は、5gのシリカ粉体を50mlの純水(電気伝導度
1μS/cm以下)中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、9
0μS/cm以下であり、シラノール基を実質的に含有しないものであり、好ましくは、
上記条件での抽出水の電気伝導度が50μS/cm以下となるレベルまで精製されている
ものである。
1μS/cm以下)中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、9
0μS/cm以下であり、シラノール基を実質的に含有しないものであり、好ましくは、
上記条件での抽出水の電気伝導度が50μS/cm以下となるレベルまで精製されている
ものである。
上記純水としては、例えば、少量のイオン性不純物を含む工業用水や水道水、あるいは
、イオン性不純物をほとんど含まないイオン交換水や超純水等があげられる。そして、な
かでも、イオン交換水や超純水を使用することが好ましい。本発明では、具体的には、電
気伝導度が1μS/cm以下のものをいう。
、イオン性不純物をほとんど含まないイオン交換水や超純水等があげられる。そして、な
かでも、イオン交換水や超純水を使用することが好ましい。本発明では、具体的には、電
気伝導度が1μS/cm以下のものをいう。
本発明のシリカ粉体は、例えば、以下に示す方法によって製造される。すなわち、まず
、シリカ粉体原料を500〜900℃の温度で焼成する(初期焼成工程)。その後、上記
焼成後のシリカ粉体原料を、pH2以下の酸性スラリー水性液状態にして洗浄し、続いて
、アルカリを加えpH11以上に調整したアルカリ性スラリー水性液状態としてシリカ粉
体原料を洗浄する。もしくは、上記焼成後のシリカ粉体原料を、pH11以上のアルカリ
性スラリー水性液状態にして洗浄し、続いて、酸性物質を加えpH2以下に調整した酸性
スラリー水性液状態としてシリカ粉体原料を洗浄する。ついで、これに、高分子凝集剤お
よび高分子凝結剤の少なくとも一方を加え、シリカ粉体原料の粒子を凝集・沈殿させた上
で、純水を用いて固液分離操作を繰り返しながら洗浄した後、再度500〜900℃の温
度で再焼成し(再焼成工程)、粉体化することにより製造する方法である。
、シリカ粉体原料を500〜900℃の温度で焼成する(初期焼成工程)。その後、上記
焼成後のシリカ粉体原料を、pH2以下の酸性スラリー水性液状態にして洗浄し、続いて
、アルカリを加えpH11以上に調整したアルカリ性スラリー水性液状態としてシリカ粉
体原料を洗浄する。もしくは、上記焼成後のシリカ粉体原料を、pH11以上のアルカリ
性スラリー水性液状態にして洗浄し、続いて、酸性物質を加えpH2以下に調整した酸性
スラリー水性液状態としてシリカ粉体原料を洗浄する。ついで、これに、高分子凝集剤お
よび高分子凝結剤の少なくとも一方を加え、シリカ粉体原料の粒子を凝集・沈殿させた上
で、純水を用いて固液分離操作を繰り返しながら洗浄した後、再度500〜900℃の温
度で再焼成し(再焼成工程)、粉体化することにより製造する方法である。
上記最初に行われる500℃〜900℃の範囲によるシリカ粉体の初期焼成工程は、上
記のように、酸性スラリー水性液状態およびアルカリ性スラリー水性液状態ならびに純水
による洗浄工程の前に行われ、シリカ粉体原料粒子表面の未燃焼カーボン等が除去され、
後の洗浄がより効率的に行えるようになる。なお、上記スラリー水性液とは、初期焼成後
のシリカ粉体原料が水溶液中に分散した状態、あるいは一部溶解した状態をいう。
記のように、酸性スラリー水性液状態およびアルカリ性スラリー水性液状態ならびに純水
による洗浄工程の前に行われ、シリカ粉体原料粒子表面の未燃焼カーボン等が除去され、
後の洗浄がより効率的に行えるようになる。なお、上記スラリー水性液とは、初期焼成後
のシリカ粉体原料が水溶液中に分散した状態、あるいは一部溶解した状態をいう。
上記初期焼成工程後に、酸性水溶液を用いて焼成後のシリカ粉体原料を洗浄することに
より、シリカ粉体原料中のナトリウム、カリウム、カルシウム等のカチオン成分が溶出さ
れ、アルカリ水溶液を用いて同様に洗浄することにより、燐酸イオン、硫酸イオン等のア
ニオン成分が溶出され、その結果、極めて低い含有量にまでイオン性不純物を除去するこ
とが可能となる。なお、酸性スラリー水性液状態で洗浄した後にアルカリ性スラリー水性
液状態で洗浄してもよいし、アルカリ性スラリー水性液状態で洗浄した後に酸性スラリー
水性液状態で洗浄してもよく、特にその順序を限定するものではない。ただし、その後行
う高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を用いてなる凝集沈殿は、アルカリ
雰囲気下で行った方が、その固液分離性に優れることから、酸性スラリー水性液状態で洗
浄した後にアルカリ性スラリー水性液状態で洗浄するという順序を経由する工程が効率的
にも好ましい。さらに、アルカリ性スラリー水性液で洗浄した後に酸性スラリー水性液で
洗浄するという順序を経由すると、その条件によってはシリカ粉体原料がゲル化してしま
い後工程の洗浄が不可能になる場合があり、このことからも酸性スラリー水性液状態で洗
浄した後にアルカリ性スラリー水性液状態で洗浄するという工程順序を経由することが、
より効率的である。
より、シリカ粉体原料中のナトリウム、カリウム、カルシウム等のカチオン成分が溶出さ
れ、アルカリ水溶液を用いて同様に洗浄することにより、燐酸イオン、硫酸イオン等のア
ニオン成分が溶出され、その結果、極めて低い含有量にまでイオン性不純物を除去するこ
とが可能となる。なお、酸性スラリー水性液状態で洗浄した後にアルカリ性スラリー水性
液状態で洗浄してもよいし、アルカリ性スラリー水性液状態で洗浄した後に酸性スラリー
水性液状態で洗浄してもよく、特にその順序を限定するものではない。ただし、その後行
う高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を用いてなる凝集沈殿は、アルカリ
雰囲気下で行った方が、その固液分離性に優れることから、酸性スラリー水性液状態で洗
浄した後にアルカリ性スラリー水性液状態で洗浄するという順序を経由する工程が効率的
にも好ましい。さらに、アルカリ性スラリー水性液で洗浄した後に酸性スラリー水性液で
洗浄するという順序を経由すると、その条件によってはシリカ粉体原料がゲル化してしま
い後工程の洗浄が不可能になる場合があり、このことからも酸性スラリー水性液状態で洗
浄した後にアルカリ性スラリー水性液状態で洗浄するという工程順序を経由することが、
より効率的である。
