JP2004041900A - コロイダルシリカ含有水の処理方法 - Google Patents

コロイダルシリカ含有水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コロイダルシリカ含有水から、少ないスラッジ発生量でコロイダルシリカを分離することができるコロイダルシリカ含有水の処理方法を提供する。
【解決手段】コロイダルシリカ含有水を、カチオン性有機物を添加したのち、アニオン性又はノニオン性高分子凝集剤を添加して凝集処理し、次いで固液分離するコロイダルシリカ含有水の処理方法において、コロイダルシリカ含有水のpHを3〜5に調整し、濃度0.3g/L以下のカチオン性有機物の水溶液を撹拌下に添加することを特徴とするコロイダルシリカ含有水の処理方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コロイダルシリカ含有水の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、コロイダルシリカ含有水から、少ないスラッジ発生量でコロイダルシリカを分離することができるコロイダルシリカ含有水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの微細化、高集積化、多層配線化が進むにつけれ、電子材料表面の平坦化が強く求められるようになり、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)が標準的なプロセスになっている。CMPは、回転する電子材料と研磨布を張り付けた定盤の間に研磨スラリーを連続的に注入しつつ、電子材料の研磨を行うものであり、機械加工とは異なり、グローバルな平坦化が可能であり、潜在傷などの加工変質層が残らず、歩留りと品質を向上することができる。
CMP工程において使用される研磨スラリーには、各種の研磨材が使用されるが、中でもコロイダルシリカを用いる研磨スラリーが多く、CMP排水として排出されるコロイダルシリカ含有水の処理が問題となっている。研磨スラリーは、粒径数十ないし数百nmのコロイダルシリカが分数した状態にあり、CMP工程に使用された後も、新品スラリーと同じコロイド状で排出される。
従来、コロイダルシリカ含有水の処理方法としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの無機凝集剤を添加して凝集沈殿処理するか、ろ過膜により水と濃縮スラリー分離回収して再利用するか、あるいは、他の廃水と混合して凝集・沈殿処理後脱水処理している。他の廃水の凝集・沈殿処理に余裕がなければ、濃縮スラリーの状態では脱水できないために、別途に凝集処理が施される。この場合、使用するCMP研磨スラリー中のコロイダルシリカに対して5〜15重量倍のポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの添加が必要であり、発生する汚泥量が実際に使用するコロイダルシリカの5〜15重量倍になる。このために、発生する汚泥量を減少することができるコロイダルシリカ含有水の処理方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コロイダルシリカ含有水から、少ないスラッジ発生量でコロイダルシリカを分離することができるコロイダルシリカ含有水の処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、コロイダルシリカ含有水のpHを3〜5に調整し、低濃度のカチオン性有機物の水溶液を撹拌下に添加してコロイド状態を破壊することにより、コロイダルシリカとほぼ同量のスラッジの発生量でコロイダルシリカ含有水を処理し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、コロイダルシリカ含有水を、カチオン性有機物を添加したのち、アニオン性又はノニオン性高分子凝集剤を添加して凝集処理し、次いで固液分離するコロイダルシリカ含有水の処理方法において、コロイダルシリカ含有水のpHを3〜5に調整し、濃度0.3g/L以下のカチオン性有機物の水溶液を撹拌下に添加することを特徴とするコロイダルシリカ含有水の処理方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明方法においては、コロイダルシリカ含有水を、カチオン性有機物を添加したのち、アニオン性又はノニオン性高分子凝集剤を添加して凝集処理し、次いで固液分離するコロイダルシリカ含有水の処理方法において、コロイダルシリカ含有水のpHを3〜5に調整し、濃度0.3g/L以下のカチオン性有機物の水溶液を撹拌下に添加する。
本発明方法を適用するコロイダルシリカ含有水に特に制限はなく、例えば、半導体基板のケミカルメカニカルポリッシング(CMP)工程排水、ガラス基板、レンズなどの研磨工程排水、光学用石英ガラスの研磨工程排水などを挙げることができる。本発明方法を適用するコロイダルシリカに特に制限はなく、例えば、ケイ酸ナトリウムの水溶液に酸を加えて調製されたコロイダルシリカ、ケイ酸ナトリウムの水溶液をカチオン交換樹脂と接触させたのち粒子を成長させたコロイダルシリカ、四塩化ケイ素から気相法により製造されたヒュームドシリカなどを挙げることができる。
本発明方法においては、コロイダルシリカ含有水のpHを3〜5、より好ましくはpHを3.5〜4.5、さらに好ましくはpHを3.9〜4.0に調整する。pH調整に用いる薬剤に特に制限はないが、CMP工程排水はアルカリ性である場合が多いので、塩酸、硫酸などを好適に用いることができる。発生するコロイダルシリカ含有水のpHが3〜5である場合は、pH調整を省略することができる。コロイダルシリカ含有水のpHが3未満であると、後で添加するアニオンあるいはノニオン性高分子凝集剤の効果がうすれるおそれがある。コロイダルシリカ含有水のpHが5を超えると、カチオン性有機物のコロイド破壊効果がうすれるおそれがある。
【0006】
本発明方法においては、pH3〜5のコロイダルシリカ含有水に、濃度0.3g/L以下、より好ましくは濃度0.05〜0.3g/L、さらに好ましくは濃度0.08〜0.2g/Lのカチオン性有機物の水溶液を添加する。濃度0.3g/L以下、すなわち濃度0.03重量%以下の希薄なカチオン性有機物の水溶液を添加することにより、カチオン性有機物によってコロイダルシリカの微粒子が帯電している負の荷電を均一に中和し、コロイド状態を破壊することができる。カチオン性有機物の水溶液の濃度が0.3g/Lを超えると、コロイダルシリカに不均一に吸着し微粒子の部分的な凝集が起こり、コロイダルシリカ含有水全体としての荷電の中和によるコロイド状態の破壊が起こらないおそれがある。
本発明方法において、カチオン性有機物の添加量は、コロイダルシリカ含有水中のコロイダルシリカ1gに対して1〜5mgであることが好ましく、1.5〜2.5mgであることがより好ましい。カチオン性有機物の添加量がコロイダルシリカ1gに対して1mg未満であると、負の荷電の中和が不足してコロイド状態の破壊が起こらないおそれがある。カチオン性有機物の添加量がコロイダルシリカ1gに対して5mgを超えると、コロイダルシリカの微粒子が正に帯電して反発しあい、コロイド状態が保たれるおそれがある。
【0007】
本発明方法においては、コロイダルシリカ含有水にカチオン性有機物の水溶液を撹拌下に添加する。コロイダルシリカ含有水の撹拌は、160〜500rpmの急速撹拌であることが好ましく、200〜300rpmの急速撹拌であることがより好ましい。急速撹拌することにより、コロイダルシリカ含有水にカチオン性有機物の水溶液を短時間で均一に拡散させ、コロイダルシリカにカチオン性有機物を吸着させ、コロイド状態を破壊することができる。カチオン性有機物は撹拌下に徐々に添加するのが好ましく、添加後コロイド状態は、通常は5〜30秒で破壊される。
本発明方法に用いるカチオン性有機物に特に制限はなく、例えば、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアンモニウム塩、テトラメチルホスホニウムイオダイド、トリフェニルメチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩、トリエチルスルホニウムイオダイド、トリメチルスルホニウムヒドロキシドなどのスルホニウム塩、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリエチレンポリアミン類又はそれらの塩、アミン塩型アルキルアミン、アンモニウム塩型アルキルアミンなどのカチオン性界面活性剤、ポリアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、ポリアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、キトサンなどのカチオン性高分子化合物(カチオン系高分子凝集剤)などを挙げることができる。これらのカチオン性有機物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0008】