上記酸性スラリー水性液状態とするために添加する酸性水溶液としては、シリカ粉体原
料中のカチオン成分を溶出することができるものであれば特に限定するものではなく、例
えば、塩酸、硫酸、燐酸等の各種水溶液があげられる。そして、酸性水溶液の酸濃度は、
酸性水溶液中においてシリカ粉体原料の分散が良好となる酸濃度で、混合・攪拌処理する
ことが、より効率的な予備洗浄という観点から好ましい。そして、本発明においては、上
記酸性水溶液として、pH2以下の酸性水溶液である。
料中のカチオン成分を溶出することができるものであれば特に限定するものではなく、例
えば、塩酸、硫酸、燐酸等の各種水溶液があげられる。そして、酸性水溶液の酸濃度は、
酸性水溶液中においてシリカ粉体原料の分散が良好となる酸濃度で、混合・攪拌処理する
ことが、より効率的な予備洗浄という観点から好ましい。そして、本発明においては、上
記酸性水溶液として、pH2以下の酸性水溶液である。
上記アルカリ性スラリー水性液状態とするために添加するアルカリ性水溶液としては、
シリカ粉体原料中のアニオン成分、特にリン酸イオンを溶出することができるものであれ
ば特に限定するものではなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の各種水溶
液があげられる。そして、アルカリ性水溶液のアルカリ濃度は、アルカリ性水溶液中にお
いてシリカ粉体原料の分散が良好となるアルカリ濃度で、混合・攪拌処理することが、よ
り効率的な予備洗浄という観点から好ましい。そして、本発明においては、上記アルカリ
性水溶液として、加えた後のスラリー水溶液のpHが11以上となるアルカリ性水溶液で
ある。
シリカ粉体原料中のアニオン成分、特にリン酸イオンを溶出することができるものであれ
ば特に限定するものではなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の各種水溶
液があげられる。そして、アルカリ性水溶液のアルカリ濃度は、アルカリ性水溶液中にお
いてシリカ粉体原料の分散が良好となるアルカリ濃度で、混合・攪拌処理することが、よ
り効率的な予備洗浄という観点から好ましい。そして、本発明においては、上記アルカリ
性水溶液として、加えた後のスラリー水溶液のpHが11以上となるアルカリ性水溶液で
ある。
上記酸性水溶液ならびにアルカリ性水溶液を用いたスラリー状態での洗浄工程後に行わ
れる高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方の添加によるシリカ粉体原料の凝
集沈殿工程は、先の工程でのpH11以上に調整したアルカリ性スラリー水性液を、適宜
凝集沈殿に適したpHにスラリー水性液を調整した後、適量の高分子凝集剤および高分子
凝結剤を添加することが好ましい。そして、好ましくは、後工程の固液分離の効率等の観
点から、高分子凝集剤および高分子凝結剤の双方を併用して添加することである。なお、
上記高分子凝集剤とは、一般に、二次粒子化したものを塊状に形成する作用を奏するもの
であり、上記高分子凝結剤とは、一般に、一次粒子を二次粒子化する作用を奏するもので
ある。
れる高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方の添加によるシリカ粉体原料の凝
集沈殿工程は、先の工程でのpH11以上に調整したアルカリ性スラリー水性液を、適宜
凝集沈殿に適したpHにスラリー水性液を調整した後、適量の高分子凝集剤および高分子
凝結剤を添加することが好ましい。そして、好ましくは、後工程の固液分離の効率等の観
点から、高分子凝集剤および高分子凝結剤の双方を併用して添加することである。なお、
上記高分子凝集剤とは、一般に、二次粒子化したものを塊状に形成する作用を奏するもの
であり、上記高分子凝結剤とは、一般に、一次粒子を二次粒子化する作用を奏するもので
ある。
上記添加する高分子凝集剤および高分子凝結剤の種類、添加量、ならびに、数回に分け
て添加する等の添加のタイミングについては、特に限定するものではなく、後の固液分離
操作がし易い適正な条件を選定すればよい。ただし、高分子凝集剤ならびに高分子凝結剤
自体の不純物が後工程の500〜900℃の再焼成によって消失せず、イオン性不純物と
して残り得るもの、例えばナトリウム塩型やクロル塩型の高分子凝集剤あるいは高分子凝
結剤を大量に使用すると、再焼成工程後もナトリウムやクロルが残存し、得られるシリカ
粉体のイオン性不純物の低減が困難となるため、ナトリウムやクロルをその構造に含まな
いより完全に消失してしまう高分子凝集剤ならびに高分子凝結剤を選択し使用することが
好ましい。このような点から、上記高分子凝集剤としては、例えば、ポリアクリル酸エス
テル系強カチオン性凝集剤、アクリル酸エステル系中カチオン性凝集剤等があげられる。
一方、上記高分子凝結剤としては、例えば、ポリアミン系強カチオン性凝結剤、カチオン
性凝結剤等があげられる。また、上記各添加量に関しては、特に限定するものではなく、
使用する化合物に応じて適宜に設定すればよいが、例えば、ポリアクリル酸エステル系強
カチオン性凝集剤を用いる場合、シリカ粉体原料1000重量部(以下「部」と略す)に
対して0.5〜4部程度に設定することが好ましく、ポリアミン系強カチオン性凝結剤を
用いる場合、シリカ粉体原料10000部に対して1〜5部程度に設定することが好まし
い。
て添加する等の添加のタイミングについては、特に限定するものではなく、後の固液分離
操作がし易い適正な条件を選定すればよい。ただし、高分子凝集剤ならびに高分子凝結剤
自体の不純物が後工程の500〜900℃の再焼成によって消失せず、イオン性不純物と
して残り得るもの、例えばナトリウム塩型やクロル塩型の高分子凝集剤あるいは高分子凝
結剤を大量に使用すると、再焼成工程後もナトリウムやクロルが残存し、得られるシリカ
粉体のイオン性不純物の低減が困難となるため、ナトリウムやクロルをその構造に含まな
いより完全に消失してしまう高分子凝集剤ならびに高分子凝結剤を選択し使用することが
好ましい。このような点から、上記高分子凝集剤としては、例えば、ポリアクリル酸エス
テル系強カチオン性凝集剤、アクリル酸エステル系中カチオン性凝集剤等があげられる。
一方、上記高分子凝結剤としては、例えば、ポリアミン系強カチオン性凝結剤、カチオン
性凝結剤等があげられる。また、上記各添加量に関しては、特に限定するものではなく、
使用する化合物に応じて適宜に設定すればよいが、例えば、ポリアクリル酸エステル系強
カチオン性凝集剤を用いる場合、シリカ粉体原料1000重量部(以下「部」と略す)に