本発明方法において、コロイダルシリカ含有水にカチオン性有機物を添加してコロイド状態を破壊したのちに、アニオン性高分子凝集剤又はノニオン性高分子凝集剤を添加し、コロイド状態が破壊されたコロイダルシリカを凝集する。アニオン性又はノニオン性高分子凝集剤の添加量に特に制限はないが、コロイド状態が破壊されたコロイダルシリカ含有水1Lに対して、0.2〜3mgであることが好ましく、0.5〜1mgであることがより好ましい。コロイド状態が破壊されたコロイダルシリカ含有水にアニオン性又はノニオン性高分子凝集剤を添加することにより、コロイド状態が破壊されて形成された微細なコロイダルシリカのフロックを凝集させ、沈降により固液分離することができる。アニオン性又はノニオン性高分子凝集剤の添加量が、コロイダルシリカ含有水1Lに対して0.2mg未満であると、コロイダルシリカのフロックの凝集が不十分になるおそれがある。コロイダルシリカ1Lに対してアニオン性又はノニオン性高分子凝集剤3mg以下の添加により、コロイダルシリカのフロックは凝集し、通常はコロイダルシリカ含有水1Lに対して3mgを超えるアニオン性又はノニオン性高分子凝集剤を添加する必要はない。
本発明方法に用いるアニオン性高分子凝集剤に特に制限はなく、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸とアクリルアミドの共重合体、ポリアクリルアミド加水分解物、アクリルアミドと2−メチルプロパンスルホン酸の共重合体、これらの重合体の塩などを挙げることができる。本発明方法に用いるノニオン性高分子凝集剤に特に制限はなく、例えば、ポリアクリルアミド、アクリルアミド共重合体などを挙げることができる。これらの高分子凝集剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明方法により形成される凝集フロックは沈降性が良好なので、発生するスラッジの量が少なく、透明な上澄水を得ることができる。沈降したスラッジは、汚泥濃縮槽へ送って濃縮し、さらにフィルタープレス脱水機、ベルトプレス脱水機などにより脱水し、脱水ケーキとすることができる。得られるケーキは、ごく微量のカチオン性有機物と高分子凝集剤を含む以外はコロイダルシリカのみからなる。本発明方法によれば、スラッジ及びケーキの発生量を少なくして、コロイダルシリカ含有水を処理することができる。また、得られるケーキは、純度の高いSiO粉体として再利用することが可能である。
【0009】
図1は、本発明方法の実施の一態様の工程系統図である。コロイダルシリカ含有水貯槽1から、ポンプ2により、コロイダルシリカ含有水をpH調整槽3に導入する。pH調整剤貯槽4からpH調整槽にpH調整剤を送り、コロイダルシリカ含有水のpHを3〜5に調整する。pHが調整され、コロイド破壊槽5に移ったコロイダルシリカ含有水に、カチオン性有機物貯槽6から濃度0.3g/L以下のカチオン性有機物の水溶液を撹拌下に添加し、コロイド状態を破壊する。コロイド状態が破壊され、凝集槽7に移ったコロイダルシリカ含有水に、アニオン系高分子凝集剤貯槽8からアニオン系高分子凝集剤を添加して、コロイダルシリカのフロックを凝集させる。コロイダルシリカのフロックが凝集したコロイダルシリカ含有水を、ポンプ9により汚泥濃縮槽10に送り、固液分離する。汚泥濃縮槽の槽底から汚泥を抜き出し、脱水機に送って脱水し、ほとんどシリカ粒子からなる脱水ケーキを得る。汚泥濃縮槽の上澄水は、排水として処理する。
図2は、本発明方法の実施の他の態様の工程系統図である。コロイダルシリカ含有水貯槽11から、ポンプ12により、コロイダルシリカ含有水をスラリー循環槽13に導入する。スラリー循環槽内のコロイダルシリカ含有水を、ポンプ14により、膜式ろ過装置15に循環し、コロイダルシリカ含有水を濃縮する。膜式ろ過装置の透過水は、いったん回収水槽16に貯留したのち、ポンプ17により送り出して、回収水として利用する。スラリー濃縮槽中のコロイダルシリカ含有水が所定の濃度になったとき、濃縮されたコロイダルシリカ含有水を、ポンプ14により、pH調整槽3に送り込む。pH調整剤貯槽4からpH調整槽にpH調整剤を送り、濃縮されたコロイダルシリカ含有水のpHを3〜5に調整する。pHが調整され、コロイド破壊槽5に移った濃縮されたコロイダルシリカ含有水に、カチオン性有機物貯槽6から濃度0.3g/L以下のカチオン性有機物の水溶液を撹拌下に添加し、コロイド状態を破壊する。コロイド状態が破壊され、凝集槽7に移った濃縮されたコロイダルシリカ含有水に、アニオン系高分子凝集剤貯槽8からアニオン系高分子凝集剤を添加して、コロイダルシリカのフロックを凝集させる。コロイダルシリカのフロックが凝集した濃縮されたコロイダルシリカ含有水を、ポンプ9により汚泥濃縮槽10に送り、固液分離する。汚泥濃縮槽の槽底から汚泥を抜き出し、脱水機に送って脱水し、ほとんどシリカ粒子からなる脱水ケーキを得る。汚泥濃縮槽の上澄水は、排水として処理する。