対して0.5〜4部程度に設定することが好ましく、ポリアミン系強カチオン性凝結剤を
用いる場合、シリカ粉体原料10000部に対して1〜5部程度に設定することが好まし
い。
その後の純水を用いた洗浄工程は、酸性およびアルカリ性スラリー水性液状態での洗浄
後のシリカ粉体原料を高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を用いて固液分
離させ、その上澄み水溶液を捨て、固液分離した後の沈殿フロックを用いる。純水中にそ
の固液分離した沈殿フロックを浸漬させ、好ましくは攪拌操作を行い、高分子凝集剤なら
びに高分子凝結剤の効果により効率的に固液分離が短時間に自然沈降下でも行えるように
なった状態で固液分離操作を繰り返し、イオン性不純物を抽出水中に溶出させることによ
りシリカ粉体原料の粒子表面に付着していると考えられるイオン性不純物を低減させる。
後のシリカ粉体原料を高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を用いて固液分
離させ、その上澄み水溶液を捨て、固液分離した後の沈殿フロックを用いる。純水中にそ
の固液分離した沈殿フロックを浸漬させ、好ましくは攪拌操作を行い、高分子凝集剤なら
びに高分子凝結剤の効果により効率的に固液分離が短時間に自然沈降下でも行えるように
なった状態で固液分離操作を繰り返し、イオン性不純物を抽出水中に溶出させることによ
りシリカ粉体原料の粒子表面に付着していると考えられるイオン性不純物を低減させる。
上記洗浄工程に用いられる純水としては、特に限定するものではなく先に述べたと同様
、例えば、少量のイオン性不純物を含む工業用水や水道水、あるいは、イオン性不純物を
ほとんど含まないイオン交換水や超純水等があげられる。そして、目標とするイオン性不
純物量に合わせて、よりイオン性不純物量の低減を図る場合には、洗浄度合いに応じて、
イオン交換水や超純水を使用することが好ましい。具体的には、電気伝導度が1μS/c
m以下の純水を用いることが好ましい。
、例えば、少量のイオン性不純物を含む工業用水や水道水、あるいは、イオン性不純物を
ほとんど含まないイオン交換水や超純水等があげられる。そして、目標とするイオン性不
純物量に合わせて、よりイオン性不純物量の低減を図る場合には、洗浄度合いに応じて、
イオン交換水や超純水を使用することが好ましい。具体的には、電気伝導度が1μS/c
m以下の純水を用いることが好ましい。
さらに、上記純水を用いた洗浄工程における純水の温度についても特に限定するもので
はなく0〜100℃の範囲であればよい。より詳しく説明すると、0〜20℃程度の常温
水による抽出洗浄操作、固液分離操作を連続して5〜10回程度繰り返した後、80〜1
00℃の高温熱湯水による抽出洗浄操作、固液分離操作を、これも連続して5〜10回程
度繰り返す方法が、より効率的にイオン性不純物量を低減することが可能となり好ましい
。しかし、シリカ粉体原料がシリカヒュームやジルコニア含有微粒子の場合、20℃程度
の常温水洗浄だけでもイオン性不純物を充分低減することができ、その経済性を考慮する
と、必ずしも80〜100℃の高温熱湯水による抽出洗浄操作は必要としない場合もある
。なお、100℃以上の高温加圧水による抽出洗浄操作を行えば、さらにイオン性不純物
を低減できるが、装置が大がかりなものとなり、経済性が著しく低下するため好ましいも
のではない。
はなく0〜100℃の範囲であればよい。より詳しく説明すると、0〜20℃程度の常温
水による抽出洗浄操作、固液分離操作を連続して5〜10回程度繰り返した後、80〜1
00℃の高温熱湯水による抽出洗浄操作、固液分離操作を、これも連続して5〜10回程
度繰り返す方法が、より効率的にイオン性不純物量を低減することが可能となり好ましい
。しかし、シリカ粉体原料がシリカヒュームやジルコニア含有微粒子の場合、20℃程度
の常温水洗浄だけでもイオン性不純物を充分低減することができ、その経済性を考慮する
と、必ずしも80〜100℃の高温熱湯水による抽出洗浄操作は必要としない場合もある
。なお、100℃以上の高温加圧水による抽出洗浄操作を行えば、さらにイオン性不純物
を低減できるが、装置が大がかりなものとなり、経済性が著しく低下するため好ましいも
のではない。
また、上記純水を用いた洗浄工程における、シリカ粉体原料と純水の混合・攪拌時の固
液比についても特に限定するものではないが、シリカ粉体原料の割合を多くして洗浄回数
を増やす方が洗浄水量の低減という観点からは好ましい。一方、シリカ粉体原料の割合を
少なく洗浄回数を減らす方が工程の削減という観点からは好ましく、製造設備や製造条件
に合った方法にすればよい。
液比についても特に限定するものではないが、シリカ粉体原料の割合を多くして洗浄回数
を増やす方が洗浄水量の低減という観点からは好ましい。一方、シリカ粉体原料の割合を
少なく洗浄回数を減らす方が工程の削減という観点からは好ましく、製造設備や製造条件
に合った方法にすればよい。
そして、上記洗浄工程における抽出洗浄時の混合・攪拌機については特に限定するもの
ではないが、分散性に優れる一般的なディスパー攪拌機等を用いると、折角、沈殿凝集状
態となったフロックが壊れ、再分散するため固液分離効率が低下してしまう。当初、水洗
浄において、沈殿凝集状態となったフロックの状態では洗浄効率が著しく悪くなると考え
られたが、現実的には凝集状態でも分散状態でも洗浄効率はほとんど差がなく、充分洗浄
できることを本発明において見出している。したがって、攪拌は再分散しないようにゆっ
くりと低速で攪拌でき、スラリーに対し、あまり剪断が掛からない攪拌機が好ましい。ま
た、上記固液分離方法については、分離後のシリカ粉体原料の沈殿フロックの含水率が低
い方が固液分離操作の繰り返し回数を低減することができ、より経済的にイオン性不純物
の低減化が図られる。この際の固液分離方法についても特に限定するものではなく、例え
ば、加圧濾過等のフィルターを利用した濾過による方法や、遠心分離法や自然沈降等のシ
リカ粉体原料と水との比重差を利用したデカンター分離方法等があげられる。本発明のよ
うに高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を用いた場合、シリカ粉体原料は
スラリー中でフロック化した状態であることから、充分に自然沈降でも固液分離が可能で
あり、遠心分離器等の高価な設備を使用せず、抽出洗浄操作が行えるという利点がある。
ではないが、分散性に優れる一般的なディスパー攪拌機等を用いると、折角、沈殿凝集状
態となったフロックが壊れ、再分散するため固液分離効率が低下してしまう。当初、水洗