本発明のコロイダルシリカ含有水の処理方法によれば、多量のスラッジが発生することなく、含有されるコロイダルシリカの量にほぼ相当する少量のスラッジが発生するだけで、コロイダルシリカ含有水を処理することができる。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例においては、シリカ系研磨スラリー[キャボット社、SS−25、固形分12.5重量%]を超純水で10重量倍に希釈し、通常排出される研磨スラリーと同程度の濃度であるコロイダルシリカ濃度1.25重量%の試験スラリーとし、この試験スラリーを用いて試験を行った。試験スラリーはpH10.9であり、静置しても沈降せず、分散状態であった。
実施例1
容量2Lのビーカーに試験スラリー1,000mLを入れ、塩酸を加えてpH4.0に調整した。試験スラリーを翼径30mmのパドル型撹拌羽根を用いて、250rpmで急速撹拌しながら、カチオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックCP934]の濃度0.1g/Lの水溶液を徐々に添加した。カチオン系高分子凝集剤水溶液280mLを添加したとき、コロイド状態が破壊されてゲル状のコロイダルシリカの微細なフロックが生成した。
次いで、アニオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックPA375]の濃度1g/Lの水溶液1.0mLを添加して1分間緩速撹拌したのち、静置した。30分間静置後のスラッジ容積は原液換算25容量%であり、上澄水は透明であった。
実施例2
カチオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックCP934]の水溶液の濃度を0.3g/Lとした以外は、実施例1と同じ操作を行った。
カチオン系高分子凝集剤水溶液85mLを添加したとき、コロイド状態が破壊されてゲル状のコロイダルシリカの微細なフロックが生成した。
次いで、アニオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックPA375]の濃度1g/Lの水溶液1.0mLを添加して1分間緩速撹拌したのち、静置した。30分間静置後のスラッジ容積は原液換算24容量%であり、上澄水は透明であった。
実施例3
カチオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックCP934]の水溶液の濃度を0.05g/Lとした以外は、実施例1と同じ操作を行った。
カチオン系高分子凝集剤水溶液500mLを添加したとき、コロイド状態が破壊されてゲル状のコロイダルシリカの微細なフロックが生成した。
次いで、アニオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックPA375]の濃度1g/Lの水溶液1.0mLを添加して1分間緩速撹拌したのち、静置した。30分間静置後のスラッジ容積は原液換算25容量%であり、上澄水は透明であった。
【0011】
比較例1
実施例1と同様にして、pH4.0に調整した試験スラリー1,000mLを急速撹拌しながら、カチオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックCP934]の濃度1.0g/Lの水溶液を徐々に添加した。試験スラリー中のコロイダルシリカの一部が塊状になり、カチオン系高分子凝集剤50mLを添加しても、塊状部の数が増すのみで、ゲル状のコロイダルシリカの微細なフロックは生成しなかった。
比較例2
カチオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックCP934]の水溶液の濃度を0.5g/Lとした以外は、比較例1と同じ操作を行った。
試験スラリー中のコロイダルシリカの一部が塊状になる程度は比較例1より改善されたが、依然としてコロイド状態の破壊は不十分であった。
比較例3
容量2Lのビーカーに試験スラリー1,000mLを入れ、塩酸を加えてpH7.0に調整した。実施例1と同様にして、試験スラリーを急速撹拌しながら、カチオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックCP934]の濃度0.1g/Lの水溶液を徐々に添加した。部分的にゲル状のコロイダルシリカの微細なフロックは生成したが、カチオン系高分子凝集剤水溶液添加量280mLでは完全にコロイド破壊に到らなかった。
比較例4
容量2Lのビーカーに試験スラリー1,000mLを入れ、塩酸を加えてpH6.3に調整した。実施例1と同様にして、試験スラリーを急速撹拌しながら、ポリ塩化アルミニウム溶液(Alとして10g/L濃度)50mLを添加した。コロイド状態が破壊されてゲル状のコロイダルシリカのフロックが生成した。
次いで、アニオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックPA375]の濃度1g/Lの水溶液10mLを添加して1分間緩速撹拌したのち、静置した。30分間静置後のスラッジ容積は原液換算60容量%であり、上澄水は透明であった。