浄において、沈殿凝集状態となったフロックの状態では洗浄効率が著しく悪くなると考え
られたが、現実的には凝集状態でも分散状態でも洗浄効率はほとんど差がなく、充分洗浄
できることを本発明において見出している。したがって、攪拌は再分散しないようにゆっ
くりと低速で攪拌でき、スラリーに対し、あまり剪断が掛からない攪拌機が好ましい。ま
た、上記固液分離方法については、分離後のシリカ粉体原料の沈殿フロックの含水率が低
い方が固液分離操作の繰り返し回数を低減することができ、より経済的にイオン性不純物
の低減化が図られる。この際の固液分離方法についても特に限定するものではなく、例え
ば、加圧濾過等のフィルターを利用した濾過による方法や、遠心分離法や自然沈降等のシ
リカ粉体原料と水との比重差を利用したデカンター分離方法等があげられる。本発明のよ
うに高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を用いた場合、シリカ粉体原料は
スラリー中でフロック化した状態であることから、充分に自然沈降でも固液分離が可能で
あり、遠心分離器等の高価な設備を使用せず、抽出洗浄操作が行えるという利点がある。
つぎに、上記純水を用いた洗浄工程後に行われる乾燥工程では、シリカ粉体原料の沈殿
フロックから水分を除去する必要があり、その乾燥方法としては、特に限定するものでは
なく、例えば、固液分離後の微細球状シリカ沈殿フロックを高温のオーブンで乾燥固化す
る方法や、スプレードライヤーによる加温乾燥固化する方法等があげられる。なお、乾燥
時にシリカ粉体原料が凝集した場合は、適度に解す操作を施すことが好ましい。
フロックから水分を除去する必要があり、その乾燥方法としては、特に限定するものでは
なく、例えば、固液分離後の微細球状シリカ沈殿フロックを高温のオーブンで乾燥固化す
る方法や、スプレードライヤーによる加温乾燥固化する方法等があげられる。なお、乾燥
時にシリカ粉体原料が凝集した場合は、適度に解す操作を施すことが好ましい。
上記乾燥工程を経由して粉体化したシリカ粉体原料を、さらに500〜900℃の温度
条件で再焼成する必要がある。このように、再焼成することにより、シリカ粉体原料の粒
子表面に生成したシラノール基が低減され、混練り性、成形性、流動性が良好となるとと
もに、先の工程で使用した高分子凝集剤ならびに高分子凝結剤を高温下で消失させること
によって、これらのイオン性不純物への悪影響を低減させることができる。なお、上記洗
浄工程後の乾燥工程を省略し、ただちに再焼成を行うことも可能である。
条件で再焼成する必要がある。このように、再焼成することにより、シリカ粉体原料の粒
子表面に生成したシラノール基が低減され、混練り性、成形性、流動性が良好となるとと
もに、先の工程で使用した高分子凝集剤ならびに高分子凝結剤を高温下で消失させること
によって、これらのイオン性不純物への悪影響を低減させることができる。なお、上記洗
浄工程後の乾燥工程を省略し、ただちに再焼成を行うことも可能である。
このように、上記温度条件で再焼成することにより得られる作用・効果は、つぎのよう
に考えられる。すなわち、酸性スラリー水性液およびアルカリ性スラリー水性液状態での
洗浄工程においては、シリカ粉体原料の粒子表面にシラノール基のようなOH基を有する
基が顕著に生成すると考えられ、洗浄処理されたシリカ粉体原料と、樹脂組成物を得るた
めに混合配合する樹脂成分が親水性でない場合、濡れ性が悪くなる。一例をあげると、半
導体用封止材に用いられる樹脂成分は、エポキシ樹脂,フェノール樹脂等であり、これら
は基本的に疎水性であるため、純水洗浄したままでは濡れ性が悪く、混練不良を生起する
。その結果、成形性、流動性が低下することが懸念され、実質上成形材料としては使用す
ることが困難となる。したがって、上記再焼成を行うことによって、シリカ粉体原料表面
のOH基を有する基であるシラノール基が低減され、優れた成形性および流動性が得られ
ると考えられる。なお、シラノール基を除去するため、特殊なシランカップリング剤によ
る表面処理も考えられるが、これは高価な処理法であり、経済性の観点からも、安価で簡
便な再焼成処理が有用である。また、高分子凝集剤ならびに高分子凝結剤自体の消失によ
るイオン性不純物の低減も図られることから、再焼成処理が有用である。
に考えられる。すなわち、酸性スラリー水性液およびアルカリ性スラリー水性液状態での
洗浄工程においては、シリカ粉体原料の粒子表面にシラノール基のようなOH基を有する
基が顕著に生成すると考えられ、洗浄処理されたシリカ粉体原料と、樹脂組成物を得るた
めに混合配合する樹脂成分が親水性でない場合、濡れ性が悪くなる。一例をあげると、半
導体用封止材に用いられる樹脂成分は、エポキシ樹脂,フェノール樹脂等であり、これら
は基本的に疎水性であるため、純水洗浄したままでは濡れ性が悪く、混練不良を生起する
。その結果、成形性、流動性が低下することが懸念され、実質上成形材料としては使用す
ることが困難となる。したがって、上記再焼成を行うことによって、シリカ粉体原料表面
のOH基を有する基であるシラノール基が低減され、優れた成形性および流動性が得られ
ると考えられる。なお、シラノール基を除去するため、特殊なシランカップリング剤によ
る表面処理も考えられるが、これは高価な処理法であり、経済性の観点からも、安価で簡
便な再焼成処理が有用である。また、高分子凝集剤ならびに高分子凝結剤自体の消失によ
るイオン性不純物の低減も図られることから、再焼成処理が有用である。
このようにして得られるシリカ粉体は、各種分野の充填材料、例えば、電気絶縁材料、
塗料の充填材、半導体用封止材等に利用可能である。一例として、半導体用封止材におい
ては、信頼特性、流動特性の観点から非常に高価な球状溶融シリカが多く用いられている
が、本発明のシリカ粉体は、安価であり、さらにその原料の特性から球状を有するもので
あり、半導体用封止材の無機質充填剤として効果的に用いることができる。
塗料の充填材、半導体用封止材等に利用可能である。一例として、半導体用封止材におい
ては、信頼特性、流動特性の観点から非常に高価な球状溶融シリカが多く用いられている
が、本発明のシリカ粉体は、安価であり、さらにその原料の特性から球状を有するもので
あり、半導体用封止材の無機質充填剤として効果的に用いることができる。
本発明のシリカ粉体の用途の一例として、先に述べたように、半導体用封止材の無機質
充填剤があげられる。そして、その使用形態としては従来の無機質充填剤と同様に用いら
れ、特にその使用方法においては限定されるものではない。
充填剤があげられる。そして、その使用形態としては従来の無機質充填剤と同様に用いら
れ、特にその使用方法においては限定されるものではない。
本発明のシリカ粉体を用いた用途の一例として、半導体封止用材料として用いることが
があげられる。この半導体封止用材料に用いるとは、半導体封止用樹脂組成物の一構成成
分として用いるものであって、上記半導体封止用樹脂組成物は、特に限定するものではな
く、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤および無機質充填剤を含有する
ものであり、通常、粉末状あるいはこれを打錠したタブレット状になっている。そして、
上記無機質充填剤の一部または全部を本発明のシリカ粉体に代えて用いられる。
があげられる。この半導体封止用材料に用いるとは、半導体封止用樹脂組成物の一構成成
分として用いるものであって、上記半導体封止用樹脂組成物は、特に限定するものではな
く、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤および無機質充填剤を含有する
ものであり、通常、粉末状あるいはこれを打錠したタブレット状になっている。そして、
上記無機質充填剤の一部または全部を本発明のシリカ粉体に代えて用いられる。
上記エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤および無機質充填剤としては、特に限
定するものではなく、半導体封止用材料として従来から用いられているものが適宜使用さ
れる。さらには、上記エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、無機質充填剤以外に
、公知の難燃剤や難燃助剤、離型剤、顔料や着色料、シランカップリング剤、低応力化剤
等他の添加剤を必要に応じて適宜に添加することができる。
定するものではなく、半導体封止用材料として従来から用いられているものが適宜使用さ
れる。さらには、上記エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤、無機質充填剤以外に
、公知の難燃剤や難燃助剤、離型剤、顔料や着色料、シランカップリング剤、低応力化剤
等他の添加剤を必要に応じて適宜に添加することができる。
本発明のシリカ粉体を用いた半導体封止用樹脂組成物は、例えば、上記各成分を配合し
混合した後、ミキシングロール機等の混練機にかけ加熱状態で溶融混合し、これを室温に
冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により
製造することができる。
混合した後、ミキシングロール機等の混練機にかけ加熱状態で溶融混合し、これを室温に
冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により
製造することができる。
このようなエポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止は、特に制限するものでは
なく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行うことができる。
なく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行うことができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に
限定されるものではない。
限定されるものではない。
下記に示すように、各種微細球状シリカ粉体を製造した。
1kgの微細球状シリカ粉体原料(平均粒子径0.8μm、ジルコニア含有微粒子)を
準備し、これを600℃の温度で8時間焼成した。ついで、酸性水溶液である0.5重量
%の塩酸水溶液3kgに焼成したシリカ粉体原料を投入し、pH約1.0での塩酸水溶液
中で23℃で6時間攪拌混合(ディスパー攪拌1000rpm)し、酸洗浄を行った。そ
の後、24重量%の水酸化ナトリウム水溶液を133.6g加え、アルカリ性スラリー水
性液(pH約12.5)とし、23℃で4時間攪拌混合(ディスパー攪拌1000rpm
)し、アルカリ洗浄を行った。その後、5重量%の塩酸水溶液を適量加え、スラリー水性
液をpH11に調整した。
準備し、これを600℃の温度で8時間焼成した。ついで、酸性水溶液である0.5重量
%の塩酸水溶液3kgに焼成したシリカ粉体原料を投入し、pH約1.0での塩酸水溶液
中で23℃で6時間攪拌混合(ディスパー攪拌1000rpm)し、酸洗浄を行った。そ
の後、24重量%の水酸化ナトリウム水溶液を133.6g加え、アルカリ性スラリー水
性液(pH約12.5)とし、23℃で4時間攪拌混合(ディスパー攪拌1000rpm
)し、アルカリ洗浄を行った。その後、5重量%の塩酸水溶液を適量加え、スラリー水性
液をpH11に調整した。
その後、生成させる凝集フロックが壊れないように2枚羽根で100rpm程度の攪拌
速度でゆっくりと攪拌しながら、ポリアクリル酸エステル系強カチオン性凝集剤であるC
498T水溶液(三井化学アクアポリマー社製アコフロックC498T粉末6gを299
4gの純水に溶解)を2分程度で3kg加え、さらにポリアミン系強カチオン性凝結剤C
567水溶液(三井化学アクアポリマー社製アコフロックC567水溶液原液を純水で1
00倍希釈)を110g加え、約30秒間フロックが壊れないように攪拌した。攪拌終了
後、静置させておくと3分以内にフロックが沈殿し、固液分離されるので、上澄み溶液を
捨てた。その後、スラリー全量が8kgになるように23℃の超純水(電気伝導度が1μ
S/cm以下)を加え、生成した凝集フロックが壊れないように2枚羽根で100rpm
程度の攪拌速度でゆっくりと1分間程度攪拌し、5分間程度静置して固液分離させ、上澄
み液を捨てた。その後、この純水洗浄操作を25回繰り返した。得られた微細球状シリカ
ケーキを120℃の乾燥機中で24時間乾燥固化した後、凝集を充分に解した。
速度でゆっくりと攪拌しながら、ポリアクリル酸エステル系強カチオン性凝集剤であるC
498T水溶液(三井化学アクアポリマー社製アコフロックC498T粉末6gを299
4gの純水に溶解)を2分程度で3kg加え、さらにポリアミン系強カチオン性凝結剤C
567水溶液(三井化学アクアポリマー社製アコフロックC567水溶液原液を純水で1
00倍希釈)を110g加え、約30秒間フロックが壊れないように攪拌した。攪拌終了
後、静置させておくと3分以内にフロックが沈殿し、固液分離されるので、上澄み溶液を
捨てた。その後、スラリー全量が8kgになるように23℃の超純水(電気伝導度が1μ