【0012】
実施例4
カチオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックCP934]の濃度0.1g/Lの水溶液の代わりに、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドの濃度0.1g/Lの水溶液を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行った。
ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液320mLを添加したとき、コロイド状態が破壊されてゲル状のコロイダルシリカの微細なフロックが生成した。
次いで、アニオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックPA375]の濃度1g/Lの水溶液1.0mLを添加して1分間緩速撹拌したのち、静置した。30分間静置後のスラッジ容積は原液換算30容量%であり、上澄水は透明であった。
実施例5
ペンタエチレンヘキサミン0.1gを水1,000mLに溶解し、0.1モル/L塩酸26mLを加えて中和し、ペンタエチレンヘキサミン塩水溶液を調製した。
カチオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックCP934]の濃度0.1g/Lの水溶液の代わりに、上記のペンタエチレンヘキサミン塩水溶液を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行った。
ペンタエチレンヘキサミン塩水溶液250mLを添加したとき、コロイド状態が破壊されてゲル状のコロイダルシリカの微細なフロックが生成した。
次いで、ノニオン系高分子凝集剤[栗田工業(株)、クリフロックPN171]の濃度1g/Lの水溶液1.0mLを添加して1分間緩速撹拌したのち、静置した。30分間静置後のスラッジ容積は原液換算30容量%であり、上澄水は透明であった。
実施例1〜5及び比較例1〜2の結果を、第1表に示す。
【0013】
【表1】
Figure 2004041900
【0014】
コロイダルシリカ含有水に添加するカチオン性高分子凝集剤[クリフロックCP934]の水溶液の濃度を0.05〜1.0g/Lの範囲で変動させた実施例1〜3と比較例1〜2の結果を見ると、濃度0.3g/L以下ではコロイド状態が破壊され、濃度0.5g/L以上ではコロイド状態の破壊が起こらないことが分かる。また、コロイド状態が破壊されたコロイダルシリカ含有水に、アニオン系高分子凝集剤を添加してフロックを凝集させると、自然沈降したスラッジの容積は、従来のポリ塩化アルミニウムとアニオン系高分子凝集剤を用いた比較例4の2分の1以下である。
カチオン性有機物の水溶液として、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドの濃度0.1g/Lの水溶液を用いた実施例4と、ペンタエチレンヘキサミン塩の濃度0.1g/Lの水溶液を用いた実施例5においても、コロイダルシリカ含有水のコロイド状態の破壊が起こり、アニオン系高分子凝集剤を添加して凝集沈降させたスラッジの容積は小さい。
【0015】
【発明の効果】
本発明のコロイダルシリカ含有水の処理方法によれば、多量のスラッジが発生することなく、含有されるコロイダルシリカの量にほぼ相当する少量のスラッジが発生するだけで、コロイダルシリカ含有水を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法の実施の一態様の工程系統図である。
【図2】図2は、本発明方法の実施の他の態様の工程系統図である。
【符号の説明】
1 コロイダルシリカ含有水貯槽
2 ポンプ
3 pH調整槽
4 pH調整剤貯槽
5 コロイド破壊槽
6 カチオン性有機物貯槽
7 凝集槽
8 アニオン系高分子凝集剤貯槽
9 ポンプ
10 汚泥濃縮槽
11 コロイダルシリカ含有水貯槽
12 ポンプ
13 スラリー循環槽
14 ポンプ
15 膜式ろ過装置
16 回収水槽
17 ポンプ

Claims (1)

  1. コロイダルシリカ含有水を、カチオン性有機物を添加したのち、アニオン性又はノニオン性高分子凝集剤を添加して凝集処理し、次いで固液分離するコロイダルシリカ含有水の処理方法において、コロイダルシリカ含有水のpHを3〜5に調整し、濃度0.3g/L以下のカチオン性有機物の水溶液を撹拌下に添加することを特徴とするコロイダルシリカ含有水の処理方法。
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