S/cm以下)を加え、生成した凝集フロックが壊れないように2枚羽根で100rpm
程度の攪拌速度でゆっくりと1分間程度攪拌し、5分間程度静置して固液分離させ、上澄
み液を捨てた。その後、この純水洗浄操作を25回繰り返した。得られた微細球状シリカ
ケーキを120℃の乾燥機中で24時間乾燥固化した後、凝集を充分に解した。
得られた微細球状シリカ粉体原料をさらに、600℃の温度で8時間再焼成を行うこと
により目的とする微細球状シリカ粉体Aを作製した。
により目的とする微細球状シリカ粉体Aを作製した。
平均粒子径0.2μmの微細球状シリカ粉体原料(シリカヒューム)を用いた。それ以
外は実施例1と同様にして微細球状シリカ粉体Bを作製した。
外は実施例1と同様にして微細球状シリカ粉体Bを作製した。
平均粒子径1.5μmの微細球状シリカ粉体原料(分級微粉フライアッシュ)を用いた
。それ以外は実施例1と同様にして微細球状シリカ粉体Cを作製した。
。それ以外は実施例1と同様にして微細球状シリカ粉体Cを作製した。
高分子凝集剤および高分子凝結剤として、アクリル酸エステル系中カチオン性凝集剤で
あるハイセットC545水溶液(第一工業製薬社製、ハイセットC545粉末6gを29
94gの純水に溶解)を2分程度で2kg加え、さらにカチオン性凝結剤であるCL−6
21水溶液(オルガノ社製、オルフロックCL−621水溶液原液を純水で100倍希釈
)を150g加えた。それ以外は実施例1と同様にして微細球状シリカ粉体Dを作製した
。
あるハイセットC545水溶液(第一工業製薬社製、ハイセットC545粉末6gを29
94gの純水に溶解)を2分程度で2kg加え、さらにカチオン性凝結剤であるCL−6
21水溶液(オルガノ社製、オルフロックCL−621水溶液原液を純水で100倍希釈
)を150g加えた。それ以外は実施例1と同様にして微細球状シリカ粉体Dを作製した
。
〔比較例1〕
1kgの微細球状シリカ粉体原料(平均粒子径0.8μm、ジルコニア含有微粒子)を
準備し、これを600℃の温度で8時間焼成した。ついで、超純水を7kg加え、23℃
で2分間攪拌混合(ディスパー攪拌1000rpm)する。そのスラリー溶液は自然沈降
では固液分離に数日間以上必要とするため、2000Gの遠心力で1時間遠心沈降させる
ことによって、固液分離させ、上澄み液を捨てる。その後、この純水洗浄操作を25回繰
り返した。得られた微細球状シリカケーキを120℃の乾燥機中で24時間乾燥固化した
後、凝集を充分に解した。得られた微細球状シリカ粉体をさらに、600℃の温度で8時
間再焼成を行うことにより目的とする微細球状シリカ粉体Eを作製した。
1kgの微細球状シリカ粉体原料(平均粒子径0.8μm、ジルコニア含有微粒子)を
準備し、これを600℃の温度で8時間焼成した。ついで、超純水を7kg加え、23℃
で2分間攪拌混合(ディスパー攪拌1000rpm)する。そのスラリー溶液は自然沈降
では固液分離に数日間以上必要とするため、2000Gの遠心力で1時間遠心沈降させる
ことによって、固液分離させ、上澄み液を捨てる。その後、この純水洗浄操作を25回繰
り返した。得られた微細球状シリカケーキを120℃の乾燥機中で24時間乾燥固化した
後、凝集を充分に解した。得られた微細球状シリカ粉体をさらに、600℃の温度で8時
間再焼成を行うことにより目的とする微細球状シリカ粉体Eを作製した。
〔比較例2〕
平均粒子径0.2μmの微細球状シリカ粉体原料(シリカヒューム)を用いた。それ以
外は比較例1と同様にして微細球状シリカ粉体Fを作製した。
平均粒子径0.2μmの微細球状シリカ粉体原料(シリカヒューム)を用いた。それ以
外は比較例1と同様にして微細球状シリカ粉体Fを作製した。
〔比較例3〕
平均粒子径1.5μmの微細球状シリカ粉体原料(分級微粉フライアッシュ)を用いた
。それ以外は比較例1と同様にして微細球状シリカ粉体Gを作製した。
平均粒子径1.5μmの微細球状シリカ粉体原料(分級微粉フライアッシュ)を用いた
。それ以外は比較例1と同様にして微細球状シリカ粉体Gを作製した。
〔比較例4〕
上記実施例1(微細球状シリカ粉体A)の作製において、24重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えることによるアルカリ洗浄を行わなかった。それ以外は実施例1と同様に
して微細球状シリカ粉体Hを作製した。
上記実施例1(微細球状シリカ粉体A)の作製において、24重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えることによるアルカリ洗浄を行わなかった。それ以外は実施例1と同様に
して微細球状シリカ粉体Hを作製した。
〔比較例5〕
上記実施例1(微細球状シリカ粉体A)の作製において、600℃の温度で8時間の再
焼成処理を行わなかった。それ以外は実施例1と同様にして微細球状シリカ粉体Iを作製
した。
上記実施例1(微細球状シリカ粉体A)の作製において、600℃の温度で8時間の再
焼成処理を行わなかった。それ以外は実施例1と同様にして微細球状シリカ粉体Iを作製
した。
このようにして得られた実施例および比較例の各微細球状シリカ粉体A〜Iの製造工程
を下記の表1に示すとともに、上記各微細球状シリカ粉体A〜Iにおける、抽出水の電気
伝導度、リン酸イオン濃度、ナトリウムイオン濃度をつぎのようにして測定した。すなわ
ち、上記各微細球状シリカ粉体を加圧容器の中に5.0g採取し、50mlの超純水(電
気伝導度が1μS/cm以下)中に160℃で24時間加圧浸漬して抽出水を得た。そし
て、この抽出水の電気伝導度を電気伝導度計(ホリバ社製、型式DS−15,セル定数0
.1)を用いて測定し、リン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィー(日本ダイオニク
ス社製、型式DX−500シリーズ、分析カラムAS4A−SC)を用いて測定し、ナト
リウムイオン濃度をイオンクロマトグラフィー(横河電機社製、型式IC7000、分析
カラムICS−C1GA)を用いて測定した。その結果を下記の表2〜表3に示した。
を下記の表1に示すとともに、上記各微細球状シリカ粉体A〜Iにおける、抽出水の電気
伝導度、リン酸イオン濃度、ナトリウムイオン濃度をつぎのようにして測定した。すなわ
ち、上記各微細球状シリカ粉体を加圧容器の中に5.0g採取し、50mlの超純水(電
気伝導度が1μS/cm以下)中に160℃で24時間加圧浸漬して抽出水を得た。そし
て、この抽出水の電気伝導度を電気伝導度計(ホリバ社製、型式DS−15,セル定数0
.1)を用いて測定し、リン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフィー(日本ダイオニク
ス社製、型式DX−500シリーズ、分析カラムAS4A−SC)を用いて測定し、ナト
リウムイオン濃度をイオンクロマトグラフィー(横河電機社製、型式IC7000、分析
カラムICS−C1GA)を用いて測定した。その結果を下記の表2〜表3に示した。
また、上記実施例および比較例の各微細球状シリカ粉体A〜Iのシラノール基の含有比
率を前述のシラノール基の含有比率測定方法に従って、測定した。その結果を下記の表2
〜表3に併せて示した。
率を前述のシラノール基の含有比率測定方法に従って、測定した。その結果を下記の表2
〜表3に併せて示した。
上記結果から明らかなように、高分子凝集剤・高分子凝結剤を使用しなかった微細球状
シリカ粉体E〜G(比較例1〜3)の純水洗浄操作中における自然沈降による固液分離所
要時間は24時間以上と極めて長く、実質的な製造には遠心分離器などの強制的な固液分
離を必要とする。そこで、2000Gの遠心分離を行ったが、その場合でも1時間を要す
るのに対し、本発明の高分子凝集剤・高分子凝結剤を使用する微細球状シリカ粉体A〜D
(実施例1〜4)の純水洗浄操作中における自然沈降による固液分離所要時間は5分以内
と早く、生産性に優れ、装置の低コスト化に優れることが判る。
シリカ粉体E〜G(比較例1〜3)の純水洗浄操作中における自然沈降による固液分離所
要時間は24時間以上と極めて長く、実質的な製造には遠心分離器などの強制的な固液分
離を必要とする。そこで、2000Gの遠心分離を行ったが、その場合でも1時間を要す
るのに対し、本発明の高分子凝集剤・高分子凝結剤を使用する微細球状シリカ粉体A〜D
(実施例1〜4)の純水洗浄操作中における自然沈降による固液分離所要時間は5分以内
と早く、生産性に優れ、装置の低コスト化に優れることが判る。
また、塩酸洗浄および水酸化ナトリウム洗浄を行わなかった微細球状シリカ粉体E〜G
(比較例1〜3)、ならびに、水酸化ナトリウム洗浄を行わなかった微細球状シリカ粉体
H(比較例4)の抽出水のリン酸イオン濃度は20〜50ppmと高い値を示すのに対し
、本発明の製造工程を経由して得られた微細球状シリカ粉体A〜D(実施例1〜4)のリ
ン酸イオン濃度は1〜2ppmと低い値を示した。同様に、微細球状シリカ粉体E、F(
比較例1,2)の抽出水のナトリウムイオン濃度は4〜6ppmであるのに対し、本発明
の製造工程を経由して得られた微細球状シリカ粉体A、B(実施例1,2)のナトリウム
イオン濃度はその1/4以下の1ppmと低い値を示した。同様に、微細球状シリカ粉体
G(比較例3)の抽出水のナトリウムイオン濃度は30ppmと高い値を示しているのに
対し、本発明の製造工程を経由して得られた微細球状シリカ粉体C(実施例3)のナトリ
ウムイオン濃度はその約1/3の10ppmと低い値を示した。そして、塩酸洗浄および
水酸化ナトリウム洗浄を行わなかった微細球状シリカ粉体E〜G(比較例1〜3)の抽出
水の電気伝導度は200〜450μS/cmと極めて高い値を示し、水酸化ナトリウム洗
浄を行わなかった微細球状シリカ粉体H(比較例4)の抽出水の電気伝導度は100μS
/cmと高い値を示すのに対し、本発明の製造工程を経由して得られた微細球状シリカ粉
体A〜D(実施例1〜4)の抽出水電気伝導度は50μS/cm以下と低く、一連の洗浄
工程によって、イオン性不純物が低減されている。
(比較例1〜3)、ならびに、水酸化ナトリウム洗浄を行わなかった微細球状シリカ粉体
H(比較例4)の抽出水のリン酸イオン濃度は20〜50ppmと高い値を示すのに対し
、本発明の製造工程を経由して得られた微細球状シリカ粉体A〜D(実施例1〜4)のリ
ン酸イオン濃度は1〜2ppmと低い値を示した。同様に、微細球状シリカ粉体E、F(
比較例1,2)の抽出水のナトリウムイオン濃度は4〜6ppmであるのに対し、本発明
の製造工程を経由して得られた微細球状シリカ粉体A、B(実施例1,2)のナトリウム
イオン濃度はその1/4以下の1ppmと低い値を示した。同様に、微細球状シリカ粉体
G(比較例3)の抽出水のナトリウムイオン濃度は30ppmと高い値を示しているのに
対し、本発明の製造工程を経由して得られた微細球状シリカ粉体C(実施例3)のナトリ
ウムイオン濃度はその約1/3の10ppmと低い値を示した。そして、塩酸洗浄および
水酸化ナトリウム洗浄を行わなかった微細球状シリカ粉体E〜G(比較例1〜3)の抽出
水の電気伝導度は200〜450μS/cmと極めて高い値を示し、水酸化ナトリウム洗
浄を行わなかった微細球状シリカ粉体H(比較例4)の抽出水の電気伝導度は100μS
/cmと高い値を示すのに対し、本発明の製造工程を経由して得られた微細球状シリカ粉
体A〜D(実施例1〜4)の抽出水電気伝導度は50μS/cm以下と低く、一連の洗浄
工程によって、イオン性不純物が低減されている。
また、シラノール基含有比率においては、塩酸洗浄および水酸化ナトリウム洗浄工程を
経由しながら再焼成処理を行わなかった微細球状シリカ粉体I(比較例5)のシラノール
基含有比率は0.250とシラノール基が高い比率で残存したのに対し、本発明の製法に
より得られた微細球状シリカ粉体A〜D(実施例1〜4)では0.035とシラノール基
の比率が約1/7に低減されている。
経由しながら再焼成処理を行わなかった微細球状シリカ粉体I(比較例5)のシラノール
基含有比率は0.250とシラノール基が高い比率で残存したのに対し、本発明の製法に
より得られた微細球状シリカ粉体A〜D(実施例1〜4)では0.035とシラノール基
の比率が約1/7に低減されている。
〔樹脂成分に対する濡れ性評価〕
つぎに、液状エポキシ樹脂(EP−827、油化シェル社製)と上記各微細球状シリカ
粉体A〜I(実施例1〜4、比較例1〜5)の濡れ性の違いによる分散性の状態変化を試
験した。試験方法は、10.0gの液状エポキシ樹脂(EP−827)と5.0gの微細
球状シリカ粉体をビーカに入れ、加温しながら170℃で一定に保ち、単にガラス棒で5
分間攪拌・混合した。その後の混合スラリーの状態を目視観察して、評価した。その結果
を下記の表4に示した。
つぎに、液状エポキシ樹脂(EP−827、油化シェル社製)と上記各微細球状シリカ
粉体A〜I(実施例1〜4、比較例1〜5)の濡れ性の違いによる分散性の状態変化を試
験した。試験方法は、10.0gの液状エポキシ樹脂(EP−827)と5.0gの微細
球状シリカ粉体をビーカに入れ、加温しながら170℃で一定に保ち、単にガラス棒で5
分間攪拌・混合した。その後の混合スラリーの状態を目視観察して、評価した。その結果
を下記の表4に示した。
上記結果から明らかなように、シラノール基含有比率の多い微細球状シリカ粉体I(比
較例5)を液状エポキシ樹脂(EP−827)と混合攪拌させた試料では、微細球状シリ
カ粉体Iが均一に分散せず、粉体粒子が凝集したようになり、つやのない粒状となった。
これに対して、シラノール基含有比率の少ない、いわゆる実質的に含有しないのと同等の
微細球状シリカ粉体A〜H(実施例1〜4、比較例1〜4)では粉体粒子が均一に分散し
、つやのあるクリーム状になった。
較例5)を液状エポキシ樹脂(EP−827)と混合攪拌させた試料では、微細球状シリ
カ粉体Iが均一に分散せず、粉体粒子が凝集したようになり、つやのない粒状となった。
これに対して、シラノール基含有比率の少ない、いわゆる実質的に含有しないのと同等の
微細球状シリカ粉体A〜H(実施例1〜4、比較例1〜4)では粉体粒子が均一に分散し
、つやのあるクリーム状になった。
このように、上記表2〜表4の結果から、焼成工程、酸性水溶液、アルカリ性水溶液を
用いての洗浄工程、高分子凝集剤・高分子凝結剤を用いた純水による洗浄工程、再焼成工
程を基本工程として製造された、電気伝導度が50μS/cm以下で、シラノール基を低
減させた(シラノール基を実質的に含有しない)実施例品ではエポキシ樹脂に対する濡れ
性が向上し、分散性が向上したことがわかる。なお、微細球状シリカ粉体E〜H(比較例
1〜4)では、上記再焼成処理工程を経由して作製されたものであるため、シラノール基
は少なく、均一に分散し、濡れ性は良好であるが、酸性水溶液、あるいは、アルカリ性水
溶液を用いての洗浄工程を経由していないためイオン性不純物を多く含有しており、電気
伝導度が高く、電気・電子分野等の高い信頼性が要求される用途には不適当であることは
明らかである。また、焼成工程、酸性水溶液、アルカリ性水溶液を用いての洗浄工程、高
分子凝集剤・高分子凝結剤を用いた純水による洗浄工程を経由しても、再焼成工程を経由
していない微細球状シリカ粉体I(比較例5)では、エポキシ樹脂に対する濡れ性が悪く
、さらに、添加した高分子凝集剤自体が持つイオン性不純物を焼失させていないため、電
気伝導度が200μS/cmと高く、同様に、電気・電子分野等の高い信頼性が要求され
る用途には不適当であることは明らかである。
用いての洗浄工程、高分子凝集剤・高分子凝結剤を用いた純水による洗浄工程、再焼成工
程を基本工程として製造された、電気伝導度が50μS/cm以下で、シラノール基を低
減させた(シラノール基を実質的に含有しない)実施例品ではエポキシ樹脂に対する濡れ
性が向上し、分散性が向上したことがわかる。なお、微細球状シリカ粉体E〜H(比較例
1〜4)では、上記再焼成処理工程を経由して作製されたものであるため、シラノール基
は少なく、均一に分散し、濡れ性は良好であるが、酸性水溶液、あるいは、アルカリ性水
溶液を用いての洗浄工程を経由していないためイオン性不純物を多く含有しており、電気
伝導度が高く、電気・電子分野等の高い信頼性が要求される用途には不適当であることは
明らかである。また、焼成工程、酸性水溶液、アルカリ性水溶液を用いての洗浄工程、高
分子凝集剤・高分子凝結剤を用いた純水による洗浄工程を経由しても、再焼成工程を経由
していない微細球状シリカ粉体I(比較例5)では、エポキシ樹脂に対する濡れ性が悪く
、さらに、添加した高分子凝集剤自体が持つイオン性不純物を焼失させていないため、電
気伝導度が200μS/cmと高く、同様に、電気・電子分野等の高い信頼性が要求され
る用途には不適当であることは明らかである。
本発明のシリカ粉体の製法により得られるシリカ粉体は、例えば、電気絶縁材料,塗料
用充填材、半導体用封止材として有用である。特に、半導体用封止材として用いる場合、
信頼性、流動性の観点から、従来から使用されている高価な微細球状溶融シリカに代わる
ものとして好ましく用いられる。
用充填材、半導体用封止材として有用である。特に、半導体用封止材として用いる場合、
信頼性、流動性の観点から、従来から使用されている高価な微細球状溶融シリカに代わる
ものとして好ましく用いられる。
Claims (7)
- シリカ粉体原料を500〜900℃の温度で焼成した後、下記の洗浄工程(a)または(b)を経由し、ついで上記洗浄工程を経由したシリカ粉体原料に、高分子凝集剤および高分子凝結剤の少なくとも一方を添加してシリカ粉体原料を凝集させ固液分離を行い、この凝集させたシリカ粉体原料を純水を用いて洗浄した後、シリカ粉体原料を再度500〜900℃の温度で再焼成して粉体化することを特徴とするシリカ粉体の製法。
(a)pH2以下の状態に調整した酸性スラリー水性液状態にして上記焼成後のシリカ粉体原料を洗浄し、続いてpH11以上の状態に調整したアルカリ性スラリー水性液状態にして上記シリカ粉体原料を洗浄する洗浄工程。
(b)pH11以上の状態に調整したアルカリ性スラリー水性液状態にして上記シリカ粉体原料を洗浄し、続いてpH2以下の状態に調整した酸性スラリー水性液状態にして上記焼成後のシリカ粉体原料を洗浄する洗浄工程。 - 上記シリカ粉体原料が、平均粒子径が2μm以下である請求項1記載のシリカ粉体の製法。
- 上記純水を用いた洗浄工程が、0〜100℃での電気伝導度が1μS/cm以下の純水を用いた水洗,固液分離の繰り返し工程である請求項1または2記載のシリカ粉体の製法。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載のシリカ粉体の製法によって得られたシリカ粉体であって、シリカ粉体5gを、50mlの電気伝導度1μS/cm以下の純水中に160℃で24時間加圧浸漬した後の抽出水の電気伝導度が、90μS/cm以下であり、シラノール基を実質的に含有しないことを特徴とするシリカ粉体。
- リン酸イオン濃度が10ppm以下である請求項4記載のシリカ粉体。
- 上記シリカ粉体が、球状である請求項4または5記載のシリカ粉体。
- 上記シリカ粉体が粒径1μm以下の微細球状シリカを30重量%以上含有している請求項4〜6のいずれか一項記載のシリカ粉体。
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JP2004331840A (ja) * | 2003-05-08 | 2004-11-25 | Nitto Denko Corp | フライアッシュ粉体およびその製法ならびにそれを用いた半導体封止用樹脂組成物、半導体装置 |
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